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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018071
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】プログラムおよび情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/5258 20140101AFI20240201BHJP
   A63F 13/5252 20140101ALI20240201BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20240201BHJP
   A63F 13/812 20140101ALI20240201BHJP
【FI】
A63F13/5258
A63F13/5252
A63F13/53
A63F13/812 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121138
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】広部 俊哉
(57)【要約】
【課題】ゲームの興趣性を向上させる。
【解決手段】コンピュータを、ゲームの進行を制御する制御部として機能させるプログラムであって、前記制御部は、ユーザの入力操作に基づき、特定空間に配置されたオブジェクトの移動を制御し、前記特定空間のうち、表示させる領域となる視界領域を制御し、前記視界領域の制御態様として、少なくとも第1モードと第2モードとを設定可能であり、所定条件の成立に基づき、前記第1モードと前記第2モードとのうちの一方から他方へ変更可能であり、前記第1モードは、前記オブジェクトの移動に追従させて前記視界領域を移動させる制御態様であり、前記第2モードは、前記オブジェクトの移動に対する前記視界領域の追従性が前記第1モードよりも低い制御態様である。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ゲームの進行を制御する制御部として機能させるプログラムであって、
前記制御部は、
ユーザの入力操作に基づき、特定空間に配置されたオブジェクトの移動を制御し、
前記特定空間のうち、表示させる領域となる視界領域を制御し、
前記視界領域の制御態様として、少なくとも第1モードと第2モードとを設定可能であり、
所定条件の成立に基づき、前記第1モードと前記第2モードとのうちの一方から他方へ変更可能であり、
前記第1モードは、前記オブジェクトの移動に追従させて前記視界領域を移動させる制御態様であり、
前記第2モードは、前記オブジェクトの移動に対する前記視界領域の追従性が前記第1モードよりも低い制御態様である
プログラム。
【請求項2】
前記制御部は、前記所定条件の成立に基づき前記第1モードから前記第2モードへ変更するとともに、前記入力操作の妨げとなり得るエフェクトを前記視界領域に重ねて表示させる
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
ゲームの進行を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
ユーザの入力操作に基づき、特定空間に配置されたオブジェクトの移動を制御し、
前記特定空間のうち、表示させる領域となる視界領域を制御し、
前記視界領域の制御態様として、少なくとも第1モードと第2モードとを設定可能であり、
所定条件の成立に基づき、前記第1モードと前記第2モードとのうちの一方から他方へ変更可能であり、
前記第1モードは、前記オブジェクトの移動に追従させて前記視界領域を移動させる制御態様であり、
前記第2モードは、前記オブジェクトの移動に対する前記視界領域の追従性が前記第1モードよりも低い制御態様である
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラムおよび情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、仮想空間内に仮想カメラを配置し、当該仮想カメラの撮影に基づき画像を生成し、表示させるゲームが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-221211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ゲームにおいては、興趣性の更なる向上が求められていた。
【0005】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、ゲームの興趣性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に示す一実施形態によれば、
コンピュータを、
ゲームの進行を制御する制御部として機能させるプログラムであって、
前記制御部は、
ユーザの入力操作に基づき、特定空間に配置されたオブジェクトの移動を制御し、
前記特定空間のうち、表示させる領域となる視界領域を制御し、
前記視界領域の制御態様として、少なくとも第1モードと第2モードとを設定可能であり、
所定条件の成立に基づき、前記第1モードと前記第2モードとのうちの一方から他方へ変更可能であり、
前記第1モードは、前記オブジェクトの移動に追従させて前記視界領域を移動させる制御態様であり、
前記第2モードは、前記オブジェクトの移動に対する前記視界領域の追従性が前記第1モードよりも低い制御態様である
プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ゲームシステムの概略構成を示す図である。
図2】ゲームシステムの機能的構成を示すブロック図である。
図3】表示画面の一例を示す図である。
図4】ゲーム空間に配置されるテニスコートを示す図である。
図5】表示画面の一例を示す図であって、(a)は相手キャラクタがボールを打った直後の状態を示し、(b)はプレイヤキャラクタがボールを打っている状態を示している。
図6】表示画面の一例を示す図であって、(a)はプレイヤキャラクタが移動可能領域における左端側にいる状態を示し、(b)はプレイヤキャラクタが移動可能領域における前方側にいる状態を示している。
図7】表示画面の一例を示す図であって、相手キャラクタが特定の技を実行した直後の状態を示す図である。
図8】ゲームシステムにおいて実行される制御態様決定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0010】
<ゲームシステムのハードウェア構成>
図1に示すように、本実施形態のゲームシステム1は、複数の端末装置10と、サーバ20とを備えている。
【0011】
端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク2を介して接続される。ネットワーク2は、例えば、インターネット、移動通信システム(例えば、3G、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等)、WiFi(Wireless Fidelity)、ブルートゥース(登録商標)、その他の通信回線、またはこれらの組み合わせ等のいずれによって構成されていてもよい。また、端末装置10とサーバ20との接続は、有線接続であるか無線接続であるかを問わない。
【0012】
サーバ20(換言すると、コンピュータ、情報処理装置)は、例えば、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータであってもよい。サーバ20は、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信IF(インターフェース)24と、入出力IF25と、を備える。サーバ20が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに接続される。
【0013】
