(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018152
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20240201BHJP
B60W 50/14 20200101ALI20240201BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
G01C21/26 C
B60W50/14
B60R11/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121291
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】本間 拓也
(72)【発明者】
【氏名】三国 司
(72)【発明者】
【氏名】元山 純一
(72)【発明者】
【氏名】中村 亮太
(72)【発明者】
【氏名】早川 和裕
【テーマコード(参考)】
2F129
3D020
3D241
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129EE02
2F129EE32
2F129EE78
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF19
2F129FF20
2F129FF30
2F129FF36
2F129FF62
2F129HH12
3D020BA04
3D020BA06
3D020BB01
3D020BC01
3D020BE03
3D241BA60
3D241CE02
3D241CE04
(57)【要約】
【課題】車両側の機器の現在の処理状況により、不都合のない範囲で、車両側の機器と携帯端末との間で共有する画像の表示態様を制御する。
【解決手段】通信接続可能な携帯端末200と共有する共有画像を含む情報を表示する表示部150と、処理負荷状態を監視する監視部130と、処理負荷状態と共有画像のデータ量とに応じて、共有画像の表示態様を制御する表示制御部140と、を備え、車両側の機器の現在の処理状況により、不都合のない範囲で、車両側の機器と携帯端末200との間で共有する画像の表示態様を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信接続可能な携帯端末と共有する共有画像を含む情報を表示する表示部と、
処理負荷状態を監視する監視部と、
前記処理負荷状態と前記共有画像のデータ量とに応じて、前記共有画像の表示態様を制御する表示制御部と、
を備えたことを特徴とする車両。
【請求項2】
前記共有画像が、Web会議やAIコンシェルジュに用いられるアバターであり、
前記表示制御部は、前記処理負荷状態が高負荷状態である場合には、立体画像である前記アバターの画像を平面画像として、前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記処理負荷状態が高負荷状態である場合には、動画像の前記アバターの画像の遷移を抑制して、前記アバターの画像を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記共有画像が、地図画像であり、前記表示制御部は、前記処理負荷状態が高負荷状態である場合には、走行の安全性を損なわない範囲で表示態様を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、車両と車両、車両と携帯端末等が通信により接続される、所謂、コネクト技術に関する開発が進んでいる。
こうした技術の応用例として、車両と携帯端末等が通信により接続され、携帯端末から供給される画像情報を車両の画像表示装置に表示する技術も知られている。
【0003】
この種の技術として、例えば、自動車に搭載された車載装置において、車載装置に接続したモバイル装置から転送された映像を車載装置の表示装置に表示する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、車両側の機器と携帯端末との間で共通の画像を共有して表示させる場合、車両側の機器が高い処理能力を有していても、高負荷の処理を行っている場合には、表示画像を表示できない場合も想定される。
【0006】
そこで、本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、車両側の機器の現在の処理状況により、不都合のない範囲で、車両側の機器と携帯端末との間で共有する画像の表示態様を制御する車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
