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特開2024-18094プラグコネクタ、レセプタクルコネクタ、およびコネクタセット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018094
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】プラグコネクタ、レセプタクルコネクタ、およびコネクタセット
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6582 20110101AFI20240201BHJP
   H01R 13/639 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
H01R13/6582
H01R13/639 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121188
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000105338
【氏名又は名称】ケル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092897
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正悟
(74)【代理人】
【識別番号】100157417
【弁理士】
【氏名又は名称】並木 敏章
(74)【代理人】
【識別番号】100218095
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(72)【発明者】
【氏名】山下 大地
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB11
5E021FC19
5E021FC31
5E021FC36
5E021HC14
5E021HC31
5E021LA10
5E021LA16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コネクタの嵌合接続をシェル部材を利用して行わせる構成として、コネクタの小型コンパクト化を図る。
【解決手段】プラグコネクタ(PC)が、ケーブル保持部(11)およびプラグ接続部を有して構成されるプラグハウジングと、ケーブル保持部を囲む導電板により形成されたプラグシェル部(40)とを有し、レセプタクルコネクタ(RC)が、プラグシェル部を受容するシェル受容部と、プラグ接続部を受容するプラグ受容部とを有す。両コネクタが嵌合接続され、プラグシェル部の少なくとも一つの側面が、導電板を前端側で折り返すとともに後部側に延びて形成した片持ち状の折り返し板(45)により形成され、プラグシェル部を前記シェル受容部に挿入して、プラグコネクタを前記レセプタクルコネクタと嵌合させたときに、シェル受容部を形成する導電板の内面と折り返し板とが折り返し板の弾性力を受けて当接する。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レセプタクルコネクタと嵌合接続されるプラグコネクタであって、
後部側において複数の電気ケーブルを並べて保持するケーブル保持部および前記ケーブル保持部の前部に繋がって設けられたプラグ接続部を有して構成される絶縁材料製のプラグハウジングと、少なくとも前記ケーブル保持部を少なくとも部分的に囲む導電板により形成されたプラグシェル部と、前記ケーブル保持部に保持された前記複数の電気ケーブルの信号線と接続されるとともに前記プラグ接続部に延びて設けられた複数のプラグコンタクトとを有して構成され、
前記レセプタクルコネクタが、後端側が開口して前記プラグシェル部を受容する導電板により形成されたシェル受容部と、前記プラグ接続部を受容するプラグ受容部と、前記プラグ受容部に配設された複数のレセプタクルコンタクトとを有して構成され、
前記プラグシェル部を前記シェル受容部に挿入し、前記プラグ接続部を前記プラグ受容部内に挿入して、前記複数のプラグコンタクトを前記複数のレセプタクルコンタクトと当接接続させることにより、前記プラグコネクタを前記レセプタクルコネクタと嵌合接続するように構成され、
前記プラグシェル部の少なくとも一つの面が、前記プラグシェル部を形成する導電板を前端側で折り返すとともに後部側に延びて形成した片持ち状の折り返し板を有して形成され、
前記プラグシェル部を前記シェル受容部に挿入して、前記プラグコネクタを前記レセプタクルコネクタと嵌合させたときに、前記シェル受容部を形成する導電板の内面と前記折り返し板とが前記折り返し板の弾性力を受けて当接するように構成したことを特徴とするプラグコネクタ。
【請求項2】
前記折り返し板の外面に外方に突出する外面凸状部が設けられており、
前記プラグシェル部を前記シェル受容部に挿入して、前記プラグコネクタを前記レセプタクルコネクタと嵌合させたときに、前記シェル受容部を形成する導電板の内面と前記折り返し板とが前記外面凸状部を介して前記折り返し板の弾性力を受けて当接するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のプラグコネクタ。
【請求項3】
