(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018126
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】除菌装置及び照明一体型空気処理装置
(51)【国際特許分類】
A61L 9/20 20060101AFI20240201BHJP
A61L 9/00 20060101ALI20240201BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20240201BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240201BHJP
【FI】
A61L9/20
A61L9/00 C
F21V33/00 330
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121236
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 淳
(72)【発明者】
【氏名】柴原 雄右
(72)【発明者】
【氏名】福田 直生
(72)【発明者】
【氏名】大武 寛和
(72)【発明者】
【氏名】小西 達也
(72)【発明者】
【氏名】冨山 彩弥香
(72)【発明者】
【氏名】藤原 章裕
(72)【発明者】
【氏名】松本 卓馬
(72)【発明者】
【氏名】森 聖也
【テーマコード(参考)】
3K014
4C180
【Fターム(参考)】
3K014RA01
4C180AA02
4C180AA07
4C180CC03
4C180CC17
4C180DD03
4C180EA33X
4C180EA34X
4C180HH05
4C180MM10
(57)【要約】
【課題】壁面に容易に設置可能な除菌装置を提供すること。
【解決手段】実施形態によれば、除菌装置は、処理ボックス、ファン、紫外光源及びボックス係合部を備える。処理ボックスの内部の処理空間は、導入口及び排出口のそれぞれにおいてに開口する。ファンが駆動されることにより、処理空間において導入口から排出口へ向かう空気の流れが形成される。紫外光源は、処理空間において空気に対して紫外線を照射する。可視光を照射する照明器具と係合可能なシャーシ係合部が形成される外郭シャーシにおいて、シャーシ係合部とボックス係合部が係合するにより、処理ボックスが外郭シャーシに取付けられる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に処理空間が形成され、導入口及び排出口のそれぞれにおいて前記処理空間が外部に開口する処理ボックスと;
前記処理ボックスの前記処理空間に配置され、駆動されることにより、前記処理空間において前記導入口から前記排出口へ向かう空気の流れを形成するファンと;
前記処理空間において空気に対して紫外線を照射する紫外光源と;
可視光を照射する照明器具と係合可能なシャーシ係合部が形成される外郭シャーシにおいて、前記シャーシ係合部と係合するにより、前記処理ボックスを前記外郭シャーシに取付けるボックス係合部と;
を具備する、除菌装置。
【請求項2】
前記処理空間に配置される光触媒モジュールをさらに具備し、
前記紫外光源は、前記処理空間において、前記空気に加えて前記光触媒モジュールに対して前記紫外線を照射する、
請求項1の除菌装置。
【請求項3】
前記処理ボックスの外側を覆い、可視光を反射する反射板をさらに具備する請求項1の除菌装置。
【請求項4】
前記処理空間に配置され、前記反射板に取付けられる光触媒モジュールをさらに具備し、
前記紫外光源は、前記処理空間において、前記空気に加えて前記光触媒モジュールに対して前記紫外線を照射し、
前記光触媒モジュールは、前記反射板を前記処理ボックスから分離することにより、前記反射板と一緒に前記処理ボックスから分離される、
請求項3の除菌装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項の除菌装置と;
前記シャーシ係合部として第1のシャーシ係合部及び第2のシャーシ係合部を備え、前記第1のシャーシ係合部に前記除菌装置の前記ボックス係合部が係合した状態で、前記処理ボックスが取付けられる前記外郭シャーシと;
可視光を照射し、前記外郭シャーシの前記第2のシャーシ係合部と係合した状態で、前記外郭シャーシに取付けられる前記照明器具と;
を具備する、照明一体型空気処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、除菌装置及び照明一体型空気処理装置
【背景技術】
【0002】
紫外線を用いて空気を除菌する除菌装置が知られている。このような除菌装置では、処理ボックスの内部の処理空間へ外部から空気を導入し、処理空間において導入された空気に対して紫外線を照射する。そして、紫外線の照射によって除菌された空気を、処理空間の外部に排出する。
【0003】
前述のような除菌装置は、天井面等の壁面に容易に設置可能であることが、求められている。壁面には、例えば、可視光を照射する照明器具等の除菌装置とは別の機能を有する器具を取付け可能な外郭シャーシが、既に設置されている。このため、別の機能を有する器具を取付け可能な外郭シャーシに、除菌装置を取付け可能にする等して、除菌装置を壁面に容易に設置可能にすることが、求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、壁面に容易に設置可能な除菌装置、及び、その除菌装置を備える照明一体型空気処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、除菌装置は、処理ボックス、ファン、紫外光源及びボックス係合部を備える。処理ボックスの内部には、処理空間が形成され、処理空間は、導入口及び排出口のそれぞれにおいてに開口する。ファンは、処理ボックスの処理空間に配置され、ファンが駆動されることにより、処理空間において導入口から排出口へ向かう空気の流れが形成される。紫外光源は、処理空間において空気に対して紫外線を照射する。可視光を照射する照明器具と係合可能なシャーシ係合部が形成される外郭シャーシにおいて、シャーシ係合部とボックス係合部が係合するにより、処理ボックスが外郭シャーシに取付けられる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、壁面に容易に設置可能な除菌装置、及び、その除菌装置を備える照明一体型空気処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る照明一体型空気処理装置を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る照明一体型空気処理装置を、奥行き方向に直交又は略直交する断面で示す断面図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る照明一体型空気処理装置の外郭シャーシを示す斜視図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る照明一体型空気処理装置の外郭シャーシを、天壁を省略して示す斜視図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る除菌装置を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る除菌装置を、処理ボックスの天壁を省略して示す斜視図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係る除菌装置において、反射板を処理ボックスから分離した状態を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態に係る除菌装置の処理ボックスを示す斜視図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態に係る除菌装置の反射板を示す斜視図である。