形態1;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、通信接続可能な携帯端末と共有する共有画像を含む情報を表示する表示部と、処理負荷状態を監視する監視部と、前記処理負荷状態と前記共有画像のデータ量とに応じて、前記共有画像の表示態様を制御する表示制御部と、を備えたことを特徴とする車両を提案している。
【0008】
形態2;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記共有画像が、Web会議やAIコンシェルジュに用いられるアバターであり、前記表示制御部は、前記処理負荷状態が高負荷状態である場合には、立体画像である前記アバターの画像を平面画像として、前記表示部に表示させることを特徴とする車両を提案している。
【0009】
形態3;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記表示制御部は、前記処理負荷状態が高負荷状態である場合には、前記アバターの画像の遷移を抑制して、動画像の前記アバターの画像を前記表示部に表示させることを特徴とする車両を提案している。
【0010】
形態4;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記共有画像が、地図画像であり、前記表示制御部は、前記処理負荷状態が高負荷状態である場合には、走行の安全性を損なわない範囲で表示態様を制御することを特徴とする車両を提案している。
【発明の効果】
【0011】
本発明の1またはそれ以上の実施形態によれば、車両側の機器の現在の処理状況により、不都合のない範囲で、車両側の機器と携帯端末との間で共有する画像の表示態様を制御し、画像表示が一時中断することを防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る車両の構成を示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る表示制御部の構成を示す図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る車両の処理を示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る車両の処理を示す図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る車両の処理を示す図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態に係る車両の構成を示す図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態に係る表示制御部の構成を示す図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態に係る車両の処理を示す図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態に係る車両の処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、
図1から
図9を用いて説明する。
【0014】
<第1の実施形態>
図1から
図5を用いて、本実施形態に係る車両1について説明する。
【0015】
<車両1の構成>
図1に示すように、本実施形態に係る車両1は、通信部110と、記憶部120と、監視部130と、表示制御部140と、表示部150と、制御部160と、を含んで構成されている。
【0016】
通信部110は、携帯端末200と通信を行うための、例えば、通信モジュールである。通信形態としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)あるいはBluetooth(登録商標)等の限定したエリアで通信が可能な形態を例示することができる。
通信部110は、携帯端末200と共有する共有画像の送受信を行うとともに、Web会議やAIコンシェルジュ等のアプリケーションの同期を図る信号等の授受を行う。
【0017】
記憶部120は、RAM(Random Access Memory)等から構成され、例えば、共有画像を保存する。
また、後述する表示制御部を含む制御部のデータ処理能力等のスペックが記憶されている。
【0018】
監視部130は、処理負荷状態をリアルタイムに監視する。
監視部130の監視結果としての処理負荷状態に関する情報は、後述する表示制御部に出力される。
【0019】
表示制御部140は、監視部130における監視結果としての処理負荷状態と共有画像のデータ量とに応じて、共有画像の表示態様を制御する。
表示制御部140は、例えば、共有画像が、Web会議やAIコンシェルジュに用いられるアバターであって、監視部130の監視結果としての処理負荷状態が高負荷状態である場合には、立体画像であるアバターの画像を平面画像の表示態様とする。
