(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180698
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】サーバ、マッサージチェア、及び、コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
A61H 7/00 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
A61H7/00 323K
A61H7/00 323S
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024186272
(22)【出願日】2024-10-23
(62)【分割の表示】P 2020116763の分割
【原出願日】2020-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】000112406
【氏名又は名称】ファミリーイナダ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】稲田 二千武
(57)【要約】
【課題】マッサージチェアの価格上昇を抑えることのできるサーバを提供する。
【解決手段】サーバ30は、マッサージチェアを制御するサーバであって、プロセッサ31と、プロセッサで実行されるマッサージプログラム321を記憶するメモリ32と、を備え、マッサージチェアは通信回路を含み、通信回路には、アクチュエータにマッサージ動作を行わせる複数の駆動部が接続されており、プロセッサはマッサージプログラムを実行することによって、複数の駆動部それぞれに与えられる制御信号を生成し、制御信号を、無線通信によって通信回路に送信する、ように構成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マッサージチェアを制御するサーバであって、
プロセッサと、
前記プロセッサで実行されるマッサージプログラムを記憶するメモリと、を備え、
前記マッサージチェアは通信回路を含み、前記通信回路には、アクチュエータにマッサージ動作を行わせる複数の駆動部が接続されており、
前記プロセッサは前記マッサージプログラムを実行することによって、
前記複数の駆動部それぞれに与えられる制御信号を生成し、
前記制御信号を、無線通信によって前記通信回路に送信する、ように構成されている
サーバ。
【請求項2】
前記制御信号は、前記複数の駆動部のうちの、マッサージ動作を行わせる前記駆動部を識別可能なデータを含む
請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記マッサージプログラムは、複数のマッサージ動作の組み合わせと実行のタイミングとを規定するプログラムであって、
前記制御信号を送信することは、前記マッサージプログラムに規定されるマッサージ動作を行わせるタイミングに応じて、前記マッサージ動作を行わせる駆動部に与えられる制御信号を送信することを含む
請求項1又は2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記メモリは、複数のマッサージチェアについて、それぞれの有する前記通信回路を制御信号の送信先として記憶し、
前記プロセッサは、前記複数のマッサージチェアのうちの指定されたマッサージチェアについて前記マッサージプログラムを実行して前記制御信号を送信する
請求項1~3のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項5】
前記マッサージチェアの端末装置からマッサージ動作の指示を受信し、
前記プロセッサは、前記複数のマッサージチェアのうちの前記端末装置に対応したマッサージチェアに、前記指示に応じて生成した前記制御信号を送信する
請求項4に記載のサーバ。
【請求項6】
前記マッサージ動作中の前記マッサージチェアからセンシング結果を示す信号を受信し、
前記プロセッサは、生成した前記制御信号を前記センシング結果に基づいて調整して送信する
請求項1~5のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項7】
前記マッサージチェアは複数のセンサを有し、
前記プロセッサは、前記複数のセンサのうちの、マッサージ動作ごとに予め規定されたセンサでの前記センシング結果を用いて、前記マッサージ動作を行わせるための前記制御信号を調整する
請求項6に記載のサーバ。
【請求項8】
前記無線通信は、移動通信ネットワークを利用した無線通信を含む
請求項1~7のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項9】
通信回路と、
前記通信回路に接続された、アクチュエータにマッサージ動作を行わせる複数の駆動部と、を備え、
前記通信回路は、無線通信によってサーバから制御信号を受信し、前記複数の駆動部のうちの、前記制御信号に含まれるデータによって指定される駆動部に前記制御信号を与える、ように構成されている
マッサージチェア。
【請求項10】
1以上のセンサをさらに備え、
前記通信回路は、前記制御信号に従ってマッサージ動作を実行中に前記センサによって得られたセンシング結果を示す信号を前記サーバに送信する
請求項9に記載のマッサージチェア。
【請求項11】
前記センシング結果は、前記マッサージ動作を行っているアクチュエータのセンシングした結果を含む
請求項10に記載のマッサージチェア。
【請求項12】
前記センシング結果は、前記マッサージ動作中に前記マッサージチェアに着座したユーザの身体をセンシングした結果を含む
請求項10又は11に記載のマッサージチェア。
【請求項13】
前記センシング結果を示す信号を前記サーバに送信することは、前記センシング結果に関連付けて前記マッサージチェアの固有の識別情報を送信することを含む
請求項10~12のいずれか一項に記載のマッサージチェア。
【請求項14】
前記無線通信は、移動通信ネットワークを利用した無線通信を含む
請求項9~13のいずれか一項に記載のマッサージチェア。
【請求項15】
コンピュータをマッサージチェアの端末装置として機能させるプログラムであって、
前記マッサージチェアは、通信回路と、前記通信回路に接続された、アクチュエータにマッサージ動作を行わせる複数の駆動部と、を有し、
前記プログラムは前記コンピュータに、
前記マッサージチェアに対するユーザ操作を受け付け、
前記ユーザ操作に基づく信号を、サーバに送信する、ことを含む処理を実行させ、
前記信号は、前記マッサージチェアを特定可能なデータを含む
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバ、マッサージチェア、及び、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、マッサージ機の構成の一例として、全体を制御するメイン制御部(コントローラ)と、サブ制御部(制御回路)と、を有する構成が示されている。
【0003】
メイン制御部は制御基板などによって構成され、マッサージ動作を行うためのプログラムを実行して各部を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
マッサージ機の高機能化に伴い、メイン制御部には高い処理能力が要求されるようになり、それゆえ、メイン制御部の高価格化が進む。そのため、メイン制御部の高価格化に伴ってマッサージ機全体の価格も上昇してしまう。そこで、マッサージ機の価格上昇を抑えるために、メイン制御部(コントローラ)をなくす、又は、簡略化することが望まれる。
【0006】
ある実施の形態に従うと、サーバは、マッサージチェアを制御するサーバであって、プロセッサと、プロセッサで実行されるマッサージプログラムを記憶するメモリと、を備え、マッサージチェアは通信回路を含み、通信回路には、アクチュエータにマッサージ動作を行わせる複数の駆動部が接続されており、プロセッサはマッサージプログラムを実行することによって、複数の駆動部それぞれに与えられる制御信号を生成し、制御信号を、移動通信ネットワークを介して通信回路に送信する、ように構成されている。
【0007】
ある実施の形態に従うと、マッサージチェアは、通信回路と、通信回路に接続された、アクチュエータにマッサージ動作を行わせる複数の駆動部と、を備え、通信回路は、移動通信ネットワークを介してサーバから制御信号を受信し、複数の駆動部のうちの、制御信号に含まれるデータによって指定される駆動部に制御信号を与える、ように構成されている。
【0008】
