(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180703
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】支持補助部材及び長尺体支持ユニット
(51)【国際特許分類】
F16L 3/14 20060101AFI20241219BHJP
F16L 3/08 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
F16L3/14 Z
F16L3/08 C
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024186600
(22)【出願日】2024-10-23
(62)【分割の表示】P 2021009447の分割
【原出願日】2021-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000119830
【氏名又は名称】因幡電機産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】山口 悟史
(72)【発明者】
【氏名】豊島 基子
(57)【要約】
【課題】汎用性に優れるとともに長尺体支持具に対して簡単にかつ安定的に取付可能な支持補助部材を実現する。
【解決手段】支持補助部材(1)は、下面(11b)側に突出形成された一対の係止突起(12)を有する支持プレート(10)と、支持プレート(10)に連結部(25)を介して揺動自在に連結されているとともに一対の係止孔(21)を有する保持片(20)とを備える。一対の係止突起(12)が長尺体支持具の支持部に対して長手方向(L)の両側に位置するように支持プレート(10)が支持部に載置された状態で、保持片(20)が連結部(25)で反転されて、係止孔(21)が対応する係止突起(12)に係止される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺体を吊下支持する長尺体支持具の支持部と前記長尺体との間に介装される支持補助部材であって、
前記長尺体の長手方向に沿って延在する支持プレートと、
前記支持プレートの下面側に前記長手方向の一方側に向かう姿勢の片持ち状態で設けられた第一保持片と、
前記支持プレートの下面側に、前記第一保持片よりも長い長さで前記長手方向の他方側に向かう姿勢の片持ち状態で設けられた第二保持片と、
を備える支持補助部材。
【請求項2】
前記第二保持片における根元部分の前記支持プレートからの立ち上がり高さが、前記第一保持片における根元部分の前記支持プレートからの立ち上がり高さよりも高い請求項1に記載の支持補助部材。
【請求項3】
前記第一保持片の先端部に、前記支持プレート側に向かって突出して前記支持部の側縁に係止可能な引掛爪が設けられている請求項1又は2に記載の支持補助部材。
【請求項4】
長尺体を吊下支持する長尺体支持具と、
請求項1から3のいずれか一項に記載の支持補助部材と、を備える長尺体支持ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持補助部材及び長尺体支持ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば空調用配管や排水管等の長尺体を吊下支持するために、長尺体支持具が用いられている。このような長尺体支持具を用いる場合には、当該長尺体支持具の支持部とこれに支持された長尺体との間に支持補助部材が介装される場合がある。支持補助部材は、支持部の長尺体長手方向での支持幅よりも長い支持長さに構成されて、広い支持面積で長尺体を分散支持する。これにより、長尺体を安定した姿勢で支持することができるとともに、長尺体が配管を被覆する保温材を含む場合における保温材の圧壊による保温性能の低下を抑制することができる。
【0003】
このような支持補助部材の一例が、米国特許出願公開第2012/160970号明細書(特許文献1)に開示されている。特許文献1の支持補助部材は、弧状の支持プレート(load distribution plate 20)の下面に一対の係合部(elements 13,14)を有している。そして、その係合部を長尺体支持具(conduit hunger 1)の支持部(lower bracket element 10)に設けられた切欠部(recesses 23,24)に通した上で周方向にスライドさせることで、長尺体支持具の支持部に対して着脱自在となっている。
