(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180661
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】有機発光表示装置の画素配列構造
(51)【国際特許分類】
H10K 59/35 20230101AFI20241219BHJP
H10K 59/122 20230101ALI20241219BHJP
H10K 59/173 20230101ALI20241219BHJP
H10K 71/16 20230101ALI20241219BHJP
【FI】
H10K59/35 553
H10K59/122
H10K59/173
H10K59/35 452
H10K71/16 166
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024184430
(22)【出願日】2024-10-18
(62)【分割の表示】P 2023113840の分割
【原出願日】2012-05-10
(31)【優先権主張番号】10-2012-0022967
(32)【優先日】2012-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】李 相 信
(57)【要約】
【課題】画素の開口率が向上すると同時に、画素間のギャップが効率的に設定された、有機発光表示装置の画素配列構造を提供する。
【解決手段】有機発光表示装置の画素配列構造は、第1画素、前記第1画素と離隔しており、前記第1画素の中心点を正四角形の中心点とする仮想の正四角形の第1頂点に中心点が位置する第2画素、及び前記第2画素と離隔しており、前記仮想の正四角形の前記第1頂点と隣接する第2頂点に中心点が位置する第3画素を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機発光表示装置であって、
前記有機発光表示装置のアドレス指定可能な最小単位であり、
赤色光を発光するための有機発光層を含む複数の赤画素と、
青色光を発光するための有機発光層を含む複数の青画素と、
緑色光を発光するための有機発光層を含む複数の緑画素とを有する、画像を表示するための複数の個別にアドレス指定可能な画素を含み、
前記有機発光表示装置は、前記複数の赤画素、前記複数の青画素、および前記複数の緑画素の領域を定義する画素定義膜を含み、
前記複数の赤画素、前記複数の青画素、および前記複数の緑画素の各々は、互いに間隔をあけて配置され、
前記複数の緑画素のうち第1緑画素は、仮想正方形の中心と一致する中心を有し、前記仮想正方形の各頂点は、前記複数の緑画素のうち異なる1つの緑画素の中心と一致し、前記仮想正方形の各辺は、連続する3つの緑画素と重なり、
前記複数の青画素のうち少なくとも2つの青画素と前記複数の赤画素のうち少なくとも2つの赤画素は、完全に前記仮想正方形の境界内に位置し、
前記少なくとも2つの青画素の各々は、前記少なくとも2つの赤画素の各々よりも大きな面積を有し、
前記少なくとも2つの青画素の各々は、前記第1緑画素の面積よりも大きい面積を有し、
前記第1緑画素は、前記第1緑画素をその長軸に沿って二等分する線が、前記第1緑画素をその短軸に沿って二等分する線よりも大きい長さを有するような多角形状を有し、
前記複数の緑画素のうち最も近い2つの緑画素間の最短距離は、前記第1緑画素の前記短軸に平行な方向に沿った前記複数の赤画素の第1赤画素の幅よりも大きく、
前記赤画素と前記青画素は、第1方向に沿って交互に配置され、
前記赤画素と前記青画素は、前記第1方向と直交する第2方向に沿って交互に配置される、
有機発光表示装置。
【請求項2】
前記少なくとも2つの青画素のうち1つの青画素と前記少なくとも2つの赤画素のうち1つの青画素との間の最短距離は、前記第1緑画素と前記少なくとも2つの青画素のうち前記1つの青画素との間の最短距離、または前記第1緑画素と前記少なくとも2つの赤画素のうち前記1つの赤画素との間の最短距離よりも大きい、
請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項3】
前記第1緑画素は、前記少なくとも2つの青画素のうち前記1つの青画素と、前記少なくとも2つの赤画素のうち前記1つの赤画素とは異なる形状を有する、
請求項2記載の有機発光表示装置。
【請求項4】
前記少なくとも2つの赤画素のうち前記1つの赤画素は、前記第1緑画素の面積よりも大きい面積を有する、
請求項2に記載の有機発光表示装置。
【請求項5】
前記少なくとも2つの青画素のうち前記1つの青画素および前記少なくとも2つの赤画素のうち前記1つの赤画素は、少なくとも4つの辺を有する多角形形状を有する、
