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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018110
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】ロールペーパーホルダー
(51)【国際特許分類】
   A47K 10/36 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
A47K10/36 C
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121212
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】515012712
【氏名又は名称】中野トーヨー住器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳
(74)【代理人】
【識別番号】100171941
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 忠行
(72)【発明者】
【氏名】中野 徳一
(57)【要約】
【課題】ロールペーパーからのペーパーを片手で確実に切断でき、ロールペーパーの補充なども簡単にできるロールペーパーホルダーを提供する。
【解決手段】ロールペーパーホルダー1は、背板部および左右の側板部4,4から構成されるホルダー本体と、側板部4の内側面4Aに刻設されて軸部材9を支持する軸支持用溝部8と、ホルダー本体2の後部に連結された第1押え板部10と、左右の側板4,4部間に架け渡された載置杆部13と、第1押え板部10の前方に配置された第2押え板部14と、第1押え板部10と第2押え板部14とを連結する連結板部15と、第2押え板部14の前端に設けられた切断刃部34とを有し、第2押え板部14の前部下面に保持機構を介して取り付けられた支持杆部6と、側板部4の前端部に形成された受台部16と、受台部16の前端に立設された抜け止め用柱体17と、を備える構成にされている。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面などに取り付けられる背板部および前記背板部の左右両端部から前方に延びて互いに対向する左右の側板部から構成されるホルダー本体と、前記ホルダー本体の左右の側板部の内側面に各側板部の上面から下向きに刻設されていて前記ロールペーパーの中心空洞部に挿通された軸部材の両端部を支持する軸支持用溝部と、前記ホルダー本体の後部に上下揺動自在に連結されていて板前端部によりロールペーパーの上面を押える第1押え板部と、前記ホルダー本体の左右の側板部間に架け渡されていて前記ロールペーパーから繰り出されたペーパーを載置する載置杆部と、前記第1押え板部の前方に配置されていて前記載置杆部上のペーパーを押える第2押え板部と、前記第1押え板部と前記第2押え板部との間に介設されていてそれぞれを上下揺動自在に連結する連結板部と、前記第2押え板部の前端に設けられていて前記載置杆部から垂れ下がったペーパーを切断するための切断刃部と、を有するロールペーパーホルダーであって、
前記第2押え板部の前部下面に保持機構を介して前後移動自在に取り付けられていて前記第2押え板部の前部を支持する支持杆部と、
前記左右の側板部の前端部に形成されていて前記支持杆部を着脱自在に載置する受台部と、
前記受台部の前端に立設されているとともに当該上部が後向きに屈曲して形成されていて前記受台部内にある前記支持杆部の前上方への抜け止めをする抜け止め用柱体と、を備えて成ることを特徴とするロールペーパーホルダー。
【請求項2】
前記保持機構は、前記第2押え板部に前後方向に延び且つ上下方向に貫通して形成された貫通溝部と、前記貫通溝部の溝幅よりも大径で前記第2押え板部の上方に配置される保持玉部と、前記貫通溝部内に前後移動自在に挿通されて前記支持杆部と前記保持玉部とを連結する連結軸部と、から構成されていることを特徴とする請求項1に記載のロールペーパーホルダー。
【請求項3】
前記切断刃部がゴム材で構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のロールペーパーホルダー。
【請求項4】