【
図10】
図10は、第1の実施形態に係る除菌装置の処理ボックスにおいて、ボックス係合部のそれぞれに設けられるバネ部材の一例を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、第1の実施形態に係る照明一体型空気処理装置の照明器具を示す斜視図である。
【
図12】
図12は、第1の変形例に係る除菌装置において、反射板を処理ボックスから分離した状態を示す斜視図である。
【
図13】
図13は、第2の変形例に係る照明一体型空気処理装置を示す斜視図である。
【
図14】
図14は、第2の変形例に係る除菌装置を示す斜視図である。
【
図15】
図15は、第2の変形例に係る除菌装置の反射板を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態の除菌装置(11)は、処理ボックス(15)、ファン(40)、紫外光源(41)及びボックス係合部(50)を備える。処理ボックス(15)の内部には、処理空間(30)が形成され、処理空間(30)は、導入口(37)及び排出口(38)のそれぞれにおいてに開口する。ファン(40)は、処理ボックス(15)の処理空間(30)に配置され、ファン(40)が駆動されることにより、処理空間(30)において導入口(37)から排出口(38)へ向かう空気の流れが形成される。紫外光源(41)は、処理空間(30)において空気に対して紫外線を照射する。可視光を照射する照明器具(12)と係合可能なシャーシ係合部(26)が形成される外郭シャーシ(10)において、シャーシ係合部(26)とボックス係合部(50)が係合するにより、処理ボックス(15)が外郭シャーシ(10)に取付けられる。これにより、外郭シャーシ(10)が設置される壁面(13)に、除菌装置(11)を容易に設置可能となる。
【0010】
実施形態の除菌装置(11)は、処理空間(30)に配置される光触媒モジュール(42)をさらに備える。紫外光源(41)は、処理空間(30)において、空気に加えて光触媒モジュール(42)に対して紫外線を照射する。これにより、除菌装置(11)を備える照明一体型空気処理装置(1)等において、壁面(13)が規定する空間への可視光の照射、及び、空気に対する紫外線の照射による除菌に加えて、光触媒モジュール(42)及び紫外線を用いた空気の脱臭及び除菌が、適切に行われる。
【0011】
実施形態の除菌装置(11)は、可視光を反射する反射板(16)をさらに備え、反射板(16)は、処理ボックス(5)の外側を覆う。これにより、照明一体型空気処理装置(1)等において、除菌装置(11)と一緒に用いられる照明器具(12)からの可視光が処理ボックス(15)の処理空間(30)へ入射することが、有効に防止される。
【0012】
実施形態の除菌装置(11)では、光触媒モジュール(42)は、反射板(16)に取付けられる。反射板(16)を処理ボックス(15)から分離することにより、光触媒モジュール(42)は、反射板(16)と一緒に処理ボックス(15)から分離される。これにより、高い頻度でメンテナンスが必要な光触媒モジュール(42)のメンテナンスにおける作業効率が、向上する。
【0013】
実施形態の照明一体型空気処理装置(1)は、前述の除菌装置(11)、外郭シャーシ(10)及び照明器具(12)を備える。外郭シャーシ(10)は、シャーシ係合部(26)として第1のシャーシ係合部及び第2のシャーシ係合部を備える。外郭シャーシ(10)には、第1のシャーシ係合部に除菌装置(11)のボックス係合部(50)が係合した状態で、処理ボックス(15)が取付けられる。照明器具(12)は、可視光を照射し、外郭シャーシ(10)の第2のシャーシ係合部と係合した状態で、外郭シャーシ(10)に取付けられる。これにより、処理ボックス15の処理空間30での空気の除菌、及び、照明器具12による可視光の照射の両方を、照明一体型空気処理装置1によって行うことが、可能となる。
【0014】
以下、実施形態について図面を参照にして説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
まず、実施形態の一例として、第1の実施形態について説明する。
図1及び
図2は、第1の実施形態に係る照明一体型空気処理装置(以下、単に“空気処理装置”と称す)1を示す。
図1及び
図2に示すように、空気処理装置1は、外郭シャーシ10、除菌装置11及び照明器具12を備える。
図1及び
図2の一例では、空気処理装置1に2つの照明器具12が設けられる。空気処理装置1及び外郭シャーシ10では、奥行方向(矢印X1で示す方向)、奥行方向に対して交差する横方向(矢印Y1で示す方向)、及び、奥行方向及び横方向の両方に対して交差する高さ方向(矢印Z1で示す方向)が、規定される。奥行方向はX方向とも称され、横方向はY方向とも称され、高さ方向はZ方向とも称される。
図1は、斜視図であり、
図2は、奥行方向に直交又は略直交する断面を示す断面図である。
【0016】
外郭シャーシ10は、天井面等の壁面13(
図2参照)に、設置される。外郭シャーシ10が天井面に設置される場合、空気処理装置1及び外郭シャーシ10の高さ方向は、鉛直(重力)方向と一致又は略一致する。外郭シャーシ10は、天壁21(シャーシ天壁21ともいう。以下同じ)及び周壁22を備え、外郭シャーシ10では、天壁21及び周壁22によって、内部空洞23が規定される。本実施形態において、内部空洞23は、少なくとも1方向において外部と連通する空間であり、閉鎖空間ではない。外郭シャーシ10では、天壁21は、高さ方向の一方側から内部空洞23に隣接し、周壁22は、内部空洞23を外周側から全周に渡って囲む。天壁21は、天井面等の壁面13と接するようにもしくは対向するように配置される。なお、外郭シャーシ10は、天壁21と、周壁22と、シャーシ底壁と、によって内部空洞23を構成するように形成されていてもよい。この場合、内部空洞23は閉鎖空間となり、外郭シャーシ10は、内部に内部空洞23が形成される箱形状に構成される。
【0017】
また、外郭シャーシ10では、周壁22は、天壁21に接続され、天壁21から高さ方向に沿って延設される。周壁22は、例えば、1つの部材で構成されてもよいし、複数の部材により構成されてもよい。内部空洞23は、高さ方向について天壁21が位置する側とは反対側へ、開口する。内部空洞23の開口では、周壁22において天壁21とは反対側の端によって、開口縁が形成される。内部空洞23は、開口において、部屋等の壁面13によって規定される空間に向かって開口し、内部空洞23と部屋等の壁面13によって規定される空間とは連通する。外郭シャーシ10が天井面に設置される場合、内部空洞23は、開口において鉛直下側へ向かって開口する。
【0018】
図3は、外郭シャーシ10を斜視図で示す。
図3に示すように、外郭シャーシ10では、天壁21の一方側の面である内表面に、フレーム25が設置される。フレーム25は、周壁22によって囲まれる内部空洞23に配置される。フレーム25は、例えば、天壁21とは一体に構成される。
図3の一例では、3つのフレーム25が設置され、3つのフレーム25は、外郭シャーシ10の横方向に並んで配置される。3つのフレーム25の中では、フレーム25Aが、外郭シャーシ10の横方向について中央に配置される。そして、フレーム25Bは、フレーム25Aに対して、外郭シャーシ10の横方向の一方側に並んで配置され、フレーム25Cは、フレーム25Aに対して、外郭シャーシ10の横方向についてフレーム25Bとは反対側に並んで配置される。フレーム25のそれぞれは、外郭シャーシ10の奥行方向に沿って延設され、外郭シャーシ10では、奥行方向について一端部から他端部に渡って、フレーム25のそれぞれが延設される。
