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特開2024-18068配送管理システム、配送管理方法、プログラム及び無人移動体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018068
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】配送管理システム、配送管理方法、プログラム及び無人移動体
(51)【国際特許分類】
   B64F 1/36 20240101AFI20240201BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20240201BHJP
   B64D 47/08 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
B64F1/36
B64C39/02
B64D47/08
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121135
(22)【出願日】2022-07-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】松本 麻希
(72)【発明者】
【氏名】関 達裕
(72)【発明者】
【氏名】井沼 孝慈
(72)【発明者】
【氏名】内海 祥雅
(72)【発明者】
【氏名】梶原 晋吾
(57)【要約】
【課題】配送した荷物を適切な位置に置くことができる。
【解決手段】配送管理システム1は、サーバ10及び無人航空機30を備える。サーバ10は、配送エリアで日陰が所定時間継続する領域を推定する推定部と、無人航空機30が配送エリア内で荷物を置く位置である配達位置を、推定部が推定した領域に基づいて決定する配達位置決定部とを備える。サーバ10は、荷物の種類を特定し、特定した種類に応じて、配達位置を、日陰となる領域である第1領域及び第1領域以外の第2領域のうちいずれの領域内にするかを選択する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送エリアで日陰が所定時間継続する領域を推定する推定部と、
無人移動体が前記配送エリア内で荷物を置く位置である配達位置を、前記推定部が推定した前記領域に基づいて決定する配達位置決定部と、を備える配送管理システム。
【請求項2】
前記配達位置決定部は、
前記配送エリアにおいて日陰が継続する前記領域である第1領域の位置と当該第1領域以外の領域である第2領域の位置とを特定するとともに、
前記荷物の種類を特定し、特定した前記種類に応じて前記第1領域を選択する、請求項1に記載の配送管理システム。
【請求項3】
前記推定部は、
ユーザが前記配達位置の前記荷物を受け取ると予測される時刻を時刻の範囲で示した受取時刻範囲を取得し、
前記受取時刻範囲において日陰が継続する前記領域を推定する、請求項1に記載の配送管理システム。
【請求項4】
前記配達位置決定部は、
前記荷物を受け取るユーザの位置を取得し、
前記ユーザの位置に基づき、前記配達位置に置かれた前記荷物を配達後の決められた時間内に受け取ることが可能であると判定した場合には、前記領域の位置に関わらず前記荷物を前記配送エリア内の何れかの位置に載置する、請求項1に記載の配送管理システム。
【請求項5】
前記配達位置決定部は、
前記配送エリア内又は前記配送エリアの近傍の建物の高さを取得し、
前記所定時間内において変化する太陽の位置を取得し、
前記建物の高さと前記太陽の位置とに基づいて、前記領域の位置を推定し、
前記領域の位置に基づいて前記配達位置を決定する、請求項1に記載の配送管理システム。
【請求項6】
前記無人移動体は、撮像部を備えた航空機であり、
前記配達位置決定部は、前記無人移動体から前記配送エリアを撮像した撮像データを取得し、前記撮像データを画像処理した結果に基づき前記領域を判定し、判定した前記領域に基づいて前記配達位置を決定する、請求項1に記載の配送管理システム。
【請求項7】
1又は複数のコンピュータが、
配送エリアで日陰が所定時間継続する領域を推定する推定処理と、
無人移動体が前記配送エリア内で荷物を置く位置である配達位置を、推定された前記領域に基づいて決定する配達位置決定処理と、を実行する配送管理方法。
【請求項8】
1又は複数のコンピュータを、
配送エリアで日陰が所定時間継続する領域を推定する推定部と、
無人移動体が前記配送エリア内で荷物を置く位置である配達位置を、前記推定部が推定した前記領域に基づいて決定する配達位置決定部として機能させるプログラム。
【請求項9】
配送エリアで日陰が所定時間継続する領域を推定する推定部と、
前記配送エリア内で荷物を置く位置である配達位置を、前記推定部が推定した前記領域に基づいて決定する配達位置決定部と、を備える無人移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送管理システム、配送管理方法、プログラム及び無人移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
無人移動体による荷物の配送の実用化が進められている。無人移動体による配送においては、荷物の受け渡し方法が課題の一つとなる。荷物の受け渡し方法の一例として、無人航空機が主ワイヤを吊り下げた荷物を目的地に着地させる方法が知られている。無人航空機は、荷物が目的地に着地すると、荷物を切り離す。ユーザは荷物が置かれた場所まで出向き、荷物を受け取る(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-87898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、日照により高温になりやすい位置に荷物を置いたままの状態が続くと、荷物の種類によっては、その品質が低下する可能性がある。このため、荷物の品質を維持するために荷物を適切な位置に置くことが要請されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、配送管理システムを提供する。前記配送管理システムは、配送エリアで日陰が所定時間継続する領域を推定する推定部と、無人移動体が前記配送エリア内で荷物を置く位置である配達位置を、前記推定部が推定した前記領域に基づいて決定する配達位置決定部と、を備える。
【0006】
一態様では、配送管理方法を提供する。前記配送管理方法は、1又は複数のコンピュータが、配送エリアで日陰が所定時間継続する領域を推定する推定処理と、無人移動体が前記配送エリア内で荷物を置く位置である配達位置を、推定された前記領域に基づいて決定する配達位置決定処理と、を実行する。
【0007】
一態様では、プログラムを提供する。前記プログラムは、1又は複数のコンピュータを、配送エリアで日陰が所定時間継続する領域を推定する推定部と、無人移動体が前記配送エリア内で荷物を置く位置である配達位置を、前記推定部が推定した前記領域に基づいて決定する配達位置決定部として機能させる。
【0008】
一態様では、無人移動体を提供する。前記無人移動体は、配送エリアで日陰が所定時間継続する領域を推定する推定部と、前記配送エリア内で荷物を置く位置である配達位置を、前記推定部が推定した前記領域に基づいて決定する配達位置決定部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、配送した荷物を適切な位置に置くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態の情報処理システムの概略構成を示す図である。
