(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180696
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】洗濯機システム
(51)【国際特許分類】
D06F 33/50 20200101AFI20241219BHJP
【FI】
D06F33/50
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024186177
(22)【出願日】2024-10-22
(62)【分割の表示】P 2020211598の分割
【原出願日】2020-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】川口 弘暁
(72)【発明者】
【氏名】居初 嘉久
(72)【発明者】
【氏名】須坂 祐輔
(57)【要約】
【課題】利便性の向上を図ることができる洗濯機システムを提供することである。
【解決手段】実施形態の洗濯機システムは洗濯機を含む。洗濯機は、記憶部と、表示部と、制御部と、を持つ。記憶部は、自装置が運転した洗濯機の運転コースの運転内容を含む運転履歴情報を記憶する。表示部は、運転履歴情報に基づいて、運転コースの運転履歴を表示する。制御部は、表示部に表示された運転履歴の中から運転コースを選択する操作を検出すると、選択された運転コースに基づいて自装置の運転を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機に実行させる運転コースをユーザが選択する運転コース選択部と、
前記洗濯機で実行された運転コースの運転履歴情報に基づいて、前記運転コースの運転履歴を表示する表示部と、
制御部と、を備える洗濯機と、
前記運転履歴情報を記憶する記憶部と、
を有し、
前記記憶部は、前記洗濯機又は前記洗濯機と通信可能なサーバに設けられ、
前記制御部は、前記洗濯機が1つの前記運転コースを実行すると、当該運転コースの運転に対する前記運転履歴情報を前記記憶部に記憶させ、
前記制御部は、前記運転履歴を表示する場合に、同一の前記運転コースの前記運転履歴が重複しないように前記表示部に表示させる、洗濯機システム。
【請求項2】
洗濯機に実行させる運転コースをユーザが選択する運転コース選択部と、
洗濯機で実行された運転コースの運転履歴情報に基づいて、前記運転コースの運転履歴を表示する表示部と、
制御部と、を備える洗濯機と、
前記運転履歴情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部から読み出した前記運転履歴情報に含まれる前記運転コースを表示する端末装置表示部、を有する端末装置と、
を有し、
前記記憶部は、前記洗濯機又は前記洗濯機と通信可能なサーバに設けられ、
前記制御部は、前記洗濯機が1つの前記運転コースを運転すると、当該運転コースの運転に対する前記運転履歴情報を前記記憶部に記憶させ、
前記端末装置は、前記運転履歴を表示する場合に、同一の前記運転コースの前記運転履歴が重複しないように前記端末装置表示部に表示させる、洗濯機システム。
【請求項3】
前記洗濯機は、ユーザが端末装置を操作することによって作成し、前記サーバに登録した、前記洗濯機に予め設定されている前記運転コースとは異なる前記運転コースであるアプリコースを運転可能であり、
前記制御部は、さらに、前記洗濯機が1つの前記運転コースを運転すると、当該運転コースの運転に対する前記運転履歴情報を前記記憶部に記憶させ、
前記表示部又は端末装置の表示画面に前記運転履歴を表示する場合には、前記アプリコースが含まれる、
請求項1又は請求項2に記載の洗濯機システム。
【請求項4】
前記制御部は、第1の前記運転コースと第2の前記運転コースが同一の前記運転コースの場合であっても、第1の前記運転コースと第2の前記運転コースの運転内容が異なる場合には、第1の前記運転コースの前記運転履歴と第2の前記運転コースの前記運転履歴を前記表示部又は端末装置の表示画面に表示させる、
請求項1又は請求項2に記載の洗濯機システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記運転コースを運転したときに、当該運転コースの前記運転履歴情報を既に前記記憶部が記憶している場合には、当該運転履歴情報の実行開始時刻を新たに記録するか、又は、当該運転履歴情報の実行開始時刻を上書きし、当該運転履歴情報を前記表示部又は端末装置の表示画面に表示させる、
請求項1又は請求項2に記載の洗濯機システム。
【請求項6】
前記制御部は、同一の前記運転コースの前記運転履歴情報については、最後に運転した前記運転コースの前記運転履歴情報を前記記憶部に記憶させ、当該運転履歴情報を前記表示部又は端末装置の表示画面に表示させる、
請求項1又は請求項2に記載の洗濯機システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記記憶部に記憶させた前記運転履歴情報に係る前記運転コース又は、当該運転コースの実行開始時刻の一覧を前記運転履歴として前記表示部又は端末装置の表示画面に表示する、
請求項1又は請求項2に記載の洗濯機システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記洗濯機が1つの前記運転コースの運転を終えると、当該運転コースの運転に対する前記運転履歴情報を前記記憶部に記憶させることを前記制御部に指示するための運転履歴登録ボタンを前記表示部又は端末装置の表示画面に表示し、当該運転履歴登録ボタンがユーザによって操作された場合に当該運転コースの運転に対する前記運転履歴情報を前記記憶部に記憶させる、
請求項1又は請求項2に記載の洗濯機システム。
【請求項9】
前記制御部は、前記記憶部が記憶する前記運転履歴情報が所定数以上になると、各々の前記運転履歴情報が示す前記運転コースが実行された時間が過去のものから順に、前記運転履歴情報を前記記憶部から削除する、
請求項1又は請求項2に記載の洗濯機システム。
【請求項10】
前記記憶部は、前記洗濯機のメンテナンスを行う運転について、前記運転コースとは別に前記運転履歴情報を記憶する、
請求項1又は請求項2に記載の洗濯機システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、洗濯機システムに関する。
