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特開2024-18101情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018101
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20240201BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20240201BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20240201BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B21/02
G08G1/16 A
G08B25/00 510M
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121197
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】菊池 紗
(72)【発明者】
【氏名】藤井 智士
(72)【発明者】
【氏名】楠戸 淳也
(72)【発明者】
【氏名】甘利 友也
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
5H181
【Fターム(参考)】
5C086AA22
5C086AA52
5C086BA22
5C086CA25
5C086CB36
5C086DA08
5C086DA14
5C086FA06
5C086FA18
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA25
5C087AA37
5C087AA51
5C087BB18
5C087BB73
5C087BB74
5C087DD03
5C087DD14
5C087EE05
5C087EE18
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF16
5C087GG08
5C087GG70
5C087GG83
5H181AA22
5H181BB05
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181CC27
5H181LL01
5H181LL08
(57)【要約】
【課題】移動者自身が緊急事態と感じた場合に動作させることを可能とする。
【解決手段】児童によって携帯される子端末1に設けられた操作ボタンが操作されたときに、動作制限情報、他子端末撮影要求情報及び緊急事態通知情報の少なくともいずれかを生成する緊急時情報生成部32bを有し、動作制限情報が、レーダの動作を制限するための情報であり、他子端末撮影要求情報は、子端末1と通信可能に設けられた他の子端末1に対して、他の子端末1に設けられたカメラを用いて撮影を行うことを要求するための情報であり、緊急事態通知情報は、子端末1と通信可能に設けられる親端末2に対して、児童に緊急事態が生じたことを通知するための情報である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動者によって携帯され、現在位置を検出する位置検出部と、周辺の物体を検出する物体検出部と、前記移動者に緊急事態が生じたときに前記移動者によって操作される操作部と、を有する第1端末が取得した情報を処理する処理部を備え、
前記処理部は、前記操作部が操作されたときに、第1情報、第2情報及び第3情報の少なくともいずれか一つを生成する生成部を有し、
前記第1情報は、前記物体検出部の動作を制限するための情報であり、
前記第2情報は、前記第1端末と通信可能に設けられた第2端末に対して、前記第2端末に設けられて周辺を撮影する撮影部を用いて撮影を行うことを要求するための情報であり、
前記第3情報は、前記第1端末と通信可能に設けられる第3端末に対して、前記移動者に緊急事態が生じたことを通知するための情報である
情報処理装置。
【請求項2】
前記第2端末は、前記第2端末の現在位置を検出する他の位置検出部を有し、
前記生成部は、少なくとも前記第2情報を生成し、
前記生成部は、前記第1端末の前記位置検出部が検出した前記第1端末の現在位置である第1現在位置と、前記第2端末の前記他の位置検出部が検出した前記第2端末の現在位置である第2現在位置と、が、所定の地理的関係にある前記第2端末に要求するための、前記第2情報を生成する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記生成部は、少なくとも前記第2情報を生成し、
前記生成部は、前記操作部が操作されたときに、前記第2端末と通信可能に設けられる第4端末に対して、前記第2端末が撮影を行うことで取得された撮影情報を送信するための第4情報を更に生成する
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1端末は、周辺を撮影する他の撮影部を有し、
前記生成部は、前記第1端末に対して、前記他の撮影部を用いて撮影を行うことを要求するための第5情報を更に生成する
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記生成部は、前記第1端末と通信可能に設けられる第5端末から、前記他の撮影部で撮影を行うことを要求する指示を受けたときに、前記第5情報を生成する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1端末は、前記第5情報が入力されたときに、前記移動者が前記他の撮影部での撮影を許可する意思を示すための許可操作部を更に有する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記生成部は、前記操作部が操作されたときに、前記第5情報を生成する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第1端末は、前記操作部の機能と、前記許可操作部の機能と、を有する単一の物理操作部を有する
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第1端末及び前記第2端末、又は、前記第1端末及び前記第3端末と通信可能な遠隔装置を備え、
前記生成部の機能の少なくとも一部は、前記遠隔装置に設けられている
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記第1端末は、前記物体検出部が前記物体を検出したときに、前記移動者に対して報知する報知部を有する
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記生成部は、少なくとも前記第3情報を生成し、
前記生成部は、前記操作部が操作されたときに、前記第3端末の表示部に警察機関への緊急通報を行うかの選択を表示させるための第6情報を生成する
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記第1端末は、少なくとも前記操作部が操作されたときに、点灯する点灯部を有する
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
移動者によって携帯される第1端末の現在位置を検出する位置検出ステップと、
前記第1端末の周辺の物体を検出する物体検出ステップと、
緊急事態が生じたときに操作される操作部が前記移動者によって操作されたときに、緊急対応情報を生成する緊急対応情報生成ステップと、
を有し、
前記緊急対応情報は、前記物体検出ステップを制限するための第1情報と、周辺を撮影する撮影部を有すると共に前記第1端末と通信可能に設けられた第2端末に撮影を行うことを要求する第2情報と、前記第1端末と通信可能に設けられた第3端末に前記移動者に緊急事態が生じたことを通知する第3情報との少なくともいずれか一つである
情報処理方法。
【請求項14】
コンピュータに、
移動者によって携帯される第1端末の現在位置を検出する位置検出ステップと、
前記第1端末の周辺の物体を検出する物体検出ステップと、
緊急事態が生じたときに操作される操作部が前記移動者によって操作されたときに、緊急対応情報を生成する緊急対応情報生成ステップと、
を実行させ、
前記緊急対応情報は、前記物体検出ステップを制限するための第1情報と、周辺を撮影する撮影部を有すると共に前記第1端末と通信可能に設けられた第2端末に撮影を行うことを要求する第2情報と、前記第1端末と通信可能に設けられた第3端末に前記移動者に緊急事態が生じたことを通知する第3情報との少なくともいずれか一つである
情報処理プログラム。
【請求項15】
請求項14に記載の情報処理プログラムを記録すると共に前記コンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、児童の交通事故を防止するために、カメラやミリ波レーダ備える電子機器が開示されている。特許文献1に開示された電子機器は、ランドセルやリュックサックの肩ベルトを介して児童の肩に装着され、周囲の車両等を検出することで児童の安全を確保する。また、特許文献1に開示された電子機器は、カメラで周囲を撮影できるため、防犯にも役立つ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2020/111227号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に開示された電子機器は、装着する児童等の移動者が操作することなく安全を確保できるものの、移動者自身が緊急事態と感じた場合に、移動者の意思に基づいて電子機器を動作させることができない。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、移動者自身が緊急事態と感じた場合に動作させることが可能な情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び記録媒体を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び記録媒体は、以下の構成を採用した。