プロセッサ21は、サーバ20全体の動作を制御する。プロセッサ21は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)およびGPU(Graphics Processing Unit)等を含み得る。プロセッサ21は、ストレージ23からプログラムを読み出し、メモリ22に展開する。プロセッサ21は、展開したプログラムを実行する。
【0014】
メモリ22は、主記憶装置である。メモリ22は、例えば、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等の記憶装置により構成される。メモリ22は、プロセッサ21がストレージ23から読み出したプログラムおよび各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ21に作業領域を提供する。メモリ22は、プロセッサ21がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0015】
なお、本実施形態においてプログラムとは、ゲームを端末装置10により実現するプログラムであってもよい。また、当該プログラムは、当該ゲームを端末装置10とサーバ20との協働により実現するプログラムであってもよい。なお、端末装置10とサーバ20との協働により実現されるゲームは、一例として、端末装置10において起動されたブラウザ上で実行されるゲームであってもよい。また、当該プログラムは、当該ゲームを複数の端末装置10の協働により実現するプログラムであってもよい。また、各種データには、例えば、ユーザ情報およびゲーム情報などのゲームに関するデータ、および端末装置10とサーバ20との間で送受信される指示や通知が含まれる。
【0016】
ストレージ23は、補助記憶装置である。ストレージ23は、例えば、フラッシュメモリまたはHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置により構成される。ストレージ23には、ゲームに関する各種データが格納される。
【0017】
通信IF24は、サーバ20と端末装置10等との間におけるネットワークを介した各種データの送受信を制御する。
【0018】
入出力IF25は、サーバ20がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであるとともに、サーバ20がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF25は、例えば、マウス、キーボード等の情報入力機器である入力部と、画像を表示出力する機器である表示部とを含み得る。
【0019】
端末装置10(換言すると、コンピュータ、情報処理装置)は、例えば、スマートフォン、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル端末、またはゲーム装置等であってもよい。端末装置10は、携帯端末であってもよい。端末装置10は、ユーザがゲームを実行する際に可搬型の端末であってもよい。
【0020】
端末装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信IF14と、入出力IF15と、入力部17と、表示部18と、を備える。端末装置10が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに接続される。
【0021】
プロセッサ11は、端末装置10全体の動作を制御する。プロセッサ11は、CPU、MPUおよびGPU等を含み得る。プロセッサ11は、ストレージ13からプログラムを読み出し、メモリ12に展開する。プロセッサ11は、展開したプログラムを実行する。
【0022】
メモリ12は、主記憶装置である。メモリ12は、例えば、ROMおよびRAM等の記憶装置により構成される。メモリ12は、プロセッサ11がストレージ13から読み出したプログラムおよび各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ11に作業領域を提供する。メモリ12は、プロセッサ11がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0023】
ストレージ13は、補助記憶装置である。ストレージ13は、例えば、フラッシュメモリまたはHDD等の記憶装置により構成される。ストレージ13には、ゲームに関する各種データが格納される。
【0024】
通信IF14は、端末装置10とサーバ20等との間におけるネットワークを介した各種データの送受信を制御する。
【0025】
入出力IF15は、端末装置10がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであるとともに、端末装置10がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF15は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等を介してデータの入出力を行うこととしてもよい。入出力IF15は、入力部17または表示部18等を含み得る。
【0026】
入力部17は、ユーザによる入力を受け付ける。入力部17は、例えば、タッチパッド等のポインティングデバイスであってもよい。表示部18は、画像を表示する。表示部18は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等であってもよい。端末装置10は、例えば、入力部17と表示部18とを組み合わせた電子部品であるタッチスクリーン16を備える。
【0027】
入力部17は、ユーザの操作(例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作、スワイプ操作、およびフリック操作等)により入力面に対して入力された位置を検知し、検知した位置を示す情報を入力信号として送信する機能を有する。入力部17としてのタッチパネルは、静電容量方式または抵抗膜方式等を採用することができるが、他の方式であってもよい。
【0028】
なお、入力部17は、例えば、キーボード、各種物理ボタン、各種センサ(例えば、加速度センサまたは角速度センサ等)、操作スティック、カメラ、またはマイク等であってもよい。また、表示部18は、例えば、プロジェクタ等であってもよい。
【0029】
<ゲームシステムの機能的構成>
図2は、サーバ20および端末装置10の機能的構成を示すブロック図である。本実施形態におけるサーバ20は、例えば、ゲームを実現するために必要な各種データおよびプログラムを各端末装置10に提供する機能、各端末装置10からゲームに関するデータを収集して管理する機能、ならびに複数の端末装置10間の同期処理を行う機能等を有する。
【0030】
なお、本実施形態において、サーバ20は、ゲームごとに事前に登録されるユーザのアカウントを用い、各ユーザおよび端末装置10を識別する。アカウントの登録方法は特に限定されない。例えば、端末装置10またはパーソナルコンピュータ等の他の装置が、ユーザの操作に基づいて、ユーザのアカウント登録に必要な情報をサーバ20に送信し、サーバ20が、受信した情報に基づいて各ユーザのアカウントを作成および保存することとしてもよい。
【0031】
図2に示すように、サーバ20は、プロセッサ21、メモリ22、ストレージ23、通信IF(インターフェース)24、および入出力IF25等の協働によって、制御部210および記憶部220として機能する。記憶部220は、制御部210が使用する各種データを格納する。各種データとして、例えば、ゲームプログラム221、ゲーム情報222およびユーザ情報223がある。
【0032】
ゲームプログラム221は、ゲームを実現するためのプログラムである。ゲーム情報222およびユーザ情報223は、制御部210がゲームプログラム221を実行するときに参照するデータである。
【0033】
なお、ゲームプログラム221は、サーバ20側で実行するゲームプログラムに加え、端末装置10に送信して端末装置10側で実行するプログラム(後述するゲームプログラム121)を含むこととしてもよい。あるいは、記憶部220が、サーバ20側で実行するゲームプログラム221と、端末装置10側で実行するプログラムとを格納することとしてもよい。
【0034】