【背景技術】
【0002】
洗い、すすぎ、脱水等の時間や回数を任意に設定した運転コースを洗濯機に複数登録し、ニーズにあった運転コースを呼び出して、その運転コースを実行させて洗濯等を行うことができる洗濯機が提供されている。ところで、このような洗濯機は、利便性のさらなる向上が難しい場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、利便性の向上を図ることができる洗濯機システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の洗濯機システムは洗濯機と記憶部を含む。洗濯機は、洗濯機に実行させる運転コースをユーザが選択する運転コース選択部と、前記洗濯機で実行された運転コースの運転履歴情報に基づいて、前記運転コースの運転履歴を表示する表示部と、制御部と、を備える。運転履歴情報を記憶する記憶部は、洗濯機又は洗濯機と通信可能なサーバに設けられる。制御部は、洗濯機が1つの運転コースを実行すると、当該運転コースの運転に対する運転履歴情報を記憶部に記憶させる。記制御部は、運転履歴を表示する場合に、同一の運転コースの運転履歴が重複しないように表示部に表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1の実施形態の洗濯機システムの全体構成を示す図。
【
図3】第1の実施形態の洗濯機の操作パネルに表示される画面の例を示す第1の図。
【
図4】第1の実施形態の洗濯機の操作パネルに表示される画面の例を示す第2の図。
【
図5】第1の実施形態の洗濯機の操作パネルに表示される画面の例を示す第3の図。
【
図6】第1の実施形態の運転履歴の表示処理の一例を示すフローチャート。
【
図7】第1の実施形態の洗濯機の操作パネルに表示される画面の例を示す第4の図。
【
図8】第1の実施形態の運転履歴の登録処理の一例を示す第1のフローチャート。
【
図9】第2の実施形態の運転履歴の登録処理の一例を示すフローチャート。
【
図10】第2の実施形態の運転履歴の反映処理の一例を示すフローチャート。
【
図11】第3の実施形態の洗濯機システムの全体構成を示す図。
【
図12】第3の実施形態の操作端末に表示される画面の例を示す第1の図。
【
図13】第3の実施形態の操作端末に表示される画面の例を示す第2の図。
【
図14】第3の実施形態の操作端末に表示される画面の例を示す第3の図。
【
図15】第3の実施形態の通信データの流れを示す第1のフローチャート。
【
図16】第3の実施形態の操作端末に表示される画面の例を示す第4の図。
【
図17】第3の実施形態の操作端末に表示される画面の例を示す第5の図。
【
図18】第3の実施形態の操作端末に表示される画面の例を示す第6の図。
【
図19】第3の実施形態の通信データの流れを示す第2のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の洗濯機システムを、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
【0008】
(第1の実施形態)
図1を参照し、実施形態の洗濯機を含む洗濯機システム1の全体構成について説明する。
図1は、実施形態の洗濯機を含む洗濯機システムの全体構成を示す図である。洗濯機システム1は、洗濯機2と、操作端末3と、無線LAN(Local Area Network)ルータ(以下、ルータという)4と、サーバ5とを備える。洗濯機2は、洗い、すすぎ、脱水、乾燥を逐次実行することができる洗濯乾燥機である。なお、洗濯機2は、洗い、すすぎ、脱水を逐次実行し、乾燥機能を備えない洗濯機であってもよい。洗濯機2は、操作パネル21を備えている。
【0009】
操作端末3は、例えば、スマートフォンを含む携帯端末、タブレット装置、パーソナルコンピュータなどであり、洗濯機システムを動作するためのアプリケーションプログラム(以下、洗濯機アプリという)がインストールされている。
図1に示す操作端末3の台数は、1台であるがこれに制限されることなく、複数台であってもよい。操作端末3は、ルータ4を介して洗濯機2と無線通信を行い、洗濯機2を遠隔操作する。ルータ4は、例えば一般的に家庭などで使用されるWi-Fi(登録商標)ルータであり、モデムなど(図示なし)を介してインターネットに接続されている。サーバ5は、例えば、インターネット上に存在し、洗濯機システムのサービスを提供する。サーバ5は、データベース6を備えている。サーバ5はサーバ装置の一例である。データベース6は外部記憶部の一例である。
【0010】
操作端末3にインストールされた洗濯機アプリ上で、ユーザは、洗濯機2の運転コースであるアプリコースを作成することができる。また、洗濯機アプリ上で、ユーザは、サーバ5に登録されている運転コースをカスタマイズして、アプリコースを作成することができる。ユーザが作成したアプリコースのコース情報は、サーバ5のデータベース6に保存される。アプリコースは運転コースの一例である。
【0011】
図2は、実施形態の洗濯機2の機能ブロック図である。洗濯機2は、操作パネル21と、制御部22と、記憶部23と、通信部24とを備える。
【0012】
操作パネル21は、例えば
図1に示すように、洗濯機2本体の上面前側に設けられている。操作パネル21は、例えば、TFT(Thin-Film-Transistor Liquid-Crystal Display)液晶などからなる表示部を備え、その表示面に洗濯機2の運転コースに係る複数種類の表示画面を含む画像を表示させる。これにより、ユーザは、洗濯機2の運転コースの設定や現在の運転状況を確認することができる。
【0013】
また、操作パネル21は、洗濯機2の運転コースの設定および切り替えを指示するユーザの操作を受け付けるコース選択部を備える。コース選択部は、例えば、いわゆるタッチ式の操作パネルとして形成されていて、静電容量式スイッチによって構成されるタッチセンサを含む。このような構成により、ユーザは、操作パネル21に表示される画面を利用して、洗濯機2の運転を操作する。操作パネル21は、洗濯機2の運転に関する各種操作を受け付ける。操作パネル21の表示部は、LED(Light Emitting Diode)の7セグメントディスプレイで構成され、コース選択部は物理的な押しボタンスイッチによって構成されていてもよい。
【0014】