ある実施の形態に従うと、コンピュータプログラムは、コンピュータをマッサージチェアの端末装置として機能させるプログラムであって、マッサージチェアは、通信回路と、通信回路に接続された、アクチュエータにマッサージ動作を行わせる複数の駆動部と、を有し、プログラムはコンピュータに、マッサージチェアに対するユーザ操作を受け付け、ユーザ操作に基づく信号を、サーバに送信する、ことを含む処理を実行させ、信号は、マッサージチェアを特定可能なデータを含む。
【0009】
更なる詳細は、後述の実施形態として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態に係るマッサージ機の正面斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1のマッサージ装置の機能ブロック図である。
【
図4】
図4は、マッサージコースと、マッサージコースに従うマッサージ動作を行わせるための制御信号と、を説明する図である。
【
図5】
図5は、タブレットの機能ブロック図である。
【
図6】
図6は、マッサージ装置の制御方法を表した図である。
【
図7】
図7は、タブレットに表示される操作画面の具体例である。
【
図8】
図8は、タブレットに表示される操作画面の具体例である。
【
図9】
図9は、マッサージ装置における動作制御の流れを表した図である。
【
図11】
図11は、電源部とマッサージ用ユニットとの無線による電力供給の機能ブロック図である。
【
図12】
図12は、比較例に係るマッサージ装置の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<1.サーバ、マッサージチェア、及び、コンピュータプログラムの概要>
【0012】
(1)実施の形態に係るサーバは、マッサージチェアを制御するサーバであって、
プロセッサと、プロセッサで実行されるマッサージプログラムを記憶するメモリと、を備え、マッサージチェアは通信回路を含み、通信回路には、アクチュエータにマッサージ動作を行わせる複数の駆動部が接続されており、プロセッサはマッサージプログラムを実行することによって、複数の駆動部それぞれに与えられる制御信号を生成し、制御信号を、無線通信によって通信回路に送信する、ように構成されている。
【0013】
マッサージ用ユニットは、ユーザの身体に対するマッサージ動作を実行するための動作機構であって、マッサージチェアの各部に配置されている。サーバが、マッサージ動作を行わせるように駆動部に入力する制御信号を生成し、マッサージ用ユニットに送信することで、従来必要であった、マッサージ動作を行わせるためのプログラムを実行して制御信号を生成するメイン基板を不要又は、簡略化することができる。これにより、マッサージチェアの価格を抑えることができるとともに、小型化、軽量化が実現される。
【0014】
サーバとマッサージ用ユニットとの通信は、無線通信である。これにより、通信線の接続を不要として制御信号を受け取ることができる。無線通信は、例えば、移動通信システムを利用した通信である。好ましくは、移動通信システムは第5世代以降の移動通信システムであり、一例として、第5世代移動通信システム(5G)である。この場合、サーバは高速大容量での通信が可能であるため、複数のマッサージ用ユニットを複雑に制御可能であって、マッサージチェアに複雑なマッサージ動作をさせることができる。また、サーバは、マッサージチェアからセンシング結果を示す信号を受信して制御に用いることで、状況に応じた柔軟なマッサージ動作を行わせることが可能になる。また、サーバは同時に多数の端末と接続可能であるため、同時に複数のマッサージチェアを制御することも可能になる。
【0015】
(2)好ましくは、制御信号は、複数の駆動部のうちの、マッサージ動作を行わせる駆動部を識別可能なデータを含む。これにより、マッサージチェアにおいて、受信した制御信号を駆動させるアクチュエータの駆動回路に入力することが可能になる。それにより、サーバによるマッサージ動作の制御が可能になる。
【0016】
(3)好ましくは、マッサージプログラムは、複数のマッサージ動作の組み合わせと実行のタイミングとを規定するプログラムであって、制御信号を送信することは、マッサージプログラムに規定されるマッサージ動作を行わせるタイミングに応じて、マッサージ動作を行わせる駆動部に与えられる制御信号を送信することを含む。これにより、マッサージコースで規定されるタイミングで、規定されるマッサージ動作をマッサージチェアに行わせることができる。
【0017】
(4)好ましくは、メモリは、複数のマッサージチェアについて、それぞれの有する通信回路を制御信号の送信先として記憶し、プロセッサは、複数のマッサージチェアのうちの指定されたマッサージチェアについてマッサージプログラムを実行して制御信号を送信する。これにより、1つのサーバで複数のマッサージチェアを制御することができる。
【0018】
(5)好ましくは、サーバは、マッサージチェアの端末装置からマッサージ動作の指示を受信し、プロセッサは、複数のマッサージチェアのうちの端末装置に対応したマッサージチェアに、指示に応じて生成した制御信号を送信する。これにより、端末装置をマッサージチェアの操作装置として用いることができる。
【0019】
(6)好ましくは、サーバは、マッサージ動作中のマッサージチェアからセンシング結果を示す信号を受信し、プロセッサは、生成した制御信号をセンシング結果に基づいて調整して送信する。これにより、サーバ側で状況に応じた柔軟なマッサージ動作をマッサージチェアに行わせることが可能になる。
【0020】
(7)好ましくは、マッサージチェアは複数のセンサを有し、プロセッサは、複数のセンサのうちの、マッサージ動作ごとに予め規定されたセンサでのセンシング結果を用いて、マッサージ動作を行わせるための制御信号を調整する。これにより、サーバは、送信した制御信号に従ってマッサージ動作中にマッサージチェアから得られたセンシング結果のうち、そのマッサージ動作に必要なセンシング結果を用いて、そのマッサージ動作のための制御信号を調整することができる。これにより、サーバ側で状況に応じた柔軟なマッサージ動作をマッサージチェアに行わせることが可能になる。
【0021】
(8)好ましくは、無線通信は、移動通信ネットワークを利用した無線通信を含む。これにより、上記のように、サーバは複数のマッサージ用ユニットを複雑に制御可能であって、マッサージチェアに複雑なマッサージ動作をさせることができる。
【0022】
(9)実施の形態に係るマッサージチェアは、通信回路と、通信回路に接続された、アクチュエータにマッサージ動作を行わせる複数の駆動部と、を備え、通信回路は、無線通信によってサーバから制御信号を受信し、複数の駆動部のうちの、制御信号に含まれるデータによって指定される駆動部に制御信号を与える、ように構成されている。サーバから、複数の駆動部それぞれについての制御信号を受信し、制御信号に含まれるデータによって指定される駆動部に制御信号を与えることで、サーバからの制御信号に従ってマッサージ動作が行われる。すなわち、これにより、マッサージチェアは、サーバによってマッサージ動作が制御される。このため、従来のマッサージチェアで必要であった、制御信号を生成して駆動部に入力することでマッサージ動作を制御するメイン基板を不要又は、簡略化することができる。これにより、配線を抑えることができるとともに、小型化、軽量化が実現される。
【0023】
(10)好ましくは、マッサージチェアは、1以上のセンサをさらに備え、通信回路は、制御信号に従ってマッサージ動作を実行中にセンサによって得られたセンシング結果を示す信号をサーバに送信する。これにより、サーバは、送信した制御信号に従ってマッサージ動作中にマッサージチェアから得られたセンシング結果のうち、そのマッサージ動作に必要なセンシング結果を用いて、そのマッサージ動作のための制御信号を調整することができる。これにより、サーバ側で状況に応じた柔軟なマッサージ動作をマッサージチェアに行わせることが可能になる。
【0024】
(11)好ましくは、センシング結果は、マッサージ動作を行っているアクチュエータのセンシングした結果を含む。これにより、サーバは、マッサージ動作中におけるマッサージチェアの動作状況に応じてマッサージ動作を調整できる。
【0025】
(12)好ましくは、センシング結果は、マッサージ動作中にマッサージチェアに着座したユーザの身体から得られるセンシング結果を含む。これにより、マッサージ動作中におけるユーザの状況に応じてマッサージ動作を調整できる。
【0026】
(13)好ましくは、センシング結果を示す信号をサーバに送信することは、センシング結果に関連付けてマッサージチェアの固有の識別情報を送信することを含む。これにより、サーバでは、制御対象のマッサージチェアを識別可能になる。その結果、複数台のマッサージチェアを制御可能となる。
【0027】
(14)好ましくは、無線通信は、移動通信ネットワークを利用した無線通信を含む。また、複数台のマッサージチェアを制御可能になる。