ゲーム情報222は、アカウント間で共通の情報である。ゲーム情報222は、例えば、各種ゲーム空間を規定するための情報を含む。ゲーム空間とは、ユーザが操作可能なキャラクタ(以下、「操作キャラクタ」あるいは「プレイヤキャラクタ」ともいう。)のオブジェクトが配置される空間である。また、ゲーム情報222は、例えば、ゲーム空間内に配置される建物や木、石等の背景オブジェクトやノンプレイヤキャラクタ(non player character:NPC)のオブジェクトの配置位置や大きさ、色、形状等、アカウント間で共通のオブジェクトに関する各種設定情報を含む。また、ゲーム情報222は、例えば、ノンプレイヤキャラクタの各種パラメータの設定値等を含む。以下においては、ゲーム空間に配置されたキャラクタのオブジェクトを指して、単に「キャラクタ」ということもある。
【0035】
ユーザ情報223は、ゲームのアカウントごとに管理される情報である。ユーザ情報223は、例えば、操作キャラクタに関する情報、保有資産に関する情報、およびゲームの進行度合いを示す情報等を含む。保有資産として、例えば、ゲーム内通貨、アイテム、キャラクタの装備品等が挙げられる。
【0036】
制御部210は、記憶部220に格納されたゲームプログラム221を実行することにより、ゲームに関する各種処理を制御する。制御部210は、例えば、送受信部211、サーバ処理部212、データ管理部213および同期処理部214を有する。
【0037】
送受信部211は、各種データを送信または受信する。送受信部211は、例えば、各種データおよびプログラムの送信要求や、マルチプレイ機能に対応するための同期処理の要求、同期処理の対象となるデータ等を、各端末装置10から受信し、サーバ処理部212に渡す。また、送受信部211は、サーバ処理部212による制御に従って、同期を取るための指示等を含む各種データやプログラムを、各端末装置10に送信する。
【0038】
本実施形態において、マルチプレイ機能とは、複数のアカウントによるゲーム処理を同期させた状態で進行させる機能である。ゲームシステム1のサーバ20および端末装置10は、ゲームシステム1にログインしているアカウントが同じゲームに複数参加する場合に、マルチプレイ機能に対応するための各種処理を実行する。
【0039】
サーバ処理部212は、端末装置10からの要求等に応じ、ゲームプログラム221に記述された演算処理を実行することで、端末装置10にゲームを提供する。サーバ処理部212は、例えば、マルチプレイ機能に対応するための同期処理の要求や同期処理の対象となるデータを、送受信部211を介して端末装置10から受け取ると、マルチプレイ機能に対応するための同期処理を実行する。また、サーバ処理部212は、ゲーム情報222またはユーザ情報223の送信指示を送受信部211に指令する。さらに、サーバ処理部212は、ゲーム情報222またはユーザ情報223のレコードの追加、更新または削除に関する指示をデータ管理部213に指令する。
【0040】
データ管理部213は、記憶部220に格納されている各種データをサーバ処理部212の指示に従って管理する。データ管理部213は、例えば、サーバ処理部212からの指令に従って、ゲーム情報222またはユーザ情報223を読み出し、送受信部211を介して端末装置10に送信する。また、データ管理部213は、サーバ処理部212からの指令に従って、ゲーム情報222またはユーザ情報223のレコードを、追加、更新または削除する。
【0041】
同期処理部214は、サーバ処理部212からの指令に従って、ゲームのマルチプレイ機能に対応するための同期処理を実行する。同期処理部214は、例えば、サーバ20が複数の端末装置10に対して情報を送信するときに、各端末装置10に同時に情報を送信することで、各端末装置10間で進行するゲームの同期を取る。具体的に、同期処理部214は、各アカウントに対応する端末装置10から所定期間(例えば、一フレーム)内に受信した操作情報を、所定期間ごとに各端末装置10に同時に送信する。操作情報は、端末装置10に入力される操作に関する情報である。同期のタイミングや同期すべき情報は、サーバ処理部212から随時受信することとしてもよい。同期処理を実行することで、一つの端末装置10で入力された操作に起因するゲーム内の事象を、他の端末装置10に同時に反映させることが可能となる。
【0042】
本実施形態における端末装置10は、例えば、ユーザの入力操作を受け付ける入力装置としての機能、およびゲームの画像や音声を出力する出力装置としての機能等を有する。
【0043】
端末装置10は、プロセッサ11、メモリ12、ストレージ13、通信IF14、および入出力IF15等の協働によって、制御部110および記憶部120として機能する。記憶部120は、制御部110が使用する各種データを格納する。各種データとして、例えば、ゲームプログラム121、ゲーム情報122およびユーザ情報123がある。
【0044】
ゲームプログラム121は、端末装置10側でゲームを実現するためのプログラムである。ゲーム情報122およびユーザ情報123は、制御部110がゲームプログラム121を実行するときに参照するデータである。
【0045】
ゲーム情報122は、上述したサーバ20のゲーム情報222と同様の情報を含む。したがって、ここではゲーム情報122の説明を省略する。
【0046】
ユーザ情報123は、端末装置10を使用するユーザのアカウントに関するデータであり、上述したサーバ20のユーザ情報223と同様の情報を含む。したがって、ここではユーザ情報123の説明を省略する。
【0047】
制御部110は、記憶部120に格納されたゲームプログラム121を実行することにより、端末装置10において実行されるゲームに関する各種処理を制御する。制御部110は、例えば、操作受付部111、送受信部112、ゲーム進行部113および表示制御部114を有する。
【0048】
操作受付部111は、入力部17を介してユーザにより入力される操作(以下、「入力操作」ともいう。)を受け付ける。具体的には、操作受付部111は、入力部17に対する入力操作がされた場合に、入力位置の座標および入力操作の種類を検知する。入力操作の種類として、例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作、スワイプ操作、フリック操作、ピンチイン操作およびピンチアウト操作等の、手指等による各種操作が挙げられる。入力操作は、入力部17(例えば、タッチスクリーン16)に物理的に接触する操作に限らず、非接触による操作も含み得る。なお、タッチスクリーン16への接触を終了するタッチオフ操作等のそれまで行っていた入力操作を終了する操作も、入力操作の一態様ということができる。
【0049】
ここで、操作受付部111は、入出力IF15を介して接続された操作機器を用いてされる入力操作についても、入力部17に対する入力操作と同様に受け付けることができる。
【0050】
送受信部112は、各種データを送受信する。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0051】
送受信部112は、ゲーム情報122またはユーザ情報123や、マルチプレイ機能に対応するための同期要求を、サーバ20に送信する。送受信部112は、各種データ、プログラム、およびマルチプレイ機能に対応するための同期のためのデータ等を、サーバ20から受信する。同期のためのデータには、例えば、マルチプレイに参加している各端末装置10間で同期を取るように指示するための同期指示データが含まれる。同期指示データには、例えば、同期対象となるデータおよびそのデータの種類や、同期する時期を特定するためのデータ等が含まれる。
【0052】
送受信部112は、操作受付部111により受け付けられた入力操作に関する操作情報を、サーバ20に送信する。送受信部112は、他の端末装置10において他のユーザにより入力された操作に関する操作情報を、サーバ20から受信する。
【0053】
ゲーム進行部113(制御部)は、ゲームの進行に関する各種処理を実行する。換言すると、ゲーム進行部113は、ゲームの進行を制御する。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0054】
