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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018145
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】転がり摺動部材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   F16C 33/64 20060101AFI20240201BHJP
   F16C 19/06 20060101ALI20240201BHJP
   C21D 9/40 20060101ALI20240201BHJP
   F16C 33/32 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
F16C33/64
F16C19/06
C21D9/40 A
F16C33/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121273
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西坂 寿人
(72)【発明者】
【氏名】尾野 健太郎
【テーマコード(参考)】
3J701
4K042
【Fターム(参考)】
3J701AA02
3J701AA32
3J701AA42
3J701AA52
3J701BA09
3J701BA10
3J701BA49
3J701BA50
3J701DA09
3J701DA11
3J701EA03
3J701FA15
3J701FA31
3J701XE01
3J701XE03
3J701XE17
3J701XE18
4K042AA22
4K042BA02
4K042BA03
4K042BA08
4K042CA15
4K042DA01
4K042DA02
4K042DB07
4K042DC02
4K042DC03
4K042DC04
4K042DD03
4K042DE02
4K042DE03
(57)【要約】
【課題】 水素含有量が少なく、かつ充分な硬さを有する転がり摺動部材を製造する方法を提供する。
【解決手段】 (1)転がり摺動部材と略同形状の高炭素クロム軸受鋼鋼材製のワークを準備する工程、(2)前記ワークを、ワーク全体が温度820~880℃になるように加熱し、加熱されたワークを急冷する焼入れ工程、(3)焼入れされたワークを、空気雰囲気で、ワーク全体が温度160~180℃になるように加熱し、加熱されたワークを8時間以上均熱し、均熱されたワークを空冷する焼戻し工程、を含む、転がり摺動部材の製造方法。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)転がり摺動部材と略同形状の高炭素クロム軸受鋼鋼材製のワークを準備する工程、
(2)前記ワークを、ワーク全体が温度820~880℃になるように加熱し、加熱されたワークを急冷する焼入れ工程、
(3)焼入れされたワークを、空気雰囲気で、ワーク全体が温度160~180℃になるように加熱し、加熱されたワークを8時間以上均熱し、均熱されたワークを空冷する焼戻し工程、
を含む、転がり摺動部材の製造方法。
【請求項2】
前記転がり摺動部材は、転がり軸受を構成する内輪、外輪、又は転動体である、請求項1に記載の転がり摺動部材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転がり摺動部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
転がり軸受は、自動車、産業機械等に用いられる。転がり軸受を構成する部材である内輪や外輪、転動体は、相手材と転がり接触をする部分を有する部材であり、通常、鋼材を用いて製造される。これらの部材は、使用中に鋼材内部に白色組織が生成することがある。このような白色組織の生成は、転がり軸受の短寿命化の原因になることが知られており、白色組織の生成を抑える手法が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1は、高周波焼入れを行うことによって、焼入れ時の組織内への水素の侵入を抑えることを開示している。特許文献1は、このような焼入れ処理を経て製造された鋼材を使用することによって、白色組織の生成を抑えることを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-88893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らの検討によれば、従来の手法によって白色組織の生成を充分に抑制できない場合があった。