【0028】
(15)実施の形態に係るコンピュータプログラムは、コンピュータをマッサージチェアの端末装置として機能させるプログラムであって、マッサージチェアは、通信回路と、通信回路に接続された、アクチュエータにマッサージ動作を行わせる複数の駆動部と、を有し、プログラムはコンピュータに、マッサージチェアに対するユーザ操作を受け付け、ユーザ操作に基づく信号を、サーバに送信する、ことを含む処理を実行させ、信号は、マッサージチェアを特定可能なデータを含む。
【0029】
これにより、コンピュータを、(9)~(14)のマッサージチェアの操作装置として機能させることができる。
【0030】
<2.サーバ、マッサージチェア、及び、コンピュータプログラムの例>
【0031】
以下の説明において用いる方向の概念は、
図1に示すマッサージ装置1に着座したユーザから見たときの方向の概念と一致するものとし、その他の場合は適宜説明するものとする。また、身体の表裏の定義については、起立したユーザの胸側を「表面」、背中側を「背面」として説明する。
【0032】
[第1の実施の形態]
【0033】
本実施の形態に係るマッサージ装置1は、ユーザが着座して用いるチェア型、つまり、マッサージチェアである。
図1を参照して、マッサージ装置1は、主として、ユーザが着座する座部2と、座部2の後部にリクライニング可能に設けられたユーザが凭れる背凭れ部3と、座部2の前部に上下揺動可能に設けられたユーザの下肢を支持するフットレスト4と、背凭れ部3の上部前面に設けられたユーザの頭及び/又は首を支持する枕部5と、座部2の左右両側には肘掛け部6(アームレスト)と、背凭れ部3の左右両側には側壁部7と、を有している。座部2、背凭れ部3、フットレスト4、枕部5、肘掛け部6、及び側壁部7は、ユーザの身体を支持する身体支持部として機能する。
【0034】
身体支持部2~7の各所には、ユーザの身体に対するマッサージ動作を実行するための動作機構であるマッサージ用ユニットが複数、設けられている。すなわち、座部2の下方には、マッサージ用ユニットであるポンプユニット9が設けられている。
図2を参照して、ポンプユニット9は、ポンプ93、及び、ポンプ93の駆動を制御する駆動回路91を含み、エアマッサージユニット15に対してエアを給排気する。ポンプ93は、ポンプユニット9を動作させるアクチュエータの一例である。駆動回路91は、後述するサーバ30からの制御信号E1に従ってポンプ93の駆動を制御して、エアマッサージユニット15に対するエアの給排気を制御する。
【0035】
エアマッサージユニット15は、それぞれ、電磁弁20A~20Jを含む複数のエアセルによるマッサージ動作を行う動作機構である。エアセルは、エアの給排気により膨張収縮する空気袋であって、エアを給排気することでユーザを押圧することができる。
【0036】
複数のエアセルそれぞれには、ポンプユニット9からのエアが、電磁弁20A~20Jの開閉によって給排気される。電磁弁20A~20Jは、エアマッサージユニット15にマッサージ動作を行わせるアクチュエータの一例である。エアマッサージユニット15は、電磁弁20A,20B,…それぞれを駆動させる駆動回路51A,51B,…を含む。
【0037】
駆動回路51A,51B,…には、後述する通信回路60からの制御信号E1が入力される。駆動回路51A,51B,…は、通信回路60から入力された制御信号E1に従って電磁弁20A,20B,…に対する給排気を制御する。
【0038】
エアマッサージユニット15は、さらに、圧力センサ53を含んでもよい。圧力センサ53は、エアセルの膨張による加圧を検出する。エアセルの膨張による加圧は、エアマッサージユニット15によるマッサージ強さに相当する。圧力センサ53でのセンシング結果を示す信号は、通信回路60からサーバ30に送信される。
【0039】
なお、エアマッサージユニット15は、エアセルに替えて、又は、加えて、バイブレータによるマッサージ動作を行ってもよい。バイブレータは、偏心分銅が回転することでユーザに振動を与えることができる。この場合、エアマッサージユニット15にマッサージ動作を行わせるためのアクチュエータは、例えば、バイブレータを駆動するモータである。
【0040】
図1を参照して、マッサージ装置1は、背凭れ部3にマッサージ用ユニットであるメカマッサージユニット8を有する。メカマッサージユニット8は、後述する揉み動作及び/又は叩き動作を行うマッサージ動作のための動作機構である。メカマッサージユニット8は、ユーザの上半身を後方(背面)からマッサージする。メカマッサージユニット8は、
図1の矢印Aで表された上下方向に移動可能な可動ユニットである。メカマッサージユニット8は、身長方向に沿って複数(本実施形態では1つ)設けられていてもよい。
【0041】
図2を参照して、メカマッサージユニット8は、1又は複数のモータからなるマッサージモータM1を有する。マッサージモータM1は、マッサージ動作を行わせるアクチュエータの一例である。
【0042】
メカマッサージユニット8は、マッサージモータM1を駆動させる駆動回路811を含む。駆動回路811には、後述する通信回路60からの制御信号E1が入力される。駆動回路811は、通信回路60から入力された制御信号E1に従ってマッサージモータM1の駆動を制御する。
【0043】
メカマッサージユニット8は、マッサージ部材として、上下両端部に施療子の設けられた、左右で対をなすアーム(図示せず)を有する。マッサージモータM1は、駆動することにより左右の施療子を近接離反させる揉み動作、及び左右の施療子を交互にユーザ側へ進退させる叩き動作を行わせることができる。
【0044】
メカマッサージユニット8は、昇降モータM2を有する。昇降モータM2は、マッサージ動作を行わせるアクチュエータであるとともに、メカマッサージユニット8を
図1の矢印Aに表されたように移動させるアクチュエータの一例である。
【0045】
メカマッサージユニット8は、昇降モータM2を駆動させる駆動回路812を含む。駆動回路812には、後述する通信回路60からの制御信号E1が入力される。駆動回路812は、通信回路60から入力された制御信号E1に従って昇降モータM2の駆動を制御する。
【0046】
メカマッサージユニット8は、昇降モータM2の駆動により、ラックピニオン等よりなる昇降機構(図示せず)によって、図示しないガイドレール上を移動する。ガイドレールは、背凭れ部3に、身長方向に延設されている。そのため、メカマッサージユニット8は、
図1の矢印Aに示されたように、身長方向に沿って上方又は下方へ移動して、身体に対する位置を変更したり、ローリングマッサージを行わせたりすることができる。
【0047】
メカマッサージユニット8は、ユーザの身体情報を検出するセンサ83を有している。このセンサ83は、アームが所定の揺動位置となったことを検出することで身体情報を得ることができる。具体的に説明すると、メカマッサージユニット8を身長方向に沿って上昇させる過程で、上側の施療子が肩の上方に到達すると、施療子に作用する負荷が解除されて、アームが前方へ揺動して所定の揺動位置となる。アームが所定の揺動位置となったことをセンサ83が検出し、その際のメカマッサージユニット8の上下位置に基づいて肩の位置を検出する。肩の位置を基準として、その他の部位(首、背中、腰等)の位置を計算により求める。センサ83で検出された身体情報を示す信号は、通信回路60からサーバ30に送信される。
【0048】
なお、メカマッサージユニット8は、センサ83に替えて、マッサージモータM1の回転速度を検出する回転検出センサ(図示せず)を有してもよい。回転検出センサは、例えば、光学式センサ、磁気センサ、などであってよい。回転検出センサは、マッサージモータM1の回転速度を検出することで、ユーザの背面のメカマッサージユニット8のある位置が受けるマッサージ強さを間接的に検出する。ユーザの身体が受けるマッサージ強さが、マッサージモータM1の回転速度となって現れるためである。
【0049】
マッサージ装置1は、マッサージ用ユニットであるセンサユニット14を有する。センサユニット14は、センサ41を有する。センサ41は、マッサージ動作の程度や、ユーザの状態を検出する。すなわち、センサ41は、例えば、メカマッサージユニット8の位置や、座部2や背凭れ部3のユーザの有無などを検出する。センサユニット14でのセンシング結果を示す信号は、通信回路60からサーバ30に送信される。
【0050】
マッサージ装置1は、マッサージ用ユニットであるリクライニングユニット18を有する。リクライニングユニット18は、マッサージ動作に従って背凭れ部3の角度を、
図1の矢印Bに表されたように変化させるユニットであり、角度を変化させるアクチュエータ23と、アクチュエータ23を駆動させる駆動回路21とを含む。駆動回路21には、後述する通信回路60からの制御信号E1が入力される。駆動回路21は、通信回路60から入力された制御信号E1に従ってアクチュエータ23の駆動を制御する。