図2】同実施形態のユーザ情報データベースのデータ構造の概略図である。
図3】同実施形態の配送管理データベースのデータ構造の概略図である。
図4】同実施形態の種類データベースのデータ構造の概略図である。
図5】同実施形態のサーバ及び無人航空機の処理手順を示すシーケンスチャートである。
図6】同実施形態の第1領域を推定する処理を示す模式図である。
図7】同実施形態の第1領域を推定する処理を示す模式図である。
図8】同実施形態の無人航空機が荷物を置く状態を示す模式図である。
図9】第2実施形態の配達位置を決定する手順を示すフローチャートである。
図10】同実施形態の配達位置を決定する手順を示すフローチャートである。
図11】変更例のユーザ装置の画面の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
以下、配送管理システム、配送管理方法、プログラム及び無人移動体の第1実施形態について説明する。
【0012】
<情報処理システムの構成>
図1に示すように、配送管理システム1は、サーバ10、ユーザ装置20及び無人航空機30を備える。配送管理システム1は、ユーザの配送先住所に荷物を配送するためのシステムである。無人航空機30は、特許請求の範囲の無人移動体に対応する。
【0013】
<サーバ>
サーバ10は、配送サービスの管理者が管理するものである。サーバ10は、1又は複数の情報処理装置から構成される。
【0014】
サーバ10は、制御部11、記憶部12及び通信部13を備えている。制御部11は、演算装置及びメモリ(記憶媒体)を含む。演算装置は、記憶部12又はそれ以外のストレージからオペレーティングシステム、及び配送管理のためのプログラム等の各種プログラムをメモリにロードするとともに、メモリから取り出した命令を実行する。演算装置は、1つ又は複数の回路(circuitry)である。回路は、CPU、GPU(Graphic Processing Unit)、又はNPU(Neural network Processing Unit)等である。記憶部12は、補助記憶装置(記憶媒体)であって、荷物の配送を管理するための各種情報を記憶する。
【0015】
通信部13は、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装され、ネットワーク15を介して、ユーザ装置20及び無人航空機30との間でデータを送受信する。なお、サーバ10は、管理者等が入力操作を行うための操作部、表示部を備えていてもよい。
【0016】
<ユーザ装置>
ユーザ装置20は、配送された荷物を受け取るユーザが用いる情報処理装置である。ユーザ装置20は、スマートフォン(多機能電話端末)、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、又はこれらの装置以外の画像を表示可能な情報処理装置である。
【0017】
ユーザ装置20は、制御部21、記憶部22、通信部23、入力部24、ディスプレイ25、及びスピーカ26を備える。制御部21は、演算装置及びメモリを含む。演算装置は、記憶部22又はそれ以外のストレージからオペレーティングシステムや、荷物の配送に関するプログラム等の各種プログラムをメモリにロードし、メモリから取り出した命令を実行する。演算装置は、1つ又は複数の回路(circuitry)である。回路は、CPU、GPU、又はNPU等である。記憶部22は、補助記憶装置(記憶媒体)であって、ユーザに関する各種情報を記憶する。また、記憶部22は、配送に関する通知を受信可能なプログラムを実装していてもよい。このプログラムは、配送サービスの提供を受けるための専用のプログラムであってもよく、ソーシャル・ネットワーキング・サービスを利用するプログラムであってもよい。又は、通知メールを受信可能なメールソフトであってもよい。通信部23は、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装され、ネットワーク15を介して、サーバ10との間でデータを送受信する。入力部24は、ディスプレイ25と一体化されたタッチパネル、ユーザ装置20の筐体等に設けられた操作ボタン、又はキーボード、マウス、コントローラ等のポインティングデバイスである。ディスプレイ25は、制御部21の出力指示に応じて、各種画像を出力する。スピーカ26は、配達完了を通知する音声等を出力してもよい。
【0018】
<無人航空機>
無人航空機30は、人が搭乗しない航空機であって、配送サービスの管理者又はその他の無人航空機30の所有者によって管理される装置である。無人航空機30は、無人飛行体又はドローンともいう。無人航空機30は、制御装置31、駆動部32、エネルギー源としての電池33、センサユニット38、及び撮像装置39を備える。
【0019】
制御装置31は駆動部32を制御する。駆動部32は、電池33から供給される電力で駆動する駆動源、駆動源から得られる動力によって動作する回転翼等を含む。駆動源は、本実施形態では電動モータである。なお、駆動部32は、燃料を消費して駆動するエンジンであってもよい。この場合には、電池33に代えて駆動部32に燃料を供給する燃料供給部が設けられる。また、無人航空機30は、複数の種類の駆動源を搭載したハイブリッド式の駆動部32を備えていてもよい。電池33は、充電が可能な二次電池である。
【0020】
センサユニット38は、現在位置を検出するGPSセンサを備える。また、センサユニット38は、測距センサを備える。測距センサは、飛行時間(Time of Flight)を測定検出するToFセンサであってもよい。測距センサは、LiDAR、レーダ、又は超音波センサである。LiDARの測距センサは、レーザー光をパルス状に対象物に照射するとともに、対象物に当たって跳ね返ってくるまでの時間差を計測する。そして、時間差に基づき、対象物までの距離、対象物の位置、又は対象物の形状を計測する。レーダはミリ波等の電波を対象物に照射するとともに、対象物に当たって跳ね返ってくるまでの時間差を計測する。超音波センサは、超音波を対象物に照射する。センサユニット38は、風向風速センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、赤外線センサ、地磁気センサ、高度センサ、変位センサ、及び温度センサのうち少なくとも一つを含んでもよい。制御装置31は、センサユニット38が検出した情報を取得して無人航空機30の位置を特定する。
【0021】
無人航空機30は、1つ又は複数の撮像装置39を備えている。撮像装置39の一例は、可視光カメラである。また、撮像装置39の一例は、全方位カメラである。制御装置31は、撮像装置39から取得した撮像データを画像処理することによって、障害物、及び荷物の配達位置等を認識する。
【0022】
さらに、無人航空機30は、荷物保持部34を備える。荷物保持部34は、配達位置まで荷物を保持するとともに、配達位置で荷物を離して配達位置に置く。荷物保持部34は、電池33の電力によって駆動してもよい。例えば、荷物保持部34は、リール又はウィンチ、及びケーブル(ワイヤ)等を有する。ケーブルの先端には荷物の切り離しが可能なフックが設けられている。フックは、ケーブルが緩むことで張力が小さくなると荷物を切り離す。又は、フックは、通電又は非通電によって荷物を切り離すことが可能な構造を有していてもよい。又は、荷物保持部34は、荷物を支持する支持アームと支持アームの駆動機構とであってもよい。