前記左右の側板部の内側面に、前記軸支持用溝部の途中部位から分岐して前記左右の側板部の下面に開口した軸取出用溝部が刻設されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のロールペーパーホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばトイレットペーパーなどを片手で切断し得るロールペーパーホルダーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のロールペーパーホルダーとしては、本願と同じ発明者の創作による下記特許文献1に開示されたものが知られている。斯かる文献開示のトイレットペーパーホルダーは、背板部と左右の側板部から成るホルダー本体と、ホルダー本体の後部に連結されてロールペーパーの上面を押える第1押え板部と、ロールペーパーからのペーパーを載置する載置杆部と、第1押え板部に連結されていて載置杆部上のペーパーを押える第2押え板部と、載置杆部よりも前方位置で左右の側板部間に架設された受け杆部と、第2押え板部の前端部に連結されて受け杆部上に支持される先板部と、先板部の上下揺動支点としての保持部と、先板部の前部下辺に設けられた切断刃部と、を備えたものである。尚、受け杆部は側板部の前部に固定されているので、先板部を動きやすくさせるために保持部(軸部材)の上下寸法が比較的長くされている。
このロールペーパーホルダーでは、載置杆部上からのペーパーが手で持ち上げられて切断刃部に当てられると、保持部を支点として先板部の後部が引き下げられる。これに伴って、第2押え板部も引き下げられてペーパーを載置杆部上に押しつけるようになっている。同時に、第1押え板部が引き下げられてロールペーパーを押圧するので、ロールペーパーの回転およびペーパーの繰り出しと、ペーパー切断時のロールペーパーの回転とが阻止されて、片手でペーパーを切断できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-129597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記文献開示のトイレットペーパーホルダーにおいては、第1押え板部、第2押え板部、先板部がそれぞれヒンジ部を介して当該順に連結されていて、前端を持ち上げられた先板部後部の押し下げ力がヒンジ部を経て第2押え板部に伝達され、第2押え板部の前部が載置杆部上のペーパーを押圧してペーパーの引き出しを止めるようになっている。すなわち、ペーパー切断時に加えられた先板部前端への持ち上げ動作はヒンジ部を経て第2押え板部前部に押し下げ動作として伝わるので、載置杆部上でペーパーを停止させるタイミングがわずかに遅れてしまう。それによって、片手でペーパーを引きちぎれなかったりペーパーの切り口がきたなくなったりすることがあった。
【0005】
また、受け杆部は左右の側板部の前端に架け渡されて固定されていて保持部により先板部を保持しているので、ロールペーパーの補充やホルダー内点検を行なうにあたってホルダー本体の上面を開放する際に、保持部を操作して貫通溝部を通過させたのちに、先板部を受け板部から取り外さなければならなかった。すなわち、ロールペーパーの補充などを簡単に行えないという問題があった。
そして、切断刃部の刃先はギザギザ状に形成されているが、金属製であるのでペーパーが滑りやすく、片手での切断に失敗をすることもあった。また、刃先で指を怪我するおそれもある。
【0006】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、ロールペーパーからのペーパーを片手で確実に切断でき、ロールペーパーの補充などを簡単に行なえるロールペーパーホルダーの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るロールペーパーホルダーは、壁面などに取り付けられる背板部および背板部の左右両端部から前方に延びて互いに対向する左右の側板部から構成されるホルダー本体と、ホルダー本体の左右の側板部の内側面に各側板部の上面から下向きに刻設されていてロールペーパーの中心空洞部に挿通された軸部材の両端部を支持する軸支持用溝部と、ホルダー本体の後部に上下揺動自在に連結されていて板前端部によりロールペーパーの上面を押える第1押え板部と、ホルダー本体の左右の側板部間に架け渡されていてロールペーパーから繰り出されたペーパーを載置する載置杆部と、第1押え板部の前方に配置されていて載置杆部上のペーパーを押える第2押え板部と、第1押え板部と第2押え板部との間に介設されていてそれぞれを上下揺動自在に連結する連結板部と、第2押え板部の前端に設けられていて載置杆部から垂れ下がったペーパーを切断するための切断刃部と、を有するロールペーパーホルダーであって、第2押え板部の前部下面に保持機構を介して前後移動自在に取り付けられていて第2押え板部の前部を支持する支持杆部と、左右の側板部の前端部に形成されていて支持杆部を着脱自在に載置する受台部と、受台部の前端に立設されているとともに当該上部が後向きに屈曲して形成されていて受台部内にある支持杆部の前上方への抜け止めをする抜け止め用柱体と、を備えて成ることを特徴とする構成にしてある。