【0019】
外郭シャーシ10では、フレーム25のそれぞれに、受け金具26が、シャーシ係合部として取付けられる。
図3の一例では、フレーム25のそれぞれに、受け金具26が2つずつ取付けられる。受け金具26は、内部空洞23に配置される。フレーム25のそれぞれでは、2つの受け金具26は、外郭シャーシ10の奥行方向に、互いに対して離れて配置される。例えば、フレーム25のそれぞれでは、外郭シャーシ10の奥行方向について一端部に、2つの受け金具26の一方が取付けられ、外郭シャーシ10の奥行方向について他端部に、2つの受け金具26の他方が取付けられる。なお、フレーム25は、受け金具26を1つのみ、または3つ以上備える構成であってもよい。
【0020】
図4は、外郭シャーシ10を、天壁21を省略した斜視図で示す。
図3及び
図4に示すように、フレーム25Aでは、外郭シャーシ10の横方向についてフレーム25Bが位置する側の側部に、係合穴27Aが形成され、外郭シャーシ10の横方向についてフレーム25Cが位置する側の側部に、係合穴27Bが形成される。
図3及び
図4の一例では、係合穴27Aが2つ形成され、係合穴27Bが2つ形成される。フレーム25Aでは、2つの係合穴27Aは、外郭シャーシ10の奥行方向に、互いに対して離れて配置され、2つの係合穴27Bは、外郭シャーシ10の奥行方向に、互いに対して離れて配置される。
【0021】
また、フレーム25Bでは、外郭シャーシ10の横方向についてフレーム25Aが位置する側の側部に、係合穴28Aが形成され、フレーム25Cでは、外郭シャーシ10の横方向についてフレーム25Aが位置する側の側部に、係合穴28Bが形成される。
図3及び
図4の一例では、係合穴28Aが2つ形成され、係合穴28Bが2つ形成される。フレーム25Bでは、2つの係合穴28Aは、外郭シャーシ10の奥行方向に、互いに対して離れて配置され、フレーム25Cでは、2つの係合穴28Bは、外郭シャーシ10の奥行方向に、互いに対して離れて配置される。
【0022】
図5は、除菌装置11を斜視図で示す。
図5等に示すように、除菌装置11は、処理ボックス15及び反射板16を備える。除菌装置11及び処理ボックス15では、奥行方向(矢印X2で示す方向)、奥行方向に対して交差する横方向(矢印Y2で示す方向)、及び、奥行方向及び横方向の両方に対して交差する高さ方向(矢印Z2で示す方向)が、規定される。なお、
図1等で示した矢印X1で示す奥行方向と、
図5等で示す矢印X2で示す奥行方向とは平行であり、
図1等で示した矢印Y1で示す横方向と、
図5等で示す矢印Y2で示す横方向とは平行であり、
図1等で示した矢印Z1で示す高さ方向と、
図5等で示す矢印Z2で示す高さ方向とは平行である。処理ボックス15では、奥行方向に沿った寸法が、横方向に沿った寸法より大きく、横方向に沿った寸法が、高さ方向に沿った寸法より大きい。処理ボックス15は、天壁31(処理ボックス天壁31ともいう。以下同じ)、底壁32、一対の対向する側壁33A,33B、及び、一対の対向する側壁35A,35Bを備え、これらの部材に囲まれた内側空間(後に、処理空間30として説明する空間)を構成する。処理ボックス15では、少なくとも内側空間へ臨む内表面が、紫外線を反射する材料から形成され、例えば、アルミニウム合金及びステンレス合金等のいずれかから形成される。
【0023】
図6は、除菌装置11を、処理ボックス15の天壁31を省略した斜視図で示す。
図6等に示すように、処理ボックス15の内部には、処理空間30が形成される。処理ボックス15では、天壁31及び底壁32は、高さ方向に互いに対して離れて配置され、処理空間30を間に挟んで互いに対して対向する。また、処理ボックス15では、側壁33A,33B,35A,35Bによって、処理空間30を外周側から全周に渡って囲む周壁が、形成される。側壁33A,33B,35A,35Bのそれぞれは、天壁31から底壁32まで、処理ボックス15の高さ方向に沿って延設される。
【0024】
一対の側壁33A,33Bは、処理ボックス15の奥行方向に互いに対して離れて配置され、処理空間30を間に挟んで互いに対して対向する。また、一対の側壁35A,35Bは、処理ボックス15の横方向に互いに対して離れて配置され、処理空間30を間に挟んで互いに対して対向する。側壁33A,33Bのそれぞれは、側壁35Aから側壁35Bまで、処理ボックス15の横方向に沿って延設される。また、側壁35A,35Bのそれぞれは、側壁33Aから側壁33Bまで、処理ボックス15の奥行方向に沿って延設される。
【0025】
図7は、除菌装置11において反射板16を処理ボックス15から分離した状態を、斜視図で示す。
図7では、処理ボックス15の天壁31を省略して示す。また、
図8は、処理ボックス15を、天壁31と、処理空間30内部に配設された部材と、を省略した状態を斜視図で示し、
図9は、反射板16を斜視図で示す。
図7及び
図8等に示すように、処理ボックス15の底壁32には、導入口37及び排出口38が形成される。処理空間30は、導入口37及び排出口38のそれぞれにおいて、処理ボックス15の外部に対して開口する。導入口37及び排出口38のそれぞれでは、処理空間30は、処理ボックス15の高さ方向について、天壁31が位置する側とは反対側へ開口する。導入口37及び排出口38は、処理ボックス15の奥行方向に、互いに対して離れて位置する。例えば、処理ボックス15の底壁32では、奥行方向について一端部に、導入口37が形成され、奥行方向について導入口37とは反対側の端部に、排出口38が形成される。なお、導入口37、排出口38の形状や配置は、
図7、
図8に示す形態に限定されるものではない。例えば、
図8においては、符号“38”で示す孔が導入口として機能してもよいし、符号“37”で示す孔が排出口として機能してもよい。また、導入口37や排出口38は、丸形状であってもよい。
【0026】
図6及び
図7等に示すように、処理ボックス15には、ファン40が取付けられ、ファン40は、処理ボックス15の内部の処理空間30に配置される。ファン40を駆動することにより、処理ボックス15の内部の処理空間30へ、処理ボックス15の外部から導入口37を通して、空気が導入される。そして、処理空間30において、導入口37から排出口38に向かって空気が流れ、導入口37から排出口38に向かう空気の流れが形成される。そして、排出口38へ流れた空気は、排出口38を通して、処理空間30から処理ボックス15の外部へ排出される。
図6及び
図7等の一例では、ファン40は、底壁32の内表面に取付けられる。そして、ファン40は、処理空間30が位置する側から、すなわち、内側から、導入口37に対して対向する。また、ファン40は、処理ボックス15ではなく、反射板16に取付けられてもよい。この場合、例えば、ファン40は、詳細は後述する貫通孔47を覆うように反射板16に取付けられる。そして、処理ボックス15と反射板16が組み合わされた際に、ファン40は、処理ボックス15の導入口37を介して処理空間30内に配置される。この場合、処理ボックス15と反射板16の組合せを解消する(つまり、処理ボックス15と反射板16を分離する)ことで、光触媒モジュール42と、ファン40と、の両方を取り外すことが可能となる。
【0027】