【0023】
制御装置31は、制御部35、記憶部36及び通信部37を備える。制御部35は、演算装置及びメモリ(記憶媒体)を含む。演算装置は、記憶部36又はそれ以外のストレージからオペレーティングシステム、及び配送のためのプログラム等の各種プログラムをメモリにロードするとともに、メモリから取り出した命令を実行する。演算装置は、1つ又は複数の回路(circuitry)である。回路は、例えばCPU、GPU、NPU等である。記憶部36は、補助記憶装置(記憶媒体)であって、荷物を配送するための各種情報を記憶する。
【0024】
<配送の管理に用いられるデータベース>
次に図2図4を参照して、サーバ10の記憶部12に記憶されるデータベースについて説明する。
【0025】
図2は、ユーザ情報データベース40に記憶されるデータの概略を示す。ユーザ情報データベース40は、ユーザ毎に、ユーザ情報40Aを有している。ユーザは、例えばインターネット上の店舗であるECサイトの利用者である。この店舗は、配送サービスを利用して、ユーザが購入した商品を配送する。又は、ユーザは、配送サービスを提供する提供者に荷物の配送を依頼するサービス利用者である。提供者と配送サービスの管理者とは一致していてもよく、一致していなくてもよい。ユーザ情報40Aは、ユーザID、住所、通知先を有している。ユーザIDは、ユーザの識別子である。住所は、ユーザの住所である。ユーザが、自身の住所以外の住所に荷物を届ける場合には、ユーザ情報40Aは、ユーザ自身の住所以外に荷物の配送先の住所を記憶してもよい。通知先は、例えばユーザのメールアドレス又はユーザ装置20に関連付けられたデバイストークンである。
【0026】
図3は、配送管理データベース41である。配送管理データベース41は、配送番号毎に、配送管理情報41Aを有している。配送番号は、荷物毎又は配送依頼毎に付与された識別子である。配送管理情報41Aは、配送番号、ユーザID、配達日、配達予定時刻、種類、及び配送状態を有している。ユーザIDは、配送サービスを直接的又は間接的に利用するユーザの識別子である。配達日は、荷物を配送する年月日である。配達予定時刻は、荷物の配達を予定する時刻である。配達予定時刻は、例えば「9時~11時」のように時間帯で表される。種類は、荷物の種類を示す。例えば種類は、「生鮮食品」、「飲料」、「文房具」等である。配達予定時刻は、荷物を配達位置に置く予定時刻である。配送状態は、荷物の配送状態を示す。配送状態は、例えば「配達完了」、「配送前」、「配送中」等の一つである。
【0027】
図4は、種類データベース42である。種類データベース42は、荷物の種類毎に種類情報42Aを有している。種類情報は、荷物の種類と、その種類に適した領域とを関連付けている。領域は、荷物を置くことが可能な領域を示している。領域には、日陰である第1領域、日なたである第2領域、或いは、第1領域及び第2領域のいずれも置くことが可能であることが設定されている。例えば、冷凍品や冷蔵品等の荷物は、第1領域に置くことが好ましい。また、冷凍品や冷蔵品では無い荷物であっても、高温に曝されると、クラック、変形又は溶解が発生しやすい荷物がある。このような荷物は第1領域に置くことが好ましい。また、荷物の種類によっては低温に弱いものがある。このような荷物は第2領域に置くことが好ましい。本実施形態において、日陰とは、晴天時に遮蔽物によって日光の少なくとも一部が遮られた領域をいう。
【0028】
この種類データベース42は、配送エリア及び季節に応じて変更されてもよい。具体的には、寒冷地に対応する種類データベース42と、温暖地に対応する種類データベース42とを異なる内容としてもよい。例えば、寒冷地の冬季に対応する種類データベース42では「生鮮食品」の種類に第2領域が関連付けられる一方で、温暖地に対応する種類データベース42では「生鮮食品」の種類に第1領域が関連付けられてもよい。また、種類データベース42は、配送先住所の気温範囲毎に準備されていてもよい。サーバ10は、配送先住所の気温が零下である種類データベース42と、配送先住所の気温が「0℃以上20℃以下」である種類データベース42とを記憶していてもよい。
【0029】
サーバ10は、ユーザ情報データベース40、配送管理データベース41及び種類データベース42から、無人航空機30が配送に必要となる情報を取得するとともに、その情報を無人航空機30に送信する。無人航空機30は、サーバ10から受信した情報に基づいて配送を行う。
【0030】
<サーバが実行する各処理の概要>
次に、サーバ10が実行する処理の概要について説明する。
サーバ10は、荷物の配達位置を決定するとともに、決定した配達位置を無人航空機30に送信する。サーバ10は、日陰である第1領域と、第1領域以外の第2領域とを推定する。そして、荷物の種類に応じて、荷物の配達位置を第1領域に決定する。
【0031】
サーバ10は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、推定部及び配達位置決定部として機能する。
推定部は、配送エリアで日陰が所定時間継続する領域を推定する。配送エリアは、配送先住所を含むエリア又は配送先住所の近傍のエリアである。配送エリアは、荷物を載置可能なエリアである。配送エリアの位置は、サーバ10が予め記憶していてもよい。又は、無人航空機30が、撮像装置39で配送先住所付近を撮像した撮像データに基づき、画像処理により配送エリアを特定するようにしてもよい。
【0032】
配達位置決定部は、無人航空機30が配送エリア内で荷物を置く位置である配達位置を、推定部が推定した第1領域に基づいて決定する。
また、配達位置決定部は、荷物の種類を特定し、特定した種類に応じて、配達位置を、日陰となる領域である第1領域及び第1領域以外の第2領域のうちいずれの領域内にするかを選択する。なお、荷物の種類が第1領域及び第2領域の両方に載置可能なものである場合には、配送エリア内の何れかの位置に荷物を載置することが可能である。
【0033】
また、配達位置決定部は、配送エリア内又は配送エリア近傍の建物の高さを取得し、所定時間内において変化する太陽の位置を取得する。そして、建物の高さと太陽の位置とに基づいて、配送エリアに形成される日陰の位置を予測するとともに、予測した日陰の位置に基づいて配達位置を決定する。
【0034】
ところで荷物の品質を日照により低下させない対策として、荷物の梱包材の保冷機能又は遮光機能を高めることが考えられる。しかし、保冷機能又は遮光機能を高めた梱包材は価格が高く配送コストが上昇する。また、そのような梱包材は重量が大きくなる傾向にある。無人航空機30には運搬可能な最大重量が規定されているため、梱包材の重量が増大すると、梱包材を除く荷物の運搬可能な最大重量が小さくなってしまう可能性がある。これに対し、サーバ10は、日陰である第1領域を推定するとともに、荷物の種類に応じて第1領域内に配達位置を決定する。このため、保冷機能又は遮光機能を高めた梱包材を用いなくても荷物の品質の低下を抑制することができる。その結果、梱包材にかかるコストを抑制するとともに、荷物の最大重量の減少を抑制することができる。
【0035】