【0008】
また、前記構成において、保持機構は、第2押え板部に前後方向に延び且つ上下方向に貫通して形成された貫通溝部と、貫通溝部の溝幅よりも大径で第2押え板部の上方に配置される保持玉部と、貫通溝部内に前後移動自在に挿通されて支持杆部と保持玉部とを連結する連結軸部と、から構成されていることを特徴とするものである。
【0009】
そして、前記した各構成において、切断刃部がゴム材で構成されていることを特徴とするものである。
【0010】
更に、前記した各構成において、左右の側板部の内側面に、軸支持用溝部の途中部位から分岐して左右の側板部の下面に開口した軸取出用溝部が刻設されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るロールペーパーホルダーによれば、支持杆部はホルダー使用時には受台部内に載置されていて第2押え板部の前部を支持しており、ペーパー切断時には受台部内の支持杆部が抜け止め用柱体の上部により抜け止めされる。このペーパー切断時に加えられた第2押え板部前端への持ち上げ動作は、保持機構の支えにより直に第2押え板部後部の押え部に伝わり、載置杆部上のペーパーを押下して載置杆部上での滑りを阻止する。同時に、第2押え板部後端部の下降により第1押え板部の板前端部を押し下げてロールペーパーの回転を止める。前記のように、載置杆部上のペーパーは第2押え板部により直に止められるので、切断刃部でのペーパーの片手切断を確実に行なうことができ、ペーパーの切り口も美しいものとなる。加えて、ロールペーパー補給時などには、保持部の操作など余分な作業を行なう必要がなく、支持杆部を第2押え板部とともに左右の受台部から一体的に離脱させるだけでホルダー本体の上面開口を簡単に開放することができる。
【0012】
また、支持杆部は側板部前端の受台部に着脱自在に取り付けられるので、第2押え板部自体も動きやすくなり、支持杆部に対して第2押え板部を動きやすくする構造も必要ないから、保持機構は、貫通溝部と保持玉部と連結軸部といった構成要素でコンパクトに構成され得る。加えて、ペーパー切断時には、支持杆部が抜け止め用柱体の上部でしっかりと保持されるので、ペーパーが切断刃部に対してズレにくくなり、片手でのペーパー切断を確実なものにすることができる。
【0013】
そして、比較的柔らかいペーパーは切断刃部に対して滑りにくければ簡単に切断される。すなわち、切断刃部がゴム材で構成されているものでは、ゴム材の大きな摩擦抵抗によりペーパーが切断刃部に対して滑りにくいので、確実に切断することができる。また、金属製のように人身に外傷を負わすおそれもない。
【0014】
更に、左右の側板部の内側面に、下面に開口する軸取出用溝部が軸支持用溝部から分岐して刻設されているものでは、ロールペーパーから全量のペーパーを繰り出し終えたときに、軸支持用溝部に残された軸部材を、ホルダー本体の上面開口を閉じたまま軸取出用溝部から下方に取り出すことができる。すなわち、第1押え板部などを持ち上げてホルダー本体の上面を開き軸部材を上から取り出すといった手間を労することがない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係るロールペーパーホルダーの斜視図である。
図2】前記ロールペーパーホルダーの平面図である。
図3】前記ロールペーパーホルダーの側面図である。
図4】前記ロールペーパーホルダーおよびロールペーパーを示す図であって、(a)は前記ロールペーパーホルダーの正面図、(b)は前記ロールペーパーホルダーに使用されるロールペーパーと軸部材などの正面図である。
図5】前記ロールペーパーホルダーを構成する部品を分解して展開した部品展開図である。
図6】前記ロールペーパーホルダーの第1押え板部などを開放した状態を示す側板部の一方を外して視た内部側面図である。
図7】前記ロールペーパーホルダーにロールペーパーを装着しペーパーを載置杆部に載せたのちに支持杆部などを基準位置まで移動させる途中の状態を示す図6に対応した内部側面図である。
図8】前記ロールペーパーホルダーの支持杆部を図7の状態から基準位置に移動させた状態を示す図であって、(a)は内部側面図、(b)はホルダー前部の部分平面図である。
図9】前記ロールペーパーホルダーにおいて図8の状態からペーパーを手で持って引き出す状態を示す図であって、(a)は内部側面図、(b)はホルダー前部の部分平面図である。
