(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180660
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよびデータ構造
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20241219BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024184361
(22)【出願日】2024-10-18
(62)【分割の表示】P 2023145512の分割
【原出願日】2019-01-22
(31)【優先権主張番号】P 2018009837
(32)【優先日】2018-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】517342305
【氏名又は名称】株式会社アスコエパートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】IAT弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】安井 秀行
(72)【発明者】
【氏名】高岡 英雄
(72)【発明者】
【氏名】北野 菜穂
(72)【発明者】
【氏名】近藤 誠
(72)【発明者】
【氏名】頃末 和義
(57)【要約】
【課題】 所定のサービスに関する情報を客観的かつ整合性のあるデータにて表現し、その所定のサービスに関する情報を適切に処理及び管理することができる情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよびデータ構造を提供する。
【解決手段】 所定のサービスに関する定義情報を保持している定義部2と、所定のサービスを利用しようとする対象者に関する情報を引数として定義部2に対して入力する入力部3と、入力部3から入力された対象者に関する情報と定義部2にて保持されている所定のサービスに関する定義情報2A,2Bとに基づいて、その所定のサービスの適用可否を判定する判定部4と、判定部4の適用可否およびその判定結果に基づいて算出される判定結果情報5Aを生成する情報生成部5と、情報生成部5によって生成された判定結果情報を出力する出力部6とを有する情報処理装置1とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のサービスに関する定義情報を保持している定義部と、
前記所定のサービスを利用しようとする対象者に関する情報を、前記定義部にて保持されている前記所定のサービスに関する定義情報の引数として入力する入力部と、
前記入力部を介して入力された前記対象者に関する情報と、前記定義部にて保持されている前記所定のサービスに関する定義情報とに基づいて、その所定のサービスの適用可否を判定する判定部と、
前記判定部の適用可否およびその判定結果に基づいて算出される判定結果情報を生成する情報生成部と、
前記情報生成部によって生成された判定結果情報を出力する出力部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
所定のサービスに関する定義情報を保持している定義部と、
前記所定のサービスに関する情報を、前記定義部にて保持されている前記所定のサービスに関する定義情報の引数として入力する入力部と、
前記入力部を介して入力された前記所定のサービスに関する情報と、前記定義部にて保持されている前記所定のサービスに関する定義情報とに基づいて、その所定のサービスの適用可否に関する演算をする、またはその所定のサービスに関連する計算式に基づいて所望の値を演算する演算部と、
前記演算部の演算結果を出力する出力部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1~2のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記所定のサービスに関する定義情報は、行政サービスに関する定義情報である
ことを特徴とする情報処理装置。
ていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記行政サービスに関する定義情報には、
行政サービス名,根拠法令,実施組織のいずれか一つを少なくとも含む基本情報が含まれていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の情報処理装置であって、
前記行政サービスに関する定義情報には、
前記行政サービスにより発生するアクション情報
が含まれていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項3または4に記載の情報処理装置であって、
前記行政サービスに関する定義情報には、
前記行政サービスの主体となる人情報,またはモノ情報
が含まれていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項3から6のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記行政サービスに関する定義情報には、
前記行政サービスに関する期間情報
が含まれていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項3から7のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記行政サービスに関する定義情報には、
前記行政サービスのアクションが発生するための届け出,申請あるいはフィードバックに関する情報の少なくとも一つが含まれている
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
請求項3から8のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記行政サービスに関する定義情報は、自治体単位または行政サービス単位で定義されている
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
定義部と、入力部と、判定部と、情報生成部と、出力部を有する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記定義部は、所定のサービスに関する定義情報を保持しているものであり、
前記入力部が、前記所定のサービスを利用しようとする対象者に関する情報を、前記定義部にて保持されている前記所定のサービスに関する定義情報の引数として入力する入力ステップと、
前記判定部が、前記入力ステップを介して入力された前記対象者に関する情報と、前記定義部にて保持されている前記所定のサービスに関する定義情報とに基づいて、その所定のサービスの適用可否を判定する判定ステップと、
前記情報生成部が、前記判定ステップでの適用可否およびその判定結果に基づいて算出される判定結果情報を生成する情報生成ステップと、
前記出力部が、前記情報生成ステップによって生成された判定結果情報を出力する出力ステップと
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
定義部と、入力部と、演算部と、出力部を有する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記定義部は、所定のサービスに関する定義情報を保持しているものであり、
前記入力部が、所定のサービスに関する情報を、前記定義部にて保持されている前記所定のサービスに関する定義情報の引数として入力する入力ステップと、
前記演算部が、前記入力部を介して入力された前記所定のサービスに関する情報と、前記定義部にて保持されている前記所定のサービスに関する定義情報とに基づいて、その所定のサービスの適用可否に関する演算をする、またはその所定のサービスに関連する計算式に基づいて所望の値を演算する演算ステップと、
前記出力部が、前記演算部の演算結果を出力する出力ステップと
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータを、定義部と、入力部と、情報生成部と、出力部を有する情報処理装置として機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記所定のサービスを利用しようとする対象者に関する情報を、前記定義部にて保持されている前記所定のサービスに関する定義情報の引数として入力する入力部と、
前記入力部を介して入力された前記対象者に関する情報と、前記定義部にて保持されている前記所定のサービスに関する定義情報とに基づいて、その所定のサービスの適用可否を判定する判定部と、
前記判定部の適用可否およびその判定結果に基づいて算出される判定結果情報を生成する情報生成部と、
前記情報生成部によって生成された判定結果情報を出力する出力部
として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
コンピュータを、定義部と、入力部と、演算部と、出力部を有する情報処理装置として機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
所定のサービスに関する情報を、前記定義部にて保持されている所定のサービスに関する定義情報の引数として入力する入力部と、
前記入力部を介して入力された前記所定のサービスに関する情報と、前記定義部にて保持されている前記所定のサービスに関する定義情報とに基づいて、その所定のサービスの適用可否に関する演算をする、またはその所定のサービスに関連する計算式に基づいて所望の値を演算する演算部と、
前記演算部の演算結果を出力する出力部