ゲーム進行部113は、ゲーム情報122に含まれるゲーム空間を規定するための情報に基づいて、ゲーム空間(換言すると仮想空間)を規定する。ゲーム進行部113は、ゲーム情報122に含まれるオブジェクトの設定情報に基づいて、ゲーム空間にオブジェクトを配置する。ゲーム進行部113は、ゲーム空間に配置したオブジェクトを制御する。具体的には、ゲーム進行部113は、ゲーム空間内でのオブジェクトの位置、向き、形状、色等を変更することや、オブジェクトに所定の動作を行わせるように、オブジェクトを制御する。
【0055】
ゲーム進行部113は、ゲーム空間のうちユーザに提示する領域を指定するための仮想カメラを規定する。ゲーム進行部113は、ゲーム空間内での仮想カメラの位置および向きを規定することにより、ゲーム空間内に仮想カメラを配置する。ゲーム進行部113は、仮想カメラにより規定される視界領域およびこの視界領域に配置されているオブジェクトを描画した画像を生成するように、表示制御部114に指示する。
【0056】
仮想カメラの位置および向きは、ゲーム空間ごとに適宜決定することができる。例えば、ゲーム進行部113は、特定のオブジェクトの位置や向きを基準とし、特定のオブジェクトが特定の向きで視界領域の中央に位置するように、仮想カメラを配置する。その際、ゲーム進行部113は、特定のオブジェクトに対する方向、距離および角度を用い、仮想カメラの位置や向きを調整する。特定のオブジェクトは、例えば、操作キャラクタやノンプレイヤキャラクタ等の動的なオブジェクトであってもよいし、建物や木、石等の静的なオブジェクトであってもよい。動的なオブジェクトには、各ユーザの操作に基づいてそれぞれ動作する操作キャラクタと、ゲームプログラム121,221に基づいて動作するキャラクタ(例えば、ノンプレイヤキャラクタ、敵キャラクタ等)とが含まれる。
ゲーム進行部113は、仮想カメラの位置や向きを調整し、例えば、操作キャラクタ(プレイヤキャラクタ)の移動に仮想カメラを追従させる。なお、ゲーム進行部113は、ユーザの入力操作に基づいて仮想カメラの位置や向きを制御可能に構成されていてもよい。換言すると、ユーザが仮想カメラの位置や向きを任意に操作可能となっていてもよい。
【0057】
ゲーム進行部113は、操作受付部111により検知された入力位置の座標および入力操作の種類等に基づいて、ユーザの指示内容を解釈する。ゲーム進行部113は、解釈した指示内容等に基づいて、ゲームの進行に関わる各種判定処理を実行する。ゲーム進行部113は、判定処理の結果等に基づいて、オブジェクトや仮想カメラ等を制御しながらゲームを進行する。ゲーム進行部113は、ゲームの進行状況に応じて、ゲーム情報122やユーザ情報123を更新、追加または削除する。
【0058】
表示制御部114は、表示部18に画像を表示させる。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0059】
表示制御部114は、ゲーム空間のうち、ゲーム進行部113が規定する仮想カメラの視野の領域と、その領域に存在するオブジェクトとを描画した画像を生成し、表示部18に表示させる。表示制御部114は、表示部18に表示させる画像に対し、例えば、アイコン、ボタン、各種パラメータを示すメニュー等、ゲームの種々の操作に必要なUI(User Interface)に関わるオブジェクトを重畳して描画することができる。
【0060】
なお、図2に示す端末装置10およびサーバ20の機能は一例にすぎない。端末装置10およびサーバ20の各装置は、他の装置が備える機能の少なくとも一部を備えていてもよい。換言すると、本実施形態において端末装置10が備える機能ブロックの一部または全部をサーバ20が備えていてもよく、サーバ20の備える機能ブロックの一部または全部を端末装置10が備えていてもよい。また、端末装置10およびサーバ20等の各装置は、一体の機器により実現されるものでなくてもよく、例えば、ネットワーク等を介して接続される複数の機器によって実現されてもよい。また、ゲームシステム1は、例えば、端末装置10またはサーバ20のみによって構成されていてもよい。換言すると、ゲームシステム1は、ネットワークを介して接続される複数の機器によって実現されていなくてもよい。
【0061】
<本実施形態に係る処理>
次に、本実施形態に係る処理について説明する。なお、本実施形態では、端末装置10のプロセッサ11が、ゲームシステム1に記憶されているゲームプログラムを実行することによって、後述する各処理を行うものとして説明する。ただし、後述する各処理のうちの少なくとも一部を、プロセッサ11とは別のプロセッサが実行するようにしてもよい。換言すると、本実施形態においてゲームプログラムを実行するコンピュータは、端末装置10およびサーバ20のいずれであってもよく、また、複数の装置の組み合わせにより実現されてもよい。
【0062】
以下では、本実施形態に係る構成をスポーツゲームの1つであるテニスゲームに適用した場合を例に説明する。テニスゲームでは、ユーザは、例えば、ゲーム空間内のプレイヤキャラクタを操作して、プレイヤキャラクタを移動させつつ、対戦相手となるキャラクタとの間でボールを打球させる等の操作を行い、ゲームを進行させることができる。
【0063】
図3は、テニスゲームにおいて、対戦相手との対戦中に表示部18に表示されるテニスコートFを含むゲーム空間30を示す画面例である。ゲーム進行部113は、テニスの試合(すなわち対戦)の開始時に、フィールドとしてのテニスコートFを含むゲーム空間30(換言すると特定空間)の画像を表示部18に表示させる。具体的には、ゲーム空間30内の仮想カメラによって撮影された画像が表示部18に表示される。
【0064】
図4に示すように、ゲーム進行部113は、ゲーム空間内のxyz座標軸において、xy平面上にテニスコートFを配置する。このとき、z軸は、テニスコートFのコート面(換言すると地面)に対する高さ方向となる。図4は、z軸上方からテニスコートFを見たxy平面図である。
【0065】
図3に戻り、ゲーム空間30およびゲーム空間30に重ねて表示されるオブジェクトについて説明する。ゲーム進行部113は、ゲーム空間30におけるオブジェクトの配置を制御する。また、ゲーム進行部113(移動制御部)は、ユーザの入力操作等に基づき、ゲーム空間30に配置されたオブジェクトの移動を制御する。また、ゲーム進行部113(視界制御部)は、ゲーム空間30のうち、表示部18に表示される領域となる視界領域を制御する。表示制御部114は、ゲーム空間30のうち、ゲーム進行部113が規定する仮想カメラの視界領域と、当該視界領域に存在するオブジェクトとを描画した画像を生成し、表示部18に表示させる。ゲーム空間30に配置されるオブジェクトとしては、プレイヤキャラクタ31、相手キャラクタ32およびボール33等がある。
【0066】
また、ゲーム進行部113は、表示制御部114に対し、当該画像に、アイコン、ボタン、各種パラメータを示すメニュー等、ゲームの種々の操作に必要なUI(User Interface)に係るオブジェクトを重畳して描画し、表示部18に表示させるように指示する。当該UIに係るオブジェクトとしては、例えば、ユーザが、プレイヤキャラクタ31に必殺技としてのスーパーショットを実行させる際に操作可能なスーパーショット実行ボタン34や、ユーザが、プレイヤキャラクタ31に打たせるショットの種類を選択する際に操作可能なショット種類選択ボタン35等がある。
【0067】
ゲーム進行部113は、プレイヤキャラクタ31(換言するとプレイヤオブジェクト)をゲーム空間30に配置する。ゲーム進行部113は、操作受付部111を介してのユーザ(換言するとプレイヤ)の入力操作(例えばドラッグ操作)に基づき、プレイヤキャラクタ31を、ゲーム空間30内におけるテニスコートFが配置されている面上において移動させる。また、ゲーム進行部113は、相手キャラクタ32をゲーム空間30に配置する。ゲーム進行部113は、ゲームの進行に応じて、相手キャラクタ32を、ゲーム空間30内におけるテニスコートFが配置されている面上において移動させる。相手キャラクタ32は、プレイヤキャラクタ31の対戦相手となるオブジェクトである。相手キャラクタ32(すなわち他プレイヤキャラクタ)は、他ユーザの入力操作に基づき移動等するものであってもよく、いわゆるノンプレイヤキャラクタ(換言すると、他ユーザの入力操作に基づかずにゲームシステム1によって自動的に移動等するキャラクタ)であってもよい。