前記折り返し板に外方に突出する係止突起が設けられ、前記プラグコネクタを前記レセプタクルコネクタと嵌合接続させたときに、前記係止突起が前記シェル受容部に形成された係止孔と対向し、前記折り返し板の外方への弾性変形により前記係止突起が前記係止孔内に入り込んで前記プラグコネクタが前記レセプタクルコネクタと嵌合接続した状態でロック保持することを特徴とする請求項1に記載のプラグコネクタ。
【請求項4】
前記折り返し板の後端部に外方に露出する操作部が設けられており、前記操作部を操作して前記折り返し板を弾性変形させ、前記係止突起と前記係止孔との係合を解除可能であることを特徴とする請求項3に記載のプラグコネクタ。
【請求項5】
前記折り返し板の後端が所定以上に外方に弾性変形することを規制するストッパ部が、前記一つの面を形成する前記導電板に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプラグコネクタ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載のプラグコネクタと嵌合接続されるレセプタクルコネクタであって、
後端側が開口して前記プラグシェル部を受容するシェル受容部と、前記プラグ接続部を受容するプラグ受容部と、前記プラグ受容部に配設された複数のレセプタクルコンタクトとを有して構成され、
前記プラグシェル部を前記シェル受容部に挿入し、前記プラグ接続部を前記プラグ受容部内に挿入して、前記複数のプラグコンタクトを前記複数のレセプタクルコンタクトと当接接続させることにより、前記プラグコネクタを前記レセプタクルコネクタと嵌合接続するように構成され、
前記プラグシェル部を前記シェル受容部に挿入して、前記プラグコネクタを前記レセプタクルコネクタと嵌合させたときに、前記シェル受容部を形成する導電板の内面と前記折り返し板とが前記折り返し板の弾性力を受けて当接するように構成したことを特徴とするレセプタクルコネクタ。
【請求項7】
前記シェル受容部を形成する導電板の内面に内方に突出する内面凸状部が設けられており、
前記プラグシェル部を前記シェル受容部に挿入して、前記プラグコネクタを前記レセプタクルコネクタと嵌合させたときに、前記シェル受容部を形成する導電板の内面と前記折り返し板とが前記内面凸状部を介して前記折り返し板の弾性力を受けて当接するように構成したことを特徴とする請求項6に記載のプラグコネクタ。
【請求項8】
前記シェル受容部を形成する導電材料製のレセプタクルシェル部と、前記プラグ受容部を形成する絶縁材料製のレセプタクルハウジング部とを有し、前記レセプタクルハウジング部により前記複数のレセプタクルコンタクトが保持されることを特徴とする請求項6に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項9】
請求項1に記載のプラグコネクタと、請求項6に記載のレセプタクルコネクタとからなるコネクタセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気ケーブルの先端に設けられて電気接続のために用いられるプラグコネクタ、レセプタクルコネクタおよびコネクタセットなどの電気コネクタ、特に、電気ケーブルの先端が接続される部分が金属シェルで覆われて構成される電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
電気ケーブルを相手先(例えば、配線基板や相手電気ケーブル)と接続するために電気コネクタが一般的に用いられている。最近において、電気コネクタは、伝達する信号電力が小さなものが多く、多数のコンタクトを小ピッチで配置して小型化を図るという傾向がある。このとき、コンタクト間でのクロストークや、外部からのノイズ信号の侵入を防止するため、コネクタの外周に金属シェルを設けることが多い。特に、電気ケーブルとして同軸ケーブルを用いる場合、信号線の周囲を覆うシールド線を金属シェルと電気接続させ、クロストーク、ノイズ混入防止を図っている。このような例として、例えば、特許文献1には、金属シェルを備えた同軸ケーブルコネクタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-146954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気ケーブルを相手先と接続するために用いられる電気コネクタは、電気ケーブルの先端に設けられた電気コネクタを相手先に設けられた相手電気コネクタと嵌合してコンタクト同士を当接させて電気接続させる構成となっている。このとき、複数の電気ケーブルを並べて保持するケーブル保持部をシェル部材で覆い、ケーブル保持部の先端側に各電気ケーブルの信号線と繋がるコンタクトを並べて保持した接続部を設け、接続部を相手コネクタの嵌合部と嵌合する構成となっている。これにより、接続部に保持された各コンタクトが相手コネクタの嵌合部に配設された相手コンタクトと当接して電気接続される構成となっている。
【0005】
このように電気コネクタを相手電気コネクタと嵌合接続させる構成は、コンタクトを保持した接続部を相手コネクタのコンタクトを保持した部分と嵌合させて行うものが一般的であり、このような嵌合部分の後側にシェル部材が位置することとなり、コネクタが大型化しやすいという問題がある。さらに、シェル部材はグランド接続(接地接続)されて外部からのノイズ混入防止を図るものであり、相手電気コネクタにもシェル部材を設けてグランド接続される構成であることが多い。その場合、両コネクタを嵌合接続させたときに、両コネクタのシェル部材も当接して電気接続し、いずれかのシェル部材(もしくは両方のシェル部材)をグランド接続させて、ノイズ混入防止を効果的に図ることができるような構成とすることが望まれている。