請求項2記載の有機発光表示装置。
【請求項6】
前記少なくとも2つの青画素のうち1つの青画素と前記少なくとも2つの赤画素のうち1つの赤画素との間の最短距離は、前記第1緑画素と前記少なくとも2つの青画素のうち前記1つの青画素との間の最短距離または前記第1緑画素と前記少なくとも2つの赤画素のうち前記1つの赤画素との間の最短距離と等しい、
請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項7】
前記第1緑画素は、前記少なくとも2つの青画素のうち前記1つの青画素及び前記少なくとも2つの赤画素のうち前記1つの赤画素とは異なる形状を有する、
請求項6に記載の有機発光表示装置。
【請求項8】
前記少なくとも2つの赤画素のうち前記1つの赤画素は、前記第1緑画素の面積よりも大きい面積を有する、
請求項6に記載の有機発光表示装置。
【請求項9】
前記少なくとも2つの青画素のうち前記1つの青画素及び前記少なくとも2つの赤画素のうち前記1つの赤画素は、少なくとも4つの辺を有する多角形形状を有する、
請求項6に記載の有機発光表示装置。
【請求項10】
前記第1緑画素と前記複数の緑画素のうち隣接する1つの緑画素との間の最短距離は、前記第1緑画素と前記少なくとも2つの青画素のうち1つの青画素との間の最短距離または前記第1緑画素と前記少なくとも2つの赤画素のうち1つの赤画素との間の最短距離よりも大きい、
請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項11】
前記第1緑画素と前記少なくとも2つの青画素のうち1つの青画素との間の最短距離は、前記第1緑画素と前記少なくとも2つの赤画素のうち1つの赤画素との間の最短距離と等しい、
請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項12】
前記第1緑画素と前記複数の緑画素のうち隣接する1つの緑画素との間の最短距離は、前記少なくとも2つの青画素のうち1つの青画素と前記少なくとも2つの赤画素のうち1つの赤画素との間の最短距離と等しくない、
請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項13】
前記第1緑画素の短軸に沿った前記第1緑画素の幅は、前記第1方向に沿った前記少なくとも2つの赤画素のうち1つの赤画素の幅と異なり、または前記第1緑画素の長軸に沿った前記第1緑画素の幅は、前記第1緑画素の長軸に平行な方向に沿った前記少なくとも2つの青画素のうち1つの赤画素の幅と異なる、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項14】
前記複数の緑画素のうち前記最も近い2つの緑画素間の最短距離は、前記第1緑画素の長軸に平行な方向に沿った前記第1赤画素の幅よりも大きい、
請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項15】
有機発光表示装置の製造方法であって、
微細なメタルマスクを用いて、第1色の光を放射するように構成された有機発光材料を蒸着し、
前記第1色の光を放射する複数の第1画素を形成し、
微細なメタルマスクを用いて、第2色の光を放射するように構成された有機発光材料を蒸着し、
前記第2色の光を放射する複数の第2の画素を形成し、
微細なメタルマスクを用いて、第3色の光を放射するように構成された有機発光材料を蒸着し、
第3色の光を放射する複数の第3の画素を形成することを含み、
前記複数の第1画素、前記複数の第2画素、および前記複数の第3画素は、画像を表示するための個別にアドレス指定可能な画素であり、前記個別にアドレス指定可能な画素は、前記有機発光表示装置のアドレス指定可能な最小単位であり、
前記有機発光表示装置は、前記複数の第1画素、前記複数の第2画素、および前記複数の第3画素の領域を定義する画素定義膜を含み、
前記複数の第1画素、前記複数の第2画素、および前記複数の第3画素の各々は、互いに間隔をあけて配置され、
前記複数の第1画素のうち第1の第1画素は、仮想正方形の中心と一致する中心を有し、前記仮想正方形の各頂点は、前記複数の第1画素のうち異なる第1画素の中心と一致し、前記仮想正方形の各辺は、連続する3つの第1画素と重なり、
前記複数の第2画素のうち少なくとも2つの第2画素と、前記複数の第3画素のうち少なくとも2つの第3画素は、完全に前記仮想正方形の境界内に位置し、
前記少なくとも2つの第2画素の各々は、前記少なくとも2つの第3画素の各々よりも大きな面積を有し、
前記少なくとも2つの第2画素の各々は、前記複数の第1画素のうち前記第1の第1画素の面積よりも大きい面積を有し、
