(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001809
(43)【公開日】2024-01-10
(54)【発明の名称】半導体装置及び半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
H01L 29/786 20060101AFI20231227BHJP
H10B 12/00 20230101ALI20231227BHJP
【FI】
H01L29/78 618B
H01L29/78 626A
H01L29/78 618C
H01L29/78 613B
H01L27/108 671A
H01L27/108 671Z
H01L27/108 621C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100703
(22)【出願日】2022-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119035
【弁理士】
【氏名又は名称】池上 徹真
(74)【代理人】
【識別番号】100141036
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 章
(74)【代理人】
【識別番号】100178984
【弁理士】
【氏名又は名称】高下 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】藤井 章輔
(72)【発明者】
【氏名】野田 光太郎
【テーマコード(参考)】
5F083
5F110
【Fターム(参考)】
5F083AD03
5F083AD24
5F083GA02
5F083GA06
5F083GA11
5F083GA27
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5F110NN02
5F110NN22
5F110NN23
5F110NN35
5F110QQ19
(57)【要約】
【課題】トランジスタ特性の優れた半導体装置を提供する。
【解決手段】実施形態の半導体装置は、第1の電極と、第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に設けられ、第1の電極と第2の電極とを結ぶ第1の方向と交差する第2の方向に延びるゲート電極と、ゲート電極に対し、第1の絶縁層と、第1の絶縁層との間にゲート電極が設けられた第2の絶縁層と、ゲート電極を囲むゲート絶縁層と、ゲート絶縁層を囲む酸化物半導体層であって、ゲート絶縁層と第1の電極との間の第1の領域と、ゲート絶縁層と第2の電極との間の第2の領域と、ゲート絶縁層と第1の絶縁層との間の第3の領域と、ゲート絶縁層と第2の絶縁層との間の第4の領域と、を含み、第1の領域の第1の厚さ及び第2の領域の第2の厚さが、第3の領域の第3の厚さ又は第4の領域の第4の厚さの少なくともいずれか一方の厚さ以下である、酸化物半導体層と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電極と、
第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられ、前記第1の電極と前記第2の電極とを結ぶ第1の方向と交差する第2の方向に延びるゲート電極と、
前記ゲート電極に対し、前記第1の方向及び前記第2の方向に交差する第3の方向に設けられた第1の絶縁層と、
前記ゲート電極に対し、前記第3の方向に設けられ、前記第1の絶縁層との間に前記ゲート電極が設けられた第2の絶縁層と、
前記ゲート電極を囲むゲート絶縁層であって、前記ゲート電極と前記第1の電極との間に設けられた第1の部分と、前記ゲート電極と前記第2の電極との間に設けられた第2の部分と、前記ゲート電極と前記第1の絶縁層との間に設けられた第3の部分と、前記ゲート電極と前記第2の絶縁層との間に設けられた第4の部分と、を含むゲート絶縁層と、
前記ゲート絶縁層を囲む酸化物半導体層であって、前記第1の部分と前記第1の電極との間の第1の領域と、前記第2の部分と前記第2の電極との間の第2の領域と、前記第3の部分と前記第1の絶縁層との間の第3の領域と、前記第4の部分と前記第2の絶縁層との間の第4の領域と、を含み、前記第1の領域の第1の厚さ及び前記第2の領域の第2の厚さが、前記第3の領域の第3の厚さ又は前記第4の領域の第4の厚さの少なくともいずれか一方の厚さ以下である、酸化物半導体層と、
を備える半導体装置。
【請求項2】
前記第1の厚さ及び前記第2の厚さは、前記第3の厚さ又は前記第4の厚さの少なくともいずれか一方の厚さよりも薄い、請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1の厚さ及び前記第2の厚さは、前記第3の厚さ及び前記第4の厚さよりも薄い、請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1の厚さ及び前記第2の厚さは、前記第3の厚さ又は前記第4の厚さの少なくともいずれか一方の厚さの80%以下である、請求項1記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1の部分の第5の厚さ及び前記第2の部分の第6の厚さは、前記第3の部分の第7の厚さ及び前記第4の部分の第8の厚さよりも薄い請求項1記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第5の厚さ及び前記第6の厚さは、前記第7の厚さ及び前記第8の厚さの80%以下である請求項5記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1の部分の第5の厚さと前記第2の部分の第6の厚さは異なる、請求項1記載の半導体装置。