制御部22は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを含む。制御部22の各処理は、プロセッサがプログラムを実行することにより実現される。なお、制御部22の各処理のうち一部又は全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアが実行してもよい。制御部22は、洗濯機2の運転制御を行ったり、記憶部23への入出力制御を行ったり、操作パネル21への表示制御、操作パネル21へ入力された操作を検出、処理する制御を行う。
【0015】
記憶部23は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrical Erasable ROM)などの半導体メモリーを有する。EEPROMは、電気的に消去可能な不揮発性半導体メモリーの一例であり、不揮発性の記憶領域として利用される。例えば、記憶部23は、サーバ5を介して取得したアプリコースの情報を不揮発性の記憶領域に保持することができる。また、洗濯機2が運転した運転コースやアプリコースの運転履歴を記憶領域に保持することができる。
【0016】
通信部24は、例えば、ルータ4を介して、ネットワークに接続可能に形成されている。通信部24は、ネットワークを介して、サーバ5に接続される。また、通信部24は、ネットワークを介して、操作端末3と通信する。例えば、通信部24は、アプリコースのコース情報を操作端末3に送信する。例えば、通信部24は、運転履歴の情報をサーバ5との間で送受信する。なお、通信部24は、ネットワークを介さずに、ルータ4を介して、あるいは、直接、操作端末3とデータの送受信が実行可能であってもよい。
【0017】
洗濯機2には、アプリコース以外の運転コースが、標準仕様の運転コースとして利用可能に設定されている。そのため、サーバ5からコース情報を所得しなくても、洗濯機2は、標準仕様の運転コースによって運転を制御できる。これに対して、アプリコースは、ユーザが所望の運転コースのコース情報をサーバ5から所得して洗濯機2に登録することで選択可能になる。なお、サーバ5には、アプリコースとして選択可能な各種運転コースが予め登録されている。ユーザは、操作端末3を用いて、サーバ5に登録されている運転コースの中から、所望の運転コースを選択して、洗濯機2の運転制御に適用させることができる。
【0018】
次に
図3~
図5を用いて、操作パネル21に表示される画面について説明する。以下に例示する画面例は、制御部22によって作成、表示される。
【0019】
図3は、第1の実施形態の洗濯機2の操作パネル21に表示される画面の例を示す第1の図である。
図3(a)に示す画面例は、洗濯機2の電源を入れたときに表示されるトップ画面である。
図3(b)に示す画面例は、
図3(a)のトップ画面に代えて表示される第1の運転コース選択画面であり、元々洗濯機に設定されている複数の運転コースが表示されている。
図3(c)に示す画面例は、
図3(b)の第1の運転コース選択画面に代えて表示される第2の運転コース選択画面であり、アプリコースが表示されている。以下、これらについて順に説明する。
【0020】
図3(a)に示すトップ画面には、中段に、洗濯運転(「洗濯:標準コース」)、洗濯乾燥運転(「洗濯・乾燥」)、乾燥運転(「乾燥」)といった運転種別を示すアイコン、下段に、コースボタン、スタートボタンなどが表示されている。制御部22は、トップ画面に表示されている運転種別を示すアイコンに対する操作を検出すると、この検出結果に応じた運転種別を選択する。例えば、ユーザが表示画面中の「洗濯運転」のアイコンを操作して、操作パネル21によってその操作が検出されると、制御部22は、運転種別を「洗濯運転」(「洗濯:標準コース」)と決定する。
【0021】
運転種別が選択された状態で、ユーザによって
図3(a)のトップ画面に表示された「コース」ボタンが押下されたことが検出されると、運転コースを選ぶステップへと移行し、操作パネル21の表示を
図3(b)に示す第1の運転コース選択画面に遷移する。第1の運転コース選択画面が表示された状態で、ユーザは、元々洗濯機に設定されている複数種類の運転コースの中から所望の運転コースを1つ選択することができる。
図3(b)の画面に表示されている運転コース数は5つであり、各運転コースの内容を示す「標準」、「つけおき」、「スピード」、「メモリー」、「とっても柔らか」のアイコンが表示されている。運転コースのアイコンを押下すると、該当する運転コースが選択された状態となる。選択されている運転コースのアイコンは白色になっており、その下には運転コースの説明が表示される。
図3(b)は、運転コースとしてスピードコースが選択されている状態を表し、運転コースの説明として「節水・短時間で洗濯したい時に。」と表示されている。なお、メモリーコースとは、ユーザが所望の行程を組み合わせて洗濯する運転コースである。また、第1の運転コース選択画面では、さらに温水設定、ふろ水設定などを設定することができる。メモリーコースは、運転コースの一例である。洗濯機2が元々備える運転コースに対して、温水設定、ふろ水設定などを設定してできたコースも、運転コースの一例である。
【0022】
さらに、元々洗濯機に設定されている運転コースとは異なる運転コースとして、アプリコースを選択することもできる。アプリコースとは、ユーザが外部の操作端末3上にインストールされた洗濯機アプリで作成した運転コースであり、サーバ5から洗濯機2にダウンロードすることで、選択することができる。アプリコースでは、サーバ5からダウンロードしたコース情報により規定される方法で洗濯機2を運転する。
【0023】
アプリコースを選択する場合には、ユーザは、
図3(b)の右端に表示された「>」ボタンを押下する。すると、
図3(c)に示す第2の運転コース選択画面が操作パネル21に表示される。ユーザは、第2の運転コース選択画面に表示される複数のアプリコースの中から所望の運転コースを選ぶことができる。
図3(c)の例ではアプリコースは計3つ存在し、それぞれ「アプリ1」、「アプリ2」、「アプリ3」と記載されたアイコンで表示されている。
【0024】
第2の運転コース選択画面の下部には、コース確認ボタン25が配置されている。ユーザがコース確認ボタン25を押下すると、現在選択されているアプリコースのコース情報が、洗濯機2と紐付いている外部の操作端末3に通知される。なお、コース確認ボタン25は、操作パネル21上に配置されていなくてもよく、例えば物理的な押しボタンスイッチであってもよい。