また、日陰の位置を推定する方法の他に、地表温度を計測するとともに地表温度が低い場所に荷物を置く方法も提案されている。この方法は、ユーザが荷物を配達から短時間内に受け取る場合に非常に効果的であるが、ユーザは荷物を短時間で受け取ることができるとは限らない。例えば、無人航空機30が荷物を地表に置いた後、日照により、地表温度が荷物にとって適切な温度より高くなる可能性がある。逆に、無人航空機30が荷物を置いた後、地表温度が荷物にとって適切な温度より低くなる可能性もある。荷物を受け取ることができず且つ荷物の品質低下が予測される際には再配達となる場合も考えられる。本実施形態の方法では、日陰が所定時間継続する第1領域又はそれ以外の第2領域内に配達位置を設定することによって、配送の効率を向上するとともに、荷物を置いている間に品質が低下することをより確実に抑制することが可能となる。
【0036】
<配達位置の決定手順>
次に図5を参照して、サーバ10が配達位置を決定する手順について説明する。なお、荷物の種類が第1領域又は第2領域のいずれかに載置するものであることを前提とする。また、配達位置を決定する処理の前に、荷物の種類を判定するようにしてもよい。そして、配達位置が第1領域及び第2領域のいずれでもよい荷物である場合には、第1領域を推定する処理を省略してもよい。
【0037】
無人航空機30は、配送先住所に到着すると、測距センサを用いて配送先住所を含む所定の領域の建物の高さを計測する。無人航空機30は、配送先住所より高いものであれば、樹木等の物体の高さを計測してもよい。無人航空機30は、測定した高さ情報をサーバ10に送信する(ステップS1)。このとき、無人航空機30は、高さ情報とともに、現在地又は配送番号を送信するようにしてもよい。また、無人航空機30は、測距センサ以外に、撮像装置39が生成した撮像データを用いて建物の高さを計測してもよい。このとき、無人航空機30が備える高度センサが計測した高度を併せて用いてもよい。
【0038】
制御部11は、第1領域の位置を推定する(ステップS2)。具体的には、制御部11は、無人航空機30が配送先住所に到着したときから日没までの太陽の位置を取得する。太陽の位置は、15分毎に表されていてもよい。制御部11は、記憶部12に記憶した情報を用いて太陽の位置を予測してもよいし、外部サーバから太陽の位置を取得してもよい。太陽の位置は、例えば太陽の高度及び方位角である。制御部11は、太陽の位置と高さ情報とに基づいて、配送先住所の周囲の第1領域の位置を推定する。
【0039】
制御部11は、第1領域の位置に基づいて配達位置を決定する(ステップS3)。このとき、制御部11は、無人航空機30から送信された現在地又は配送番号に基づいて、無人航空機30が配送中の荷物に対応する配送管理情報41Aを特定する。そして、制御部11は、配送管理情報41Aに含まれる種類及び種類情報42Aに基づいて、荷物を第1領域及び第2領域のいずれに置くかを判断する。そして、制御部11は、無人航空機30が到着したときから日没まで(所定時間)日陰が継続する第1領域、又は無人航空機30が到着したときから日没まで日なたが継続する第2領域のうち所定の位置に荷物の配達位置を決定する。
【0040】
制御部11は、決定した配達位置を、無人航空機30に送信する(ステップS4)。無人航空機30は、受信した配達位置の上方に移動し、荷物を切り離す。
<第1領域の推定処理>
次に図6を参照して、サーバ10が第1領域を推定する処理について詳述する。
【0041】
制御部11は、配送エリアの緯度及び経度と日時とに応じた太陽の高度及び方位角を所定の時間毎に算出する。又は制御部11は、配送エリアの緯度及び経度と日時とに応じた太陽の高度及び方位角を予め登録されたデータベースから取得する。そして、太陽の高度と建物55の高さHに基づいて日陰の長さLを算出する。また、太陽の方位角から影の方向を算出する。制御部11は、日陰の長さL及び方向に基づいて、建物55によって日光が遮られる日陰の領域である第1領域の位置を推定する。これにより、制御部11は、所定の時間毎の第1領域の位置の変化を推定することができる。
【0042】
<配達位置の決定処理>
次に図7を参照して、サーバ10が配達位置を決定する処理について説明する。無人航空機30が配送先住所に時刻T1(例えば15時)に到着したとする。制御部11は、配送先住所を含む配送エリア53を特定する。
【0043】
制御部11は、配送エリア53における時刻T1から日没までの第1領域51の変化を、そのときの一日の太陽の位置と建物55の高さ情報とに基づいて算出する。また、配送エリア53のうち、第1領域51以外の領域を第2領域52とする。図7は、時刻T1、時刻T2(例えば16時)、時刻T3(例えば17時)の第1領域51の変化を示している。時刻T2の第1領域51は、時刻T1における第1領域51よりも大きい。また、時刻T3の第1領域51は、時刻T1及び時刻T2における第1領域51よりも大きい。
【0044】
制御部11は、荷物の種類を判定する。制御部11は、種類情報42Aに基づいて、荷物の種類が日陰に置くことが好ましい種類に該当すると判断した場合、第1領域51の時系列的な変化に基づいて、継続して第1領域51に含まれる位置を配達位置100として特定する。例えば、制御部11は、荷物の種類が第1領域51に置く種類に該当すると判断すると、無人航空機30の到着時刻から日没まで継続して第1領域51に含まれる範囲を特定する。そして、その範囲内に配達位置100を設定する。
【0045】
制御部11は、配達位置を決定するとき、周囲に障害物が無い位置を配達位置100とする。また、制御部11は、第1領域51内又は第2領域52内で配達位置を決定するとき、通行人から見て死角となる位置を配達位置としてもよい。具体的には、制御部11は、通行人が通り得る通行可能領域と、壁や建物等の視界を遮る遮蔽物の位置とに基づいて、通行可能領域から見たときに死角となる位置を判定する。通行可能領域及び遮蔽物の位置は、撮像装置39が配送先住所の上方から撮像した画像データに基づいて判断してもよい。
【0046】
図8に示すように、無人航空機30は、配達位置100を示す位置情報をサーバ10から受信すると、配達位置100の上方に移動する。無人航空機30の荷物保持部34がリール及びケーブル34Aを有する場合、無人航空機30は、配達位置の上空でホバリングしながら停止する。また、ケーブル34Aを伸ばして荷物56を降下させる。そして、無人航空機30は、荷物56が着地すると荷物56を切り離す。無人航空機30は、荷物56を切り離すと、ユーザ装置20に配達完了通知を送信する。
【0047】
第1実施形態の効果について説明する。
(1-1)無人航空機30が荷物を置く配達位置を、日陰が所定時間継続する領域の位置に基づいて決定することができる。このため、荷物が配達位置に置かれている間に、荷物の品質が低下することを抑制することができる。
【0048】
(1-2)第1実施形態では、サーバ10は、荷物の種類に応じて配達位置として第1領域51を選択する。また、サーバ10は、荷物の種類に応じて配達位置として第2領域52を選択する。このため、荷物の種類に適した配達位置が選択することが可能となる。このため、荷物が配達位置に置かれてからユーザが受け取るまでの時間において荷物の品質が低下することを抑制することができる。或いは、例えば荷物が第2領域に置かれることによって、ユーザが荷物を受け取るまでに荷物を適温にすることができる。
【0049】
(1-3)第1実施形態によれば、サーバ10は、建物の高さに基づいて第1領域の位置を予測する。このため、第1領域51の位置の精度の向上を図ることができる。
(第2実施形態)
