(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180687
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】表示パネルおよび表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20241219BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20241219BHJP
H10K 59/122 20230101ALI20241219BHJP
H10K 59/88 20230101ALI20241219BHJP
H10K 59/35 20230101ALI20241219BHJP
H10K 59/40 20230101ALI20241219BHJP
H10K 59/126 20230101ALI20241219BHJP
H10K 50/824 20230101ALI20241219BHJP
H10K 50/844 20230101ALI20241219BHJP
【FI】
G09F9/00 366A
G09F9/30 308Z
G09F9/30 309
G09F9/30 349Z
G09F9/30 365
G09F9/30 338
H10K59/122
H10K59/88
H10K59/35
H10K59/40
H10K59/126
H10K50/824
H10K50/844 445
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024185983
(22)【出願日】2024-10-22
(31)【優先権主張番号】202311591948.4
(32)【優先日】2023-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】524208696
【氏名又は名称】广州国顯科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Guangzhou Govisionox Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 2 Xiangshan Avenue, Zengcheng Economic & Techno logical Development District, Guangzhou, P.R. China
(71)【出願人】
【識別番号】522457081
【氏名又は名称】合肥維信諾科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI VISIONOX TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】5555 New Bengbu Road,Xinzhan District,Hefei,Anhui 230000,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】515179325
【氏名又は名称】昆山国顕光電有限公司
【氏名又は名称原語表記】KUNSHAN GO-VISIONOX OPTO-ELECTRONICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Building 4, No. 1, Longteng Road, Development Zone Kunshan, Jiangsu, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】曹英
(72)【発明者】
【氏名】姚遠
(72)【発明者】
【氏名】李明勝
(72)【発明者】
【氏名】黄金珍
(72)【発明者】
【氏名】許傳志
(57)【要約】
【課題】本出願は、表示パネルの性能を向上させる。
【解決手段】表示パネルは、表示領域と非表示領域とを有し、表示パネルは、アレイ基板、分離構造、複数のサブピクセル、複数の仮想画素、及びタッチコンポーネントを含み、アレイ基板は、駆動回路層を含み、分離構造は、表示領域に位置する第1分離構造と、非表示領域に位置する第2分離構造と、を含み、第1分離構造および第2分離構造は両方ともアレイ基板に設けられ、複数の分離開口部は第1分離構造および第2分離構造に設置され、各サブピクセルは、表示領域に位置し、且つ積層して設置された発光構造および第1電極を含み、発光構造は、第1分離構造の分離開口部に位置し、各仮想画素は非表示領域に位置し、且つ第1仮想電極を含み、タッチコンポーネントの少なくとも一部は、第1電極および第1仮想電極のアレイ基板と離れた側に位置する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域と、非表示領域と、を有する表示パネルであって、
前記表示パネルは、アレイ基板、分離構造、複数のサブピクセル、複数の仮想画素、及びタッチコンポーネントを含み、
前記アレイ基板は、駆動回路層を含み、
前記分離構造は、前記表示領域に位置する第1分離構造と、前記非表示領域に位置する第2分離構造と、を含み、前記第1分離構造および前記第2分離構造は両方とも前記アレイ基板の一側に設けられ、複数の分離開口部は前記第1分離構造および前記第2分離構造に設置され、
各前記サブピクセルは、前記表示領域に位置し、且つ積層して設置された発光構造および第1電極を含み、前記発光構造は、前記第1分離構造の分離開口部内に位置し、各前記仮想画素は前記非表示領域に位置し、且つ第1仮想電極を含み、
前記タッチコンポーネントの少なくとも一部は、前記第1電極および前記第1仮想電極の前記アレイ基板から離れた側に位置する、表示パネル。
【請求項2】
前記第2分離構造は導電性材料を含み、前記第1仮想電極は前記第2分離構造の導電性材料に導通され、前記第2分離構造は前記表示パネルの第1電圧電源信号線に電気的に接続され、
前記第1分離構造は導電性材料を含み、前記第1分離構造は前記第2分離構造に電気的に接続され、前記第2分離構造は前記第1分離構造を介して前記第1電圧電源信号線に電気的に接続され、
あるいは、前記第1分離構造と前記第2分離構造とは互いに絶縁され、前記第2分離構造は前記第1電圧電源信号線に接続される、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
各前記仮想画素は、前記第2分離構造の分離開口部内に位置する仮想発光部をさらに含み、前記仮想発光部は前記第1仮想電極の前記アレイ基板に近い側に位置し、
前記サブピクセルは第2電極をさらに含み、前記第2電極、前記発光構造および前記第1電極は、前記アレイ基板から離れた方向に沿って順に積層して設置され、
前記仮想画素は第2仮想電極をさらに含み、前記第2仮想電極、前記仮想発光部及び前記第1仮想電極は、前記アレイ基板から離れた方向に沿って順に積層して設置され、
前記第2電極及び前記第2仮想電極において、前記表示パネルの第2電圧電源信号線は前記第2電極のみに電気的に接続され、
前記第1電極と前記第1仮想電極は同じ層に配置される、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記非表示領域は、透光孔と、透光孔の周向に沿って囲んで配置された孔フレーム領域と、を含み、前記表示領域は、孔フレーム領域の少なくとも一部の周向に沿って囲んで配置され、前記仮想画素は孔フレーム領域に位置し、または、
前記非表示領域は前記表示パネルの表示フレーム領域を含み、前記表示フレーム領域は前記表示領域の周向に沿って囲んで配置され、前記仮想画素は前記表示パネルの表示フレーム領域に位置し、
前記第2分離構造は、前記透光孔の周向に沿って囲んで配置され、
前記第2分離構造と前記透光孔の辺縁との間に第1間隙が存在する、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記表示パネルは、前記非表示領域に位置する遮蔽構造をさらに含み、前記遮蔽構造は、前記アレイ基板と平行な方向において、前記第1分離構造から離れた前記第2分離構造の側に配置され、
前記分離開口部は、前記第1分離構造および前記第2分離構造のみに設けられ、