【0004】
しかし、特許文献1の支持補助部材は、長尺体支持具に取り付ける際、支持補助部材の係合部が支持部の切欠部を通るように周方向の位置合わせをしなければならず、施工に手間取る可能性があった。また、特許文献1の支持補助部材は、支持部に切欠部を有する専用の長尺体支持具と共に使用されることが前提となっている。このため、支持部に切欠部が設けられていない長尺体支持具と共に使用することが不可能又は困難であり、汎用性が低いという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2012/160970号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
汎用性に優れるとともに長尺体支持具に対して簡単にかつ安定的に取付可能な支持補助部材の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る支持補助部材は、
長尺体を吊下支持する長尺体支持具の支持部と前記長尺体との間に介装される支持補助部材であって、
前記長尺体の長手方向に沿って延在するとともに、その幅方向の少なくとも一方側において下面側に突出形成された一対の係止突起を有する支持プレートと、
前記支持プレートの前記幅方向における前記係止突起が設けられた側に連結部を介して揺動自在に連結されているとともに、一対の前記係止突起の離間幅に応じて形成された一対の係止孔を有する保持片と、を備え、
一対の前記係止突起が前記支持部に対して前記長手方向の両側に位置するように前記支持プレートが前記支持部に載置された状態で、前記保持片が前記連結部で前記支持プレートの下面側に反転されて、前記係止孔が対応する前記係止突起に係止される。
【0008】
この構成によれば、支持プレートの下面側に突出形成された一対の係止突起が長尺体支持具の支持部に対して長手方向の両側に位置するように載置されるので、支持部に切欠部が設けられていない長尺体支持具に対しても汎用性高く使用することができる。その後、保持片を支持プレートの下面側に反転させて係止孔を対応する係止突起に係止させるだけで、簡単に、長尺体支持具の支持部に対して支持補助部材を安定的に取り付けることができる。従って、汎用性に優れるとともに長尺体支持具に対して簡単にかつ安定的に取付可能な支持補助部材を実現することができる。
【0009】
一態様として、
前記支持プレートと前記保持片とが前記幅方向に連結されていることが好ましい。
【0010】
この構成によれば、支持プレートの幅方向における係止突起が設けられた側の端部から幅方向に連結部を延ばしてその先に保持片を設けるだけで良い。よって、汎用性に優れるとともに長尺体支持具に対して簡単に取付可能な支持補助部材を、簡素な構造で実現することができる。
【0011】
一態様として、
前記支持プレートは、プレート本体と、前記プレート本体から前記幅方向に延設された延設部と、を有し、
前記延設部と前記保持片とが前記長手方向に連結されていることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、保持片の延在方向(長尺体の長手方向)を包含する仮想面内での保持片の揺動によって、簡単に、係止孔をプレート本体の係止突起に係止させることができる。よって、長尺体支持具に対する取付操作をさらに容易化することができる。
【0013】
本発明に係るもう1つの支持補助部材は、
長尺体を吊下支持する長尺体支持具の支持部と前記長尺体との間に介装される支持補助部材であって、
前記長尺体の長手方向に沿って延在する支持プレートと、
前記支持プレートの下面側に前記長手方向の一方側に向かう姿勢の片持ち状態で設けられた第一保持片と、
前記支持プレートの下面側に、前記第一保持片よりも長い長さで前記長手方向の他方側に向かう姿勢の片持ち状態で設けられた第二保持片と、
を備える。
【0014】
この構成によれば、長手方向に沿う往復スライドによって、第一保持片及び第二保持片と支持プレートとの間の空間に長尺体支持具の支持部を収まらせて、簡単に、長尺体支持具の支持部に対して支持補助部材を安定的に取り付けることができる。支持プレート側の構造だけに基づき、当該支持プレートを往復スライドさせるだけで長尺体支持具の支持部に取り付けられるので、支持部に切欠部が設けられていない長尺体支持具に対しても汎用性高く使用することができる。従って、汎用性に優れるとともに長尺体支持具に対して簡単にかつ安定的に取付可能な支持補助部材を実現することができる。