【0068】
ここで、テニスコートFのうち、プレイヤキャラクタ31が配置されるコートを自コートF1とし、相手キャラクタ32が配置されるコートを相手コートF2とする。ゲーム進行部113は、プレイヤキャラクタ31を、相手コートF2側を向くように自コートF1に配置し、相手キャラクタ32を、自コートF1側を向くように相手コートF2に配置する。換言すると、ゲーム進行部113は、プレイヤキャラクタ31および相手キャラクタ32を、テニスコートFのネットNを挟んで向かい合うように配置する。なお、向かい合うとは、正面で向かい合う(すなわち正対する)場合に限らず、対角で向かい合う場合等を含む。
【0069】
また、ゲーム進行部113は、ボール33をゲーム空間30に配置する。また、ゲーム進行部113は、ラケット(すなわち対戦で使用する道具の一例)を、プレイヤキャラクタ31および相手キャラクタ32のそれぞれに所持させるようにして、ゲーム空間30に配置する。ゲーム進行部113は、ユーザの入力操作(例えばタップ操作またはフリック操作)に基づきプレイヤキャラクタ31にラケットをスイングさせ、また、ゲームの進行に応じて相手キャラクタ32にラケットをスイングさせ、それらのスイングに応じてゲーム空間30においてボール33を移動させ得る。ボール33は、プレイヤキャラクタ31と相手キャラクタ32とが交互に打ち合う対象となるオブジェクト(換言すると対象物)と言うことができる。
【0070】
以下、相手コートF2側を向いているプレイヤキャラクタ31の前方側を「前」、同後ろ側を「後」、同右手側を「右」、同左手側を「左」、同頭側を「上」、同足側を「下」とする。ゲーム進行部113は、ゲーム空間30では、基本的にプレイヤキャラクタ31(具体的にはプレイヤキャラクタ31の位置座標)を基準とし、仮想カメラの位置や向きを制御する。ゲーム進行部113は、プレイヤキャラクタ31の後方かつ上方の位置に仮想カメラを配置し、かつプレイヤキャラクタ31が視界領域における所定位置(例えば視界領域における略中央部)に位置するように、当該仮想カメラの向きを調整する。図3は、当該仮想カメラによって撮影されて生成された画像が表示部18に表示されている状態を示している。なお、当該画像は、プレイヤキャラクタ31がゲーム空間30における手前側に配置され、相手キャラクタ32がゲーム空間30における奥側に配置された状態で生成されていると言うこともできる。
【0071】
プレイヤキャラクタ31は、ユーザの入力操作に基づき、後述する移動可能領域Sの範囲内で移動可能となっている。ゲーム進行部113は、プレイヤキャラクタ31の移動に合わせて仮想カメラを移動させる。換言すると、ゲーム進行部113は、プレイヤキャラクタ31の移動に伴い、仮想カメラの位置および向きを調整する。これにより、プレイヤキャラクタ31の移動に伴い視界領域が移動(換言すると変動)するようになっている。なお、ゲーム進行部113は、ボール33の移動に伴い視界領域を移動させてもよい。
【0072】
ここで、プレイヤキャラクタ31によるラケットのスイングについて説明する。ゲーム進行部113は、操作受付部111を介してユーザの入力操作(例えばタップ操作またはフリック操作)を受け付けると、プレイヤキャラクタ31にラケットをスイングする動作を行わせる。プレイヤキャラクタ31の周囲には、プレイヤキャラクタ31の位置を中心とする所定範囲の打球可能領域(図示せず)が設定されている。ゲーム進行部113は、プレイヤキャラクタ31の周囲に、打球可能領域に対応する枠状の打球可能範囲表示T(図3参照)を表示させる。なお、打球可能範囲表示Tは、枠状に限らず、塗り潰し表示等の他の態様で表示されるものであってもよい。また、打球可能領域は、略四角形状に限らず、略円形状等の他の形状であってもよい。
【0073】
図5(a)は、相手キャラクタ32がボール33を打ち、相手コートF2から自コートF1に向かってボール33が移動している状態を示している。このとき、ユーザは、打球可能範囲表示Tの範囲内にボール33を収めるように、プレイヤキャラクタ31を移動させる入力操作を行う。また、ユーザは、打球可能範囲表示Tの範囲内にボール33が収まっているタイミングで、プレイヤキャラクタ31にラケットをスイングさせる入力操作を行う。
【0074】
図5(b)は、プレイヤキャラクタ31がラケットでボール33を打ち返している状態を示している。ゲーム進行部113は、ボール33が打球可能領域の範囲内に存在するタイミングでユーザの入力操作(例えばタップ操作またはフリック操作)を受け付けると、プレイヤキャラクタ31にラケットをスイングさせるとともに、ラケットとボール33を衝突させる。
なお、図示を省略するが、ゲーム進行部113は、ボール33が打球可能領域の範囲外に存在するタイミングでユーザの入力操作(例えばタップ操作またはフリック操作)を受け付けると、プレイヤキャラクタ31にラケットをスイングさせるが、ラケットとボール33を衝突させない。すなわち、ラケットを空振りさせる。
【0075】
また、ゲーム進行部113は、ボール33が打球可能領域の範囲内に存在するタイミングでユーザの入力操作(例えばタップ操作またはフリック操作)を受け付けると、プレイヤキャラクタ31にラケットをスイングさせるが、このとき、テニスコートFの地面からのボール33の高さが所定の高さ以下である場合にはラケットとボール33を衝突させ、当該ボール33の高さが所定の高さよりも高い場合にはラケットとボール33を衝突させない(すなわち空振りさせる)ようにしてもよい。
【0076】
(移動可能領域)
本実施形態では、図4に示すように、自コートF1と、自コートF1の周囲(外側)における所定範囲と、がプレイヤキャラクタ31の移動可能領域Sとして設定されている。ユーザは、入力操作を行い、移動可能領域Sの範囲内でプレイヤキャラクタ31を移動させることができる。
【0077】
(ブラインド領域)
プレイヤキャラクタ31と相手キャラクタ32の対戦中(すなわち試合中)は、基本的にプレイヤキャラクタ31を基準とし、仮想カメラの位置や向きが制御される。ゲーム空間30のうち、当該仮想カメラによって撮影されている領域が上述の視界領域であり、当該視界領域は表示部18に表示される。一方、ゲーム空間30のうち、当該仮想カメラによって撮影されていない領域は、表示部18に表示されない。以下、当該領域をブラインド領域(換言すると特定領域)と称する。ブラインド領域は、表示部18に表示されていないが、プレイヤキャラクタ31を移動させた場合には、表示部18に表示され得る領域と言うことができる。
【0078】
図6(a)は、移動可能領域S(図4)における左端側にプレイヤキャラクタ31が位置する状態を示している。このとき、ゲーム空間30における少なくとも右側部分(具体的にはテニスコートFの右側部分を含む部分)がブラインド領域となっている。
図6(b)は、移動可能領域S(図4)における前方側(すなわちネットN付近)にプレイヤキャラクタ31が位置する状態を示している。このとき、ゲーム空間30における少なくとも後ろ側部分(テニスコートFの後ろ側部分を含む部分)がブラインド領域となっている。
【0079】
例えば、図6(a)に示した状態において、相手キャラクタ32がブラインド領域(具体的にはテニスコートFの右側部分を含む領域)に向かってボール33を打った場合、ボール33は、当該ブラインド領域に入ると視認できない状態となる。このとき、プレイヤキャラクタ31を右側に移動させ、当該ブラインド領域を表示部18に表示させることで(すなわち視界領域とすることで)、ユーザは、ボール33を視認可能な状態となる。
【0080】
なお、本実施形態では、視界領域の外側であっても、移動可能領域S(図4)の内側であれば、ユーザは、プレイヤキャラクタ31を移動させることが可能となっている。本実施形態では、ゲーム空間30に、視界領域となり得るが移動可能領域Sとはならない領域(例えば相手コートF2)が存在しているが、視界領域は移動可能領域Sに含まれるように構成されていてもよい。換言すると、視界領域の範囲(大きさ)が、移動可能領域Sの範囲(大きさ)以下となるように構成されていてもよい。
【0081】
