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特開2024-180666ロボット教示装置及びロボットプログラムの生成用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180666
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】ロボット教示装置及びロボットプログラムの生成用プログラム
(51)【国際特許分類】
   B25J 9/22 20060101AFI20241219BHJP
   G05B 19/42 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B25J9/22 A
G05B19/42 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024184908
(22)【出願日】2024-10-21
(62)【分割の表示】P 2022575567の分割
【原出願日】2022-01-07
(31)【優先権主張番号】P 2021004342
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 駿太
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 豪
(72)【発明者】
【氏名】栗原 佑典
(57)【要約】
【課題】ロボット命令の流れを分かりやすくするためにロボット命令をまとめて表示する。
【解決手段】ロボット教示装置は、表示部と、表示部に、ロボットの動作を教示するロボットプログラムの編集をする編集画面を表示する編集画面制御部と、編集画面において、ロボットプログラムにロボット命令が追加されたときに、表示部に少なくともロボット命令のパラメータ値を設定するためのウィザードを表示するウィザード制御部と、を備える。編集画面において追加される前記ロボット命令を、ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令の追加を伴う代表命令とし、ウィザードの終了後に代表命令がロボットプログラムから削除されるようにしてもよい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
前記表示部に、ロボットの動作を教示するロボットプログラムの編集をする編集画面を表示する編集画面制御部と、
前記編集画面において、前記ロボットプログラムにロボット命令が追加されたときに、前記表示部に少なくとも前記ロボット命令のパラメータ値を設定するためのウィザードを表示するウィザード制御部と、
を備えた、ロボット教示装置。
【請求項2】
表示部と、
前記表示部に、ロボットの動作を教示するロボットプログラムの編集をする編集画面を表示する編集画面制御部と、
前記編集画面において、前記ロボットプログラムにロボット命令が追加されたときに、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令を前記ロボットプログラムに追加する命令追加部と、
を備えた、ロボット教示装置。
【請求項3】
表示部と、
前記表示部に、ロボットの動作を教示するロボットプログラムの編集をする編集画面を表示する編集画面制御部と、
前記編集画面において、前記ロボットプログラムにロボット命令が追加されたときに、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令を前記ロボットプログラムに追加するためのウィザードを表示するウィザード制御部と、
を備え、
前記編集画面において追加される前記ロボット命令は、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令の追加を伴う代表命令であり、
前記ウィザードの終了後に前記代表命令が前記ロボットプログラムから削除されるロボット教示装置。
【請求項4】
前記編集画面において追加される前記ロボット命令は、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令の追加を伴う代表命令であり、
前記ウィザードによって、前記代表命令を前記ロボットプログラムに追加したときに、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令が追加され、
前記ウィザードによって、前記代表命令と、前記代表命令に対して追加される前記少なくとも一つの他のロボット命令の命令との組み合わせ、並びに前記代表命令及び前記少なくとも一つの他のロボット命令のパラメータ値とを設定する、請求項1に記載のロボット教示装置。
【請求項5】
前記編集画面において追加される前記ロボット命令は、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令の追加を伴う代表命令であり、
前記代表命令と、前記命令追加部により追加された、前記少なくとも一つの他のロボット命令とのパラメータを設定する設定部を備えた、請求項2に記載のロボット教示装置。
【請求項6】
前記ウィザードによって、前記少なくとも一つの他のロボット命令のパラメータ値を設定する、請求項3に記載のロボット教示装置。
【請求項7】
前記ロボット命令は、アイコン又はブロックで示され、
前記編集画面制御部は、前記アイコン又は前記ブロックが追加されることで、前記ロボットプログラムの編集をする、請求項1から6のいずれか1項に記載のロボット教示装置。
【請求項8】
ロボット教示装置としてもコンピュータに、
表示部に、ロボットの動作を教示するロボットプログラムの編集をする編集画面を表示する機能と、
前記編集画面において、前記ロボットプログラムにロボット命令が追加されたときに、前記表示部に少なくとも前記ロボット命令のパラメータ値を設定するためのウィザードを表示する機能と、
を実行させる、ロボットプログラムの生成用プログラム。
【請求項9】
表示部に、ロボットの動作を教示するロボットプログラムの編集をする編集画面を表示する機能と、
前記編集画面において、前記ロボットプログラムにロボット命令が追加されたときに、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令を前記ロボットプログラムに追加する機能と、
を実行させる、ロボットプログラムの生成用プログラム。
【請求項10】
ロボット教示装置としてもコンピュータに、
表示部に、ロボットの動作を教示するロボットプログラムの編集をする編集画面を表示する機能と、
前記編集画面において、前記ロボットプログラムにロボット命令が追加されたときに、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令を前記ロボットプログラムに追加するためのウィザードを表示する機能と、を実行させ、