【0015】
一態様として、
前記第二保持片における根元部分の前記支持プレートからの立ち上がり高さが、前記第一保持片における根元部分の前記支持プレートからの立ち上がり高さよりも高いことが好ましい。
【0016】
この構成によれば、第二保持片の長さが第一保持片よりも長いことと相俟って、第二保持片が撓み変形しやすくなり、長尺体支持具の支持部への支持補助部材の取り付けを容易に行うことができる。また、逆に第一保持片は撓み変形しにくくなり、長尺体支持具の支持部への取付後に、その取付状態を適切に維持することができる。
【0017】
一態様として、
前記第一保持片の先端部に、前記支持プレート側に向かって突出して前記支持部の側縁に係止可能な引掛爪が設けられていることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、第一保持片の先端部に設けられた引掛爪が支持部の側縁に係止されることで、長尺体支持具の支持部からの抜け止めを図ることができる。また、支持部に対して第一保持片の基端側と引掛爪とで長手方向の両側から係止可能として、支持部に対する支持補助部材の長手方向の位置決めを容易かつ適切に行うことができる。
【0019】
本発明に係る長尺体支持ユニットは、
長尺体を吊下支持する長尺体支持具と、
上述したいずれかの支持補助部材と、を備える。
【0020】
この構成によれば、長尺体支持具を用いて長尺体を吊下支持する際に、長尺体支持具に対して簡単にかつ安定的に支持補助部材を取り付けることができる。そして、長尺体支持具と長尺体との間に支持補助部材を介装することで、広い支持面積で長尺体を分散支持することができ、長尺体を安定した姿勢で支持することができる。また、例えば長尺体が配管を被覆する保温材を含む場合に、保温材の圧壊による保温性能の低下を抑制することができる。
【0021】
本発明のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】第1実施形態の長尺体支持ユニットを用いた支持構造の正面図
【
図2】長尺体支持ユニットを用いた支持構造の断面図
【発明を実施するための形態】
【0023】
〔第1実施形態〕
支持補助部材及び長尺体支持ユニットの第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1及び
図2に示すように、本実施形態の長尺体支持ユニット100は、長尺体8を吊下支持するためのユニットであり、長尺体8を吊下支持する長尺体支持具6と、この長尺体支持具6と共に用いられる支持補助部材1とを備えている。支持補助部材1は、長尺体支持具6における長尺体8の支持部61と長尺体8との間に介装されて用いられる。
【0024】
長尺体支持具6は、天井から垂設される吊ボルト90に対して取り付けられ、長尺体8を横架姿勢で吊下支持する。吊ボルト90は、長尺体8の配設方向に沿って配置されている。長尺体8の配設方向に沿う複数箇所に、所定間隔を隔てて複数の吊ボルト90が設置され、それぞれの吊ボルト90に取り付けられた長尺体支持具6により、配設方向の全体に亘って長尺体8が吊下支持されている。
【0025】
長尺体8は、例えば線状体、管状体、及び帯状体等の、一方向に延びる長尺状の構造を有するものである。このような長尺体8としては、例えば配管類や電線類等を例示することができる。本実施形態の長尺体8は、一例として、空調装置用の配管類であり、冷媒経路を形成する金属製の配管部材81と、その周囲を被覆する被覆部材82(ウレタンフォームやグラスウール等からなる保温材ないし断熱材)とを含んでいる。
【0026】
長尺体支持具6は、長尺体8を支持する支持部61と、吊ボルト90に取り付けるための取付部63と、支持部61の上部開口を覆う蓋部65とを備えている。支持部61、取付部63、及び蓋部65は、それぞれ金属製の板状部材で構成されている。
【0027】