第3仮想電極は前記アレイ基板から離れた前記遮蔽構造の側に配置され、前記第3仮想電極と前記第1仮想電極は同じ層に配置され、
前記アレイ基板上の前記タッチコンポーネントの外輪郭の正投影は、前記アレイ基板上の前記遮蔽構造の外輪郭の正投影の範囲内に位置し、
前記非表示領域は、透光孔と、前記透光孔の周向に沿って囲んで配置された孔フレーム領域と、を含み、前記遮蔽構造は、前記孔フレーム領域に位置し、且つ前記透光孔の周向に沿って囲んで配置され、
前記第2分離構造は前記遮蔽構造の周向に沿って囲んで配置され、
前記遮蔽構造と前記透光孔の辺縁との間に第2間隙が存在し、
前記表示パネルは第1バンクをさらに含み、前記第1バンクは前記孔フレーム領域に位置し、且つ前記透光孔の周向に沿って囲んで配置され、前記アレイ基板上の前記遮蔽構造の正投影は、前記第1バンクによって囲まれて形成された領域の外側に位置し、または、前記アレイ基板上の前記遮蔽構造の正投影の一部は、前記第1バンクによって囲まれて形成された領域内に位置し、
前記非表示領域は前記表示パネルの表示フレーム領域を含み、前記表示フレーム領域は前記表示領域の周向に沿って囲んで配置され、前記遮蔽構造は前記表示フレーム領域に位置し、且つ前記第2分離構造の周向に沿って囲んで配置され、
前記表示パネルは第2バンクをさらに含み、前記第2バンクは前記表示フレーム領域に位置し、且つ前記表示領域の周向に沿って囲んで配置され、前記アレイ基板上の前記遮蔽構造の正投影は、前記第2バンクによって囲まれて形成された領域内に位置し、または、前記アレイ基板上の前記遮蔽構造の正投影の一部は、前記第2バンクによって囲まれて形成された領域の外側に位置し、
前記第1分離構造、前記第2分離構造および前記遮蔽構造は同じ層に配置される、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記非表示領域に位置する第1溝が前記アレイ基板に設けられ、前記アレイ基板上の前記第1溝の正投影は、前記アレイ基板上の前記遮蔽構造の正投影の範囲内に位置し、
前記非表示領域に位置する第2溝が前記アレイ基板に設けられ、前記第2溝は、前記第1溝より前記表示領域から遠く離れ、
前記アレイ基板上の前記第2溝の正投影は、前記アレイ基板上の前記遮蔽構造の正投影の範囲の外側に位置する、請求項5に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記アレイ基板はベース基板をさらに含み、前記駆動回路層は前記ベース基板の一側に配置され、前記駆動回路層は駆動回路線を含み、前記ベース基板上の前記駆動回路線の正投影と前記ベース基板上の前記仮想画素の正投影とは少なくとも部分的に重なり、
前記ベース基板上の前記駆動回路線の正投影は、前記ベース基板上の前記仮想画素および前記第2分離構造の正投影の範囲内に位置し、
前記表示パネルは、前記非表示領域に位置する遮蔽構造を含み、前記遮蔽構造は、前記アレイ基板と平行な方向において、前記第1分離構造から離れた前記第2分離構造の側に配置され、前記駆動回路線は、前記第2分離構造に対応する前記アレイ基板の領域に設けられ、
前記分離開口部は、前記第1分離構造および前記第2分離構造のみに設けられ、
前記アレイ基板上の前記遮蔽構造の正投影は、前記アレイ基板上の前記駆動回路線の正投影の外側に位置する、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記第1分離構造と前記第2分離構造は同じ層に配置され、
前記第1分離構造と前記第2分離構造は両方とも、前記アレイ基板から離れた方向に順次に配置された支持層と遮蔽層を含み、
前記アレイ基板上の前記支持層の正投影は、前記アレイ基板上の前記遮蔽層の正投影の範囲内に位置し、且つ前記アレイ基板上の前記支持層の投影面積は、前記アレイ基板上の前記遮蔽層の投影面積よりも小さく、
前記支持層の断面積は、前記アレイ基板に垂直な方向および前記アレイ基板を指す方向に徐々に増加され、
前記遮蔽層の断面積は、前記アレイ基板に垂直な方向及び前記アレイ基板を指す方向に徐々に増加される、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記表示パネルは、第1封止層をさらに含み、前記第1封止層は、前記アレイ基板から離れた前記分離構造の側に配置され、
前記第1封止層は前記分離構造の側壁面の少なくとも一部を覆い、
前記第1封止層は無機材料を含み、
前記表示パネルは、第2封止層をさらに含み、前記第2封止層は、前記アレイ基板から離れた前記第1封止層の側に設けられ、
前記第2封止層は有機材料を含み、
前記表示パネルはバンクをさらに含み、前記バンクは前記アレイ基板に設けられ、且つ前記非表示領域に位置し、前記バンクは前記第2封止層の周向に沿って囲んで配置され、
前記非表示領域は、透光孔と、透光孔の周向に沿って囲んで配置された孔フレーム領域と、を含み、前記バンクは、第1バンクを含み、前記第1バンクは、前記孔フレーム領域に位置し、且つ前記透光孔の周向に沿って囲んで配置され、および/または、
前記非表示領域は前記表示パネルの表示フレーム領域を含み、前記表示フレーム領域は前記表示領域の周向に沿って囲んで配置され、前記バンクは第2バンクを含み、前記第2バンクは前記表示フレーム領域に位置し、且つ前記表示領域の周向に沿って囲んで配置され、
前記アレイ基板上の前記第2分離構造の正投影は、前記アレイ基板上の前記第2バンクの正投影の範囲内に位置する、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の表示パネルを含む、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、表示技術の分野に関し、特に、表示パネルおよび表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ディスプレイ(Organic Light Emitting Diode,OLED)や発光ダイオード(Light Emitting Diode,LED)などの技術をベースにした平面表示装置は、高画質、省電力、薄型、幅広い用途などの利点により、携帯電話、テレビ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータなどのさまざまな消費電子製品に広く使用され、表示装置の主流となっている。
【0003】
しかし、現在のOLED表示製品の性能は改善する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、表示パネルの性能を向上させることができる表示パネルおよび表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願の実施形態の第1態様は、表示パネルを提供し、表示パネルは、表示領域と非表示領域と、を有し、表示パネルは、アレイ基板、分離構造、複数のサブピクセル、複数の仮想画素、及びタッチコンポーネントを含み、分離構造は、表示領域に位置する第1分離構造と、非表示領域に位置する第2分離構造と、を含み、第1分離構造および第2分離構造は両方ともアレイ基板に設けられ、複数の分離開口部は第1分離構造および第2分離構造に設置され、各サブピクセルは、表示領域に位置し、且つ積層して設置された発光構造および第1電極を含み、発光構造は、第1分離構造の分離開口部に位置し、各仮想画素は非表示領域に位置し、且つ第1仮想電極を含み、タッチコンポーネントの少なくとも一部は、アレイ基板から離れた第1電極および第1仮想電極の側に位置する。
【0006】
いくつかの実施形態では、第2分離構造は導電性材料を含み、第1仮想電極は第2分離構造の導電性材料に導通され、第2分離構造は表示パネルの第1電圧電源信号線に電気的に接続され、
好ましくは、第1分離構造は導電性材料を含み、第1分離構造は第2分離構造に電気的に接続され、第2分離構造は第1分離構造を介して第1電圧電源信号線に電気的に接続され、
あるいは、第1分離構造と第2分離構造とは互いに絶縁され、第2分離構造は第1電圧電源信号線に接続される。
【0007】
いくつかの実施形態では、各仮想画素は、第2分離構造の分離開口部内に位置する仮想発光部をさらに含み、仮想発光部はアレイ基板に近い第1仮想電極の側に位置し、