配送管理システム、配送管理方法、プログラム及び無人移動体の第2実施形態について説明する。第1実施形態では、サーバ10が、無人航空機30が到着した時刻から日没までの第1領域51の変化を推定した。第2実施形態では、サーバ10が、無人航空機30が配送先住所又はその近傍に到着した時刻からユーザが荷物を受け取ると予測される時刻まで第1領域51の変化を推定する点が第1実施形態と異なる。
【0050】
無人航空機30は、配送先住所に到着すると、到着時刻をサーバ10に送信する。サーバ10の制御部11は、太陽の位置を取得するときに、受信した到着時刻に基づいて、ユーザが荷物を受け取る時刻を予測する。このとき、制御部11は、荷物を受け取る時刻を、時刻の範囲として予測する。以下、この時刻の範囲を、受取時刻範囲という。
【0051】
本実施形態の手順について図5を参照して説明する。無人航空機30はサーバ10に高さ情報を送信する(ステップS1)。サーバ10は、受取時刻範囲に対応する太陽の位置を取得するとともに、受取時刻範囲に対応する第1領域51の位置を推定する(ステップS2)。つまり、受取時刻範囲に限り継続して日陰になる領域を第1領域51とすることができる。このため、到着時刻から日没まで継続して日陰になる領域を第1領域51とする場合に比べ、第1領域51となりうる場所が多くなる。
【0052】
さらに制御部11は、第1領域51の位置に基づいて配達位置を決定する(ステップS3)。そして決定した配達位置を無人航空機30に送信する(ステップS4)。
受取時刻範囲の特定方法について説明する。制御部11は、ユーザの位置に基づいて受取時刻範囲を特定してもよい。例えば、ユーザの位置は、ユーザ装置20から送信されるユーザ装置20の位置である。ユーザの位置が、配送先住所又はその近傍の位置である場合には、到着時刻から所定時間(例えば30分)経過した時刻までを受取時刻範囲とする。
【0053】
又は、制御部11は、配送対象の荷物に対応する配送管理情報41Aに含まれる配達予測時刻を受取時刻範囲としてもよい。
又は、制御部11は、到着時刻から所定時間(例えば60分)経過した時刻までを受取時刻範囲としてもよい。
【0054】
又は、制御部11は、ユーザが指定した時刻を受取時刻範囲としてもよい。ユーザは、ユーザ装置20に、荷物を受け取る時刻の範囲を入力する。ユーザ装置20は、ユーザによって入力された時刻の範囲をサーバ10に送信する。制御部11は、配送管理情報41Aに受信した時刻の範囲を受取時刻範囲として登録する。
【0055】
第2実施形態では、第1実施形態の(1-1)~(1-3)に記載の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(2-1)第2実施形態では、ユーザの受取時刻範囲において日陰が継続する第1領域51を推定する。このため、ユーザが荷物を受け取るまでに荷物の品質が低下することを抑制することができる。また、荷物を置いてから日没まで日陰となる領域を第1領域51とする形態よりも、第1領域51となりうる領域を拡大することができる。このためサーバ10が配達位置を決定しやすくなる。
【0056】
(第3実施形態)
配送管理システム、配送管理方法、プログラム及び無人移動体の第3実施形態について説明する。第3実施形態では、高さ情報に加え、無人航空機30が撮像した撮像データを用いて第1領域51の位置を推定する点が第1実施形態と異なる。
【0057】
<配達位置の決定処理>
図9及び図10を参照して、サーバ10が配達位置を決定する手順について説明する。
図9に示すように、サーバ10の制御部11は、無人航空機30から高さ情報を取得する(ステップS10)。また、制御部11は、高さ情報に基づいて第1領域51の位置を推定する(ステップS11)。これらのステップS10,S11の処理は、第1実施形態のステップS1,S2の処理と同様である。
【0058】
また、サーバ10は、無人航空機30から撮像データを取得する(ステップS12)。撮像データは、無人航空機30の撮像装置39が配送先住所を上方から撮像したデータである。また、制御部11は、撮像データに基づき、第1領域51の位置を推定する(ステップS13)。このとき制御部11は、撮像データの明度、彩度、色相及び色温度の少なくとも一つに基づいて日陰である第1領域51の位置を推定してもよい。例えば、日陰は日なたに比べて青色の成分が強いため、撮像データの色温度情報に基づいて第1領域の位置を特定してもよい。なお、第1領域51を特定できた場合、推定結果は第1領域51の位置を含むが、第1領域51を特定できなかった場合、推定結果は第1領域51の位置を含まない。
【0059】
制御部11は、ステップS11で推定した第1領域51の位置と、ステップS13で推定した第1領域51の位置を比較する(ステップS14)。そして、制御部11は、各第1領域51の位置が一致したか否かを判定する(ステップS15)。このとき、各第1領域51が重複する面積が所定の割合以上である場合に、各第1領域51が一致したと判定してもよい。また、各第1領域51が重複する面積が所定の割合未満である場合に、各第1領域51が一致していないと判定してもよい。また、実際に配送エリアに日陰がない場合も考えられる。この場合には、制御部11は、高さ情報に基づき第1領域51を推定した場合と、及び撮像データに基づき第1領域51を推定した場合との両方で、第1領域51を特定できないと判断することが推測される。この場合には、第1領域51の位置が一致しないと判定する。
【0060】
制御部11は、各第1領域51が一致したと判定すると(ステップS15:YES)、荷物の種類に応じて、第1領域51又は第2領域52において配達位置を決定する(ステップS16)。
【0061】
一方、制御部11が各第1領域51が一致しないと判定(ステップS15:NO)する場合には、以下の状態A~Dが想定される。
(状態A):高さ情報に基づき特定された第1領域51の位置と、撮像データに基づき特定された第1領域51の位置とがずれている。
【0062】
(状態B):撮像データに基づく推定では第1領域51が特定され、高さ情報に基づく推定では第1領域51が特定されない。
(状態C):高さ情報に基づく推定では第1領域51が特定され、撮像データに基づく推定では第1領域51が特定されない。
【0063】
(状態D):高さ情報に基づく推定及び撮像データに基づく推定の両方で、第1領域51が特定されない。
制御部11は、制御部11が各第1領域51が一致しないと判定すると(ステップS15:NO)、配達位置の決定処理を行う(ステップS17)。
【0064】
図10を参照して、各第1領域51の位置が一致しない場合の配達位置の決定処理(ステップS17)について説明する。
ステップS20~S27では、状態A~Dに応じて配達位置が決定される。
【0065】
制御部11は、ステップS11及びステップS13の両方の推定方法において第1領域51が特定されたか否かを判定する(ステップS20)。ステップS11,S13において各第1領域51が特定され、且つそれらが一致しない場合は、各第1領域51がずれている場合(状態A)である。
【0066】
制御部11は、各第1領域51の位置が特定された、すなわち各第1領域51がずれていると判定した場合(ステップS20:YES)、一方の第1領域51の位置を他方の第1領域51の位置に基づき補正する(ステップS21)。具体的には、制御部11は、高さ情報に基づく第1領域51を、撮像データに基づく第1領域51に基づいて補正する。例えば高さ情報に基づく第1領域51が、撮像データに基づく第1領域51に比べ、所定方向(例えば東側)へ所定量ずれている場合には、前者の第1領域51を、そのずれ量に基づいて所定方向にずらす。そして、制御部11は、補正した第1領域51内又は補正した第1領域以外の第2領域52内で配達位置を決定する(ステップS22)。