【請求項8】
前記酸化物半導体層は、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)、及び亜鉛(Zn)からなる群から選ばれる少なくとも一つの元素と、酸素(O)を含む、請求項1記載の半導体装置。
【請求項9】
前記ゲート絶縁層は、シリコン(Si)及び酸素(O)を含む第1の膜と、前記第1の膜と前記ゲート電極との間に設けられシリコン(Si)及び窒素(N)を含む第2の膜と、を含む請求項1記載の半導体装置。
【請求項10】
請求項1記載の半導体装置と、
前記第1の電極又は前記第2の電極に電気的に接続されたキャパシタと、
を備える半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置及び半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
酸化物半導体層にチャネルを形成する酸化物半導体トランジスタは、オフ動作時のチャネルリーク電流が極めて小さいという優れた特性を備える。このため、例えば、酸化物半導体トランジスタを、Dynamic Random Access Memory(DRAM)のメモリセルのスイッチングトランジスタに適用することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、トランジスタ特性の優れた半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体装置は、第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられ、前記第1の電極と前記第2の電極とを結ぶ第1の方向と交差する第2の方向に延びるゲート電極と、前記ゲート電極に対し、前記第1の方向及び前記第2の方向に交差する第3の方向に設けられた第1の絶縁層と、前記ゲート電極に対し、前記第3の方向に設けられ、前記第1の絶縁層との間に前記ゲート電極が設けられた第2の絶縁層と、前記ゲート電極を囲むゲート絶縁層であって、前記ゲート電極と前記第1の電極との間に設けられた第1の部分と、前記ゲート電極と前記第2の電極との間に設けられた第2の部分と、前記ゲート電極と前記第1の絶縁層との間に設けられた第3の部分と、前記ゲート電極と前記第2の絶縁層との間に設けられた第4の部分と、を含むゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層を囲む酸化物半導体層であって、前記第1の部分と前記第1の電極との間の第1の領域と、前記第2の部分と前記第2の電極との間の第2の領域と、前記第3の部分と前記第1の絶縁層との間の第3の領域と、前記第4の部分と前記第2の絶縁層との間の第4の領域と、を含み、前記第1の領域の第1の厚さ及び前記第2の領域の第2の厚さが、前記第3の領域の第3の厚さ又は前記第4の領域の第4の厚さの少なくともいずれか一方の厚さ以下である、酸化物半導体層と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図3】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図4】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図5】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図6】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図7】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図8】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図9】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図10】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図11】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図12】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図14】第1の実施形態の半導体装置の作用及び効果の説明図。
【
図15】第1の実施形態の第1の変形例の半導体装置の模式断面図。
【
図16】第1の実施形態の第2の変形例の半導体装置の模式断面図。
【
図17】第2の実施形態の半導体記憶装置の等価回路図。
【
図18】第2の実施形態の半導体記憶装置の模式断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明では、同一又は類似の部材などには同一の符号を付し、一度説明した部材などについては適宜その説明を省略する場合がある。
【0008】
また、本明細書中、便宜上「上」、「下」、「上部」、又は「下部」という用語を用いる場合がある。「上」、「下」、「上部」、又は「下部」とはあくまで図面内での相対的位置関係を示す用語であり、重力に対する位置関係を規定する用語ではない。