【0051】
マッサージ装置1は、通信回路60を含み、本実施の形態に係るサーバ30と双方向の通信が可能である。サーバ30との通信は無線通信である。これにより、通信線の接続を不要とすることができる。
【0052】
無線通信は、一例として、移動通信システムを用いた通信であって、以降の説明では移動通信システムを用いた通信とする。この場合、通信回路60は、移動通信システムにおける端末装置として機能し、基地局50を介して、バックホール52に含まれるサーバ30と双方向に通信する。すなわち、サーバ30はマッサージ装置1に後述する制御信号E1を送信し、マッサージ装置1はサーバ30に後述するセンシング結果を示す信号を含む信号F1を送信する。
【0053】
好ましくは、移動通信システムは、第5世代以降の移動通信システムである。一例として、第5世代移動通信システム(5G)である。この場合、通信回路と基地局との無線通信は、一例としてグラントフリー(Grant Free)と呼ばれる、通信開始前の通信回路と基地局とのネゴシエーションを行わず、予め規定されたタイムスケジュールの任意のタイミングデータ転送を許可する方式を採用している。これにより、サーバ30に同時に多数の端末が接続可能になる。
【0054】
そのため、マッサージ装置1には、通信回路60が複数含まれ、それぞれがサーバ30と通信可能であってもよい。複数の通信回路60は、一例として、複数のマッサージ用ユニット、及び、センサユニット14それぞれに含まれるものであってもよい。これにより、通信回路60と駆動回路との接続を容易にできる。
【0055】
また、移動通信システムが第5世代移動通信システム(5G)である場合、アンテナ技術によって高速大容量での通信が可能になる。マッサージ装置1が高機能化するほどマッサージ動作が複雑になり、その結果、アクチュエータの複雑な動作が必要となる場合がある。高速通信が可能なことによって、サーバ30は、アクチュエータの複雑な動作を制御可能となり、マッサージ装置1に複雑なマッサージ動作をさせることができる。つまり、高機能なマッサージ装置1も制御可能となる。
【0056】
サーバ30は後述のように、マッサージ装置1でのマッサージ動作を制御する際に、センサからのセンシング結果を用いて制御量などを変化させる(調整する)。高速通信が可能なことによって、サーバ30は、マッサージ装置1から高速にセンシング結果が得られる。また、大容量の通信が可能なことによって、サーバ30は、マッサージ装置1からより多くのセンシング結果が得られる。それにより、サーバ30は、マッサージ装置1に状況に応じた柔軟なマッサージ動作を行わせることが可能になる。
【0057】
図1に示されたように、サーバ30に対しては、タブレット10も、基地局50を介してサーバ30と双方向の通信が可能であってもよい。この場合、タブレット10は、マッサージ装置1の操作装置として機能する。タブレット10は、例えば、スマートフォンや、マッサージ装置1に備え付けて用いられる専用機などの、マッサージ装置1の外部装置で構成されている。マッサージ装置1の外部装置とは、マッサージ装置1とは異なる装置であって、全体がマッサージ装置1の外部に存在する装置を指す。マッサージ装置1の外部に存在することは、マッサージ装置1全体を覆うカバーよりも外側に、全体がマッサージ装置1から離れて存在可能であることであって、マッサージ装置1の制御機構とは別個の、独立した制御機構によって制御されている装置を意味している。
【0058】
マッサージ装置1は、さらに、電源部17を有する。電源部17は、導電線71Aを接続することによって、外部から電力の供給を受ける。電源部17は、供給された電力をマッサージ用ユニットに供給するための電源回路71を含む。なお、電源部17については後述する。
【0059】
図3を参照して、本実施の形態に係るサーバ30は、プロセッサ31とメモリ32とを有するコンピュータで構成される。メモリ32は、一次記憶装置であってもよいし、二次記憶装置であってもよい。
【0060】
メモリ32は、プロセッサ31によって実行されるコンピュータプログラムとして、マッサージプログラム321を記憶している。マッサージプログラム321は、
図3に示されたようにマッサージコースごとの複数のマッサージプログラム(第1コース用プログラムCO1、第2コース用プログラムCO2、…)を代表したものである。
【0061】
マッサージコースは、複数のマッサージ動作の組み合わせと、その実行するタイミングとを規定したものであって、第1コース用プログラムCO1は第1コースのマッサージ動作を、第2コース用プログラムCO2は第2コースのマッサージ動作をマッサージ装置1に実行させるプログラムである。マッサージコースについては、後に具体例を挙げて説明する。
【0062】
メモリ32は、マッサージチェアDB(データベース)322を有する。マッサージチェアDB322は、制御対象とするマッサージ装置、つまり、制御信号E1の送信先とするマッサージ装置に関する情報であるチェア情報を記憶する。マッサージチェアDB322は、
図3に示されたように、複数のマッサージ装置1のチェア情報を記憶している。つまり、サーバ30は、複数のマッサージ装置1を制御対象とすることができる。
【0063】
チェア情報は、一例として、マッサージ装置1のID(Identification)などの固有の識別子と、制御信号E1の送信先と、を含む。好ましくは、チェア情報は、後述するランク情報を含む。制御信号E1の送信先は、各マッサージ装置1に含まれる通信回路60のアクセス情報である。
【0064】
メモリ32は、アプリDB323を有する。アプリDB323は、タブレット10においてマッサージ装置1を操作するためのアプリケーションを実行したときに、タブレット10に操作画面を表示させる画面データを記憶している。画面データは、一例として、第1ランク操作画面SC1、第2ランク操作画面SC2のように、後述するランク別に用意されている。
【0065】
サーバ30は、通信装置33をさらに有する。通信装置33は、マッサージ装置1に含まれる通信回路60との間で移動通信システムを用いた通信を行う。サーバ30は、移動通信システムのバックホール52に含まれ、基地局50を介して通信回路60との間で双方向の通信が可能である。また、タブレット10から信号を受信する。タブレット10からの信号は、マッサージ動作を指示するものである。プロセッサ31は、その信号に応じてメモリ32に記憶されているマッサージプログラム321を実行する。
【0066】
通信装置33は、基地局50を介してマッサージ装置1の通信回路60から信号F1を受信する。受信する信号F1は、マッサージ用ユニットからの信号や、センサユニット14からの信号である。マッサージ用ユニットからの信号は、アクチュエータの駆動状態を示す信号を含む。また、マッサージ用ユニットからの信号は、マッサージ用ユニットに含まれるセンサのセンシング結果を示す信号を含んでもよい。センサユニット14からセンサ41のセンシング結果を示す信号を受信する。プロセッサ31は、実行する処理においてこれら信号を用いる。
【0067】
プロセッサ31は、マッサージプログラム321を実行することによって、動作識別処理311を実行する。動作識別処理311は、通信装置33がタブレット10から受信した信号から、マッサージ装置1に実行させるマッサージコースを識別する処理である。一例として、タブレット10からの信号は、操作画面におけるユーザ操作の位置を表す座標である。この場合、動作識別処理311は、タブレット10に表示されている操作画面と座標とから、指示されたマッサージコースを識別する。
【0068】
プロセッサ31は、マッサージプログラム321を実行することによって、生成処理312を実行する。生成処理312は、動作識別処理311で識別されたマッサージコースに従うマッサージ動作をマッサージ装置1に行わせる制御信号を生成する処理である。生成処理312では、マッサージ装置1のマッサージ用ユニットに含まれる駆動回路に入力する制御信号を生成する。
【0069】
図4を参照して、マッサージプログラム321には、マッサージコースに規定されるマッサージ動作の内容ごとに、動作させるマッサージ用ユニットと、その動作内容とが規定されている。具体例として、
図4を参照すると、第1コース用プログラムCO1は、期間T1に揉み動作(強)、続く期間T2に叩き動作(強)を行うよう規定されている。なお、
図4の例は、ユーザに提示するなどのために概念的に示されたものであって、マッサージプログラム321では、マッサージモータM1のオン、オフ、回転数、回転速度、などの動作するアクチュエータ及び内容と、継続時間と、が規定されていてもよい。
【0070】