【0006】
本発明は、このような事情、問題に鑑みてなされたものであり、コネクタの嵌合接続を両コネクタのシェル部材を嵌合接続させて行わせる構成として、コネクタの内部へのノイズ混入防止を効果的に図ることができる構成のケーブル用電気コネクタ(プラグコネクタ、レセプタクルコネクタ、およびコネクタセット)を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係るケーブル用電気コネクタは、レセプタクルコネクタと嵌合接続されるプラグコネクタであって、後部側において複数の電気ケーブルを並べて保持するケーブル保持部および前記ケーブル保持部の前部に繋がって設けられたプラグ接続部を有して構成される絶縁材料製のプラグハウジングと、少なくとも前記ケーブル保持部を少なくとも部分的に囲む導電板により形成されたプラグシェル部と、前記ケーブル保持部に保持された前記複数の電気ケーブルの信号線と接続されるとともに前記プラグ接続部に延びて設けられた複数のプラグコンタクトとを有して構成され、前記レセプタクルコネクタが、後端側が開口して前記プラグシェル部を受容する導電板により形成されたシェル受容部と、前記プラグ接続部を受容するプラグ受容部と、前記プラグ受容部に配設された複数のレセプタクルコンタクトとを有して構成され、前記プラグシェル部を前記シェル受容部に挿入し、前記プラグ接続部を前記プラグ受容部内に挿入して、前記複数のプラグコンタクトを前記複数のレセプタクルコンタクトと当接接続させることにより、前記プラグコネクタを前記レセプタクルコネクタと嵌合接続するように構成され、前記プラグシェル部の少なくとも一つの面が、前記プラグシェル部を形成する導電板を前端側で折り返すとともに後部側に延びて形成した片持ち状の折り返し板を有して形成され、前記プラグシェル部を前記シェル受容部に挿入して、前記プラグコネクタを前記レセプタクルコネクタと嵌合させたときに、前記シェル受容部を形成する導電板の内面と前記折り返し板とが前記折り返し板の弾性力を受けて当接する。
【0008】
上記プラグコネクタにおいて、好ましくは、前記折り返し板の外面に外方に突出する外面凸状部が設けられており、前記プラグシェル部を前記シェル受容部に挿入して、前記プラグコネクタを前記レセプタクルコネクタと嵌合させたときに、前記シェル受容部を形成する導電板の内面と前記折り返し板とが前記外面凸状部を介して前記折り返し板の弾性力を受けて当接する。
【0009】
上記プラグコネクタにおいて、好ましくは、前記折り返し板に外方に突出する係止突起が設けられ、前記プラグコネクタを前記レセプタクルコネクタと嵌合接続させたときに、前記係止突起が前記シェル受容部に形成された係止孔と対向し、前記折り返し板の外方への弾性変形により前記係止突起が前記係止孔内に入り込んで前記プラグコネクタが前記レセプタクルコネクタと嵌合接続した状態でロック保持する。
【0010】
上記プラグコネクタにおいて、好ましくは、前記折り返し板の後端部に外方に露出する操作部が設けられており、前記操作部を操作して前記折り返し板を弾性変形させ、前記係止突起と前記係止孔との係合を解除可能である。
【0011】
上記プラグコネクタにおいて、好ましくは、前記折り返し板の後端が所定以上に外方に弾性変形することを規制するストッパ部が、前記一つの面を形成する前記導電板に設けられている。
【0012】
本発明に係るレセプタクルコネクタは、上記プラグコネクタと嵌合接続されるレセプタクルコネクタであって、後端側が開口して前記プラグシェル部を受容するシェル受容部と、前記プラグ接続部を受容するプラグ受容部と、前記プラグ受容部に配設された複数のレセプタクルコンタクトとを有して構成され、前記プラグシェル部を前記シェル受容部に挿入し、前記プラグ接続部を前記プラグ受容部内に挿入して、前記複数のプラグコンタクトを前記複数のレセプタクルコンタクトと当接接続させることにより、前記プラグコネクタを前記レセプタクルコネクタと嵌合接続するように構成され、前記プラグシェル部を前記シェル受容部に挿入して、前記プラグコネクタを前記レセプタクルコネクタと嵌合させたときに、前記シェル受容部を形成する導電板の内面と前記折り返し板とが前記折り返し板の弾性力を受けて当接する。
【0013】
上記レセプタクルコネクタにおいて、好ましくは、前記シェル受容部を形成する導電板の内面に内方に突出する内面凸状部が設けられており、前記プラグシェル部を前記シェル受容部に挿入して、前記プラグコネクタを前記レセプタクルコネクタと嵌合させたときに、前記シェル受容部を形成する導電板の内面と前記折り返し板とが前記内面凸状部を介して前記折り返し板の弾性力を受けて当接する。
【0014】
上記レセプタクルコネクタにおいて、好ましくは、前記シェル受容部を形成する導電材料製のレセプタクルシェル部と、前記プラグ受容部を形成する絶縁材料製のレセプタクルハウジング部とを有し、前記レセプタクルハウジング部により前記複数のレセプタクルコンタクトが保持される。
【0015】
