(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018065
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】手動湯沸かし器
(51)【国際特許分類】
F24V 40/00 20180101AFI20240201BHJP
【FI】
F24V40/00
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121129
(22)【出願日】2022-07-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】508215407
【氏名又は名称】井上 勝幸
(72)【発明者】
【氏名】井上 勝幸
(57)【要約】
【課題】災害時等にあっては、電気やガスが使用不能になり、湯を沸かす手段がなくなってしまう不都合があった。
【解決手段】手動でハンドルを連続回転させることにより、容器内の複数の鉄球が衝突しあって発生する摩擦熱が容器内の水の温度を上昇させ湯を沸かすことができるので、災害時等に電気やガスが使用不可能になった際にも、簡易湯沸かし器として使用できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能な注入口と開閉可能な注出口をそれぞれ頂部と底部の対向面に備え、前記底部が複数のスプリングにより支持された容器と、該容器内に収容された複数個の鉄球と、容器の外側に可動保持された磁石と、前記容器の一部と連結された容器揺動機構とからなることを特徴とする手動湯沸かし器。
【請求項2】
前記容器揺動機構は、固定台と、該固定台に回動自在に支持されたクランク型のハンドルと、該ハンドルに一端が連結され、他端が前記容器に連結された容器揺動桿とからなることを特徴とする手動湯沸かし器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手動により簡便に湯を沸かすことのできる器械である。
【背景技術】
【0002】
一般には、電気やガスを使用して湯を沸かすのが通例であるが、災害時等にあっては、電気やガスが使用不能になり、湯を沸かす手段がなくなってしまう不都合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に記載の簡易湯沸かし器によれば、固形燃料を燃焼させることによって、湯を沸かすことのできる携帯型の湯沸かし器が開示されている。災害時にある程度はこの湯沸かし器を利用できるかもしれないが、固形燃料を事前に準備しておく必要があり、もし固形燃料の在庫がなくなった場合には、この湯沸かし器は使用できなくなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の手動湯沸かし器は、開閉可能な注入口と開閉可能な注出口をそれぞれ頂部と底部の対向面に備え、前記底部が複数のスプリングにより支持された容器と、該容器内に収容された複数個の鉄球と、容器の外側に可動保持された磁石と、前記容器の一部と連結された容器揺動機構とからなることを特徴とする。また、前記容器揺動機構は、固定台と、該固定台に回動自在に支持されたクランク型のハンドルと、該ハンドルに一端が連結され、他端が前記容器に連結された容器揺動桿とからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の手動湯沸かし器によれば、手動でハンドルを連続回転させることにより、容器内の複数の鉄球が衝突しあって発生する摩擦熱が容器内の水の温度を上昇させ湯を沸かすことができるので、災害時等に電気やガスが使用不可能になった際にも、簡易湯沸かし器として使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の手動湯沸かし器の透視側面図である。
【
図2】本発明の手動湯沸かし器の透視平面図である。
【実施例0008】
図1は本発明の手動湯沸かし器の透視側面図であり、
図2は本発明の手動湯沸かし器の透視平面図である。これらの図において、1は略直方体状の容器であり、その頂部2には、容器1に水を注入するための注入口3が、底部4には容器1内の水や湯を取り出すための注出口5が設けられており、容器1は底部4に一端部が取り付けられ、他端部が基台6に固定された複数個のスプリング7により揺動自在に支持されている。また、容器1内には複数個の鉄球8が収容されている。さらに、容器1の外側には、磁石9が容器1に近接離反するように可動配設されている。
【0009】
また、前記容器1を揺動するための揺動機構として、固定台10が前記基台6に固定されており、基台6にはコの字型の部分を有するクランク型のハンドル11が回動自在に支持されている。ハンドル11の自由端部にはハンドル11を回転しやすくするための取っ手12が設けてある。さらに、ハンドル11のコの字型の部分には、棒状の容器揺動桿13の一端部が取り付けられており、容器揺動桿13の他端は前記容器1の側面に取り付けられている。
【0010】
次に本発明の手動湯沸かし器の動作について説明する。まず、容器1内に注入口3から水を注入して注入口3を閉じる。取っ手12を持ってハンドル11を回転すると、ハンドル11のコの字型の部分と容器1の側面とを連結する容器揺動桿13が、
図1中に破線で示した円運動を行うので、容器1もスプリング7を介して揺動する。すると、容器1内の複数の鉄球8は水と一緒に攪拌され、同時に鉄球8同士が衝突し、摩擦熱が発生する。この摩擦熱が容器1内の水の温度を上昇させる。ハンドル11を長時間回転させるほど、摩擦熱の発生が持続するので、水の温度は上昇し続け、湯を沸かすことができる。
【0011】
上記操作により水を沸かした湯を取り出す際には、まず、容器1の外側に配設された磁石9を容器1に近接させることにより、容器1内の鉄球8が容器1の側壁を介して磁石9に引き付けられ、容器1の側壁に吸着させる。その後、容器底部に設けられた注出口5を開けて湯のみを容器1外に取り出す。
1・・・容器、2・・・頂部、3・・・注入口、4・・・底部、5・・・注出口、6・・・基台、7・・・スプリング、8・・・鉄球、9・・・磁石、10・・・固定台、11・・・ハンドル、12・・・取っ手、13・・・揺動桿
開閉可能な注入口と開閉可能な注出口をそれぞれ頂部と底部の対向面に備え、前記底部が複数のスプリングにより支持された容器と、該容器内に収容された複数個の鉄球と、容器の外側に可動保持された磁石と、前記容器の一部と連結された容器揺動機構とからなることを特徴とする手動湯沸かし器。
前記容器揺動機構は、固定台と、該固定台に回動自在に支持されたクランク型のハンドルと、該ハンドルに一端が連結され、他端が前記容器に連結された容器揺動桿とからなることを特徴とする請求項1に記載の手動湯沸かし器。