(1):この発明の一態様に係る情報処理装置は、移動者によって携帯され、現在位置を検出する位置検出部と、周辺の物体を検出する物体検出部と、上記移動者に緊急事態が生じたときに上記移動者によって操作される操作部と、を有する第1端末が取得した情報を処理する処理部と、を備え、上記処理部は、上記操作部が操作されたときに、第1情報、第2情報及び第3情報の少なくともいずれか一つを生成する生成部を有し、上記第1情報は、上記物体検出部の動作を制限するための情報であり、上記第2情報は、上記第1端末と通信可能に設けられて周辺を撮影する撮影部を用いて撮影を行うことを要求するための情報であり、上記第3情報は、上記第1端末と通信可能に設けられる第3端末に対して、上記移動者に緊急事態が生じたことを通知するための情報であるとするものである。
【0007】
(2):上記(1)の態様において、上記第2端末は、上記第2端末の現在位置を検出する他の位置検出部を有し、上記生成部は、少なくとも上記第2情報を生成し、上記生成部は、上記第1端末の上記位置検出部が検出した上記第1端末の現在位置である第1現在位置と、上記第2端末の上記他の位置検出部が検出した上記第2端末の現在位置である第2現在位置と、が、所定の地理的関係にある上記第2端末に要求するための、上記第2情報を生成するものである。
【0008】
(3):上記(1)又は(2)の態様において、上記生成部は、少なくとも上記第2情報を生成し、上記生成部は、上記操作部が操作されたときに、上記第2端末と通信可能に設けられる第4端末に対して、上記第2端末が撮影を行うことで取得された撮影情報を送信するための第4情報を更に生成するものである。
【0009】
(4):上記(1)から(3)のいずれか一つの態様において、上記第1端末は、周辺を撮影する他の撮影部を有し、上記生成部は、上記操作部が操作されたときに、上記第1端末に対して、上記他の撮影部を用いて撮影を行うことを要求するための第5情報を更に生成するものである。
【0010】
(5):上記(4)の態様において、上記生成部は、上記第1端末と通信可能に設けられる第5端末から、上記他の撮影部で撮影を行うことを要求する指示を受けたときに、上記第5情報を生成するものである。
【0011】
(6):上記(5)の態様において、上記第1端末は、上記第5情報が入力されたときに、上記移動者が上記他の撮影部での撮影を許可する意思を示すための許可操作部を更に有するものである。
【0012】
(7):上記(4)の態様において、上記生成部は、上記操作部が操作されたときに、上記第5情報を生成するものである。
【0013】
(8):上記(6)の態様において、上記第1端末は、上記操作部の機能と、上記許可操作部の機能と、を有する単一の物理操作部を有するものである。
【0014】
(9):上記(1)から(8)のいずれかの一つの態様において、上記第1端末及び上記第2端末、又は、上記第1端末及び上記第3端末と通信可能な遠隔装置を備え、上記生成部の機能の少なくとも一部は、上記遠隔装置に設けられているものである。
【0015】
(10):上記(1)から(9)のいずれか一つの態様において、上記第1端末は、上記物体検出部が上記物体を検出したときに、上記移動者に対して報知する報知部を有するものである。
【0016】
(11):上記(1)から(10)のいずれか一つの態様において、上記生成部は、少なくとも上記第3情報を生成し、上記生成部は、上記操作部が操作されたときに、上記第3端末の表示部に警察機関への緊急通報を行うかの選択を表示させるための第6情報を生成するものである。
【0017】
(12):上記(1)から(11)のいずれか一つの態様において、上記第1端末は、少なくとも上記操作部が操作されたときに、点灯する点灯部を有するものである。
【0018】
(13):この発明の一態様に係る情報処理方法は、移動者によって携帯される第1端末の現在位置を検出する位置検出ステップと、上記第1端末の周辺の物体を検出する物体検出ステップと、緊急事態が生じたときに操作される操作部が上記移動者によって操作されたときに、緊急対応情報を生成する緊急対応情報生成ステップと、を有し、上記緊急対応情報は、上記物体検出ステップを制限するための第1情報と、周辺を撮像する撮影部を有すると共に上記第1端末と通信可能に設けられた第2端末に撮影を行うことを要求する第2情報と、上記第1端末と通信可能に設けられた第3端末に上記移動者に緊急事態が生じたことを通知する第3情報との少なくともいずれか一つであるものである。
【0019】
(14):この発明の一態様に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、移動者によって携帯される第1端末の現在位置を検出する位置検出ステップと、上記第1端末の周辺の物体を検出する物体検出ステップと、緊急事態が生じたときに操作される操作部が上記移動者によって操作されたときに、緊急対応情報を生成する緊急対応情報生成ステップと、を実行させ、上記緊急対応情報は、上記物体検出ステップを制限するための第1情報と、周辺を撮像する撮影部を有すると共に上記第1端末と通信可能に設けられた第2端末に撮影を行うことを要求する第2情報と、上記第1端末と通信可能に設けられた第3端末に上記移動者に緊急事態が生じたことを通知する第3情報との少なくともいずれか一つであるものである。
【0020】
(15):この発明の一態様に係る記録媒体は、上記(14)の情報処理プログラムを記録すると共に上記コンピュータで読み取り可能である。
【発明の効果】
【0021】
(1)、(12)から(14)の態様によれば、移動者による操作部の操作に基づいて、物体検出部の動作を制限する第1情報、第2端末に設けられた撮影部を用いて撮影を行うことを要求するための第2情報、及び、移動者に緊急事態が生じたことを通知するための第3情報のいずれかが生成される。つまり、移動者自身が緊急事態と感じた場合に動作させることができる。
(2)の態様によれば、第1端末に対して所定の地理的関係にある第2端末に撮影をさせることができる。
(3)の態様によれば第1端末と異なる第4端末に対して、第2端末で撮影された撮影情報を送信できる。
(4)の態様によれば、操作部が操作されたときに、第1端末を用いて撮影を行うことができる。
(5)及び(7)の態様によれば、第5端末からの指示に基づいて、第1端末を用いて撮影を行うことができる。
(6)の態様によれば、第1端末を携帯する移動者の意思で、第5端末の指示に基づく撮影を行うか否かの判断ができる。
(8)の態様によれば、単一の物理操作部に操作部と許可操作部の機能を持たせるため、操作部と許可操作部とを別々に設ける場合と比較して第1端末を小型化できる。
(9)の態様によれば、遠隔装置が生成部の機能の少なくとも一部を有するため、第1端末、第2端末及び第3端末に生成部の全ての機能を持たせるよりも、第1端末、第2端末及び第3端末の少なくともいずれかの処理負担を軽減できる。
(10)の態様によれば、物体検出部が物体を検出したことを移動者に報知できる。
(11)の態様によれば、第3端末の操作者が自らの意思に基づいて、容易に警察機関に通報できる。
(12)の態様によれば、操作部が操作されたときに点灯部が点灯することで、防犯性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態における交通安全システムの全体構成の概略を示すブロック図である。
図2】子端末の要部構成の概略を示すブロック図である。
図3】子端末の各構成要素のレイアウトを示す模式図である。
図4】親端末の要部構成の概略を示すブロック図である。
図5】設定位置における報知処理の開始タイミングを模式的に示す図である。
図6】設定位置における報知処理の一例を示すフローチャートである。
図7】車両検出による報知処理の一例を示すフローチャートである。
図8】第1子端末の撮影要求処理における一例を示すフローチャートである。
図9】第1子端末の緊急事態処理の一例を示すフローチャートである。
図10】サーバの緊急事態処理の一例を示すフローチャートである。
図11】第1親端末の緊急事態処理の一例を示すフローチャートである。
図12】第2子端末の緊急事態処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照し、本発明の情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び記録媒体の実施形態について説明する。
【0024】
<交通安全システム>
図1は、本発明の一実施形態における交通安全システムES1の全体構成の概略を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態の交通安全システムES1は、複数の子端末1と、複数の親端末2と、サーバ3(遠隔装置)とを備える。子端末1、親端末2、及びサーバ3は、ネットワークNを介して相互に接続されている。ネットワークNは、例えば、移動体通信網である。移動体通信網は、例えば、第4世代移動体通信網又は第5世代移動体通信網等である。なお、ネットワークNは、基地局等を備える。
【0025】
交通安全システムES1が備える子端末1の数は、複数であれば特に限定されない。ただし、説明の便宜上、以下の説明では、交通安全システムES1が備える子端末1の数が2つである例について説明する。これらの子端末1のうち、一方の子端末1を第1子端末1Aと称する。また、これらの子端末1のうち、他方の子端末1を第2子端末1Bと称する。
【0026】
また、交通安全システムES1が備える親端末2の数は、特に限定されない。ただし、説明の便宜上、以下の説明では、交通安全システムES1が備える親端末2の数が2つである例について説明する。これらの親端末2のうち、一方の親端末2を第1親端末2Aと称する。また、これらの親端末2のうち、他方の親端末2を第2親端末2Bと称する。
【0027】
例えば、第1子端末1Aと第2子端末1Bとは、異なる児童(移動者)が携帯する。このとき、例えば、第1親端末2Aは、第1子端末1Aを携帯する児童の保護者が有する。また、例えば、第2親端末2Bは、第2子端末1Bを携帯する児童の保護者が有する。ただし、子端末1を携帯する者は、児童に限られるものではなく、高齢者等であってもよい。また、親端末2を有する者は、保護者に限られるものではなく、教職員等であってもよい。なお、本実施形態では、第1子端末1A及び第2子端末1Bは、児童が携帯する。また、本実施形態では、第1親端末2Aは、第1子端末1Aを携帯する児童の保護者が有する。また、本実施形態では、第2親端末2Bは、第2子端末1Bを携帯する児童の保護者が有する。
【0028】