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよびデータ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自治体が提供する行政サービス同士を比較するための情報提供システムが知られている(たとえば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、自治体が提供する行政サービスの名称は、年度によって変更となったり、国から都道府県や自治体へと事務委託される過程の中で独自の制度名に変更されたりする場合があり、自治体同士で比較する場合にも、どの行政サービスが比較対象となり得るのかを正確に把握して、利用者に対して客観的かつ正確な比較がなされた情報を提供することが難しいという課題がある。
【0005】
また、自治体の行政サービスを提供する自治体の担当者が特許文献1に示されるような従来の情報提供システムを使用する場合、他の自治体にて提供されている行政サービスと自己の自治体にて提供している行政サービスとを比較しようとしても、どのような設立根拠法に基づいて行政サービスの提供がなされているのかを詳細に把握することは困難であるという課題がある。
【0006】
さらに、行政サービスを提供するシステムを構築するシステムにおいて、名称以外の行政サービスに関する情報についても、年度によって変更となったり、自治体によって独自の項目があったり、将来新たな項目が増えたりすることがある。したがって、それらの情報を管理するテーブル自体の修正や再設計などは、必然的に工数が多くなってコストも高くなってしまうという課題がある。
【0007】
すなわち、行政サービス自体を様々な観点から客観的かつ整合性のある表現とすることが求められているにもかかわらず、それらを実現できる仕組みや行政サービスの特徴を踏まえた客観的なデータ表現方法、適切なデータ処理方法、およびコストを適切に抑制し得るデータ管理方法が存在しない。
【0008】
また、このような課題は、行政サービスに限らず、民間のサービスなどにおいてもサービス利用者,サービス提供者,さらにはサービスに関する情報を提供するシステムを構築する者にとっても、同様の課題であり、これらの情報に関して、客観的かつ整合性のとれたデータ表現方法、適切なデータ処理方法、およびコストを適切に抑制し得るデータ管理方法が望まれている。
【0009】
また、隣接市町村、隣接都道府県においてそれぞれ独自の複数の行政サービスが整備されているが、広域行政が叫ばれている中で行政サービスを提供する側において行政サービスを管理する対象は自身が管轄する行政サービスについてのみ把握しているに止まっていることが多い。原因は、簡易に隣接市町村等の行政サービスを比較分析するシステムが存在していないことにある。さらに行政サービスを利用するユーザー(対象者)の視点で見た場合においても利用対象のサービスがユーザー自身の属する地域(都道府県、市町村)についてのみ参照(閲覧)できるだけで他の地域の行政サービスとの比較分析まですることができない。したがって、行政サービス提供者側が行政サービスの改良や最適化を実施する場合、迅速かつ的確な行政サービスの改良や最適化を図ることは困難である。そしてユーザー自身も行政サービスの選択を迅速かつ的確に行うことは困難である。
【0010】
そこで、本発明は、上述した課題を解決すること、すなわち、所定のサービスに関する情報を客観的かつ整合性のあるデータにて表現し、その所定のサービスに関する情報を適切に処理及び管理することができ、行政サービス提供者側が迅速かつ的確な行政サービスの改良や最適化を図ることができ、ユーザー自身も行政サービスの選択を迅速かつ的確に行うことができる情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよびデータ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の情報処理装置は、所定のサービスに関する定義情報を保持している定義部と、所定のサービスを利用しようとする対象者に関する情報を引数として定義部に対して入力する入力部と、入力部から入力された対象者に関する情報と定義部にて保持されている所定のサービスに関する定義情報とに基づいて、その所定のサービスの適用可否を判定する判定部と、判定部の適用可否およびその判定結果に基づいて算出される判定結果情報を生成する情報生成部と、情報生成部によって生成された判定結果情報を出力する出力部とを有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の情報処理装置の他の側面は、所定のサービスに関する定義情報を保持している定義部と、所定のサービスに関する情報を、定義部にて保持されている所定のサービスに関する定義情報の引数として入力する入力部と、入力部を介して入力された所定のサービスに関する情報と、定義部にて保持されている所定のサービスに関する定義情報とに基づいて、その所定のサービスの適用可否に関する演算をする、またはその所定のサービスに関連する計算式に基づいて所望の値を演算する演算部と、演算部の演算結果を出力する出力部とを有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の情報処理装置の他の側面は、所定のサービスに関する定義情報を保持している定義部と、所定のサービスを提供又は利用しようとするサービスに関する情報を、定義部にて保持されている前記所定のサービスに関する定義情報の引数として入力する入力部と、入力部を介して入力された前記サービスに関する情報及び定義部にて保持されている所定のサービスに関する定義情報のそれぞれに対して無作為に生成された所定の属性を有する対象者の情報を入力して得られたサービスの適用可否を判定する判定部と、判定部による判定結果としての適用可否情報及びサービス内容情報を生成する情報生成部と、生成された複数の適用可否情報及びサービス内容情報が類似するか否かを判定し、類似するサービスのみを抽出する抽出部と、抽出された類似するサービスを出力する出力部とを有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の情報処理装置の他の側面は、所定のサービスに関する定義情報を保持している定義部と、所定のサービスを提供又は利用しようとするサービスに関する情報を、定義部にて保持されている所定のサービスに関する定義情報の引数として入力する入力部と、入力部を介して入力されたサービスに関する情報及び定義部にて保持されている所定のサービスに関する定義情報のそれぞれに対して無作為に生成された所定の属性を有する対象者の情報を入力して得られたサービスの適用可否を判定する判定部と、判定部による判定結果としての適用可否情報及びサービス内容情報を生成する情報生成部と、生成された複数の適用可否情報及びサービス内容情報が類似するか否かを判定し、類似するサービスのみを抽出する抽出部とを有し、判定部は、抽出部で抽出された複数の類似するサービスの比較分析をしてサービスの価値評価の優劣を判定し、判定部で判定されたサービスの価値評価の優劣情報が出力部に出力されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の情報処理装置の他の側面は、所定のサービスに関する定義情報は、行政サービスに関する定義情報であることが好ましい。
【0016】
また、本発明の情報処理装置の他の側面は、上述した構成に加えて、行政サービスに関する定義情報には、行政サービス名,根拠法令,実施組織のいずれか1つを少なくとも含む基本情報が含まれていることが好ましい。
【0017】
また、本発明の情報処理装置の他の側面は、上述した構成に加えて、行政サービスに関する定義情報には、行政サービスにより発生するアクション情報が含まれていることが好ましい。
【0018】
また、本発明の情報処理装置の他の側面は、上述した構成に加えて、行政サービスに関する定義情報には、行政サービスの主体となる人情報,またはモノ情報が含まれていることが好ましい。
【0019】
また、本発明の情報処理装置の他の側面は、上述した構成に加えて、行政サービスに関する定義情報には、行政サービスに関する期間情報が含まれていることが好ましい。
【0020】
また、本発明の情報処理装置の他の側面は、上述した構成に加えて、行政サービスに関する定義情報には、行政サービスのアクションが発生するための届け出、申請あるいはフィードバックに関する情報が含まれていることが好ましい。
【0021】
また、本発明の情報処理装置の他の側面は、上述した構成に加えて、行政サービスに関する定義情報は、自治体単位または行政サービス単位で定義されていることが好ましい。
【0022】
また、本発明の他の側面は、情報処理方法に関するものである。すなわち、本発明の情報処理方法は、定義部と、入力部と、判定部と、情報生成部と、出力部を有する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、定義部は、所定のサービスに関する定義情報を保持しているものであり、入力部が、所定のサービスを利用しようとする対象者に関する情報を引数として定義部に対して入力する入力ステップと、判定部が、入力ステップから入力された対象者に関する情報と定義部にて保持されている所定のサービスに関する定義情報とに基づいて、その所定のサービスの適用可否を判定する判定ステップと、情報生成部が、判定ステップでの適用可否およびその判定結果に基づいて算出される判定結果情報を生成する情報生成ステップと、出力部が、情報生成ステップによって生成された判定結果情報を出力する出力ステップとを有することを特徴とする。
【0023】
また、本発明の情報処理方法の他の側面は、定義部と、入力部と、演算部と、出力部を有する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、定義部は、所定のサービスに関する定義情報を保持しているものであり、入力部が、所定のサービスに関する情報を、定義部にて保持されている所定のサービスに関する定義情報の引数として入力する入力ステップと、演算部が、入力部を介して入力された所定のサービスに関する情報と、定義部にて保持されている所定のサービスに関する定義情報とに基づいて、その所定のサービスの適用可否に関する演算をする、またはその所定のサービスに関連する計算式に基づいて所望の値を演算する演算ステップと、出力部が、演算部の演算結果を出力する出力ステップとを有することを特徴とする。