【0009】
本明細書中の半導体装置及び半導体記憶装置を構成する部材の化学組成の定性分析及び定量分析は、例えば、二次イオン質量分析法(Secondary Ion Mass Spectrometry:SIMS)、エネルギー分散型X線分光法(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy:EDX)、ラザフォード後方散乱分析法(Rutherford Back-Scattering Spectroscopy:RBS)により行うことが可能である。また、半導体装置及び半導体記憶装置を構成する部材の厚さ、部材間の距離、結晶粒径等の測定には、例えば、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)を用いることが可能である。
【0010】
(第1の実施形態)
第1の実施形態の半導体装置は、第1の電極と、第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に設けられ、第1の電極と第2の電極とを結ぶ第1の方向と交差する第2の方向に延びるゲート電極と、ゲート電極に対し、第1の方向及び第2の方向に交差する第3の方向に設けられた第1の絶縁層と、ゲート電極に対し、第3の方向に設けられ、第1の絶縁層との間にゲート電極が設けられた第2の絶縁層と、ゲート電極を囲むゲート絶縁層であって、ゲート電極と第1の電極との間に設けられた第1の部分と、ゲート電極と第2の電極との間に設けられた第2の部分と、ゲート電極と第1の絶縁層との間に設けられた第3の部分と、ゲート電極と第2の絶縁層との間に設けられた第4の部分と、を含むゲート絶縁層と、ゲート絶縁層を囲む酸化物半導体層であって、第1の部分と第1の電極との間の第1の領域と、第2の部分と第2の電極との間の第2の領域と、第3の部分と第1の絶縁層との間の第3の領域と、第4の部分と第2の絶縁層との間の第4の領域と、を含み、第1の領域の第1の厚さ及び第2の領域の第2の厚さが、第3の領域の第3の厚さ又は第4の領域の第4の厚さの少なくともいずれか一方の厚さ以下である、酸化物半導体層と、を備える。
【0011】
図1及び
図2は、第1の実施形態の半導体装置の模式断面図である。
図2は、
図1のAA’断面図である。
【0012】
第1の実施形態の半導体装置は、トランジスタ100である。トランジスタ100は、酸化物半導体にチャネルが形成される酸化物半導体トランジスタである。トランジスタ100において、チャネルが形成される酸化物半導体層がゲート電極を囲んで設けられる。トランジスタ100は、いわゆる縦型トランジスタである。
【0013】
トランジスタ100は、下部電極12、上部電極14、酸化物半導体層16、ゲート電極18、ゲート絶縁層20、第1の絶縁層22、及び第2の絶縁層24を備える。酸化物半導体層16は、第1の領域16a、第2の領域16b、第3の領域16c、及び第4の領域16dを含む。ゲート絶縁層20は、第1の部分20a、第2の部分20b、第3の部分20c、及び第4の部分20dを含む。
【0014】
下部電極12は、第1の電極の一例である。上部電極14は、第2の電極の一例である。
【0015】
下部電極12から上部電極14に向かう方向が第1の方向である。第2の方向は、第1の方向と交差する。第3の方向は、第1の方向及び第2の方向と交差する。
【0016】
例えば、第2の方向は第1の方向に対して垂直である。また、例えば、第3の方向は第1の方向及び第2の方向に対して垂直である。
【0017】
図1において、上下方向が第1の方向である。
図1において、左右方向が第3の方向である。
図2において、上下方向が第2の方向である。
図2において、左右方向が第3の方向である。
【0018】
下部電極12は、酸化物半導体層16及びゲート電極18の下に設けられる。下部電極12は、酸化物半導体層16に電気的に接続される。下部電極12は、例えば、酸化物半導体層16に接する。下部電極12は、トランジスタ100のソース電極又はドレイン電極として機能する。
【0019】
下部電極12は、導電体である。下部電極12は、例えば、酸化物導電体を含む。下部電極12は、例えば、インジウム(In)、スズ(Sn)、及び酸素(O)を含む。下部電極12は、例えば、酸化インジウムスズを含む。下部電極12は、例えば、酸化インジウムスズ層である。
【0020】
下部電極12は、例えば、金属を含む。下部電極12は、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、又はタンタル(Ta)を含む。下部電極12は、例えば、窒化タングステン、窒化チタン、窒化タンタル、又は炭化タンタルを含む。下部電極12は、例えば、タングステン層、モリブデン層、銅層、アルミニウム層、チタン層、タンタル層、窒化タングステン層、窒化チタン層、窒化タンタル層、又は炭化タンタル層である。
【0021】
下部電極12は、例えば、複数の導電体の積層構造を有していても構わない。下部電極12は、例えば、酸化物導電体層と金属層との積層構造である。例えば、下部電極12の酸化物半導体層16の側の表面が酸化物導電体層である。
【0022】
上部電極14は、酸化物半導体層16及びゲート電極18の上に設けられる。上部電極14は、酸化物半導体層16に電気的に接続される。上部電極14は、例えば、酸化物半導体層16に接する。上部電極14は、トランジスタ100のソース電極又はドレイン電極として機能する。