第1子端末1A、第2子端末1B、第1親端末2A及び第2親端末2Bは、相互に通信可能である。つまり、第1子端末1Aは、第2子端末1Bと、第1親端末2Aと、第2親端末2Bと通信可能である。また、第2子端末1Bは、第1子端末1Aと、第1親端末2Aと、第2親端末2Bと通信可能である。また、第1親端末2Aは、第1子端末1Aと、第2子端末1Bと、第2親端末2Bと通信可能である。また、第2親端末2Bは、第1子端末1Aと、第2子端末1Bと、第1親端末2Aと通信可能である。ここで、通信可能とは、ネットワークNを介して端末同士が直接的に通信可能であること、ネットワークNを介すると共にサーバ3を経由して端末同士が通信可能であることを含む。また、通信可能とは、近距離無線通信等を用いて端末同士がネットワークNを介さずに通信することも含む。
【0029】
子端末1は、通信機能を備えるロボットであり、例えば、ランドセルの肩ベルト等に取り付けられて用いられる。子端末1は、移動者(本実施形態では児童)に携帯される。例えば、子端末1は、登下校する児童に携帯される。子端末1は、各種情報(例えば、緊急事態であることを示す緊急信号)を、ネットワークNを介してサーバ3へ送信する。子端末1は、サーバ3が送信した各種情報(例えば、親端末2から指示に基づく子端末撮影要求情報や、緊急信号に基づいてサーバ3で生成された緊急対応情報)を、ネットワークNを介して受信する。なお、子端末1のより詳細な構成については後述する。
【0030】
親端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット、又はスマートウォッチ等である。親端末2は、親端末2に入力された指示に応じた各種情報を、ネットワークNを介してサーバ3へ送信する。親端末2からサーバ3へ送信される情報としては、例えば、上記の子端末撮影要求情報を生成するための指示信号が挙げられる。親端末2は、サーバ3が送信した各種情報を、ネットワークNを介して受信する。サーバ3から親端末2に送信される情報としては、例えば、上記の緊急信号に基づいてサーバ3で生成された緊急対応情報等が挙げられる。なお、親端末2のより詳細な構成については後述する。
【0031】
サーバ3は、子端末1と親端末2とを関連付けて、子端末1から送信される緊急信号に基づいて、子端末1及び親端末2に送信する緊急対応情報を生成する。また、サーバ3は、親端末2から送信される指示に基づいて、子端末1に送信する指示信号(例えば、通常時子端末撮影要求情報)を生成する。
【0032】
この他、サーバ3は、例えば、子端末1から送信されてきた位置情報と地図情報とを用いて、子端末1を携帯する児童の移動軌跡を生成し、地図情報に移動軌跡を合わせた情報を子端末位置情報として生成してもよい。また、サーバ3は、子端末1から送信されてきた動作判断情報(子端末1に設定された設定位置で所定の動作が行われたか否かを判断した情報)に基づいて、子端末1を携帯する携帯者の動作を評価し、その評価結果を示す動作評価情報を生成してもよい。この場合、サーバ3は、生成した子端末位置情報及び動作評価情報を親端末2に送信する。
【0033】
サーバ3は、通信部31と、制御部32と、記憶部33とを備える。通信部31は、子端末1からネットワークNを介して送信されてきた各種情報(例えば、緊急信号)を受信して制御部32に出力する。通信部31は、親端末2からネットワークを介して送信されてきた各種情報(例えば、指示信号)を受信して制御部32に出力する。通信部31は、制御部32から出力される情報(例えば、緊急対応情報や通常時子端末撮影要求情報)を、ネットワークNを介して子端末1と親端末2との両方あるいはいずれかに送信する。
【0034】
制御部32は、通常時情報生成部32a(生成部)及び緊急時情報生成部32b(生成部)を備えており、サーバ3の動作を統括して制御する。制御部32は、子端末1か取得した情報を処理する処理部として機能する。ただし、処理部の機能の全部あるいは一部を、子端末1の後述する制御部20や親端末2の後述する制御部48が有していてもよい。
【0035】
通常時情報生成部32aは、子端末1が通常状態(後述する操作ボタン19が操作されていない状態)において、通信部31から出力される情報に基づいて、子端末1や親端末2に送信する各種情報を生成する。緊急時情報生成部32bは、子端末1が緊急状態(操作ボタン19が操作された状態)において、通信部31から出力される情報に基づいて、子端末1や親端末2に送信する各種情報(例えば、緊急対応情報)を生成する。
【0036】
制御部32は、通信部31から出力される情報(子端末1及び親端末2から受信した各種情報)を記憶部33に記憶させる。また、制御部32は、親端末2から受信した指示信号の指示に応じた制御又は処理を行う。例えば、制御部32は、上記の指示が、子端末1に撮影を要求する指示である場合には、通常時情報生成部32aで通常時子端末撮影要求情報を生成し、通信部31を制御して、子端末撮影要求情報を子端末1に送信させる。なお、通常時子端末撮影要求情報(第5情報)は、通常状態において生成される後述の子端末撮影要求情報である。
【0037】
また、制御部32は、子端末1から緊急信号を受信した場合には、緊急時情報生成部32bで緊急対応情報を生成し、通信部31を制御して、緊急対応情報を子端末1及び親端末2の両方あるいはいずれかに送信させる。緊急時情報生成部32bで生成する緊急対応情報は、例えば、動作制限情報(第1情報)、他子端末撮影要求情報(第2情報)、緊急事態通知情報(第3情報)、他子端末撮影転送情報(第4情報)、緊急時子端末撮影要求情報(第5情報)、通報選択情報(第6情報)、点灯情報である。
【0038】
動作制限情報は、子端末1の後述のレーダ12の動作を制限するための情報である。子端末1は、動作制限情報が入力されると、レーダ12の動作を制限する。ここ言う制限とは、通常よりも動作を制限することを意味し、例えば、動作回数を低減させること、動作を停止することを含む。また、動作制限情報には、他の通常状態における処理を制限する情報が含まれてもよい。
【0039】
他子端末撮影要求情報は、緊急信号が出力された子端末1(例えば、第1子端末1A)と通信可能に設けられた他の子端末1(例えば、第2子端末1B)に対して、他の子端末1に設けられた後述のカメラ18を用いて撮影を行うことを要求するための情報である。子端末1は、他子端末撮影要求情報が入力されるとカメラ18を用いて撮影を行う。
【0040】
緊急事態通知情報は、緊急信号が出力された子端末1と通信可能に設けられた親端末2に対して、児童に緊急事態が生じたことを通知するための情報である。なお、緊急事態通知情報は、緊急信号が出力された子端末1(例えば、第1子端末1A)に紐づけられた親端末2(例えば、第1親端末2A)に送信される。緊急事態通知情報が入力された親端末2は、例えば、後述の表示部42に子端末1から緊急信号が出力されたことを示す情報を表示する。
【0041】
他子端末撮影転送情報は、緊急信号が出力された子端末1(例えば、第1子端末1A)と異なる子端末1(例えば、第2子端末1B)と通信可能な親端末2(例えば、第1親端末2A)に対して、上述の異なる子端末1(例えば、第2子端末1B)がカメラ18(撮影部)で撮影を行うことで取得された撮影情報を送信するための情報である。子端末撮影転送情報が入力された子端末1は、サーバ3に対して撮影情報を出力する。撮影情報は、例えば、サーバ3を経由して親端末2に転送される。
【0042】
緊急時子端末撮影要求情報は、緊急状態において生成される子端末撮影要求情報である。子端末撮影要求情報は、子端末1に設けられたカメラ18(他の撮影部)を用いて撮影を行うことを要求するための情報である。子端末撮影要求情報は、緊急信号が出力された子端末1や、緊急信号を出力していない通常状態の子端末1に対して入力される。子端末撮影要求情報が入力された子端末1は、カメラ18を用いて撮影する。
【0043】
通報選択情報は、親端末2に警察機関への緊急通報を行うかの選択を後述の表示部42に表示させるための情報である。例えば、通報選択情報は、緊急信号が出力された子端末1(例えば、第1子端末1A)に紐づけられた親端末2(例えば、第1親端末2A)に対して出力される。通報選択状態が入力された親端末2には、例えば表示部42に警察機関に通報するか否かのポップアップが表示される。
【0044】
点灯情報は、緊急信号が出力された子端末1に対して、ライト14を点灯させるための情報である。例えば、点灯情報が入力された子端末1は、ライト14を点灯させる。ライト14が点灯されることで、子端末1の前方が照らされ、他の者に児童の存在を気づきやすくすると共に、児童に安心感を与えることができる。
【0045】
なお、本実施形態においては、緊急時情報生成部32bで生成する緊急対応情報は、上述の動作制限情報、他子端末撮影要求情報、緊急事態通知情報、他子端末撮影転送情報、緊急時子端末撮影要求情報、通報選択情報、及び点灯情報の全てである。ただし、緊急時情報生成部32bで生成する緊急対応情報は、必ずしも上述の全てである必要はなく、少なくとも動作制限情報、他子端末撮影要求情報及び緊急事態通知情報のいずれかである。
【0046】
また、制御部32は、緊急信号が出力された子端末1の現在位置である第1現在位置と、他の子端末1の現在位置である第2現在位置と、が、所定の地理的関係にあるか判定する。緊急時情報生成部32bは、緊急信号が出力された子端末1と所定の地理的関係にある他の子端末1に対して、他子端末撮影要求情報を生成する。つまり、制御部32は、緊急信号が出力された子端末1(例えば、第1子端末1A)と所定の地理的関係にある他の子端末1(例えば、第2子端末1B)に撮影させる。ここで、所定の地理的関係にあるとは、例えば、予め定めされた所定距離以内に互いの子端末1が位置することを意味する。
【0047】
また、制御部32は、電話番号又は識別情報に基づいて、児童が携帯する子端末1と保護者が所持する親端末2とを関連付けて記憶部33に記憶させる。これにより、サーバ3は、複数組(本実施形態では2組)の子端末1及び親端末2に対して処理を行う。
【0048】
記憶部33は、子端末1及び親端末2から受信した各種情報を記憶する。また、記憶部33は、地図情報を記憶する。なお、地図情報は、例えば、自宅から学校までの通学路を含む地図を含む。また、地図情報は、歩道及び道路の経路ネットワーク(岐点、枝)等の情報を含む。
【0049】
また、記憶部33は、情報処理プログラムPの一部あるいは全部を記憶する。情報処理プログラムPは、コンピュータに、位置検出ステップ(後述するステップS11)と、物体検出ステップ(後述するステップS21)と、緊急対応情報生成ステップ(後述するステップS52)とを実行させるプログラムである。位置検出ステップは、児童によって携帯される子端末1の現在位置を検出するステップである。物体検出ステップは、児童によって携帯される子端末1の周辺の物体を検出するステップである。緊急対応情報生成ステップは、児童に緊急事態が生じ、児童によってボタンが操作されたときに、緊急対応情報を生成するステップである。