【0024】
また、本発明の情報処理方法の他の側面は、定義部と、入力部と、判定部と、情報生成部と、抽出部と、出力部を有する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、定義部は、所定のサービスに関する定義情報を保持しているものであり、入力部が、所定のサービスを提供又は利用しようとするサービスに関する情報を、定義部にて保持されている所定のサービスに関する定義情報の引数として入力する入力ステップと、判定部が、サービスに関する情報及び定義部にて保持されている所定のサービスに関する定義情報のそれぞれに対して無作為に生成された所定の属性を有する対象者の情報を入力して得られたサービスの適用可否を判定する判定ステップと、情報生成部が、判定部による判定結果としての適用可否情報及びサービス内容情報を生成する情報生成ステップと、抽出部が、生成された複数の適用可否情報及びサービス内容情報が類似するか否かを判定し、類似するサービスのみを抽出する抽出ステップと、抽出ステップによって抽出された類似するサービスを出力する出力ステップとを有することを特徴とする。
【0025】
また、本発明の情報処理方法の他の側面は、定義部と、入力部と、判定部と、情報生成部と、抽出部と、出力部を有する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、定義部は、所定のサービスに関する定義情報を保持しているものであり、入力部が、所定のサービスを提供又は利用しようとするサービスに関する情報を、定義部にて保持されている所定のサービスに関する定義情報の引数として入力する入力ステップと、判定部が、サービスに関する情報及び定義部にて保持されている所定のサービスに関する定義情報のそれぞれに対して無作為に生成された所定の属性を有する対象者の情報を入力して得られたサービスの適用可否を判定する第1の判定ステップと、情報生成部が、判定部による判定結果としての適用可否情報及びサービス内容情報を生成する情報生成ステップと、抽出部が、生成された複数の適用可否情報及びサービス内容情報が類似するか否かを判定し、類似するサービスのみを抽出する抽出ステップと、判定部が、抽出部で抽出された複数の類似するサービスの比較分析をしてサービスの価値評価の優劣を判定する第2の判定ステップと、出力部が、判定部で判定されたサービスの価値評価の優劣情報を出力する出力ステップとを有することを特徴とする。
【0026】
また、本発明の他の側面は、プログラムに関するものである。すなわち、本発明のプログラムは、コンピュータを、定義部と、入力部と、情報生成部と、出力部を有する情報処理装置として機能させるためのプログラムであって、コンピュータを、所定のサービスに関する定義情報を保持している定義部と、所定のサービスを利用しようとする対象者に関する情報を引数として定義部に対して入力する入力部と、入力部から入力された対象者に関する情報と定義部にて保持されている所定のサービスに関する定義情報とに基づいて、その所定のサービスの適用可否を判定する判定部と、判定部の適用可否およびその判定結果に基づいて算出される判定結果情報を生成する情報生成部と、情報生成部によって生成された判定結果情報を出力する出力部として機能させるためのプログラムであることを特徴とする。
【0027】
また、本発明のプログラムの他の側面は、コンピュータを、定義部と、入力部と、演算部と、出力部を有する情報処理装置として機能させるためのプログラムであって、コンピュータを、所定のサービスに関する情報を、定義部にて保持されている所定のサービスに関する定義情報の引数として入力する入力部と、入力部を介して入力された所定のサービスに関する情報と、定義部にて保持されている所定のサービスに関する定義情報とに基づいて、その所定のサービスの適用可否に関する演算をする、またはその所定のサービスに関連する計算式に基づいて所望の値を演算する演算部と、演算部の演算結果を出力する出力部として機能させることを特徴とする。
【0028】
また、本発明のプログラムの他の側面は、コンピュータを、定義部と、入力部と、判定部と、情報生成部と、抽出部と、出力部を有する情報処理装置として機能させるためのプログラムであって、コンピュータを、所定のサービスを提供又は利用しようとするサービスに関する情報を、定義部にて保持されている所定のサービスに関する定義情報の引数として入力する入力部と、入力部を介して入力されたサービスに関する情報及び定義部にて保持されている所定のサービスに関する定義情報のそれぞれに対して無作為に生成された所定の属性を有する対象者の情報を入力して得られたサービスの適用可否を判定する判定部と、判定部による判定結果としての適用可否情報及びサービス内容情報を生成する情報生成部と、生成された複数の適用可否情報及びサービス内容情報が類似するか否かを判定し、類似するサービスのみを抽出する抽出部と、抽出された類似するサービスを出力する出力部として機能させることを特徴とする。
【0029】
また、本発明のプログラムの他の側面は、コンピュータを、定義部と、入力部と、判定部と、情報生成部と、抽出部と、出力部を有する情報処理装置として機能させるためのプログラムであって、コンピュータを、所定のサービスを提供又は利用しようとするサービスに関する情報を、定義部にて保持されている所定のサービスに関する定義情報の引数として入力する入力部と、入力部を介して入力されたサービスに関する情報及び定義部にて保持されている所定のサービスに関する定義情報のそれぞれに対して無作為に生成された所定の属性を有する対象者の情報を入力して得られたサービスの適用可否を判定する判定部と、判定部による判定結果としての適用可否情報及びサービス内容情報を生成する情報生成部と、生成された複数の適用可否情報及びサービス内容情報が類似するか否かを判定し、類似するサービスのみを抽出する抽出部として機能させ、判定部を、抽出部で抽出された複数の類似するサービスの比較分析をしてサービスの価値評価の優劣を判定させるものとして機能させ、判定部で判定されたサービスの価値評価の優劣情報を出力部に出力させるように機能させることを特徴とする。
【0030】
また、本発明の他の側面は、データ構造に関するものである。すなわち、本発明のデータ構造は、行政サービスを提供するためのシステムに用いられるデータ構造であって、データ構造は、行政サービスに関する情報を定義するためのものであり、行政サービス名,根拠法令,実施組織のいずれか1つを少なくとも含む基本情報と、行政サービスにより発生するアクション情報と、行政サービスの主体となる人情報,またはモノ情報と、行政サービスに関する期間情報と、行政サービスのアクションが発生するための届け出、申請、フィードバックに関する情報とが格納できるものであり、データ構造に格納された情報によって定義される行政サービスに関する情報と、行政サービスを利用しようとする対象者に関する情報とに基づいて、行政サービスに関する情報の適用可否を判定し、その適用可否およびその判定結果に基づいて算出される判定結果情報が生成され、その生成された判定結果情報が出力されることを特徴とする。
【0031】
また、本発明のデータ構造の他の側面は、行政サービスを提供するためのシステムに用いられるデータ構造であって、データ構造は、行政サービスに関する情報を定義するためのものであり、行政サービス名,根拠法令,実施組織のいずれか1つを少なくとも含む基本情報と、行政サービスにより発生するアクション情報と、行政サービスの主体となる人情報,またはモノ情報と、行政サービスに関する期間情報と、行政サービスのアクションが発生するための届け出,申請,フィードバックに関する情報とが格納できるものであり、データ構造に格納されている行政サービスに関する定義情報の引数として、行政サービスに関する情報が入力されると、行政サービスの適用可否が演算され、または行政サービスに関連する計算式に基づいて所望の値が演算され、その演算結果が出力されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、所定のサービスに関する情報を客観的かつ整合性のあるデータにて表現し、その所定のサービスに関する情報を適切に処理及び管理することができ、行政サービス提供者側が行政サービスの改良や最適化を実施する場合、迅速かつ的確な行政サービスの改良や最適化を図ることは困難である。そしてユーザー自身も行政サービスの選択を迅速かつ的確に行うことができる情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよびデータ構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る情報処理装置1の概要を示す図である。
【
図2】本発明の一実施の形態に係る情報処理装置1のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】本発明の一実施の形態に係る情報処理装置1が有する自治体の行政サービスを表現した定義情報2A,2Bの一例を示す図である。
【
図4】本発明の一実施の形態に係る情報処理装置1に対して入力される対象者を表現した定義情報の一例を示す図である。
【
図5】本発明の一実施の形態に係る情報処理装置1が実行する処理を示すフローチャートの一例である。
【
図6】本発明の他の実施の形態に係る情報処理装置1Aの概要を示す図である。
【
図7】本発明の他の実施の形態に係る情報処理装置1Aが実行する処理を示すフローチャートの一例である。
【
図8】行政サービスに関する情報を分析する場合における情報処理装置1,1Aのメリットを説明するための図である。
【
図9】対象者に関する情報と行政サービスに関する情報の両方を、定義情報2A,2Bを有する関数に引数として入力した場合と、それらの入力に基づくアウトプットのイメージを示す図である。
【
図10】本発明の他の実施の形態に係る情報処理装置1,1Aにより実現されるWebページの一例である。
【