【0023】
上部電極14は、導電体である。上部電極14は、例えば、酸化物導電体を含む。上部電極14は、例えば、インジウム(In)、スズ(Sn)、及び酸素(O)を含む。上部電極14は、例えば、酸化インジウムスズを含む。上部電極14は、例えば、酸化インジウムスズ層である。
【0024】
上部電極14は、例えば、金属を含む。上部電極14は、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、又はタンタル(Ta)を含む。上部電極14は、例えば、窒化タングステン、窒化チタン、窒化タンタル、又は炭化タンタルを含む。上部電極14は、例えば、タングステン層、モリブデン層、銅層、アルミニウム層、チタン層、タンタル層、窒化タングステン層、窒化チタン層、窒化タンタル層、又は炭化タンタル層である。
【0025】
上部電極14は、例えば、複数の導電体の積層構造を有していても構わない。上部電極14は、例えば、酸化物導電体層と金属層との積層構造である。例えば、上部電極14の酸化物半導体層16の側の表面が酸化物導電体層である。
【0026】
下部電極12と上部電極14とは、例えば、同一の材料で形成される。下部電極12及び上部電極14は、例えば、インジウム(In)、スズ(Sn)、及び酸素(O)を含む酸化物導電体である。下部電極12及び上部電極14は、例えば、酸化インジウムスズを含む。下部電極12及び上部電極14は、例えば、酸化インジウムスズ層である。
【0027】
ゲート電極18は、下部電極12と上部電極14との間に設けられる。ゲート電極18は、第2の方向に延びる。
図1に示すように、ゲート電極18は、第1の方向及び第3の方向に平行な断面において、酸化物半導体層16に囲まれる。
【0028】
ゲート電極18は、導電体である。ゲート電極18は、例えば、金属、金属化合物、又は半導体である。ゲート電極18は、例えば、タングステン(W)を含む。ゲート電極18は、例えば、タングステン層である。
【0029】
ゲート電極18の第1の方向の長さは、例えば、20nm以上100nm以下である。
【0030】
第1の絶縁層22は、ゲート電極18に対し第3の方向に設けられる。第1の絶縁層22は、例えば、下部電極12と上部電極14との間に設けられる。第1の絶縁層22は、例えば、酸化物半導体層16に接する。
【0031】
第1の絶縁層22は、絶縁体である。第1の絶縁層22は、例えば、酸化物、窒化物、又は酸窒化物である。第1の絶縁層22は、例えば、シリコン(Si)及び酸素(O)を含む。第1の絶縁層22は、例えば、酸化シリコンを含む。第1の絶縁層22は、例えば、酸化シリコン層である。
【0032】
第2の絶縁層24は、ゲート電極18に対し第3の方向に設けられる。第1の絶縁層22と第2の絶縁層24との間にゲート電極18が設けられる。第2の絶縁層24は、例えば、下部電極12と上部電極14との間に設けられる。第2の絶縁層24は、例えば、酸化物半導体層16に接する。
【0033】
第2の絶縁層24は、絶縁体である。第2の絶縁層24は、例えば、酸化物、窒化物、又は酸窒化物である。第2の絶縁層24は、例えば、シリコン(Si)及び酸素(O)を含む。第2の絶縁層24は、例えば、酸化シリコンを含む。第2の絶縁層24は、例えば、酸化シリコン層である。
【0034】
ゲート絶縁層20は、下部電極12と上部電極14との間に設けられる。
図1に示すように、ゲート絶縁層20は、第1の方向及び第3の方向に平行な断面において、ゲート電極18を囲む。ゲート絶縁層20は、酸化物半導体層16とゲート電極18との間に設けられる。
【0035】
ゲート絶縁層20は、下部電極12と離隔する。ゲート絶縁層20は、上部電極14と離隔する。
【0036】
ゲート絶縁層20は、第1の部分20a、第2の部分20b、第3の部分20c、及び第4の部分20dを含む。第1の部分20aは、ゲート電極18と下部電極12との間に設けられる。第2の部分20bは、ゲート電極18と上部電極14との間に設けられる。第3の部分20cは、ゲート電極18と第1の絶縁層22との間に設けられる。第4の部分20dは、ゲート電極18と第2の絶縁層24との間に設けられる。
【0037】
ゲート絶縁層20は、例えば、酸化物、窒化物、又は酸窒化物である。ゲート絶縁層20は、例えば、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、窒化シリコン、窒化アルミニウム、窒化ハフニウム、酸窒化シリコン、又は酸窒化ハフニウムを含む。ゲート絶縁層20は、例えば、酸化シリコン層、酸化アルミニウム層、酸化ハフニウム層、窒化シリコン層、窒化アルミニウム層、窒化ハフニウム層、酸窒化シリコン層、又は酸窒化ハフニウム層である。ゲート絶縁層20は、例えば、2種以上の膜の積層構造であっても構わない。
【0038】
ゲート絶縁層20の厚さは、例えば、2nm以上10nm以下である。
【0039】
第1の部分20aの第5の厚さ(
図1中のt5)、第2の部分20bの第6の厚さ(
図1中のt6)、第3の部分20cの第7の厚さ(
図1中のt7)、及び第4の部分20dの第8の厚さ(
図1中のt8)は、例えば、等しい。
【0040】
例えば、第1の部分20aの第5の厚さt5は、第2の部分20bの第6の厚さt6と異なる。
【0041】
酸化物半導体層16は、下部電極12と上部電極14との間に設けられる。酸化物半導体層16は、例えば、下部電極12に接する。酸化物半導体層16は、例えば、上部電極14に接する。
【0042】