【0050】
サーバ3は、コンピュータを含む。サーバ3が備える通信部31と、制御部32と、記憶部33とは、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。情報処理プログラムPは、このようなサーバ3に、例えば、緊急対応情報生成ステップを実行させる。
【0051】
<子端末>
図2は、本実施形態における子端末1の要部構成の概略を示すブロック図である。図2に示す通り、子端末1は、位置取得部11(位置検出部)、レーダ12(物体検出部)、加速度センサ13、ライト14(点灯部)、マイクロフォン15、スピーカ16(報知部)、バイブレータ17(報知部)、カメラ18(撮影部、他の撮影部)、操作ボタン19(操作部、許可操作部)、制御部20、通信部21、及びメモリ22を備える。
【0052】
位置取得部11は、子端末1の位置情報を取得する。子端末1の位置情報は子端末1の現在位置である。つまり、位置取得部11は、子端末1の現在位置を検出する。位置取得部11は、例えば、衛星等から測位信号を受信する測位信号受信アンテナを備えており、受信した測位信号を制御部20に出力する。なお、子端末1は、例えば、基地局との通信に基づいて現在位置を示す情報を取得してもよい。
【0053】
レーダ12は、子端末1の周辺の物体を検出する。本実施形態においては、レーダ12は、例えば、子端末1の周囲における後方の物体を検出する。レーダ12は、例えば、ミリ波レーダである。レーダ12は、例えば、外部の物体に対する距離、相対速度、相対位置、及び方位等に係る検出信号を制御部20に出力する。
【0054】
加速度センサ13は、子端末1に作用する加速度を検出し、検出した加速度の信号を制御部20に出力する。具体的に、加速度センサ13は、子端末1のX軸、Y軸、及びZ軸の3方向の加速度を検出し、検出した3方向の加速度の信号を制御部20に出力する。
【0055】
ライト14は、制御部20の制御に基づいて動作する。ライト14は、例えば、赤色、緑色、及び青色の3色発光のLED(発光ダイオード)を備える。ライト14は、例えば、夕方や夜間等に児童が周囲を認識できる程度の照度を有する。ライト14を何色で発光させるか、ライト14をどのような発光パターンで発光させるかは任意に設定可能である。例えば、ライト14は、通常時子端末撮影要求情報が入力された場合には、周囲を照らすように白色で点灯してもよい。また、ライト14は、緊急状態で操作ボタン19が操作された場合には、周囲の者が緊急事態であることを認識しやすいように、赤色で点滅するように点灯してもよい。本実施形態においてライト14は、少なくとも操作ボタン19が操作されたときに点灯する。なお、ライト14は、例えば、液晶装置、または有機EL(エレクトロルミネッセンス)装置等であってもよい。
【0056】
マイクロフォン15は、収音により得られる信号(例えば、音声信号等)を制御部20に出力する。なお、マイクロフォン15は、複数のマイクロフォンによって構成されるマイクロフォンアレイであってもよい。スピーカ16は、制御部20が出力する信号(例えば、音声信号等)を音に変換する。バイブレータ17は、振動子であり、制御部20が出力する報知情報に応じて振動を発生させる。
【0057】
カメラ18は、子端末1の周辺を撮影する。ここでの撮影とは、動画を撮像することであってもよく、静止画を撮像することであってもよい。つまり、カメラ18で取得する撮影情報は、動画及び静止画のいずれでもよい。本実施形態においては、カメラ18は、子端末1の周囲における前方を撮影する。ただし、カメラ18は、子端末1の周囲における後方等を撮影してもよい。また、異なる方向を撮影する複数のカメラ18を備えてもよい。カメラ18は、子端末1の周囲の状況を撮影し、撮影情報を制御部20に出力する。
【0058】
操作ボタン19は、子端末1を携帯する児童によって操作される物理ボタンである。例えば、操作ボタン19は、子端末1の筐体の一部に露出した状態で設けられる。操作ボタン19は、児童によって操作された場合に、操作されたことを示す信号(操作信号)を制御部20に出力する。
【0059】
操作ボタン19は、児童が緊急事態であると感じた場合に操作される。つまり、操作ボタン19は、移動者に緊急事態が生じたときに移動者によって操作される操作部として機能する。また、操作ボタン19は、親端末2から通常時子端末撮影要求情報が子端末1に入力され、児童がカメラ18による撮影を許可する場合に操作される。つまり、操作ボタン19は、移動者が撮影を許可する意思を示すための許可操作部として機能する。このような操作ボタン19は、上記の操作部の機能と、上記の許可操作部の機能と、を有する単一の物理操作部である。
【0060】
例えば、親端末2からの指示に基づく通常時子端末撮影要求情報が子端末1に入力され、児童がカメラ18による撮影を許可する場合には、スピーカ16から撮影を許可するか否かを問う音声が出力される。このため、このような音声が出力された後に操作ボタン19から出力される操作信号は、撮影を許可することを示す撮影許可信号として扱われる。一方、児童自身が緊急事態であると感じた場合には、上述のような音声が出力されていない状態で操作ボタン19が操作される。このため、音声が出力されていない状態で操作ボタン19から出力される操作信号は、緊急事態であることを示す緊急信号として扱われる。
【0061】
制御部20は、子端末1の動作を統括して制御する。制御部20は、位置取得部11が出力する測位情報、レーダ12が出力する検出信号、加速度センサ13が出力する検出値、マイクロフォン15が出力する音声信号を取得する。制御部20は、通信部21を制御して、位置取得部11から取得した測位情報に基づく位置情報、レーダ12から取得した検出信号、加速度センサ13から取得した検出値、及びマイクロフォン15から取得した音声信号をサーバ3へ送信する。
【0062】
制御部20は、位置判断部20aと、車両検出部20bと、撮影制御部20cと、レーダ停止部20dと、緊急通信制御部20eとを備える。例えば、位置判断部20aは、メモリ22に記憶された設定位置情報と、位置取得部11から取得した測位情報に基づく位置情報とを用い、設定位置情報で示される設定位置と、位置情報で示される子端末1の現在位置とが所定の地理的関係にあることを判断する。例えば、位置判断部20aは、子端末1の現在位置と設定位置との間の距離が、予め規定された所定距離(例えば、数m程度の距離)よりも短くなったか否かを判断する。
【0063】
制御部20は、位置判断部20aが子端末1の現在位置と設定位置との間の距離が所定距離よりも短くなったと判断した場合に、報知情報を出力してバイブレータ17を振動させる。このような場合にバイブレータ17を振動させるのは、設定位置(子端末1の携帯者によって所定動作がなされるよう事前に設定された地理的位置である設定位置)に近づいた旨を、子端末1を携帯する携帯者に気づかせるためである。
【0064】
車両検出部20bは、レーダ12から取得した検出信号から周知の認識手法を用いて人又は車両が含まれているか否かを判断する。制御部20は、検出信号に車両が含まれていると判断した場合には、例えば、報知情報を出力してバイブレータ17を振動させたり、ライト14を発光させたりして、子端末1を携帯する児童に車両の接近を知らせる。なお、車両検出部20bは、バイブレータ17を振動させる場合には、報知する内容に応じて振動間隔又は振動の強さを変えても良い。
【0065】
また、車両検出部20bは、子端末1(すなわち児童)に近づく車両を検出した場合や、子端末1(すなわち児童)から車両までの距離が予め設定された所定距離以下(例えば10m以下)になったと判断した場合には、車両に対して児童の存在を知らせる注意情報を生成する。車両検出部20bは、注意情報を通信部21から車両に向けて出力する。例えば、車両は、子端末1から注意情報を受信すると、車両に設けられた表示部やスピーカを用いて、ドライバに対して児童の存在を知らせる。車両のドライバは、車両から提供される児童存在情報に基づいて、児童を視認できない場合であっても児童の存在に注意を向けることができる。
【0066】
撮影制御部20cは、カメラ18の制御を行う。撮影制御部20cは、操作ボタン19が操作された場合に、カメラ18に撮影させる。例えば、撮影制御部20cは、操作ボタン19から緊急信号が制御部20に入力された場合に、カメラ18に撮影させる。また、撮影制御部20cは、操作ボタン19から撮影許可信号が制御部20に入力された場合に、カメラ18に撮影させる。撮影制御部20cは、カメラ18から撮影情報が制御部20に入力されると、撮影情報をメモリ22に記憶させる。また、撮影制御部20cは、必要に応じて撮影情報を通信部21に送信させる。
【0067】
レーダ停止部20dは、動作制限情報が入力されると、レーダ12の動作を制限する。レーダ12の動作が制限されることで、車両検出部20bから報知情報が出力されることが制限される。動作制限情報は、操作ボタン19から出力される緊急信号に基づいて生成される。つまり、操作ボタン19から緊急信号が出力されると、レーダ12の動作が制限され、バイブレータ17の振動が抑制される。このように、緊急状態においては、通常状態の処理を抑制することで、児童が混乱することを防止できる。なお、緊急対応情報の1つである動作制限情報は、上述のように、例えばサーバ3の緊急時情報生成部32bで生成できる。ただし、動作制限情報は、例えば、子端末1の制御部20で生成してもよい。
【0068】
緊急通信制御部20eは、操作ボタン19から緊急信号が出力された場合に、緊急信号を通信部21に送信させる。上述のようにサーバ3は、子端末1から出力された緊急信号に基づいて、緊急対応情報の1つである緊急事態通知情報を生成できる。ただし、緊急事態通知情報は、例えば、子端末1の制御部20で生成してもよい。
【0069】
また、制御部20は、通信部21が出力する各種情報を取得する。制御部20は、通信部21から出力された情報が音声信号の場合には、音声信号をスピーカ16に出力する。制御部20は、通信部21から出力された情報が振動信号である場合には、その情報をバイブレータ17に出力する。また、制御部20は、操作ボタン19から緊急信号が出力されると、ライト14を点灯させる。また、制御部20は、通常時子端末撮影要求情報が入力された場合に、ライト14を点灯させる。制御部20は、例えば、情報等に応じてライト14の発光させる色又は点滅状態等を制御する。