図10】前記ロールペーパーホルダーにおいて図9(a)の状態からペーパーを手で引き上げて切断しようとしている状態を示す内部側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。ここに、図1は本発明の一実施形態に係るロールペーパーホルダーの斜視図、図2は前記ロールペーパーホルダーの平面図、図3は前記ロールペーパーホルダーの側面図、図4は前記ロールペーパーホルダーおよびロールペーパーを示す図であって、(a)は前記ロールペーパーホルダーの正面図、(b)は前記ロールペーパーホルダーに使用されるロールペーパーと軸部材などの正面図、図5は前記ロールペーパーホルダーを構成する部品を分解して展開した部品展開図である。
【0017】
各図において、この実施形態に係るロールペーパーホルダー1は、平面視で凹の字状に形成されたホルダー本体2を基体として構成される。ホルダー本体2は、壁面Kなどに木ネジBなどで取り付けられる背板部3と、背板部3の左右両端部に取り付けられて前方に延び互いに対向する左右の側板部4,4と、から構成されている。背板部3は、板本体3A(図5参照)の左右に突設された突片部3B,3Bが側板部4,4の内側面4A,4A後部の取付用凹部35,35に嵌着されて組み付けられ、板本体3Aに形成されているネジ止め孔3C,3Cを通したビスB,Bで壁面Kに固定されるようになっている。更に、このホルダー本体2の上部には、側板部4,4の後部から前方に向けて、それぞれ平面視略矩形状の第1押え板部10、連結板部15、第2押え板部14および支持杆部6が当該順に連結されている。
【0018】
前記の第1押え板部10は、その板後端部10Bが左右のヒンジ部21,21を介して側板部4の後上部に上下揺動自在に支持されている。各ヒンジ部21は、側板部4の後上部の内側面4Aに陥入して形成された軸穴24と、第1押え板部10の後端部に外向きに突設されていて軸穴24に挿通されて回動自在に軸支される枢軸25と、から構成されている。第1押え板部10の板前端部10Aの下面には、錘体部12が一体に形成されている。この錘体部12は、錘体部12の前端に設けられた突部11よりも後方の部分が下向きに膨出して形成されている。すなわち、錘体部12はその重さにより、第1押え板部10の突部11をロールペーパーRの上面に押しつけるようになっている。尚、汎用のホルダー本体では、枢軸25にコイルバネが取り付けられていて、そのバネ力により第1押え板部10の前端部10AをロールペーパーRの上面に押しつけるようにしたものがあるが、前記の錘体部12は、そのようなコイルバネを持たない本実施形態のホルダー本体2に好適に使用され得る。尚、錘体部12内に金属製の錘体を埋設するようにしても構わない。
【0019】
各側板部4の内側面4Aには、側板部4の上面4Bに開口した支持用溝部8が下向きに刻設されている。一方、紙管無しのロールペーパーRの中心空洞部Cには、軸部材9が挿通される(図4(b)参照)。ここで用いるロールペーパーRは、ペーパーPとしてトイレットペーパーを巻いたものが例示されている。軸部材9の両端部には、ロールペーパーRが内側面4Aに摺接することを防ぐ保護用円盤31,31が設けられている。そうして、ロールペーパーRに挿通された軸部材9の両端部が左右両側の軸支持用溝部8,8に装入されて最下位置の軸受凹部8Aで支持されることにより、ロールペーパーRが回転自由となっている。そして、側板部4,4の内側面4A,4Aには、側板部4,4の下面4C,4Cに開口する軸取出用溝部7,7が、軸支持用溝部8,8の上下途中部位から分岐して刻設されている。
【0020】
一方で、左右の側板部4,4の前部の内側面4A,4Aの前部には、取付用凹部36,36が形成されており、対向する取付用凹部36,36内に載置杆部13が嵌着されて側板部4,4間に架け渡される。この載置杆部13は、ロールペーパーRから繰り出されたペーパーPを載置するようになっている。ペーパーPを確実に留め置くために載置杆部13の上面は下面13Aよりも広く形成されている。
【0021】
前記の連結板部15は、その後端部がヒンジ部22を介して第1押え板部10の前端部10Aに上下揺動自在に連結されている。ヒンジ部22,22は、連結板部15の左右の後端部に延設形成された支持腕33,33と、第1押え板部10の前端部10Aの左右に形成された軸穴26,26と、支持腕33,33に取り付けられて軸穴26,26に回動自在に軸支される枢軸27,27と、から構成されている。
【0022】
前記の第2押え板部14は、その後端部がヒンジ部23を介して連結板部15の前端部に上下揺動自在に連結されている。すなわち、連結板部15は第1押え板部10と第2押え板部14との間に介設されている。ヒンジ部23,23は、第2押え板部14の左右の後端部に延設された支持腕28,28と、支持腕28,28にそれぞれ形成された軸穴29,29と、連結板部15の前端部の左右に取り付けられて軸穴29,29に回動自在に軸支される枢軸30,30と、から構成されている。
【0023】