図11】本発明のさらに他の実施の形態に係る情報処理装置1Bの概要を示す図である。
【
図12】本発明のさらに他の実施の形態に係る情報処理装置1Bのハードウェア構成例を示す図である。
【
図13】本発明のさらに他の実施の形態に係る情報処理装置1Bが実行する処理を示すフローチャートの一例である。
【
図14】本発明の変形例に係る情報処理装置1Cの概要を示す図である。
【
図15】本発明の変形例に係る情報処理装置1Cのハードウェア構成例を示す図である。
【
図16】本発明の変形例に係る情報処理装置1Cが実行する処理を示すフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の一実施の形態に係る情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよびデータ構造について、
図1~
図9を参照しながら説明する。本発明の情報処理方法、プログラムについては、情報処理装置の動作、情報処理装置にインストールされているプログラムを例として説明する。また、本発明のデータ構造は、情報処理装置に記憶されているデータに基づいて説明する。なお、以下の実施形態においては、行政サービスに関する情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよびデータ構造を用いて説明するが、本発明の情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよびデータ構造は、行政サービスに限られるものではなく、かつ以下の実施形態に限定されるものでもない。
【0035】
なお、以下の実施形態において説明する「行政サービス」には、行政機関が整備している行政サービス(行政手続法第2条第7項に定義している「届出」、行政手続法第2条第3項に定義している「申請」)に加えて、上記「届出」、「申請」以外の手続およびその体系が含まれるものであってもよい。
【0036】
(第1実施形態:情報処理装置1の概要)
図1は、本発明の一実施の形態に係る情報処理装置1の概要を示す図である。この情報処理装置1では、入力された対象者の属性情報と特定の行政サービスに関する情報とを比較することにより、たとえば、特定の行政サービスの適用対象である否かを判定することができる。なお、「行政サービスに関する情報」とは、たとえば、行政サービス名や根拠法令、実施組織などの基本情報、行政サービスを利用(適用)することによって起こる事象を示すアクション情報、その事象の主体となる人(またはモノ)を示す対象者情報、その事象が発生する期間を示す期間情報、その事象を発生させるための届け出,申請,あるいはフィードバックなどの手続き情報である。以下、情報処理装置1の各部について詳細に説明する。
【0037】
情報処理装置1は、請求項の情報処理装置の一例である。
図1に示すように、情報処理装置1は、定義部2と、入力部3と、判定部4と、情報生成部5と、出力部6を有している。
【0038】
定義部2は、定義情報2A,2Bを有しており、後述する入力部3から入力される情報群と比較して、行政サービスの適用判別を行ったり、あるいは新たな情報の生成などに用いることができる。定義情報2A,2Bは、たとえば、行政サービスに関する情報または/および対象者に関する情報が定義されている。なお、行政サービスに関する情報または/および対象者に関する情報が関数として定義されている定義情報2A,2Bの具体例については、後述する。
【0039】
入力部3は、行政サービスを利用しようとする対象者に関する情報を引数として定義部2に対して入力する。ここでいう、「対象者に関する情報」とは、たとえば、対象者本人の姓名,対象者の父親の名前,対象者の母親の名前,対象者の生年月日,対象者の性別,対象者の配偶者の名前,対象者の子どもの名前,対象者の世帯構成,対象者の妊娠の有無,対象者の生死など、いわゆる対象者の属性情報である。しかしながら、本発明における「対象者に関する情報」には、上述した対象者の属性情報以外の情報が含まれていてもよい。さらに、入力部3は、対象者に関する情報に代えて、行政サービスに関する情報を定義部2へ入力するようにしてもよい。
【0040】
判定部4は、入力部3から入力された対象者に関する情報と定義部2にて保持されている特定の行政サービスの定義情報2A,2Bとに基づいて、その特定の行政サービスの適用可否を判定する。なお、判定部4は、その特定の行政サービスの適用結果を情報生成部5に伝達するが、その特定の行政サービスが適用される場合に起こるアクションが更に存在する場合には、情報生成部5に対してそのアクション結果を示す情報を生成するように伝達する。
【0041】
情報生成部5は、判定部4の判定結果に基づく判定結果情報5Aを生成する。なお、情報生成部5は、請求項の情報生成部または演算部の一例であり、判定結果情報5Aには、行政サービスの適用可否において金額などの数値として表示が必要な場合には、その表示するための金額を算出するための演算処理なども実行することができる。
【0042】
出力部6は、情報生成部5によって生成された行政サービスの適用可否の判定結果に基づく判定結果情報を出力する。出力部6の出力先は、たとえば、情報処理装置1のディスプレイまたは、情報処理装置1とネットワークを介して通信している外部の端末が備えるディスプレイなどである。なお、出力部6から出力された情報を更に加工したり、他の処理に使用する場合には、その加工先や処理を行う先に情報を供給するようにしてもよい。
【0043】
(情報処理装置1のハードウェア構成例)
図2は、本発明の一実施の形態に係る情報処理装置1のハードウェア構成例を示す図である。情報処理装置1は、いわゆるコンピュータであり、ハードウェア構成としては、たとえばCPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、バス24、入出力インタフェース25、入力部36、表示部27、記憶部28および通信部29といったハードウェア資源を備えるコンピュータである。これにより、上述した情報処理装置1の各部にて実行される情報処理が実現される。
【0044】
CPU21は、バス24、入出力インタフェース25を介して装置の各部から送信される操作信号やデータに基づき、ROM22あるいは記憶部28に記憶された各種プログラムをRAM23に展開して実行することにより各部の制御を行う。これにより、後述する情報処理装置1にて実行される情報処理が実現される。
【0045】
入力部36は、たとえば、キーボード、マウスなどである。表示部27は、たとえば液晶表示素子や有機EL(Electro Luminescence)表示素子などにより構成されたディスプレイであり、CPU21の処理によって各種情報を表示する。なお、入力部36と表示部27は、その両方の機能を兼ねたタッチパネルで構成されてもよい。記憶部28は、OS、各種プログラムが少なくとも記憶されている。記憶部28は、たとえばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、あるいはフラッシュメモリなどより構成される。HDD、SSD、フラッシュメモリなどは装置に内蔵されるが、所定のインタフェースにより装置に接続される外部のデバイスであってもよい。具体的には、USB(Universal Serial Bus)により接続される外付けHDDやUSBメモリ、所定のメモリカードスロットにより接続されるメモリカードなどである。通信部29は、LAN(Local Area Network)などに接続するための通信インタフェースである。
【0046】
(行政サービスの定義情報2A,2Bの例)
図3は、本発明の一実施の形態に係る情報処理装置1が有する自治体の行政サービスを表現した定義情報2A,2Bの一例を示す図である。
図3に示す例は、埼玉県川口市の行政サービスとして「乳幼児医療費(子ども医療費)の助成」を定義したものである。この定義情報には、「自治体コード」,「根拠法」,「種別」,「名称」,「法令番号」,「URL」,「概要」, 「支給内容」,「届出申請方法」,「持ち物」が定義されている。「自治体コード」は、自治体を一意に識別するための情報である。
図3に示す例では、川口市の自治体コードが「11203」であることを示している。「根拠法」は、この行政サービスを提供するための根拠となる法律に関する情報を格納する領域である。「種別」には、根拠法となる法令の種別に関する情報を定義する領域であり、ここでは「条例」と定義されている。「名称」は、根拠法の正式な名称を定義する領域であり、「川口市子ども医療費の支給に関する条例」と定義されている。「法令番号」は、根拠法の番号が定義される領域であり、具体的には「昭和48年7月1日条例第38号」と定義されている。「URL」は、根拠法の内容が記載されたWebサイトのURL情報を定義する領域である。「概要」は、この行政サービスの概要を定義する領域であり、「子どもの保険対策を充実し、子育て世帯の経済的負担を軽減するため、お子さんが病気やけがなどにより健康保険を使って医療機関で受信した場合、保険診療の自己負担(2割または3割)の一部を助成しています。」というテキスト文章が定義されている。
【0047】
また、「支給内容」には、支給される「対象者」,「申請者」,「支給物」が定義されている。具体的には、支給される「対象者」の条件として、国民健康保険に加入していること、川口市に在住していること、対象年齢内であること、保護者の全てが税を完納していること,対象者の保護者のうち、生計を主にする方の所得が、630万円+扶養家族の人数×38万円より少ないことが定義されている。また、「申請者」の条件として、保護者の生計を主にする方であることが定義されている。また、「申請期日」の条件として、対象となった翌日から15日以内であることが定義されている。また、「支給物」には、支給対象となった場合に発行される子ども(乳幼児)医療費需給資格者証が定義されている。
【0048】