前記複数の第1画素のうち前記第1の第1画素は、その長軸に沿って前記複数の第1画素のうち前記第1の第1画素を二等分する線が、その短軸に沿って前記複数の第1画素のうち前記第1の第1画素を二等分する線よりも大きな長さを有するような多角形状を有し、
前記複数の第1画素のうち最も近い2つの第1画素間の最短距離は、前記複数の第1画素のうち第1の第1画素の短軸に平行な方向に沿った前記複数の第3画素のうち1つの第3画素の幅よりも大きく、
前記第2画素と前記第3画素は、第1方向に沿って交互に配置され、
前記第2画素と前記第3画素は、前記第1方向と直交する第2方向に沿って延びる第4画素セットに交互に配置される、
方法。
【請求項16】
前記複数の第1画素のうち第1の第1画素は、前記少なくとも2つの第2画素のうち1つの第2画素および前記少なくとも2つの第3画素のうち1つの第3画素とは異なる形状を有する、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも2つの第3画素のうち前記1つの第3画素は、前記複数の第1画素のうち前記第1の第1画素の面積よりも大きい面積を有する、
請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも2つの第2画素のうち1つの第2画素と、前記少なくとも2つの第3画素のうち1つの第3画素は、少なくとも4つの辺を有する多角形の形状を有する、
請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の第1画素は緑色光を放出するための有機発光層を含み、前記複数の第2画素は青色光を放出するための有機発光層を含み、前記複数の第3画素は、赤色光を放出するための有機発光層を含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも2つの第2画素のうち1つの第2画素と前記少なくとも2つの第3画素のうち1つの第2画素との間の最短距離が、前記複数の第1画素のうち第1の第1画素と前記少なくとも2つの第2画素のうち前記1つの第2画素との間の最短距離、または前記複数の第1画素のうち第1の第1画素と前記少なくとも2つの第3画素のうち前記1つの第3画素との間の最短距離よりも大きい、
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記複数の第1画素のうち第1の第1画素は、前記少なくとも2つの第2画素のうち前記1つの第2画素および前記少なくとも2つの第3画素のうち前記1つの第3画素とは異なる形状を有する、
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも2つの第3画素のうち前記1つの第3画素は、前記複数の第1画素のうち前記第1の第1画素の面積よりも大きい面積を有する、
請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも2つの第2画素のうち前記1つの第2画素と、前記少なくとも2つの第3画素のうち前記1つの第3画素とは、少なくとも4つの辺を有する多角形の形状を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも2つの第2画素のうち1つの第2画素と前記少なくとも2つの第3画素のうち1つの第3画素との間の最短距離は、前記複数の第1画素のうち第1の第1画素と前記少なくとも2つの第2画素のうち前記1つの第2画素との間の最短距離、または前記複数の第1画素のうち第1の第1画素と前記少なくとも2つの第3画素のうち前記1つの第3画素との間の最短距離と等しい、
請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記複数の第1画素のうち第1の第1画素は、前記少なくとも2つの第2画素のうち前記1つの第2画素および前記少なくとも2つの第3画素のうち前記1つの第3画素とは異なる形状を有する、
請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記少なくとも2つの第3画素のうち前記1つの第3画素は、前記複数の第1画素のうち第1の第1画素の面積よりも大きい面積を有する、
請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記少なくとも2つの第2画素のうち前記1つの第2画素と、前記少なくとも2つの第3画素のうち前記1つの第3画素とは、少なくとも4つの辺を有する多角形の形状を有する、