好ましくは、サブピクセルは第2電極をさらに含み、第2電極、発光構造および第1電極は、アレイ基板から離れた方向に沿って順に積層して設置され、
好ましくは、仮想画素は第2仮想電極をさらに含み、第2仮想電極、仮想発光部、及び第1仮想電極は、アレイ基板から離れた方向に沿って順に積層して設置され、第2電極及び第2仮想電極において、表示パネルの第2電圧電源信号線は第2電極のみに電気的に接続され、
好ましくは、第1電極と第1仮想電極は同じに配置される。
【0008】
いくつかの実施形態では、非表示領域は、透光孔と、透光孔の周向に沿って囲んで配置された孔フレーム領域と、を含み、表示領域は、孔フレーム領域の少なくとも一部の周向に沿って囲んで配置され、仮想画素は孔フレーム領域に位置し、または、
非表示領域は表示パネルの表示フレーム領域を含み、表示フレーム領域は表示領域の周向に沿って囲んで配置され、仮想画素は表示パネルの表示フレーム領域に位置し、
任意選択で、第2分離構造は、透光孔の周向に沿って囲んで配置され、
任意選択で、第2分離構造と透光孔の縁との間に第1間隙が存在する。
【0009】
いくつかの実施形態では、表示パネルは、非表示領域に位置する遮蔽構造をさらに含み、遮蔽構造は、アレイ基板と平行な方向において、第1分離構造から離れた第2分離構造の側に配置され、
任意選択で、分離開口部は、第1分離構造および第2分離構造のみに設けられ、
任意選択で、第3仮想電極は、アレイ基板から離れた遮蔽構造の側に配置され、第3仮想電極と第1仮想電極は同じ層に配置され、
任意選択で、アレイ基板上のタッチコンポーネントの外輪郭の正投影は、アレイ基板上の遮蔽構造の外輪郭の正投影の範囲内に位置し、
任意選択で、非表示領域は、透光孔と、透光孔の周向に沿って囲んで配置された孔フレーム領域と、を含み、遮蔽構造は、孔フレーム領域に位置し、且つ透光孔の周向に沿って囲んで配置され、
任意選択で、第2分離構造は遮蔽構造の周向に沿って囲んで配置され、
任意選択で、遮蔽構造と透光孔の辺縁との間に第2間隙が存在し、
任意選択で、表示パネルは第1バンクをさらに含み、第1バンクは孔フレーム領域に位置し、且つ透光孔の周向に沿って囲んで配置され、アレイ基板上の遮蔽構造の正投影は、第1バンクによって囲んで形成された領域の外側に位置し、または、アレイ基板上の遮蔽構造の正投影の一部は、第1バンクによって囲んで形成された領域内に位置し、
任意選択で、非表示領域は表示パネルの表示フレーム領域を含み、表示フレーム領域は表示領域の周向に沿って囲んで配置され、遮蔽構造は表示フレーム領域に位置し、且つ第2分離構造の周向に沿って囲んで配置され、
任意選択で、表示パネルは第2バンクをさらに含み、第2バンクは表示フレーム領域に位置し、且つ表示領域の周向に沿って囲んで配置され、アレイ基板上の遮蔽構造の正投影は、第2バンクによって囲んで形成された領域内に位置し、または、アレイ基板上の遮蔽構造の正投影の一部は、第2バンクによって囲んで形成された領域の外側に位置し、
任意選択で、第1分離構造、第2分離構造および遮蔽構造は同じ層に配置される。
【0010】
いくつかの実施形態では、非表示領域に位置する第1溝がアレイ基板に設けられ、アレイ基板上の第1溝の正投影は、アレイ基板上の遮蔽構造の正投影の範囲内に位置し、
任意選択で、非表示領域に位置する第2溝がアレイ基板に設けられ、第2溝は第1溝より表示領域から遠く離れ、
任意選択で、アレイ基板上の第2溝の正投影は、アレイ基板上の遮蔽構造の正投影の範囲の外側に位置する。
【0011】
いくつかの実施形態において、アレイ基板はベース基板をさらに含み、駆動回路層はベース基板の一側に配置され、駆動回路層は駆動回路線を含み、ベース基板上の駆動回路線の正投影とベース基板上の仮想画素の正投影とは少なくとも部分的に重なり、
任意選択で、ベース基板上の駆動回路線の正投影は、ベース基板上の仮想画素および第2分離構造の正投影の範囲内に位置し、
任意選択で、表示パネルは、非表示領域に位置する遮蔽構造を含み、遮蔽構造は、アレイ基板と平行な方向において、第1分離構造から離れた第2分離構造の側に配置され、駆動回路線は、第2分離構造に対応するアレイ基板の領域に設けられ、
任意選択で、分離開口部は、第1分離構造および第2分離構造のみに設けられ、
任意選択で、アレイ基板上の遮蔽構造の正投影は、アレイ基板上の駆動回路線の正投影の外側に位置する。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1分離構造と第2分離構造は同じ層に配置され、
任意選択で、第1分離構造と第2分離構造は両方とも、基板から離れる方向に順次に配置された支持層と遮蔽層を含み、
任意選択で、アレイ基板上の支持層の正投影は、アレイ基板上の遮蔽層の正投影の範囲内に位置し、且つアレイ基板上の支持層の投影面積は、アレイ基板上の遮蔽層の投影面積よりも小さく、
任意選択で、支持層の断面積は、アレイ基板に垂直な方向およびアレイ基板を指すに徐々に増加され、
任意選択で、遮蔽層の断面積は、アレイ基板に垂直な方向及びアレイ基板を指す方向に徐々に増加される。
【0013】
いくつかの実施形態では、表示パネルは、第1封止層をさらに含み、第1封止層は、アレイ基板から離れた分離構造の側に配置され、
任意選択で、第1封止層は分離構造の側壁面の少なくとも一部を覆い、
任意選択で、第1封止層は無機材料を含み、
任意選択で、表示パネルは、第2封止層をさらに含み、第2封止層は、アレイ基板から離れた第1封止層の側に設けられ、
任意選択で、第2封止層は有機材料を含み、
任意選択で、表示パネルはバンクをさらに含み、バンクはアレイ基板に設けられ、且つ非表示領域に位置し、バンクは第2封止層の周向に沿って囲んで配置され、
任意選択で、非表示領域は、透光孔と、透光孔の周向に沿って囲んで配置された孔フレーム領域と、を含み、バンクは、第1バンクを含み、第1バンクは、孔フレーム領域に位置し、且つ透光孔の周向に沿って囲んで配置され、および/または、
非表示領域は表示パネルの表示フレーム領域を含み、表示フレーム領域は表示領域の周向に沿って囲んで配置され、バンクは第2バンクを含み、第2バンクは表示フレーム領域に位置し、且つ表示領域の周向に沿って囲んで配置され、
任意選択で、アレイ基板上の第2分離構造の正投影は、アレイ基板上の第2バンクの正投影の範囲内に位置する。
【0014】
本出願の実施形態の第2態様は、表示装置を提供し、表示装置は、上記実施形態のいずれかの表示パネルを含む。
【0015】
本出願の実施形態は、表示パネルおよび表示装置を提供する。本出願の実施形態における表示パネルの分離構造は、表示領域に位置する第1分離構造と、非表示領域に位置する第2分離構造と、を含み、非表示領域に仮想画素を設置することにより、仮想画素は積層して設置された仮想発光部と第1仮想電極を含み、仮想発光部は第2分離構造の分離開口部内に位置する。第2分離構造と仮想画素は、非表示領域のタッチコンポーネントとアレイ基板との間の信号をシールドすることができ、且つ第2分離構造の分離開口部は、蒸着前に下部フィルム層内の未放出の水蒸気を完全に放出することができ、水蒸気による膜層構造の膨張・変形の原因で膜層構造同士の剥離の問題を回避できる。次に、発光構造を製造する際、第2分離構造の分離開口部内に蒸着された発光材料が仮想発光部を形成するため、仮想発光部をエッチング等のプロセスにより別途に除去する必要がなくなり、プロセス工程が簡略化され、生産効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本出願の実施形態における技術的解決策をより明確に説明するために、以下では、実施形態の説明において使用する必要がある図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明における図面は、本出願のいくつかの実施形態にすぎない。当業者にとって創造的な努力なしにこれらの図面から他の図面を得ることができる。
【
図1】本出願のいくつかの実施形態によって提供される表示パネルの上面図である。
【
図2】本出願のいくつかの実施形態によって提供される表示パネルの概略断面図である。
【