本発明者らは、従来とは異なる手法であって、白色組織の生成を抑制する手法を検討した。本発明者らは、転がり軸受を構成する内輪、外輪、転動体に含まれる初期の水素量を減らすことによって、白色組織の生成を抑制できることを見出し、本発明を完成した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]本発明の転がり摺動部材の製造方法は、
(1)転がり摺動部材と略同形状の高炭素クロム軸受鋼鋼材製のワークを準備する工程、
(2)上記ワークを、ワーク全体が温度820~880℃になるように加熱し、加熱されたワークを急冷する焼入れ工程、
(3)焼入れされたワークを、空気雰囲気で、ワーク全体が温度160~180℃になるように加熱し、加熱されたワークを8時間以上均熱し、均熱されたワークを空冷する焼戻し工程、
を含む。
【0006】
本発明の転がり摺動部材の製造方法によれば、水素含有量が少ない転がり摺動部材を製造することができる。従って、この製造方法で製造された転がり摺動部材は、初期の水素量(使用前の水素量)が少なく、当該転がり摺動部材を用いた転がり軸受等は、白色組織が生成しにくい。
また、上記転がり摺動部材の製造方法によれば、充分な硬さ(例えば、表面のビッカース硬さが700Hv以上)を有する転がり摺動部材を製造することができる。従って、この製造方法で製造された転がり摺動部材を用いた転がり軸受等は、硬度不足による早期破損も発生しにくい。
そのため、上記転がり摺動部材を用いることにより、転がり軸受等の長寿命化を図ることができる。
【0007】
[2]上記転がり摺動部材の製造方法において、上記転がり摺動部材は、転がり軸受を構成する内輪、外輪、又は転動体である。
上記転がり摺動部材の製造方法は、内輪、外輪、及び転動体のそれぞれの製造方法として好適である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、白色組織が生成しにくく、充分な硬さを有する転がり摺動部材を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、転がり軸受の断面図である。
図2図2は、内輪の製造方法の各工程を示す工程図である。
図3図3は、焼入れ条件及び焼戻し条件を示す線図である。
図4図4は、試験例で採用したスラスト型転動疲労試験機の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施形態で製造される転がり摺動部材は、転がり軸受を構成する外輪、内輪、転動体などが挙げられる。
まず、転がり軸受について説明する。
【0011】
[転がり軸受]
図1は、転がり軸受を示す断面図である。
この転がり軸受10は、内輪11と、外輪12と、複数の転動体とを有している。複数の転動体は、内輪11と外輪12の間に介在している。図1に示す転がり軸受10は、上記転動体が玉13であり、転がり軸受10は、玉軸受である。
また、転がり軸受10は、保持器14を有している。保持器14は、環状であり、複数の玉13を保持する。
【0012】
内輪11、外輪12、及び玉13の各転がり軸受用部材(転がり摺動部材)は、高炭素クロム軸受鋼鋼材を素材としたものである。転がり軸受10において、内輪11、外輪12、及び玉13の全部又は一部の部材は、下記の製造方法によって製造されている。なお、保持器14は、鋼製であってもよく、樹脂製であってもよい。
上記高炭素クロム軸受鋼鋼材は、例えば、SUJ2、SUJ3等が挙げられる。
【0013】
[転がり摺動部材の製造方法]
次に、内輪を製造する場合を例に、本発明の実施形態に係る転がり摺動部材の製造方法について説明する。
図2は、内輪の製造方法の各工程を示す工程図である。図3は、(a)が焼入れ条件を示す線図であり、(b)が焼戻し条件を示す線図である。
【0014】
(1)高炭素クロム軸受鋼鋼材の棒鋼は、前加工として鍛造することによって環状素材W1(図2(a)参照)になる。
続いて、環状素材W1は、前加工として切削加工等を施されることによって、内輪11の内輪軌道面21、軸受内径面22及び側面23に対応する部分を有するワークW2(図2(b)参照)になる。ワークW2は、内輪11と略同形状を有している。
【0015】
(2)次に、ワークW2は、焼入れ(図2(c)、図3(a)参照)される。ワークW2は、全体焼入れ(ズブ焼入れ)される。
【0016】
上記ワークW2は、全体が820~880℃になるように加熱されたワークW2を急冷することによって焼入れされる。ワークW2は、例えば820~880℃で0.25~2時間維持される。
ワークW2が加熱される温度(以下、焼入れ温度ともいう)は、十分な焼入性確保の観点から、820℃以上であり、結晶粒の粗大化防止の観点から、好ましくは840℃以下である。
ワークW2が加熱される時間は、ワークW2の均熱化の観点から、好ましくは0.5時間以上であり、結晶粒の粗大化防止の観点から、好ましくは1.5時間以下である。