図1に示すように、酸化物半導体層16は、第1の方向及び第3の方向に平行な断面において、ゲート電極18及びゲート絶縁層20を囲む。
【0043】
酸化物半導体層16には、トランジスタ100のオン動作時に、電流経路となるチャネルが形成される。
【0044】
酸化物半導体層16は、第1の領域16a、第2の領域16b、第3の領域16c、及び第4の領域16dを含む。第1の領域16aは、ゲート絶縁層20の第1の部分20aと下部電極12との間に設けられる。第2の領域16bは、ゲート絶縁層20の第2の部分20bと上部電極14との間に設けられる。第3の領域16cは、ゲート絶縁層20の第3の部分20cと第1の絶縁層22との間に設けられる。第4の領域16dは、ゲート絶縁層20の第4の部分20dと第2の絶縁層24との間に設けられる。
【0045】
酸化物半導体層16は、酸化物半導体である。酸化物半導体層16は、例えば、アモルファスである。
【0046】
酸化物半導体層16は、例えば、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)、及び亜鉛(Zn)からなる群から選ばれる少なくとも一つの元素と、酸素(O)を含む。酸化物半導体層16は、例えば、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、及びスズ(Sn)からなる群から選ばれる少なくとも一つの元素と、亜鉛(Zn)と、酸素(O)を含む。酸化物半導体層16は、例えば、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)及び酸素(O)を含む。酸化物半導体層16は、例えば、酸化インジウムガリウム亜鉛を含む。酸化物半導体層16は、例えば、酸化インジウムガリウム亜鉛層である。
【0047】
酸化物半導体層16は、例えば、下部電極12の化学組成、及び、上部電極14の化学組成と異なる化学組成を有する。
【0048】
酸化物半導体層16は、例えば、酸素空孔を含む。酸化物半導体層16の中の酸素空孔は、ドナーとして機能する。
【0049】
第1の領域16aの第1の厚さ(
図1中のt1)及び第2の領域16bの第2の厚さ(
図1中のt2)は、第3の領域16cの第3の厚さ(
図1中のt3)又は第4の領域16dの第4の厚さ(
図1中のt4)の少なくともいずれか一方の厚さ以下である。
【0050】
例えば、第1の領域16aの第1の厚さt1及び第2の領域16bの第2の厚さt2は、第3の領域16cの第3の厚さt3又は第4の領域16dの第4の厚さt4の少なくともいずれか一方の厚さよりも薄い。
【0051】
例えば、第1の領域16aの第1の厚さt1及び第2の領域16bの第2の厚さt2は、第3の領域16cの第3の厚さt3又は第4の領域16dの第4の厚さt4の少なくともいずれか一方の厚さの80%以下である。
【0052】
例えば、第1の領域16aの第1の厚さt1及び第2の領域16bの第2の厚さt2は、第3の領域16cの第3の厚さt3及び第4の領域16dの第4の厚さt4の厚さよりも薄い。
【0053】
例えば、第1の領域16aの第1の厚さt1及び第2の領域16bの第2の厚さt2は、第3の領域16cの第3の厚さt3及び第4の領域16dの第4の厚さt4の厚さの80%以下である。
【0054】
第1の領域16aの第1の厚さt1及び第2の領域16bの第2の厚さt2は、例えば、1nm以上10nm以下である。第3の領域16cの第3の厚さt3及び第4の領域16dの第4の厚さt4は、例えば、5nm以上15nm以下である。
【0055】
次に、第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例について説明する。
【0056】
【0057】
以下、下部電極12が酸化インジウムスズ層、上部電極14が酸化インジウムスズ層、酸化物半導体層16が酸化インジウムガリウム亜鉛層、ゲート電極18がタングステン層、ゲート絶縁層20が窒化シリコン層、第1の絶縁層22が酸化シリコン層、第2の絶縁層24が酸化シリコン層である場合を例に説明する。
【0058】
最初に、図示しない基板の上に、第1の酸化インジウムスズ膜31及び第1の酸化シリコン膜32を形成する。第1の酸化インジウムスズ膜31及び第1の酸化シリコン膜32は、例えば、Chemical Vapor Deposition法(CVD法)により形成する。
【0059】
第1の酸化インジウムスズ膜31は、最終的に下部電極12となる。また、第1の酸化シリコン膜32の一部は、最終的に第1の絶縁層22の一部及び第2の絶縁層24の一部となる。
【0060】
次に、第1の酸化シリコン膜32に設けた開口部に、第1の酸化インジウムガリウム亜鉛膜33を埋め込む(
図3)。開口部は、例えば、リソグラフィ法、及び、Reactive Ion Etching法(RIE法)を用いて形成する。また、第1の酸化インジウムガリウム亜鉛膜33は、例えば、CVD法により形成する。その後、例えば、Chemical Mechanical Polishing法(CMP法)により、第1の酸化シリコン膜32の上面の第1の酸化インジウムガリウム亜鉛膜33を除去する。
【0061】
第1の酸化インジウムガリウム亜鉛膜33は、最終的に酸化物半導体層16の一部となる。
【0062】
次に、第1の酸化シリコン膜32及び第1の酸化インジウムガリウム亜鉛膜33の上に、第1の窒化シリコン膜34、タングステン膜35、第2の窒化シリコン膜36、及び第2の酸化シリコン膜37を、この順に形成する(