前記編集画面において追加される前記ロボット命令は、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令の追加を伴う代表命令であり、
前記ウィザードの終了後に前記代表命令が前記ロボットプログラムから削除される、ロボットプログラムの生成用プログラム。
【請求項11】
前記編集画面において追加される前記ロボット命令は、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令の追加を伴う代表命令であり、
前記ウィザードによって、前記代表命令を前記ロボットプログラムに追加したときに、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令が追加され、
前記ウィザードによって、前記代表命令と、前記代表命令に対して追加される前記少なくとも一つの他のロボット命令の命令との組み合わせ、並びに前記代表命令及び前記少なくとも一つの他のロボット命令のパラメータ値とを設定する、請求項8に記載の生成用プログラム。
【請求項12】
前記編集画面において追加される前記ロボット命令は、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令の追加を伴う代表命令であり、
前記代表命令と、追加された、前記少なくとも一つの他のロボット命令とのパラメータを設定する、請求項9に記載の生成用プログラム。
【請求項13】
前記ウィザードによって、前記少なくとも一つの他のロボット命令のパラメータ値を設定する、請求項10に記載の生成用プログラム。
【請求項14】
前記ロボット命令は、アイコン又はブロックで示され、
前記アイコン又は前記ブロックが追加されることで、前記ロボットプログラムの編集をする、請求項8から13のいずれか1項に記載の生成用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット教示装置及びロボットプログラムの生成用プログラムに関し、特に、ロボットの動作を教示するロボットプログラムを生成するロボット教示装置及びロボットプログラムの生成用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットが目的の作業を行うためにロボットプログラムを作成することが求められる。ロボットプログラムは、教示操作盤などに表示されるメニューから命令を選択してロボットプログラムに追加することで作成することができる。ユーザは、プログラム命令を使用して、ロボット又は周辺機器に動作又はハンドリングの実行方法を指定する。ロボットを含むシステムのプログラミング方法は、例えば、特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1には、パーソナルコンピュータ等のディスプレイ画面上に、プログラミングに必要な情報を階層的に分解して表示させるプログラミング方法が記載されている。
オペレータは、各画面上でロボットシステムに実行させる各レベルのシーケンスを策定する。シーケンスの記述には、各画面上に表示されるアイコン(グラフィカルシンボル)が利用される。レベル1では、製品の構成要素であるサブアッセンブリを組み立てて製品を完成させるシーケンスを策定する。レベル2では、レベル1で策定されたシーケンスに含まれる個々のサブアッセンブリに関し、それを構成する部品の組立シーケンスを策定する。レベル3では、レベル2で策定された手順に含まれる個々の部品について、作業シーケンスを策定する。レベル4では、レベル3で策定された作業シーケンスに含まれる各作業について、その作業を遂行する為に必要な動作シーケンスをその作業を担当する機器に適合したプログラム言語で記述された命令文で作成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8-249026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ロボットプログラムは、一つの命令だけでなく、複数の命令の組み合わせ、及び各命令のパラメータ値を設定することが求められる。
ロボットプログラムを生成するためにプログラミングを行う場合、ロボット操作の初心者は、プログラミングを行うことが難しいので、命令の流れを分かりやすくするために命令をまとめて表示することが望ましい。そして、プログラミング作成の手順が分かりやすく、プログラミング作成の手間はできる限り少ないことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本開示の第1の態様は、表示部と、
前記表示部に、ロボットの動作を教示するロボットプログラムの編集をする編集画面を表示する編集画面制御部と、
前記編集画面において、前記ロボットプログラムにロボット命令が追加されたときに、前記表示部に少なくとも前記ロボット命令のパラメータ値を設定するためのウィザードを表示するウィザード制御部と、
を備えた、ロボット教示装置である。
【0007】
(2) 本開示の第2の態様は、表示部と、
前記表示部に、ロボットの動作を教示するロボットプログラムの編集をする編集画面を表示する編集画面制御部と、
前記編集画面において、前記ロボットプログラムにロボット命令が追加されたときに、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令を前記ロボットプログラムに追加する命令追加部と、
を備えた、ロボット教示装置である。
【0008】
(3) 本開示の第3の態様は、表示部と、
前記表示部に、ロボットの動作を教示するロボットプログラムの編集をする編集画面を表示する編集画面制御部と、
前記編集画面において、前記ロボットプログラムにロボット命令が追加されたときに、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令を前記ロボットプログラムに追加するためのウィザードを表示するウィザード制御部と、
を備え、
前記編集画面において追加される前記ロボット命令は、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令の追加を伴う代表命令であり、
前記ウィザードの終了後に前記代表命令が前記ロボットプログラムから削除されるロボット教示装置である。
【0009】
(4) 本開示の第4の態様は、ロボット教示装置としてもコンピュータに、
表示部に、ロボットの動作を教示するロボットプログラムの編集をする編集画面を表示する機能と、
前記編集画面において、前記ロボットプログラムにロボット命令が追加されたときに、前記表示部に少なくとも前記ロボット命令のパラメータ値を設定するためのウィザードを表示する機能と、
を実行させる、ロボットプログラムの生成用プログラムである。
【0010】
(5) 本開示の第5の態様は、表示部に、ロボットの動作を教示するロボットプログラムの編集をする編集画面を表示する機能と、
前記編集画面において、前記ロボットプログラムにロボット命令が追加されたときに、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令を前記ロボットプログラムに追加する機能と、