ゲーム進行部113は、ユーザの入力操作に基づきプレイヤキャラクタ31を移動させ、プレイヤキャラクタ31の移動に仮想カメラを追従(換言すると追随)させる。ゲーム進行部113(モード制御部)は、ゲーム空間30での仮想カメラ(換言すると視界領域)の制御態様として、少なくとも第1モードと第2モードとを設定可能となっている。なお、第1モードおよび第2モード以外に設定可能なモードが設けられていてもよい。換言すると、ゲーム進行部113は、第1モードと第2モードとを含む複数のモードの中からいずれかのモードを設定可能となっていてもよい。ゲーム進行部113は、設定するモードを、複数のモード間で変更(切り替え)可能となっている。
【0082】
第1モードは、上述のようにプレイヤキャラクタ31の移動に仮想カメラを追従させる制御態様である。換言すると、プレイヤキャラクタ31の移動に追従させて視界領域を移動させる制御態様である。ゲーム進行部113は、プレイヤキャラクタ31と相手キャラクタ32の対戦開始時は、基本的に第1モードを設定する。
なお、第1モードを第1表示態様とし、第1表示態様を設定した場合、ゲーム進行部113は、表示部18における表示態様を、プレイヤキャラクタ31(換言するとオブジェクト)の移動に追従させて視界領域を移動させる表示態様とする、と言うこともできる。
【0083】
第2モードは、プレイヤキャラクタ31の移動に対する仮想カメラの追従性が第1モードよりも低い制御態様である。換言すると、プレイヤキャラクタ31の移動に対する視界領域の移動の追従性が第1モードよりも低い制御態様である。「第1モードよりも追従性が低い制御態様」には、追従性が低い仕様または追従しない仕様があり、それらのうちの少なくとも一方が設定可能であればよい。
なお、第2モードを第2表示態様とし、第2表示態様を設定した場合、ゲーム進行部113は、表示部18における表示態様を、プレイヤキャラクタ31(換言するとオブジェクト)の移動に対する視界領域の移動の追従性が第1モードよりも低い表示態様とする、と言うこともできる。
第1モードよりも低い追従性として、プレイヤキャラクタ31の移動に仮想カメラを追従させない仕様がある。この仕様を第3モード(第2モードに属する)としてもよい。第3モードでは、プレイヤキャラクタ31の移動に追従して視界領域が移動しない。この第3モードは、仮想カメラが固定されると言うこともできる。
また、第1モードよりも低い追従性として、プレイヤキャラクタ31の移動に遅れて仮想カメラを移動させる仕様がある。当該仕様には、例えば、プレイヤキャラクタ31の移動に遅れてプレイヤキャラクタ31の移動方向と同方向に視界領域が移動するモードがある。このモードを第4モード(第2モードに属する)としてもよい。第4モードは、例えば、プレイヤキャラクタ31の移動に遅れて徐々に視界領域が移動するものであってもよく、プレイヤキャラクタ31の移動後、所定時間経過後に、視界領域が一気に移動するものであってもよい。
また、当該仕様には、プレイヤキャラクタ31の移動方向と異なる方向に視界領域が移動することや、視界領域が時々停止することがあり、そのような移動や停止が含まれる結果、プレイヤキャラクタ31の移動に遅れて視界領域が移動するモードがある。このモードを第5モード(第2モードに属する)としてもよい。第5モードは、視界領域が変則的に移動し、結果として、プレイヤキャラクタ31の移動に遅れて視界領域が移動する。
なお、ユーザの入力操作に基づいて仮想カメラの位置や向きを調整可能に構成されている場合、例えば、第1モードでは、ユーザの入力操作に基づき仮想カメラを移動させることが可能であるが、第2モードでは、ユーザの入力操作に対する仮想カメラの追従性が第1モードよりも低くなるように構成されていてもよい。例えば、第2モードでは、ユーザが入力操作した方向(向き)とは異なる方向(向き)に仮想カメラが移動するようになっていてもよい(例えばユーザが仮想カメラを右方向に移動させる入力操作をした場合に、仮想カメラが上方向を向くように制御されてもよい)。
【0084】
例えば対戦式のゲーム等において、対戦相手を妨害する機能として、所定のアイテムを使用し、プレイヤキャラクタを含む視界領域に、妨害オブジェクトを重ねて表示させ、当該プレイヤキャラクタの視認性を低下させることで、ユーザによる入力操作を困難な状態とする手法がある。換言すると、妨害機能として、仮想カメラの視界領域を直接阻害する手法がある。しかし、このような妨害機能はありふれたものとなっており、遊技の興趣を向上させにくいものになっているという事情があった。
【0085】
本実施形態では、そのような事情に鑑み、仮想カメラの視界領域を直接阻害する以外の手法で、妨害機能を実現している。具体的には、ゲーム進行部113が、所定条件の成立に基づき第2モードを設定することで、妨害機能が実現される。
【0086】
ゲーム進行部113は、プレイヤキャラクタ31と相手キャラクタ32の対戦開始時は、基本的に第1モードを設定する。そして、ゲーム進行部113は、所定条件が成立すると、第1モードから第2モードに変更可能(すなわち切替可能)となっている。当該所定条件が成立したと判定される場合の1つとして、ゲームの進行に応じて、相手キャラクタ32に特定の技(具体的には必殺技としてのスーパーショット)を実行させた場合、というものがある。換言すると、他ユーザが、当該他ユーザの端末装置10において、ユーザ(自ユーザ)の端末装置10における視界領域の制御態様の変更(視界領域の制限)に係る入力操作(特定の技を発動させる操作)を行った場合、というものがある。当該入力操作に基づいて相手キャラクタ32に特定の技を実行させた場合、ゲーム進行部113は、所定条件が成立したと判定し、第2モードを設定する。換言すると、第1モードから第2モードに切り替える。
なお、ゲーム進行部113は、所定基準時(例えば対戦開始時)から所定期間(所定時間)が経過した場合に所定条件が成立したと判定し、第2モードを設定してもよい。また、後述するが、ゲーム進行部113は、特定のキャラクタや特定のアイテムが使用された場合に所定条件が成立したと判定し、第2モードを設定してもよい。また、第2モードを設定する際に、例えば特定の技や特定のキャラクタ(アイテム)の種類などに応じて、上述の第3モード~第5モードのうちのいずれを設定するかを決定してもよい。また、第3モード~第5モードの間において(第2モードの中で)、所定条件の成立に基づきモードが切り替わる場合があってもよい。
【0087】
ここで、相手キャラクタ32による特定の技の実行に基づき所定条件が成立し、第2モードが設定される場合について説明する。以下、第2モードが設定されると、仮想カメラが固定され、プレイヤキャラクタ31の移動に仮想カメラが追従しないもの(すなわち第3モードが設定されたもの)とし、説明する。ゲーム進行部113は、所定条件が成立したと判定すると、特定の技を実行した相手キャラクタ32が配置されている相手コートF2における所定位置(具体的には所定の位置座標)に指標を設定するとともに、その指標を基準として仮想カメラを固定する。仮想カメラが固定されると、プレイヤキャラクタ31の移動に対し仮想カメラが追従しない状態となる。すなわち、ユーザの入力操作に基づきプレイヤキャラクタ31は移動するが視界領域は移動しない状態となる。
【0088】
本実施形態では、指標が設定される位置(すなわち仮想カメラの固定基準)に応じて、ゲーム空間30におけるいずれの領域がブラインド領域となるかが決まる、と言うことができる。ここで、図7を用いて、相手コートF2における左側の所定位置に指標が設定された場合について説明する。この場合、テニスコートFの右側部分を含む領域がブラインド領域となる。図7では、特定の技を実行した相手キャラクタ32が、ボール33を右側のブラインド領域に向かって打っている。このとき、ユーザがプレイヤキャラクタ31をブラインド領域側に移動させても、視界領域が移動しないため、ボール33が視認可能な状態とならない。このため、ユーザは、ボール33を視認できない状態で、プレイヤキャラクタ31にラケットをスイングさせる入力操作を行わなければならない。すなわち、ユーザは勘を頼りに入力操作を行わなければならない。これにより、ボール33の打球(すなわちショット)の成功率が低いものとなる。
【0089】