また、「届出申請方法」は、具体的な申請方法の説明を格納するための領域であり、「資格の登録が必要です。出生や転入により新規の申請をするかたは、事由の発した日の翌日から15日以内に資格登録をしてください。生まれたばかりで健康保険証が未交付の場合は保険証が手元に届いた日、里帰り出産などやむを得ない事情ですぐに申請に来られない場合は申請できる状態になった日の翌日から15日以内に申請してください。」というテキスト文章が定義されている。
【0049】
また、「持ち物」は、申請する際に必要となるものに関する説明文を格納するための領域であり、持ち物の必須書類として「健康保険証(お子さまの名前が記載されているもの),「受給資格者名義の振込口座のわかるもの※振込み講座は、医療機関で支払が生じた時に医療費を支給する口座となります。」,「印鑑(スタンプ式以外のもの)」」の3つの持ち物が定義されている。
【0050】
以上、情報処理装置1では、行政サービスに関する定義情報2A,2Bについて、
図3に示したように行政サービス単位で必要となる項目を正確に定義したデータ構造を保持しており、行政サービス同士を比較する場合には、対応する行政サービスの定義情報同士で比較したり、行政サービス自体に変更等が生じる場合には、この定義情報の定義内容を修正することが可能となっている。これにより、行政サービスの客観的な比較やデータ管理が容易に行えるようになる。また、行政サービスに関する定義情報2A,2Bは、行政サービス単位でなく、自治体単位で定義したデータ構造としてもよく、そのような定義情報の場合、他の自治体で新たに行政サービスを開始する場合に、既に提供している自治体での行政サービスの定義情報を参照することが可能となるため、自治体毎にシステムを個別に構築して運用する場合と比較すると、コストの増加を低減することが可能となる。また、自治体独自の項目が必要となる場合であっても、この行政サービスの定義情報にて別途定義することで、個別に対応することも可能となる。なお、
図3に示す行政サービスに関する定義情報2A、2Bはあくまでも一例であり、これらの定義情報の一部を有するデータ構造としてもよい。
【0051】
(対象者の定義情報2A,2Bの例)
図4は、本発明の一実施の形態に係る情報処理装置1に対して入力される対象者を表現した定義情報2A,2Bの一例を示す図である。
図4に示すように対象者の属性情報として、「名前」,「ミドルネーム」,「姓」,「父親」,「母親」,「生年月日」,「性別」,「配偶者」,「子供」,「世帯」,「健康保険」,「妊娠しているか」,「生死」に関して定義されている。「名前」は対象者の名前が格納される領域である。「ミドルネーム」は対象者にミドルネームがある場合に、そのミドルネームが格納される領域である。「姓」は、対象者の苗字が格納される領域である。「父親」および「母親」は対象者の父親または母親を識別し得る情報(例:名前またはマイナンバー等の識別情報)が格納される領域である。「生年月日」は、対象者の生年月日の情報(和暦または西暦の数字情報)が格納される領域である。「性別」は、対象者の生物学的な性別または社会的な性別(ジェンダー)に関する情報が格納される領域である。「配偶者」は、対象者の配偶者を特定し得る情報(例:配偶者の名前、配偶者のマイナンバー等の識別情報)が格納される領域である。「子供」は、対象者の子供を特定し得る情報(例:子供の名前、子供のマイナンバー等の識別情報)が格納される領域である。「世帯」は、対象者の世帯に関する情報(家族構成)が格納される領域である。「健康保険」は、対象者の健康保険に関する情報が格納される領域である。「妊娠しているか」は、対象者が妊娠しているか否かに関する情報が格納される領域である。「生死」については、対象者の生死が格納される領域である。なお、
図4に示す対象者を表現した定義情報2A,2Bはあくまでも一例であり、これらの定義情報の一部を有するデータ構造としてもよい。
【0052】
以上、情報処理装置1では、対象者に関する属性情報について、
図4に示したような、行政サービスの適用可否を判断する上で必要となる属性情報を正確に定義することができるデータ構造を有している。これにより、この定義に従った対象者の情報の入力、行政サービスの適用可否に関する判定、およびその他対象者に関する情報の記録などの処理ができるため、
図3で示した行政サービスの定義情報と比較することも容易となり、かつ必要となる情報の抜け漏れを防止することができる。
【0053】
(情報処理装置1の動作例)
図5は、本発明の一実施の形態に係る情報処理装置1が実行する処理を示すフローチャートの一例である。なお、以下の処理は、情報処理装置1の電源がON、または情報処理装置1への入力処理が可能となった場合に開始される(START)。
【0054】
ステップS1:情報処理装置1の入力部3は、対象者に関する情報を判定部4に入力する。なお、入力部3に入力される対象者の情報は、情報処理装置1の入力部36を介して操作者が直接入力してもよいし、ネットワークを介して接続される外部の端末から送信されてきたものを受信して入力するようにしてもよいし、他のプログラムから出力されるものを受け取って入力するようにしてもよい。なお、ステップS1にて入力される対象者に関する情報は、
図4で説明した対象者を表現した定義情報に準ずるものが入力されることを前提としている。
【0055】
ステップS2:情報処理装置1の判定部4は、入力部3から入力された対象者に関する情報と定義部2にて保持されている特定の行政サービスの定義情報2A,2Bとに基づいて、その特定の行政サービスの適用可否を判定する。たとえば、ステップS1で入力された対象者が、
図3で説明した埼玉県川口市の行政サービスとして乳幼児医療費(子ども医療費)の助成対象となり得るか否かを判定することができる。判定部4は、判定結果を情報生成部5へ供給する。
【0056】
ステップS3:情報処理装置1の情報生成部5は、判定部4の判定結果に基づく判定結果情報5Aを生成する。なお、情報生成部5が生成する判定結果情報5Aには、行政サービスの適用可否において金額などの数値として表示が必要な場合には、その表示するための金額を算出するための演算なども実行する。
【0057】
ステップS4:情報処理装置1の出力部6は、情報生成部5によって生成された行政サービスの適用可否の判定結果に基づく判定結果情報5Aを出力する。出力部6の出力先は、たとえば、情報処理装置1の表示部27または、情報処理装置1とネットワークを介して通信している外部の端末(たとえばPC,スマートフォンなどの携帯端末)が備えるディスプレイなどである。なお、出力部6から出力された判定結果情報5Aを更に加工したり、他の処理に使用する場合には、その加工先や処理を行う先に供給する処理を行うようにしてもよい。
【0058】
(第2実施形態:情報処理装置1Aの概要)
図6は、本発明の一実施の形態に係る情報処理装置1Aの概要を示す図である。この情報処理装置1Aでは、入力された行政サービスに関する情報と定義部2に定義されている定義情報2A,2Bとに基づいて演算することにより、たとえば、入力された行政サービスに関して演算して得られた情報(たとえば、日本語または英語などの自然言語の文章情報、あるいは、その文章情報に基づく行政サービスの正誤情報など)を出力することができる。なお、
図1~
図5に示した情報処理装置1と同様の機能及びハードウェア構成については同一の記号を用いることとし、それらの構成自体の説明は省略する。
【0059】
図6に示すように、情報処理装置1Aは、定義部2と、入力部3と、演算部4Aと、情報生成部5と、出力部6を有している。
【0060】
演算部4Aは、入力部3から入力された行政サービスに関する情報に基づいて演算を実行する。演算部4Aは、文章生成実行部4Bと正誤判別実行部4Cを有している。文章生成実行部4Bは、たとえば、入力部3から入力された行政サービスに関する情報に基づいて、日本語または英語などの自然言語の文章情報(行政サービスの説明文章)の生成を実行することができる。正誤判別実行部4Cは、入力部3から入力された行政サービスに関する情報の正誤判別を行う。たとえば、正誤判別実行部4Cは、特定の行政サービスに関する情報が入力部3から入力されると、定義部2に定義されている、その特定の行政サービスの定義情報2A,2Bと対比して、正誤判別を実行する。また、正誤判別実行部4Cは、文章生成実行部4Bにて生成された文章情報と、定義部2に定義されている、その文章情報から特定される行政サービスの定義情報2A,2Bとを対比して、正誤判別を実行する。
【0061】
演算部4Aの演算により生成された情報は、出力部6を介して演算結果情報6Aとして出力される。なお、演算部4Aは、入力部3から行政サービスに関する情報に加えて、対象者に関する情報も入力された場合には、その対象者の行政サービスの適用可否を演算するようにしてもよい。また、演算結果情報6Aは、演算部4Aの演算結果に基づいて、更に加工したり、他の処理に使用する場合には、その加工先や処理を行う先に供給するようにしてもよい。
【0062】
図7は、本発明の一実施の形態に係る情報処理装置1Aが実行する処理を示すフローチャートの一例である。なお、以下の処理は、情報処理装置1の電源がON、または情報処理装置1への入力処理が可能となった場合に開始される(START)。
【0063】
ステップS10:情報処理装置1Aの入力部3は、行政サービスに関する情報を演算部4Aに引数として入力する。なお、入力部3に入力される行政サービスに関する情報は、情報処理装置1の入力部36を介して操作者が直接入力してもよいし、ネットワークを介して接続される外部の端末から送信されてきたものを受信して入力するようにしてもよいし、他のプログラムから出力されるものを受け取って入力するようにしてもよい。なお、ステップS10にて入力される行政サービスに関する情報は、
図3等で説明した行政サービスを表現した定義情報に準ずるものが入力されることを前提としている。
【0064】