を実現させる、ロボットプログラムの生成用プログラムである。
(6) 本開示の第6の態様は、ロボット教示装置としてもコンピュータに、
表示部に、ロボットの動作を教示するロボットプログラムの編集をする編集画面を表示する機能と、
前記編集画面において、前記ロボットプログラムにロボット命令が追加されたときに、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令を前記ロボットプログラムに追加するためのウィザードを表示する機能と、を実現し、
前記編集画面において追加される前記ロボット命令は、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令の追加を伴う代表命令であり、
前記ウィザードの終了後に前記代表命令が前記ロボットプログラムから削除される、ロボットプログラムの生成用プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本開示の各態様によれば、ロボット命令の流れを分かりやすくするためにロボット命令をまとめて表示することができる。そして、プログラミング作成の手順が分かりやすく、プログラミング作成の手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の第1の実施形態のロボット教示装置を含むロボットシステムを示すブロック図である。
図2】ロボット教示装置の機能ブロック図である。
図3】プログラミング編集画面及びアイコンの一例を示す図である。
図4】パレタイジングの第1ページのウィザード画面の一例を示す図である。
図5】パレタイジングの第1ページのウィザード画面の欄130Aに記載される内容を示す図である。
図6】パレタイジングの最終ページのウィザード画面の一例を示す図である。
図7】領域110Aに命令セットが挿入されたプログラミング編集画面の一部を示す図である。
図8】把持ハンドの積み上げの動作を示す図である。
図9】第1の実施形態のロボット教示装置の動作を示すフローチャートである。
図10】ポップアップ表示を示す図である。
図11】命令セットが追加されたプログラミング編集画面の一例を示す図である。
図12】本開示の第2の実施形態のロボット教示装置の機能ブロック図である。工作機械の他の構成例を示すブ-ロック図である。
図13】第2の実施形態のロボット教示装置の動作を示すフローチャートである。
図14】本開示の第3の実施形態のロボット教示装置のプログラミング編集画面の一例を示す図である。
図15】軌跡教示の第1ページのウィザード画面の一例を示す図である。
図16】命令セットが追加されたプログラミング編集画面の一例を示す図である。
図17】第3の実施形態のロボット教示装置の動作を示すフローチャートである。
図18】ブロックを用いたプログラミング編集画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1は本開示の第1の実施形態のロボット教示装置を含むロボットシステムを示すブロック図である。
図1に示すように、ロボットシステム10は、ロボット教示装置100、ロボット200及びロボット制御装置300を備えている。
ロボット教示装置100は、プロセッサ101、表示部102、入力部103、メモリ104、記憶部105等を備えたコンピュータで構成される。
プロセッサ101は、CPU(Central Processing Unit)、量子プロセッサ等で構成される。表示部102は、液晶表示装置、有機EL表示装置等で構成される。入力部103は、キーボード及びマウス、タッチパネル等で構成される。表示部102と入力部103とは一体化されて、タッチパネル付き液晶表示装置等として構成されてもよい。メモリ104は、プロセッサ101がプログラムを実行する上で一時的に必要とされるデータを格納するために設けられ、DRAM等で構成される。記憶部105は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等で構成される。
記憶部105は、OS(Operating System)及びアイコンプログラミングソフトウェア106を記憶している。アイコンプログラミングソフトウェア106はロボットプログラムを生成するためのプログラムである。プロセッサ101は、記憶部105からアイコンプログラミングソフトウェア106を読み出して実行する。アイコンプログラミングソフトウェア106は、表示部102の表示画面にプログラミング編集画面を表示するとともに、入力部103からの情報に応じてロボット200の動作プログラム107を生成する、イベントドブリン型プログラムである。
【0015】
ロボット教示装置100は、生成された動作プログラム107をロボット制御装置300に有線又は無線で送信する。
ロボット制御装置300は動作プログラム107に従ってロボット200のロボット機構部201及びツール202の動作を制御する。
ロボット機構部201は、多関節ロボット、パラレルリンク型ロボット等の産業用ロボット、又はヒューマノイド型ロボット等である。ツール202は、ロボット200の作業内容に応じて、吸着ハンド、把持ハンド、溶接ツール、ねじ締結ツール等が用いられる。
【0016】
図2はアイコンプログラミングソフトウェアによって実現されるロボット教示装置の機能ブロック図である。この機能ブロックは、図1に示したロボット教示装置となるコンピュータのハードウェアとアイコンプログラミングソフトウェアとが協働することにより実現される。
ロボット教示装置100は、アイコンプログラミングソフトウェア106によって、プログラミング編集画面制御部1061、命令選択部1062、ウィザード制御部1063、命令セット追加部1064、及び動作プログラム生成部1065として機能する。
【0017】
図3は、プログラミング編集画面及びアイコンの一例を示す図である。図3では、パレタイジングに用いることができるアイコンに符号を付して示し、その他のアイコンは角にRを有する四角で示している。
プロセッサ101は、プログラミング編集画面制御部1061として機能し、図3に示すプログラミング編集画面110を表示部102に表示する。プログラミング編集画面制御部1061は、ロボット200のロボット命令(以下、命令と記す)を示すアイコンを処理順に並べて配置するプログラムライン111が設けられた領域110A、及び複数のアイコンが行列状に配置されるアイコン配置領域110Bと、を備えている。
【0018】
アイコン120は、ツール202を直線移動させる直線移動命令を示すアイコンである。アイコン121は、レジストリからロボットプログラムの開始に必要な情報の読み出しを指示する読み出し命令を示すアイコンである。アイコン122は、パレットにワークを積み上げるパレタイジング、又は積み下ろすデパレタイジングを行わせる命令(パレタイジング命令と呼ぶ)を示すアイコンである。アイコン123は、FOR命令を示すアイコンである。アイコン124は、IF命令を示すアイコンである。アイコン125は、ELSE命令を示すアイコンである。アイコン126は、ツール202に把持ハンドを用いた場合に、把持ハンドを開くハンド開命令を示すアイコンである。アイコン127は、ツール202に把持ハンドを用いた場合に、把持ハンドを閉じるハンド閉命令を示すアイコンである。