【0067】
制御部11は、各推定方法の両方において第1領域51の位置が特定されていないと判定した場合(ステップS20:NO)、撮像データに基づき第1領域51が特定されたか否かを判定する(ステップS23)。つまり、制御部11は、各第1領域51を推定した状態が、状態Bに該当するか否かを判定する。制御部11は、撮像データに基づき第1領域51が特定されたと判定すると(ステップS23:YES)、撮像データに基づく第1領域51内で配達位置を決定する(ステップS24)。
【0068】
一方、制御部11は、撮像データに基づき第1領域51が特定されていないと判定すると(ステップS23:NO)、ユーザが配送先住所の近くに居るか否かを判定する(ステップS25)。ステップS23において撮像データに基づき第1領域51が特定されていないと判定される場合は、状態C又は状態Dに該当する。
【0069】
制御部11は、ユーザ装置20の位置を取得する。そして、制御部11は、ユーザが配送先住所を中心とした所定距離内に存在するか否かを判定する。制御部11は、ユーザが配送先住所の近くに居ると判定すると(ステップS25:YES)、第1領域51の位置に関わらず配達位置を決定する(ステップS26)。このとき、制御部11は、障害物が無く、且つ建物の死角となる位置を配達位置としてもよい。
【0070】
制御部11は、ユーザが近くに居ないと判定すると(ステップS25:NO)、荷物を保持したまま拠点に戻る(ステップS27)。拠点は、実店舗又は倉庫等である。このとき、制御部11は、ユーザ装置20に、再配達が必要であることを示す通知を送信する。
【0071】
第3実施形態では、第1実施形態の(1-1)~(1-2)に記載の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(3-1)第3実施形態では、第1領域51が特定できない場合であっても、配達後にユーザが短時間で受け取ることが可能である場合には、配送エリアの何れかの位置に荷物を置く。この場合には、再配達を不要とすることができる。
【0072】
(3-2)第3実施形態では、撮像データを画像処理することによって第1領域51を推定する。よって高さ情報に基づく第1領域51の位置を、実際の日照状態に基づく第1領域51の位置で補正することが可能となる。したがって、第1領域51の位置の精度の向上を図ることができる。
【0073】
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
<天気を考慮した第1領域の推定>
・サーバ10の制御部11は、配送日時の天気に基づいて第1領域51の推定を行うようにしてもよい。つまり、曇天の場合には配送エリア全体が第1領域51と見なすことができる場合がある。この場合には、第1領域51の推定を行わない。この形態において、制御部11は、配送日の所定時間における天気情報を取得する。例えば、無人航空機30が配送先住所に到着した時刻又は到着が予定される時刻から日没までの天気情報を外部サーバから取得する。このとき取得される天気情報は、配送先住所を含むエリアの天気を示す。又は、サーバ10の制御部11は、無人航空機30が備える照度センサから照度情報を受信する。このとき、無人航空機30は配送先住所の近傍に位置し、照度センサによって配送エリアにおける照度を実際に計測する。制御部11は照度情報に基づき配送先住所を含むエリアの天気を推定する。
【0074】
そして、制御部11は、天気情報又は照度情報から推定した配送エリアの天気に基づいて、第1領域51を推定するか否かを判定する。制御部11は、それらの情報に基づいて、配送先住所を含むエリアにおいて曇天又は雨天が継続すると判定した場合には、第1領域51の推定を停止する。曇天又は雨天が継続する場合、配送エリア全体が第1領域51であると推定されるためである。制御部11は、それらの情報に基づいて、配送先住所を含むエリアの天気が晴天であると判定した場合、或いは曇天又は雨天が一時的であると判定した場合には、第1領域51の推定を行う。このように必要に応じて第1領域51の推定を行うので、サーバ10の処理負荷を軽減することができる。なお、配送エリアは、一人のユーザが荷物を受け取ることが可能な場所であってもよい。又は、配送エリアは、複数のユーザが各荷物を受け取ることが可能な場所であってもよい。つまり、配送エリアはそれらのユーザが共同で使用する場所であってもよい。
【0075】
<建物の高さ情報の取得>
・サーバ10は、配送対象となるエリアにおける建物の高さ情報を記憶したり、3次元地図サーバから取得したりしてもよい。この場合、無人航空機30が建物の高さ情報を計測しなくてもよい。サーバ10が高さ情報を取得していない建物が新たに建設された場合には、無人航空機30が建物の高さ情報を計測し、サーバ10に送信する。サーバ10は、受信した高さ情報を記憶部12に記憶する。
【0076】
<撮像データを用いた第1領域の推定>
・第3実施形態では、配送先住所の近くに存在する無人航空機30が撮像した撮像データを用いて第1領域51を推定した。無人航空機30は、荷物を配達位置に置いた後、配達位置の上空で第1領域51の変化を観察するようにしてもよい。無人航空機30は、撮像装置39を用いて、配達位置付近を上空から所定の時間だけ撮像する。サーバ10は、無人航空機30から撮像データを取得する。制御部11は、高さ情報を用いて推定した第1領域51の位置の変化と、撮像データから判定される第1領域51の位置の変化とを比較する。そして、各第1領域51にずれが検出された場合には、比較結果を、高さ情報を用いた推定方法に反映する。
【0077】
<その他の状態を考慮した第1領域の推定>
・各実施形態では、所定時間日陰が継続する領域を第1領域51とした。これに加えて地表温度、照度、気温、風速等の環境要因の少なくとも一つを考慮して第1領域51を決定してもよい。例えば、建物の陰に入らなくても、照度が所定値以下である領域を第1領域51に含めてもよい。又は、日陰であっても地表温度が所定温度(例えば30℃)以上である領域がある場合には、その領域を第1領域51に含めないようにしてもよい。地表温度は赤外線サーモグラフィー等の温度センサを用いて計測することができる。
【0078】
<第1領域の位置を示すデータの取得>
・上記各実施形態では、サーバ10が第1領域51の位置を推定するようにした。これに代えて、サーバ10が外部サーバから第1領域51の位置を取得するようにしてもよい。この外部サーバは、暦日に応じた太陽高度及び方位角の少なくとも一つ、建物の3次元形状に基づいて第1領域51の位置を推定する。
【0079】
・上記各実施形態では、サーバ10が第1領域51の位置を推定するようにした。これに加えて、サーバ10は推定した第1領域51の位置をデータベースに記憶するようにしてもよい。そして、無人航空機30から配送エリアに対応する第1領域51の位置を要求された場合には、データベース内を検索して、対応する第1領域51の位置データを取得するようにしてもよい。この形態においては、サーバ10は、多数の無人航空機30をプローブとして第1領域51の位置データを収集するとともにプローブデータとして記憶することができる。そして蓄積した位置データを、荷物を配送予定の無人航空機30に提供することができる。さらに、無人航空機30に送信した第1領域51の位置データと撮像データとの間にずれが生じていた場合には、データベースに蓄積された位置データを更新することができる。