図4)。第1の窒化シリコン膜34、タングステン膜35、第2の窒化シリコン膜36、及び第2の酸化シリコン膜37は、例えば、CVD法により形成する。
【0063】
第1の窒化シリコン膜34の一部は、最終的にゲート絶縁層20の一部となる。タングステン膜35の一部は、最終的にゲート電極18となる。第2の窒化シリコン膜36一部は、最終的にゲート絶縁層20の一部となる。
【0064】
次に、第2の酸化シリコン膜37をパターニングする(
図5)。第2の酸化シリコン膜37のパターニングは、例えば、リソグラフィ法、及び、RIE法を用いて行う。
【0065】
次に、パターニングされた第2の酸化シリコン膜37をマスクに、第2の窒化シリコン膜36、タングステン膜35、及び第1の窒化シリコン膜34をエッチングする(
図6)。第2の窒化シリコン膜36、タングステン膜35、及び第1の窒化シリコン膜34のエッチングは、例えば、RIE法を用いて行う。
【0066】
次に、タングステン膜35の側面に第3の窒化シリコン膜38を形成する(
図7)。第3の窒化シリコン膜38の形成は、例えば、CVD法による膜の堆積と、RIE法を用いた全面エッチバックにより行う。第3の窒化シリコン膜38は、最終的にゲート絶縁層20の一部となる。
【0067】
次に、第3の酸化シリコン膜39を形成する(
図8)。第3の酸化シリコン膜39は、例えば、CVD法により形成する。第3の酸化シリコン膜39の一部は、最終的に第1の絶縁層22及び第2の絶縁層24となる。
【0068】
次に、第3の酸化シリコン膜39の表面を平坦化する(
図9)。第3の酸化シリコン膜39の表面の平坦化は、例えば、CMP法により行う。
【0069】
次に、第3の酸化シリコン膜39に開口部40を形成する(
図10)。開口部40は、例えば、リソグラフィ法、及び、RIE法を用いて形成する。
【0070】
次に、開口部40に、第2の酸化インジウムガリウム亜鉛膜41を埋め込む(
図11)。第2の酸化インジウムガリウム亜鉛膜41は、CVD法による膜の形成とCMP法による平坦化により開口部40に埋め込む。
【0071】
次に、第2の酸化インジウムガリウム亜鉛膜41の上に、第2の酸化インジウムスズ膜42を形成する(
図12)。第2の酸化インジウムスズ膜42は、例えば、CVD法により形成する。
【0072】
以上の製造方法により、
図1及び
図2に示すトランジスタ100が製造される。
【0073】
次に、第1の実施形態の半導体装置の作用及び効果について説明する。
【0074】
図13は、比較例の半導体装置の模式断面図である。
図13は、第1の実施形態の
図1に対応する図である。
【0075】
比較例の半導体装置はトランジスタ900である。比較例のトランジスタ900は、酸化物半導体層16が、第1の領域16a及び第2の領域16bを含まない点で、第1の実施形態のトランジスタ100と異なる。比較例のトランジスタ900は、ゲート絶縁層20が、下部電極12及び上部電極14に接する点で、第1の実施形態のトランジスタ100と異なる。
【0076】
比較例のトランジスタ900では、オン動作の際に、酸化物半導体層16の第3の領域16cと第4の領域16dがチャネルとなり、下部電極12と上部電極14との間にオン電流が流れる。下部電極12と酸化物半導体層16の間の界面A1及び界面A2の界面抵抗が、トランジスタ900の寄生抵抗となる。同様に、上部電極14と酸化物半導体層16の間の界面A1及び界面A2の界面抵抗が、トランジスタ900の寄生抵抗となる。
【0077】
図14は、第1の実施形態の半導体装置の作用及び効果の説明図である。
図14は、
図1に対応する図である。
【0078】
第1の実施形態のトランジスタ100は、酸化物半導体層16が、下部電極12に接する第1の領域16aと、上部電極14に接する第2の領域16bを含む。第1の実施形態のトランジスタ100では、酸化物半導体層16の第1の領域16a、第2の領域16b、第3の領域16c、及び第4の領域16dがチャネルとなり、下部電極12と上部電極14との間にオン電流が流れる。
【0079】
下部電極12と酸化物半導体層16の間の界面Aは、比較例のトランジスタ900の界面A1と界面A2の和よりも広くなる。同様に、上部電極14と酸化物半導体層16の間の界面Bは、比較例のトランジスタ900の界面B1と界面B2の和よりも広くなる。
【0080】
したがって、第1の実施形態のトランジスタ100は、比較例のトランジスタ900と比べて、寄生抵抗となる界面抵抗が低くなる。よって、トランジスタ100のオン抵抗が低減し、オン電流の増加したトランジスタが実現できる。
【0081】
また、第1の実施形態のトランジスタ100は、第1の領域16aの第1の厚さ(
図1中のt1)及び第2の領域16bの第2の厚さ(
図1中のt2)が、第3の領域16cの第3の厚さ(
図1中のt3)又は第4の領域16dの第4の厚さ(
図1中のt4)の少なくともいずれか一方の厚さ以下である。第1の厚さt1及び第2の厚さt2を、第3の厚さt3又は第4の厚さt4の少なくともいずれか一方の厚さ以下とすることで、トランジスタ100をオフする際に、第1の領域16aと第2の領域16bを空乏化させることによる電流のカットオフを可能にする。
【0082】
第1の実施形態のトランジスタ100において、第1の領域16aの第1の厚さt1及び第2の領域16bの第2の厚さt2が、第3の領域16cの第3の厚さt3又は第4の領域16dの第4の厚さt4の少なくともいずれか一方の厚さよりも薄いことが好ましい。第1の領域16aと第2の領域16bを薄くすることで空乏化による電流のカットオフ特性を向上できる。加えて、第3の領域16c又は第4の領域16dの厚さが厚いことにより、オン電流を増加させることができる。言い換えれば、トランジスタのカットオフ特性の向上と、オン電流の増加が両立できる。