請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記複数の第1画素のうち第1の第1画素と、前記複数の第1画素のうち隣接する1つの第1画素との間の最短距離は、前記少なくとも2つの第2画素のうち1つの第2画素と、前記少なくとも2つの第3画素のうち1つの第3画素との間の最短距離と等しくない、
請求項15に記載の方法。
【請求項29】
前記複数の第1画素のうち前記第1の第1画素の短軸に沿った前記複数の第1画素のうち前記第1の第1画素の幅が、前記第1方向に沿った前記少なくとも2つの第3画素のうち1つの第3画素の幅と異なるか、または前記複数の第1画素のうち前記第1の第1画素の長軸に沿った前記複数の第1画素のうち前記第1の第1画素の幅が、前記複数の第1画素のうち前記第1の第1画素の長軸に平行な方向に沿った前記少なくとも2つの第2画素のうち1つの第2画素の幅と異なる、
請求項15に記載の方法。
【請求項30】
前記複数の第1画素のうち前記最も近い2つの第1画素間の最短距離は、前記複数の第1画素のうち第1の第1画素の長軸に平行な方向に沿った前記第3画素のうち前記1つの第3画素の幅よりも大きい、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光表示装置の画素配列構造に関し、より詳しくは、複数の画素が発光してイメージ(image)を表示する有機発光表示装置の画素配列構造に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置はイメージを表示する装置であって、最近、有機発光表示装置(organic light emitting diode display)が注目されていている。
有機発光表示装置は、自体発光特性を有し、液晶表示装置(liquid crystal display device)とは異なって別途の光源を要しないので、厚さと重量を減らすことができる。また、有機発光表示装置は低い消費電力、高い輝度、及び高い反応速度などの高品位特性を示す。
【0003】
一般に、有機発光表示装置は、それぞれが互いに異なる色の光を発光する複数の画素を含み、この複数の画素が発光してイメージを表示する。
ここで、画素とは、イメージを表示する最小単位を意味し、隣接する画素の間には各画素を駆動するためのゲートライン、データライン、駆動電源ラインなどの電源ライン、及び各画素の面積または形態などを定義するための画素定義膜などの絶縁層などを配置することができる。
【0004】
従来の有機発光表示装置の画素を構成する有機発光層は、ファインメタルマスク(finemetalmask、FMM)などのマスクを利用して蒸着形成したが、画素の開口率の確保のために隣接する画素間のギャップ(gap)を短く形成する場合、蒸着信頼度が低下する問題点があり、蒸着信頼度の向上のために画素間のギャップを遠く形成する場合には、画素の開口率が低下する問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一実施形態は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、画素の開口率が向上すると同時に、画素間のギャップが効率的に設定された、有機発光表示装置の画素配列構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した技術的課題を達成するための本発明の一側面は、有機発光表示装置の画素配列構造において、第1画素、前記第1画素と離隔しており、前記第1画素の中心点を正四角形の中心点とする仮想の正四角形の第1頂点に中心点が位置する第2画素、及び前記第2画素と離隔しており、前記仮想の正四角形の前記第1頂点と隣接する第2頂点に中心点が位置する第3画素を含む有機発光表示装置の画素配列構造を提供する。
【0007】
前記第2画素は複数であり、前記複数の第2画素は前記第1画素を介在して相互離隔することができる。
前記第3画素は複数であり、前記複数の第3画素は前記第1画素を介在して相互離隔することができる。
前記複数の第2画素及び前記複数の第3画素それぞれは、前記第1画素を囲むように仮想の直線上で相互交互的に配列することができる。
【0008】
前記第1画素、前記第2画素、及び前記第3画素それぞれは多角形状を有し、前記第2画素及び前記第3画素は前記第1画素に比べて大きい面積を有することができる。
前記第1画素は四角形状を有し、前記第2画素及び前記第3画素それぞれは八角形状を有することができる。
前記第1画素は複数であり、前記複数の第1画素それぞれは同一の四角形状を有することができる。
【0009】