所定条件の成立に基づき第1モードから第2モードに切り替わり、プレイヤキャラクタ31の移動に対する視界領域の追従性が低下するため、ユーザの入力操作が困難なものとなる。このような妨害機能を実行可能とすることで、遊技の興趣を向上させることができる。なお、第2モードが設定された場合、上述の第3モードと第4モード(あるいは第5モード)とでは、第3モード(仮想カメラ固定)の方が妨害としての効果が大きいと言うことができる。ゲーム進行部113は、第2モードを設定する際に、例えば特定の技の強さ等に応じて第3モードとするか第4モード(あるいは第5モード)とするかを決定してもよい。
【0090】
図7では図示を省略しているが、本実施形態では、ゲーム進行部113は、指標に対応する所定の光(換言すると光エフェクト)を表示部18に表示させる。当該所定の光が表示部18に表示されることで、相手キャラクタ32が特定の技を発動していること、すなわちプレイヤキャラクタ31が妨害(すなわち視界の制限)を受けていること、が表示部18を介して報知される。当該所定の光は、仮想カメラの制御態様が第2モードに設定されていることを報知する表示とも言える。また、当該所定の光は、第2モードにおける、仮想カメラが固定される位置(換言すると視界領域の範囲)に関する報知を行う表示とも言える。
なお、ゲーム進行部113は、相手コートF2側(相手キャラクタ32側)ではなく、自コートF1側(プレイヤキャラクタ31側)における所定位置に指標を設定してもよい。また、指標に対応する所定の光は表示部18に表示されずに、内部的な処理(具体的には仮想カメラの固定)のみに用いられるものであってもよい。
また、仮想カメラが第2モードに設定されていること(視界が制限されていること)の報知は、所定の光の表示により実現されるものに限らず、文字(文字列)、図形、記号等の所定の情報の表示により実現されるものであってもよい。また、表示に限らず(表示に加えて)、音により報知されるものであってもよい。例えば、第2モードの開始に伴い第2モードに対応する音(音声、効果音、BGM)が出力されるものであってもよく、第2モードの開始に伴い出力中の音(BGM等)が変化するものであってもよい。
また、当該報知は、第2モードが設定されている間、継続的に実行されるものであってもよく、第2モードが設定されている期間における一部の期間(例えば第2モードの開始時における所定時間)に実行されるものであってもよい(僅かな時間だけ実行されて終了するものであってもよい)。
【0091】
ユーザ(自ユーザ)が、当該ユーザの端末装置10において、他ユーザの端末装置10における視界領域の制御態様の変更に係る入力操作(例えば特定の技を発動させる入力操作としてのスーパーショット実行ボタン34のタップ)を行った場合には、他ユーザの端末装置10において、ゲーム進行部113が、所定条件が成立したと判定し、第2モードを設定する。このとき、他ユーザの端末装置10では、指標に対応する所定の光が表示される。この場合に、ユーザ(特定の技を発動した側、自ユーザ)の端末装置10においても、当該指標に対応する所定の光が表示されてもよい。その場合、ユーザは、他ユーザの端末装置10において、どの位置を基準として仮想カメラが固定されているかを把握でき、それをヒントに、相手にとって不利となるコースを狙ってボール33を打つことができる。
【0092】
図7では、指標が相手コートF2の左側の所定位置に設定された場合を示した。ゲーム進行部113は、指標を設定する位置を、例えば、それまで仮想カメラの追従の基準としていたプレイヤキャラクタ31の位置(例えば左側)と同じ側としてもよい。また、指標を設定する位置を、予め定められた位置(換言すると固定された位置座標)としてもよい。その場合、当該固定された位置座標は、特定の技を発動する側のユーザが、当該ユーザの端末装置10を介して適宜調整可能となっていてもよい。また、ゲーム進行部113は、指標を設定する位置を、例えば、相手コートF2における左側とするか右側とするかをランダムに決定するものであってもよい。また、ゲーム進行部113は、指標を設定する位置を、対戦に使用するキャラクタとして選択されているキャラクタに応じて決定するものであってもよい。
【0093】
また、指標を設定する位置は、特定の技を発動する際に、特定の技を発動する側のユーザが当該ユーザの端末装置10を操作して設定可能となっていてもよい。例えば、ユーザが、スーパーショット実行ボタン34をタップした後に、所定位置をタップすることで、対戦相手の端末装置10において、当該所定位置を基準として仮想カメラが固定されるものであってもよい。
【0094】
図7では、相手コートF2の左側の所定位置に指標が設定され、テニスコートFの右側部分を含む領域がブラインド領域となっている。これは、テニスコートFの右側部分を含む領域がブラインド領域となるように、相手コートF2における左側の所定位置に指標が設定されている、と言うことができる。本実施形態において、テニスコートFの左側部分を含む領域がブラインド領域となるように、相手コートF2における右側の所定位置に指標が設定されてもよい。また、これに限らず、テニスコートFの後方側部分を含む領域あるいはテニスコートFの前方側部分を含む領域がブラインド領域となるように所定位置に指標が設定されてもよい。また、テニスコートFの長手方向(図4に示すY軸方向)に対して斜めとなる領域、例えば、テニスコートFの左前側の部分を含む領域や右後ろ側の部分を含む領域がブラインド領域となるように所定位置に指標が設定されてもよい。
【0095】
本実施形態では、複数のキャラクタの中からいずれのキャラクタをプレイヤキャラクタ31とするかをユーザが選択可能となっている。また、ゲームの進行に応じて(他ユーザの入力操作に基づいて)、相手キャラクタ32として選択(使用)されるキャラクタが変更され得るようになっている。ゲーム進行部113は、例えば、特定のキャラクタ(特定の特性を有するキャラクタ)を相手キャラクタ32とした場合に、所定条件が成立したと判定し、第2モードを設定してもよい。この場合、当該特定のキャラクタの出現とともに、プレイヤキャラクタ31の移動に対する視界領域の追従性が低下する。なお、ゲーム進行部113は、対戦開始時に当該特定のキャラクタを相手キャラクタ32とする場合、対戦開始時から第2モードを設定してもよい。
【0096】
また、ゲーム進行部113は、例えば、特定のアイテムを相手キャラクタ32に使用させた場合に、所定条件が成立したと判定し、第2モードを設定してもよい。この場合、当該特定のアイテムの使用とともに、プレイヤキャラクタ31の移動に対する視界領域の追従性が低下する。
【0097】
(第2モードの終了条件)
ゲーム進行部113は、第2モードの設定中に、第2モードの終了条件(所定条件)が成立したと判定すると、第2モードから第1モードへ切り替える(換言すると第2モードから第1モードへ変更可能である)。第2モードの終了条件としては、所定基準時(例えば、特定の技の発動時、対戦開始時、サーブショット時等)から所定期間(所定時間)が経過した場合や、所定基準時から視界が制限されている(すなわち妨害を受けている)側のキャラクタがショットを打った回数が所定回数に達した場合、等がある。また、ゲーム進行部113は、視界の妨害を解除可能な所定の技が実行された場合や、視界の妨害を解除可能な所定のアイテムが使用された場合に、第2モードから第1モードへ切り替えてもよい。なお、ゲーム進行部113は、第2モードの設定中に、第2モードの残り時間を報知するカウントダウン表示や第2モードの残り時間を示唆可能なエフェクトなどの、第2モードの終了タイミングを報知する所定の表示を表示させてもよい。
【0098】
また、ゲーム進行部113は、所定条件の成立に基づき第2モードを設定するとともに、ユーザの入力操作の妨げとなり得るエフェクト(すなわち妨害エフェクト)を視界領域に重ねて表示させてもよい。具体的には、ゲーム進行部113は、視界領域における少なくともブラインド領域側の所定範囲(換言すると視界領域とブラインド領域の境界部分を含む所定範囲)に、妨害エフェクトを重ねて表示させてもよい。妨害エフェクトは、テニスコートF、プレイヤキャラクタ31、ボール33等のオブジェクトよりも表示上の優先度が高く設定されており、妨害エフェクトが表示されることで、それらのオブジェクトの視認性が低下し得る。妨害エフェクトとしては、例えば、黒色の塗り潰し表示である暗闇がある。
【0099】