生成処理312でプロセッサ31は、実行するマッサージコースに応じて、必要な駆動回路に必要動作を指令する制御信号を生成する。
図4の例では、第1コース用プログラムCO1に従って制御信号E1を生成している。
【0071】
例えば、期間T1については、揉み動作を行わせるために制御信号E1の転送先としての駆動回路811を特定するデータ(例えばID)Q1と、マッサージモータM1のオン、オフ、回転数、回転速度、などの指令を示す信号SG1と、を含む制御信号を生成する。また、期間T2については、叩き動作を行わせるために制御信号E1の転送先としての駆動回路811を特定するデータQ1と、マッサージモータM1のオン、オフ、回転数、回転速度、などの指令を示す信号SG2と、を含む制御信号を生成する。
【0072】
生成処理312は調整処理313を含む。調整処理313は、マッサージ動作中に得られた、各マッサージ用ユニットに含まれるセンサや、センサユニット14に含まれるセンサ41などのセンシング結果に基づいて、生成処理312によって生成された制御信号を調整する処理である。
【0073】
好ましくは、プロセッサ31は、マッサージ動作ごとに、マッサージ装置1に備えられる複数のセンサのうち、調整処理313にセンシング結果を用いるセンサを予め記憶している。これにより、プロセッサ31は、送信した制御信号に従ってマッサージ動作中にマッサージ装置1から得られたセンシング結果のうち、そのマッサージ動作に必要なセンシング結果を用いて、そのマッサージ動作のための制御信号を調整することができる。
【0074】
センシング結果は、一例として、ユーザの肩の位置や腰の位置、及び、又は、筋肉の柔らかさなどの、ユーザの身体をセンシングして得られた身体情報である。プロセッサ31は、生成処理312で、マッサージプログラム321に従って、一般的な位置での叩きや揉みなどのマッサージ動作を行わせる制御信号を生成し、調整処理313において、センシング結果に示されるユーザの肩の位置や腰の位置などに応じて位置を変化させる。
【0075】
図4の例の場合、プロセッサ31は、揉み(強)として予め規定されている駆動量での駆動をマッサージモータM1に行わせる制御信号E1を生成し、通信回路60に送信した後、揉み動作中のセンシング結果を受信すると、そのセンシング結果に基づいて制御信号E1を、揉み動作のための制御信号E1aに変化させる(調整する)。
【0076】
詳しくは、
図4を参照して、生成処理312で、揉み(強)に予め対応付けられている駆動量であるレベル1で駆動させる制御信号E1を生成し、マッサージ装置1に送信する。マッサージ装置1から期間T1内にセンシング結果を示す信号を受信すると、プロセッサ31は調整処理313を実行し、その信号に基づいて、必要に応じてレベルを変更する。例えば、センシング結果が、ユーザの筋肉がより柔らかくなったことを示す結果である場合、一例として、マッサージモータM1の回転数が閾値以上であった場合、調整処理313では、「強」と規定されている揉みの強さの中でレベル1をそれより低いレベル2に低下させるよう制御信号E1を制御信号E1aに調整する。制御信号E1aは、制御信号E1aの転送先としての駆動回路811のIDであるQ1と、レベル2の揉み強さとなるようにマッサージモータM1のオン、オフ、回転数、回転速度、などの指令を示す信号SG1aと、を含む。これにより、
図4に示されたように、マッサージ装置1でのセンシングの後の揉み動作は、レベル2に変化する。
【0077】
プロセッサ31は、マッサージプログラム321を実行することによって、チェア識別処理314を実行する。チェア識別処理314は、通信装置33がタブレット10から受信した信号から、制御対象とするマッサージ装置1を識別する処理である。一例として、タブレット10からの信号は、操作画面におけるユーザ操作の位置を表す座標であって、ユーザが操作の対象として選択したマッサージ装置1を示す座標を含む。この場合、チェア識別処理314は、タブレット10に表示されている操作画面と座標とから、選択されたマッサージ装置1を識別する。
【0078】
他の例として、タブレット10からの信号は、操作対象とするマッサージ装置1のIDを含んでもよい。その場合、チェア識別処理314でプロセッサ31は、タブレット10からの信号より得られたIDを用いてマッサージチェアDB322を検索することによって、選択されたマッサージ装置1を識別する。
【0079】
他の例として、チェア情報は、マッサージ装置1ごとに操作可能なタブレット10を規定していてもよい。この場合、チェア識別処理314でプロセッサ31は、タブレット10からの信号に含まれるタブレット10の識別情報を用いてマッサージチェアDB322を検索することによって、対応するタブレット10と規定されているマッサージ装置1を識別する。
【0080】
プロセッサ31は、マッサージプログラム321を実行することによって、動作制御処理315を実行する。動作制御処理315は、制御対象と識別されたマッサージ装置1に、識別されたマッサージ動作を実行させる処理である。具体的には、プロセッサ31は、生成処理312を実行して生成した制御信号、又は、さらに調整処理313を実行して調整した制御信号を通信装置33に渡し、チェア情報から読み出した送信先である、制御対象のマッサージ装置1の通信回路60に送信させる。
【0081】
このとき、プロセッサ31は、マッサージプログラム321に従うタイミングで制御信号を通信装置33に渡し、マッサージ装置1の通信回路60に送信させる。すなわち、マッサージプログラム321では、マッサージ動作ごとに行うタイミングが規定されており、そのタイミングに従ってマッサージ装置1の通信回路60に制御信号を送信する。これにより、マッサージ装置1では、サーバ30から送信されたタイミングで指示されたマッサージ動作を行うことになる。その結果、マッサージ装置1では、指定されたマッサージコースに従うマッサージ動作が行われる。
【0082】
プロセッサ31は、マッサージプログラム321を実行することによって、画面制御処理316を実行する。画面制御処理316は、通信装置33がタブレット10から受信した信号に応じて、マッサージ装置1を操作するための操作画面をタブレット10に表示させるための処理である。具体的に、プロセッサ31は、アプリDB323から必要な画面データを読み出して通信装置33に渡し、タブレット10に送信させる。
【0083】
好ましくは、画面制御処理316はランク識別処理317を含み、識別されたランクに応じた操作画面を表示させる。ランク識別処理317は、マッサージ動作のランクを識別する処理である。ランクは、マッサージ装置1ごとに、実行可能なマッサージ動作を規定する区分であって、一例として、ランクが高いマッサージ装置1ほど多くのマッサージ動作が実行可能である。ランクは、支払った対価が多いほど高くなる、など、支払った対価や、ユーザの性別や年齢や体格などの属性、などに応じて規定される。
【0084】
プロセッサ31はランク識別処理317で、タブレット10の操作対象とするマッサージ装置1のランクを識別する。一例として、
図3に示されるようにチェア情報はマッサージ装置1ごとに規定されたランクを含む。
【0085】
ランクがマッサージ装置1ごとに規定されている場合、マッサージ装置1ごとに操作画面が異なってもよい。すなわち、マッサージ装置1ごとに、許可されたマッサージ動作が選択可能に表示された操作画面がタブレット10に表示されてもよい。この場合、アプリDB323にはランク別に操作画面が記憶されており、プロセッサ31は、ランク識別処理317で識別したランクに応じた操作画面をアプリDB323から読み出してタブレット10に送信する。
【0086】
図5を参照して、タブレット10は、プロセッサ11とメモリ12とを有するコンピュータで構成される。メモリ12もまた、一次記憶装置であってもよいし、二次記憶装置であってもよい。タブレット10は、移動通信システムを用いた通信を行うための通信装置13をさらに有する。
【0087】
タブレット10は、操作部19と、ディスプレイ16とを備える。これらは一体となったタッチパネルでもよい。操作部19はユーザ操作を受け付けて、操作信号をプロセッサ11に入力する。ディスプレイ16は、プロセッサ11の制御に従う画面表示を行う。
【0088】
メモリ12は、プロセッサ11によって実行されるプログラム121を記憶している。プログラム121は、タブレット10をマッサージ装置1の操作装置として機能させるためのプログラムである。
【0089】
メモリ12は、マッサージチェアDB122を有する。マッサージチェアDB122は、操作対象とするマッサージ装置1の情報であるチェア情報を記憶する。チェア情報は、一例として、マッサージ装置1のIDと、操作に基づく信号を送信するサーバと、を含む。マッサージチェアDB122は、