【0025】
上記の画面から運転コースまたはアプリコースが実行されると、制御部22は、実行された運転コースやアプリコースの運転履歴情報を記憶部23に記録する。運転履歴情報には、例えば、そのコースの名称や識別情報、運転内容、開始時刻、終了時刻、中断の有無などが含まれる。
【0026】
図4は、第1の実施形態の洗濯機2の操作パネル21に表示される画面の第2の例を示す図である。
図4(a)に示す画面例は、
図3(a)と同様のトップ画面である。
図4(b)に示す画面例は、
図4(a)のトップ画面の「運転履歴ボタン」を押下したときに表示される運転履歴一覧画面であり、洗濯機2が実際に運転した運転コース又はアプリコースが、その開始時刻とともに、実行した時刻順(最近実行したものから順)に表示される。つまり、
図4(b)の運転履歴一覧画面で表示されるのは、洗濯機2における運転履歴である。運転履歴一覧画面に表示される運転履歴には制限があり、最近のものから順に所定数のみが表示される。制御部22は、記憶部23に記録した運転履歴を読み出して、
図4(b)の運転履歴一覧画面を作成、表示する。
図4(c)に示す画面例は、
図4(b)の運転履歴一覧画面にて「シーツコース」を押下したときに表示される確認画面であり、ユーザが選択した運転コースの実行確認を行う。
図4(c)の確認画面にて、ユーザが「閉じる」を押下すると、シーツコースの運転は実行されず、
図4(b)の運転履歴一覧画面に戻る。
図4(c)の確認画面にて、ユーザが「スタート」を押下すると、洗濯機2によるシーツコースの運転が開始される。
【0027】
図5は、第1の実施形態の洗濯機2の操作パネル21に表示される画面の第3の例を示す図である。
図5に、運転履歴から運転コースを選択する画面の他の態様を示す。
図5(a)に示す画面例は、
図3(a)と同様のトップ画面である。
図5(b)に示す画面例は、
図5(a)のトップ画面の「コースボタン」を押下したときに表示される運転コース選択画面であり、元々洗濯機に設定されている複数の運転コースが表示されている。
図5(c)に示す画面例は、
図5(b)の運転コース選択画面にて「>」を押下したときに表示される第2のコース選択画面であり、洗濯機2にて実際に運転された運転コース等の運転履歴が、実行された時刻順(最近実行したものから順)に最大で所定数だけ表示される。
図5の例では、過去に実行した運転内容を、他のコースと同列にした形で選択可能に表示する。例えば、ユーザが、「履歴コース1」を押下すると、洗濯機2に「履歴コース1」による運転を実行させることができる。
【0028】
次に
図4(b)の運転履歴一覧画面、
図5(c)の第2のコース選択画面の表示において、運転履歴を表示する処理について説明する。
図6は、第1の実施形態の運転履歴の表示処理の一例を示すフローチャートである。まず、制御部22は、カウント用の変数nに0を設定する(ステップS101)。次に制御部22が、記憶部23に記録された運転履歴情報の中から、運転開始時刻が最新のものを読み出す(ステップS102)。次に、制御部22は、読み出した運転履歴情報が表示対象か否かを判定する(ステップS103)。例えば、制御部22は、運転履歴情報が示すコースが、ユーザが作成したアプリコースであれば、読み出した運転履歴情報は表示対象であり、洗濯機2が元々備える運転コースであれば表示対象では無いと判定する。また、例えば、運転履歴情報が示すコースが、洗濯機2が元々備える運転コースであっても、メモリーコースであれば、表示対象と判定してもよい。例えば、制御部22は、未だ表示対象として設定していないアプリコースであれば、読み出した運転履歴情報は表示対象であり、既に表示対象として設定したコースと同様のものであれば、読み出した運転履歴情報は表示対象では無いと判定する。制御部22は、表示対象と判定したコースを表示対象として設定し、変数nに1を加算する(ステップS104)。次に制御部22は、変数nの値が、表示最大数N以上となったか否かを判定する(ステップS105)。ここで、N(例えば、5)は、記憶部23に登録しておく運転履歴の最大数、あるいはそれ以下の値である。変数nがN以上の場合(ステップS105;Yes)、制御部22は、表示対象として設定したコースを運転時刻の新しいものから順に並べた画面(例えば、
図4(b)又は
図5(c))を作成し、操作パネル21に表示させる(ステップS107)。変数nがN未満の場合(ステップS105;No)、制御部22が、記憶部23に記録された運転履歴情報の中から、運転開始時刻が次に新しいものを読み出す(ステップS106)。そして、制御部22は、ステップS103以降の処理を繰り返し行う。なお、上記説明では、アプリコースのみを表示対象とし、標準コースなどは表示対象としないこととしたが、洗濯機2が元々備える運転コースを表示対象としてもよい。
【0029】
ユーザが何らかのコースを選択し、洗濯機2がそのコースの運転を終えると、制御部22は、
図7に例示する画面を作成し、操作パネル21に表示させる。
図7は、第1の実施形態の洗濯機2の操作パネル21に表示される画面の例を示す第4の図である。
図7に示す画面例は、洗濯機2が、あるアプリコース(又は運転コース)の運転を終えたときに表示される終了画面である。終了画面の下部には、運転履歴登録ボタンが配置されている。ユーザが「運転履歴登録ボタン」を押下すると、制御部22は、運転を終えたコースを運転履歴として記憶部23に記録する。ユーザは運転が終了してから洗濯機2から洗濯物を取り出し、衣類の状態を確認し、満足する結果が得られた場合、「運転履歴登録ボタン」を押下して、直前に実行した運転内容を運転履歴情報として登録することができる。登録した運転履歴情報は
図3(b)や
図4(c)で例示した画面から改めて選択し、実行することができる。また、例えば、制御部22は、洗濯機2が元々備える運転コースが実行された場合には、運転履歴登録ボタンを表示しなくてもよい。また、制御部22は、運転コース、アプリコースに関わらず運転履歴登録ボタンを表示せず、運転が終了すると、そのコースを無条件で記憶部23に記録してもよい。
【0030】
次に運転履歴の登録処理について説明する。