第2モードにおいて、妨害エフェクト(例えば暗闇)が表示されると、ブラインド領域に加え、妨害エフェクトが表示されている範囲においても、プレイヤキャラクタ31等が視認できない状態となる。よって、ユーザは、入力操作においてさらに勘に頼らなければならず(勘への依存度が増大し)、ユーザの入力操作がより困難なものとなる(妨害の効果がより大きいものとなる)。これにより、プレイヤキャラクタ31を移動させ、ボール33を打ち返すことがより困難となり、ショットの成功率をさらに低下させ得る。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
【0100】
次に、図8を参照して、端末装置10で実行される処理の1つである、仮想カメラの制御態様決定処理について説明する。図8は、仮想カメラの制御態様決定処理の流れを示すフローチャートである。当該フローチャートの開始時点において、プレイヤキャラクタ31と相手キャラクタ32との対戦が開始されるものとする。本実施形態では、プレイヤキャラクタ31と相手キャラクタ32との対戦中に仮想カメラの制御態様決定処理が実行されるようになっている。
【0101】
ゲーム進行部113は、ゲーム空間30での仮想カメラの制御態様として、第1モードを設定する(ステップS1)。
【0102】
次に、ゲーム進行部113は、所定条件が成立したか否か判定する(ステップS2)。ステップS2において、所定条件が成立したと判定した場合(ステップS2:YES)、ゲーム進行部113は、ゲーム空間30での仮想カメラの制御態様を、第1モードから第2モードに切り替える(ステップS3)。一方、ステップS2において、所定条件が成立していない判定した場合(ステップS2:NO)、ステップS2の処理を繰り返す。
【0103】
次に、ゲーム進行部113は、第2モードの終了条件が成立したか否か判定する(ステップS4)。ステップS4において、第2モードの終了条件が成立したと判定した場合(ステップS4:YES)、ゲーム進行部113は、ゲーム空間30での仮想カメラの制御態様を、第2モードから第1モードに切り替える(ステップS5)。そして、ステップS5の処理の後、ステップS2に戻る。一方、ステップS4において、所定条件が成立していない判定した場合(ステップS4:NO)、ステップS4の処理を繰り返す。
【0104】
(ダブルス)
本実施形態ではシングルスの対戦について説明したが、ダブルスの対戦も可能である。ダブルスのように、2人のキャラクタが1チームとなってチーム同士が対戦する場合、ゲーム進行部113は、対戦中に、基本的に4人のキャラクタが視界領域に含まれるように(すなわち表示部18に表示されるように)仮想カメラを制御する。この制御態様を、上述の第1モードに代えて第1´モードと称してもよい。第1´モードでは、ゲーム進行部113は、例えば、テニスコートFの左右方向中央部であって、自コートF1の後方かつ上方となる位置に仮想カメラを配置し、テニスコートFの全体が表示されるように仮想カメラの向きを調整する。
【0105】
ゲーム進行部113は、ダブルスの対戦中に所定条件が成立したと判定した場合、第1´モードから第2モードに切り替える。ゲーム進行部113は、シングルスの場合と同様に、所定位置に指標を設定し、当該指標を基準として仮想カメラを固定する。換言すると、シングルスの場合と同様の妨害機能を実行する。これにより、テニスコートFの所定部分を含む領域がブラインド領域となる(例えば図7)。本実施形態では、少なくとも第2モードでは、所定のブラインド領域が生じるように視界領域が設定される、と言うことができる。換言すると、第1´モードから第2モードへの切り替えに伴い視界領域が狭くなるように制御される。なお、第1モードから第2モードへの切り替えに伴い視界領域が狭くなるように制御されてもよい。
【0106】
本実施形態に係る構成は、テニスゲーム以外のゲームにも適用可能である。例えば、本実施形態に係る構成は、プレイヤキャラクタ等のオブジェクトを移動させて試合を行う、卓球、バドミントン、バレーボール等のスポーツゲームに適用可能である。また、キャラクタ同士を対戦させて勝敗を決める格闘ゲームや、キャラクタにアクションを起こさせ、敵キャラクタを攻撃させたり、敵キャラクタの攻撃を回避させたり等しながらゲームを進行させるアクションゲーム等に適用可能である。
【0107】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。本発明はその発明の範囲内において、各構成要素の自由な組み合わせ、任意の構成要素の変形、または任意の構成要素の省略等が可能である。また、本明細書において説明した処理の流れはあくまで一例であり、各処理の順序や構成は異なるものであってもよい。
【0108】
<付記>
以上の実施形態で説明した事項は、以下の付記のようにも記載され得る。
【0109】
(付記1)
コンピュータを、
ゲームの進行を制御する制御部として機能させるプログラムであって、
前記制御部は、
ユーザの入力操作に基づき、特定空間に配置されたオブジェクトの移動を制御し、
前記特定空間のうち、表示させる領域となる視界領域を制御し、
前記視界領域の制御態様として、少なくとも第1モードと第2モードとを設定可能であり、
所定条件の成立に基づき、前記第1モードと前記第2モードとのうちの一方から他方へ変更可能であり、
前記第1モードは、前記オブジェクトの移動に追従させて前記視界領域を移動させる制御態様であり、
前記第2モードは、前記オブジェクトの移動に対する前記視界領域の追従性が前記第1モードよりも低い制御態様である
プログラム。
このような構成によれば、第2モードに設定されると、オブジェクトの移動に対する視界領域の追従性が低下するため、ユーザの入力操作が困難なものとなる。このような妨害機能を実行可能とすることで、遊技の興趣を向上させることができる。
【0110】
(付記2)
前記制御部は、前記所定条件の成立に基づき前記第1モードから前記第2モードへ変更するとともに、前記入力操作の妨げとなり得るエフェクトを前記視界領域に重ねて表示させる
付記1に記載のプログラム。
このような構成によれば、ユーザの入力操作の妨げとなり得るエフェクトが視界領域に重ねて表示されるため、ユーザの入力操作がより困難なものとなる。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
【0111】
(付記3)
ゲームの進行を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
ユーザの入力操作に基づき、特定空間に配置されたオブジェクトの移動を制御し、
前記特定空間のうち、表示させる領域となる視界領域を制御し、
前記視界領域の制御態様として、少なくとも第1モードと第2モードとを設定可能であり、
所定条件の成立に基づき、前記第1モードと前記第2モードとのうちの一方から他方へ変更可能であり、
前記第1モードは、前記オブジェクトの移動に追従させて前記視界領域を移動させる制御態様であり、
前記第2モードは、前記オブジェクトの移動に対する前記視界領域の追従性が前記第1モードよりも低い制御態様である
情報処理システム。
このような構成によれば、付記1に記載のプログラムと同様の作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0112】
1 ゲームシステム、2 ネットワーク、10 端末装置、11 プロセッサ、12 メモリ、13 ストレージ、14 通信IF、15 入出力IF、16 タッチスクリーン、17 入力部、18 表示部、20 サーバ、21 プロセッサ、22 メモリ、23 ストレージ、24 通信IF、25 入出力IF、30 ゲーム空間、31 プレイヤキャラクタ、32 ノンプレイヤキャラクタ、33 ボール、34 スーパーショット実行ボタン、35 ショット種類選択ボタン、110 制御部、111 操作受付部、112 送受信部、113 ゲーム進行部(制御部)、114 表示制御部、120 記憶部、121 ゲームプログラム、122 ゲーム情報、123 ユーザ情報、210 制御部、211 送受信部、212 サーバ処理部、213 データ管理部、214 同期処理部、220 記憶部、221 ゲームプログラム、222 ゲーム情報、223 ユーザ情報、F テニスコート、F1 自コート、F2 相手コート、N ネット、S 移動可能領域、T 打球可能範囲表示
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