また、本発明に係るコネクタセットは、上記のプラグコネクタと上記のレセプタクルコネクタとから構成される。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るプラグコネクタによれば、前記プラグシェル部を前記シェル受容部に挿入し、前記プラグ接続部を前記プラグ受容部内に挿入して、前記複数のプラグコンタクトを前記複数のレセプタクルコンタクトと当接接続させることにより、前記プラグコネクタを前記レセプタクルコネクタと嵌合接続するように構成されている。さらに、前記プラグシェル部の少なくとも一つの面が、前記プラグシェル部を形成する導電板を前端側で折り返すとともに後部側に延びて形成した片持ち状の折り返し板を有して形成され、前記プラグシェル部を前記シェル受容部に挿入して、両コネクタを嵌合させたときに、前記シェル受容部を形成する導電板の内面と前記折り返し板とが前記折り返し板の弾性力を受けて当接するようにしている。このため、両コネクタを嵌合接続させたときに、両コネクタのシェル部材が当接して電気接続し、いずれかのシェル部材(もしくは両方のシェル部材)をグランド接続させて、ノイズ混入防止を効果的に図ることができる。このとき、前記折り返し板の弾性変形により、両コネクタのシェル部材の嵌合接続を安定して維持することができ、さらに、プラグシェル部もレセプタクルコネクタとの嵌合に用いることができ、嵌合安定性が向上する。
【0017】
上記プラグコネクタにおいて、前記折り返し板の外面に外方に突出する外面凸状部が設けられ、両コネクタを嵌合させたときに、前記シェル受容部を形成する導電板の内面と前記折り返し板とが前記外面凸状部を介して前記折り返し板の弾性力を受けて当接するように構成するのが好ましい。このようにすると、前記外面凸状部に折り返し板の弾性力が集中して、前記シェル受容部を形成する導電板と前記折り返し板とを確実に且つ安定的に当接接続させることができる。
【0018】
上記プラグコネクタにおいて、前記折り返し板に外方に突出する係止突起が設けられ、両コネクタを嵌合接続させたときに、前記係止突起が前記シェル受容部に形成された係止孔と対向し、前記折り返し板の外方への弾性変形により前記係止突起が前記係止孔内に入り込んで前記プラグコネクタが前記レセプタクルコネクタと嵌合接続した状態でロック保持するような構成とするのが好ましい。このようにすると、プラグシェル部もレセプタクルコネクタとの嵌合に用いるとともに、この嵌合のために用いる前記折り返し板に外方に突出する係止突起を設けて、この係止突起を用いてロック機構を構成することができるので、プラグコネクタの小型コンパクト化を図ることができる。
【0019】
この場合において、前記折り返し板の後端部に外方に露出する操作部が設けられており、前記操作部を操作して前記折り返し板を弾性変形させ、前記係止突起と前記係止孔との係合を解除可能であるのが好ましい。これにより、両コネクタの嵌合接続状態のロックを指などで操作部を操作して簡単に解除することができる。
【0020】
上記プラグコネクタにおいて、前記折り返し板の後端が所定以上に外方に弾性変形することを規制するストッパ部を、前記一つの面を形成する前記導電板の後部に設けるのが好ましい。このように構成すると、片持ち状の前記折り返し板が外側に大きく弾性変形することを防止できる。
【0021】
本発明に係るレセプタクルコネクタ、すなわち、上記プラグコネクタと嵌合接続されるレセプタクルコネクタによれば、前記プラグシェル部を前記シェル受容部に挿入し、前記プラグ接続部を前記プラグ受容部内に挿入して、前記複数のプラグコンタクトを前記複数のレセプタクルコンタクトと当接接続させることにより、前記プラグコネクタを前記レセプタクルコネクタと嵌合接続するように構成され、前記プラグシェル部を前記シェル受容部に挿入して、両コネクタを嵌合させたときに、前記シェル受容部を形成する導電板の内面と前記折り返し板とが前記折り返し板の弾性力を受けて当接する。このため、このため、両コネクタを嵌合接続させたときに、両コネクタのシェル部材が当接して電気接続し、いずれかのシェル部材(もしくは両方のシェル部材)をグランド接続させて、ノイズ混入防止を効果的に図ることができる。
【0022】
上記レセプタクルコネクタにおいて、前記シェル受容部を形成する導電板の内面に内方に突出する内面凸状部が設けられており、前記プラグシェル部を前記シェル受容部に挿入して、両コネクタを嵌合させたときに、前記シェル受容部を形成する導電板の内面と前記折り返し板とが前記内面凸状部を介して前記折り返し板の弾性力を受けて当接する。このようにすると、前記内面凸状部に折り返し板の弾性力が集中して、前記シェル受容部を形成する導電板と前記折り返し板とを確実に且つ安定的に当接接続させることができる。
【0023】
上記レセプタクルコネクタにおいて、前記シェル受容部を形成する導電材料製のレセプタクルシェル部と、前記プラグ受容部を形成する絶縁材料製のレセプタクルハウジング部とを有し、前記レセプタクルハウジング部により前記複数のレセプタクルコンタクトが保持される構成とするのが好ましく、レセプタクルコネクタを接地接続させて外部からのノイズ混入を効果的に防止することができる。
【0024】
本発明に係るコネクタセットは上記のプラグコネクタとレセプタクルコネクタとから構成されるので、これらプラグコネクタおよびレセプタクルコネクタと同様な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態に係るプラグコネクタの正面図である。