【0083】
カットオフ特性の向上と、オン電流の増加の観点から、第1の領域16aの第1の厚さt1及び第2の領域16bの第2の厚さt2は、第3の領域16cの第3の厚さt3又は第4の領域16dの第4の厚さt4の少なくともいずれか一方の厚さの80%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましい。
【0084】
カットオフ特性の向上と、オン電流の増加の観点から、第1の領域16aの第1の厚さt1及び第2の領域16bの第2の厚さt2は、第3の領域16cの第3の厚さt3及び第4の領域16dの第4の厚さt4の厚さよりも薄いことが好ましい。
【0085】
カットオフ特性の向上と、オン電流の増加の観点から、第1の領域16aの第1の厚さt1及び第2の領域16bの第2の厚さt2は、第3の領域16cの第3の厚さt3及び第4の領域16dの第4の厚さt4の厚さの80%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましい。
【0086】
以上のように、第1の実施形態のトランジスタ100は、比較例のトランジスタ900と比べ、オン抵抗が低減し、オン電流を増加することができる。また、第1の実施形態のトランジスタ100は、カットオフ特性の向上と、オン電流の増加が両立できる。
【0087】
(第1の変形例)
第1の実施形態の第1の変形例の半導体装置は、ゲート絶縁層は、シリコン(Si)及び酸素(O)を含む第1の膜と、第1の膜とゲート電極との間に設けられシリコン(Si)及び窒素(N)を含む第2の膜と、を含む点で、第1の実施形態の半導体装置と異なる。
【0088】
図15は、第1の実施形態の第1の変形例の半導体装置の模式断面図である。第1の実施形態の第1の変形例の半導体装置は、トランジスタ101である。
図15は、第1の実施形態の
図1に対応する図である。
【0089】
トランジスタ101のゲート絶縁層20は、第1の膜20x及び第2の膜20yを含む。ゲート絶縁層20は、第1の膜20xと第2の膜20yの積層構造を有する。第2の膜20yは、第1の膜20xとゲート電極18との間に設けられる。
【0090】
第1の膜20xは、シリコン(Si)及び酸素(O)を含む。第1の膜20xは、例えば、酸化シリコン膜である。
【0091】
第2の膜20yは、シリコン(Si)及び窒素(N)を含む。第2の膜20yは、例えば、窒化シリコン膜である。
【0092】
第1の変形例のトランジスタ101は、ゲート絶縁層20が、第1の膜20xと第2の膜20yの積層構造を有することで、例えば、ゲートリーク電流が低減する。また、第1の変形例のトランジスタ101は、ゲート絶縁層20が、第1の膜20xと第2の膜20yの積層構造を有することで、例えば、ゲート絶縁層20の信頼性が向上する。
【0093】
(第2の変形例)
第1の実施形態の第2の変形例の半導体装置は、ゲート絶縁層の第1の部分の第5の厚さ及びゲート絶縁層の第2の部分の第6の厚さが、ゲート絶縁層の第3の部分の第7の厚さ及びゲート絶縁層の第4の部分の第8の厚さよりも薄い点で、第1の実施形態の半導体装置と異なる。
【0094】
図16は、第1の実施形態の第2の変形例の半導体装置の模式断面図である。第1の実施形態の第2の変形例の半導体装置は、トランジスタ102である。
図16は、第1の実施形態の
図1に対応する図である。
【0095】
トランジスタ102のゲート絶縁層20の第1の部分20aの第5の厚さ(
図16中のt5)及びゲート絶縁層20の第2の部分20bの第6の厚さ(
図16中のt6)は、ゲート絶縁層20の第3の部分20cの第7の厚さ(
図16中のt7)及びゲート絶縁層20の第4の部分20dの第8の厚さ(
図16中のt8)よりも薄い。言い換えれば、第7の厚さt7及び第8の厚さt8は、第5の厚さt5及び第6の厚さt6よりも厚い。
【0096】
第7の厚さt7及び第8の厚さt8を、第5の厚さt5及び第6の厚さt6よりも厚くすることで、ゲート絶縁層20の第3の部分20c及びゲート絶縁層20の第4の部分20dにおけるゲートリーク電流を低減することができる。また、第5の厚さt5及び第6の厚さt6を、第7の厚さt7及び第8の厚さt8よりも薄くすることで、酸化物半導体層16の第1の領域16a及び酸化物半導体層16の第2の領域16bにおけるカットオフ特性を向上させることができる。
【0097】
第2の変形例のトランジスタ102によれば、ゲート絶縁層20のゲートリーク電流の低減と、カットオフ特性の向上が可能となる。
【0098】
以上、第1の実施形態及び変形例によれば、オン抵抗が低減し、トランジスタ特性の優れた半導体装置が実現できる。
【0099】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の半導体記憶装置は、第1の実施形態の半導体装置と、第1の電極又は第2の電極に電気的に接続されたキャパシタと、を備える。
【0100】
第2の実施形態の半導体記憶装置は、半導体メモリ200である。第2の実施形態の半導体記憶装置は、DRAMである。半導体メモリ200は、第1の実施形態のトランジスタ100を、DRAMのメモリセルのスイッチングトランジスタとして使用する。
【0101】