図8は、第1の実施形態の運転履歴の登録処理の一例を示す第1のフローチャートである。ユーザが、終了画面にて運転履歴登録ボタンを押下したとする。制御部22は、記憶部23を参照し、現在記録されている運転履歴情報の登録数を取得する(ステップS201)。次に制御部22は、登録数が最大登録可能数M以上か否かを判定する(ステップS202)。登録数がM以上の場合(ステップS202;Yes)、制御部22は、記憶部23に記録された運転履歴情報の中から運転時刻が最も古いもの、つまり、最近使われていないものを選択し、その運転履歴情報を削除する(ステップS203)。登録数がM未満の場合(ステップS202;No)、又は、ステップS203の処理が終了すると、制御部22は、運転が終わったばかりのアプリコースの運転履歴情報を記憶部23に記録する(ステップS204)。
【0031】
図8の説明では、運転履歴情報を次々と追加していくよう説明したが、同じアプリコースの運転が何度も繰り返されるような場合、全ての運転履歴情報が同じアプリコースとなってしまう。このような状況に対し、既に運転履歴情報として記録されているアプリコースが実行された場合、実行開始時刻だけを新たに記録するか、又は、上書きし、なるべく多くの種類の運転履歴情報が残るようにしてもよい。この場合、最後に実行されてから所定期間が経過した運転履歴情報を削除するようにしてもよい。また、同じアプリコースの運転が何度も繰り返されるような場合、その運転回数を記録し、所定期間内における運転回数が少ないものから順に削除するようにしてもよい。
【0032】
以上説明したように、本実施形態によれば、洗濯機2に運転履歴を表示することができる。ユーザは表示された運転履歴の中から、これから行う洗濯運転を選択して実行することができる。運転履歴には、最近実行したコースが表示される。これにより、ユーザは、最近洗濯機2に運転させたコースを確認することができる。直近で運転した内容は、現在のユーザにとって優先度の高いコースである可能性が高く、次回も同じ運転を実行する可能性が高い。本実施形態によれば、最近の運転履歴を容易に確認でき、また再実行することができるので利便性が向上する。洗濯機2が運転コースを記憶する記憶容量には制限があるが、ユーザが所望する可能性の高いコースに絞って記憶し、実行できる、という構成にすることで、記憶容量に制限があったとしても、ユーザのニーズを満たす運転の実行を支援することが可能である。また、洗濯機2の記憶部23に運転履歴情報を記憶させることで、他の装置と通信することなく、洗濯機2単体で、運転履歴の表示および再実行を行うことができるので通信状態を気にせずに利用することができる。また、例えば、操作端末3を操作して、操作端末3やサーバ5から洗濯機2へ運転履歴情報を送信しなければ運転履歴を表示させることができない場合、洗濯機2の電源がオンのときにその操作を行わなければならないが、記憶部23に優先度の高い運転履歴を記憶させておくことにより、そのような煩わしさが生じない。また、最近実行したコースのみが表示されるので、例えば、お気に入りのアプリコースが増えてきたときに、数多くのアプリコースの中から必要なコースを探し出す手間や時間を低減することができる。例えば、季節によって洗う衣類の変化や家族状況の変化によって洗濯方法についても変化することがある。その都度、アプリコースを作成すると、コース数が増え、どのアプリコースで運転すべきかどうか想起する手間が発生する。そして、アプリコースが増えれば増えるほど、それを探し出し、選択する手間が発生する。本実施形態によれば、優先度の高いコースが結果的に運転履歴に蓄積されることで、ユーザが頻度高く使用しているアプリコースが運転履歴として蓄積される。その結果、ユーザは所望するアプリコースを容易に選択、実行することができる。
【0033】
また、本実施形態によれば、既存の運転コースの運転中に起きたイレギュラーな設定変更に対応することができる。アプリコースを作成しても何らかの事情で、その運転内容を変更して運転することがある。例えば、あるアプリコースが、シーツを洗う用に作成したシーツコースであり、オプションとしてふろ水を使用するコースにしたとする。運転途中にユーザは、なんらかの原因により、ふろ水を使用することを取りやめたとする。例えば、入浴剤を使った日があり、入浴剤入りのふろ水を使用することに抵抗を感じて取りやめるといった場合である。このような場合、ユーザは、このコースを呼び出して、運転前にふろ水を使用しないに設定変更して運転を行う。このような設定変更は、元のアプリコースには反映されない。従って、また、同じような状況が生じた場合、ユーザは、再度、シーツコースを呼び出してふろ水の設定をし直すか、新たにふろ水を使用しないシーツコースを別途作成しなければならない。これに対し、本実施形態によれば、ふろ水の使用を”あり”から”なし”に変更したシーツコースを運転履歴から選択して、洗濯機2に運転させることができる。
【0034】
(第1の変形例)
上述のように、メモリーコースはユーザが任意に運転内容を設定できる、ユーザは、メモリーコースに一度運転内容を登録しても、後に、その内容を変更、調整することができる。その場合、変更前の運転内容は上書きされ消去されてしまう。しかし、変更、調整前のメモリーコースを再び運転したい場合もある。そこで、ユーザが、メモリーコースが変更したときにも、変更前の運転内容を残すように、メモリーコースについては、別途、運転履歴情報を記録するようにしてもよい。例えば、メモリーコースについて3つの運転履歴情報を残すようにし、他の運転コースやアプリコースについては別途5つの運転履歴情報を残すようにしてもよい。
【0035】
(第2の変形例)
また、洗濯運転の運転履歴だけではなく、洗濯機2のメンテナンスに関する運転の運転履歴情報を記録するようにしてもよい。洗濯機2のメンテナンスに関する運転とは、例えば、総洗浄コースである。ユーザは、総洗浄コースについてもカスタマイズすることができる。総洗浄コースは、通常1に1回ほどしか実行されないので、ユーザが、総洗浄コースをカスタマイズして実行したとしても、1カ月先には、洗濯運転のアプリコースの運転履歴情報で上書きされてしまう。そこで、総洗浄コースについても、メモリーコースと同様に、別途、総洗浄コース専用に運転履歴情報を記憶する領域を設け、他の運転コースやアプリコースとは別に運転履歴情報を残すようにしてもよい。総洗浄コースは、洗濯機のメンテナンスを行う運転の一例である。
【0036】
(第3の変形例)