ステップS11:情報処理装置1の演算部4Aは、入力部3を介して入力された行政サービスに関する情報と、定義部2にて保持されている行政サービスに関する定義情報2A,2Bとに基づいて、その行政サービスの適用可否に関する演算する、またはその行政サービスに関連する計算式に基づいて所望の値を演算する。演算部4Aの文章生成実行部4Bは、たとえば、入力部3から入力された行政サービスに関する情報に基づいて、日本語または英語などの自然言語の文章情報(行政サービスの説明文章)の生成を実行することができる。また、たとえば、演算部4Aの正誤判別実行部4Cは、特定の行政サービスに関する情報が入力部3から入力されると、定義部2に定義されている、その特定の行政サービスの定義情報2A,2Bと対比して、正誤判別(たとえば、定義情報自体に矛盾点がないか、正しく設定されているか否かなど)を実行する。あるいは、演算部4Aの正誤判別実行部4Cは、文章生成実行部4Bにて生成された文章情報と、定義部2に定義されている、その文章情報から特定される行政サービスの定義情報2A,2Bとを対比して、正誤判別(たとえば、文章自体に矛盾点がないか、正しく文章が作成されているか否かなど)を実行する。演算部4Aは、上述した処理に基づいて演算された演算結果情報6Aを出力部6へ供給する。
【0065】
ステップS12:情報処理装置1の出力部6は、演算部4Aの演算結果を出力する。出力部6の出力先は、たとえば、情報処理装置1Aの表示部27または、情報処理装置1Aとネットワークを介して通信している外部の端末(たとえばPC,スマートフォンなどの携帯端末)が備えるディスプレイなどである。なお、出力部6から出力された判定結果情報5Aを更に加工したり、他の処理に使用する場合には、その加工先や処理を行う先に供給する処理を行うようにしてもよい。
【0066】
なお、上述した情報処理装置1,1Aの構成および動作は、行政サービスに関するものを例として説明したが、行政サービス以外のあらゆるサービス(たとえば、民間企業が提供する福祉サービス,保育サービス,飲食サービスなど)に関しても同様に、そのサービスの特性を踏まえた定義情報を保持すると共に、そのサービスの利用者の属性情報を入力して、適用可否を判定して、その判定結果の情報を生成して、出力することは可能である。
【0067】
(各実施形態の効果)
以上の説明からわかるように、第1実施形態にて説明した情報処理装置1によれば、所定のサービスに関する定義情報2A,2Bを保持し、その所定のサービスを利用しようとする対象者に関する情報を引数として定義部2に対して入力部3から入力し(
図5のステップS1)、その入力された対象者に関する情報と定義部2にて保持されている所定のサービスに関する定義情報とに基づいて、その所定のサービスの適用可否を判定し(
図5のステップS2)、所定のサービスの適用可否およびその判定結果に基づいて算出される判定結果情報5Aを生成し(
図5のステップS3)、その生成された判定結果情報を出力する(
図5のステップS4)ようにしたので、所定のサービスに関する情報を客観的かつ整合性のあるデータにて表現し、その所定のサービスに関する情報を適切に処理及び管理することができる。
【0068】
また、第2の実施形態にて説明した情報処理装置1Aによれば、所定のサービスに関する定義情報2A,2Bを保持し、その所定のサービスに関する情報を、定義部2にて保持されている所定のサービスに関する定義情報の引数として入力し(
図7のステップS10)、その入力された所定のサービスに関する情報と、定義部2にて保持されている所定のサービスに関する定義情報とに基づいて、その所定のサービスの適用可否に関する演算をする、またはその所定のサービスに関連する計算式に基づいて所望の値を演算し(
図7のステップS11)、その演算結果を出力する(
図7のステップS12)ようにしたので、所定のサービスに関する情報を客観的かつ整合性のあるデータにて表現し、その所定のサービスに関する情報を適切に処理及び管理することができる。
【0069】
また、上述した情報処理装置1,1Aにおける所定のサービスに関する定義情報2A,Bは、行政サービスに関する定義情報であるので、行政サービスに関する情報を客観的かつ整合性のあるデータにて表現し、その行政サービスに関する情報を適切に処理及び管理することができる。
【0070】
また、上述した情報処理装置1,1Aにおける行政サービスに関する定義情報2A,2Bには、行政サービスを示す行政サービス名,根拠法令,実施組織のいずれか1つを少なくとも含む基本情報が含まれているので、行政サービスの基本的な情報を必ず保持する定義情報として活用することができるようになる。これにより、たとえば、行政サービスの基本的な情報に基づいた行政サービスの検索,行政サービス同士の比較,行政サービス自体の検証、あるいは、これらの処理を実現するシステムの管理、運用を効率的にすることができるようになる。
【0071】
更に、上述した情報処理装置1,1Aにおける行政サービスに関する定義情報2A,2Bには、行政サービスにより発生するアクション情報が含まれているので、行政サービスを利用する場合、または適用された場合の具体的にどのような事象が発生するのかという情報を必ず保持する定義情報として、活用することができるようになる。これにより、たとえば、行政サービスとして受けたい情報に基づいた行政サービスの検索,行政サービス同士の比較,行政サービス自体の検証、あるいは、これらの処理を実現するシステムの管理、運用を効率的にすることができるようになる。
【0072】
更に、上述した情報処理装置1,1Aにおける行政サービスに関する定義情報2A、2Bには行政サービスを示す行政サービスの主体となる人情報,またはモノ情報が含まれているので、行政サービスを利用する主体として具体的にどのような主体またはモノ情報である必要があるのかという情報を必ず保持する定義情報として、活用することができるようになる。これにより、たとえば、対象者の属性情報に基づいた行政サービスの検索,行政サービス同士の比較,行政サービス自体の検証、あるいは、これらの処理を実現するシステムの管理、運用を効率的にすることができるようになる。
【0073】
また、上述した情報処理装置1,1Aにおける行政サービスに関する定義情報2A,2Bには行政サービスに関する期間情報が含まれているので、行政サービスの発生期間が具体的にどの程度なのかという情報を必ず保持する定義情報として、活用することができるようになる。これにより、たとえば、対象者の現在の状況から利用し得る行政サービスの検索,行政サービス同士の比較,行政サービス自体の検証、あるいは、これらの処理を実現するシステムの管理、運用を効率的にすることができるようになる。
【0074】
また、上述した情報処理装置1,1Aにおける行政サービスに関する定義情報2A,2Bには行政サービスのアクションが発生するための届け出,申請あるいはフィードバックに関する情報が含まれているので、行政サービスのアクションを発生させるための届け出、申請として具体的に何をしなければいけないのかという情報、あるいはフィードバックとしての届け出の受理したことを示す事実情報、申請結果に基づく判定情報などを必ず保持する定義情報として、活用することができるようになる。これにより、たとえば、対象者が将来的に行う予定の届出、申請、あるいはフィードバックに基づいて行政サービスの検索,行政サービス同士の比較,行政サービス自体の検証、あるいは、これらの処理を実現するシステムの管理、運用を効率的にすることができるようになる。
【0075】
また、上述した情報処理装置1,1Aにおける行政サービスに関する定義情報2A,2Bは、自治体単位または行政サービス単位で定義されているので、自治体単位または行政サービス単位で、定義情報を活用することができるようになる。これにより、たとえば、他の自治体にて実施している行政サービスを参考にして自己の自治体における行政サービスに関する情報提供を行うシステムを効率的に構築することが可能となる。
【0076】
なお、情報処理装置1の動作(情報処理方法)、および情報処理装置1として機能させるためのプログラム、情報処理装置1が有するデータ構造についても上述の効果と同様の効果を奏することができる。
【0077】
(他の効果1:スキーマレスによるデータ構造のシンプル化)
上述した効果以外にも情報処理装置1,1Aは、従来の行政サービスに関する情報を提供するシステムと比較して次のような効果を奏することができる。従来の行政サービスに関する情報を提供するシステムの場合、表形式(テーブル)によるデータ構造設計を行うことが一般的であり、行政サービスに関する情報の項目や構造(スキーマ定義)を予め決定しておく必要がある。しかし、自治体ごとや行政サービスごとに独自の項目や構造が必要となった場合に、既存の行政サービスに関する情報を包括的に表現するための複雑な構造を採用したり、将来の予測に基づく無意味な構造を予め設計しておく必要が生じてしまい、コストが高くなる要因となっている。
【0078】
また、表形式によるデータ構造設計を行う場合、行政サービスに関する情報は対象年齢ごとに支給金額が変化するなど情報同士が互いに関連しているので、情報同士の関連性の表現(正規化)も必要となる。しかしながら、行政サービスに関する情報の場合、(1)情報同士の包含関係がない、(2)各情報が個別に関連している、(3)行政サービスごとに情報同士の関連の仕方が異なっている、などの特徴を有しているため、行政サービス毎に細かな項目を多数設ける必要が生じ、テーブルの数が増大しやすい。更にテーブルの数が増大すると、整合性を保つために、正規化の基準を決定する必要も生じるが、データの有無自体が自治体によっても異なり、ある特定の自治体の特定の行政サービスのみで利用される値の数も多くなり、そのような状況下で正規化の基準を決めること自体が困難であり、仮に正規化を行ったとしても、バグなどの不都合が生じる可能性が高まるという懸念がある。
【0079】
一方で、本実施形態における情報処理装置1,1Aでは、表形式のデータ構造設計を採用していないので、上述した将来を見越した事前のスキーマ定義や情報の関連性を定義するための正規化が不要であり、上述した不具合を回避することができる。また、自治体ごとや行政サービスごとに独自の項目や構造が必要となった場合でも、その自治体や行政サービスごとの定義情報に独自の項目や構造を適用するだけでよく、コストを抑制することができる。
【0080】
(他の効果2:データの分割配置が容易)