なお、ファン40の駆動によって導入口37から排出口38に向かう空気の流れが処理空間30において形成されれば、処理空間30におけるファン40の位置等は、特に限定されない。ある一例では、ファン40は、処理空間30が位置する側から、すなわち、内側から、排出口38に対して対向する。また、別のある一例では、ファン40は、導入口37及び排出口38のいずれからも離れた位置に、配置される。また、上述したように、導入口と排出口の位置が反対の場合は、ファン40の駆動によって作られる空気の流れが反対になるように構成すれば、処理ボックス15を機能させることが可能である。
【0028】
また、処理ボックス15の処理空間30には、紫外光源41が配置される。紫外光源41は、処理空間30において紫外線を照射する。
図6及び
図7等の一例では、紫外光源41として、紫外光源41A,41Bが処理空間30に配置される。そして、紫外光源41A,41Bのそれぞれは、発光素子として、紫外光LED等を備える。ここで、処理ボックス15の内表面が紫外線を反射する材料から形成されるため、処理空間30において紫外光源41から照射された紫外線は、天壁31、底壁32及び側壁33A,33B,35A,35Bのそれぞれの内表面において反射する。このため、紫外光源41からの紫外線が処理ボックス15の外部へ出射されることが、有効に防止される。
【0029】
紫外光源(第1の紫外光源)41Aは、処理空間30において、空気に対して紫外線を照射する。紫外光源41Aは、処理ボックス15の長手方向について、導入口37と排出口38との間に配置され、ファン40の駆動によって導入口37から排出口38へ流れる空気等に対して、紫外線を照射する。
図6及び
図7等の一例では、側壁35Aの内表面に、紫外光源41Aが取付けられる。なお、紫外光源41Aは、側壁35Bの内表面に取付けられてもよいし、側壁35Aと側壁35Bの間に取付けられてもよい。側壁35Aと側壁35Bの間に取付けられるとは、例えば、天壁31や底壁32に取付けられる形態や、側壁35Aと側壁35Bを橋渡しするように取付けられる形態をいう。
【0030】
紫外光源41Aは、ピーク波長が200nm以上かつ320nm以下の範囲になる紫外線を処理空間30において照射し、主にUV-Cを照射する。処理空間30において、紫外光源41Aから主にUV-Cが空気に照射されることにより、空気に含まれるウイルス及び菌(細菌)等の活動が抑制される。これにより、処理空間30において空気の除菌が行われる。なお、処理空間30では、紫外光源41Aから直接的に出射された紫外線に加えて、紫外光源41Aから出射した後に処理ボックス15の内表面で反射した紫外線も、空気に照射され、空気が除菌される。
【0031】
ここで、“除菌”とは、空気中に存在するウイルス及び菌(細菌)等を不活性化すること等を意味し、“除菌”の代わりに“殺菌”、“滅菌”及び“減菌”等といった用語を用いることも可能である。このため、実施形態では、“除菌”という用語と用いるが、“除菌”という用語を、“殺菌”、“滅菌”及び“減菌”等に置き換え可能である。したがって、“除菌装置”は、“殺菌装置”、“滅菌装置”及び“減菌装置”等に置き換え可能である。
【0032】
除菌装置11では、反射板16は、処理ボックス15に分離可能に組合わせられる。反射板16は、処理ボックス15に組合わせられることにより、処理ボックス15の外側を覆う。反射板16では、少なくとも処理ボックス15と対向しない側の表面が、可視光を反射する材料から形成され、例えば、アルミニウム、セラミックス及び銀等のいずれかから形成される。このため、反射板16は、可視光を反射する。反射板16は、底板部45及び傾斜板部46A,46Bを備える。底板部45は、傾斜板部46A,46Bの間を中継し、傾斜板部46A,46Bのそれぞれは、底板部45に対して傾斜する。反射板16が処理ボックス15に組合わせられた状態では、底板部45は、除菌装置11の横方向について、傾斜板部46A,46Bの間に位置する。
【0033】
反射板16が処理ボックス15に組合わせられた状態では、底板部45は、除菌装置11の高さ方向について天壁31が位置する側とは反対側から、処理ボックス15の底壁32を覆い。底壁32に当接する。そして、傾斜板部46Aは、除菌装置11の横方向の外側から、処理ボックス15の側壁35Aを覆い、傾斜板部46Bは、除菌装置11の横方向の外側から、処理ボックス15の側壁35Bを覆う。また、反射板16が処理ボックス15に組合わせられた状態では、傾斜板部46A,46Bのそれぞれにおいて、除菌装置11の横方向について外側の部位ほど、除菌装置11の高さ方向について処理ボックス15の底壁32から離れる。
【0034】
また、
図9等に示すように、本実施形態では、反射板16の底板部45に、貫通孔47,48が形成される。反射板16が処理ボックス15に組合わせられた状態では、貫通孔47,48は、除菌装置11の奥行方向に、互いに対して離れて配置される。また、反射板16が処理ボックス15に組合わせられることにより、貫通孔47は、外側から、すなわち、処理空間30とは反対側から、処理ボックス15の導入口37に対向する。そして、貫通孔48は、外側から、すなわち、処理空間30とは反対側から、処理ボックス15の排出口38に対向する。このため、反射板16が処理ボックス15に組合わせられた状態では、処理空間30は、導入口37及び貫通孔47を介して除菌装置11の外部に開口するとともに、排出口38及び貫通孔48を介して除菌装置11の外部に開口する。
【0035】
図6等に示すように、反射板16が処理ボックス15に組合わせられた状態では、処理ボックス15の処理空間30に、光触媒モジュール42が配置される。そして、光触媒モジュール42は、内側から、すなわち、処理空間30が位置する側から、排出口38(貫通孔48)に対向する。光触媒モジュール42では、母材の表面に光触媒が担持される。光触媒モジュール42では、複数(無数)の貫通孔が母材に形成され、母材は、例えば、酸化アルミニウム及び窒化アルミニウム等のセラミックスから形成される。また、母材に担持される光触媒は、例えば、酸化チタン及び酸化タングステン等の金属酸化物から形成される。
【0036】
空気は、光触媒モジュール42を透過可能である。具体的には、空気は、光触媒モジュール42の一方の面側から、貫通孔をとおって、光触媒モジュール42の他方の面側に通過することが可能である。このため、処理空間30を排出口38に向かって流れた空気は、光触媒モジュール42及び排出口38(貫通孔48)を通って、除菌装置11の外部へ排出される。ただし、光触媒モジュール42もしくは、光触媒モジュール42の周囲は、紫外線を透過させない、又は、ほとんど透過させないように構成されていることが好ましい。これにより、排出口38(貫通孔48)を通して処理空間30の外部へ紫外線が出射されることが、有効に抑制される。
【0037】
紫外光源(第2の紫外光源)41Bは、処理空間30において、光触媒モジュール42に対して紫外線を照射する。このため、紫外光源41Bは、指向性が比較的高いLEDで構成されることが好ましい。紫外光源41Bは、処理空間30において、光触媒モジュール42の近傍等の光触媒モジュール42に紫外線を照射可能な位置に、配置される。
図6等の一例では、側壁33Bの内表面に、紫外光源41Bが取付けられる。なお、ある一例では、ファン40が、導入口37から離れて配置され、光触媒モジュール42は、処理空間30において、内側から導入口37(貫通孔47)に対向する位置に配置される。この場合も、紫外光源41Bは、光触媒モジュール42に紫外線を照射可能な位置に、配置され、例えば、側壁33Aの内表面に、紫外光源41Bが取付けられる。
【0038】