また、表示制御部140は、例えば、共有画像が、Web会議やAIコンシェルジュに用いられるアバターであって、監視部130の監視結果としての処理負荷状態が高負荷状態である場合には、動画像であるアバターの画像の遷移を抑制する、具体的には、フレーム画像を一定間隔で間引く処理を行う。
なお、表示制御部140は、監視部130の監視結果としての処理負荷状態に応じて、立体画像であるアバターの画像を平面画像の表示態様とする制御と、動画像であるアバターの画像の遷移を抑制する制御とを共に実行してもよい。
【0020】
表示部150は、液晶パネル等を備えたディスプレイであって、文字や図形、イラスト、動画像等の表示制御部140から入力した表示データをディスプレイ上に表示する。
【0021】
制御部160は、図示しないROM(Read Only Memory)等に格納された制御プログラムにしたがって、車両1全体の動作を制御する。
本実施形態において、制御部160は、表示制御部140に所望の制御を実行させる。
【0022】
<表示制御部140の構成>
図2に示すように、本実施形態に係る表示制御部140は、余剰負荷量判定部141と、画像形態変更部142と、フレーム画像処理部143と、を含んで構成されている。
【0023】
余剰負荷量判定部141は、監視部130の監視結果としての処理負荷状態情報と記憶部120に記憶されている表示制御部140を含む制御部160のデータ処理能力等のスペックとに基づいて、リアルタイムに、表示制御に割り当てられる余剰負荷量を判定する。
そして、制御部160は、余剰負荷量判定部141において判定された余剰負荷量と共有画像のデータ量とに基づいて、画像形態の変更を行うのか、フレーム画像処理を行うのか、あるいは双方を行うのかを判断する。
【0024】
画像形態変更部142は、例えば、立体画像を平面画像に変更する処理を実行する。
具合的には、制御部160が余剰負荷量判定部141において判定された余剰負荷量と共有画像のデータ量とに基づいて、画像形態の変更を行うことが適切であると判断した場合に、画像形態変更部142は、例えば、立体画像を平面画像に変更する処理を実行する。
そして、画像形態変更部142は、画像形態が変更された表示データを表示部150に出力する。
また、制御部160が余剰負荷量判定部141において判定された余剰負荷量と共有画像のデータ量とに基づいて、画像形態の変更を行うとともに、フレーム画像処理を行うことが適切であると判断した場合には、画像形態変更部142は、制御部160の制御信号に応じて、画像形態が変更された表示データをフレーム画像処理部143に出力する。
【0025】
フレーム画像処理部143は、例えば、表示データが動画像データである場合に、フレーム画像を一定間隔で間引く処理を行う。
なお、制御部160は、余剰負荷量判定部141において判定された余剰負荷量と共有画像のデータ量とに基づいて、上記一定間隔を定め、フレーム画像処理部143は、その旨の制御信号を入力して処理を実行する。
そして、フレーム画像処理部143は、処理後の表示データを表示部150に出力する。
【0026】
<車両1の処理(1)>
図3を用いて、本実施形態に係る車両1の処理(1)について説明する。
【0027】
監視部130は、処理負荷状態をリアルタイムに監視する(ステップS110)。
【0028】
表示制御部140内の余剰負荷量判定部141は、監視部130の監視結果としての処理負荷状態情報と記憶部120に記憶されている表示制御部140を含む制御部160のデータ処理能力等のスペックとに基づいて、リアルタイムに、表示制御に割り当てられる余剰負荷量を判定する。そして、余剰負荷量判定部141は、データ量が余剰負荷よりも大きいか否かを判定(ステップS120)し、余剰負荷量判定部141は、データ量が余剰負荷よりも小さいと判定する場合(ステップS120の「NO」)には、処理を終了する。
【0029】
一方で、余剰負荷量判定部141は、データ量が余剰負荷よりも大きいと判定し(ステップS120の「YES」)、制御部160が余剰負荷量判定部141において判定された余剰負荷量と共有画像のデータ量とに基づいて、画像形態変更処理を行うことが適切であると判断した場合には、制御部160は、画像形態変更部142に対して、画像形態の変更処理を指示し、画像形態変更部142は、例えば、立体画像を平面画像に変更する処理を実行し(ステップS130)、処理を行った表示データを表示部150に出力して処理を終了する。
【0030】
<車両1の処理(2)>
図4を用いて、本実施形態に係る車両1の処理(2)について説明する。
【0031】
監視部130は、処理負荷状態をリアルタイムに監視する(ステップS110)。
【0032】