また、本実施形態における情報処理装置1,1Aでは、定義情報2A,2B自体を複数のサーバに分割配置するシャーディングを実施することも容易である。したがって、データの利便性の向上だけでなく、応答速度などのパフォーマンスの面においても、従来の行政サービスに関する情報を提供するシステムと比較して優れている。
【0081】
(他の効果3:行政サービスの分析への応用が容易)
また、上述した各実施形態にて説明した情報処理装置1,1Aは、行政サービスの分析(妥当性などの検証)を実施する場合にも非常に好ましい構成である。
図8は、行政サービスに関する情報を分析する場合における情報処理装置1,1Aのメリットを説明するための図である。従来、政策立案に関して、証拠に基づく政策立案(いわゆるEBPM)を実現するための技術が求められている。しかし、行政サービスは、特に、様々な状況の人を考慮して立案されている結果、行政サービスの内容自体が年々複雑化している。また、行政サービス自体は、法律を元にした文章で記述されているため、複雑化している行政サービスを分析するためには、その行政サービスに関する文章情報を読み込んで分析する必要があるため、非常に困難である。しかし、本実施形態の情報処理装置1,1Aの構成によれば、行政サービスについて数値演算や論理演算で処理できるようなデータ型として扱うことができる。行政サービスを数値演算や論理演算で処理ができるようになるということは、既存の統計手法を用いて行政サービスを分析できるようになることを意味している。行政サービスに関する情報に種々の統計手法を用いて分析することができるようになると、国・自治体が新しい政策や行政サービスを打ち出すにあたって既存の行政サービスを分析して本当に必要な行政サービスとなるように設計することができるようになる。また、行政サービス同士の関係性を分析すれば、立案された行政サービスが所望の対象者に本当に提供されていることを証明することもできる。あるいは、行政サービス同士の矛盾点などを検出することで、その行政サービスでの過剰な費用の削減、行政サービスの行き届かない人の発生などを防止することもできるようになる。
【0082】
(変形例1:エディタ)
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。たとえば、上述した情報処理装置1,1Aでは、対象者に関する情報または行政サービスに関する情報を入力すると、行政サービスに関する情報を出力する例について説明したが、対象者に関する情報および行政サービスに関する情報の両方を入力すると、たとえば後述する
図9に示すイメージのように、その入力された対象者と行政サービスに関する情報を出力するように情報処理装置1,1Aを構成するようにしてもよい。
【0083】
図9は、対象者に関する情報と行政サービスに関する情報の両方を、定義情報2A,2Bを有する関数に引数として入力した場合と、それらの入力に基づくアウトプットのイメージを示す図である。
図9に示すように、対象者に関する情報と行政サービスに関する情報の両方を定義情報2A,2Bを有する関数に引数として入力すると、その入力された対象者と行政サービスの内容に基づいた日本語文が生成されるように情報処理装置1,1Aを構成してもよい。あるいは、同様に、対象者に関する情報と行政サービスに関する情報の両方を定義情報2A,2Bを有する関数に引数として入力すると、その対象者と行政サービスとが組み合わせて、行政サービスの適用可否を示す情報を出力する情報処理装置1、1Aを構成してもよい。
【0084】
図10は、本発明の一実施の形態に係る情報処理装置1,1Aにより実現されるWebページの一例である。
図10に示すWebページでは、「User Description」,「Service Description」という入力欄と、「ユーザ情報」,「対象者判定」,「生成された対象者説明文(日本語)」,「生成された対象者説明文(英語)」,「制度分析」という出力欄を有しており、この入力欄にユーザの属性情報および行政サービスの詳細情報の両方を入力して実行ボタンを押下すると、そのユーザに関する説明文と、行政サービスの適用可否,行政サービスの説明を出力することができるようになっている。
【0085】
図10に示す「User Description」では、自分のユーザ名である「たけし」と、居住地が新宿区であること、および被扶養者として、「太郎」および被扶養者の生年月日(2001年4月1日)を入力している。また、「Service Description」では、児童手当の対象者の判断基準として、新宿区に住民登録がある人の被扶養者であること、およびその被扶養者が15歳に到達して最初の日付が3月31日までの人であることが定義されている。
【0086】
図10に示す「ユーザ情報」では、入力欄に入力された事項に基づいて「たけし(新宿区在住)-被扶養者1太郎(2001/4/1生まれ)」と出力される。「対象者判定」では、児童手当の対象者の条件の被扶養者の生年月日の条件を満たしていないため、「あなたは対象者ではありません」と出力される。なお、本実施形態では、「生成された対象者説明文(日本文)」においても「対象者判定」の出力と同一の意味のテキスト文が出力されるが、別の表現としてもよい。また、「生成された対象者説明文(英語)」では「Not Eligible」が出力される。なお、「制度分析」は、他の自治体での児童手当の定義情報がある場合には、その定義情報との相違(たとえば、対象条件、手当の金額などの相違点に関する情報など)が出力される。なお、
図9にて示した入力欄には、情報処理装置1が保持する定義情報の項目に合わせて入力できるように出願人が開発した行政記述言語(GSDL:Government Service Description Langage)を用いて記述しているが、必ずしもこのような記述方法に従った入力でなくてもよい。
【0087】
以上の
図10で説明したWebページによれば、各自治体の行政サービスを客観的に比較したり、対象者の条件に基づいて、複数の自治体での行政サービスの相違点などを抽出したり、自治体が行政サービスを新たに提供する際に他の自治体にて提供されている行政サービスの検証などに活用することができる。
【0088】
(変形例2:定義情報の共通項目と独自項目の設定)
上述した情報処理装置1,1Aでは、定義情報を自治体単位、行政サービス単位にて保持、蓄積するようにしているが、行政サービス単位で定義情報を定義する際に、各自治体で共通する項目と独自の項目とに分類して定義するようにしてもよい。
【0089】
(その他の変形)
また、上述した情報処理装置1,1Aの一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。上述した情報処理装置1の一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0090】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0091】
(第3実施形態)
図11は、本発明の第3実施形態に係る情報処理装置1Bの概要を示す図である。
図12は、本発明の第3実施形態に係る情報処理装置1Bのハードウェア構成例を示す図である。
図13は、本発明の第3実施形態に係る情報処理装置1Bが実行する処理を示すフローチャートの一例を示した図である。なお、以下の処理は、情報処理装置1Bの電源がON、または情報処理装置1Bへの入力処理が可能となった場合に開始される。ここで、情報処理部30は、定義部32と、入力部33と、判定部34と、対象者情報生成部31と、情報生成部35と、抽出部36と、出力部37を有している。
【0092】
情報処理装置1Bは、後述するランダム生成された架空の対象者に対する行政サービスの適用可否を判定するとともに判定された複数の行政サービスの適用可否及びそれらのサービス支給内容を比較して、複数の行政サービス同志が互いに類似しているか否かを所定の類似判断基準に基づいて判定し、判定の結果、互いに類似している行政サービス情報だけを出力する。上記した対象者情報はランダムに生成された架空のユーザー情報であり、例えば「名前」,「ミドルネーム」,「姓」,「父親」,「母親」,「生年月日」,「性別」,「配偶者」,「子供」,「世帯」,「健康保険」,「妊娠しているか」,「生死」に関する属性情報が異なる複数のユーザグループに分けられて予め定義部32に格納(記憶)されている。
【0093】
入力部33は利用する行政サービスに関する情報(行政サービス情報)を引数として定義部32に対して入力する。対象者情報生成部31は、入力部33に行政サービス情報が入力される(
図13のステップS100)と定義部32に格納(定義)されている対象者の中からランダムに対象者を選択して生成する(ステップS101)。なお、ランダム生成される対象者は定義部32に格納されている対象者でなく新たに所定の属性を有する対象者を新規に生成してもよい。
【0094】
判定部34では、入力部33を介して入力された行政サービスに関する情報、定義部32に格納された既存の行政サービス(上記入力された行政サービス情報以外の行政サービス情報)に関する情報と、ランダムに生成された対象者情報とに基づいて、少なくともその行政サービスの適用可否及びサービス支給内容を判定し(ステップS102)、判定結果を出力する。具体的には、対象者情報生成部31から入力された架空の対象者の情報(例えば、属性情報等)を入力部33から出力された入力行政サービス情報及び定義部32に格納されている(定義されている)その他の行政サービス情報に引数として入力して得られる行政サービスの適用可否を判定する。もちろん入力部33で対象者が自身の対象者情報を入力してその対象者情報を上記したランダム生成された対象者情報に代えて用いてもよい。情報生成部35は、判定部34の判定結果に基づく行政サービスの適用可否を示す情報やサービス支給内容を示す情報を生成し出力する(ステップS103)。
【0095】