加熱されたワークW2の急冷は、例えば、冷却油の油浴に加熱されたワークW2を浸漬する油冷等により行われる。冷却油の温度は、通常、60~180℃である。
ワークW2の素材が高炭素クロム軸受鋼鋼材であるため、ワークW2の加熱は、カーボンポテンシャル0.7~1.2の雰囲気で行えばよい。
【0017】
(3)次に、焼入れ後のワークW2は、焼戻しされることによって中間素材W3になる(図2(d)、図3(b)参照)。
焼入れ後のワークW2は、空気雰囲気で、全体が温度160~180℃になるように加熱された焼入れ後のワークW2を、その温度で8時間以上均熱し、空冷することで焼戻しされる。
上記焼戻しのための加熱は、例えば、恒温槽を用いて行えばよい。
【0018】
本発明の転がり摺動部材の製造方法は、このような条件で焼戻しを行うことが極めて重要である。この焼戻しを行うことにより、転がり摺動部材(内輪)は、転がり摺動部材の硬さを維持しつつ、転がり摺動部材中の水素含有量を低減することができる。
【0019】
上記焼戻しにおいて、少なくとも一部が温度が160℃未満に加熱されたワークW2は、靭性が低くなるため、軸受寿命が低くなる可能性がある。一方、少なくとも一部が温度が180℃を超えて加熱されたワークW2は、製造される内輪の硬さが低くなってしまう。
【0020】
上記焼戻しにおいて、少なくとも一部が8時間未満で均熱されたワークW2は、製造される内輪に含有される水素量を充分に低減できないことがある。
上記焼戻しにおいて、少なくとも一部が30時間を超えて均熱されたワークW2は、製造される内輪の硬さが不十分になることがある。上記均熱時間のより好ましい上限は、24時間である。
【0021】
上記焼戻しにおいて、ワークW2の加熱は、均熱可能な方法で行えばよく、例えば、恒温槽等を用いて行えばよい。
上記焼戻しにおいて、均熱されたワークW2は、空冷される。
【0022】
(4)最後に、中間素材W3は、内輪軌道面21に対応する部分などに対して、研磨加工等の仕上げ加工が施される(図2(e)参照)。本工程において、中間素材W3は、内輪軌道面21に対応する部分に加えて、内周面22や側面23に対応する部分にも研磨加工等の仕上げ加工が施される。
このような工程を経ることによって、転がり軸受の内輪11は、製造される。
【0023】
本発明の実施形態に係る転がり摺動部材の製造方法は、転がり軸受の内輪を製造することだけでなく、転がり軸受の外輪や転動体を製造することにも適用できる。
これらの転がり摺動部材を製造する場合、転がり摺動部材の製造方法は、内輪を製造する場合と同様に、(1)前加工、(2)焼入れ処理、(3)焼戻し処理、及び(4)仕上げ加工を含んでもよい。
【0024】
(作用効果の検証)
試験例1~5によって、本発明の実施形態に係る転がり摺動部材の製造方法の作用効果を検証した。以下、試験方法とその結果を説明する。
【0025】
(試験例1)
(1)SUJ2からなる、円環状(中央に穴のあいた円板状)のワークが準備された。ワークの寸法は、外径45mm、内径(穴の直径)25mm、厚さ5mmとした。
【0026】
(2)焼入れとして、ワークは全体焼入れされた。
ワークは、熱処理炉を用いて加熱された。炉内の温度は830℃に設定された。ワークは、炉内で0.5時間加熱された。炉内の雰囲気は、変成ガスを含み、カーボンポテンシャル1.0とした。
加熱されたワークは、80℃の油浴に投入された。
【0027】
(3)焼戻しとして、焼入れされたワークは、恒温槽内で均熱された。このとき、槽内の温度は160℃に設定された。焼入れされたワークは、槽内で10時間加熱された。槽内の雰囲気は空気である。
その後、槽内で加熱されたワークは、恒温槽から取り出され、室温になるまで空冷された。
試験例1の評価サンプルは、このような工程を経て製造された。
【0028】
(試験例2)
試験例2の評価サンプルの製造方法は、焼戻し処理において、焼入れされたワークが槽内で24時間加熱されたことが、試験例1の評価サンプルの製造方法と異なる。試験例2の評価サンプルは、焼入れされたワークが槽内で24時間加熱されたことを除いて、試験例1の評価サンプルと同じ工程を経て製造された。
【0029】
(試験例3)
試験例3の評価サンプルの製造方法は、焼戻し処理において、槽内の温度が160℃に設定されたこと、及び、焼入れされたワークが槽内で2時間加熱されたこと、が、試験例1の評価サンプルの製造方法と異なる。試験例3の評価サンプルは、槽内の温度が160℃に設定されたこと、及び、焼入れされたワークが槽内で2時間加熱されたこと、を除いて、試験例1の評価サンプルと同じ工程を経て製造された。
【0030】
(試験例4)
試験例4の評価サンプルの製造方法は、焼戻し処理において、槽内の温度が190℃に設定されたこと、及び、焼入れされたワークが槽内で2時間加熱されたこと、が、試験例1の評価サンプルの製造方法と異なる。試験例4の評価サンプルは、槽内の温度が190℃に設定されたこと、及び、焼入れされたワークが槽内で2時間加熱されたこと、を除いて、試験例1の評価サンプルと同じ工程を経て製造された。