紫外光源41Bは、ピーク波長が320nm以上かつ400nm以下の範囲になる紫外線(もしくは可視光)を処理空間30において照射し、主にUV-Aを照射する。このため、紫外光源41Bは、紫外光源41Aに比べて、ピーク波長が長い紫外線を照射する。処理空間30において、紫外光源41Bから主にUV-Aが光触媒モジュール42に照射されることにより、光触媒モジュール42において活性酸素及びOHラジカルが生成される。そして、生成された活性酸素及びOHラジカルによって、光触媒モジュール42を通過する空気に含まれる、ウイルス、菌(細菌)及び臭い物質等を分解する。これにより、処理空間30において、光触媒モジュール42を通過する空気の脱臭及び除菌が行われる。
【0039】
なお、処理空間30において光触媒モジュール42が導入口37又は排出口38に対向して配置され、かつ、光触媒モジュール42が対向して配置される導入口37又は排出口38に、紫外線を透過させないフィルタ等が設けられない構成では、処理ボックス15の外部への紫外線の出射を防止する観点から、導入口37及び排出口38の開口方向に対して交差する(直交又は略直交する)方向から光触媒モジュール42に紫外線が照射されることが、好ましい。このため、導入口37に対向して光触媒モジュール42が配置される場合は、紫外光源41Bは、側壁33A,35A,35Bのいずれかの内表面に配置されることが好ましく、排出口38に対向して光触媒モジュール42が配置される場合は、紫外光源41Bは、側壁33B,35A,35Bのいずれかの内表面に配置されることが好ましい。また、処理空間30において光触媒モジュール42が導入口37又は排出口38に対向して配置される場合において、紫外光源41Bは、天壁31の内表面に取付けられてもよい。この場合、導入口37及び排出口38が開口する側とは反対側から、光触媒モジュール42に紫外線が照射される。ただし、導入口37及び排出口38が開口する側とは反対側から光触媒モジュール42に紫外線が照射される場合、処理ボックス15の外部への紫外線の出射を防止する観点から、光触媒モジュール42が対向して配置される導入口37又は排出口38に、紫外線を透過させないフィルタ等が設けられる。
【0040】
前述のような構成であるため、反射板16が処理ボックス15に組合わせられた除菌装置11では、ファン40を駆動することにより、貫通孔47及び導入口37を通して、除菌装置11の外部から処理空間30に、空気が導入される。そして、処理空間30において、導入口37から排出口38に向かう空気の流れが形成される。また、処理空間30では、紫外光源41Aから照射される紫外線(主にUV-C)を用いた空気の除菌、及び、紫外光源41Bから照射される紫外線(主にUV-A)及び光触媒モジュール42を用いた空気の脱臭及び除菌が、行われる。そして、除菌及び脱臭が行われた空気が、排出口38及び貫通孔48を通して、除菌装置11の外部へ排出される。
【0041】
図7等に示すように、本実施形態では、光触媒モジュール42は、反射板16に取付けられる。
図7の一例では、光触媒モジュール42は、貫通孔48に対向する状態で、底板部45の内表面に取付けられる。また、光触媒モジュール42は、反射板16から取外し可能である。光触媒モジュール42が反射板16に取付けられるため、反射板16を処理ボックス15から分離することにより、光触媒モジュール42は、反射板16と一緒に処理ボックス15から分離される。
図7の一例では、処理ボックス15への反射板16の組合わせにおいて、光触媒モジュール42は、処理ボックス15の排出口38から処理空間30に挿入され、処理空間30に配置される。そして、処理ボックス15からの反射板16の分離において、排出口38を通して、処理空間30から光触媒モジュール42が取出される。このような構成とすることで、光触媒モジュール42の取外しを容易に行うことが可能となるため、光触媒モジュール42の交換作業や洗浄作業を時短したり、簡略化したりすることが期待できる。
【0042】
なお、ある一例では、ファン40が、導入口37から離れて配置され、光触媒モジュール42は、貫通孔47に対向する状態で、底板部45の内表面に取付けられる。この場合、処理ボックス15への反射板16の組合わせにおいて、光触媒モジュール42は、処理ボックス15の導入口37から処理空間30に挿入され、処理空間30に配置される。そして、処理ボックス15からの反射板16の分離において、導入口37を通して、処理空間30から光触媒モジュール42が取出される。また、別の一例では、光触媒モジュール42は、処理空間30に配置されるように処理ボックス15に取付けられてもよい。例えば、光触媒モジュール42は、処理ボックス15の排出口38の少なくとも一部と重なるように、処理ボックス15に取付けられる。
【0043】
図5等に示すように、処理ボックス15において天壁31の外表面、すなわち、天壁31において処理空間30とは反対側を向く面には、ボックス係合部50が形成される。
図5等の一例では、処理ボックス15に、2つのボックス係合部50が形成される。そして、2つのボックス係合部50は、処理ボックス15の奥行方向に、互いに対して離れて配置される。ボックス係合部50のそれぞれは、取付け金具51及びバネ部材52を備える。ボックス係合部50のそれぞれでは、取付け金具51が、処理ボックス15の天壁31の外表面に設置される。また、ボックス係合部50のそれぞれでは、バネ部材52が取付け金具51に接続される。
【0044】
図10は、除菌装置11の処理ボックス15において、ボックス係合部50のそれぞれに設けられるバネ部材52の一例を斜視図で示す。
図10の一例では、バネ部材52は、延設端E1,E2を有し、延設端E1から延設端E2まで延設される。また、バネ部材52では、延設端E1,E2の間にバネ部材52が折返される折返し部分E3が、形成される。ボックス係合部50のそれぞれでは、バネ部材52の延設端E1,E2のそれぞれが、取付け金具51に接続される。また、ボックス係合部50のそれぞれでは、バネ部材52の折返し部分E3を、外郭シャーシ10にシャーシ係合部として設けられる受け金具26のそれぞれに、引掛けることが可能である。ボックス係合部50のそれぞれは、バネ部材52が引掛けられた受け金具(シャーシ係合部)26と、係合する。受け金具26は、内部空洞23に臨むように外郭シャーシ10の天壁21に配設される。なお、外郭シャーシ10が箱形状の場合は、受け金具26は、内部空洞23に臨まないように外郭シャーシ10のシャーシ底壁に配設される。
【0045】
図1及び
図2の空気処理装置1では、2つのボックス係合部50のそれぞれは、フレーム25Aに設けられる2つの受け金具26の対応する一方と、係合する。これにより、処理ボックス15は、フレーム25Aにおいて外郭シャーシ10に取付けられる。なお、空気処理装置1では、2つのボックス係合部50のそれぞれを、フレーム25Bに設けられる2つの受け金具26の対応する一方と、係合させてもよい。この場合、処理ボックス15は、フレーム25Bにおいて外郭シャーシ10に取付けられる。同様に、空気処理装置1では、2つのボックス係合部50のそれぞれを、フレーム25Cに設けられる2つの受け金具26の対応する一方と、係合させてもよい。この場合、処理ボックス15は、フレーム25Cにおいて外郭シャーシ10に取付けられる。なお、上述した外郭シャーシ10と、処理ボックス15の係合方式は、一例であり、上述した形態に限定されるものではない。例えば、固定構造物に着脱可能に取付けられる係合方式(例えば、照明装置などに従来用いられている係合方式)であれば、任意に適用されてもよい。
【0046】
また、
図5、
図6、
図7及び
図9等に示すように、反射板16では、傾斜板部46Aにおいて底板部45とは反対側の端に、係合片53Aが取付けられ、傾斜板部46Bにおいて底板部45とは反対側の端に、係合片53Bが取付けられる。
図5及び