図2】上記プラグコネクタの背面図である。
図3】上記プラグコネクタの平面図である。
図4】上記プラグコネクタの底面図である。
図5】上記プラグコネクタの側面図である。
図6】上記プラグコネクタの側面断面図である。
図7】同軸ケーブルの構造を示す斜視図である。
図8】同軸ケーブルアセンブリの斜視図である。
図9】本発明の一実施形態に係るレセプタクルコネクタの正面図である。
図10】上記レセプタクルコネクタの背面図である。
図11】上記レセプタクルコネクタの平面図である。
図12】上記レセプタクルコネクタの底面図である。
図13】上記レセプタクルコネクタの側面図である。
図14】上記レセプタクルコネクタの側面断面図である。
図15】上記プラグコネクタと上記レセプタクルコネクタを嵌合させた状態を示す断面図である。
図16】上記プラグコネクタの正面側斜視図である。
図17】上記プラグコネクタの背面側斜視図である。
図18】上記プラグコネクタの内部の分解斜視図である。
図19】上記プラグコネクタの組立段階を示す正面図(A)および背面図(B)である。
図20】上記プラグコネクタの組立段階を示す斜視図である。
図21】上記プラグコネクタの組立完了段階を示す斜視図である。
図22】上記プラグコネクタの斜視断面図である。
図23】上記プラグコネクタの作用を説明するため、プラグハウジングを除いて内部構造を示す部分断面図である。
図24】上記レセプタクルコネクタを分解して示す斜視図である。
図25】上記レセプタクルコネクタの前側斜視図である。
図26】上記レセプタクルコネクタの後側斜視図である。
図27】上記レセプタクルコネクタの後側斜視断面図である。
図28】基板に取り付けられた上記レセプタクルコネクタに上記プラグコネクタを嵌合接続する段階を示す斜視図である。
図29】基板に取り付けられた上記レセプタクルコネクタに上記プラグコネクタを嵌合接続した状態を示す斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。まず、図1図6を参照して、本発明に係るプラグコネクタPCについて説明する。なお、以下の説明では、説明の便宜上、前後、左右及び上下の方向を、前(F)、後(B)、右(R)、左(L)、上(U)、下(D)として図において矢印で示して説明する。また、特許請求の範囲においても、これら方向を用いて構成を規定している。但し、本発明の対象である電気コネクタ(プラグコネクタ、レセプタクルコネクタ、およびコネクタセット)はその使用形態などに方向性が無く、これらの方向は説明の都合上で規定するだけのものである。
【0027】
プラグコネクタPCは、後部側において複数の同軸ケーブル2と繋がるプラグ後部10と、プラグ後部10の前部に繋がって設けられたプラグ前部20とから構成される。複数の同軸ケーブル2は、図8に示すように、横方向に並んで上下一対のグランドバー7、7に挟持されて同軸ケーブルアセンブリ1とされた状態で、図18および図19に示すように、プラグ後部10を構成するケーブル保持部11に取り付けられる。
【0028】
まず、同軸ケーブル2について、図7を参照して説明する。同軸ケーブル2は、複数本の極細電線を撚り合わせて作られた芯線3(信号線)の周囲に絶縁材料からなる内周側絶縁被覆4を設け、この内周側絶縁被覆4の外周に極細電線を横巻きに円筒状に巻き付けてなるシールド線5を設け、このシールド線5の外周に絶縁材料からなる外周側絶縁被覆6を設けて構成される。複数の同軸ケーブル2が、外周側絶縁被覆6が剥がされてシールド線5を露出させ、さらにその先端側で内周側絶縁被覆4を少し露出させ、その先端から芯線3を突出された状態で横方向に平板状に並べられ、上下一対の導電性のグランドバー7、7を、シールド線5を覆って上下から接合して、図8に示すように、同軸ケーブルアセンブリ1が構成される。これにより上下のグランドバー7、7がシールド線5と電気接続する。
【0029】
プラグ後部10は、図18に示す絶縁材料製のケーブル保持部11を備える。ケーブル保持部11の前部に一体に繋がってプラグ前部20を構成する絶縁材料製のプラグ接続部21が設けられる。なお、ケーブル保持部11とプラグ接続部21が一体となってプラグハウジングが構成される。ケーブル保持部11は、左右側壁12、12と、下面壁13と、仕切り壁14を有し、これら三つの壁に囲まれて上方および後方が開放された受容凹部15が形成される。この受容凹部15内に、同軸ケーブルアセンブリ1が、図19(A)および(B)に示すように配設される。プラグ接続部21は仕切り壁14と一体に繋がって前方に延び、左右の側壁22、22と、載置壁23を有する。この載置壁23の上に、複数のプラグコンタクト25とグランドコンタクト35が、図1に示すように交互に並んで配置されている。プラグコンタクト25は、図6に示すように、仕切り壁14を貫通してケーブル保持部11の下面壁13の上まで延びており、この部分において、同軸ケーブル2の芯線3と接合される。
【0030】
グランドコンタクト35は、図22および図23から分かるように、プラグハウジングとともにインサート成形されてその下面に取り付けられる下面側プラグシェル部材30から延びる部分として形成される。なお、プラグコンタクト25もプラグハウジングの成形時に一体成形される。下面側プラグシェル部材30は、プラグハウジングの下面(ケーブル保持部11の下面)に露出する露出部31と、露出部31から延びて載置壁23の上面に露出する上記グランドコンタクト35と、さらのグランドコンタクト35の前端部で折り返されて載置壁23の下面側に露出する露出部32を有する。下面側プラグシェル部材30はさらに、露出部31の後端に繋がって筐体ハウジング11内に設けられた後端部34と、左右両側において起立して前後に延びる側面部33とを有する。