【0019】
パレタイジング命令は、ロボットプログラムに追加されたときに、把持ハンドを直線移動させる直線移動命令、把持ハンドを開くハンド開命令等の命令セットの追加を伴う命令である。
このように、プログラムに命令が追加されたときに、当該命令以外の少なくとも一つの他の命令の追加を伴う命令を代表命令と呼ぶ。上述した、パレタイジング命令以外の、ツール202を直線移動させる命令、レジストリからロボットプログラムの開始に必要な情報の読み出しを指示する命令、及びFOR命令等は、その命令がロボットプログラムに追加されたときに他の命令が追加されるものでないため、代表命令ではなく通常命令と呼ばれる。代表命令に対して追加される命令は、例えば、この通常命令である。
なお、代表命令としては、パレタイジング命令の他に、例えば、一つ又は複数の溶接点を溶接するスポット溶接の命令、一つ又は複数のねじを締結するねじ締結の命令がある。
上記のように、命令には代表命令と通常命令とがある。パレタイジング命令、FOR命令のように命令の内容を特定することなく、単に「命令」と記載したときは、代表命令及び通常命令を含むことを意味するものとする。
【0020】
以下の説明では、パレタイジングを行うロボットプログラムを作成する場合を例にとって説明するが、本実施形態は、溶接、又はねじ締結等を行うロボットプログラムを作成する場合にも適用可能である。
【0021】
プロセッサ11は、命令選択部1062として機能する。ユーザが、図3に示すプログラミング編集画面110でパレタイジング命令を示すアイコン122を、マウスを用いてドラッグし、プログラムライン111にドロップしたときに、命令選択部1062は、アイコン122の複製をプログラムライン111上に配置し、ロボットプログラムにパレタイジング命令を追加する。
また、プロセッサ11は、ウィザード制御部1063として機能する。ユーザが、図3に示すプログラミング編集画面110でパレタイジング命令を示すアイコン122をプログラムライン111上に配置したときに、ウィザード制御部1063は、パレタイジングウィザードを開始し、ツール202となる把持ハンドを直線移動させる直線移動命令及び把持ハンドを開くハンド開命令等、並びに直線移動命令等の条件等を示すパラメータを入力するために、プログラミング編集画面110から図4に示す第1ページのウィザード画面130に切り替えて表示部102に表示する。ここでは、ウィザード画面は第1ページから第10ページまである。
【0022】
図4は、パレタイジングの第1ページのウィザード画面の一例を示す図である。
第1ページのウィザード画面130は、パレタイジングウィザード完了後に追加される一例のロボットプログラムの複数のアイコン配列の説明及びパレタイジングの定義を説明する欄130A、並びにパレタイジングにおける積み上げと積み下ろしとの何れかの選択、及び積み上げ数又は積み上げ数(作業条件等を示すパラメータとなる)を入力する欄130Bを備えている。
【0023】
図5は欄130Aに記載される内容を示す図である。
図5に示すように、欄130Aには、「パレタイジングウィザードを完了すると、例えば、パレタイジング動作を行う以下のようなプログラムが追加されます。」との文章と、追加されるプログラムのアイコンの配列の一例を示す図とが記載される。
【0024】
また、図5に示すように、欄130Aには、「パレタイジングとは、いくつかの代表点を教示するだけで、下段から上段へ、ワークを順序よく積み上げることである。また、上段から下段へ、ワークを積み下ろすことをデパレタイジングと言います。」との文章が記載される。
【0025】
図4に示すように、欄130Bには、パレタイジングを示す図と、積み上げと積み下ろしとのいずれか一方を選択し、その段数を入力ための入力するための入力欄が記載されている。図4では、「積み上げ」を選択し、段数を3段とした例を示している。
ウィザード画面130で設定する命令は、例えば、「積み上げ」を選択すると、アイコン126で示される把持ハンドを開くハンド開命令が選択され、「積み下ろし」を選択すると、アイコン127で示される把持ハンドを閉じるハンド閉命令が選択される。上記のように、ここでは、「積み上げ」を選択しているので、アイコン126で示される把持ハンドを開くハンド開命令が選択され、後述する図8に示すプログラミング編集画面110の領域110Aにアイコン126が含まれているが、「積み下ろし」が選択された場合には、アイコン126に替えてアイコン127が含まれる。
【0026】
ウィザード画面で設定する作業条件を示すパラメータは、ワークの積み上げ又は積み下ろしの段数の他に、配置する行数及び列数、ツールの移動速度等があり、第2ページ以降のウィザード画面で当該パラメータが設定される。
このようにして、パレタイジングの第1ページのウィザード画面130によって、プログラミング編集画面110の領域110Aに示されるアイコンの種類(すなわち、命令の種類)とパラメータの値が決められる。
【0027】
ユーザは、図4に示す、パレタイジングの第1ページのウィザード画面130から、図6に示す、パレタイジングの最終ページのウィザード画面140までのウィザード画面の各ページでパラメータの入力を行う。
図6は、パレタイジングの最終ページのウィザード画面の一例を示す図である。
最終ページのウィザード画面140は、位置レジスタを設定する画面である。ワークを積み上げる動作には、把持ハンドを接近点と積み点との間で上下移動させるパレタイジング動作と、把持ハンドを接近点、積み点、逃げ点との間で移動させるセパレータ動作とがあり、ここでは、パレタイジング動作の、接近点と積み点の位置レジスタ番号(イチレジ)が入力される。
【0028】
ユーザが、最終ページのウィザード画面140で完了ボタンをマウスでクリックすると、命令セット追加部1064は、代表命令(アイコン122で示されるパレタイジング命令)と通常命令(アイコン123で示されるFOR命令等)とを含む命令セットをロボットプログラムに追加する。そして、プログラミング編集画面制御部1061は、表示画面をプログラミング編集画面110に戻し、図7に示すように、プログラミング編集画面110は、領域110Aに命令セットが挿入された状態となる。図7は、領域110Aに命令セットが挿入されたプログラミング編集画面の一部を示す図である。
領域110Aの命令セットが挿入されたアイコンの配列については後述する。
【0029】
プロセッサ11は、動作プログラム生成部1065として機能し、プログラミングが終了すると、ロボットプログラムを機械語等のロボット制御装置300が実行可能な形式に変換して動作プログラム107を生成する。