表示制御部140内の余剰負荷量判定部141は、監視部130の監視結果としての処理負荷状態情報と記憶部120に記憶されている表示制御部140を含む制御部160のデータ処理能力等のスペックとに基づいて、リアルタイムに、表示制御に割り当てられる余剰負荷量を判定する。そして、余剰負荷量判定部141は、データ量が余剰負荷よりも大きいか否かを判定(ステップS120)し、余剰負荷量判定部141は、データ量が余剰負荷よりも小さいと判定する場合(ステップS120の「NO」)には、処理を終了する。
【0033】
一方で、余剰負荷量判定部141は、データ量が余剰負荷よりも大きいと判定し(ステップS120の「YES」)、制御部160が余剰負荷量判定部141において判定された余剰負荷量と共有画像のデータ量とに基づいて、フレーム画像処理を行うことが適切であると判断した場合には、制御部160は、フレーム画像処理部143に対して、フレーム画像の間引き処理を指示し、フレーム画像処理部143は、例えば、表示データが動画像データである場合に、フレーム画像を一定間隔で間引く処理を実行し(ステップS210)、処理を行った表示データを表示部150に出力して処理を終了する。
【0034】
<車両1の処理(3)>
図5を用いて、本実施形態に係る車両1の処理(3)について説明する。
【0035】
監視部130は、処理負荷状態をリアルタイムに監視する(ステップS110)。
【0036】
表示制御部140内の余剰負荷量判定部141は、監視部130の監視結果としての処理負荷状態情報と記憶部120に記憶されている表示制御部140を含む制御部160のデータ処理能力等のスペックとに基づいて、リアルタイムに、表示制御に割り当てられる余剰負荷量を判定する。そして、余剰負荷量判定部141は、データ量が余剰負荷よりも大きいか否かを判定(ステップS120)し、余剰負荷量判定部141は、データ量が余剰負荷よりも小さいと判定する場合(ステップS120の「NO」)には、処理を終了する。
【0037】
一方で、余剰負荷量判定部141は、データ量が余剰負荷よりも大きいと判定し(ステップS120の「YES」)、制御部160が余剰負荷量判定部141において判定された余剰負荷量と共有画像のデータ量とに基づいて、画像形態変更処理およびフレーム画像処理の双方を行うことが適切であると判断した場合には、制御部160は、まず、画像形態変更部142に対して、画像形態の変更処理を指示し、画像形態変更部142は、例えば、立体画像を平面画像に変更する処理を実行し(ステップS130)、処理を行った表示データをフレーム画像処理部143に出力する。
【0038】
次いで、制御部160は、フレーム画像処理部143に対して、フレーム画像処理を指示し、画像形態変更部142から入力した表示データに対して、例えば、表示データが動画像データである場合に、フレーム画像を一定間隔で間引く処理を実行し(ステップS310)、処理を行った表示データを表示部150に出力して処理を終了する。
【0039】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係る車両1の表示制御部140は、監視部130から得られた処理負荷状態と記憶部120に保存された共有画像のデータ量とに応じて、共有画像の表示態様を制御する。
つまり、表示制御部140は、余剰負荷量が共有画像のデータ量よりも少ない場合には、共有画像のデータ量を余剰負荷量に見合う量に削減する。
そのため、車両側の機器の現在の処理状況により、不都合のない範囲で、車両側の機器と携帯端末との間で共有する画像の表示態様を制御し、画像表示が一時中断することを防止できる。
【0040】
本実施形態に係る車両1において、共有画像が、Web会議やAIコンシェルジュに用いられるアバターであり、表示制御部140は、監視部130から得られた処理負荷状態が高負荷状態である場合には、立体画像であるアバターの画像を平面画像として、表示部150に表示させる。
つまり、表示制御部140は、処理負荷状態が高負荷状態であって、余剰負荷量が共有画像であるアバターの画像のデータ量よりも少ない場合には、立体画像であるアバターの画像を平面画像とすることによって、共有画像のデータ量を余剰負荷量に見合う量に削減する。
そのため、車両側の機器の現在の処理状況により、不都合のない範囲で、車両側の機器と携帯端末との間で共有する画像の表示態様を制御し、画像表示が一時中断することを防止できる。
【0041】
本実施形態に係る車両1において、表示制御部140は、監視部130から得られた処理負荷状態が高負荷状態である場合には、動画像であるアバターの画像の遷移を抑制して、アバターの画像を表示部150に表示させる。
つまり、表示制御部140は、処理負荷状態が高負荷状態であって、余剰負荷量が共有画像であるアバターの画像のデータ量よりも少ない場合には、アバターの画像を構成するフレーム画像の一部を間引いて、共有画像のデータ量を余剰負荷量に見合う量に削減する。