図3】本出願のいくつかの実施形態によって提供される表示パネルの別の角度からの概略断面図である。
【
図4】本出願のいくつかの実施形態によって提供される表示パネルの一部の上面図である。
【
図5】本出願の他の実施形態によって提供される表示パネルの概略断面図である。
【
図6】本出願のもういくつかの実施形態によって提供される表示パネルの概略断面図である。
【
図7】本出願のいくつかの実施形態によって提供される表示パネルの概略断面図である。
【
図8】本出願のいくつかの実施形態によって提供される表示パネルの別の部分の上面図である。
【
図9】本出願のいくつかの実施形態によって提供される表示パネルの概略断面図である。
【
図10】本出願のいくつかの実施形態によって提供される表示パネルの概略断面図である。
【
図11】本出願のいくつかの実施形態によって提供される表示パネルの別の部分の上面図である。
【
図12】本出願のいくつかの実施形態によって提供される表示パネルの概略断面図である。
【
図13】本出願の他の実施形態によって提供される表示パネルの上面図である。
【
図14】本出願の他の実施形態によって提供される表示パネルの一部の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本出願の実施形態は、添付の図面および実施形態と併せて以下でさらに詳細に説明される。以下の実施形態の詳細な説明および添付図面は、本出願の原理を説明するために使用されるが、本出願の範囲を限定するために使用されない。すなわち、本出願は、記載された実施形態に限定されない。
【0018】
本出願の説明において、「複数」とは、別段の明確かつ具体的な定義がない限り、二つ以上を意味する。「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」などの用語によって示される方向または位置関係は、本出願の説明の便宜および説明の簡略化のためのみであり、言及される装置または要素が特定の向きを持たなければならず、特定の向きで構築され、動作しなければならないことを示唆または暗示することを意図したものではなく、したがって、本出願に対する限定として解釈されるべきではない。さらに、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、説明の目的でのみ使用されており、相対的な重要性を示したり暗示したりするものとして解釈されるべきではない。「垂直」は厳密な意味での垂直ではないが、誤差の範囲内の垂直である。「平行」は厳密な意味での平行ではないが、誤差の範囲内での平行である。
【0019】
本明細書における「実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が本出願の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味する。本明細書の様々な場所でのこの語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すわけではなく、他の実施形態と相互に排他的な独立した実施形態または代替実施形態ではない。当業者であれば、本明細書に記載の実施形態を他の実施形態と組み合わせることができることを明示的にも暗黙的にも理解するできる。
【0020】
以下の説明に記載する方向を示す用語は、図中に示される方向を示すものであり、本出願の具体的な構成を限定するものではない。本出願の説明において、特に明確に指定および限定されない限り、「取り付け」、「連接」および「接続」という用語は、広義に理解されるべきであることに留意されたく、たとえば、固定接続、取り外し可能な接続または一体型接続、直接接続または中間媒体を介した間欠接続などであってもよい。当業者であれば、上記の用語の特定の意味は、特定の状況に応じて理解されるべきである。
【0021】
いくつかの表示パネルでは、分離構造が存在するため、発光構造を蒸着する際に精密マスクを省略できる。しかし、異なる色のサブピクセルを製造する場合、まず表示パネルの全面に特定の色のサブピクセルを蒸着する必要があり、次に表示パネル上のサブピクセルを他の色に設定するためのピクセル開口部にエッチングプロセスを実行し、上記の他の色に設定されるサブピクセルの陰極と発光構造を除去する。次いで、異なる色に設定されるサブピクセルごとに上記プロセスが繰り返され、異なる色のサブピクセルを形成する。表示パネルの非表示領域には分離構造が設置されず、他の色に設定されるサブピクセルの陰極が除去される場合、非表示領域の陰極もエッチングされて除去され、その結果、アレイ基板がタッチコンポーネントへの信号干渉を引き起こし、表示パネルの性能を低下させる。
【0022】
本出願の実施形態は、表示パネルを提供する。表示パネルは、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode,OLED)表示パネルであってもよく、マイクロ発光ダイオード(Micro Light Emitting Diode,MicroーLED)または量子発光ダイオード(Quantum Light Emitting Diode,QLED)表示パネルなどの他の種類の表示パネルであってもよい。
【0023】
図1~
図4を併せて参照すると、本出願の第1態様は、表示パネル100を提供する。表示パネル100は、表示領域AAと非表示領域NAとを有する。表示領域AAは、アレイ基板10、分離構造20、複数のサブピクセル30、複数の仮想画素40およびタッチコンポーネント60を含む。アレイ基板10は、駆動回路層12を含む。分離構造20は、表示領域AAに位置する第1分離構造21及び非表示領域NAに位置する第2分離構造22を含む。分離構造21および第2分離構造22はいずれもアレイ基板10に設けられ、分離構造21および第2分離構造22に複数の分離開口部20aが設けられる。各サブピクセル30は、表示領域AAに位置し、且つ積層して設置された発光構造31と第1電極E1を含む。発光構造31は、第1分離構造21の分離開口部20a内に位置し、各仮想画素40は非表示領域NAに位置し、且つ第1仮想電極C1を含む。タッチコンポーネント60の少なくとも一部は、第1電極E1および第1仮想電極C1のアレイ基板10から離れた側に位置する。
【0024】
アレイ基板10は、ベース基板11と、ベース基板11に設けられた駆動回路層12と、を含む。ベース基板11は、ガラス、プラスチックなどの硬質基板11であってもよいし、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリアクリレート(PAR)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアリレート、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)またはセルロースアセテートプロピオネート(CAP)からなるフレキシブル基板11であってもよい。駆動回路層12には、発光構造31の発光を制御するための駆動回路が設けられる。駆動回路層12は、一般に、金属層、半導体層(活性層)、絶縁層等の無機膜層から構成され、これらの無機膜層をパターニングすることにより、発光構造31の発光を制御する駆動回路を形成することができる。具体的な回路構造の実装方法は多いが、ここでは詳しく説明しない。
【0025】
各サブピクセル30は、第2電極E2をさらに含む。第2電極E2、発光構造31及び第1電極E1は、アレイ基板10から離れた方向に順に配置される。複数の第1電極E1は連続して一つの層が形成されてもよいし、複数の第1電極E1が間隔をおいて配置されてもよい。アレイ基板10の駆動回路層12には薄膜トランジスタTFTが設けられ、第2電極E2は薄膜トランジスタTFTに電気的に接続される。第2電極E2および第1電極E1が通電された後、第2電極E2はアノードとして機能し、第1電極E1はカソードとして機能し、薄膜トランジスタTFTは発光構造31を駆動して発光させる。
【0026】