ロボット教示装置100は、生成した動作プログラム107をロボット制御装置300に送信し、ロボット制御装置300は、動作プログラム107に従ってロボット200のロボット機構部201及びツール202の動作を制御する。
【0030】
<命令セットが挿入されたアイコンの配列>
以下、図8に示す、領域110Aの命令セットに挿入されたアイコンの配列について説明する。
図7の領域110Aに示される、命令セットに挿入されたアイコンの配列は以下の動作を示している。追加されるアイコンの配列において、アイコン120の上の”1”、”2”の数値は、ロボットの把持ハンドが移動する位置を表す。アイコン120の上の”1”、”2”の数値は、命令セット追加部1064によって表示される。
アイコン121は、ロボットプログラムにおける、レジストリからロボットプログラムの開始に必要な情報の読み出しを示し、アイコン123は、ロボットプログラムにおける、アイコン123以降の処理の繰り返しを示し(FOR命令)、アイコン122は、ロボットプログラムにおける、パレタイジング又はデパレタイジングを示す(パレタイジング命令)。次に、2つのアイコン120は、それぞれ”1”、”2”で示される位置へツール202となる把持ハンドが移動することを示し、アイコン126は、把持ハンドを開くことを示し、アイコン120は、“1”で示される位置へ把持ハンドが移動する(戻る)ことを示す。
【0031】
以下、図7及び図8を用いて、追加される、ロボットプログラムのアイコンの配列における、把持ハンドの積み上げの動作について更に詳細に説明する。図8は、把持ハンドの積み上げの動作を示す図である。把持ハンドの積み上げは以下の処理(1)~(6)により行われる。
(1)ロボット教示装置100は、アイコン122で示されるパレタイジング命令で位置を計算して、位置“1”、位置“2”を出力する。出力する位置は、パレットの行列段の情報等を利用して計算される。例えば、出力する位置は、行数、列数、段数、積み上げる順番などを利用して計算される。
(2)位置”1”が付されたアイコン120で示される直線移動命令により、ロボット制御装置300は、ツール202となる把持ハンドを位置”1”(接近点)に移動させる。ハンドリングするワークの位置に把持ハンドを直接移動すると他のワークと接触する可能性があるので、まず、ワークの上部の接近点を経由する動作をする。
(3)位置”2”が付されたアイコン120で示される直線移動命令により、ロボット制御装置300は、把持ハンドを位置”2”(積み点)に移動させる。
(4)アイコン126示される把持ハンドを開く命令により、ロボット制御装置300は、把持ハンドを開いてワークを置く。
(5)位置”1”が付されたアイコン120で示される直線移動命令により、ロボット制御装置300は、把持ハンドを位置”1”(逃げ点)に移動させる。逃げ点は接近点と同じ位置である。
(6)アイコン123で示されるFOR命令で上記処理(1)から処理(5)を繰り返し実行して、ワークを図8のように積み上げる。
【0032】
次に、ロボット教示装置100の動作について図9のフローチャートを用いて説明する。図9はロボット教示装置100の動作を示すフローチャートである。
【0033】
ステップS11において、プログラミング編集画面制御部1061は、図3に示すプログラミング編集画面110を表示部102に表示する。
【0034】
ステップS12において、ウィザード制御部1063は、プログラムライン111にパレタイジングを示すアイコンが配置され、パレタイジング命令が追加されたかどうかを判断し、パレタイジング命令が追加されていればステップS13に移り、追加されていなければ処理を終了する。
【0035】
ステップS13において、ウィザード制御部1063は、図4に示す第1ページのウィザード画面130を表示部102に表示する。ステップS14での判断によりステップS14から戻ってステップS13の処理を行う場合は、ステップS13において、ウィザード制御部1063は、次のページ又は元のページのウィザード画面を表示部102に表示する。ユーザが第1ページのウィザード画面130又は第2ページ以降のウィザード画面へのパラメータの入力が終わると、ユーザは次のページ又は元のページのウィザード画面の表示を指示するか、ウィザード画面が最終ページである場合はウィザードの完了を指示する。
【0036】
ステップS14において、ウィザード制御部1063は、ユーザによって次のページ又は元のページのウィザード画面の表示が指示されたか、ウィザードの完了が指示されたかを判断する。次のページ又は元のウィザード画面の表示が指示された場合は、ステップS13に戻り、ウィザードの完了が指示された場合は、ステップS15に移る。
【0037】
ステップS15において、命令セット追加部1064は、代表命令と通常命令を含む命令セットをロボットプログラムに追加する。
ステップS16において、プログラミング編集画面制御部1061は、領域110Aのプログラムライン111に命令セットのアイコンが配列されたプログラミング編集画面110を表示部102に表示する。
【0038】
以上説明した実施形態では、代表命令がロボットプログラムに追加されたときに、ウィザード制御部1063が、ウィザードを表示したが、通常命令、例えば、ツールを直線移動させる直線移動命令がロボットプログラムに追加されたときに、ツールの移動速度等のパラメータを追加するために、ウィザード制御部1063が、ウィザードを表示してもよい。
【0039】
以上説明した実施形態では、プログラミング編集画面110の領域110Aのプログラムライン111上にアイコンを配置することで、ロボットプログラムの命令を追加した際に、自動的にウィザードが表示される。そのため、ウィザードで追加した通常命令、代表命令と通常命令を含む複数の命令のパラメータの設定ができる。そのため、ロボット操作の初心者は、命令ごとのパラメータなど詳細な知識がなくても、ウィザードの説明に従うことで、複雑なロボットプログラムを作成できる。
【0040】
アイコンプログラミングソフトウェアは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。
【0041】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、ユーザが、図3に示すように、プログラミング編集画面110でパレタイジングを示すアイコン122をプログラムライン111上に追加されたときに、ウィザード制御部1063が、ウィザード画面130を表示し、ウィザードで通常命令の追加、及びパラメータの設定ができるようにしている。
【0042】
本実施形態では、ユーザが、図3に示すように、プログラミング編集画面110でパレタイジングを示すアイコン121をプログラムライン111上に追加したときに、ポップアップ表示制御部が、図10に示す、ポップアップ表示150をプログラミング編集画面110上に表示し、ユーザがサンプルプログラムの挿入を認めた場合に、図11に示すプログラミング編集画面110の領域110Aに代表命令及び通常命令からなる命令セット(命令セットに通常命令を追加した命令セット)を追加するようにする。