【0031】
(試験例5)
試験例5の評価サンプルの製造方法は、焼戻し処理において、槽内の温度が200℃に設定されたこと、及び、焼入れされたワークが槽内で2時間加熱されたこと、が、試験例1の評価サンプルの製造方法と異なる。試験例5の評価サンプルは、槽内の温度が200℃に設定されたこと、及び、焼入れされたワークが槽内で2時間加熱されたこと、を除いて、試験例1の評価サンプルと同じ工程を経て製造された。
【0032】
<評価>
(1)ビッカース硬さ(Hv)
各評価サンプルの表面の硬さは、ビッカース硬さ試験機を用いて、測定された。
各評価サンプルは、円板の側面の外縁から径方向に約5mm内側の部分にビッカース圧子をあてて押し込むことによって、ビッカース硬さを測定された。測定は、周方向略等間隔の5箇所で行い、その平均値を評価サンプルのビッカース硬さとした。
表2は、測定結果を示す。
【0033】
(2)水素量の測定
各評価サンプルに含まれる水素量が、高周波加熱型昇温脱離分析装置(電子科学社製、IH-TDS1700)を用いて、測定された。
本測定において、-50℃から600℃まで昇温速度:200℃/hで加熱した時の各評価サンプルから放出される水素量が、各評価サンプルに含まれる水素量として測定された。
表2は、測定結果を示す。
【0034】
(3)白色組織の観察
各評価サンプルは、スラスト型転動疲労試験機を用いて、水素雰囲気下で、転動疲労試験が行われた(図4参照)。試験後、各評価サンプルは、白色組織の生成の有無が観察された。ここで、試験は、300時間行われた。
【0035】
(3.1)転動疲労試験
スラスト型転動疲労試験機について説明する。
図4は、本試験で使用したスラスト型転動疲労試験機を模式的に示す概略図である。
スラスト型転動疲労試験機は、試験室67と、回転軸66と、軌道盤(スラストレース)63と、3個の玉62と、保持器64と、を含む。評価サンプルは、受部材61である。試験室67は、ガス供給口68Aとガス排出口68Bとを備える。回転軸66の一端と、軌道盤63と、3個の玉62と、保持器64と、受部材61と、は、試験室67の内部空間に配置される。軌道盤63の直径(外径)は52mmである。各玉62の直径は9.52mmである。受部材61の直径(外径)は45mmである。3個の玉62と、軌道盤63と、は、SUJ2によって製造され、830℃で加熱後80℃の油で焼入れされ、180℃で2時間均熱されることで焼戻しされている。3個の玉62は、保持器64によって受部材61と軌道盤63との間に周方向に等間隔で転動自在に保持されている。回転軸66は、試験室67に対して回転可能である。受け部材61は、試験室67の内部空間に固定して載置されている。受け部材61は評価サンプルであり、円板である。受部材61の円板の中心軸と、軌道盤63の中心軸と、回転軸66の中心軸とが一致している。軌道盤63は、回転軸66の回転に伴って回転する。3個の玉62は、軌道盤63の回転に伴って、軌道盤63と受部材61との間を公転する。
グリース組成物65が少なくとも受部材61、玉62との接触箇所に存在するように、グリース組成物65が、試験室67内に注入されている。更に、水素ガスが、ガス供給口68Aから試験室67の内部空間に供給される。
グリース組成物65は、ポリαオレフィン及び鉱油を基油とし、ジウレアを増ちょう剤とするグリース組成物である。
本試験は、グリース潤滑下において、かつ、水素雰囲気下において、行った。
【0036】
試験方法は、以下の通りである。また、試験条件の詳細は表1に示した通りである。
試験は、荷重軸69により、アキシアル荷重を付与して受部材61の上面を玉62に押し当てつつ、回転軸66を回転させることにより、玉62を受部材61の上面で転動させることで行った。アキシアル荷重は、受部材61の面圧が4.4GPaに設定された。
【0037】
【表1】
【0038】
(3.2)白色組織の観察
転動疲労試験を終えた後の評価サンプルは、厚さ方向に沿って切断された。その後、切断面は、ナイタール腐食液(5%硝酸メタノール液)で処理された後、光学顕微鏡を用いて、白色組織の有無について観察された。表2は、観察結果を示す。
【0039】
【表2】
【0040】
表2が示す評価結果と観察結果とによると、本発明の実施形態に係る転がり摺動部材の製造方法は、充分な硬さ(ビッカース硬さで700Hv以上)を有し、かつ水素含有量が少ないため、白色組織の生成しにくい転がり摺動部材を製造できることが明らかとなった。
【符号の説明】
【0041】
10:転がり軸受、11:内輪、12:外輪、13:玉、14:保持器、21:内輪軌道面、22:内周面、23:側面、W1:環状素材、W2:素形材(ワーク)、W3:中間素材
図1
図2
図3
図4