発光構造31は、複数の膜層構造を積層することによって形成することができ、例えば、発光構造31は、積層して設置された正孔注入層(Hole Inject Layer,HIL)、正孔輸送層(Hole Transport Layer,HTL)、発光層層、電子注入層(Electron Inject Layer,EIL)および電子輸送層(Electron Transport Layer,ETL)を含むことができる。
【0027】
いくつかの実施形態において、表示パネル100は、アレイ基板10の一側に配置された画素定義層50をさらに含む。画素定義層50は、画素定義部51と、画素定義部51によって囲まれて形成された画素開口部52と、を含む。発光構造31と仮想発光部41はそれぞれ画素開口部52内に設けられ、分離構造20は画素定義部51のアレイ基板10とは反対側に位置する。表示領域AAは、画像を表示できる領域を指し、表示領域AAにサブピクセル30が設けられる。非表示領域NAは、画像を表示できない領域を指し、非表示領域NAに通常、配線やカメラ、バインディング端子、テスト端子などの配置に使用される。例えば、非表示領域NAは、表示パネル100の外枠として表示領域AAの周向に沿って取り囲まれてもよく、また、非表示領域NAは、カメラに対応する表示パネル100の領域として表示領域AAによって取り囲まれてもよい。
【0028】
分離構造20は、蒸着材料が分離構造の側壁に連続的に堆積できない限り、上部が広く底部が狭い構造であってもよいし、側壁が内側に凹んだ構造であってもよい。例えば、分離構造20の縦断面は、逆台形、X字形、T字形、I字形などであってもよい。
【0029】
分離構造20は、非表示領域NAまで延伸されてもよく、第1分離構造21と第2分離構造22を含む。非表示領域NAは第1サブ領域NA3を含み、表示領域AAに位置する分離構造20は第1分離構造21であり、第1サブ領域NA3に位置する分離構造20は第2分離構造22である。分離構造20には分離開口部20aが形成され、発光構造31は第1分離構造21の分離開口部20a内に位置する。第1分離構造21によって囲まれて形成された複数の分離開口部20aは、複数の発光構造31と1対1に対応してもよく、または、第1分離構造21によって囲まれて形成された分離開口部20aは、複数の発光構造31に対応してもよく、すなわち、複数の発光構造31は、第1分離構造21によって囲まれて形成された分離開口部20a内に配置される。
【0030】
いくつかの実施形態では、各仮想画素40は、第2分離構造の分離開口部に位置する仮想発光部41をさらに含み、仮想発光部41は、アレイ基板10に近い第1仮想電極C1の側に位置する。仮想発光部41は、第2分離構造22の分離開口部20a内に位置する。第2分離構造22に囲まれて形成された複数の分離開口部20aは、複数の仮想発光部41と1対1に対応してもよく、または、第2分離構造22に囲まれて形成された複数の分離開口部20aは、複数の仮想発光部41に対応してもよく、すなわち、複数の仮想発光部41は、第2分離構造22によって囲まれて形成された分離開口部20a内に設けられる。
【0031】
具体的には、表示パネル100の製造工程において、通常、分離構造20を最初に形成し、その後、マスクを使用せずに発光構造31を直接蒸着することができ、この工程では分離構造の存在により、発光構造31の一部は分離開口部20a内に蒸発し、発光材料の一部はアレイ基板10から離れた分離構造20の側に蒸発し、これにより、アレイ基板10の平面に平行な方向において分離構造20の異なる側に位置する発光物質は不連続であり、発光構造31がマスクを必要とせずに互いに分離されることを実現できる。発光構造31の蒸着には精密なマスクを使用する必要がないため、コストが削減され、マスクの加工精度の要求が低下され、精密なマスクで発光層の蒸着による影(shadow)の影響が回避され、サブピクセル30間の間隔が減少され、それによって表示パネル100の輝度が向上する。また、発光構造31の電子輸送層、電子注入層、正孔輸送層、正孔注入層等が全て分離構造20によって分離されるため、サブピクセル30間のクロストークを防止することができ、表示パネル100の表示効果を向上させることができる。仮想画素40とサブピクセル30は同一の製造工程で同時に製造できるため、マスクを増加する必要がなく、表示パネル100の製造工程を簡略化し、表示パネルの製造効率を向上させることができる。発光構造31を準備する際、第2分離構造22の分離開口部20aに蒸着された発光材料が仮想発光部41を形成し、仮想発光部41を別途エッチング等の工程で除去する必要がなくなり、プロセスが簡略化され、生産効率を向上させる。
【0032】
第2分離構造22および仮想画素40は、非表示領域NAに位置するタッチコンポーネント60とアレイ基板10との間の信号を遮蔽でき、タッチ信号への干渉を低減するだけでなく、第2分離構造22の分離開口部20aは、蒸発前に下部膜層内の未放出の水蒸気を完全に放出することができ、水蒸気によって引き起こされる膜層構造の膨張および変形の原因で膜層構造が互いに分離されることを回避することができ、表示パネル100の性能を向上させる。
【0033】
いくつかの実施形態において、第1分離構造21は導電性材料を含む。第1分離構造21は表示パネル100の第1電圧電源信号線に接続される。
【0034】
各第1電極E1は、第1分離構造21を介して電気的に接続され、これにより、第1分離構造21を介して第1電圧電源信号線と電気的に接続されることを実現する。例えば、第1電極E1がカソードである場合、第1電圧電源信号線は、Vssパッドに接続されたVss信号線であり、Vssパッドは、フレキシブル回路基板を介してドライバチップ上のVssピンに接続されることができ、それによりドライバチップによって提供される負の電圧電源信号を受信する。サブピクセル30の第1電極E1が表示パネル100の第1電圧電源信号線に接続されるので、第1電極E1は、タッチコンポーネント60とアレイ基板10との間の信号をより良く遮蔽することができ、第1電極E1と第1絶縁構造21との組み合わせことにより、タッチ信号への干渉をより良く低減し、表示パネル100の性能を向上することができる。
【0035】
好ましくは、第2分離構造22はいずれも導電性材料を含み、第1仮想電極C1は第2分離構造22の導電性材料に導通される。各第1仮想電極C1は、第2分離構造22を介して電気的に接続されて一つの全体的な電極層を形成することができ、タッチコンポーネント60に対するシールド効果をさらに向上させる。
【0036】
いくつかの実施形態では、第2分離構造22は第1電圧電源信号線に電気的に接続され、具体的には、第1分離構造21は第2分離構造22に電気的に接続され、第2分離構造22は第1分離構造21を介して第1電圧電源信号線に電気的に接続される。
【0037】
各第1仮想電極C1は、第2分離構造22を介して電気的に接続され、さらに第2分離構造22および第1分離構造21を介して第1電圧信号線と電気的に接続される。仮想画素40の第1仮想電極C1は、表示パネル100の第1電圧電源信号線に接続されるので、第1仮想電極C1は、タッチコンポーネント60とアレイ基板10との間の信号をより良く遮蔽することができ、第2分離構造22との組み合わせにより、タッチ信号への干渉をより良く低減し、表示パネル100の性能を向上させることができる。第1電極E1と第1仮想電極C1は同じ電圧電源信号線に接続され、分離構造20を通じて表面全体の電位が形成されてタッチ信号と駆動信号が遮蔽され、遮蔽効果がより優れる。さらに、本発明の実施形態では、第2分離構造22を第1電圧電源信号線に単独に電気的に接続する必要がないため、コストが削減される。
【0038】
あるいは、他の実施形態では、第1分離構造21と第2分離構造22は互いに絶縁され、第2分離構造22は第1電圧電源信号線に接続される。第1分離構造21および第2分離構造22は、それぞれ単独して第1電圧信号線に接続されるため、信号のクロストークを低減することができる。
【0039】