前記第2画素と前記第3画素それぞれは互いに同一の面積を有し、前記第1画素、前記第2画素、及び前記第3画素それぞれの間の距離は同一の第1長さを有し、隣接する前記第1画素間の距離は前記第1長さに比べて長い第2長さを有することができる。
前記第2画素は前記第3画素に比べて大きい面積を有し、前記第2画素と前記第3画素の間の距離は第3長さを有し、前記第1画素と前記第2画素の間の距離及び前記第1画素と前記第3画素の間の距離それぞれは同一の第4長さを有し、隣接する前記第1画素間の距離は前記第3長さ及び前記第4長さに比べて長い第5長さを有することができる。
前記第1画素は複数であり、前記複数の第1画素のうち隣接する第1画素それぞれは、互いに対称の四角形状を有することができる。
【0010】
前記第2画素は、前記第3画素に比べて大きい面積を有することができる。
前記第3画素は、前記第2画素に比べて大きい面積を有することができる。
【0011】
前記第1画素、前記第2画素、及び前記第3画素それぞれは、互いに異なる色の光を発光することができる。
前記第1画素、前記第2画素、及び前記第3画素それぞれは、緑色、青色、及び赤色それぞれの光を発光することができる。
【発明の効果】
【0012】
上述した本発明の解決手段の種々の実施形態のうち一つによれば、画素の開口率が向上すると同時に、画素間のギャップが効率的に設定された有機発光表示装置の画素配列構造が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の画素配列構造を示す図面である。
【
図2】本発明の第2実施形態による有機発光表示装置の画素配列構造を示す図面である。
【
図3】本発明の第3実施形態に係る有機発光表示装置の画素配列構造を示す図面である。
【
図4】本発明の第4実施形態に係る有機発光表示装置の画素配列構造を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付した図面を参照して、本発明の種々の実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は種々の異なる形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限られない。
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書の全体にわたって同一または類似する構成要素に対しては同一の参照符号を付けた。
【0015】
また、種々の実施形態において、同一の構成を有する構成要素に対しては同一の符号を付けて代表的に第1実施形態で説明し、それ以外の実施形態では第1実施形態とは異なる構成についてのみ説明する。
また、図面において、各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意に示したもので、本発明が必ずしも示されたものに限られることではない。
【0016】
また、明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くことではなく、他の構成要素をさらに含むことができるのを意味する。
以下、
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の画素配列構造について説明する。
図1は、有機発光表示装置を構成する複数の画素の一部分を概略的に示す図面である。
【0017】
図1は、本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の画素配列構造を示す図面である。
図1に示すように、本発明が第1実施形態に係る有機発光表示装置の画素配列構造は、複数の第1画素100、複数の第2画素200、及び複数の第3画素300を含む。
【0018】
ここで、画素(pixel)とは、イメージを表示する最小単位を意味する。
第1画素100、第2画素200、及び第3画素300の間には、各画素を駆動するためのゲートライン、データライン、駆動電源ラインなどの電源ライン、及び各画素を定義するための画素定義膜などの絶縁層などを配置することができ、第1画素100、第2画素200、及び第3画素300それぞれに対応してアノード電極、有機発光層、及びカソード電極を含む有機発光素子(organic light emitting diode)を配置することができる。これら構成は従来に公知された技術であるため、説明の便宜上説明せず、各画素の形態は複数の電源ライン、画素定義膜またはアノード電極などによって定義されるが、これに限定されない。
【0019】