【0080】
また、荷物を配送する無人航空機30が配送エリアに到達した場合に撮影データから日陰を検知する以外に、無人航空機30が配送エリアに到達する前に、配送エリア又はその近傍を通る1又は複数の他の無人航空機30から送信された情報から日陰を検知してもよい。また、他の無人航空機30が配送エリア又はその近傍を通る時間に基づいて、日陰の時系列変化を検知してもよい。更に、サーバ10、撮像データを生成した他の無人航空機30、又は荷物を配送する無人航空機30が、撮像データに基づいて推定した日陰の位置、形状又は大きさに補正をかけてもよい。
【0081】
<荷物の種類>
上記各実施形態では、サーバ10は、荷物の種類に応じて配達位置を決定した。これに代えて、荷物の種類を考慮することなく、配達位置を第1領域51内の位置としてもよい。また、種類データベース42は、第1領域及び第2領域のいずれも置くことが可能である荷物の種類を規定せず、荷物の種類と第1領域及び第2領域のいずれかに荷物を置くかを関連付けていてもよい。
【0082】
・上記実施形態では、制御部11は、撮像データに基づき第1領域51が特定されなかった場合に(ステップS23:NO)、ユーザが配送先住所の近くに居るか否かを判定した(ステップS25)。これに代えて若しくは加えて、無人航空機30が配送先住所に到着したときに、ユーザは配送先住所の近くに居るか否かを判定してもよい。つまり、制御部11は、ユーザが短時間(例えば荷物を置いてから5分間)で荷物を受け取ることができるか否かを判定してもよい。この形態において、制御部11は、ユーザが短時間で荷物を受け取ることができると判定した場合には、第1領域51の位置に関わらず配送エリア内に荷物を置く。一方、制御部11は、ユーザが短時間で荷物を受け取ることができないと判定した場合には、第1領域51の位置を推定して配送エリア内に荷物を置く。
【0083】
<受取時刻範囲>
・第2実施形態では、無人航空機30が配送先住所又はその近傍に到着した時刻からユーザが荷物を受け取ると予測される時刻までを受取時刻範囲とした。これに代えて、サーバ10が、無人航空機30が配送先住所に到着する時刻を予測してもよい。そして、その予測した時刻からユーザが荷物を受け取ると予測される時刻までを受取時刻範囲としてもよい。
【0084】
<ユーザ装置への通知>
・サーバ10は、配達が完了すると、URLを含む通知をユーザ装置20に送信するようにしてもよい。ユーザの操作に応じてユーザ装置20はURLに対応する画面をディスプレイ25に出力する。
【0085】
図11は配達通知画面60の一例である。荷物56を置いた第1領域51又は第2領域52が継続する時間が限られている場合、配達通知画面60は、第1領域51又は第2領域52が継続される時刻範囲を示す表示61を含んでいてもよい。また、配達通知画面60は、配達位置100を含む範囲を撮像した撮像画像62を含んでいてもよい。この撮像画像は、配達完了後に無人航空機30が配達位置100の上空から撮像した画像である。
【0086】
<情報処理システムの構成>
・配送管理システム1は、サーバ10、ユーザ装置20、及び無人航空機30に加えて、管理者装置を備えていてもよい。管理者装置は、配送管理システム1を管理する管理者、又は無人航空機30を管理する管理者が用いる装置である。管理者装置は、スマートフォン(多機能電話端末)、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、又はこれらの装置以外の画像を表示可能な情報処理装置であって、ユーザ装置20とほぼ同様な構成である。管理者は、管理者装置を用いて無人航空機30が荷物を置く作業を監視するようにしてもよい。
【0087】
・上記各実施形態では、サーバ10が、推定部及び配達位置決定部を備えるようにした。これに代えて、無人航空機30が、これらの少なくとも一つを備えるようにしてもよい。無人航空機30が上記処理の一部を行い、残りの処理をサーバ10が行う場合には、無人航空機30及びサーバ10は、処理の結果を共有する必要がある場合に、処理の結果を互いに送受信する。具体的には、無人航空機30は、配送エリアの日陰の位置を示すデータをサーバ10又はその他のサーバから取得し、第1領域51の位置を推定するようにしてもよい。或いは、無人航空機30は、太陽の位置及び建物55の高さ情報に基づいて、第1領域51の位置を推定するようにしてもよい。また、無人航空機30は、推定された第1領域51の位置に基づいて配達位置を決定するようにしてもよい。
【0088】
・上記各実施形態では、無人移動体として無人航空機30を用いた。これに代えて、無人移動体を、無人で道路を走行する無人走行機としてもよい。無人走行機は、駆動源として電動モータ及びエンジンの少なくとも一方を備える。また無人走行機は駆動源に応じたエネルギー源を備える。エネルギー源は、電池及び燃料供給部の少なくとも一つである。無人走行機は、配達位置に荷物を置く荷物保持部を備える。無人走行機は配送先住所に到着すると、荷物を配達位置に置く。又は、無人移動体として、無人航空機30及び無人走行機を併用してもよい。無人走行機は、無人航空機30を搭載して配送エリアに移動する。無人航空機30は、無人走行機から配達位置まで移動する。
【0089】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
[A]1又は複数のコンピュータが、配送エリアで日陰が所定時間継続する領域を推定する推定処理と、前記配送エリア内で荷物を置く位置である配達位置を、前記推定部が推定した前記領域に基づいて決定する配達位置決定処理とを実行する無人移動体の配送管理方法。
【0090】
[B]1又は複数のコンピュータを、配送エリアで日陰が所定時間継続する領域を推定する推定部と、前記配送エリア内で荷物を置く位置である配達位置を、前記推定部が推定した前記領域に基づいて決定する配達位置決定部として機能させる無人移動体のプログラム。
【0091】
[1]配送エリアで日陰が所定時間継続する領域を推定する推定部と、
無人移動体が前記配送エリア内で荷物を置く位置である配達位置を、前記推定部が推定した前記領域に基づいて決定する配達位置決定部と、を備える配送管理システム。
【0092】
[2]前記配達位置決定部は、
前記配送エリアにおいて日陰が継続する前記領域である第1領域の位置と当該第1領域以外の領域である第2領域の位置とを特定するとともに、
前記荷物の種類を特定し、特定した前記種類に応じて前記第1領域を選択する、[1]に記載の配送管理システム。
【0093】
[3]前記推定部は、
ユーザが前記配達位置の前記荷物を受け取ると予測される時刻を時刻の範囲で示した受取時刻範囲を取得し、
前記受取時刻範囲において日陰が継続する前記領域を推定する、[1]又は[2]に記載の配送管理システム。
【0094】
[4]前記配達位置決定部は、
前記荷物を受け取るユーザの位置を取得し、
前記ユーザの位置に基づき、前記配達位置に置かれた前記荷物を配達後の決められた時間内に受け取ることが可能であると判定した場合には、前記領域の位置に関わらず前記荷物を前記配送エリア内の何れかの位置に載置する、[1]~[3]のいずれか1項に記載の配送管理システム。
【0095】
[5]前記配達位置決定部は、
前記配送エリア内又は前記配送エリアの近傍の建物の高さを取得し、