【0031】
以上のように、ケーブル保持部11の受容凹部15内に、同軸ケーブルアセンブリ1が、図19(A)および(B)に示すように配設されると、次に、図20および図21に示すように、上面側プラグシェル部材40が、ケーブル保持部11および同軸ケーブルアセンブリ1の上に取り付けられる。上面側プラグシェル部材40は導電材料製の板材から形成され、同軸ケーブルアセンブリ1の上に直接取り付けられる板状の基板部41と、基板部41の前端部40aにおいて折り返されて後方に延びる折り返し板からなる上板部45とから構成される。基板部41には、同軸ケーブルアセンブリ1のグランドバー7を覆う部分の2箇所に取り付け孔42が貫通形成されており、この取り付け孔42の内端部においてグランドバー7にハンダ付け接合して基板部41が同軸ケーブルアセンブリ1と接合される。
【0032】
基板部41の後端が二箇所において上方に折り曲げられるとともにその先端が前方に折り曲げられ、ストッパ43が形成されている。このようにストッパ43は、上方折り曲げ部43aと前方に折り曲げられた係止部43bとから構成される。さらに、基板部41の後端部の左右端が下方に折り曲げられて接合部44が形成されている。接合部44は図23に示すように、下面側プラグシェル部材30の側面部33を両側から挟んでこれと当接する。この結果、下面側プラグシェル部材30および上面側プラグシェル部材40が、ケーブル保持部11の受容凹部15内に位置して取り付けられた同軸ケーブルアセンブリ1の外周を取り囲むプラグシェル部材を構成する。なお、このプラグシェル部材がケーブル保持部11とともにプラグ後部10を構成する。
【0033】
上板部45は、基板部41に形成された取り付け孔42に対向する箇所に接合用開口46を有し、この接合用開口46を通して取り付け孔42を上面側に露出させている。このため、この接合用開口46を通して取り付け孔42の内端部をグランドバー7にハンダ付け接合することができる。上板部45の中央部上面に上方に突出する係止突起47が形成されている。また、上板部45の幅方向の中央側後端が上方に折れ曲がって操作部49を形成している。上板部45は前端部40aにおいて基板部41と繋がり、基板部41から上方に離れてほぼ平行に延び、後方に向かって片持ち状に延びる形状をしている。このため、上板部45は前端部40aを中心として上下に弾性変形可能である。この上下弾性変形を行わせるために操作部49が形成されており、指先などで操作部49を押したり引いたりすれば、上板部45を上下弾性変形させることができる。
【0034】
上板部45の後端において、操作部49の左右両側が切り欠かれて上方に曲げられた当接部48が形成されており、この左右の当接部48がそれぞれ、基板部41の左右のストッパ43の下側に位置し、ストッパ43の係止部43bと上下に少しの間隔を置いて対向している。この構成により、操作部49を引き上げた時に、上板部45が過度に上方に変形して塑性変形することを防止する。また、上板部45の上面の4箇所に、上面側に僅かに円筒状に突出する上面凸状部45aが形成されている。この上面凸状部45aは、通称「ダボ」と称されており、後述するが、プラグコネクタPCをレセプタクルコネクタRCと嵌合接続するときに、これら上面凸状部45aがレセプタクルシェル部材50の上面板部51の内面と当接し、上面側プラグシェル部材40とレセプタクルシェル部材50とを確実に当接接続(両者をグランド接続させるための電気的な接続)を行わせる。
【0035】
次に、図9図14を参照して、本発明に係るレセプタクルコネクタRCについて説明する。レセプタクルコネクタRCは、図24の分解斜視図から分かるように、導電材料製の板材から形成されたレセプタクルシェル部材50と、レセプタクルシェル部材50の前部に取り付けられた絶縁材料製のレセプタクルハウジング60と、レセプタクルハウジング60内に左右に並んで取り付けられた複数のレセプタクルコンタクト70とから構成される。
【0036】
レセプタクルシェル部材50は、上面板部51と、下面板部52と、左右の側面板部53、54とから前後に延びる中空矩形形状に形成される。下面板部52は、図27に示すように、後端部の折り返し部55aにおいて折り返されて上方において前方に延びて保持板部55が形成されており、側面視U字形状となっている。折り返し部55aには複数のスリットが設けられて、折り返されて片持ち状に前方に延びる複数の接触アーム56が設けられている。接触アーム56には上方に突出する接触部56aが設けられている。このレセプタクルシェル部材50は、上面板部51と下面板部52および保持板部55の前端部においてレセプタクルハウジング60とインサート成形などにより接合されている。また、上面板部51の後部中央に、係止孔57が貫通形成されている。
【0037】