以下、第1の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する。
【0102】
図17は、第2の実施形態の半導体記憶装置の等価回路図である。
図17は、メモリセルMCが1個の場合を例示しているが、メモリセルMCは、例えばアレイ状に複数設けられていても構わない。
【0103】
半導体メモリ200は、メモリセルMC、ワード線WL、ビット線BL、及びプレート線PLを備える。メモリセルMCは、スイッチングトランジスタTR及びキャパシタCAを含む。
図17で、破線で囲まれた領域がメモリセルMCである。
【0104】
ワード線WLは、スイッチングトランジスタTRのゲート電極に電気的に接続される。ビット線BLは、スイッチングトランジスタTRのソース・ドレイン電極の一方に電気的に接続される。キャパシタCAの一方の電極は、スイッチングトランジスタTRのソース・ドレイン電極の他方に電気的に接続される。キャパシタCAの他方の電極は、プレート線PLに接続される。
【0105】
メモリセルMCは、キャパシタCAに電荷を蓄積することで、データを記憶する。データの書き込み及び読み出しは、スイッチングトランジスタTRをオン動作させることにより行う。
【0106】
例えば、ビット線BLに所望の電圧を印加した状態でスイッチングトランジスタTRをオン動作させ、メモリセルMCへのデータの書き込みを行う。
【0107】
また、例えば、スイッチングトランジスタTRをオン動作させ、キャパシタに蓄積された電荷量に応じたビット線BLの電圧変化を検知し、メモリセルMCのデータの読み出しを行う。
【0108】
図18は、第2の実施形態の半導体記憶装置の模式断面図である。
図18は、半導体メモリ200のメモリセルMCの断面を示す。
【0109】
半導体メモリ200は、シリコン基板10、スイッチングトランジスタTR、キャパシタCA、第1の層間絶縁層50、及び第2の層間絶縁層52を含む。
【0110】
スイッチングトランジスタTRは、下部電極12、上部電極14、酸化物半導体層16、ゲート電極18、ゲート絶縁層20、第1の絶縁層22、及び第2の絶縁層24を備える。
【0111】
スイッチングトランジスタTRは、第1の実施形態のトランジスタ100と同様の構造を有する。
【0112】
キャパシタCAは、シリコン基板10とスイッチングトランジスタTRとの間に設けられる。キャパシタCAは、シリコン基板10と下部電極12との間に設けられる。キャパシタCAは、下部電極12に電気的に接続される。
【0113】
キャパシタCAは、セル電極71、プレート電極72、キャパシタ絶縁膜73を備える。セル電極71は、下部電極12に電気的に接続される。セル電極71は、例えば、下部電極12に接する。
【0114】
セル電極71及びプレート電極72は、例えば、窒化チタンである。キャパシタ絶縁膜73は、例えば、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムの積層構造を有する。
【0115】
ゲート電極18は、例えば、図示しないワード線WLに電気的に接続される。上部電極14は、例えば、図示しないビット線BLに電気的に接続される。プレート電極72は、例えば、図示しないプレート線PLに接続される。
【0116】
半導体メモリ200は、オフ動作時のチャネルリーク電流が極めて小さい酸化物半導体トランジスタをスイッチングトランジスタTRに適用する。したがって、電荷保持特性に優れたDRAMが実現する。
【0117】
また、半導体メモリ200のスイッチングトランジスタTRは、オン抵抗が小さい。したがって、例えば、メモリセルMCの書き込み速度又は読み出し速度が速くなる。よって、半導体メモリ200の動作特性が向上する。
【0118】
第2の実施形態においては、第1の実施形態のトランジスタが適用される半導体メモリを例に説明したが、本発明の実施形態の半導体メモリは、第1の実施形態の第1の変形例のトランジスタ又は第2の変形例のトランジスタが適用される半導体メモリであっても構わない。
【0119】
第2の実施形態においては、セル電極が下部電極12に電気的に接続される半導体メモリを例に説明したが、本発明の実施形態の半導体メモリは、セル電極が上部電極14に電気的に接続される半導体メモリであっても構わない。
【0120】
キャパシタCAは、スイッチングトランジスタTRの上に設けられる構造であっても構わない。シリコン基板10とキャパシタCAとの間に、スイッチングトランジスタTRが設けられる構造であっても構わない。
【0121】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、一実施形態の構成要素を他の実施形態の構成要素と置き換え又は変更してもよい。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0122】
12 下部電極(第1の電極)
14 上部電極(第2の電極)
16 酸化物半導体層
16a 第1の領域
16b 第2の領域
16c 第3の領域
16d 第4の領域
18 ゲート電極
20 ゲート絶縁層
20a 第1の部分
20b 第2の部分
20c 第3の部分
20d 第4の部分
20x 第1の膜
20y 第2の膜
22 第1の絶縁層
24 第2の絶縁層
100 トランジスタ(半導体装置)
200 半導体メモリ(半導体記憶装置)
CA キャパシタ
t1 第1の厚さ
t2 第2の厚さ
t3 第3の厚さ
t4 第4の厚さ
t5 第5の厚さ
t6 第6の厚さ
t7 第7の厚さ
t8 第8の厚さ