抽出部36は、情報生成部35から出力された複数の行政サービスの適用可否情報やサービス支給内容を示す情報同志を比較して、入力された行政サービス及び既存の行政サービスにおける適用可否情報及び/又はサービス支給内容の類似度(例えばサービス支給内容を複数項目に分類しその分類された項目ごとに点数をつけその点数に基づいて類似度を算出して所定の類似度を超えるか否か(類似度が高い、低い等))を判定する。判定の結果、類似度が高い(類似度が所定のしきい値以上)行政サービスに関する情報(類似行政サービス情報)37Aを全て抽出し(ステップS104)それらの情報を出力部37へ出力する(ステップS105)。
【0096】
出力部37の出力先は、上記第1実施形態と同様に、情報処理装置1Bの表示部(図示せず)または、情報処理装置1Bとネットワークを介して通信している外部の端末(たとえばPC,スマートフォンなどの携帯端末)が備えるディスプレイなどである。なお、出力部37から出力された類似行政サービス情報37Aを更に加工したり、他の処理に使用する場合には、その加工先や処理を行う先に供給する処理を行うようにしてもよい。
【0097】
<変形例>
図14は、本発明の第3実施形態の変形例に係る情報処理装置1Cの概要を示す図である。
図15は、本発明の第3実施形態の変形例に係る情報処理装置1Cのハードウェア構成例を示す図である。
図16は、本発明の第3実施形態の変形例に係る情報処理装置1Cが実行する処理を示すフローチャートの一例を示した図である。情報処理部40は、定義部42と、入力部43と、判定部44と、対象者情報生成部41と、情報生成部45と、抽出部46と、出力部47を有している。本変形例は、判定部44及び抽出部46の処理が異なる以外は上記した第3実施形態と同様であるので第3実施形態と同様である部分の説明は省略する。
【0098】
判定部44では、入力部43を介して入力された(
図16のステップS200)行政サービスに関する情報、定義部42に格納された既存の行政サービス(上記入力された行政サービス情報以外の行政サービス情報)に関する情報と、ランダムに生成された(ステップS201)架空の対象者情報とに基づいて、少なくともその行政サービスの適用可否及びサービス支給内容を判定し(ステップS202)、判定結果を出力する(ステップS203)。情報生成部45は、判定部44の判定結果に基づく行政サービスの適用可否を示す情報やサービス支給内容を示す情報を生成し出力する(ステップS203)。
【0099】
抽出部46は、情報生成部45から出力された複数の行政サービスの適用可否情報やサービス支給内容を示す情報同志を比較して、入力された行政サービス及び既存の行政サービスにおける適用可否情報及び/又はサービス支給内容の類似度(例えばサービス支給内容を複数項目に分類しその分類された項目ごとに点数をつけその点数に基づいて類似度を算出して所定の類似度を超えるか否か(類似度が高い、低い等))を判定する。判定の結果、類似度が高い(類似度が所定のしきい値以上)行政サービスに関する情報(類似行政サービス情報)を全て抽出し(ステップS204)それらの情報を判定部44へ出力する。
判定部44では、抽出部46から出力された類似度が所定のしきい値以上である行政サービスに関する情報同志を比較してそれらのサービスの価値評価の優劣を判定する(ステップS205)。その優劣判定結果の情報(優劣判定結果情報)47Aを出力部47へ出力する(ステップS206)。
【0100】
なお、上述した情報処理装置1,1A,1B,1Cの構成および動作は、行政サービスに関するものを例として説明したが、行政サービス以外のあらゆるサービス(たとえば、民間企業が提供する福祉サービス,保育サービス,飲食サービスなど)に関しても同様に、そのサービスの特性を踏まえた定義情報を保持すると共に、そのサービスの利用者の属性情報を入力して、適用可否を判定して、その判定結果の情報を生成して、出力することは可能である。
【0101】
(第3実施形態の効果)
以上の説明からわかるように、第3実施形態にて説明した情報処理装置1によれば、特定の対象者情報が入力された複数の行政サービスの適用可否及びそれらのサービス支給内容を比較して、それらの類似性を判定し、類似の度合いが高い行政サービスに関する情報を抽出しそれら全ての情報がディスプレイ等の表示部で表示されるようになるので、行政サービス提供者側が行政サービスの改革を実施する場合、迅速かつ的確な行政サービスの改良や最適化を図ることができる。そしてユーザー自身も行政サービスの選択を迅速かつ的確に行うことができる。
【0102】
また、上記変形例にて説明した情報処理装置1によれば、特定の対象者情報が入力された複数の行政サービスの適用可否及びそれらのサービス支給内容を比較して、それらの類似性を判定し、類似の度合いが高い行政サービスに関する情報を抽出し、類似の度合いが高い複数の行政サービスの優劣等の判定を行いその判定結果がディスプレイ等の表示部で表示されるようになるので、行政サービス提供側においてこの優劣判定結果を対象となる行政サービスの改良等に利用、分析することができ、迅速かつ的確な行政サービスの改革に資することができ、さらに対象者が個人であっても迅速かつ的確な行政サービスの選択に資することができる。
【符号の説明】
【0103】
1,1A,1B,1C:情報処理装置、2:定義部、2A,2B:定義情報、3,33,43:入力部、4,34,44:判定部、4A:演算部、4B:文章生成実行部、4C:正誤判別実行部、5,35,45:情報生成部、5A:判定結果情報、6:出力部、6A:演算結果情報、21:CPU、22:ROM、23:RAM、24:バス、25:入出力インタフェース、26:入力部、27:表示部、28:記憶部、29:通信部、30,40:情報処理部、31,41:対象者情報生成部、36,46:抽出部、37A:類似行政サービス情報、47A:優劣判定結果情報
【手続補正書】
【提出日】2024-11-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2個以上の企業がそれぞれ提供する、行政サービスを除く所定のサービスに関する定義情報を保持している定義部と、
前記所定のサービスを利用しようとする対象者に関する情報を、前記定義部にて保持されている前記所定のサービスに関する定義情報の引数として入力する入力部と、
前記入力部を介して入力された前記対象者に関する情報と、前記定義部にて保持されている前記所定のサービスに関する定義情報とに基づいて、その所定のサービスの適用可否を判定する判定部と、
前記判定部の適用可否およびその判定結果に基づいて算出される判定結果情報を生成する情報生成部と、
前記情報生成部によって生成された判定結果情報を出力する出力部と
を有し、
前記定義情報は、前記所定のサービスを利用するための対象者の要件の項目、並びに前記項目の条件であって、各前記企業で共通する条件および独自に設定できる条件からなる
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記所定のサービスに関する定義情報には、
前記所定のサービスにより発生するアクション情報
が含まれていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記所定のサービスに関する定義情報には、
前記所定のサービスの主体となる人情報、またはモノ情報
が含まれていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記所定のサービスに関する定義情報には、
前記所定のサービスに関する期間情報
が含まれていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記所定のサービスに関する定義情報には、
前記所定のサービスのアクションが発生するための届け出、申請あるいはフィードバックに関する情報の少なくとも一つが含まれている
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
定義部と、入力部と、判定部と、情報生成部と、出力部を有する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記定義部は、少なくとも2個以上の企業がそれぞれ提供する、行政サービスを除く所定のサービスに関する定義情報を保持しているものであり、
前記入力部が、前記所定のサービスを利用しようとする対象者に関する情報を、前記定義部にて保持されている前記所定のサービスに関する定義情報の引数として入力する入力ステップと、
前記判定部が、前記入力ステップを介して入力された前記対象者に関する情報と、前記定義部にて保持されている前記所定のサービスに関する定義情報とに基づいて、その所定のサービスの適用可否を判定する判定ステップと、
前記情報生成部が、前記判定ステップでの適用可否およびその判定結果に基づいて算出される判定結果情報を生成する情報生成ステップと、
前記出力部が、前記情報生成ステップによって生成された判定結果情報を出力する出力ステップと
を有し、
前記定義情報は、前記所定のサービスを利用するための対象者の要件の項目、並びに前記項目の条件であって、各前記企業で共通する条件および独自に設定できる条件からなる
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータを、定義部と、入力部と、情報生成部と、出力部を有する情報処理装置として機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
少なくとも2個以上の企業がそれぞれ提供する、行政サービスを除く所定のサービスを利用しようとする対象者に関する情報を、前記定義部にて保持されている前記サービスに関する定義情報の引数として入力する入力部と、
前記入力部を介して入力された前記対象者に関する情報と、前記定義部にて保持されている前記所定のサービスに関する定義情報とに基づいて、その所定のサービスの適用可否を判定する判定部と、
前記判定部の適用可否およびその判定結果に基づいて算出される判定結果情報を生成する情報生成部と、
前記情報生成部によって生成された判定結果情報を出力する出力部
として機能させ、
前記定義情報は、前記所定のサービスを利用するための対象者の要件の項目、並びに前記項目の条件であって、各前記企業で共通する条件および独自に設定できる条件からなる
ことを特徴とするプログラム。