図5に示されたように、複数のマッサージ装置1のチェア情報を記憶している。つまり、1台のタブレット10を用いて複数のマッサージ装置1が操作可能であってもよい。逆に、1台のマッサージ装置1を、複数のタブレット10が操作可能であってもよい。
【0090】
チェア情報は、一例として、マッサージ装置1から取得してもよい。チェア情報は、例えば、マッサージ装置1にサーバ30のアクセス先が貼付されており、そのアクセス先を読み込んでサーバ30にアクセスすることで得られるものであってもよい。
【0091】
プロセッサ11は、プログラム121を実行することによって画面要求処理111を実行する。画面要求処理111は、サーバ30に対して、マッサージ装置1の操作画面を要求する処理である。プロセッサ11は、一例として、操作部19から、操作対象とするマッサージ装置1を指定して操作開始を要求する操作信号を受け付けることで、画面要求処理111を実行する。
【0092】
プロセッサ11は、操作信号によって指定されたマッサージ装置1に応じたチェア情報から送信先のサーバ30を識別し、サーバ30に操作画面を要求する信号を送信する。その際に、プロセッサ11は、操作対象とするマッサージ装置1を示す信号も送信する。
【0093】
プロセッサ11は、プログラム121を実行することによって動作要求処理112を実行する。動作要求処理112は、サーバ30に対して、マッサージ装置1にマッサージ動作を行わせることを要求する処理である。プロセッサ11は、一例として、操作部19から、マッサージ動作を指定して実行を要求する操作信号を受け付けることで、動作要求処理112を実行する。
【0094】
このとき、タブレット10のディスプレイ16には、画面要求処理111に応じてサーバ30から送信された画面データに基づく操作画面が表示されている。プロセッサ11は、動作要求処理112で、その操作画面に対するユーザ操作を特定する信号をサーバ30に送信する。ユーザ操作を特定する信号は、一例として、操作画面における操作位置(例えばタッチ位置)を示す信号である。操作位置は、例えば、座標で表される。
【0095】
プロセッサ11は、プログラム121を実行することによって画面制御処理113を実行する。画面制御処理113は、サーバ30からの画面データに基づく画面をディスプレイ16に表示させる処理である。
【0096】
図6を用いて、マッサージ装置1の制御方法について説明する。タブレット10をマッサージ装置1の操作装置として機能させるとき、プロセッサ11はプログラム121を実行し、
図7の初期操作画面を表示する。
図7の初期操作画面には、操作対象としてマッサージチェアDB122にチェア情報が記憶されているマッサージ装置1が選択肢として表示されている。この画面において、マッサージ装置1を指定し操作開始を指示するユーザ操作を受け付けることによって、タブレット10は操作画面の要求を受け付ける(ステップS11)。
【0097】
ステップS11で操作画面を要求するユーザ操作を受け付けると、タブレット10からサーバ30に、操作画面の要求が行われる(ステップS13)。このとき、タブレット10からサーバ30には、操作画面を要求する信号とともに、操作対象とするマッサージ装置1のIDが送信される。これにより、サーバ30において複数のマッサージ装置1を制御可能に記憶している場合に、制御対象のマッサージ装置1を識別できる。
【0098】
ステップS13の要求を受けたサーバ30は、操作対象とするマッサージ装置1を識別する(ステップS31)。その際に、操作対象とするマッサージ装置1のランクも識別する。そして、サーバ30は、アプリDB323より、操作対象とするマッサージ装置1のランクに応じた操作画面を選択し(ステップS33)、タブレット10に送信する(ステップS35)。これにより、マッサージ装置1のランクに応じた操作画面をタブレット10に表示させることができる。
【0099】
ステップS35で送信された画面データを受信したタブレット10のディスプレイ16には、
図8のような操作画面が表示される(ステップS15)。一例としてマッサージコース1~3のうちのマッサージコース3が操作対象のマッサージ装置1に許可されていない場合、
図7に表されたように、マッサージコース3を示す「コース3」が選択できない。「コース3」は操作画面に含まれていなくてもよいし、グレーアウトするなどして選択されない状態で表示されてもよい。これにより、マッサージ装置1に許可されたマッサージ動作のみ選択することができる。言い換えると、対価などによって、マッサージ装置1に許可するマッサージ動作を容易に制限することができる。
【0100】
図8の操作画面において、マッサージコースを選択するユーザ操作を受け付けると(ステップS17)、タブレット10からサーバ30に、マッサージ動作の要求が行われる(ステップS19)。このとき、タブレット10からサーバ30には、
図8の操作画面におけるユーザの操作位置を示す信号とともに、操作対象とするマッサージ装置1のIDが送信される。操作位置を示す信号は、一例として座標情報である。
【0101】
ステップS19の要求を受けたサーバ30は、操作対象とするマッサージ装置1を識別するとともに、実行するマッサージコースを識別する(ステップS37)。ステップS19で座標情報が送信された場合、ステップS37でサーバ30は、ステップS35でタブレット10に送信した操作画面データにおける操作位置を特定することで、実行するマッサージコースを識別する。
【0102】
ステップS37でマッサージ装置1とマッサージコースとが識別されると、サーバ30は、そのマッサージ装置1に識別されたマッサージコースのプログラムを実行する(ステップS39)。プログラムの実行に従って、サーバ30では、マッサージ装置1の駆動回路に入力する制御信号を生成し(ステップS91)、送信する処理を行う(ステップS93)。これにより、制御信号がマッサージ装置1に送信される(ステップS41)。
【0103】
ステップS41では、サーバ30からの信号を受信した通信回路60は、制御信号に示されるマッサージ用ユニットの駆動回路に制御信号を渡す。詳しくは、
図9を参照して、サーバ30は、選択されたマッサージコースに指定されるマッサージ動作に応じて、必要な駆動回路のための制御信号(第1の信号)を生成する。
【0104】
例えば、エアマッサージユニット15にいずれかのエアセルを駆動させる場合、駆動させるエアセルの電磁弁の駆動回路を指定した制御信号E11を生成し、通信装置33に通信回路60に送信させる。また、メカマッサージユニット8のマッサージモータM1を駆動させる場合、駆動回路811を指定した制御信号E12を生成し、通信装置33に通信回路60に送信させる。
【0105】
第1の制御信号は、移動通信システムを利用して、制御対象のマッサージ装置1の通信回路60に送信され、対象の制御回路に渡される。
図9の例の場合、制御信号E11は駆動回路51Aに入力される。制御信号E12は駆動回路811に入力される。
【0106】
これら第1の信号は、各マッサージ用ユニットの駆動回路に入力される制御信号であって、メカマッサージユニット8の場合、マッサージモータM1のオン、オフ、回転数、回転速度、などを指示する信号である。エアマッサージユニット15の場合、エアセル20に含まれる電磁弁(図示せず)のオン、オフなどを指示する信号である。
【0107】
各駆動回路は、第1の信号に基づいて第2の信号を、制御するアクチュエータに入力する。第2の信号は、制御するアクチュエータを動作させるための、そのアクチュエータに対して予め規定されている信号である。例えば、エアマッサージユニット15の駆動回路51Aは、第1の信号E11に従って、エアセルの電磁弁20Aのオン、オフ信号を指示する第2の信号E21を電磁弁20Aに出力する。メカマッサージユニット8の駆動回路811は、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)信号などのマッサージモータM1の駆動信号である第2の信号E22をマッサージモータM1に出力する。これにより、マッサージ装置1では、サーバ30が指示したマッサージ動作、つまり、タブレット10を用いてユーザが指示したマッサージ動作が行われる(ステップS51)。
【0108】
マッサージ動作中に、各マッサージ用ユニットに含まれるセンサ、又は、センサユニット14ではセンシングが行われ(ステップS53)、その結果がサーバ30に送信される(ステップS55)。ステップS55でマッサージ装置1は、センシング結果を示す信号とともに、マッサージ装置1のIDも送信する。これにより、サーバ30において複数のマッサージ装置1を制御可能に記憶している場合に、制御対象のマッサージ装置1を識別できる。
【0109】
ステップS55で送信されたセンシング結果を受信したサーバ30では、マッサージプログラムを実行するステップS39の処理において、ステップS91で生成した制御信号を、センシング結果に基づいて調整する処理を実行する(ステップS92)。