図6等の一例では、係合片53Aが2つ設けられ、係合片53Bが2つ設けられる。反射板16が処理ボックス15に組合わせられた状態では、係合片53Bは、除菌装置11の横方向について、処理ボックス15に対して、係合片53Aとは反対側に位置する。また、反射板16が処理ボックス15に組合わせられた状態では、2つの係合片53Aは、除菌装置11の奥行方向に、互いに対して離れて配置され、2つの係合片53Bは、除菌装置11の奥行方向に、互いに対して離れて配置される。
【0047】
図1及び
図2の空気処理装置1では、前述のように、処理ボックス15は、外郭シャーシ10のフレーム25Aに取付けられる。この場合、反射板16では、2つの係合片53Aのそれぞれは、フレーム25Bの2つの係合穴28Aの対応する一方に挿入され、2つの係合穴28Aの対応する一方と係合する。そして、2つの係合片53Bのそれぞれは、フレーム25Cの2つの係合穴28Bの対応する一方に挿入され、2つの係合穴28Bの対応する一方と係合する。係合片53Aのそれぞれと係合穴28Aの対応する一方との係合、及び、係合片53Bのそれぞれと係合穴28Bの対応する一方との係合によって、反射板16が外郭シャーシ10に取付けられる。
【0048】
なお、処理ボックス15が外郭シャーシ10のフレーム25Bに取付けられる場合は、反射板16に傾斜板部46A及び係合片53Aが設けられず、底板部45が処理ボックス15に接続される。そして、2つの係合片53Bのそれぞれを、フレーム25Aの2つの係合穴27Aの対応する一方に挿入し、2つの係合穴27Aの対応する一方と係合することにより、反射板16が外郭シャーシ10に取付けられる。また、処理ボックス15が外郭シャーシ10のフレーム25Cに取付けられる場合は、反射板16に傾斜板部46B及び係合片53Bが設けられず、底板部45が処理ボックス15に接続される。そして、2つの係合片53Aのそれぞれを、フレーム25Aの2つの係合穴27Bの対応する一方に挿入し、2つの係合穴27Bの対応する一方と係合することにより、反射板16が外郭シャーシ10に取付けられる。
【0049】
前述のように処理ボックス15及び反射板16を備える除菌装置11が外郭シャーシ10に取付けられることにより、処理ボックス15がフレーム25A~25Cのいずれに取付けられる場合も、外郭シャーシ10が規定する内部空洞23に、除菌装置11が配置される。また、除菌装置11が外郭シャーシ10に取付けられた状態では、除菌装置11(処理ボックス15)の奥行方向が、外郭シャーシ10(空気処理装置1)の奥行方向と一致又は略一致し、除菌装置11の横方向が、外郭シャーシ10の横方向と一致又は略一致し、除菌装置11の高さ方向が、外郭シャーシ10の高さ方向と一致又は略一致する。そして、除菌装置11が外郭シャーシ10に取付けられた状態では、処理空間30は、導入口37(貫通孔47)及び排出口38(貫通孔48)のそれぞれにおいて、外郭シャーシ10の天壁21が位置する側とは反対側に向かって開口する。このため、除菌装置11が外郭シャーシ10に取付けられた状態では、処理ボックス15の底壁32は、処理ボックス15の天壁31に比べて、外郭シャーシ10の天壁21から離れて位置する。
【0050】
また、除菌装置11が外郭シャーシ10に取付けられた状態でファン40を駆動することにより、貫通孔47及び導入口37を通して、外郭シャーシ10が設置される壁面13によって規定される空間から、処理空間30に空気が導入される。そして、処理空間30において、導入された空気に対して、前述のようにして除菌及び脱臭を行う。そして、除菌及び脱臭が行われた空気が、排出口38及び貫通孔48を通して、壁面13によって規定される空間へ排出される。
【0051】
図11は、照明器具12を斜視図で示す。
図11等に示すように、照明器具12では、長手方向(矢印X3で示す方向)、長手方向に対して交差する幅方向(矢印Y3で示す方向)、及び、長手方向及び幅方向の両方に対して交差する高さ方向(矢印Z3で示す方向)が、規定される。照明器具12では、長手方向に沿った寸法が、幅方向に沿った寸法、及び、高さ方向に沿った寸法のそれぞれより大きい。なお、
図1等で示した矢印X1で示す奥行方向と、
図11で示す矢印X3で示す長手方向とは平行であり、
図1等で示した矢印Y1で示す横方向と、
図11で示す矢印Y3で示す幅方向とは平行であり、
図1等で示した矢印Z1で示す高さ方向と、
図11で示す矢印Z3で示す高さ方向とは平行である。
【0052】
照明器具12は、天板55及びカバー部材56を備える。照明器具12では、カバー部材56は、高さ方向の一方側から、天板55に取付けられる。照明器具12では、天板55及びカバー部材56によって囲まれる内部空間に、可視光LED等の可視光を発光する発光素子(図示しない)が配置される。発光素子は、例えば、天板55の内表面に取付けられる。ある一例では、照明器具12は、発光素子として可視光LEDを複数備えるLEDバーである。天板55は、可視光を透過させない、又は、ほとんど透過させない。また、カバー部材56は、ガラス等の可視光を透過可能な材料から形成される。このため、照明器具12では、発光素子からの可視光は、カバー部材56を通して照射され、高さ方向についてカバー部材56が位置する側へ向かって照射される。
【0053】
照明器具12において天板55の外表面、すなわち、天板55においてカバー部材56とは反対側を向く面には、器具係合部60が形成される。
図11の一例では、1つの照明器具12に、2つの器具係合部60が形成される。そして、2つの器具係合部60は、照明器具12の長手方向に、互いに対して離れて配置される。器具係合部60のそれぞれは、処理ボックス15に形成される前述のボックス係合部50と同様の構成となる。このため、器具係合部60のそれぞれは、前述した取付け金具51及びバネ部材52を備える。器具係合部60のそれぞれでは、取付け金具51が、天板55の外表面に設置され、バネ部材52が取付け金具51に接続される。
【0054】
また、器具係合部60のそれぞれでは、ボックス係合部50と同様に、バネ部材52の折返し部分E3を、外郭シャーシ10にシャーシ係合部として設けられる受け金具26のそれぞれに、引掛けることが可能である。器具係合部60のそれぞれは、バネ部材52が引掛けられた受け金具(シャーシ係合部)26と、係合する。
【0055】
図1及び
図2の空気処理装置1では、2つの照明器具12が、外郭シャーシ10に取付けられる。そして、2つの照明器具12の一方では、2つの器具係合部60のそれぞれは、フレーム25Bに設けられる2つの受け金具26の対応する一方と、係合する。これにより、2つの照明器具12の一方は、フレーム25Bにおいて外郭シャーシ10に取付けられる。また、2つの照明器具12の他方では、2つの器具係合部60のそれぞれは、フレーム25Cに設けられる2つの受け金具26の対応する一方と、係合する。これにより、2つの照明器具12の他方は、フレーム25Cにおいて外郭シャーシ10に取付けられる。なお、空気処理装置1では、フレーム25Aにも、照明器具12を取付け可能である。この場合、2つのボックス係合部50のそれぞれを、フレーム25Aに設けられる2つの受け金具26の対応する一方と係合させることにより、照明器具12をフレーム25Aに取付ける。
【0056】
前述のように照明器具12が外郭シャーシ10に取付けられることにより、照明器具12がフレーム25A~25Cのいずれに取付けられる場合も、外郭シャーシ10が規定する内部空洞23に、照明器具12が配置される。また、照明器具12が外郭シャーシ10に取付けられた状態では、照明器具12の長手方向が、外郭シャーシ10(空気処理装置1)の奥行方向と一致又は略一致し、照明器具12の幅方向が、外郭シャーシ10の横方向と一致又は略一致し、照明器具12の高さ方向が、外郭シャーシ10の高さ方向と一致又は略一致する。そして、照明器具12が外郭シャーシ10に取付けられた状態では、カバー部材56は、天板55に対して、外郭シャーシ10の天壁21が位置する側とは反対側に配置される。