また、洗濯運転(「洗濯:標準コース」)、洗濯乾燥運転(「洗濯・乾燥」)、乾燥運転(「乾燥」)などの運転種別ごとに、例えば、5個ごとの運転履歴情報を記憶するようにしてもよい。このようにすることで、例えば、洗濯運転に対して、温水設定、ふろ水設定などを設定してできたコースについても5個の運転履歴情報が記録され、洗濯乾燥運転に対して、温水設定、ふろ水設定などを設定してできたコースについても5個の運転履歴情報が記録される。ユーザは、洗濯運転と洗濯乾燥運転とで個別に記録された運転履歴情報の中から好みのコースを選択できるので利便性が向上する。
【0037】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、運転履歴情報を洗濯機2の記憶部23に記録し、再実行できることとした。しかし、洗濯機2の記憶部23には容量に制限がある。従って、
図8で例示した処理などにより、所定数M以下の運転履歴情報を保存しておくことしかできない。しかし、例えば、今冬の間、冬の季節に適したアプリコースを設定して、そのアプリコースを何度も実行したような場合、来年の冬に再び、同じアプリコースを再利用したい場合がある。このような場合、来年の冬に再び、今年の冬と同様の運転履歴を操作パネル21に表示させ、その中からコースを選択できれば便利である。第2の実施形態では、洗濯機2の記憶部23に加え、サーバ5のデータベース6にて運転履歴情報の保存を行う。
【0038】
図9は、第2の実施形態の運転履歴の登録処理の一例を示すフローチャートである。ユーザが運転履歴登録ボタンを押下すると、制御部22は、運転履歴登録ボタンの押下を検出する(ステップS301)。制御部22は、通信部24に運転を終えたアプリコース(又は運転コース)の運転履歴の送信を指示する。通信部24は、運転履歴情報を送信する(ステップS302)。運転履歴情報には、コースの識別情報、開始時刻、終了時刻、運転内容が含まれる。サーバ5は、洗濯機2から送信された運転履歴情報を受信する(ステップS303)。サーバ5は、受信した運転履歴情報をデータベース6に記録する(ステップS304)。
【0039】
なお、洗濯機2からサーバ5へ運転履歴情報を送信するタイミングは、
図9の例に限定されない。例えば、洗濯機2の電源をONにしたときに運転履歴情報をサーバ5へ送信してもよいし、洗濯機2の電源をOFFにしたときに運転履歴情報をサーバ5へ送信してもよい。また、洗濯機2からサーバ5へ運転履歴情報を送信しようとしたときに通信エラーになることがある。そのような場合、制御部22は、送信対象の運転履歴情報を記憶部23に保存しておいて、通信が可能になったタイミングで運転履歴情報を再送してもよい。また、制御部22は、洗濯機2から運転履歴情報を削除するタイミングで、削除対象の運転履歴情報をサーバ5へ送信してもよい。また、制御部22は通信部24を通じて、例えば、アプリコース又は運転コースが開始されたタイミングで、そのコースの識別情報と開始時刻をサーバ5へ送信し、運転が終了したタイミングでそのコースの識別情報と運転の終了時刻をサーバ5へ送信してもよい。また、ユーザは一旦運転を開始したアプリコース等を中断する場合がある。そのような場合、制御部22は、アプリコース等の識別情報と中断された時刻とをサーバ5へ送信してもよい。
【0040】
サーバ5のデータベース6に保存した運転履歴情報は、操作端末3の洗濯アプリを通じて参照することができる。また、ユーザは、操作端末3を使って、運転履歴情報の中から、好みのアプリコースを選択し、好みのアプリコースを洗濯機2へ送信し、記憶させることができる。例えば、秋から冬に季節が変わるタイミングで、ユーザは、操作端末3の洗濯アプリを使って、昨年の冬に登録した運転履歴情報の中から今年の冬に使用したいアプリコースを選択し、洗濯機2への設定を指示する操作を行う。すると、サーバ5は、データベース6に保存された運転履歴情報の中から、ユーザが指定したアプリコースを抽出し、そのアプリコースの運転履歴情報(コースの識別情報、名称、開始時刻、終了時刻、中断の有無、運転内容など)を洗濯機2へ送信する。洗濯機2では、通信部24がアプリコースの情報を受信する。制御部22は、記憶部23に記録された運転履歴情報を削除し、サーバ5から受信した運転履歴情報を記憶部23に記録する。これにより、例えば、
図4(a)の画面で、運転履歴ボタンを押下した際に、ユーザが選択したアプリコース、つまり、昨年冬に数多く実行したアプリコースが運転履歴として並んだ運転履歴一覧画面(
図4(b))を表示させることができる。
【0041】
図10は、第2の実施形態の運転履歴の反映処理の一例を示すフローチャートである。
図10は、洗濯機2、サーバ5、および操作端末(スマートフォン)3の間のデータの流れを示している。ユーザが、操作端末3で過去の運転履歴の呼び出し操作を行うと、
操作端末3は、運転履歴情報を要求する情報をサーバ5へ送信する(ステップS401)。サーバ5は、要求された運転履歴情報を操作端末3へ送信する(ステップS402)。ユーザが、操作端末3を使って、好みの運転履歴情報を指定し、指定した運転履歴情報を洗濯機2へ送信、登録することを指示する。操作端末3は、運転履歴情報を指定し、洗濯機2への登録を指示する指示情報をサーバ5へ送信する(ステップS403)。操作端末3は、指定された1つ又は複数の運転履歴情報(コースの識別情報、名称、開始時刻、終了時刻、中断の有無、運転内容)を洗濯機2へ送信する(ステップS404)。洗濯機2では、通信部24が、運転履歴情報を受信し、制御部22が、運転履歴情報を記憶部23へ記録する(ステップS405)。このとき、運転履歴情報の登録数が最大登録可能数M以上となるようであれば、制御部22は、例えば、運転時刻の最も古い運転履歴情報を削除して、サーバ5から受信した運転履歴情報を記録する。又は、ユーザが削除する運転履歴情報を指定し、制御部22は、ユーザによって指定された運転履歴情報を削除して、サーバ5から受信した運転履歴情報を記録してもよい。
【0042】
以上説明したように、本実施形態によれば、洗濯機2の記憶部23の他に、外部の記憶装置(データベース6)に運転履歴情報を記憶させる。これにより、第1の実施形態の効果に加えて、記憶部23の記憶容量の制限を超えて、運転履歴を蓄積し、活用することができる。
【0043】
(第2の実施形態の第1の変形例)