また、第2押え板部14は、その後部下面に形成されている押え部14Aで、載置杆部13上に載せられたペーパーPを押えるようになっている。そして、第2押え板部14には、前後方向(矢印F方向)に延びる貫通溝部18が上下方向に貫通して形成されている。第2押え板部14の前端14Bの下面には、例えばウレタンゴム製の切断刃部34が取り付けられている。この切断刃部34は、載置杆部13から垂れ下がったペーパーPを切断するために用いられる。
【0024】
前記の支持杆部6は、第2押え板部14の前部下面14Cに保持機構5を介して前後移動自在に取り付けられている。保持機構5は、前記の貫通溝部18と、貫通溝部18の溝幅Wよりも大径で第2押え板部14の上方に配置される保持玉部19と、貫通溝部18内に前後移動自在に挿通されて支持杆部6と保持玉部19とを連結する連結軸部20と、から構成されている。支持杆部6は、保持機構5により第2押え板部14に前後移動自在に吊持されている。
【0025】
そして、各側板部4の前端部には、支持杆部6を着脱自在に載置する受台部16が形成されている。すなわち、支持杆部6は受台部16,16内に載置された状態で第2押え板部14の前部を支持している。受台部16の前方すなわち側板部4の前端4Dには、抜け止め用柱体17が立設されている。抜け止め用柱体17の上部は後向きに屈曲して形成された屈曲部17Aとなっている。この屈曲部17Aは、受台部16内に置かれた支持杆部6の前上方への抜け止めをするものである。
【0026】
上記のように構成されたロールペーパーホルダー1の作用を次に説明する。ここでは、図3に示した状態でロールペーパーRが装着されていない場合から説明する。
先ず、第2押え板部14の前端14Dを押し下げて第2押え板部14の後部を浮かせ、支持杆部6の後部が持ち上げられた状態で支持杆部6を受台部16から離脱させる。その状態で第2押え板部14、支持杆部6、連結板部15および第1押え板部10をヒンジ部21回り(矢印Y1)に回動させて、図6のようにホルダー本体2の上面開口を開放する。このとき、連結板部15、第2押え板部14、支持杆部6は手などで跳ね上げられて矢印Y2のようにヒンジ部22,23回りに揺動する。次に、ロールペーパーRに挿通された軸部材9の両端を左右の上面4B,4Bから支持用溝部8,8内に装入し、それぞれの軸受凹部8A,8Aで支持させる。これにより、ロールペーパーRが回転自由に支持される。そして、図7に示すように、ロールペーパーRからペーパーPを繰り出して(矢印V2)、載置杆部13上に載置させたのち、ペーパーPの先端側を垂れ下がらせる。
【0027】
続いて、図7に示すように、第1押え板部10をヒンジ部21回りに回動させ(矢印Y3)、連結板部15をヒンジ部22回りに回動させ(矢印Y4)、第2押え板部14をヒンジ部23回りに回動させて(矢印Y5)、ホルダー本体2の上面開口を蓋止する。そのうち、支持杆部6の左右両端部が側板部4,4の曲斜面4BA,4BA上を自然に滑り落ちる(矢印Y8)。そうして、図8に示すように、支持杆部6はその左右両端部が受台部16内に入り込んで載置される。図8に示した載置位置が支持杆部6の基準位置である。このとき、ロールペーパーRの上面は押え板部板部10の突部11で押えつけられており、連結板部15はヒンジ部22回りに更に回り(矢印Y6)、第2押え板部14はヒンジ部23回りに回る(矢印Y7)。
【0028】
次に、図9に示すように、載置杆部13から垂れ下がったペーパーPの先端側を手Hで持ち、切断刃部34に向けて近づけるとともに(矢印V1)、矢印V2のように使用に必要な分量のペーパーPを引き出す。この時、必要量のペーパーPを両手でたぐり出してから片手に持ち替える。これにより、ペーパーPがロールペーパーRから繰り出され(矢印V3)、ロールペーパーRは軸部材9回りに回転する(矢印V4)。その後、ペーパーPが持ち上げられて切断刃部34に近づけられる(矢印V5)。
【0029】
そうして、図10に示すように、利用者は、手HでペーパーPをいっそう持ち上げて(矢印V6)、ペーパーPの切断目標位置を切断刃部34に当てたのち、更にペーパーPを矢印V7のように引き上げようとする。しかしながら、ロールペーパーRが突部11により押え付けられてペーパーPが引き出されにくくなっているので、矢印V7方向の力に対する反作用が働き、第2押え板部14は前端14Bがわずかに持ち上げられ(矢印Y10)、保持玉部19を支えとして第2押え板部14の後部が押し下げられる(矢印Y11)。これに伴って、第2押え板部14の押え部14Aが載置杆部13上のペーパーPを押圧し、載置杆部13上でのペーパーPの摺動を阻止する。これと連動して、連結板部15の後端部も押し下げられるので、第2押え板10の突部11はロールペーパーRの上面をいっそう押さえつけてホルダー本体2に対するロールペーパーRの回転を阻止する。そうして、ペーパーPが手Hで左右方向に引っぱられることで、ペーパーPが34で美しい切り口に破断されるのである。