支持部61は、略U字状に形成されている。支持部61は、円弧状に湾曲した底部で長尺体8を下方から支持する。取付部63は、リベット等の固着手段を用いて支持部61と一体化されている。取付部63は、吊ボルト90に対して軸方向の異なる位置で係止される一対のフック部を含む。それぞれのフック部が吊ボルト90の外面のネジ山に係止することで、長尺体支持具6の全体が吊ボルト90に取り付けられる。蓋部65は、支持部61に対して開閉自在に連結されている。蓋部65は、支持部61の上部開口を開け放った姿勢(開放姿勢)で、当該支持部61に長尺体8を収容可能となる。支持部61に長尺体8が収容された後は、蓋部65は、支持部61の上部開口を閉じた姿勢(閉止姿勢)となり、長尺体8の抜けを防止する。
【0028】
支持補助部材1は、長尺体支持具6の支持部61に取り付けられて用いられる。支持補助部材1は、長尺体8の長手方向Lにおいて長尺体支持具6の支持部61の支持幅よりも長い支持長さに構成されている。支持補助部材1は、長尺体8の長手方向Lに沿って、支持部61に対して長手方向Lの両側に延出するように配置される。広い支持面積で長尺体8を分散支持することにより、長尺体8を安定した姿勢で支持することができ、また、被覆部材82の圧壊による性能低下を抑制することができる。
【0029】
図3に示すように、支持補助部材1は、支持プレート10と、保持片20とを備えている。これらは、例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ウレタン等の、弾性を有する合成樹脂を用いて一体的に形成されている。
【0030】
支持プレート10は、支持補助部材1の主要部を構成する板状部材であり、長尺体支持具6の支持部61に取り付けられた状態で長尺体8の長手方向Lに沿って延在する。支持プレート10は、その長手方向が長尺体8の長手方向Lに沿うように取り付けられることから、以下の説明では、支持プレート10長手方向も「長手方向L」と表す。また、長手方向Lに直交する支持プレート10の短手方向を「幅方向W」と表す。
【0031】
支持プレート10は、プレート本体11を主体として構成されている。プレート本体11は、平面視(上下方向に見た状態)で矩形状に形成されている。本例では、プレート本体11は、平面視で、四隅の部分が丸みを帯びた長方形状に形成されている。プレート本体11の一方の面である上面11aは、長尺体支持具6に取り付けられた状態で長尺体8が載置される載置面となる。プレート本体11の他方の面である下面11bは、長尺体支持具6に取り付けられた状態で支持部61に受止支持される被支持面となる。
【0032】
支持プレート10は、下面11b側に突出形成された一対の係止突起12を有する。係止突起12は、プレート本体11の下面11bに設けられている。また、係止突起12は、幅方向Wの少なくとも一方側に設けられ、本実施形態では幅方向Wの両側に設けられている。係止突起12は、プレート本体11の側縁から、やや内側に偏倚した位置に設けられている。
【0033】
係止突起12は、柱状の突起本体12Aと、この突起本体12Aの先端部に設けられた鈎状の係止爪12Bとを有する。一対の係止突起12は、それぞれの係止爪12Bが互いに反対側を向くように配向されている。また、一対の係止突起12は、長手方向Lに所定間隔を隔てて配置されている。一対の係止突起12どうしの間の長手方向Lの間隔は、長尺体支持具6の支持部61の支持幅よりも僅かに長く設定されている。このため、一対の係止突起12が支持部61に対して長手方向Lの両側に位置する状態となるように、長尺体支持具6の支持部61に支持補助部材1(支持プレート10)を載置することができる。また、その状態で、長尺体支持具6の支持部61に対して支持補助部材1を長手方向Lに位置決めすることができる。
【0034】
保持片20は、支持プレート10に対して、連結部25を介して揺動自在に連結されている。連結部25は、支持プレート10や保持片20に比べて薄く形成されており、支持プレート10との接続部位を基端として撓み変形することで、その先端側に接続された保持片20が揺動自在となっている。保持片20は、支持プレート10の幅方向Wにおける係止突起12が設けられた側に連結されている。本実施形態では、係止突起12が幅方向Wの両側に設けられていることに対応して、保持片20も幅方向Wの両側に設けられている。
【0035】
本実施形態では、支持プレート10と保持片20とが幅方向Wに連結されている。平面視矩形状のプレート本体11の長辺側の側縁から幅方向Wに沿って連結部25が延びており、その先端側で保持片20に接続されている。保持片20は、連結部25の先端部から長手方向Lに沿って延びている。連結部25と保持片20とは、互いに直交するように連結されており、全体としてL字状に形成されている。本実施形態の保持片20は、長手方向Lに沿う姿勢を維持したまま、連結部25を介して揺動自在となっている。