【0110】
ステップS92の調整は、例えば、センシング結果がセンサ83で得られたユーザの肩の位置である場合、メカマッサージユニット8の移動距離を肩の位置に応じた距離とするよう昇降モータM2の駆動量を変化させることを含む。また、センシング結果が圧力センサ53で得られたエアセルの内圧である場合、ポンプユニット9の給気量をエアセル20の内圧が適切な内圧となるよう図示しない電磁弁の開閉のタイミングを変化させることを含む。
【0111】
サーバ30でのステップS39のマッサージプログラムの実行中においては、ステップS91,S92,S93が繰り返し行われる。これにより、マッサージ装置1では、タブレット10を用いてユーザが選択したマッサージコースに従うマッサージ動作が行われる。
【0112】
さらに、サーバ30での処理について、
図10のフローチャートを用いて説明する。
図10を参照して、サーバ30のプロセッサ31は、タブレット10からのマッサージ動作の要求を受信すると(ステップS101でYES)、受信した信号から制御対象のマッサージ装置1を識別するとともに(ステップS103)、指示されたマッサージコースを識別する(ステップS105)。以降、識別されたマッサージコースに対応したマッサージプログラム321を実行し、そのプログラムに従って処理を行う。
【0113】
すなわち、プロセッサ31は、マッサージプログラム321に従って、規定された駆動回路に規定された駆動量でアクチュエータを駆動させる制御信号を生成する(ステップS107)。このとき、すでにこのマッサージ動作実行中に得られたセンシング結果が受信されると(ステップS109でYES)、プロセッサ31は、ステップS107で生成した制御信号を調整する(ステップS111)。具体的には、ステップS111でプロセッサ31は、受信したセンシング結果に応じて制御量を変更する。制御量の変更は、例えば、マッサージモータM1の回転数の変更、電磁弁の開閉のタイミングの変更、などである。
【0114】
プロセッサ31は、制御信号をマッサージ装置1に送信する(ステップS113)。ステップS113で、プロセッサ31は、通信装置33に制御信号を渡し、制御対象のマッサージ装置1の通信回路60に基地局50を介して送信させる。
【0115】
プロセッサ31は、一連の処理を、指定されたマッサージコースの完了まで繰り返す(ステップS115でNO)。そして、マッサージコースが終了すると(ステップS115でYES)、一連の処理を終了する。
【0116】
以上の処理が行われることによって、サーバ30においてマッサージコースに従うマッサージ動作を行わせるためのプログラムが実行され、そのプログラムに従って複数のマッサージ動作を行わせるための、複数のマッサージ用ユニットに入力される制御信号がサーバ30において生成される。その制御信号はサーバ30からマッサージ装置1に移動通信用システムを利用し、基地局50を介して送信される。そのため、通信回路60で受信したマッサージ装置1では、受信した制御信号を、指定された駆動回路に渡すことで指定されたマッサージ動作を行わせることができる。
【0117】
これに対して、比較例に係るマッサージ装置1Aは、
図12に示されたように、メイン基板60Bを有する。比較例に係るマッサージ装置1Aでは、メイン基板60Bは、タブレット10やサーバなどから、実行するマッサージコースの指示を受け付ける。
【0118】
比較例に係るメイン基板60Bは、
図12に示されたように、プロセッサ61と、プロセッサ61で実行するマッサージコースに従うマッサージ動作を行わせるためのプログラムを記憶するメモリ62と、を有する。
【0119】
実行するマッサージコースの指示を受け付けると、比較例に係るマッサージ装置1Aでは、メイン基板60Bのプロセッサ61が、指定されたマッサージコースに応じたプログラムをメモリ62から読み出して実行し、各駆動回路に入力する制御信号を生成する。すなわち、比較例に係るマッサージ装置1Aでは、メイン基板60Bが
図10の処理を実行する。
【0120】
本実施の形態に係るサーバ30が
図10の処理を実行するようにしたことで、本実施の形態に係るマッサージ装置1は、比較例に係るマッサージ装置1Aの有するメイン基板60Bを不要とすることができる。上記のように、メイン基板60Bには高い処理能力が要求されるため、高価格である。そのため、マッサージ機の価格上昇を抑えることができる。また、小型化、軽量化も実現できる。
【0121】
[第2の実施の形態]
【0122】
好ましくは、電源部17からマッサージ用ユニットへの電力の供給は、少なくとも1つのマッサージ用ユニットに対しては無線で行われる。マッサージ装置1に、無線通信によって電力供給を受けるマッサージ用ユニットが含まれることによって、マッサージ装置1内部での配線の手間を抑えることができる。そのため、製造が容易になる。また、配線用のスペースを小さくできるため、大型化を抑えることができる。なお、複数のマッサージ用ユニットの中には、電源部17から有線にて電力供給を受けるマッサージ用ユニットが含まれてもよい。
【0123】
一例として、電源部17は、マッサージ装置1の座部2の下方に配置され、同様に座部2の下方に配置されるポンプユニット9の近傍に位置する。
図2に示されたように、ポンプユニット9は電源部17からの電力供給を受けるための受電回路94を有し、受電回路94は電源回路71と導電線で接続されることで、電源回路71から電力の供給を受ける。無線通信での電力供給よりも有線での供給の方が単位時間あたりの電力の供給量が大きい場合、必要電力が大きいポンプユニット9に対して有線の方が単位時間あたりの供給量を大きくできるためである。また、ポンプユニット9は電源部17と近接しているため、配線に手間が大きくない。
【0124】
電源部17は、さらに、電力送信器72と、送電制御部73と、通信回路74と、を有する。通信回路74は、通信回路60から、サーバ30からの制御信号E1を受信する。電力送信器72は、無線通信によってマッサージ用ユニットに電力を供給する。送電制御部73は、サーバ30からの制御信号に基づいて、電力送信器72での電力送信を制御する。
【0125】
マッサージ用ユニットは、無線受電回路を有する。詳しくは、
図2を参照して、センサユニット14は、無線受信回路44を有する。リクライニングユニット18は、無線受電回路24を有する。メカマッサージユニット8は、無線受電回路84を有する。
【0126】
エアマッサージユニット15は、無線受電回路54を有する。
図1に示されたように、エアマッサージユニット15は、座部2、背凭れ部3、フットレスト4、枕部5、肘掛け部6、及び、側壁部7などの各部に配置される。そのため、無線で電力が供給されると、配線を大きく減少させることができる。
【0127】
電力送信器72ではさまざまな無線給電方式採用され得る。例えば、電磁誘導方式、磁界共鳴方式、電界結合方式、及び、電波受信方式などが挙げられる。単一の給電方式で無線給電が行われてもよいし、マッサージ用ユニットとの距離や必要な電力などに応じて複数の電力方式が採用されてもよい。
【0128】
一例として、電波受信方式で給電する場合を例に、
図11を用いて、給電の流れを説明する。無線受電回路については、代表してメカマッサージユニット8の無線受電回路84を説明する。
【0129】
図11を参照して、電源部17の電源回路71は、AC/DC変換回路75を含む。AC/DC変換回路75は、外部から導電線71Aを介して入力された直流電圧を交流電圧に変換する。
【0130】
電力送信器72は、送電回路76とアンテナ77とを含む。送電回路76は、半導体発振器などを含む。送電回路76は、サーバ30からの指令に基づく送信制御部73の制御に従って、AC/DC変換回路75で交流に変換された電力を伝送するための電磁波を発生させる。
【0131】
アンテナ77は、送電回路76で発生した電磁波Eを放射する。電磁波は、例えば2.45GHzのマイクロ波である。
【0132】
無線受電回路84は、アンテナ87を有する。アンテナ87は、アンテナ77から放射された電磁波Eを受信する。
【0133】
無線受電回路84は、さらに、整流回路88と、受電制御部89と、を有する。整流回路88は、アンテナ87により受信された高周波の受信電流を直流電流に変換する。
【0134】
受電制御部89は、通信装置60を介してサーバ30に無線受電回路84が受電可能であるか否かを示す信号を送信してもよい。サーバ30は、この信号を受信することによって、無線受電回路84が受電可能であるか否かに応じて送電制御部73に、送電を指示してもよい。また、サーバ30からの制御信号に従って送電制御部73が受電制御部89から無線受電回路84が受電可能であるか否かを示す信号を取得し、無線受電回路84が受電可能であるか否かに応じて送電を開始するようにしてもよい。