図6に示すように、いくつかの実施形態では、サブピクセル30は第2電極E2をさらに含み、第2電極E2、発光構造物31及び第1電極E1はアレイ基板10から離れた方向に順に積層して設置される。アレイ基板10の駆動回路層12には薄膜トランジスタTFTが設けられ、第2電極E2は薄膜トランジスタTFTに電気的に接続され、薄膜トランジスタTFTを介して第2電圧電源信号線に接続される。例えば、第2電圧電源信号線は正電圧電源信号線(VDD)であり、第2電極E2および第1電極E1が通電された後、第2電極E2は陽極として機能し、第1電極E1は陰極として機能し、サブピクセル30は発光することができる。仮想画素40において、第2仮想電極C2を設ける必要がなく、仮想画素40は仮想発光部41と第1仮想電極C1のみで構成されるため、仮想画素40は発光しない。
【0040】
図7に示すように、他の実施形態では、各仮想画素40は、第2仮想電極C2さらに含むことができる。第2仮想電極C2、仮想発光部41及び第1仮想電極C1は、アレイ基板10から離れた方向に順に積層して設置される。第2電極E2と第2仮想電極C2において、表示パネル100の第2電圧電源信号線は第2電極E2のみに電気的に接続される。
【0041】
第2電極E2は表示パネル100の第2電圧電源信号線に接続され、第2仮想電極C2は第2電圧電源信号線に接続されない。第2電極E2は電気信号に接続され、第2仮想電極C2は電気信号に接続されないため、サブピクセル30は発光できるが、仮想画素は発光しない。
【0042】
具体的には、第2電極E2と第2仮想電極C2は、同じ層に同じの材料で配置され、同一の工程で作製されてもよい。発光構造31と仮想発光部41とが同じ層に同じの材料で配置され、同一の工程で作製されてもよい。第1電極E1と第1仮想電極C1は、同じ層に同じの材料で配置され、同一の工程で作製されてもよい。第2仮想電極C2はアレイ基板10の薄膜トランジスタTFTに接続されないので、仮想画素40は発光しない。すなわち、仮想画素40が駆動回路に接続されないことを除けば、仮想画素40とサブピクセル30とは、同一の構造を有し、同一の製造工程により製造される。
【0043】
図1および
図8を併せて参照すると、いくつかの実施形態において、表示領域AAは、非表示領域NAの少なくとも一部の周向に沿って配置され、非表示領域NAは透光孔NA1と、透光孔NA1の周向に沿って囲んで設置された孔フレーム領域NA2と、を含む。仮想画素40は孔フレーム領域NA2内に位置する。
【0044】
アレイ基板10に垂直な方向において、非表示領域NAがカメラに対応して配置され、透光孔NA1により外光が入射し、カメラに到達する。孔フレーム領域NA2に仮想画素40が設置されるので、仮想画素40及び第2分離構造22は、アレイ基板10内の駆動信号が上部のタッチコンポーネント60のタッチ信号に及ぼす干渉を低減することができる。
【0045】
図8に示すように、選択的に、第2分離構造22が透光孔NA1の周向に沿って囲んで配置される。第2分離構造22はリング状の構造であり、仮想画素40は透光孔NA1の周向に沿って間隔をあけて分布されることができ、孔フレーム領域NA2のアレイ基板10とタッチコンポーネント60との間の信号をより良く遮蔽することができる。
【0046】
任意選択で、第2分離構造22と透光孔NA1の辺縁との間に第1間隙が存在する。すなわち、第2分離構造22と透光孔NA1の辺縁との間には一定の距離があり、水蒸気が仮想画素40に進入し、さらにサブピクセル30に進入して発光構造31の発光効率に影響を与えるのを防ぐことができる。
【0047】
あるいは、他の実施形態では、非表示領域NAは、表示パネル100の表示フレーム領域NA5を含む。表示フレーム領域NA5は、表示領域AAの周向に沿って囲んで設置され、例えば表示領域AAの上側、下側、左側及び右側に配置される。非表示領域NAに仮想画素40が設けられるので、仮想画素40及び第2分離構造22は、アレイ基板10の駆動信号による上部タッチコンポーネント60のタッチ信号への干渉を低減することができる。
【0048】
図2、
図8および
図9を併せて参照すると、くつかの実施形態では、表示パネルは、孔フレーム領域NA2に位置する遮蔽構造23を含む。アレイ基板10に平行な方向に、遮蔽構造23は第1分離構造21から離れた第2分離構造22の側に配置される。遮蔽構造23は、その上方に位置するタッチコンポーネント60に対して信号シールド効果を有し、タッチコンポーネント60への信号干渉をさらに低減する。
【0049】
任意選択で、分離開口部20aは、第1分離構造21および第2分離構造22のみに設けられ、遮蔽構造23に分離開口部20aが設けられない。遮蔽構造23は、第2分離構造22よりも透光孔NA1に近く、遮蔽構造23に分離開口20aが設けられないため、表示領域AAへの水蒸気の侵入をさらに防止することができる。
【0050】
任意選択で、第3仮想電極C3が遮蔽構造23のアレイ基板10とは反対側に設けられる。第3仮想電極C3と第1仮想電極C1は同じ層に配置される。遮蔽構造23および遮蔽構造23に配置された第3仮想電極C3は、上部のタッチコンポーネント60のタッチ信号に対する駆動信号の干渉をさらに低減することができる。第3仮想電極C3と第1仮想電極C1は同一の工程で作製されるため、作製効率が向上する。
【0051】
選択的に、アレイ基板10上のタッチコンポーネント60の外輪廓の正投影は、アレイ基板10上の遮蔽構造23の外輪廓の正投影の範囲内に位置する。
【0052】
タッチコンポーネント60は、タッチ電極と、タッチ電極に接続されたいくつかの信号線と、を含むことができる。信号線は、タッチ接地信号線、タッチ駆動信号線、タッチ受信信号線などである。アレイ基板10と平行な方向におけるタッチコンポーネント60の最も外側の辺がタッチコンポーネント60の外輪廓である。アレイ基板10と平行な方向における遮蔽構造23の最も外側の辺が遮蔽構造23の外輪廓である。アレイ基板10上のタッチコンポーネント60の外輪廓の正投影が、アレイ基板10上の遮蔽構造23の外輪廓の正投影の範囲内に設定される場合、タッチコンポーネント60の外側部分は、遮蔽構造23によって完全に覆われることができる。遮蔽構造23はまた、タッチ無線周波数干渉を低減することができ、それにより、表示パネル100の性能をさらに向上させることができる。
【0053】
任意選択で、非表示領域NAは、透光孔NA1と、透光孔NA1の周向に沿って囲んで配置された孔フレーム領域NA2とを含み、遮蔽構造23は、孔フレーム領域NA2に位置し、かつ、孔フレーム領域NA2の周向に沿って囲んで配置される。遮蔽構造23が透光孔NA1の外周に環状を呈して配置され、表示領域AAへの全方向からの水蒸気の侵入を総合的に防止することができる。
【0054】
任意選択で、第2分離構造22は、遮蔽構造23の周向に沿って囲んで配置される。第2分離構造22は、孔フレーム領域NA2に環状を呈して設けられ、孔フレーム領域NA2内のアレイ基板10とタッチコンポーネント60との間の信号をより良く遮断することができる。
【0055】
任意選択で、遮蔽構造23と透光孔NA1の辺縁との間に第2間隙が存在する。遮蔽構造23と透光孔NA1の辺縁との間には一定の間隙があるので、透光孔NA1を形成する際に遮蔽構造23まで切断されて亀裂が形成された後に、水蒸気が分離構造20の亀裂を通って表示領域AAに侵入することを防ぐ。
【0056】
図10および
図11を併せて参照し、任意選択で、表示パネル100は、第1バンク81も含む。第1バンク81は、孔フレーム領域NA2に位置し、且つ透光孔NA1の周向に沿って囲んで配置される。アレイ基板10上の遮蔽構造23の正投影は、第1バンク81によって囲まれて形成される領域の外側に位置する。第1バンク81は、第2封止層72の周向に沿って囲んで配置されてる。第1バンク81を設けることにより、第2封止層72が第1ダム81内に位置決められて、第2封止層72の封止材料が外側に流れて溢れることを防止することができる。「アレイ基板10上の遮蔽構造23の正投影は、第1バンク81によって囲まれて形成される領域の外側に位置する」とは、遮蔽構造23が第1バンク81内に位置決められることを意味する。これにより、遮蔽構造23の上部を第1封止層71及び第2封止層72などの複数の封止膜層によって保護することができ、表示パネルの信頼性を向上させる。
【0057】
あるいは、
図12に示すように、アレイ基板10上の遮蔽構造23の正投影の一部は、第1バンク81によって囲まれて形成される領域内に位置する。つまり、遮蔽構造23の一部が第1バンク81の下方に位置し、遮蔽構造23の他の一部が第1バンク81内に位置決められる。これにより、遮蔽構造23をある程度保護することができ、表示パネルの信頼性を向上させることができる。