そのため、車両側の機器の現在の処理状況により、不都合のない範囲で、車両側の機器と携帯端末との間で共有する画像の表示態様を制御し、画像表示が一時中断することを防止できる。
【0042】
<第2の実施形態>
図6から
図9を用いて、本実施形態に係る車両1Aについて説明する。
【0043】
<車両1Aの構成>
図6に示すように、本実施形態に係る車両1Aは、通信部110と、記憶部120と、監視部130と、表示制御部140Aと、制御部160Aと、ナビゲーション装置300と、を含んで構成されている。
なお、第1の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は、省略する。
【0044】
表示制御部140Aは、共有画像が、地図画像である場合に、監視部130の監視結果としての処理負荷状態が高負荷状態である場合には、走行の安全性を損なわない範囲で表示態様を制御する。
具体的には、表示制御部140Aは、例えば、監視部130の監視結果としての処理負荷状態が高負荷状態であり、共有画像である地図画像が立体画像である場合に、これを平面画像の表示態様とする。
また、表示制御部140Aは、例えば、監視部130の監視結果としての処理負荷状態が高負荷状態である場合に、走行の安全性を損なわない範囲で表示データのうち、走行路から奥まった位置にある建物等の画像を削除する。
なお、表示制御部140は、監視部130の監視結果としての処理負荷状態に応じて、立体画像である地図画像を平面画像の表示態様とする制御と、例えば、走行路から奥まった位置にある建物等の画像を削除する制御とを共に実行してもよい。
【0045】
制御部160Aは、図示しないROM(Read Only Memory)等に格納された制御プログラムにしたがって、車両1A全体の動作を制御する。
本実施形態において、制御部160Aは、表示制御部140Aに所望の制御を実行させる。
【0046】
ナビゲーション装置300は、ルート情報を検索、表示、案内する装置であり、ナビゲーション装置300における、例えば、液晶パネル等の表示部に表示制御部140Aにより、表示形態を制御された共有画像である地図画像を表示させる。
【0047】
<表示制御部140Aの構成>
図7に示すように、本実施形態に係る表示制御部140Aは、余剰負荷量判定部141と、画像形態変更部142と、データ処理部144と、を含んで構成されている。
なお、第1の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は、省略する。
【0048】
データ処理部144は、例えば、監視部130の監視結果としての処理負荷状態が高負荷状態である場合に、走行の安全性を損なわない範囲で表示データのうち、例えば、走行路から奥まった位置にある建物等の画像を削除する等の処理を実行する。
そして、データ処理部144は、画像形態が変更された表示データを表示部150に出力する。
また、制御部160が余剰負荷量判定部141において判定された余剰負荷量と共有画像のデータ量とに基づいて、画像形態の変更を行うとともに、削除を含むデータ処理を行うことが適切であると判断した場合には、データ処理部144は、制御部160の制御信号に応じて、画像形態変更部142において画像形態が変更された表示データに対して、データ処理を実行する。
【0049】
<車両1Aの処理(4)>
図8を用いて、本実施形態に係る車両1の処理(4)について説明する。
【0050】
監視部130は、処理負荷状態をリアルタイムに監視する(ステップS110)。
【0051】
表示制御部140A内の余剰負荷量判定部141は、監視部130の監視結果としての処理負荷状態情報と記憶部120に記憶されている表示制御部140Aを含む制御部160Aのデータ処理能力等のスペックとに基づいて、リアルタイムに、表示制御に割り当てられる余剰負荷量を判定する。そして、余剰負荷量判定部141は、データ量が余剰負荷よりも大きいか否かを判定(ステップS120)し、余剰負荷量判定部141は、データ量が余剰負荷よりも小さいと判定する場合(ステップS120の「NO」)には、処理を終了する。
【0052】
一方で、余剰負荷量判定部141は、データ量が余剰負荷よりも大きいと判定し(ステップS120の「YES」)、制御部160Aが余剰負荷量判定部141において判定された余剰負荷量と共有画像のデータ量とに基づいて、画像形態変更処理を行うことが適切であると判断した場合には、制御部160Aは、画像形態変更部142に対して、画像形態の変更処理を指示し、画像形態変更部142は、例えば、立体画像を平面画像に変更する処理を実行し(ステップS130)、処理を行った表示データを表示部150に出力して処理を終了する。