【0057】
また、照明器具12が外郭シャーシ10に取付けられた状態で照明器具12を作動することにより、照明器具12は、外郭シャーシ10の天壁21が位置する側とは反対側へ向かって、可視光を照射する。このため、外郭シャーシ10が設置される壁面13によって規定される空間へ、照明器具12から可視光が照射される。
【0058】
前述のように空気処理装置1では、外郭シャーシ10に、処理ボックス15を備える除菌装置11、及び、照明器具12が取付けられる。
図1及び
図2の一例では、フレーム25Aの受け金具(第1のシャーシ係合部)26に、処理ボックス15のボックス係合部50が係合し、外郭シャーシ10に処理ボックス15が取付けられる。また、フレーム25B,25Cのそれぞれの受け金具(第2のシャーシ係合部)26に、照明器具12の対応する1つの器具係合部60が係合し、外郭シャーシ10に2つの照明器具12が取付けられる。これにより、処理ボックス15の処理空間30での空気の除菌、及び、照明器具12による可視光の照射の両方を、照明一体型空気処理装置1によって行うことが、可能となる。
【0059】
また、本実施形態では、壁面13に設置される外郭シャーシ10に、可視光を照射する照明器具12と係合可能な受け金具(シャーシ係合部)26が設けられる。そして、外郭シャーシ10の受け金具26に、処理ボックス15に形成されるボックス係合部50を係合させることにより、処理ボックス15が外郭シャーシ10に取付けられる。除菌装置11とは別の機能を有する器具である照明器具12を取付け可能な外郭シャーシ10に、処理ボックス15が取付けられるため、外郭シャーシ10が設置される壁面13に、除菌装置11を容易に設置可能となる。また、前述のように除菌装置11が壁面13に設置されるため、除菌装置11の壁面13の設置において、新たに電気工事を行ったり、壁面13に穴を形成したりする必要はない。したがって、除菌装置11の壁面13への設置における手間等が、低減される。
【0060】
また、本実施形態では、処理ボックス15の処理空間30において、紫外線(主にUV-C)を空気に照射することによって空気を除菌するとともに、紫外線(主にUV-A)を光触媒モジュール42に照射することによって空気の脱臭及び除菌を行う。このため、空気処理装置1において、壁面13が規定する空間への可視光の照射、及び、空気に対する紫外線の照射による除菌に加えて、光触媒モジュール42及び紫外線を用いた空気の脱臭及び除菌も適切に行われる。
【0061】
また、除菌装置11では、可視光を反射する反射板16が、処理ボックス15の外側を覆う。これにより、空気処理装置1において、除菌装置11と一緒に用いられる照明器具12からの可視光が処理ボックス15の処理空間30へ入射することが、有効に防止される。照明器具12からの可視光の処理空間30への入射が防止されることにより、壁面13が規定する空間へ、照明器具12からの可視光が適切に照射される。
【0062】
また、除菌装置11では、光触媒モジュール42が反射板16に取付けられる。そして、反射板16を処理ボックス15から分離することにより、光触媒モジュール42は、反射板16と一緒に処理ボックス15から分離される。このため、光触媒モジュール42を処理空間30に容易に配置可能になるとともに、光触媒モジュール42を処理空間30から容易に取出し可能となる。これにより、高い頻度でメンテナンスが必要な光触媒モジュール42のメンテナンスにおける作業効率が、向上する。
【0063】
(変形例)
前述の実施形態等では、光触媒モジュール42は、処理空間30において導入口37又は排出口38に対向して配置されるが、光触媒モジュール42は、処理空間30において、導入口37及び排出口38のいずれからも離れた位置に配置されてもよい。
図12には、第1の変形例に係る除菌装置11において、反射板16を処理ボックス15から分離した状態を、斜視図で示す。
図12では、処理ボックス15の天壁31を省略して示す。
図12の第1の変形例では、処理ボックス15の底壁32に、導入口37及び排出口38に加えて、貫通孔61が形成される。そして、処理空間30は、導入口37、排出口38及び貫通孔61のそれぞれにおいて、処理ボックス15の外部に対して開口する。貫通孔61は、処理ボックス15の奥行方向について、導入口37と排出口38との間に位置する。
【0064】
本変形例でも、光触媒モジュール42は、反射板16において底板部45の内表面に取付けられる。このため、反射板16を処理ボックス15から分離することにより、光触媒モジュール42は、反射板16と一緒に処理ボックス15から分離される。ただし、本変形例では、反射板16において貫通孔47,48の間に、光触媒モジュール42が配置される。反射板16では、前述の実施形態等と同様に、貫通孔47,48以外の貫通孔は形成されず、光触媒モジュール42が取付けられる位置に、貫通孔等は形成されない。
【0065】
反射板16が処理ボックス15に組合わせられた状態では、光触媒モジュール42は、内側から、すなわち、処理空間30が位置する側から、底壁32の貫通孔61に対向する。本変形例では、処理ボックス15への反射板16の組み合わせにおいて、光触媒モジュール42は、処理ボックス15の貫通孔61から処理空間30に挿入され、処理空間30に配置される。そして、処理ボックス15からの反射板16の分離において、貫通孔61を通して、処理空間30から光触媒モジュール42が取出される。
【0066】
なお、本変形例では、反射板16が処理ボックス15に組合わせられた状態において、光触媒モジュール42は、処理ボックス15の奥行方向について、導入口37と排出口38との間に位置する。そして、光触媒モジュール42に紫外線を照射する紫外光源41B、すなわち、主にUV-Aを照射する紫外光源41Bは、側壁35Aの内表面、もしくは天壁31に取付けられ、導入口37と排出口38との間に位置する。このため、紫外光源41Bから照射された光は、処理ボックス15の外に放出されにくい。また、空気に紫外線を照射する紫外光源41A、すなわち、主にUV-Cを照射する紫外光源41Aは、導入口37と排出口38との間に位置し、例えば、側壁35Bの内表面に取付けられる。
【0067】
本変形例でも、反射板16が処理ボックス15に組合わせられることにより、反射板16の底板部45が処理ボックス15の底壁32に当接する。このため、反射板16が処理ボックス15に組合わせられた状態では、処理空間30は、貫通孔61において除菌装置11の外部に対して開口しない。ただし、本変形例でも、前述の実施形態等と同様に、反射板16が処理ボックス15に組合わせられた状態において、処理空間30は、導入口37及び貫通孔47を通して、除菌装置11の外部に対して開口するとともに、排出口38及び貫通孔48を通して、除菌装置11の外部に対して開口する。
【0068】
次に、
図13乃至
図15に示す第2の変形例について、説明する。
図13は、第2の変形例に係る照明一体型空気処理装置1を斜視図で示す。
図14は、第2の変形例において空気処理装置1に設けられる除菌装置11を、処理ボックス15の天壁31を省略した斜視図で示す。
図15は、第2の変形例において除菌装置11に設けられる反射板16を、斜視図で示す。
図13乃至
図15等に示すように、本変形例でも、処理ボックス15の底壁32に導入口37が形成され、反射板16の底板部45に貫通孔47が形成される。そして、反射板16が処理ボックス15に組合わせられた状態において、処理空間30は、導入口37及び貫通孔47を通して、除菌装置11の外部に対して開口する。
【0069】