レセプタクルハウジング60は、本体部61と、レセプタクルシェル部材50の下面板部52と一体結合される下部接続部62とを有する。レセプタクルハウジング60にレセプタクルシェル部材50が上述のようにインサート成形などにより取り付けられた状態で、本体部61がレセプタクルシェル部材50の矩形状内部空間を前端部において塞ぎ、後端が開口したシェル受容空間58を形成する。また、シェル受容空間58の前部側において、本体部61の下部が前方に窪んでおり、レセプタクルシェル部材50の保持板部55の前部との間にプラグ受容空間65を形成している。さらに、本体部61の前端面の左右に、基板取り付け用の位置決め突起68が設けられている。
【0038】
複数のレセプタクルコンタクト70はレセプタクルハウジング60の本体部61に左右に並んで形成されたコンタクト装着孔内に圧入されて取り付けられ、その後端に位置するコンタクト部71がプラグ受容空間65内に露出している。なお、コンタクト部71はプラグ受容空間65内に突出する方向に弾性変形可能である。各レセプタクルコンタクト70の前部はレセプタクルハウジング60を貫通して前方に突出し、直角に折れ曲がってマウントリード72を形成している。このマウントリード72は基板80の信号パターンに接合(サーフェスマウント)される。
【0039】
以上のように構成されたレセプタクルコネクタRCは、例えば、基板80に、図28および図29に示すように立接して取り付けられる。すなわち、レセプタクルコネクタRCの前端部を基板80の上面に当接させて取り付けられる。このとき、位置決め突起68が基板80の位置決め孔(図示せず)に嵌合して取り付け位置決めがなされ、レセプタクルシェル部材50の前端を基板80のマウントパターン(接地接続される)にハンダ付け等して固定される。同時に、マウントリード72は基板80の信号パターンに接合(サーフェスマウント)される。
【0040】
次に、以上の構成のプラグコネクタPCをレセプタクルコネクタRCと嵌合接続する作動について、図15図28および図29を参照して説明する。ここでは、基板80にレセプタクルコネクタRCが立接して取り付けられ、これにケーブルアセンブリ1が接続されたプラグコネクタPCを嵌合接続する場合を例にして説明する。
【0041】
まず、図28(A)に示すように、基板80に立設されたレセプタクルコネクタRCの上方からプラグコネクタPCを嵌合させる。このとき、プラグ前部20を下にして、プラグコネクタPCのプラグ後部10をレセプタクルコネクタRCのシェル受容空間58内に挿入する。このとき、プラグ後部10の外形寸法(下面側プラグシェル部材30および上面側プラグシェル部材40により形成される外形寸法)がシェル受容空間58の内形寸法より若干大きい。このため、上面側プラグシェル部材40の上板部45がレセプタクルシェル部材50の上面板部51の内面に当接し、内方に押されて弾性変形しながら、プラグコネクタPCのプラグ後部10がレセプタクルコネクタRCのシェル受容空間58内に入り込む。また、このとき同時に、プラグコネクタPCの下面(下面側プラグシェル部材30が露出する面)が、レセプタクルシェル部材50の保持板部55と接触アーム56と当接する。これらの当接により挿入ガイドがなされて、両者をスムーズに嵌合させることが可能となる。
【0042】
このようにして挿入させる途中段階から、プラグコネクタPCの前部のプラグ前部20がプラグ受容空間65内に入り込む。そして、プラグ後部10がシェル受容空間58内に入り込み、プラグ前部20がプラグ受容空間65内に完全に挿入されたときに、上面側プラグシェル部材40の上板部45の係止突起47が、上板部45の弾性変形によりレセプタクルシェル部材50の上面板部51の係止孔57内に入り込み(図28(B)参照)、この嵌合状態でロック保持される。なお、この状態から操作部49を指などで押し下げることにより、上板部45を下方に弾性変形させ、係止突起47を係止孔57から外し、ロックを解除することができる。そして、レセプタクルコネクタRCからプラグコネクタPCを引き抜くことができる。
【0043】
プラグ前部20がプラグ受容空間65内に入り込むと、プラグ受容空間65内に突出するレセプタクルコンタクト70のコンタクト部71が、プラグ前部20を構成するプラグ接続部21に設けられたプラグコンタクト25およびグランドコンタクト35と当接する。この当接の接触力は、コンタクト部71の弾性変形により得られるが、レセプタクルシェル部材50の接触アーム56の弾性力がプラグ接触部21をコンタクト部71の方に押して、コンタクト部71とプラグコンタクト25およびグランドコンタクト35との当接接続を確実に行わせるようになっている。
【0044】
図1および図16等に示すように、グランドコンタクト35の左右幅はプラグコンタクト25の左右幅より大きく、レセプタクルコンタクト70の一つのコンタクト部71が一つのプラグコンタクト25と当接し、二つのコンタクト部71がグランドコンタクト35と当接するようになっている。このため、図1における最も右端に位置するグランドコンタクト35が、最も右端の一つ目のレセプタクルコンタクト70のコンタクト部71と当接し、その左隣のプラグコンタクト25が左から二番目のレセプタクルコンタクト70のコンタクト部71と当接し、その左隣のグランドコンタクト35が三番目および四番目のレセプタクルコンタクト70のコンタクト部71と当接し、その左隣のプラグコンタクト25が左から五番目のレセプタクルコンタクト70のコンタクト部71と当接する。以下同様な当接関係となり、レセプタクルコンタクト70のコンタクト部71は、右端から順に、GSGGSGGS・・・SGGSGという接続関係となる。なお、記号Gはグランドコンタクト35との当接関係を示し、記号Sはプラグコンタクト25との当接関係を示す。