【0070】
なお、例えば、制御部20は、コンピュータを含む。制御部20が備える位置判断部20aと、車両検出部20bと、撮影制御部20cと、レーダ停止部20dと、緊急通信制御部20eは、CPU等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現されてもよい。これらの構成要素のうち一部又は全部は、LSI、ASIC、FPGA、GPU等のハードウェア(回路部を含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD又はフラッシュメモリ等の記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVD又はCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0071】
通信部21は、例えば、通信用ICカード、通信アンテナ、及び通信モジュールを備えており、制御部20の制御の下で通信(無線通信)を行う。通信部21は、制御部20が出力する情報を、ネットワークNを介してサーバ3へ送信する。通信部21は、サーバ3が送信した情報を受信し、受信した情報を制御部20に出力する。
【0072】
メモリ22は、子端末1で用いられる各種情報及びプログラムを記憶する。例えば、メモリ22は、サーバ3から送信されてきた設定位置情報を記憶する。なお、この設定位置情報で規定される設定位置は、親端末2に対して入力された操作に応じて設定されたものである。また、メモリ22は、制御部20の機能(例えば、位置判断部20a、車両検出部20b、撮影制御部20c、レーダ停止部20d、及び緊急通信制御部20eの機能)を実現するプログラムを記憶する。
【0073】
また、メモリ22は、情報処理プログラムPの一部あるいは全部を記憶する。制御部20は、上述のようにコンピュータを含む。情報処理プログラムPは、このような制御部20に、例えば、上述の位置検出ステップや物体検出ステップを実行させる。
【0074】
図3は、子端末1の各構成要素のレイアウトを示す模式図である。図3に示すように、子端末1の前部には、ライト14とカメラ18とが位置する。ライト14は、点灯することで、子端末1の前方を照らす。カメラ18は、子端末1の前方を撮影する。また、子端末1の後部には、レーダ12が位置する。レーダ12は、子端末1の後方の物体を検出する。例えば、レーダ12は、児童の後方から近づく車両を検出する。
【0075】
操作ボタン19は、子端末1の前後方向における中央部に位置する。つまり、操作ボタン19は、カメラ18とレーダ12との間に位置する。操作ボタン19が子端末1の前後方向における中央部に位置することで、操作ボタン19を児童が視認しやすくなる。
【0076】
また、位置取得部11、加速度センサ13、マイクロフォン15、スピーカ16、バイブレータ17、制御部20、通信部21、メモリ22の位置は、特に限定されない。例えば、図3に示すように、マイクロフォン15、スピーカ16、バイブレータ17、及び通信部21は、前後方向において、カメラ18とレーダ12との間に位置する。また、位置取得部11や制御部20を構成するCPU等、加速度センサ13及びメモリ22は、図3において省略されているが、例えば、前後方向において、カメラ18とレーダ12との間に位置する。
【0077】
<親端末>
図4は、本実施形態における親端末の要部構成の概略を示すブロック図である。図4に示す通り、親端末2は、操作部41、表示部42、マイクロフォン43、スピーカ44、バイブレータ45、通信部46、メモリ47、及び制御部48を備える。
【0078】
操作部41は、親端末2を所持する保護者によって操作され、保護者の操作に応じた信号を制御部48に出力する。操作部41は、例えば、表示部42上に設けられたタッチパネルセンサである。表示部42は、制御部48が出力する各種情報を表示する。表示部42は、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、又は電子インク表示装置等である。
【0079】
マイクロフォン43は、収音により得られる信号(例えば、音声信号等)を制御部48に出力する。なお、マイクロフォン43は、複数のマイクロフォンによって構成されるマイクロフォンアレイであってもよい。スピーカ44は、制御部48が出力する信号(例えば、音声信号等)を音に変換する。バイブレータ45は、振動子であり、制御部48が出力する報知情報に応じて振動を発生させる。
【0080】
通信部46は、例えば、通信用ICカード、通信アンテナ、及び通信モジュールを備えており、制御部48の制御の下で通信(無線通信)を行う。通信部46は、制御部48が出力する情報を、ネットワークNを介してサーバ3へ送信する。通信部46は、サーバ3が送信した各種情報を受信して制御部48に出力する。メモリ47は、親端末2で用いられる各種情報及びプログラムを記憶する。
【0081】
制御部48は、親端末2の動作を統括して制御する。制御部48は、操作部41が出力する信号を取得し、取得した信号に応じた制御又は処理を行う。例えば、制御部48は、ネットワークNを介して緊急事態通知情報が入力されると、子端末1が緊急事態であることを示す情報を表示部42に表示させる。また、制御部48は、ネットワークNを介して通報選択情報が入力されると、警察機関に通報するか否かのポップアップを表示部42に表示させる。
【0082】
<交通安全システムES1で行われる処理>
次に、本実施形態に係る交通安全システムES1で行われる処理(交通安全方法、情報処理方法)について説明する。以下では、まず、子端末1を携帯する児童が予め定められた設定位置に近づいた旨を、その児童に報知する処理(設定位置における報知処理)について説明する。次に、子端末1を携帯する児童に車両が近づいてきた旨を、その児童に報知する処理(車両検出による報知処理)について説明する。次に、児童が携帯する子端末1に親端末2から撮影の要求がされた場合の処理(撮影要求処理)について説明する。さらに、児童自らが緊急事態であると感じ、操作ボタン19を操作した場合の処理(緊急事態処理)について説明する。なお、設定位置における報知処理、車両検出による報知処理及び撮影要求処理は、子端末1の操作ボタン19から緊急信号が出力されていない通常状態において実行される処理である。一方、緊急事態処理は、操作ボタン19から緊急信号が出力された緊急状態において実行される処理である。
【0083】
≪設定位置における報知処理≫
子端末1を携帯する携帯者に報知する処理の詳細について説明する。ここで、設定位置は、例えば、停止動作、左右確認動作、挙手動作等の所定動作の実行が必要とされる地点(例えば、安全確認地点等)を含む。具体的に、設定位置は、子端末1を携帯する児童が通行する経路上の位置であり、例えば、児童に危険が及ぶ可能性が有る位置等である。設定位置は、例えば、経路上の交差点、車道と区分された歩道上の位置及び危険性がある構造物の近傍等を含む。
【0084】
設定位置は、例えば、親端末2を所持する保護者が、子端末1を携帯する児童とともに登下校時の通学路を歩きながら親端末2を操作して設定する。設定位置を設定する場合には、親端末2を所持する保護者が、子端末1を携帯する児童に対し、設定位置である旨、及び停止動作、左右確認動作、挙手動作等の所定動作をする必要がある旨を伝えながら行うのが好ましい。保護者が親端末2を操作して設定した設定位置を示す設定位置情報は、サーバ3を介して子端末1に送信され、サーバ3の記憶部33及び子端末1のメモリ22に記憶される。
【0085】
子端末1を携帯する児童に対する報知は、例えば、子端末1の位置判断部20aが子端末1の現在位置と設定位置との間の距離が所定距離よりも短くなったと判断した場合に、制御部20がバイブレータ17を振動させることにより行われる。なお、子端末1を携帯する児童に対する報知は、制御部20がスピーカ16から音声又はブザー音を発生させたり、制御部20がライト14を発光させたりすることによって行ってもよい。
【0086】
図5は、設定位置における報知処理の開始タイミングを模式的に示す図である。図5に示す通り、子端末1の携帯者である児童C1が、交差点の方向に直進し、交差点を右折する経路rtを歩行しているとする。また、設定位置PT1は、交差点の位置に予め設定されているとする。なお、設定位置PT1は、交差点の中央よりも、児童C1が歩行する経路rt上に設定されることが好ましい。例えば、車道と歩道とが区分された道において、経路rtは、歩道であり、設定位置PT1は、歩道上(より具体的には、歩道と車道との境界)に設定される。
【0087】
子端末1において、位置判断部20aが、設定位置PT1から所定距離dt1だけ離れた位置(つまり、図示する所定範囲ARP)まで児童C1が接近したと判断した場合に、制御部20が、報知情報を出力してバイブレータ17を振動させる。所定距離dt1は、例えば、数m程度の距離である。また、制御部20は、設定位置PT1までの距離に応じて、報知の強度(例えば、振動の強度)を変化させてもよい。児童C1は、バイブレータ17によって設定位置PT1(つまり、交差点)を報知されることにより、周囲に注意しながら歩行する。このため、児童C1と、児童C1の進行方向に進行する車両mとが接触することを抑制することができる。
【0088】
図6は、設定位置における報知処理の一例を示すフローチャートである。図6に示すフローチャートの処理は、子端末1において、所定の時間間隔をもって繰り返し実行される。まず、子端末1の位置取得部11が、子端末1の位置(児童C1の位置)を示す位置情報を取得する(ステップS11:位置検出ステップ)。次に、子端末1の位置判断部20aが、取得した位置情報で示される児童C1の位置から、メモリ22に記憶された設定位置情報で示される設定位置PT1までの距離が所定距離dt1未満であるか否かを判定する(ステップS12)。
【0089】
位置判断部20aが、児童C1の位置から設定位置PT1までの距離が所定距離dt1未満ではないと判断した場合には、図6に示すフローチャートの処理が終了する。これに対し、位置判断部20aは、児童C1の位置から設定位置PT1までの距離が所定距離dt1未満であると判断した場合には、児童C1児童C1報知情報を出力してバイブレータ17を振動させる(ステップS13)。このようにして、設定位置に近づいた旨が、子端末1の携帯者である児童C1に報知される。
【0090】