【0053】
<車両1Aの処理(5)>
図9を用いて、本実施形態に係る車両1の処理(5)について説明する。
【0054】
監視部130は、処理負荷状態をリアルタイムに監視する(ステップS110)。
【0055】
表示制御部140A内の余剰負荷量判定部141は、監視部130の監視結果としての処理負荷状態情報と記憶部120に記憶されている表示制御部140Aを含む制御部160Aのデータ処理能力等のスペックとに基づいて、リアルタイムに、表示制御に割り当てられる余剰負荷量を判定する。そして、余剰負荷量判定部141は、データ量が余剰負荷よりも大きいか否かを判定(ステップS120)し、余剰負荷量判定部141は、データ量が余剰負荷よりも小さいと判定する場合(ステップS120の「NO」)には、処理を終了する。
【0056】
一方で、余剰負荷量判定部141は、データ量が余剰負荷よりも大きいと判定し(ステップS120の「YES」)、制御部160Aが余剰負荷量判定部141において判定された余剰負荷量と共有画像のデータ量とに基づいて、画像形態変更処理およびデータ処理の双方を行うことが適切であると判断した場合には、制御部160Aは、まず、画像形態変更部142に対して、画像形態の変更処理を指示し、画像形態変更部142は、例えば、立体画像を平面画像に変更する処理を実行し(ステップS130)、処理を行った表示データをデータ処理部144に出力する。
【0057】
次いで、制御部160Aは、データ処理部144に対して、データ処理を指示し、画像形態変更部142から入力した表示データに対して、例えば、走行の安全性を損なわない範囲で表示データのうち、走行路から奥まった位置にある建物等の画像を削除する等の処理を実行すし(ステップS410)、処理を行った表示データを表示部150に出力して処理を終了する。
【0058】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係る車両1Aの表示制御部140Aは、共有画像が、地図画像であり、処理負荷状態が高負荷状態である場合には、走行の安全性を損なわない範囲で表示態様を制御する。
つまり、表示制御部140Aは、共有画像が、地図画像であり、処理負荷状態が高負荷状態である場合には、走行の安全性を損なわない範囲で、立体画像の地図画像を平面画像とする表示制御を行い、更に、必要な場合には、平面画像の地図画像の中から、例えば、走行路から奥まった位置にある建物等の画像を削除する等の処理を実行する。
そのため、車両側の機器の現在の処理状況により、不都合のない範囲で、車両側の機器と携帯端末との間で共有する画像の表示態様を制御し、画像表示が一時中断することを防止できる。
【0059】
<変形例1>
本実施形態においては、表示制御部140Aは、例えば、監視部130の監視結果としての処理負荷状態が高負荷状態であり、共有画像である地図画像が立体画像である場合に、これを平面画像の表示態様とすること、あるいは、表示制御部140Aは、例えば、監視部130の監視結果としての処理負荷状態が高負荷状態である場合に、走行の安全性を損なわない範囲で表示データのうち、走行路から奥まった位置にある建物等の画像を削除することを説明したが、走行の安全性を損なわない範囲で画像を拡大表示するような表示形態としてもよい。
この場合、処理負荷状態が、どの程度の高負荷状態にもよるが、処理負荷状態が、軽度の高負荷状態であれば、画像を拡大表示するような表示形態に変更することによって、画像表示が一時中断することを防止できる。
【0060】
なお、表示制御部140、140Aおよび制御部160、160A等の処理をコンピュータシステムが読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを表示制御部140、140Aおよび制御部160、160A等に読み込ませ、実行することによって本発明の車両1、1Aを実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0061】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0062】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0063】
以上、この発明の実施形態について、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0064】
1;車両
1A;車両
110;通信部
120;記憶部
130;監視部
140;表示制御部
140A;表示制御部
141;余剰負荷量判定部
142;画像形態変更部
143;フレーム画像処理部
144;データ処理部
150;表示部
160;制御部
160A;制御部
200;携帯端末
300;ナビゲーション装置