【0036】
保持片20は、長手方向Lに所定間隔を隔てて形成された一対の係止孔21を有する。一対の係止孔21どうしの間の長手方向Lの間隔は、一対の係止突起12の離間幅に応じて、それに等しく設定されている。このため、一対の係止突起12が支持部61に対して長手方向Lの両側に位置するように支持プレート10が支持部61に載置された状態で、
図4に示すように、連結部25を介して保持片20を支持プレート10の下面11b側に反転させて、それぞれの係止孔21を対応する係止突起12に係止させることができる。
【0037】
係止突起12の先端部には鈎状の係止爪12Bが設けられており、係止突起12の突起本体12Aが係止孔21に挿通されて反対側から係止爪12Bが保持片20の表面に係止することで、その抜け止めが図られる。この状態で、支持プレート10と保持片20とが、それらの間に長尺体支持具6の支持部61を挟持する。これにより、長尺体支持具6と支持補助部材1との間に作用する摺動抵抗により、幅方向Wの位置ずれを生じにくくすることができる。本実施形態では、それが、周方向の異なる位置(支持プレート10における幅方向Wの両側)で実現されるので、摺動抵抗を高めて幅方向Wの位置ずれをさらに生じにくくすることができる。
【0038】
〔第2実施形態〕
支持補助部材及び長尺体支持ユニットの第2実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態の支持補助部材1は、支持プレート10の具体的形状及び支持プレート10と保持片20との連結態様が第1実施形態とは異なっている。以下、本実施形態の支持補助部材1及び長尺体支持ユニット100について、主に第1実施形態との相違点について説明する。なお、特に明記しない点に関しては、第1実施形態と同様であり、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0039】
図5に示すように、本実施形態の支持プレート10は、プレート本体11と、プレート本体11から幅方向Wに延設された延設部14とを有している。本実施形態では、一対の延設部14が、プレート本体11から幅方向Wの両側に延設されている。延設部14は、プレート本体11の長手方向Lの中央部に設けられている。延設部14は、幅方向Wに延びる一対の第一延在部14Aと、長手方向Lに延びて一対の第一延在部14Aどうしを繋ぐ第二延在部14Bとを有する、偏平なコの字状に形成されている。そして、延設部14を構成する第二延在部14Bに、一対の係止突起12が突出形成されている。
【0040】
本実施形態では、支持プレート10(具体的には延設部14)と保持片20とが長手方向Lに連結されている。延設部14の第一延在部14Aと第二延在部14Bとの連結角部から長手方向Lに沿って連結部25が延びており、その先端側で保持片20に接続されている。保持片20は、第二延在部14Bと平行に長手方向Lに沿って延びている。本実施形態の保持片20は、当該保持片20及び連結部25を包含する仮想面内で、揺動自在となっている。
【0041】
本実施形態でも、一対の係止突起12が支持部61に対して長手方向Lの両側に位置するように支持プレート10が支持部61に載置された状態で、連結部25を介して保持片20を支持プレート10の下面11b側に反転させて、それぞれの係止孔21を対応する係止突起12に係止させることができる。そしてその状態で、支持プレート10と保持片20とがそれらの間に長尺体支持具6の支持部61を挟持し、長尺体支持具6と支持補助部材1との間に作用する摺動抵抗により、幅方向Wの位置ずれを生じにくくすることができる。
【0042】
〔第3実施形態〕
支持補助部材及び長尺体支持ユニットの第3実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態の支持補助部材1は、一対の係止突起12及び保持片20を備えておらず、これらに代えて第一保持片30及び第二保持片40を備えている点で第1実施形態とは異なっている。以下、本実施形態の支持補助部材1及び長尺体支持ユニット100について、主に第1実施形態との相違点について説明する。なお、特に明記しない点に関しては、第1実施形態と同様であり、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0043】