【0043】
第1の実施形態のように、ウィザード画面に切り替えるか、本実施形態のように、ポップアップ表示を行うかは、設計者が決定し、実装する。設計者は、ロボットの作業に応じて、ウィザード画面表示、ポップアップ表示で適当な処理を実装し、例えば、パレタイジングの場合はウィザード画面に切り替えとし、スポット溶接の場合はポップアップ表示とする。
【0044】
本実施形態におけるロボットシステムの構成は、以下に説明する点を除いて図1に示したロボットシステムの構成と同じである。
図12は本実施形態によるロボット教示装置の機能ブロック図である。図2に示す機能ブロック図との違いは、ウィザード制御部1063に替えて、ポップアップ表示制御部1066並びに、命令及びパラメータ設定部1067が設けられている点である。
ポップアップ表示は、図10に示すように、予め用意された、パレタイジング用のサンプルプログラムを挿入するかを確認するための表示である。
第1の実施形態と同様に、図3に示すプログラミング編集画面110でパレタイジングを示すアイコン122がプログラムライン111上に配置されたときに、ポップアップ表示制御部1066は図10に示すポップアップ表示150を行う。
【0045】
ユーザが図10に示すポップアップ表示150で、「はい」を選択すると、命令セット追加部1064は、図11に示すように、プログラミング編集画面110の領域110Aにおけるプログラムライン111に、アイコンのセットを追加して命令セットを構成する。
【0046】
図11に示す命令セットは、例えば、積み上げの段数等のようなパラメータは設定されていないので、命令及びパラメータ設定部1067は代表命令及び通常命令のパラメータを設定する。例えば、図11に示すように、ユーザがパレタイジングを示すアイコン122をクリックすると、命令及びパラメータ設定部1067はパラメータ設定画面を表示する。ユーザがパラメータ設定画面で積み上げの段数を入力すると、命令及びパラメータ設定部1067はパレタイジング命令に積み上げの段数を設定する。
また、図11に示す命令セットでは、ユーザが把持ハンドの開閉のどちらかの通常命令を選択して、アイコン126かアイコン127かを追加する必要がある。ユーザが把持ハンドの開を示すアイコン126をマウスでドラッグして、位置“2”の付されたアイコン120と、その右隣の位置“1”の付されたアイコン120との間にアイコン126を離すと、命令及びパラメータ設定部1067は、図7に示した命令セットと同一の命令セットを設定する。
【0047】
次に、本実施形態のロボット教示装置100の動作について図13のフローチャートを用いて説明する。図13は本実施形態のロボット教示装置100の動作を示すフローチャートである。図13に示すフローチャートは図9に示すフローチャートとの違いは、ステップS12において、ウィザード制御部1063に替わってポップアップ表示制御部1066が用いられ、ステップS13、S14の替わりにステップS17、S18が設けられ、ステップS19が追加されている点である。
【0048】
ステップS11において、プログラミング編集画面制御部1061は、図3に示すプログラミング編集画面110を表示部102に表示する。
【0049】
ステップS12において、ポップアップ表示制御部1066は、プログラムライン111にパレタイジングを示すアイコン122が追加されたかどうかを判断し、追加されていればステップS17に移り、追加されていなければ処理を終了する。
【0050】
ステップS17において、ポップアップ表示制御部1066は、図10に示すポップアップ表示を表示部102に表示する。
【0051】
ステップS18において、ポップアップ表示制御部1066は、ユーザによって、パレタイジング用のサンプルプログラムの挿入について、「はい」が選択されると、ステップS15に移り、「いいえ」が選択された場合は、処理を終了する。
【0052】
ステップS15において、パレタイジング用の命令セットを挿入する。
ステップS16において、プログラミング編集画面制御部1061は、領域110Aのプログラムライン111に命令セットのアイコンが配列されたプログラミング編集画面110を表示部102に表示する。
【0053】
ステップS19において、追加の代表命令と通常命令、及びパラメータを設定する。例えば、把持ハンドの開閉どちらかの命令、及び積み上げの段数等のようなパラメータを設定する。
【0054】
第1の実施形態ではウィザード画面によって詳細な設定を行い、ウィザード終了後にパレタイジング命令後に命令セットが追加されるのでプログラミング編集画面110上で視覚的に命令セットが追加されたアイコンの配列を見ることができるのはウィザード終了後となる。一方、本実施形態では、代表命令を追加したときに複数の命令を束ねた命令セットが追加されるため、命令セットを視覚的に確認することができる。そして、確認した命令セットに通常命令を追加したり、代表命令及び通常命令を選択して、パラメータを設定することができる。
【0055】
(第3の実施形態)
図14は、本開示の第3の実施形態のロボット教示装置のプログラミング編集画面の一例を示す図である。図14では、図3に示した、領域110Aに軌跡教示命令を示すアイコン128が追加され、アイコン配置領域110Bにパレタイジング命令を示すアイコン122の替わりに、軌跡教示命令を示すアイコン128が配置されている。軌跡教示の命令は代表命令となる。
【0056】
アイコンプログラミングソフトウェアによって実現されるロボット教示装置の機能ブロックは、図2に示した構成と同じであるが、本実施形態では、命令セット追加部1064はウィザード終了後に軌跡教示命令を示すアイコン128を削除するとともに、通常命令となる、アイコン120で示される直線移動命令からなる命令セットをロボットプログラムに追加する。
【0057】
プロセッサ11は、ウィザード制御部1063として機能し、ユーザが、図14に示すプログラミング編集画面110で軌跡教示を示すアイコン128をプログラムライン111上に追加したときに、軌跡教示ウィザードを開始し、作業条件等を入力するためにプログラミング編集画面110から図15に示すウィザード画面160に切り替えて表示部102に表示する。ここでは、ウィザード画面は第1ページから第3ページまである。
【0058】
図15は、軌跡教示の第1ページのウィザード画面の一例を示す図である。
第1ページ目のウィザード画面160は、軌跡教示を説明する欄において「軌跡ウィザードでは、ロボットを動かした際の軌跡を計算し、その軌跡を通るようにプログラムを生成できます。」と記載され、軌跡教示の動作を説明する欄において、「(1)ダイレクトティーチでロボットを動かすと、ロボットがたどった軌跡を位置データとして記録します。」、「(2)記録した位置データを通るように動作命令を生成し、プログラムに挿入します。」と記載され、項目(1)及び項目(2)を説明する図が挿入されている。