【0058】
図10と
図13を併せて参照し、任意選択で、非表示領域NAは、表示パネル100の表示フレーム領域NA5を含む。表示フレーム領域NA5は、表示領域AAの周向に沿って囲んで配置される。遮蔽構造23は、表示フレーム領域NA5に位置し、且つ第2分離構造22の周向に沿って囲んで配置される。
【0059】
任意選択で、表示パネル100は、第2バンク82をさらに含む。第2バンク82は、表示フレーム領域NA5に位置し、且つ表示領域AAの周向に沿って囲んで配置され、アレイ基板10上の遮蔽構造23の正投影は第2バンク82によって囲まれて形成される領域内に位置する。第2バンク82を設けることにより、第2封止層72が第バンク82内に位置決められ、第2封止層72の封止材料が外側に流れて溢れることを防止することができる。「アレイ基板10上の遮蔽構造23の正投影が第2バンク82によって囲まれて形成される領域の外側に位置する」とは、遮蔽構造23が第2バンク82内に位置決められることを意味する。これにより、遮蔽構造23の上部を第1封止層71及び第2封止層72などの複数の封止膜層によって保護することができ、表示パネルの信頼性を向させる。
【0060】
あるいは、
図12に示すように、アレイ基板10上の遮蔽構造23の正投影の一部が、第2バンク82によって囲まれて形成された領域の外側に位置する。つまり、遮蔽構造23の一部は第2バンク82の下方に位置し、遮蔽構造23の他の一部は第2バンク82の外側に位置決められ、これにより、遮蔽構造23をある程度保護することができ、表示パネルの信頼性を向上させる。
【0061】
任意選択で、第1分離構造21、第2分離構造22および遮蔽構造23は、同じ層に配置される。第2分離構造22と遮蔽構造23は、同一の製造工程で製造することができるが、第2分離構造22と遮蔽構造23の形状は異なり、露光現像工程により第2分離構造22に分離開口部20aを設置する場合、遮蔽構造23には分離開口部20aが設けられない。例示的に、第1分離構造21、第2分離構造22および遮蔽構造23は、同じ層に配置され、同一の製造工程により製造される。孔フレーム領域NA2は、第1サブ領域NA3と第2サブ領域NA4からなり、表示領域AAに位置する分離構造は第1分離構造21であり、第1サブ領域NA3に位置する分離構造は第2分離構造22であり、第2サブ領域NA4に位置する分離構造は第3分離構造である。本発明の実施形態によれば、表示パネル100の生産効率を向上させることができる。
【0062】
図10及び
図14を併せ参照し、いくつかの実施形態では、非表示領域NAに位置する第1溝14がアレイ基板10に設けられ、アレイ基板上の第1溝14の正投影がアレイ基板10上の遮蔽構造23の正投影の範囲内に位置する。例えば、第1溝14が円弧形状である場合、第1溝14内の遮蔽構造23の部分も円弧形状である。第1溝14を設けることにより、遮蔽構造23の長さを長くすることができ、表示領域AAへの水蒸気の侵入経路を長くすることができる。
【0063】
任意選択で、非表示領域NAに位置する第2溝15がアレイ基板10に設けられ、第2溝15は、第1溝14よりも表示領域AAから遠く離れている。第2溝15を追加することにより、表示領域AAへの水蒸気の侵入経路をさらに長くすることができる。
【0064】
任意選択で、アレイ基板10上の第2溝15の正投影は、アレイ基板10上の遮蔽構造23の正投影の範囲の外側に位置する。つまり、第2溝15は透光孔NA1の辺縁に比較的近い位置に設けられ、遮蔽構造23は第2凹部15内に配置されないため、遮蔽構造23に水分が侵入することをある程度回避し、遮蔽構造23から表示領域AAに水分が侵入する確率をさらに低減する。
【0065】
表示パネル100の上面視方向において、第1溝14および第2溝15が環状を呈して配置されることにより、表示領域AAに水蒸気が浸入する確率をさらに低減することができる。
【0066】
いくつかの実施形態において、アレイ基板10は、ベース基板11と、ベース基板11の一側に配置された駆動回路層12と、を含む。駆動回路層12は、駆動回路線13を含む。ベース基板11上の駆動回路線13の正投影とベース基板11上の仮想画素40の正投影は少なくとも部分的に重なる。
【0067】
駆動回路線13は、データ線、ゲート駆動回路(Gate in panel,GIP)配線等であってもよい。ベース基板11上の駆動回路線13の正投影とベース基板11上の仮想画素40の正投影は少なくとも部分的に重なり、ベース基板11上のタッチコンポーネント60の正投影とベース基板11上の仮想画素40の正投影は少なくとも部分的に重なり、仮想画素40は、タッチコンポーネント60と駆動回路線13との間に配置され、これにより、駆動回路線13によるタッチコンポーネント60への信号干渉が遮蔽されることができる。
【0068】
任意選択で、ベース基板11上の駆動回路線13の正投影は、ベース基板11上の仮想画素40および第2分離構造22の正投影の範囲内に位置する。仮想画素40および第2分離構造22は、駆動回路線13を覆って、駆動回路線13によるタッチ信号への干渉を最大限に低減する。
【0069】
いくつかの実施形態において、表示パネル100は、非表示領域NAに位置する遮蔽構造23をさらに含む。遮蔽構造23は、アレイ基板10と平行な方向において、第1分離構造21から離れた第2分離構造22の一側に配置される。駆動回路線13は、第2分離構造22に対応するアレイ基板10の領域に配置される。
【0070】
遮蔽構造23は、その上方に位置するタッチコンポーネント60への信号を遮蔽するように構成され、それによってタッチコンポーネント60への信号干渉をさらに低減する。第2分離構造22は、タッチコンポーネント60と駆動回路線13との間に設けられ、それによって、駆動回路線13によるタッチコンポーネント60への信号干渉が遮蔽されることを保証できる。
【0071】
任意選択で、分離開口部20aは、第1分離構造21および第2分離構造22のみに設けられ、遮蔽構造23には分離開口部20aが設けられない。
【0072】
すなわち、遮蔽構造23は、下方には駆動回路線13がなく、且つ上方にタッチコンポーネント60を有する領域に配置される。この領域が透光孔NA1に比較的近いため、この領域には分離開口部20aのない遮蔽構造23が配置され、表示領域AAへの水蒸気の侵入を防止できる。
【0073】
任意選択で、アレイ基板10上の遮蔽構造23の正投影は、アレイ基板10上の駆動回路線13の正投影の外側に位置し、遮蔽構造23に対応するアレイ基板10の領域には駆動回路線13は配置されず、この領域には駆動回路配線13も平坦化層16も配置されないため、駆動回路配線13と平坦化層16とが互いに剥離するリスクがなく、また、平坦化層16からの水蒸気を放出するための分離開口部20aを設ける必要がなくなり、コストを低減できる。
【0074】
任意選択で、第3仮想電極C3が遮蔽構造23のアレイ基板10から離れた側に設けられる。第3仮想電極C3と第1仮想電極C1は同じ層に配置され、これにより、駆動回路線13から斜め上方に位置するタッチコンポーネント60への信号干渉が低減される。
【0075】
いくつかの実施形態では、第1分離構造21と第2分離構造22は同じ層に配置される。第1分離構造21と第2分離構造22は同一の製造工程で作製することができ、第2分離構造22と遮蔽構造23の形状も同一であってもよい。
【0076】
任意選択で、第1分離構造21、第2分離構造22および遮蔽構造23はすべて同じ層に配置され、同じ準備プロセスステップを通じて準備される。第1分離構造21および第2分離構造22の形状は同じであり、両者には分離開口部20aが設けられる。遮蔽構造23の形状は第1分離構造21および第2分離構造の形状とそれぞれ異なり、遮蔽構造23には分離開口部20aが設けられない。
【0077】
図3に示すように、いくつかの実施形態では、第1分離構造21および第2分離構造22は両方とも、アレイ基板10から離れる方向に沿って順次に積層して配置された支持層24および遮蔽層25を含む。隣接する発光構造31は、支持層24および遮蔽層25により良好に分離されることができる。さらに、支持層24および遮蔽層25は、異なるニーズを満たすために異なる材料で作製することができる。