図6に示すように、本実施形態の支持補助部材1は、支持プレート10と第一保持片30と第二保持片40とを備えている。これらは、例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ウレタン等の、弾性を有する合成樹脂を用いて一体的に形成されている。第一保持片30及び第二保持片40は、いずれも、支持プレート10を構成するプレート本体11の下面11b側に設けられている。
【0044】
第一保持片30は、支持プレート10の中央部(長手方向L及び幅方向Wの中央部)に設けられている。第一保持片30は、1つだけ設けられている。第一保持片30は、長手方向Lの一方側(
図6における左下側)に向かう姿勢の片持ち状態で設けられている。第一保持片30は、基部31と保持片部32とを有する。基部31は、支持プレート10から下面11b側に立ち上がるように支持プレート10と一体的に形成されている。保持片部32は、基部31と一体的に形成されて長手方向Lの一方側に延びている。第一保持片30は、基部31を根元部分とし、保持片部32における基部31とは反対側の先端部を開放端部とする、弾性アームで構成されている。
【0045】
第一保持片30の先端部(保持片部32の先端部)には、支持プレート10側に向かって突出する引掛爪33が設けられている。引掛爪33は、支持補助部材1が長尺体支持具6の支持部61に取り付けられた際に、支持部61の側縁に係止可能となっている(
図7の下段を参照)。本実施形態では、第一保持片30の基部31と引掛爪33との間の長手方向Lの間隔は、長尺体支持具6の支持部61の支持幅よりも僅かに長く設定されている。このため、第一保持片30の基部31と引掛爪33とが長手方向Lの両側から支持部61の側縁に係止して、長尺体支持具6の支持部61に対して支持補助部材1を長手方向Lに位置決めすることができる。
【0046】
第二保持片40は、支持プレート10の幅方向Wの端部に設けられている。本実施形態では、第二保持片40は2つ設けられており、これら一対の第二保持片40が、支持プレート10の幅方向Wの両端部に分かれて設けられている。一対の第二保持片40は、長手方向Lの他方側(
図6における右上側)に向かう姿勢の片持ち状態で設けられている。長手方向Lに沿う第二保持片40の長さは、第一保持片30の長さよりも長く設定されている。第二保持片40の長手方向Lの配置領域は、第一保持片30の長手方向Lの配置領域を包含している。
【0047】
第二保持片40は、基部41と保持片部42とを有する。基部41は、支持プレート10から下面11b側に立ち上がるように支持プレート10と一体的に形成されている。第二保持片40の基部41は、第一保持片30の先端部(引掛爪33の先端部)から、長尺体支持具6の支持部61の支持幅以上離間した位置に設けられている。保持片部42は、基部41と一体的に形成されて第一保持片30が向かう側とは反対側に延びている。第二保持片40は、基部41を根元部分とし、保持片部42における基部41とは反対側の先端部を開放端部とする、弾性アームで構成されている。
【0048】
第二保持片40の基部41の上下方向に沿う高さ(第二保持片40における根元部分の支持プレート10からの立ち上がり高さ)は、第一保持片30の基部31の上下方向に沿う高さ(第一保持片30における根元部分の支持プレート10からの立ち上がり高さ)よりも高く設定されている。これにより、第二保持片40は、第一保持片30に比べて、高く立ち上がって長く延びるように形成されている。逆に、第一保持片30は、第二保持片40に比べて、低く立ち上がって短く延びるように形成されている。
【0049】
第二保持片40の先端部(保持片部42の先端部)には、先端側に向かうに従って支持プレート10から離間するように傾斜する差込案内部43が設けられている。差込案内部43は、支持補助部材1を長尺体支持具6に取り付ける際に、支持プレート10と第二保持片40との間の空間に長尺体支持具6の支持部61を円滑に収める役割を果たす。
【0050】
本実施形態の支持補助部材1を長尺体支持具6に取り付けるには、以下のようにすれば良い。まず、
図7の上段に示すように、長尺体支持具6の支持部61に対して、第二保持片40の開放端である差込案内部43の側が支持部61を向くとともに、支持プレート10が支持部61の上側を通るように、支持補助部材1をセットする。