【0030】
以上に述べたように、この実施形態のロールペーパーホルダー1において、ペーパーPの切断時に加えられた第2押え板部14の前端14Bへの持ち上げ動作は、保持機構5の支えにより直に第2押え板部14後部の押え部14Aに伝わり、載置杆部13上のペーパーPを押下して載置杆部13上での滑りを阻止する。同時に、第2押え板部14の後端部の下降により第1押え板部10の板前端部10Aを押し下げてロールペーパーRの回転を止める。すなわち、載置杆部13上のペーパーPは第2押え板部14により直に止められるので、切断刃部34でのペーパーPの片手切断を確実に行なうことができ、ペーパーPの切り口も美しいものとなる。加えて、ロールペーパーRの補給時などには、従来技術のように保持部の操作など余分な作業を行なう必要がなく、支持杆部6を第2押え板部14とともに左右の受台部4,4から一体的に離脱させるだけでホルダー本体2の上面開口を簡単に開放することができる。また、このロールペーパーホルダー1は、従来技術と比べて商品デザインがシンプルで見栄えが良く、日用品として使いやすいという利点もある。
【0031】
また、支持杆部6が側板部4前端の受台部16に着脱自在に取り付けられるので、第2押え板部14自体が動きやすくなり、支持杆部6に対して第2押え板部14を動きやすくする構造も必要でない。従って、保持機構5は、貫通溝部18と保持玉部19と連結軸部20とからコンパクトに構成され得る。加えて、ペーパーPの切断時には、支持杆部6が抜け止め用柱体17の屈曲部17Aでしっかりと保持されるので、ペーパーPが切断刃部34に対してズレにくくなり、片手でのペーパー切断を確実なものにすることができる。
【0032】
そして、切断刃部34がゴム材で構成されているので、ペーパーPに対するゴム材の大きな摩擦抵抗によりペーパーPが滑りにくい。従って、ペーパーPを片手で確実に切断することができる。また、従来技術の金属製刃部のように人身に外傷を負わせるおそれもない。
【0033】
更に、軸取出用溝部7が軸支持用溝部8から分岐して刻設されているので、ロールペーパーRから全量のペーパーPを繰り出し終えたときに、軸支持用溝部8の軸受凹部8Aに残された軸部材9を、ホルダー本体2の上面開口を閉じたまま軸取出用溝部7から下方に取り出すことができる。すなわち、第1押え板部10などを持ち上げてホルダー本体2の上面を開いて軸部材9を上から取り出すといった従来技術のような手間を労することがない。
【0034】
尚、上記の実施形態では、紙管無しのロールペーパーRを用いた例を示したが、本発明はそれに限定されるものでない。このロールペーパーホルダー1は左右の支持用溝部8,8と軸部材9とを有しているので、例えば中心空洞部としての紙管を有するロールペーパーを使用することも可能である。この場合、紙管内に嵌合可能な径の円柱体を軸部材9の軸本体9Aの外周面に装着して、軸部材9の両端をホルダー本体2の軸支持用溝部8,8で支持させればよい。
【0035】
また、上記では、ロールペーパーRとしてトイレット用のペーパーPを巻いたものを例示したが、例えばティッシュペーパーを巻いたものや、薄地で柔らかめのペーパータオル地を巻いたものなどに対しても、本発明は適用され得る。
【0036】
そして、上記では、切断刃部34としてウレタンゴムを使用した例を示したが、切断刃部のゴム材としては、ペーパーに対して一定以上の摩擦抵抗を有するものであれば特に限定されない。例えば、シリコーンゴムやニトリルゴムなどが例示される。
【0037】
このように、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではない。すなわち、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る、各種変形、修正を含む、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0038】
1 ロールペーパーホルダー
2 ホルダー本体
3 背板部
4 側板部
4A 内側面
4B 上面
4C 下面
4D 前端
5 保持機構
6 支持杆部
7 軸取出用溝部
8 軸支持用溝部
9 軸部材
10 第1押え板部
10A 板前端部
13 載置杆部
14 第2押え板部
14A 押え部
14B 前端
14C 前部下面
15 連結板部
16 受台部
17 抜け止め用柱体
17A 屈曲部
18 ヒンジ部
19 保持玉部
20 連結軸部
34 切断刃部
C 中心空洞部
K 壁面
P ペーパー
R ロールペーパー
W 溝幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10