また、本変形例でも、反射板16の底板部45の内表面に、光触媒モジュール42が取付けられる。ただし、本変形例では、反射板16の底板部45に貫通孔48は形成されず、底板部45には、貫通孔47以外の孔は、形成されない。また、本変形例では、前述した実施形態において排出口38となる部分は、排出口ではなく、処理ボックス15の底壁32を貫通する単なる貫通孔38として、形成される。本変形例では、反射板16が処理ボックス15に組合わせられた状態において、光触媒モジュール42は、内側から、すなわち、処理空間30が位置する側から、底壁32の貫通孔38に対向する。そして処理ボックス15への反射板16の組み合わせにおいて、光触媒モジュール42は、処理ボックス15の貫通孔38から処理空間30に挿入され、処理空間30に配置される。ただし、本変形例では、貫通孔48が形成されないため、反射板16が処理ボックス15に組合わせられた状態では、処理空間30は、貫通孔38を通しては、除菌装置11の外部に開口しない。このような構成とすることで、光触媒モジュール42の下方から光が外部に漏れることを抑制することが可能となるとともに、反射板16を処理ボックス15から取外すことで光触媒モジュール42の交換や洗浄を容易に行うことが可能となる。
【0070】
また、本変形例では、処理ボックス15において、側壁35A,35Bのそれぞれに複数のスリット62が形成される。側壁35Aでは、スリット62のそれぞれは、処理ボックス15の横方向に側壁35Aを貫通し、側壁35Bでは、スリット62のそれぞれは、処理ボックス15の横方向に側壁35Bを貫通する。このため、処理空間30は、スリット62のそれぞれにおいて、処理ボックス15の外部に対して開口する。スリット62は、処理ボックス15の奥行方向について、貫通孔38に対して、ずれていない、又は、ほとんどずれていない。このため、反射板16が処理ボックス15に組合わせられた状態では、スリット62は、除菌装置11の奥行方向について、光触媒モジュール42に対して、ずれていない、又は、ほとんどずれていない。このような構成とすることで、スリット62を介して処理ボックス15の外部に向かう空気は、紫外光源41A,41Bや光触媒モジュール42の作用によって効率よく処理される。光触媒モジュール42と、スリット62がずれている構成の場合は、空気を効率良く処理するには処理ボックス15を大型化する必要があったり、光触媒モジュール42の作用を受けていない空気を処理ボックス15の外部へ出してしまったりする虞がある。なお、処理ボックス15から外部に向かう空気量を増加させるために、スリット62は、複数のスリットを繋げた1つの孔として設けられてもよい。
【0071】
また、本変形例では、反射板16の傾斜板部46A,46Bのそれぞれに、複数のスリット63が形成される。傾斜板部46Aでは、スリット63のそれぞれは、傾斜板部46Aを貫通し、傾斜板部46Bでは、スリット63のそれぞれは、傾斜板部46Bを貫通する。スリット63のそれぞれは、除菌装置11の奥行方向に沿った寸法が長い長孔状に形成され、傾斜板部46A,46Bのそれぞれでは、除菌装置11の奥行方向の一端部から他端部に渡って、スリット63のそれぞれが延設される。また、傾斜板部46A,46Bのそれぞれでは、複数のスリット63は、除菌装置11の奥行方向に交差する方向に並んで配置される。
【0072】
本変形例でも、反射板16が処理ボックス15に組合わせられた除菌装置11において、ファン40を駆動することにより、貫通孔47及び導入口37を通して、除菌装置11の外部から処理空間30に、空気が導入される。そして、処理空間30において、前述の実施形態と同様にして、紫外光源41A,41B及び光触媒モジュール42を用いて、導入された空気が、除菌及び脱臭される。ただし、本変形例では、除菌及び脱臭された空気は、側壁35Aのスリット62及び傾斜板部46Aのスリット63を通して、又は、側壁35Bのスリット62及び傾斜板部46Bのスリット63を通して処理空間30から除菌装置11の外部へ排出される。このため、空気処理装置1では、照明器具12のそれぞれに向かって、除菌及び脱臭された空気が、処理空間30から排出される。
【0073】
本変形例でも、前述の実施形態等と同様の作用及び効果を奏する。また、本変形例では、処理空間30から照明器具12のそれぞれに向かって空気が排出されるため、除菌装置11の処理ボックス15の処理空間30と照明器具12との間で、空気が循環する。これにより、空気を受けた照明器具12が冷却されることで、照明器具12での温度の上昇が抑制され、温度の上昇に起因する照明器具12からの光の光束の低下が、有効に防止される。また、本変形例では、貫通孔48を通して処理空間30から空気を排出する代わりに、スリット62,63を通して、処理空間30から空気を排出する。このため、紫外光源41からの紫外線が処理ボックス15の外部へ出射されることが、さらに有効に防止される。
【0074】
また、本変形例のように傾斜板部46A,46Bのそれぞれに複数のスリット63が形成される構成では、傾斜板部46A,46Bのそれぞれは、ルーバー状に形成されることが、好ましい。そして、ルーバー状に形成される傾斜板部46A,46Bのそれぞれでは、互いに対して隣合うスリット63の間の部分は、照明器具12からの可視光を、鉛直下側等の高さ方向について天壁21が位置する側とは反対側に反射することが、好ましい。これにより、照明器具12からの可視光がスリット63等を通して処理空間30に入射することが、有効に防止される。
【0075】
また、光触媒モジュール42は、処理ボックス15の内表面に取付けられてもよい。また、光触媒モジュール42が処理ボックス15の内表面に取付けられる場合、反射板16に底板部45が設けられなくてもよい。反射板16に底板部45が設けられない構成では、傾斜板部46Aにおいて係合片53Aとは反対側の端が、処理ボックス15に接続される。また、反射板16に底板部45が設けられない構成では、傾斜板部46Bにおいて係合片53Bとは反対側の端が、処理ボックス15に接続される。
【0076】
前述したいずれの変形例でも、外郭シャーシ10のシャーシ係合部である受け金具26に、処理ボックス15に形成されるボックス係合部50を係合させることにより、処理ボックス15が外郭シャーシ10に取付けられる。このため、いずれの変形例でも、前述の実施形態等と同様に、除菌装置11とは別の機能を有する器具である照明器具12を取付け可能な外郭シャーシ10に、処理ボックス15が取付けられる。したがって、いずれの変形例でも、前述の実施形態等と同様に、外郭シャーシ10が設置される壁面13に、除菌装置11を容易に設置可能となる。
【0077】
また、前述の実施形態等では、照明器具12を取付け可能な外郭シャーシ10に、処理ボックス15が取付けられるが、除菌装置11とは別の機能を有する器具は、照明器具12に限るものではない。壁面13等に設置される外郭シャーシ10に、除菌装置11とは別の機能を有する器具と係合するシャーシ係合部が設けられ、シャーシ係合部に処理ボックス15のボックス係合部50が係合することにより、処理ボックス15が外郭シャーシ10に取付けられればよい。
【0078】
これら少なくとも一つの実施形態によれば、可視光を照射する照明器具と係合可能なシャーシ係合部が形成される外郭シャーシにおいて、ボックス係合部がシャーシ係合部と係合するにより、処理ボックスが外郭シャーシに取付けられる。これにより、壁面に容易に設置可能な除菌装置を提供することができる。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
1…照明一体型空気処理装置、10…外郭シャーシ、11…除菌装置、12…照明器具、15…処理ボックス、16…反射板、26…受け金具(シャーシ係合部)、30…処理空間、37…導入口、38…排出口、40…ファン、41(41A,41B)…紫外光源、42…光触媒モジュール、50…ボックス係合部。