また、所定距離dt1の範囲に車両が位置する場合には、車両検出部20bは、児童C1の存在を知らせる注意情報を車両mに対して送信するようにしてもよい。例えば、子端末1(すなわち児童C1)から車両mまでの距離が所定距離dt1以下になったと判断された場合に、車両検出部20bは、車両mに対して児童の存在を知らせる注意情報を生成し、通信部21から車両mに向けて出力する。例えば、車両mは、子端末1から注意情報を受信すると、車両mに設けられた表示部やスピーカを用いて、ドライバに対して児童の存在を知らせる。車両mのドライバは、車両mから提供される情報に基づいて、児童C1を視認できない場合であっても児童C1の存在に注意をすることができる。なお、車両検出部20bが注意情報を生成するタイミングや注意情報を車両mに向けて出力するタイミングは、一例である。例えば、車両検出部20bは、所定距離dt1よりも遠方に車両mが位置する場合に、注意情報の生成や注意情報の出力を行ってもよい。
【0091】
さらに、車両検出部20bは、子端末1(すなわち児童C1)から車両mまでの距離が所定距離dt1以下になったと判断された場合に、ライト14を点灯させるようにしてもよい。ライト14が点灯されることで、車両mのドライバに対して、児童C1の存在をより気づかせることができる。なお、ライト14を点灯するタイミングは、一例である。例えば、ライト14は、所定距離dt1よりも遠方に車両mが位置する場合に、点灯されてもよい。
【0092】
なお、上述した例では、児童C1の位置から設定位置PT1までの距離が直線距離である場合について説明したが、これに限られない。児童C1の位置から設定位置PT1までの距離は、児童C1の経路rtに沿った距離であってもよい。また、上述した例において、設定位置に近づいた旨を児童C1に報知する場合には、設定位置PT1までの距離に応じて、報知の強度(例えば、振動の強度)を変化させてもよい。このような報知が行われることで、長時間報知が行われることを抑制し、児童C1が報知状態に慣れることを抑制することができる。
【0093】
≪車両検出による報知処理≫
図7は、車両検出による報知処理の一例を示すフローチャートである。図7に示すフローチャートの処理は、子端末1において、所定の時間間隔をもって繰り返し実行される。まず、子端末1の車両検出部20bが、児童C1の後方から近づく車両mが検出されたか否かを判定する(ステップS21:物体検出ステップ)。車両検出部20bは、レーダ12からの検出信号に基づいて、児童C1の後方から近づく車両mが検出されたか否かを判定する。
【0094】
車両検出部20bが、児童C1の後方から近づく車両mが検出されていないと判定した場合には、図7に示すフローチャートの処理が終了する。これに対して、車両検出部20bは、児童C1の後方から近づく車両mが検出されたと判定した場合には、報知情報を出力してバイブレータ17を振動させる(ステップS22)。このようにして、車両mが後方から近づいてくる旨が、子端末1の携帯者である児童C1に報知される。
【0095】
また、児童C1の後方から近づく車両mが検出され場合には、車両検出部20bは、児童C1の存在を知らせる注意情報を車両mに対して送信するようにしてもよい。例えば、児童C1の後方から近づく車両mが検出され場合に、車両検出部20bは、車両mに対して児童の存在を知らせる注意情報を生成し、通信部21から車両mに向けて出力する。なお、車両検出部20bが注意情報を生成するタイミングや注意情報を車両mに向けて出力するタイミングは、一例である。例えば、車両検出部20bは、予め設定された距離よりも近くに車両mが接近した場合に、注意情報の生成や注意情報の出力を行ってもよい。
【0096】
さらに、車両検出部20bは、児童C1の後方から近づく車両mが検出され場合に、ライト14を点灯させるようにしてもよい。なお、ライト14を点灯するタイミングは、一例である。例えば、ライト14は、予め設定された距離よりも近くに車両mが接近した場合に、点灯されてもよい。
【0097】
≪撮影要求処理≫
図8は、第1子端末1Aの撮影要求処理における一例を示すフローチャートである。ここでは、2つの子端末1を上述のように第1子端末1Aと第2子端末1Bとに分けて説明する。また、2つの親端末2を上述のように第1親端末2Aと第2親端末2Bとに分けて説明する。第1親端末2Aに対して第1子端末1Aでの撮影を要求する指示が入力されると、サーバ3の通常時情報生成部32aで通常時子端末撮影要求情報が生成される。なお、このときサーバ3の通常時情報生成部32aで生成された通常時子端末撮影要求情報は、緊急対応情報として生成されるものではなく、通常状態の処理として生成されるものである。サーバ3の通常時情報生成部32aで生成された通常時子端末撮影要求情報は、ネットワークNを介して第1子端末1Aに送信される。
【0098】
図8に示すように、第1子端末1Aは、撮影要求処理において、まず撮影の要求を示す情報(通常時子端末撮影要求情報)が入力される(ステップS31)。第1子端末1Aの制御部20は、第1子端末1Aを携帯する児童C1に例えば音声による通知を行う(ステップS32)。第1子端末1Aの制御部20は、通常時子端末撮影要求情報が入力されると、スピーカ16を制御して、撮影要求があったことを示す音声を出力させる。このとき、制御部20は、バイブレータ17による報知を合わせて行ってもよい。
【0099】
続いて、第1子端末1Aの制御部20は、撮影の許可がされたか否かを判定する(ステップS33)。第1子端末1Aの制御部20は、児童C1により操作ボタン19が操作された場合に、撮影の許可がされたと判断する。つまり、第1子端末1Aの制御部20は、操作ボタン19から操作信号が出力された場合に撮影の許可がされたと判断する。なお、第1子端末1Aにて常時撮影と撮影情報の記録が行われてもよい。このような場合には、ステップS33において、第1子端末1Aの制御部20は、撮影情報の出力が許可されたか否かの判定を行えばよい。第1子端末1Aにて常時撮影が行われている場合には、記憶する撮影情報の容量を抑制するために、操作ボタン19の操作や第1子端末1Aへの作用する衝撃に応じて、記憶する撮影情報を選択するようにしてもよい。
【0100】
第1子端末1Aの制御部20は、撮影の許可がされないと判定した場合には、図8に示すフローチャートの処理を終了する。これに対して、第1子端末1Aの制御部20は、撮影の許可がされたと判定した場合には、撮影情報を出力する(ステップS34)。出力された撮影情報は、ネットワークNを介して、例えばサーバ3を経由して第1親端末2Aに送信される。なお、第1子端末1Aから出力された撮影情報は、第1子端末1Aと第1親端末2Aとがサーバ3を介することなく通信可能である場合には、サーバ3を経由することなく第1親端末2Aに送信されてもよい。また、第1子端末1Aから出力された撮影情報は、第1子端末1Aと第1親端末2AとがネットワークNを介することなく通信可能である場合には、ネットワークNを経由することなく、第1親端末2Aに送信されてもよい。
【0101】
ここでは、第1子端末1Aと第1親端末2Aとにおける撮影要求処理について説明した。このような撮影要求処理は、第2子端末1Bと第2親端末2Bとにおいても、第1子端末1Aと第1親端末2Aとの場合と同様に行うことができる。
【0102】
≪緊急事態処理≫
図9から図12は、緊急事態処理における一例を示すフローチャートである。ここでは、2つの子端末1を上述のように第1子端末1Aと第2子端末1Bとに分けて説明する。また、2つの親端末2を上述のように第1親端末2Aと第2親端末2Bとに分けて説明する。図9は、第1子端末1Aの緊急事態処理の一例を示すフローチャートである。図10は、サーバ3の緊急事態処理の一例を示すフローチャートである。図11は、第1親端末2Aの緊急事態処理の一例を示すフローチャートである。図12は、第2子端末1Bの緊急事態処理の一例を示すフローチャートである。
【0103】
緊急事態処理は、撮影要求処理に伴う通知がない状態で、子端末1の操作ボタン19が操作されることで開始される。ここでは、第1子端末1Aの操作ボタン19が操作されるものとして説明する。図9に示すように、第1子端末1Aの制御部20は、操作ボタン19が操作されたか否かを判定する(ステップS41)。第1子端末1Aの制御部20は、操作ボタン19から緊急信号が入力された場合に、操作ボタン19が操作されたと判定する。なお、第1子端末1Aの制御部20は、操作ボタン19が操作されていないと判断した場合には、ステップS41を所定時間ごとに繰り返す。
【0104】
操作ボタン19が操作されると、第1子端末1Aの制御部20は、録画を開始する(ステップS42)。ここでの録画とは、カメラ18の撮影で得られた撮影情報をメモリ22に記憶することを意味する。第1子端末1Aの制御部20は、サーバ3の制御部32から出力される緊急時子端末撮影要求情報に基づいて、撮影制御部20cによってカメラ18を制御することで撮影する。なお、第1子端末1Aにおいて、常時録画している場合には、ステップS42は省略できる。
【0105】
第1子端末1Aの制御部20は、録画が開始されると、緊急信号を出力する。第1子端末1Aは、操作ボタン19から入力された緊急信号を緊急通信制御部20eによって通信部21に送信させる(ステップS43)。また、第1子端末1Aの制御部20は、通常処理を停止する(ステップS44)。ここでは、第1子端末1Aの制御部20は、サーバ3の制御部32から出力される動作制限情報に基づいて、レーダ停止部20dによってレーダ12の動作を停止する。レーダ12の動作が停止されることで、上述の車両検出処理が停止される。例えば、レーダ12が停止されると、車両検出処理が停止される。この他、第1子端末1Aの制御部20は、サーバ3の制御部32から出力される動作制限情報に基づいて、上述の設定位置における報知処理、及び、上述の撮影要求処理を停止してもよい。このような通常処理を停止することで、緊急状態の期間に通常状態での報知が児童C1に伝わることが停止され、児童C1が報知を受けて混乱することを防止できる。
【0106】
なお、ステップS42と、ステップS43と、ステップS44との処理の順序は任意に変更することができる。つまり、録画の開始と、緊急信号の出力と、通常処理の停止とは、順序を変えて行うことができる。
【0107】
第1子端末1Aの制御部20は、通常処理の停止を行うと、第1子端末1Aを第1親端末2Aと通信可能とする(ステップS45)。第1子端末1Aの制御部20は、緊急通信制御部20eによって第1子端末1Aと第1親端末2Aとがリアルタイムに通信可能な状態を形成する。このように、第1子端末1Aと第1親端末2Aとがリアルタイムに通信可能となることで、第1子端末1Aを携帯する児童C1が、自らの状況を保護者に正確に伝達することが可能となる。