第1画素100は、隣接する第2画素200及び第3画素に比べて小さい面積を有しており、多角形の形態中四角形状を有している。第1画素100は複数であり、複数の第1画素100は互いに同一の四角形状を有している。複数の第1画素100は相互離隔して仮想の第1直線VL1上に配列されている。第1画素100は緑色の光を発光し、緑色の光を発光する有機発光層を含んでいる。第1画素100の中心点を正四角形の中心点とする仮想の正四角形VSの第1頂点P1に第2画素200が位置し、仮想の正四角形VSの第2頂点P2に第3画素300が位置している。
【0020】
第2画素200は第1画素100と離隔しており、仮想の正四角形VSの第1頂点P1に中心点が位置している。第2画素200は、隣接する第1画素100に比べてさらに大きい面積を有しており、多角形の形態中八角形状を有している。第2画素200は複数であり、複数の第2画素200は互いに同一の八角形の形態を有している。複数の第2画素200は第1画素100を介在して相互離隔している。第2画素200は青色の光を発光し、青色の光を発光する有機発光層を含むことができる。
【0021】
第3画素300は第1画素100及び第2画素200と離隔しており、仮想の正四角形VSの第1頂点P1と隣接する第2頂点P2に中心点が位置している。第3画素300は、隣接する第1画素100に比べてさらに大きい面積を有すると同時に、第2画素200と同一の面積を有しており、多角形の形態中八角形状を有している。第3画素300は複数であり、複数の第3画素300は互いに同一の八角形状を有している。複数の第3画素300は第1画素100を介在して相互離隔している。第3画素300は赤色の光を発光し、赤色の光を発光する有機発光層を含むことができる。
【0022】
複数の第3画素300及び複数の第2画素200それぞれは、仮想の第2直線VL2上で相互交互的に配列され、これによって第1頂点P1に中心点が位置する複数の第2画素200、及び第2頂点P2に中心点が位置する複数の第3画素300それぞれは、第1画素100を囲んでいる。
このように、第1画素100の中心点を正四角形の中心点とする仮想の正四角形VSの第1頂点P1に第2画素200の中心点が位置し、第2頂点P2に第3画素300の中心点が位置し、第2画素200及び第3画素300が同一の面積を有することによって、第1画素100、第2画素200及び第3画素300それぞれの間の距離は同一の第1長さL1を有し、隣接する第1画素100間の距離は第1長さL1に比べて長い第2長さL2を有するようになる。
【0023】
これによって、第1画素100、第2画素200、及び第3画素300それぞれの間には、第1長さL1のギャップが形成されると同時に、隣接する第1画素100の間には第1長さL1に比べて長い第2長さL2のギャップが形成されることによって、第1画素100、第2画素200、及び第3画素300それぞれに含まれている緑色の有機発光層、青色の有機発光層、及び赤色の有機発光層それぞれを形成するファインメタルマスクを利用した蒸着工程時、蒸着信頼度が向上する。また、複数の第2画素200及び複数の第3画素300それぞれが第1画素100を囲むように配列されることによって、第1画素100、第2画素200、及び第3画素300それぞれの開口率を向上させることができる。これは、全体的な有機発光表示装置の製造時間及び製造費用を節減すると同時に、有機発光表示装置が表示するイメージの品質を向上させる要因として作用する。
【0024】
前述のように、本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の画素配列構造は、第1画素100、第2画素200、及び第3画素300それぞれが単純に多角形状を有することでなく、有機発光表示装置の固有の製造特性である有機発光層の蒸着工程を考慮して、ファインメタルマスクを利用した蒸着工程時に有機発光層の蒸着信頼度を向上させると同時に、第1画素100、第2画素200、及び第3画素300それぞれの開口率を向上させるために、仮想の正四角形VSの中心点に第1画素100の中心点を配置し、第1頂点P1に第2画素200の中心点を配置し、第2頂点P2に第3画素300の中心点を配置する。
【0025】
一方、本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の画素配列構造において、第1画素100、第2画素200、及び第3画素300それぞれは緑色、青色、及び赤色それぞれの色を発光するが、本発明の他の実施形態に係る有機発光表示装置の画素配列構造ではこれに限定されずに、第1画素、第2画素、及び第3画素それぞれが互いに異なる色の光を発光することができる。一例として、第2画素及び第3画素のうち一つ以上の画素が白色などの光を発光することができる。
【0026】
以下、
図2を参照して、本発明の第2実施形態に係る有機発光表示装置の画素配列構造について説明する。