上記の実施形態ではサーバ5のデータベース6に運転履歴情報を保存することとしたが、データベース6に代えて、又は、データベース6に加えて、操作端末3に運転履歴情報を保存するようにしてもよい。操作端末3に運転履歴情報を保存するようにした場合、サーバ5を介さずに、操作端末3から直接、洗濯機2へ運転履歴情報を送信し、送信した運転履歴情報を登録するよう指示する。
【0044】
(第2の実施形態の第2の変形例)
上記の実施形態ではサーバ5が備えるデータベース6に運転履歴情報を保存することとしたが、データベース6は、サーバ5の外部に設けられた記憶装置であってもよい。
【0045】
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、あるユーザが洗濯機2で実行した運転の運転履歴情報を他のユーザと共有することを可能とする。
【0046】
図11は、第3の実施形態の洗濯機システムの全体構成を示す図である。洗濯機システム1´は、洗濯機2a、2bと、操作端末3a、3b、3cと、ルータ4と、サーバ5とを備える。洗濯機2aはユーザAの洗濯機、操作端末3aはユーザAのスマートフォン等である。操作端末3bはユーザBのスマートフォン等である。洗濯機2cはユーザCの洗濯機、操作端末3cはユーザCのスマートフォン等である。サーバ5はデータベース6a、6cを備えている。サーバ5は、ユーザAの識別情報と、操作端末3aの識別情報(例えば、MACアドレス)と、洗濯機2aの識別情報とを対応付けた設定情報を記憶している。これにより、ユーザAが、操作端末3aを操作してサーバ5へアクセスすると、洗濯機2aの運転履歴情報が記録されたデータベース6aの内容を参照したり、データベース6aの運転履歴情報を洗濯機2aへ送信したりすることができる。また、サーバ5は、例えば、ユーザAの許可の元、ユーザBの識別情報と、操作端末3bの識別情報と、洗濯機2aの識別情報とを対応付けた設定情報を記憶している。これにより、ユーザBは、操作端末3bを用いて、洗濯機2aに関する運転履歴情報を参照等することができる。同様に、サーバ5は、ユーザCの識別情報と、操作端末3cの識別情報と、洗濯機2cの識別情報とを対応付けた設定情報を記憶している。これにより、ユーザCが、操作端末3cを操作してサーバ5へアクセスすると、データベース6cの内容を参照等することができる。操作端末3aは第1の操作端末の一例、操作端末3cは第1の操作端末の一例、データベース6aは第1のデータベースの一例、データベース6cは第2のデータベースの一例である。
【0047】
本実施形態では、サーバ5が記憶する上記の設定に加え、ユーザCの識別情報と、操作端末3cの識別情報と、洗濯機2aの識別情報とを対応付けた設定情報をサーバ5に登録することにより、ユーザAの洗濯機2aに関する運転履歴情報をユーザCと共有する方法について説明する。
【0048】
図12~
図14を参照して、ユーザAがユーザCに対して洗濯機2aの運転履歴情報の共有を許可する操作について説明する。
図12(a)~(e)に例示する画面、
図13(f)~(i)に例示する画面は、操作端末3aの洗濯アプリが表示する画面である。
図12(a)において、ユーザAが洗濯機のアイコンを押下すると、洗濯機2aの状態を参照することができる。
図12(a)において、ユーザAが画面左上の印122を押下すると、
図12(b)に例示するメニュー画面が表示される。次にユーザAが、
図12(b)のメニュー画面の「家電の管理ボタン」123を押下すると、
図12(c)の家電の管理画面が表示される。ユーザAが、
図12(c)の画面で「家電設定の編集ボタン」124を押下すると、
図12(d)に例示する登録家電の共有画面が表示される。ユーザAが、
図12(d)の画面で「ユーザA洗濯機ボタン」125を押下すると、
図12(e)に例示する登録家電の共有画面が表示される。
図12(e)の画面では、洗濯機2aの型名や製造番号などが表示される。ユーザAは、
図12(e)の画面で「家電を共有するボタン」126を押下する。
【0049】
図12(e)の画面で「家電を共有するボタン」126が押下されると、
図13(a)に例示する登録家電の共有画面が表示される。
図13(g)にて例示するように、ユーザAは、運転履歴情報の共有を許可するユーザCの識別情報を入力する。ユーザCの識別情報とは、例えば、ユーザCのメールアドレスである。ユーザCの識別情報を入力すると、
図13(h)に例示するように、入力した識別情報が正しいかどうかの確認を求められる。問題が無ければ、ユーザAは、表示された「確認欄」127を押下する。すると、操作端末3aは、入力されたユーザCの識別情報をサーバ5へ送信し、ユーザCの識別情報を照会する。サーバ5では、ユーザCの識別情報を検索する。識別情報が見つかると、サーバ5では、照会が可能であったことを操作端末3aへ通知する。すると、操作端末3aの洗濯アプリは、
図13(i)に例示するように、共有することに対する確認ダイアログを表示する。ユーザAが「キャンセルボタン」128を押下すると、共有処理はキャンセルされる。ユーザAが「設定ボタン」129を押下すると、共有処理は継続され、ユーザCの操作端末3cの画面に共有の同意を求める画面が表示される。
【0050】
図14(a)~(b)に例示する画面は、操作端末3cの洗濯アプリが表示する画面である。
図14(a)において、ユーザCが「同意するボタン」141を押下すると、共有処理はキャンセルされる。ユーザCが「同意するボタン」142を押下すると、洗濯機2aの運転履歴情報がユーザCにも共有される。洗濯機2aの運転履歴情報がユーザCと共有されると、操作端末3cの洗濯アプリが表示する画面には、ユーザAの洗濯機2aを示すアイコン143が表示される。ユーザCが、アイコン143を押下すると、操作端末3cからデータベース6aへアクセスすることができるようになる。
【0051】
図15は、第3の実施形態の通信データの流れを示す第1のフローチャートである。
図15を参照して、ユーザAとユーザCが、
図12~
図14で説明した画面操作を行ったときの通信データの流れについて説明する。ユーザAが、ユーザCとの共有を許可するための一連の操作を行うと、操作端末3aは、ユーザCの識別情報をサーバ5へ照会する(ステップS501)。サーバ5は、操作端末3aへ照会結果(OK)を送信する(ステップS502)。ユーザCの照会が成功すると、ユーザAは、共有処理を行うことを要求する。具体的には、ユーザAは、