【0108】
なお、第1子端末1Aの制御部20は、サーバ3の制御部32から出力される点灯情報に基づいて、ライト14の点灯を行ってもよい。例えば、ライト14の点灯は、ステップS41にて操作ボタン19が操作されたと判断された後に行われる。
【0109】
図10に示すように、サーバ3の制御部32は、まず緊急信号を受信したか否かについて判定する(ステップS51)。上述のステップS43にて第1子端末1Aから出力された緊急信号は、サーバ3の制御部32に入力される。サーバ3の制御部32は、上述のように緊急信号が入力されると、緊急信号を受信したと判定する。なお、サーバ3の制御部32は、緊急信号を受信していないと判定した場合には、ステップS51を所定時間ごとに繰り返す。
【0110】
緊急信号を受信すると、サーバ3の制御部32は、緊急対応情報の生成を行う(ステップS52:緊急対応情報生成ステップ)。ここでは、制御部32は、緊急時情報生成部32bによって緊急対応情報を生成する。本実施形態においては、緊急時情報生成部32bは、緊急対応情報として、上述の動作制限情報、他子端末撮影要求情報、緊急事態通知情報、他子端末撮影転送情報、緊急時子端末撮影要求情報、通報選択情報、点灯情報を生成する。
【0111】
サーバ3の制御部32は、第1子端末1Aに対して緊急対応情報の出力を行う(ステップS53)。ここでは、サーバ3の制御部32は、動作制限情報と、緊急時子端末撮影要求情報と、点灯情報とを送信する。また、サーバ3の制御部32は、第1子端末1Aと第2子端末1Bとの距離を算出する(ステップS54)。なお、本実施形態においては、第2子端末1Bが1つである例について説明するが、第2子端末1B(すなわち第1子端末1Aに対する他の子端末1)が複数ある場合には、第1子端末1Aと各々の第2子端末1Bとの距離を算出する。例えば、サーバ3の制御部32は、第1子端末1Aの現在位置である第1現在位置と、第2子端末1Bの現在位置である第2現在位置とから、第1子端末1Aと第2子端末1Bとの距離を算出する。例えば、サーバ3の制御部32は、第1子端末1Aと第2子端末1Bとから定期的に現在位置情報を受信することで、第1現在位置と第2現在位置とを常時把握している。
【0112】
サーバ3の制御部32は、第1子端末1Aと第2子端末1Bとの距離が予め設定された所定距離よりも短いか否かの判定を行う(ステップS55)。サーバ3の制御部32は、例えば、第1子端末1Aと第2子端末1Bとの距離を、記憶部33に記憶された所定距離と比較する。
【0113】
第1子端末1Aと第2子端末1Bとの距離が予め設定された所定距離よりも短くない場合には、サーバ3の制御部32は、後述のステップS57を行う。これに対して、第1子端末1Aと第2子端末1Bとの距離が予め設定された所定距離よりも短い場合には、サーバ3の制御部32は、緊急対応情報を第2子端末1Bに出力する(ステップS56)。ここでは、サーバ3の制御部32は、他子端末撮影要求情報と、他子端末撮影転送情報とを送信する。
【0114】
続いて、サーバ3の制御部32は、第1親端末2Aに対して緊急対応情報及び撮影情報の出力を行う(ステップS57)。ここでは、サーバ3の制御部32は、緊急対応情報として、緊急事態通知情報及び通報選択情報を送信する。また、サーバ3の制御部32は、第1子端末1Aから送信された撮影情報と、第2子端末1Bから送信された撮影情報とを第1親端末2Aに送信する。これらの撮影情報を受信することで、第1親端末2Aでは、緊急状態の状況を動画や静止画で確認することができる。
【0115】
続いて、サーバ3の制御部32は第2親端末2Bに対して緊急対応情報の出力を行う(ステップS58)。例えば、サーバ3の制御部32は、緊急対応情報として、緊急事態通知情報や通報選択情報を第2親端末2Bに送信する。このように緊急事態通知情報や通報選択情報を受信した第2親端末2Bは、表示部42に対して、第1子端末1Aで緊急事態が生じたこと、警察機関に通報するか否かのポップアップ等を表示する。
【0116】
図11に示すように、第1親端末2Aの制御部48は、まず緊急対応情報を受信したか否かについて判定する(ステップS61)。上述のステップS57にてサーバ3の制御部32から出力された緊急対応情報は、第1親端末2Aの制御部48に入力される。第1親端末2Aの制御部48は、上述のように緊急対応情報が入力されると、緊急対応情報を受信したと判定する。なお、第1親端末2Aの制御部48は、緊急対応情報を受信していないと判定した場合には、ステップS61を所定時間ごとに繰り返す。
【0117】
緊急対応情報を受信すると、第1親端末2Aの制御部48は、第1親端末2Aを第1子端末1Aと通信可能とする(ステップS62)。ここで、第1親端末2Aの制御部48は、上述の第1子端末1AのステップS45に合わさるように、第1子端末1Aと協働して、第1子端末1Aとリアルタイムに通信可能な状態を形成する。
【0118】
続いて、第1親端末2Aの制御部48は、警察機関に通報するか否かの判定を行う(ステップS63)。例えば、第1親端末2Aの制御部48は、緊急対応情報に含まれる通報選択情報に基づいて表示部42に表示されるポップアップに、警察機関に通報する指示が入力された場合には、警察機関に通報すると判断し、警察機関へ通報を行う(ステップS64)。なお、警察機関に通報する場合には、撮像情報を警察機関に送信するようにしてもよい。これによって、警察機関と撮像情報を共有することができる。一方で、警察機関に通報する指示が入力されない場合には、第1親端末2Aの制御部48は、警察機関に通報しないと判断し、図11に示す処理を終了する。
【0119】
なお、第1親端末2Aには、上述のステップS57にて、サーバ3の制御部32から撮影情報が入力される。例えば、第1親端末2Aの制御部48は、撮影情報が入力された場合には、表示部42に撮影情報を視聴できる旨を表示させる。撮影情報を視聴することが選択された場合には、第1親端末2Aは、例えば記憶部33に記憶された撮影情報を表示部42に表示させる。
【0120】
図12に示すように、第2子端末1Bの制御部20は、緊急対応情報を受信したか否かについて判定する(ステップS71)。上述のステップS57にてサーバ3の制御部32から出力された緊急対応情報は、第2子端末1Bの制御部20に入力される。第2子端末1Bの制御部20は、上述のように緊急対応情報が入力されると、緊急対応情報を受信したと判定する。なお、第2子端末1Bの制御部20は、緊急対応情報を受信していないと判定した場合には、ステップS71を所定時間ごとに繰り返す。
【0121】
第2子端末1Bの制御部20は、緊急対応情報を受信したと判定した場合には、録画を開始する(ステップS72)。ここでの録画とは、カメラ18の撮影で得られた撮影情報をメモリ22に記憶することを意味する。第2子端末1Bの制御部20は、サーバ3の制御部32から出力される他子端末撮影要求情報に基づいて、撮影制御部20cによってカメラ18を制御することで撮影する。なお、第2子端末1Bにおいて、常時録画している場合には、ステップS72は省略できる。第2子端末1Bにて常時撮影が行われている場合には、記憶する撮影情報の容量を抑制するために、他子端末撮影要求情報の入力等に応じて、記憶する撮影情報を選択するようにしてもよい。
【0122】
また、第2子端末1Bの制御部20は、撮影情報を出力する(ステップS73)。第2子端末1Bの制御部20は、サーバ3の制御部32から出力される他子端末撮影転送情報に基づいて、撮影情報をサーバ3の制御部32に出力する。出力された撮影情報は、ネットワークNを介して、例えばサーバ3を経由して第1親端末2Aに送信される。なお、第2子端末1Bから出力された撮影情報は、第2子端末1Bと第1親端末2Aとがサーバ3を介することなく通信可能である場合には、サーバ3を経由することなく第1親端末2Aに送信されてもよい。また、第2子端末1Bから出力された撮影情報は、第2子端末1Bと第1親端末2AとがネットワークNを介することなく通信可能である場合には、ネットワークNを経由することなく、第1親端末2Aに送信されてもよい。
【0123】
以上のような本実施形態の交通安全システムES1は、位置取得部11と、レーダ12と、操作ボタン19と、サーバ3の制御部32とを備えている。位置取得部11は、児童C1によって携帯される子端末1に設けられ、子端末1の現在位置を検出する。レーダ12は、子端末1に設けられ、子端末1の周辺の物体を検出する。操作ボタン19は、子端末1に設けられ、児童C1に緊急事態が生じたときに児童C1によって操作される。サーバ3の制御部32は、子端末1が取得した情報を処理する。さらに、サーバ3の制御部32は、操作ボタン19が操作されたときに、動作制限情報、他子端末撮影要求情報及び緊急事態通知情報の少なくともいずれかを生成する緊急時情報生成部32bを有する。動作制限情報は、レーダ12の動作を制限するための情報である。他子端末撮影要求情報は、子端末1と通信可能に設けられた他の子端末1に対して、他の子端末1に設けられたカメラ18を用いて撮影を行うことを要求するための情報である。緊急事態通知情報は、子端末1と通信可能に設けられる親端末2に対して、児童C1に緊急事態が生じたことを通知するための情報である。
【0124】
このような本実施形態の交通安全システムES1は、児童C1による操作ボタン19の操作に基づいて、レーダ12の動作を制限する動作制限情報、他の子端末1に設けられたカメラ18を用いて撮影を行うことを要求するための他子端末撮影要求情報、及び、児童C1に緊急事態が生じたことを通知するための緊急事態通知情報のいずれかを生成する。
【0125】
動作制限情報が生成された場合には、通常状態で行われる処理(例えば、報知処理)は制限される。他子端末撮影要求情報が生成された場合には、例えば近くに位置する他の子端末1は、緊急事態の状況を撮影する。緊急事態通知情報が生成された場合には、親端末2は、緊急事態であることが通知される。つまり、本実施形態の交通安全システムES1は、児童C1自身が緊急事態と感じた場合に、緊急事態に応じた動作を行うことができる。
【0126】
また、本実施形態の交通安全システムES1は、第2子端末1Bに設けられた位置取得部11(他の位置取得部11)を更に備える。この第2子端末1Bに設けられた位置取得部11は、第2子端末1Bの現在位置を検出する。緊急時情報生成部32bは、少なくとも他子端末撮影要求情報を生成する。また、緊急時情報生成部32bは、第1子端末1Aの位置取得部11が検出した第1子端末1Aの現在位置である第1現在位置と、第2子端末1Bの位置取得部11が検出した第2子端末1Bの現在位置である第2現在位置と、が、所定の地理的関係にある場合に、第2子端末1Bに対して、他子端末撮影要求情報を生成する。