【0051】
次に、
図7の上段~中段に示すように、長尺体支持具6の支持部61に対して、長手方向Lに沿って(同図において右向きに)支持補助部材1を挿入する。その際、第二保持片40の差込案内部43の側を先頭にして、支持補助部材1を長手方向Lにスライド移動させて挿入する。このとき、差込案内部43は、先端側に向かうに従って支持プレート10から離間するように傾斜しているため、スライド移動に伴い、支持部61を支持プレート10と第二保持片40との間の空間に円滑に収まらせることができる。また、相対的に高く立ち上がって長く延びる第二保持片40は撓み変形しやすいため、その挿入操作を容易に行うことができる。支持補助部材1は、支持部61が第一保持片30を乗り越え、第二保持片40の基部41が支持部61に対して長手方向Lに当接するまでスライド移動される。
【0052】
次に、
図7の中段~下段に示すように、長尺体支持具6の支持部61に対して、支持補助部材1をそれまでとは逆向きに(同図において左向きに)スライド移動させる。この逆向きのスライド移動に伴い、支持部61を支持プレート10と第一保持片30との間の空間に収納させる。このとき、第一保持片30の先端部にある引掛爪33の支持プレート10側の表面は、先端側に向かうに従って支持プレート10から離間するように傾斜しているため、支持プレート10と第一保持片30との間の空間に支持部61を円滑に収まらせることができる。支持補助部材1は、第一保持片30の基部31が支持部61に対して長手方向Lに当接するまでスライド移動される。
【0053】
第一保持片30の基部31が支持部61に当接した状態で、長手方向Lの反対側では、引掛爪33も支持部61に当接する状態となる。これにより、第一保持片30の基部31と引掛爪33とが長手方向Lの両側から支持部61の側縁に係止して、長尺体支持具6に対して支持補助部材1を長手方向Lに適切に位置決めすることができる。また、第一保持片30は、プレート本体11との間に支持部61を挟持する状態となる。このとき、相対的に低く立ち上がって短く延びる第一保持片30は撓み変形しにくいため、第一保持片30とプレート本体11との間で支持部61を強固に挟持することができる。これにより、長尺体支持具6の支持部61への取付状態を適切に維持することができる。また、摺動抵抗によって幅方向Wの位置ずれを生じにくくすることができ、長尺体支持具6に対して支持補助部材1を幅方向Wにも適切に位置決めすることができる。
【0054】
〔その他の実施形態〕
(1)上記の第1及び第2実施形態では、係止突起12及び保持片20が幅方向Wの両側に設けられている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、係止突起12及び保持片20が幅方向Wの一方側だけに設けられても良い。
【0055】
(2)上記の第3実施形態では、1つの第一保持片30と2つの第二保持片40とが設けられている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば第一保持片30と第二保持片40とが1つずつ設けられても良い。或いは、第一保持片30と第二保持片40とが2つずつ設けられても良い。これら以外にも、第一保持片30及び第二保持片40の個数は適宜変更することができる。
【0056】
(3)上記の各実施形態で説明した支持プレート10の具体的形状はあくまで一例に過ぎず、適宜変更することができる。例えば、プレート本体11の上面11a及び下面11bの少なくとも一方に長手方向Lに沿って延びるリブ部が設けられていても良い。また、幅方向Wの少なくとも一方側に、他の支持プレート10と連結するための連結構造や支持プレート10に長尺体8を拘束するための拘束部材を挿通させる孔部等が設けられていても良い。
【0057】
(4)上述した各実施形態(上記の実施形態及びその他の実施形態を含む;以下同様)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【符号の説明】
【0058】
100 長尺体支持ユニット
1 支持補助部材
6 長尺体支持具
8 長尺体
10 支持プレート
11b 下面
12 係止突起
14 延設部
20 保持片
21 係止孔
25 連結部
30 第一保持片
40 第二保持片
61 支持部
L 長手方向
W 幅方向