【0045】
以上のように、プラグコネクタPCをレセプタクルコネクタRCと嵌合接続するときに、まず、プラグコネクタPCのプラグ後部10をレセプタクルコネクタRCのシェル受容空間58内に挿入し、途中段階から、プラグコネクタPCのプラグ前部20がプラグ受容空間65内に入り込む構成となっている。このため、挿入の初期段階でプラグ後部10をシェル受容空間58内に挿入して挿入ガイドを行い、そのまま挿入を継続するだけでプラグ前部20をプラグ受容空間65内に正確に嵌入させることができる。また、嵌合完了時に、係止突起47が、上板部45の弾性変形により係止孔57内に入り込んで嵌合状態をロック保持することができる。さらに、嵌合状態では、プラグ後部10がシェル受容空間58内に入り込んだ状態で嵌合保持が行われるため、プラグ前部20がプラグ受容空間65内に入り込むことによりなされるレセプタクルコンタクト70のコンタクト部71とプラグコンタクト25およびグランドコンタクト35との当接接続をしっかりと保持することができる。
【0046】
なお、プラグコネクタPCは、プラグ後部10においてケーブルアセンブリ1が取り付けられており、そのケーブル2が煽られるなどして、プラグコネクタPCがレセプタクルコネクタRCに対して横方向に傾けられる外力を受けることがある。この場合、上板部45が本体部分(プラグコネクタPCにおける上板部45以外の部分)に対して弾性変形する構造であるため、プラグコネクタPCの本体部分がシェル受容空間65内で揺動しても、上板部45は弾性変形して係止突起47が係止孔57内に入り込んだ状態が保持され、ロック保持状態が解除されることを防止できる。
【0047】
また、以上説明した構成から分かるように、プラグコネクタPCの上面側プラグシェル部材40が、その基板部41がグランドバー7と接合されており、同軸ケーブル2のシールド線5と接続されている。上面側プラグシェル部材40は、接合部44が下面側プラグシェル部材30の側面部33と当接している。プラグコネクタPCをレセプタクルコネクタRCと嵌合接続した状態では、上面側プラグシェル部材40の上板部45がレセプタクルシェル部材50の上面板部51と当接接続され、下面側プラグシェル部材30の露出部31がレセプタクルシェル部材50の接触アーム56と当接接続される。なお、上述したように、上板部45の上面に形成されている上面凸状部45aがレセプタクルシェル部材50の上面板部51の内面と当接し、上面側プラグシェル部材40とレセプタクルシェル部材50とを確実に当接接続させる。また、レセプタクルコネクタRCを基板80に取り付けた状態で、レセプタクルシェル部材50の前端が基板80のグランドパターンと接続して接地されるようになっている。このため、同軸ケーブル2のシールド線5、プラグコネクタPCの上面側プラグシェル部材40および下面側プラグシェル部材30、およびレセプタクルコネクタRCのレセプタクルシェル部材50が接地接続され、外部からのノイズ混入を効果的に防止する。ところで、上面凸状部45aに代えて、レセプタクルシェル部材50の上面板部51の内面に内方に僅かに突出する内面凸状部を形成して、上面側プラグシェル部材40とレセプタクルシェル部材50とを確実に当接接続させるようにしても良い。
【0048】
なお、上述したように、プラグコネクタPCのプラグ後部10に取り付けられたケーブルアセンブリ1のケーブル2が煽られるなどして、プラグコネクタPCがレセプタクルコネクタRCに対して横方向に傾けられる外力を受けることがある。この外力を受けてプラグコネクタPCの本体部分がシェル受容空間65内で揺動しても、上板部45は弾性変形してレセプタクルシェル部材50の上面板部51との当接接続が維持される。さらに、レセプタクルシェル部材50の接触アーム56も弾性変形可能であり、ケーブル2が煽られるなどして外力を受けてプラグコネクタPCの本体部分がシェル受容空間65内で揺動しても、下面側プラグシェル部材30の露出部31とレセプタクルシェル部材50の接触アーム56と当接接続も維持される。これにより、上記説明の接地接続を確実に保持し、コネクタ接続部における外部からのノイズ混入の防止効果が損なわれることがない。
【0049】
また、レセプタクルコンタクト70の一つのコンタクト部71が一つのプラグコンタクト25と当接し、二つのコンタクト部71がグランドコンタクト35と当接するようになっており、レセプタクルコンタクト70のコンタクト部71は、右端から順に、GSGGSGGS・・・SGGSGという接続関係となっている。このため、プラグコンタクト25をグラウンドコンタクト35により挟んで、プラグコンタクト25の間でのクロストークを効率良く防止することができる。
【符号の説明】
【0050】
PC プラグコネクタ RC レセプタクルコネクタ
1 同軸ケーブルアセンブリ 2 同軸ケーブル
10 プラグ後部 11 ケーブル保持部
15 受容凹部 20 プラグ前部
21 プラグ接続部 25 プラグコンタクト
30 下面側プラグシェル部材 35 グランドコンタクト
40 上面側プラグシェル部材 41 基板部
45 上板部 47 係止突起
50 レセプタクルシェル部材 57 係止孔
60 レセプタクルハウジング 70 レセプタクルコンタクト
図1
図2
図3
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