前記所定時間内において変化する太陽の位置を取得し、
前記建物の高さと前記太陽の位置とに基づいて、前記領域の位置を推定し、
前記領域の位置に基づいて前記配達位置を決定する、[1]~[4]のいずれか1項に記載の配送管理システム。
【0096】
[6]前記無人移動体は、撮像部を備えた航空機であり、
前記配達位置決定部は、前記無人移動体から前記配送エリアを撮像した撮像データを取得し、前記撮像データを画像処理した結果に基づき前記領域を判定し、判定した前記領域に基づいて前記配達位置を決定する、[1]~[5]のいずれか1項に記載の配送管理システム。
【0097】
[7]1又は複数のコンピュータが、
配送エリアで日陰が所定時間継続する領域を推定する推定処理と、
無人移動体が前記配送エリア内で荷物を置く位置である配達位置を、推定された前記領域に基づいて決定する配達位置決定処理と、を実行する配送管理方法。
【0098】
[8]1又は複数のコンピュータを、
配送エリアで日陰が所定時間継続する領域を推定する推定部と、
無人移動体が前記配送エリア内で荷物を置く位置である配達位置を、前記推定部が推定した前記領域に基づいて決定する配達位置決定部として機能させるプログラム。
【0099】
[9]配送エリアで日陰が所定時間継続する領域を推定する推定部と、
前記配送エリア内で荷物を置く位置である配達位置を、前記推定部が推定した前記領域に基づいて決定する配達位置決定部と、を備える無人移動体。
【符号の説明】
【0100】
1…配送管理システム、10…サーバ、20…ユーザ装置、30…無人航空機。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-08-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送エリアで日陰が所定時間継続する領域を推定する推定部と、
無人移動体が前記配送エリア内で荷物を置く位置である配達位置を、前記推定部が推定した前記領域に基づいて決定する配達位置決定部と、を備え
前記推定部は、
前記配送エリア内又は前記配送エリアの近傍の建物の高さを取得し、
前記所定時間内において変化する太陽の位置を取得し、
前記建物の高さと前記太陽の位置とに基づいて、前記領域の位置を推定し、
航空機である前記無人移動体が備える撮像部によって前記配送エリアを撮像した撮像データを取得し、前記撮像データを画像処理した結果に基づき前記領域の位置を推定し、
前記配達位置決定部は、
前記建物の高さと前記太陽の位置とに基づく推定により特定された前記領域と、前記撮像データに基づく推定により特定された前記領域とを比較し、両方の前記領域が一致する場合には一致した前記領域において前記配達位置を決定し、両方の前記領域が一致しない場合には、特定された一方の前記領域を、特定された他方の前記領域で補正する、配送管理システム。
【請求項2】
前記推定部は、
前記配送エリアにおいて日陰が継続する前記領域である第1領域の位置と当該第1領域以外の領域である第2領域の位置とを特定するとともに、
前記配達位置決定部は、
前記荷物の種類を特定し、特定した前記種類に応じて前記第1領域を選択する、請求項1に記載の配送管理システム。
【請求項3】
前記推定部は、
ユーザが前記配達位置の前記荷物を受け取ると予測される時刻を時刻の範囲で示した受取時刻範囲を取得し、
前記受取時刻範囲において日陰が継続する前記領域を推定する、請求項1に記載の配送管理システム。
【請求項4】
前記配達位置決定部は、
前記荷物を受け取るユーザの位置を取得し、
前記ユーザの位置に基づき、前記配達位置に置かれた前記荷物を配達後の決められた時間内に受け取ることが可能であると判定した場合には、前記領域の位置に関わらず前記荷物を前記配送エリア内の何れかの位置に載置する、請求項1に記載の配送管理システム。
【請求項5】
前記配達位置決定部は、前記推定部が、前記建物の高さと前記太陽の位置とに基づいて前記領域が特定できず、且つ前記撮像データに基づいて前記領域が特定できたと判定した場合には、前記撮像データに基づいて特定した前記領域の位置に基づいて前記配達位置を決定する、請求項1に記載の配送管理システム。
【請求項6】
前記推定部は、前記太陽の位置を示す情報として前記配送エリアにおける太陽の高度及び方位角の情報を用いて、前記領域の位置を推定する、請求項1に記載の配送管理システム。
【請求項7】
1又は複数のコンピュータが、
配送エリアで日陰が所定時間継続する領域を推定する推定処理と、
無人移動体が前記配送エリア内で荷物を置く位置である配達位置を、推定された前記領域に基づいて決定する配達位置決定処理と、を実行し、
前記推定処理では、
前記配送エリア内又は前記配送エリアの近傍の建物の高さを取得し、
前記所定時間内において変化する太陽の位置を取得し、
前記建物の高さと前記太陽の位置とに基づいて、前記領域の位置を推定し、
航空機である前記無人移動体が備える撮像部によって前記配送エリアを撮像した撮像データを取得し、前記撮像データを画像処理した結果に基づき前記領域を推定し、
前記配達位置決定処理では、
前記建物の高さと前記太陽の位置とに基づく推定により特定された前記領域と、前記撮像データに基づく推定により特定された前記領域とを比較し、両方の前記領域が一致する場合には一致した前記領域において前記配達位置を決定し、両方の前記領域が一致しない場合には、特定された一方の前記領域を、特定された他方の前記領域で補正する、配送管理方法。
【請求項8】
1又は複数のコンピュータを、
配送エリアで日陰が所定時間継続する領域を推定する推定部と、
無人移動体が前記配送エリア内で荷物を置く位置である配達位置を、前記推定部が推定した前記領域に基づいて決定する配達位置決定部として機能させ
前記推定部は、
前記配送エリア内又は前記配送エリアの近傍の建物の高さを取得し、
前記所定時間内において変化する太陽の位置を取得し、
前記建物の高さと前記太陽の位置とに基づいて、前記領域の位置を推定し、
航空機である前記無人移動体が備える撮像部によって前記配送エリアを撮像した撮像データを取得し、前記撮像データを画像処理した結果に基づき前記領域を推定し、
前記配達位置決定部は、
前記建物の高さと前記太陽の位置とに基づく推定により特定された前記領域と、前記撮像データに基づく推定により特定された前記領域とを比較し、両方の前記領域が一致する場合には一致した前記領域において前記配達位置を決定し、両方の前記領域が一致しない場合には、特定された一方の前記領域を、特定された他方の前記領域で補正する、プログラム。
【請求項9】
配送エリアで日陰が所定時間継続する領域を推定する推定部と、
前記配送エリア内で荷物を置く位置である配達位置を、前記推定部が推定した前記領域に基づいて決定する配達位置決定部と、を備え
前記推定部は、
前記配送エリア内又は前記配送エリアの近傍の建物の高さを取得し、
前記所定時間内において変化する太陽の位置を取得し、
前記建物の高さと前記太陽の位置とに基づいて、前記領域の位置を推定し、
航空機である無人移動体が備える撮像部によって前記配送エリアを撮像した撮像データを取得し、前記撮像データを画像処理した結果に基づき前記領域を推定し、
前記配達位置決定部は、
前記建物の高さと前記太陽の位置とに基づく推定により特定された前記領域と、前記撮像データに基づく推定により特定された前記領域とを比較し、両方の前記領域が一致する場合には当該領域を前記配達位置として決定し、両方の前記領域が一致しない場合には、特定された一方の前記領域を、特定された他方の前記領域で補正する、無人移動体。