以下、第1実施形態と区別される特徴的な部分だけを抜粋して説明し、説明が省略された部分は第1実施形態による。本発明の第2実施形態では、説明の便宜のために、同一の構成要素に対しては本発明の第1実施形態と同じ参照番号を付けて説明する。
図2は、本発明の第2実施形態による有機発光表示装置の画素配列構造を示す図面である。
【0027】
図2に示すように、本発明が第2実施形態に係る有機発光表示装置の画素配列構造は、複数の第1画素100、複数の第2画素200、及び複数の第3画素300を含む。
複数の第1画素100は互いに同一の四角形状を有している。
第2画素200及び第3画素それぞれは互いに異なる面積を有しており、第2画素200が第3画素300に比べて大きい面積を有している。
【0028】
このように、第1画素100の中心点を正四角形の中心点とする仮想の正四角形VSの第1頂点P1に第2画素200の中心点が位置し、第2頂点P2に第3画素300の中心点が位置し、第2画素200が第3画素300に比べて大きい面積を有することによって、第2画素200と第3画素300の間の距離は第3長さL3を有し、第1画素100と第2画素200の間の距離及び第1画素100と第3画素300の間の距離それぞれは同一の第4長さL4を有し、隣接する第1画素100間の距離は第2長さL2及び第4長さL4に比べて長い第5長さL5を有する。
【0029】
これによって、第1画素100、第2画素200、及び第3画素300それぞれの間には第3長さL3または第4長さL4のギャップが形成されると同時に、隣接する第1画素100の間には第3長さL3及び第4長さL4に比べて長い第5長さL5のギャップが形成されることによって、第1画素100、第2画素200、及び第3画素300それぞれに含まれている緑色の有機発光層、青色の有機発光層、及び赤色の有機発光層それぞれを形成するファインメタルマスクを利用した蒸着工程時、蒸着信頼度が向上する。また、複数の第2画素200及び複数の第3画素300それぞれが第1画素100を囲むように配列されることによって、第1画素100、第2画素200、及び第3画素300それぞれの開口率を向上させることができる。これは、全体的な有機発光表示装置の製造時間及び製造費用を節減すると同時に、有機発光表示装置が表示するイメージの品質を向上させる要因として作用する。
【0030】
また、本発明の第2実施形態に係る有機発光表示装置の画素配列構造は、第1画素100、第2画素200、及び第3画素300のうち他の画素に比べて、寿命が短い青色の光を発光する第2画素200が、第3画素300に比べて大きい面積を有することによって、全体的な有機発光表示装置の寿命の低下が抑えられる。つまり、寿命が向上した有機発光表示装置の画素配列構造が提供される。
以下、
図3を参照して、本発明の第3実施形態に係る有機発光表示装置の画素配列構造について説明する。
【0031】
以下、第1実施形態と区別される特徴的な部分だけを抜粋して説明し、説明が省略された部分は第1実施形態による。本発明の第3実施形態では、説明の便宜のために、同一の構成要素に対しては本発明の第1実施形態と同じ参照番号を付けて説明する。
図3は、本発明の第3実施形態に係る有機発光表示装置の画素配列構造を示す図面である。
図3に示すように、本発明の第3実施形態に係る有機発光表示装置の画素配列構造は、複数の第1画素100、複数の第2画素200、及び複数の第3画素300を含む。
複数の第1画素100中隣接する第1画素100それぞれは互いに対称の四角形状を有している。
【0032】
第2画素200及び第3画素それぞれは互いに異なる面積を有しており、第2画素200が第3画素300に比べて大きい面積を有している。
このように、第1画素100の中心点を正四角形の中心点とする仮想の正四角形VSの第1頂点P1に第2画素200の中心点が位置し、第2頂点P2に第3画素300の中心点が位置し、隣接する第1画素100それぞれが互いに対称の四角形状を有すると同時に、第2画素200が第3画素300に比べて大きい面積を有することによって、第1画素100、第2画素200、及び第3画素300それぞれに含まれている緑色の有機発光層、青色の有機発光層、及び赤色の有機発光層それぞれを形成するファインメタルマスクを利用した蒸着工程時、蒸着信頼度が向上する。また、複数の第2画素200及び複数の第3画素300それぞれが第1画素100を囲むように配列されることによって、第1画素100、第2画素200、及び第3画素300それぞれの開口率を向上させることができる。これは、全体的な有機発光表示装置の製造時間及び製造費用を節減すると同時に、有機発光表示装置が表示するイメージの品質を向上させる要因として作用する。