ユーザがS字を描くように操作端末を用いてダイレクトティーチでロボットを動かすと、位置”1”から位置”8”までの位置データが記憶され、位置”1”から位置”8”がそれぞれ付された8つのアイコン120からなる命令セットが生成され、ロボットプログラムに挿入される。
ユーザが、第3ページ(最終ページ)で完了ボタンを押すと、軌跡ウィザードが終了し、表示画面がプログラミング編集画面110に戻る。図16に示すプログラミング編集画面110の領域110Aでは、軌跡教示を示すアイコン128が削除され、位置”1”から位置”8”がそれぞれ付された8つのアイコン120からなる8つの直線移動命令からなる命令セットが挿入された状態となる。
【0059】
次に、本実施形態のロボット教示装置100の動作について図17のフローチャートを用いて説明する。図17は本実施形態のロボット教示装置100の動作を示すフローチャートである。図17に示すフローチャートは図9に示すフローチャートとの違いは、パレタイジング命令を示すアイコン122の替わりに、軌跡教示の命令を示すアイコン128が用いられ、ステップS15の替わりにステップS20が設けられている点である。
【0060】
ステップS11において、プログラミング編集画面制御部1061は、図14に示すプログラミング編集画面110を表示部102に表示する。
【0061】
ステップS12において、ウィザード制御部1063は、プログラムライン111に軌跡教示命令を示すアイコンが追加されたかどうかを判断し、追加されていればステップS13に移り、追加されていなければ処理を終了する。
【0062】
ステップS13において、ウィザード制御部1063は、図15に示す第1ページのウィザード画面160を表示部102に表示する。ステップS14での判断によりステップS14から戻ってステップS13の処理を行う場合は、ステップS13において、ウィザード制御部1063は、次のページ又は元のページのウィザード画面を表示部102に表示する。ユーザが第1ページのウィザード画面160又は第2ページ以降のウィザード画面への情報入力が終わると、ユーザは次のページ又は元のページのウィザード画面の表示を指示するか、ウィザード画面が最終ページである場合はウィザードの完了を指示する。
【0063】
ステップS14において、ウィザード制御部1063は、ユーザによって次のページ又は元のページのウィザード画面の表示が指示された場合は、ステップS13に戻り、ウィザードの完了が指示された場合は、ステップS20に移る。
【0064】
ステップS20において、命令セット追加部1064は、軌跡教示を示すアイコン128を削除するとともに、命令セットをロボットプログラムに追加する。
【0065】
ステップS16において、プログラミング編集画面制御部1061は、領域110Aのプログラムライン111に命令セットのアイコンが配列されたプログラミング編集画面110を表示部102に表示する。
【0066】
上述した第1、第2及び第3の実施形態は、本発明の好適な実施形態ではあるが、上記第1、第2及び第3の実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
例えば、上述した第1、第2及び第3の実施形態では、命令をアイコンで示していたが、命令を図18に示すようにブロックで示してもよい。
【0067】
図18は、ブロックを用いたプログラミング編集画面の一例を示す図である。
プログラミング編集画面170は、プログラミング領域180及び画面選択領域190を備え、プログラミング領域180は、機能選択領域181及びブロック配置領域182を備えている。ブロック配置領域182の一部には、ブロック配置領域182内の表示を縮小する縮小ボタン183、ブロック配置領域182内の表示を拡大する拡大ボタン184及びブロックを削除するためのごみ箱185が設けられている。例えば、図18に示すように、ユーザが、機能選択領域181の「制御」を選択すると、ブロック配置領域182に、ハンドがワークを掴む命令を示すブロック400、ハンドがワークを離す命令を示すブロック420が表示される。これらの命令は通常命令となる。そして、第1の実施形態と同様にウィザードが表示され、ユーザが、ハンドがワークを掴む位置“1”、ハンドがワークを離す位置“2”を設定し、ウィザードによる入力が完了すると、位置“1”を示すブロック410がブロック400と結びつき、位置“2”を示すブロック430がブロック420と結びつく。
【0068】
以上説明した例は、通常命令に対してウィザードで位置を設定する例であるが、第1の実施形態と同様にパレタイジング命令等の代表命令に対してウィザードを表示する例、第2の実施形態と同様にパレタイジング命令等の代表命令に対してパレタイジング命令と通常命令を含む命令セットを追加する例、第3の実施形態と同様に軌跡教示命令等の代表命令に対してウィザードを表示し、ウィザード終了後に軌跡教示命令等の代表命令を削除する例にも適用できる。
【0069】
本開示によるロボット教示装置及びロボットプログラムの生成用プログラムは、上述した実施形態を含め、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
(1) 表示部(例えば、表示部102)と、
前記表示部に、ロボットの動作を教示するロボットプログラムの編集をする編集画面を表示する編集画面制御部(例えば、プログラミング編集画面制御部1061)と、
前記編集画面において、前記ロボットプログラムにロボット命令が追加されたときに、前記表示部に少なくとも前記ロボット命令のパラメータ値を設定するためのウィザードを表示するウィザード制御部(例えば、ウィザード制御部1063)と、
を備えた、ロボット教示装置。
このロボット教示装置によれば、ウィザードを表示することで、ロボットプログラムの一連の流れで、高度の教示が可能となる。そして、プログラミング作成の手順が分かりやすく、プログラミング作成の手間を省くことができる。
【0070】
(2) 表示部(例えば、表示部102)と、
前記表示部に、ロボットの動作を教示するロボットプログラムの編集をする編集画面を表示する編集画面制御部(例えば、プログラミング編集画面制御部1061)と、
前記編集画面において、前記ロボットプログラムにロボット命令が追加されたときに、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令を前記ロボットプログラムに追加する命令追加部(例えば、命令セット追加部1064)と、
を備えた、ロボット教示装置。
このロボット教示装置によれば、少ない操作で、複数の命令を追加することができる。ロボットプログラムの一連の流れで、高度の教示が可能となる。そして、プログラミング作成の手順が分かりやすく、プログラミング作成の手間を省くことができる。
【0071】
(3) 表示部(例えば、表示部102)と、
前記表示部に、ロボットの動作を教示するロボットプログラムの編集をする編集画面を表示する編集画面制御部(例えば、プログラミング編集画面制御部1061)と、