【0127】
このような本実施形態の交通安全システムES1によれば、第1子端末1Aに対して所定の地理的関係にある第2子端末1Bに撮影をさせることができる。このため、第1子端末1Aを携帯する児童C1に生じている緊急事態の撮影に適した位置にある第2子端末1Bに撮影をさせることができる。
【0128】
また、本実施形態の交通安全システムES1においては、緊急時情報生成部32bは、少なくとも他子端末撮影要求情報を生成する。また、緊急時情報生成部32bは、他子端末撮影転送情報を生成する。他子端末撮影転送情報は、第1子端末1Aの操作ボタン19が操作されたときに、第2子端末1Bと通信可能に設けられる親端末2に対して、第2子端末1Bが撮影を行うことで取得された撮影情報を送信するための情報である。
【0129】
このような本実施形態の交通安全システムES1によれば、第1親端末2Aに対して、第2子端末1Bで撮影された撮影情報を送信できる。このため、第1親端末2Aを所持する保護者が、児童C1の状況をより正確に認識することが可能となる。
【0130】
また、本実施形態の交通安全システムES1においては、第1子端末1Aがカメラ18(他のカメラ)を備える。また、緊急時情報生成部32bは、操作ボタン19が操作されたときに、第1子端末1Aに対して、第1子端末1Aに設けられたカメラ18を用いて撮影を行うことを要求するための緊急時子端末撮影要求情報を更に生成する。
【0131】
このような本実施形態の交通安全システムES1によれば、操作ボタン19が操作されたときに、第1子端末1Aを用いて撮影を行うことができる。第2子端末1Bの撮影情報に加えて、第1子端末1Aの撮影情報も取得できるため、児童C1の状況をより正確に認識することが可能となる。
【0132】
また、本実施形態の交通安全システムES1においては、通常時情報生成部32aは、第1子端末1Aと通信可能に設けられる第1親端末2Aから、カメラ18で撮影を行うことを要求する指示を受けたときに、通常時子端末撮影要求情報を生成する。このような本実施形態の交通安全システムES1によれば、通常状態であっても、第1親端末2Aからの要求で、第1子端末1Aで撮影を行うことができる。
【0133】
また、本実施形態の交通安全システムES1において、第1子端末1Aは、通常時子端末撮影要求情報が入力されたときに、児童C1が他のカメラ18での撮影を許可する意思を示すための許可操作ボタン(操作ボタン19)を備える。このような本実施形態の交通安全システムES1によれば、第1子端末1Aを携帯する児童C1の意思で、第1親端末2Aの指示に基づく撮影を行うか否かの判断ができる。このため、例えば、授業中等であれば、児童C1は、撮影を許可しないという選択を行うことができる。
【0134】
また、本実施形態の交通安全システムES1において、第1子端末1Aは、緊急事態であることを知らせる操作部の機能と、第1親端末2Aの指示に基づく撮影を許可する許可操作部の機能と、を有する単一の操作ボタン19を備える。このため、第1子端末1Aは、緊急事態であることを知らせる操作部として機能するボタンと、第1親端末2Aの指示に基づく撮影を許可する許可操作部として機能するボタンとを2つ設ける必要がない。したがって、第1子端末1Aは、ボタン2つ設ける場合と比較して小型になる。
【0135】
また、本実施形態の交通安全システムES1は、第1子端末1A及び第2子端末1Bと通信可能なサーバ3を備える。また、緊急時情報生成部32bの機能の少なくとも一部は、サーバ3に設けられている。このため、第1子端末1Aや第2子端末1Bに緊急時情報生成部32bの機能の全てを持たせる場合よりも、第1子端末1Aの制御部20及び第2子端末1Bの制御部20は、処理負担が軽減される。
【0136】
また、本実施形態の交通安全システムES1において、第1子端末1Aは、レーダ12が物体を検出したときに、児童C1に対して報知するスピーカ16やバイブレータ17を備える。このため、第1子端末1Aは、レーダ12が物体を検出したことを児童C1に報知できる。
【0137】
また、本実施形態の交通安全システムES1において、緊急時情報生成部32bは、操作ボタン19が操作されたときに、親端末2に警察機関への緊急通報を行うかの選択を表示部42に表示させるための通報選択情報を生成する。このため、第1親端末2Aを所持する保護者は、自らの意思に基づいて、容易に警察機関に通報できる。
【0138】
また、本実施形態の交通安全システムES1において、第1子端末1Aは、少なくとも操作ボタン19が操作されたときに、点灯するライト14を備える。このため、本実施形態の交通安全システムES1は、防犯性を高めることができる。
【0139】
また、本実施形態の交通安全方法(情報処理方法)は、児童C1によって携帯される第1子端末1Aの現在位置を検出する位置検出ステップと、第1子端末1Aの周辺の物体を検出する物体検出ステップと、緊急事態が生じたときに操作される操作ボタン19が児童C1によって操作されたときに、緊急対応情報を生成する緊急対応情報生成ステップと、を有する。緊急対応情報は、物体検出ステップを制限するための動作制限情報と、第1子端末1Aと通信可能に設けられた第2子端末1Bに撮影を行うことを要求する他子端末撮影要求情報と、第1子端末1Aと通信可能に設けられた第1親端末2Aに児童C1に緊急事態が生じたことを通知する緊急事態通知情報との少なくともいずれかである。
【0140】
このような本実施形態の交通安全方法では、児童C1による操作ボタン19の操作に基づいて、レーダ12の動作を制限する動作制限情報、他の子端末1に設けられたカメラ18を用いて撮影を行うことを要求するための他子端末撮影要求情報、及び、児童C1に緊急事態が生じたことを通知するための緊急事態通知情報のいずれかが生成される。したがって、本実施形態の交通安全方法は、児童C1自身が緊急事態と感じた場合に、緊急事態に応じた処理を行うことができる。
【0141】
また、本実施形態の情報処理プログラムPは、コンピュータに、児童C1によって携帯される子端末1の現在位置を検出する位置検出ステップと、子端末1の周辺の物体を検出する物体検出ステップと、緊急事態が生じたときに操作される操作ボタン19が児童C1によって操作されたときに、緊急対応情報を生成する緊急対応情報生成ステップと、を実行させる。緊急対応情報は、物体検出ステップを制限するための動作制限情報と、第1子端末1Aと通信可能に設けられた第2子端末1Bに撮影を行うことを要求する他子端末撮影要求情報と、第1子端末1Aと通信可能に設けられた第1親端末2Aに児童C1に緊急事態が生じたことを通知する緊急事態通知情報との少なくともいずれかである。
【0142】
このような本実施形態の情報処理プログラムPは、児童C1による操作ボタン19の操作に基づいて、レーダ12の動作を制限する動作制限情報、他の子端末1に設けられたカメラ18を用いて撮影を行うことを要求するための他子端末撮影要求情報、及び、児童C1に緊急事態が生じたことを通知するための緊急事態通知情報のいずれかをコンピュータに生成させる。したがって、本実施形態の情報処理プログラムPは、児童C1自身が緊急事態と感じた場合に、緊急事態に応じた処理をコンピュータに実行させることができる。
【0143】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0144】
例えば、上記実施形態の緊急事態処理の説明は、第1子端末1Aを携帯する児童C1が、第1子端末1Aの操作ボタン19を操作する例であった。しかしながら、本発明は、これに限定されない。第2子端末1Bを携帯する児童が第2子端末1Bの操作ボタン19を操作した場合は、交通安全システムES1は、同様の緊急事態処理を行う。つまり、交通安全システムES1は、このような場合には、上記実施形態における第1子端末1Aと第2子端末1Bとを置き換え、第1親端末2Aと第2親端末2Bとを置き換えた処理を実行する。
【0145】
また、上記実施形態におけるサーバ3の制御部32の機能や子端末1の制御部20の機能の全てまたは一部を実現するための情報処理プログラムPをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録された情報処理プログラムPをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりサーバ3の制御部32や子端末1の制御部20が行う処理の全てまたは一部を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0146】
また、情報処理プログラムPは、この情報処理プログラムPを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、情報処理プログラムPを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、情報処理プログラムPは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0147】
1 子端末
1A 第1子端末(第1端末)
1B 第2子端末(第2端末)
2 親端末
2A 第1親端末(第3端末、第4端末、第5端末)
2B 第2親端末
3 サーバ
11 位置取得部(位置検出部、他の位置検出部)
12 レーダ(物体検出部)
13 加速度センサ
14 ライト(点灯部)
15 マイクロフォン
16 スピーカ(報知部)
17 バイブレータ(報知部)
18 カメラ(撮像部、他の撮像部)
19 操作ボタン(操作部、許可操作部、物理操作部)
20 制御部(処理部)
20a 位置判断部
20b 車両検出部
20c 撮影制御部
20d レーダ停止部
20e 緊急通信制御部
21 通信部
22 メモリ
31 通信部
32 制御部(処理部)
32a 通常時情報生成部(生成部)
32b 緊急時情報生成部(生成部)
33 記憶部
41 操作部
42 表示部
43 マイクロフォン
44 スピーカ
45 バイブレータ
46 通信部
47 メモリ
48 制御部
図1
図2
図3
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図5
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図12