【0033】
また、本発明の第3実施形態に係る有機発光表示装置の画素配列構造は、第1画素100、第2画素200、及び第3画素300のうち他の画素に比べて、寿命が短い青色の光を発光する第2画素200が、第3画素300に比べて大きい面積を有することによって、全体的な有機発光表示装置の寿命の低下が抑えられる。つまり、寿命が向上した有機発光表示装置の画素配列構造が提供される。
以下、
図4を参照して、本発明の第4実施形態に係る有機発光表示装置の画素配列構造について説明する。
【0034】
以下、第1実施形態と区別される特徴的な部分だけを抜粋して説明し、説明が省略された部分は第1実施形態による。本発明の第4実施形態では、説明の便宜のために、同一の構成要素に対しては本発明の第1実施形態と同じ参照番号を付けて説明する。
図4は、本発明の第4実施形態に係る有機発光表示装置の画素配列構造を示す図面である。
図4に示すように、本発明の第4実施形態に係る有機発光表示装置の画素配列構造は、複数の第1画素100、複数の第2画素200、及び複数の第3画素300を含む。
複数の第1画素100のうち隣接する第1画素100それぞれは互いに対称の四角形状を有している。
【0035】
第2画素200及び第3画素それぞれは互いに異なる面積を有しており、第3画素300が第2画素200に比べて大きい面積を有している。
このように、第1画素100の中心点を正四角形の中心点とする仮想の正四角形VSの第1頂点P1に第2画素200の中心点が位置し、第2頂点P2に第3画素300の中心点が位置し、隣接する第1画素100それぞれが互いに対称の四角形状を有すると同時に、第3画素300が第2画素200に比べて大きい面積を有することによって、第1画素100、第2画素200、及び第3画素300それぞれに含まれている緑色の有機発光層、青色の有機発光層、及び赤色の有機発光層それぞれを形成するファインメタルマスクを利用した蒸着工程時、蒸着信頼度が向上する。また、複数の第2画素200及び複数の第3画素300それぞれが第1画素100を囲むように配列されることによって、第1画素100、第2画素200、及び第3画素300それぞれの開口率を向上させることができる。これは、全体的な有機発光表示装置の製造時間及び製造費用を節減すると同時に、有機発光表示装置が表示するイメージの品質を向上させる要因として作用する。
【0036】
以上、本発明について上述した好ましい実施形態を通じて説明したが、本発明はこれに限定されず、次に記載する特許請求の範囲の概念と範囲を逸脱しない限り、多様な修正及び変形が可能であることを、本発明が属する技術分野における者であれば、簡単に理解できる。
【符号の説明】
【0037】
100第1画素
200第2画素
300第3画素
【手続補正書】
【提出日】2024-11-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機発光表示装置であって、
前記有機発光表示装置のアドレス指定可能な最小単位であり、
赤色光を発光するための有機発光層を含む複数の赤画素と、
青色光を発光するための有機発光層を含む複数の青画素と、
緑色光を発光するための有機発光層を含む複数の緑画素とを有する、画像を表示するための複数の個別にアドレス指定可能な画素を含み、
前記有機発光表示装置は、前記複数の赤画素、前記複数の青画素、および前記複数の緑画素の領域を定義する画素定義膜を含み、
前記複数の赤画素、前記複数の青画素、および前記複数の緑画素の各々は、互いに間隔をあけて配置され、
前記複数の緑画素のうち第1緑画素は、仮想正方形の中心と一致する中心を有し、前記仮想正方形の各頂点は、前記複数の緑画素のうち異なる1つの緑画素の中心と一致し、前記仮想正方形の各辺は、連続する3つの緑画素と重なり、
前記複数の青画素のうち少なくとも2つの青画素と前記複数の赤画素のうち少なくとも2つの赤画素は、完全に前記仮想正方形の境界内に位置し、
前記少なくとも2つの青画素の各々は、前記少なくとも2つの赤画素の各々よりも大きな面積を有し、
前記少なくとも2つの青画素の各々は、前記第1緑画素の面積よりも大きい面積を有し、
前記第1緑画素は、前記第1緑画素をその長軸に沿って二等分する線が、前記第1緑画素をその短軸に沿って二等分する線よりも大きい長さを有するような多角形状を有し、
前記複数の緑画素のうち最も近い2つの緑画素間の最短距離は、前記第1緑画素の前記短軸に平行な方向に沿った前記複数の赤画素の第1赤画素の幅よりも大きく、
前記赤画素と前記青画素は、第1方向に沿って交互に配置され、
前記赤画素と前記青画素は、前記第1方向と直交する第2方向に沿って交互に配置される、
有機発光表示装置。