図13(i)の画面にて「設定ボタン」129を押下する。すると、操作端末3aは、ユーザCとの共有を要求する要求情報をサーバ5へ送信する(ステップS503)。この要求を受信すると、サーバ5は、ユーザAから共有の要求があったことを通知する情報を操作端末3cへ送信する(ステップS504)。すると、操作端末3cでは、
図14(a)に例示する画面が表示される。ユーザCが「同意するボタン」142を押下すると、操作端末3cは、共有の同意があったことを示す同意情報をサーバ5へ送信する(ステップS505)。サーバ5は、同意情報を取得すると、ユーザCの識別情報と、操作端末3cの識別情報と、洗濯機2aの識別情報とを対応付けた設定情報を記憶部に登録する。これにより、操作端末3cからデータベース6aへのアクセスが可能になる。共有が成立すると、ユーザCは、ユーザAが登録した運転履歴情報の中から、気に入ったコースを選択して、自分の洗濯機2cでも同じ運転を行わせることが可能になる。次に
図16~
図18を参照して、ユーザCが、洗濯機2aの運転履歴情報を洗濯機2cへ反映させる操作、処理について説明する。
【0052】
図16(a)~(c)に例示する画面、
図17(d)~(f)に例示する画面は、操作端末3cの洗濯アプリが表示する画面である。
図16(a)に例示する画面にて、ユーザCが、「ユーザA洗濯機」アイコン161を押下すると、
図16(b)に例示するユーザAの洗濯機2aのステータスを表示した画面を参照することができる。
図16(b)の画面の下部には、洗濯機2aが過去に運転したコースを確認できる「運転履歴ボタン」162が配置されている。このボタンを押下すると
図16(c)の画面が表示される。
図16(c)の画面では、洗濯運転(「洗濯:標準コース」)、洗濯乾燥運転(「洗濯・乾燥」)別に運転履歴が3つずつ表示されている。例えば、ユーザCは、洗濯運転の履歴2であるウォッシャブルスーツ・学生服コースを押下する。
【0053】
すると、操作端末3cには、
図17(d)に例示する画面が表示される。この画面では、ウォッシャブルスーツ・学生服コースがどのようなコース内容であるかが表示される。ユーザCが、下部のダウンロードボタン163を押下すると、
図17(e)に例示する画面が表示される。
図17(e)の画面では、ユーザCの洗濯機2cの同じカテゴリである洗濯運転の運転履歴が表示される。ユーザCは、ユーザAの運転履歴情報から選択したウォッシャブル・学生服コースを、ユーザCの運転履歴のどの領域にダウンロードさせるか選択する。例えば、
図16(f)に例示するように、ユーザCが、履歴1を選択して設定ボタン164を押下すると、ウォッシャブル・学生服コースの洗濯機2cへのダウンロードが実行される。
【0054】
図18(a)~(b)例示する画面は、洗濯機2cの操作パネル21cに表示される画面である。サーバ5から洗濯機2cへのウォッシャブル・学生服コースの運転履歴情報のダウンロードが完了すると、操作パネル21cには、
図18(a)に例示する画面が表示される。図示するように、この画面では、新しいコースをダウンロードしたことを確認することができる。ユーザCは、
図5を用いて説明した手順で、
図18(b)に例示する画面を呼び出し、履歴コース1を押下すると、洗濯機2cでダウンロードしたウォッシャブル・学生服コースの運転を行うことができる。
【0055】
図19は、第3の実施形態の通信データの流れを示す第2のフローチャートである。
図19を参照して、ユーザCが、
図16~
図17で説明した画面操作を行ったときの通信データの流れについて説明する。ユーザCがユーザAの洗濯機2aの運転履歴情報を参照するための一連の操作を行うと、操作端末3cは、ユーザAの洗濯機2aの運転履歴情報をサーバ5へ要求する(ステップS601)。サーバ5は、操作端末3cへ洗濯機2aの運転履歴情報を送信する(ステップS602)。
図16(c)、
図17(a)~(c)で説明したように、ユーザCは、ダウンロード対象のコース(例えば、ウォッシャブル・学生服コース)を選択し、自分の洗濯機2cへのダウンロードを指示する操作を行う。すると、操作端末3cは、ユーザCが選択したコースを洗濯機2cの指定した記憶領域へダウンロードするよう指示する情報をサーバ5へ送信する。この指示を受信すると、サーバ5は、記録先の記憶領域を指定して、運転履歴情報を送信する(ステップS604)。洗濯機2cでは、通信部24cを介して制御部22cが運転履歴情報を取得し、記憶部23cの指定された記憶領域、例えば、洗濯運転に関する1番目の運転履歴(「履歴1」)が記録されている領域へサーバ5から取得した運転履歴情報を記録する(ステップS605)。
【0056】
本実施形態によれば、第1の実施形態、第2の実施形態の効果に加え、以下のような効果が得られる。他のユーザの洗濯機の運転履歴情報から取得した運転履歴情報に基づいて、自分の洗濯機2の運転を実行することができる。これにより、自分の洗濯機2で、試行錯誤する必要なく、他のユーザによって効果が確認されているコースを自分の洗濯機で実行することができる。これにより、例えば、季節によって高頻度に利用されている運転コースや、水、気温、湿度など環境が類似する同一地域に住む他のユーザが実行している運転コースを参考にしたり、共有したりすることができる。これにより、ユーザが、埋もれていた有用なアプリコースを見つけることができたり、特定の種類の衣類に有効なコースを見つけることができたりし、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0057】
(第3の実施形態における変形例)
上述した実施形態では、ユーザAは、自分の洗濯機2aの運転履歴情報を全てユーザCと共有することとしたが、運転履歴ごとに共有する、共有しないを設定することができてもよい。
【0058】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、洗濯機2が実行した運転コースの運転履歴を残し、ユーザが、その運転履歴の中から選択して、洗濯機2に同じコースでの運転を行わせることができる。これにより、ユーザが設定したアプリコースや運転コースの利便性を向上することができる。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0060】
1…洗濯機システム、2…洗濯機、3…操作端末、4…ルータ、5…サーバ、6…データベース。