【0078】
任意選択で、アレイ基板10上の支持層24の正投影は、アレイ基板10上の遮蔽層25の正投影の範囲内に位置し、アレイ基板10上の支持層24の投影面積は、アレイ基板10上の遮蔽層25の投影面積よりも小さい。遮蔽層25の辺縁は支持層24の周向に沿って突出して延伸して設置され、第1電極E1は支持層24によって分離される。支持層24の高さをより高く設定することができ、遮蔽層25の幅を広くすることができる。支持層24と遮蔽層25との組み合わせにより、分離構造20の縦断面はT字形状となる。分離構造20全体が逆台形構造で構成される実施形態と比較して、本出願の実施形態における分離構造20は、第1電極E1をより深く分離することができ、上部の遮蔽層25はより良好な反射および屈折効果を提供することができ、表示効果をより鮮明で明るくすることができる。
【0079】
任意選択で、支持層24の断面積は、アレイ基板10に垂直な方向且つアレイ基板10を指す方向に沿って徐々に増加される。支持層24の材料は金属材料であってもよく、支持層24の縦断面は正台形に設定されてもよい。これにより、支持層24の準備プロセスが容易になる。分離構造20が導電性材料を含む場合、第1電極E1の第1電極E1のラッピング効果が改善され、第1電極E1が分離構造20を介して電気的に接続され、且つ同じ電圧電源信号端子に接続されることを容易に実現でき、それによって構造が簡素化され、コストが削減される。
【0080】
任意選択で、アレイ基板10に垂直な方向およびアレイ基板10を指す方向において、遮蔽層25の断面積は徐々に増加される。つまり、遮蔽層25の縦断面は正台形であるため、プロセスの準備が容易になるだけでなく、第1電極E1の蒸着に対する遮蔽も低減される。
【0081】
図10に示すように、いくつかの実施形態において、表示パネル100は第1封止層71をさらに含み、第1封止層71はアレイ基板10から離れた分離構造20の側に配置される。第1封止層71は、サブピクセル30を保護してサブピクセル30が外部環境(例えば、空気や水分)の影響を受けるのを防ぎ、空気や水分が表示パネル100に浸透するのを防ぎ、発光構造31の耐用年数や安定性を延長することができる。また、封止層は、不純物や有害物質が表示パネル100に入るのを防ぎ、それにより表示パネル100の性能及び品質を保証することができる。
【0082】
任意選択で、第1封止層71は分離構造20の側壁面の少なくとも一部を覆い、これにより分離構造20をよりよく保護でき、外部の水分、酸素などの他の有害物質がサブピクセル30の内部に入るのをさらに効果的に防止できる。
【0083】
任意選択で、第1封止層71は無機材料を含む。例示的に、第1封止層71は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、または酸窒化ケイ素などの材料で作製することができ、表示パネル100が環境の影響を受けるのを防ぐための良好な機械的支持および封止保護を提供することができる。同時に、第1封止層71は、外部からの水分や酸素などの有害物質が表示パネル100の内部に入るのを効果的に遮断でき、表示パネル100の耐用年数と安定性を向上させることができる。
【0084】
いくつかの実施形態において、表示パネル100は、第2封止層72をさらに含む。第2封止層72はアレイ基板10から離れた第1封止層71の側に配置される。第2封止層72は、外部の水分、酸素などが表示パネル100の内部に入るのをさらに遮断することができる。
【0085】
任意選択で、第2封止層72は有機材料を含む。第2封止層72は、ポリマーなどの有機物質で形成されてもよい。第2封止層72の厚さが第1封止層71の厚さよりも大きく、第2封止層72が第1封止層71より柔軟であるため、表示パネル100の曲がりや曲率によく適応することができる。さらに、有機材料は外力を緩衝する役割も果たす。
【0086】
いくつかの実施形態において、表示パネル100は、バンク80をさらに含む。バンク80は、アレイ基板10に配置され、且つ非表示領域NAに位置する。バンク80は第2封止層72の周向に沿って囲んで配置される。バンク80を設けることにより、第2封止層72をダム80内に位置決められ、第2封止層72の封止材料が外側に流れて溢れることを防止することができる。
【0087】
任意選択で、非表示領域NAは、透光孔NA1と、透光孔NA1の周向に沿って囲んで配置された孔フレーム領域NA2とを含む。バンク80は、第1ダム81を含み、第1ダム81は、孔フレーム領域NA2に位置し、且つ透光孔NA1の周向に沿って囲んで配置され、及び/又は、非表示領域NAが表示パネル100の表示フレーム領域NA5を含み、表示フレーム領域NA5が表示領域AAの周向に沿って囲んで配置される。バンク80は、第2バンク82を含む。第2バンク82は、表示フレーム領域NA5に位置し、且つ表示領域AAの周向に沿って囲んで配置される。
【0088】
任意選択で、アレイ基板10上の第2分離構造22の正投影は、アレイ基板10上のバンク80の正投影の範囲内に位置する。バンク80を第2分離構造22の外側に配置することによって、アレイ基板10上の第2封止層72の正投影は、アレイ基板10上の第2分離構造22の正投影を覆うことができ、それによって仮想画素40をより良く保護することができ、水蒸気が仮想画素40から分離構造20を通って表示領域AAに入ることをさらに防止できる。
【0089】
本出願の第2態様は、表示装置を提供し、表示装置は、上記実施形態のいずれかの表示パネル100を含む。
【0090】
本発明の第2態様は、表示装置を提供し、表示装置は、上記実施形態のいずれかの表示パネル100、または上記製造方法により製造された表示パネル100を含む。この表示装置は、上記すべての実施形態の技術的解決策をすべて採用するため、上記実施形態の技術的解決策によってもたらされるすべての有益な効果を少なくとも有するが、これについてはここでは再度説明しない。
【0091】
表示装置は、表示機能を備えた任意の装置、例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ、パームトップコンピュータ、車載電子機器、ウェアラブルデバイス、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ(ultra mobile personal computer,UMPC)、ネットブック、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant,PDA)などのモバイル装置であってもよく、またはパーソナルコンピュータ(personal computer,PC)、テレビ(televison,TV)、出納機、セルフサービス機などの非モバイル装置であってもよい。
【0092】
以上、本出願で開示する実施形態について説明したが、記載された内容は、本出願を理解しやすくするために採用された実施形態にすぎず、本出願を限定するものではない。本出願が属する技術分野の当業者であれば、本出願に開示された精神および範囲から逸脱することなく、実施の形態および詳細にいかなる修正および変更も行うことができるが、本出願が保護される範囲は、依然として添付の特許請求の範囲によって定義される範囲に従わなければならない。
【0093】
以上は本出願の実施形態にすぎない。当業者であれば、説明の便宜および簡略化のため、上記の他の接続方法の置き換えについては、前述の方法の実施形態における対応する接続方法を参照することを明確に理解するはずであり、ここでは再度説明しない。本出願の特許範囲をこれに制限するものではなく、当業者であれば、本出願に開示された技術範囲内で様々な等価な変更または置換を容易に思いつくことができ、これらの変更または置換が本出願の保護範囲に含まれることを理解されたい。
【符号の説明】
【0094】
10 アレイ基板
11 ベース基板
12 駆動回路層
13 駆動回路線
20 分離構造
21 第1分離構造
22 第2分離構造
23 遮蔽構造
60 タッチコンポーネント
100 表示パネル