【0135】
メカマッサージユニット8は、さらに、バッテリ85を有する。バッテリ85は、無線受電回路84から出力される電力を蓄電可能である。バッテリ85に蓄電された電力は、駆動回路811などに供給される。
【0136】
駆動電圧が電源部17から受信した電圧と異なる場合、マッサージ用ユニットは電圧を変換するための変換器をさらに含む。
図2及び
図11の場合、メカマッサージユニット8は変換器86を有し、整流回路88から出力される電力は変換器86にて電圧が変換されてバッテリ85に蓄電される。
【0137】
なお、整流回路88から出力される電力は、電圧変換されずにバッテリ85に蓄積されてもよい。その場合、変換器86は、バッテリ85から出力される電力の電圧を変換して駆動回路811などに供給する。この場合も、動作電圧にあった電力が供給されるようになる。
【0138】
さらに、各マッサージ用ユニットに無線での給電が行われることによって、給電用の導電線の配線を抑えることができる。
【0139】
開示されたサーバ30の処理は、上の説明ではプロセッサ31が、マッサージプログラム321を実行することによって実現されるものとしているが、少なくとも一部が回路素子その他のハードウェアによって実現されてもよい。また、タブレット10の処理も、上の説明ではプロセッサ11が、プログラム121を実行することによって実現されるものとしているが、少なくとも一部が回路素子その他のハードウェアによって実現されてもよい。
【0140】
これら処理を実現するプログラム321,121は、コンピュータ読取り可能である非一時的な記録媒体に記録されたプログラム製品として提供されてもよいし、ネットワークを介したダウンロードによって提供されてもよい。
【0141】
プログラム321,121は、サーバ30、タブレット10での処理のためのプログラムコードを有する。プログラム321,121は、格納されたメモリに接続されたプロセッサ31,11によって読み取られ、実行される。
【0142】
プログラム321,121は、アプリケーションプログラムとして提供されてもよいし、その一部または全部が、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)に含まれていてもよい。
【0143】
<3.付記>
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0144】
1 :マッサージ装置
1A :マッサージ装置
2 :座部
3 :背凭れ部
4 :フットレスト
5 :枕部
6 :肘掛け部
7 :側壁部
8 :メカマッサージユニット
9 :ポンプユニット
10 :タブレット
11 :プロセッサ
12 :メモリ
13 :通信装置
14 :センサユニット
15 :エアマッサージユニット
16 :ディスプレイ
17 :電源部
18 :リクライニングユニット
19 :操作部
20 :エアセル
20A :電磁弁
20B :電磁弁
20C :電磁弁
20D :電磁弁
20E :電磁弁
20F :電磁弁
20G :電磁弁
20H :電磁弁
20I :電磁弁
20J :電磁弁
21 :駆動回路
23 :アクチュエータ
24 :無線受電回路
30 :サーバ
31 :プロセッサ
32 :メモリ
33 :通信装置
41 :センサ
44 :無線受信回路
50 :基地局
51 :駆動回路
51A :駆動回路
51B :駆動回路
52 :バックホール
53 :圧力センサ
54 :無線受電回路
60 :通信回路
60B :メイン基板
61 :プロセッサ
62 :メモリ
71 :電源回路
71A :導電線
72 :電力送信器
73 :送電制御部
74 :通信回路
75 :AC/DC変換回路
76 :送電回路
77 :アンテナ
83 :センサ
84 :無線受電回路
85 :バッテリ
86 :変換器
87 :アンテナ
88 :整流回路
89 :無線受電回路
91 :駆動回路
93 :ポンプ
94 :受電回路
111 :画面要求処理
112 :動作要求処理
113 :画面制御処理
121 :プログラム
122 :マッサージチェアDB
311 :動作識別処理
312 :生成処理
313 :調整処理
314 :チェア識別処理
315 :動作制御処理
316 :画面制御処理
317 :ランク識別処理
321 :マッサージプログラム
322 :マッサージチェアDB
323 :アプリDB
811 :駆動回路
812 :駆動回路
A :矢印
B :矢印
CO1 :第1コース用プログラム
CO2 :第2コース用プログラム
E :電磁波
E1 :制御信号
E11 :制御信号(第1の信号)
E12 :制御信号(第1の信号)
E1a :制御信号
E21 :第2の信号
E22 :第2の信号
F1 :信号
M1 :マッサージモータ
M2 :昇降モータ
Q1 :データ
SC1 :第1ランク操作画面
SC2 :第2ランク操作画面
SG1 :信号
SG1a :信号
SG2 :信号
T1 :期間
T2 :期間
【手続補正書】
【提出日】2024-10-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作画面を有する操作装置を操作することで動作するマッサージチェアを制御するサーバであって、
前記マッサージチェアは、
前記マッサージチェアの各部に配置され、ユーザの身体に対するマッサージ動作を実行するための複数のマッサージ用ユニットと、通信回路と、を含み、
前記通信回路は、駆動回路を介して前記複数のマッサージ用ユニットを動作できるように接続されており、
前記マッサージチェアは、複数あり、
マッサージチェアごとに、実行可能なマッサージ動作を規定する区分であるランクが規定されており、
前記ランクが高くなるにつれ、より多くのマッサージ動作が実行可能となるように構成されており、
前記サーバは、
プロセッサと、
前記プロセッサで実行されるマッサージプログラムを記憶するメモリと、を備え、
前記プロセッサは、前記操作装置から受信した信号に応じて、前記マッサージチェアを操作するための操作画面を前記操作装置に表示させるための画面制御処理を実行し、
前記画面制御処理は、
前記ランクを識別するランク識別処理を含み、
前記ランク識別処理によって識別されたランクに応じて、当該マッサージチェアに応じた操作画面を表示させる、ように構成されているサーバ。
【請求項2】
前記プロセッサは前記マッサージプログラムを実行することによって、前記複数のマッサージ用ユニットそれぞれに与えられる制御信号を生成し、
前記制御信号を、無線通信によって前記通信回路に送信するように構成されており、
前記マッサージプログラムは、複数のマッサージ動作の組み合わせと実行のタイミングとを規定するプログラムであって、
前記制御信号を送信することは、前記マッサージプログラムに規定されるマッサージ動作を行わせるタイミングに応じて、前記マッサージ動作を行わせるマッサージ用ユニットに与えられる制御信号を送信することを含む請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記メモリは、複数のマッサージチェアについて、それぞれの有する前記通信回路を制御信号の送信先として記憶し、
前記プロセッサは、前記複数のマッサージチェアのうちの指定されたマッサージチェアについて前記マッサージプログラムを実行して前記制御信号を送信する請求項1又は2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記マッサージチェアの端末装置からマッサージ動作の指示を受信し、
前記プロセッサは、前記複数のマッサージチェアのうちの前記端末装置に対応したマッサージチェアに、前記指示に応じて生成した前記制御信号を送信する請求項3に記載のサーバ。
【請求項5】
コンピュータをマッサージチェアの端末装置として機能させるプログラムであって、
前記マッサージチェアは、
前記マッサージチェアの各部に配置され、ユーザの身体に対するマッサージ動作を実行するための複数のマッサージ用ユニットと、通信回路と、を有し、
前記通信回路は、駆動回路を介して前記複数のマッサージ用ユニットを動作できるように接続されており、
前記マッサージチェアは、複数あり、
マッサージチェアごとに、実行可能なマッサージ動作を規定する区分であるランクが規定されており、
前記ランクが高くなるにつれ、より多くのマッサージ動作が実行可能となるように構成されており、
前記プログラムは、
前記コンピュータに、前記マッサージチェアに対するユーザ操作を受け付け、
前記ユーザ操作に基づく信号を、サーバに送信する、ことを含む処理を実行させ、
前記信号は、前記マッサージチェアを特定可能なデータを含み、
前記データは、前記ランクを識別するランク識別処理によって識別されたランクに応じて、当該マッサージチェアに応じた操作画面を表示させる、ように構成されるコンピュータプログラム。