前記編集画面において、前記ロボットプログラムにロボット命令が追加されたときに、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令を前記ロボットプログラムに追加するためのウィザードを表示するウィザード制御部(例えば、ウィザード制御部1063)と、
を備え、
前記編集画面において追加される前記ロボット命令は、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令の追加を伴う代表命令であり、
前記ウィザードの終了後に前記代表命令が前記ロボットプログラムから削除されるロボット教示装置。
このロボット教示装置によれば、ウィザードに従ってロボット命令を追加し、教示が終了した代表命令を削除することで、ロボット動作に不要な命令を削除することができる。
【0072】
(4) 前記編集画面において追加される前記ロボット命令は、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令の追加を伴う代表命令であり、
前記ウィザードによって、前記代表命令を前記ロボットプログラムに追加したときに、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令が追加され、
前記ウィザードによって、前記代表命令と、前記代表命令に対して追加される前記少なくとも一つの他のロボット命令の命令との組み合わせ、並びに前記代表命令及び前記少なくとも一つの他のロボット命令のパラメータ値とを設定する、上記(1)に記載のロボット教示装置。
【0073】
(5) 前記編集画面において追加される前記ロボット命令は、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令の追加を伴う代表命令であり、
前記代表命令と、前記命令追加部により追加された、前記少なくとも一つの他のロボット命令とのパラメータを設定する設定部を備えた、請求項2に記載のロボット教示装置。
【0074】
(6) 前記ウィザードによって、前記少なくとも一つの他のロボット命令のパラメータ値を設定する、上記(3)に記載のロボット教示装置。
【0075】
(7) 前記ロボット命令は、アイコン又はブロックで示され、
前記編集画面制御部は、前記アイコン又は前記ブロックが追加されることで、前記ロボットプログラムの編集をする、上記(1)から(6)のいずれかに記載のロボット教示装置。
【0076】
(8) ロボット教示装置としてもコンピュータに、
表示部に、ロボットの動作を教示するロボットプログラムの編集をする編集画面を表示する機能と、
前記編集画面において、前記ロボットプログラムにロボット命令が追加されたときに、前記表示部に少なくとも前記ロボット命令のパラメータ値を設定するためのウィザードを表示する機能と、
を実行させる、ロボットプログラムの生成用プログラム。
この生成用プログラムによれば、ウィザードを表示することで、ロボットプログラムの一連の流れで、高度の教示が可能となる。そして、プログラミング作成の手順が分かりやすく、プログラミング作成の手間を省くことができる。
【0077】
(9) 表示部に、ロボットの動作を教示するロボットプログラムの編集をする編集画面を表示する機能と、
前記編集画面において、前記ロボットプログラムにロボット命令が追加されたときに、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令を前記ロボットプログラムに追加する機能と、
を実行させる、ロボットプログラムの生成用プログラム。
この生成用プログラムによれば、少ない操作で、複数の命令を追加することができる。ロボットプログラムの一連の流れで、高度の教示が可能となる。そして、プログラミング作成の手順が分かりやすく、プログラミング作成の手間を省くことができる。
【0078】
(10) ロボット教示装置としてもコンピュータに、
表示部に、ロボットの動作を教示するロボットプログラムの編集をする編集画面を表示する機能と、
前記編集画面において、前記ロボットプログラムにロボット命令が追加されたときに、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令を前記ロボットプログラムに追加するためのウィザードを表示する機能と、を実行させ、
前記編集画面において追加される前記ロボット命令は、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令の追加を伴う代表命令であり、
前記ウィザードの終了後に前記代表命令が前記ロボットプログラムから削除される、ロボットプログラムの生成用プログラム。
この生成用プログラムによれば、ウィザードに従ってロボット命令を追加し、教示が終了した代表命令を削除することで、ロボット動作に不要な命令を削除することができる。
【0079】
(11) 前記編集画面において追加される前記ロボット命令は、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令の追加を伴う代表命令であり、
前記ウィザードによって、前記代表命令を前記ロボットプログラムに追加したときに、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令が追加され、
前記ウィザードによって、前記代表命令と、前記代表命令に対して追加される前記少なくとも一つの他のロボット命令の命令との組み合わせ、並びに前記代表命令及び前記少なくとも一つの他のロボット命令のパラメータ値とを設定する、上記(8)に記載の生成用プログラム。
【0080】
(12) 前記編集画面において追加される前記ロボット命令は、前記ロボット命令以外の少なくとも一つの他のロボット命令の追加を伴う代表命令であり、
前記代表命令と、追加された、前記少なくとも一つの他のロボット命令とのパラメータを設定する、上記(9)に記載の生成用プログラム。
【0081】
(13) 前記ウィザードによって、前記少なくとも一つの他のロボット命令のパラメータ値を設定する、上記(10)に記載の生成用プログラム。
【0082】
(13)前記ロボット命令は、アイコン又はブロックで示され、
前記アイコン又は前記ブロックが追加されることで、前記ロボットプログラムの編集をする、上記(8)から(13)のいずれかに記載の生成用プログラム。
【符号の説明】
【0083】
10 ロボットシステム
101 プロセッサ
102 表示部
103 入力部
104 メモリ
105 記憶部
106 アイコンプログラミングソフトウェア
107 動作プログラム
100 ロボット教示装置
200 ロボット
201 ロボット機構部
202 ツール
300 ロボット制御装置
1061 プログラミング編集画面制御部
1062 命令選択部
1063 ウィザード制御部
1064 命令セット追加部
1065 動作プログラム生成部
1066 ポップアップ表示制御部
1067 命令及びパラメータ設定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18