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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018153
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】車両および制御システム
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20240201BHJP
   B60R 16/037 20060101ALI20240201BHJP
   G10K 15/04 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
B60R11/02 S
B60R16/037
G10K15/04 302J
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121292
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】早川 和裕
(72)【発明者】
【氏名】元山 純一
(72)【発明者】
【氏名】本間 拓也
(72)【発明者】
【氏名】中村 亮太
(72)【発明者】
【氏名】三国 司
(72)【発明者】
【氏名】後藤 雄太
(72)【発明者】
【氏名】金田 拓也
【テーマコード(参考)】
3D020
【Fターム(参考)】
3D020BA02
3D020BA06
3D020BA10
3D020BA11
3D020BA20
3D020BB01
3D020BC01
3D020BD05
3D020BE03
(57)【要約】
【課題】車両の乗員の気分を向上させる走行サウンドを提供することができる車両および制御システムを提供する。
【解決手段】車両1は、車両1の乗員の気分に関する情報を収集する情報収集部10と、該乗員の気分に関する情報に基づいて、乗員の気分を検出する検出部20と、乗員の気分に基づいて、車両1の車室内に出力させる走行サウンドの音質パラメータを設定する設定部30と、車両1のアクセル開度を検出するアクセル開度検出部40と、音質パラメータと、アクセル開度とに基づいて、走行サウンドを生成し、その走行サウンドを車両1の車室内に出力させる制御部60と、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の乗員の気分に関する情報を収集する情報収集部と、
該乗員の気分に関する情報に基づいて、前記乗員の気分を検出する検出部と、
前記乗員の気分に基づいて、前記車両の車室内に出力させる走行サウンドの音質パラメータを設定する設定部と、
前記車両のアクセル開度を検出するアクセル開度検出部と、
前記音質パラメータと、前記アクセル開度とに基づいて、前記走行サウンドを生成し、該走行サウンドを前記車両の車室内に出力させる制御部と、
を備えることを特徴とする車両。
【請求項2】
前記情報収集部は、前記乗員の気分に関する情報として、乗員の発話した音声、前記乗員を撮像した画像、前記乗員の生体情報を含む情報を収集することを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記情報収集部は、前記乗員の気分に関する情報として、乗員が投稿したSNS情報を収集することを特徴とする請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記走行サウンドの前記音質パラメータの設定には、少なくとも、前記走行サウンドの音色周波数設定、音圧設定および前記アクセル開度に対する追従性設定を含んでいることを特徴とする請求項2または3のいずれか1項に記載の車両。
【請求項5】
車両と、前記車両と通信により接続されたサーバとにより構成された制御システムであって、
前記車両は、
前記車両の乗員の気分に関する情報を収集し、該収集した情報を前記サーバに送信する情報収集部と、
前記サーバにおいて検出された前記乗員の気分に基づいて、前記車両の車室内に出力させる走行サウンドの音質パラメータを設定する設定部と、
前記車両のアクセル開度を検出するアクセル開度検出部と、
前記音質パラメータと、前記アクセル開度とに基づいて、前記走行サウンドを生成し、該走行サウンドを前記車両の車室内に出力させる制御部と、を備え、
前記サーバは、
前記車両から受信した前記車両の乗員の気分に関する情報に基づいて、前記車両の乗員の気分を検出する検出部と、
該検出した結果を前記車両に送信する送信部と、
を備えることを特徴する制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両および制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両のエンジン回転数等の走行状態に合わせて、エンジン音、吸気音、排気音等を含んだ走行サウンドを生成し、車両内にその走行サウンドを出力する車両が実用化されている。
例えば、この種の技術としては、運転者のアクセル操作に応じて、走行サウンドを変化させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-181921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、運転者のアクセル操作等に応じて生成する走行サウンドは、運転者のその時の気分に関係なく出力されるために、運転者の気分によっては、その走行サウンドを不快に感じてしまうという課題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、車両の乗員の気分を向上させる走行サウンドを提供することができる車両および制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
形態1;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、車両の乗員の気分に関する情報を収集する情報収集部と、該乗員の気分に関する情報に基づいて、前記乗員の気分を検出する検出部と、前記乗員の気分に基づいて、前記車両の車室内に出力させる走行サウンドの音質パラメータを設定する設定部と、前記車両のアクセル開度を検出するアクセル開度検出部と、前記音質パラメータと、前記アクセル開度とに基づいて、前記走行サウンドを生成し、該走行サウンドを前記車両の車室内に出力させる制御部と、を備える車両を提案している。
【0007】
形態2;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記情報収集部は、前記乗員の気分に関する情報として、乗員の発話した音声、前記乗員を撮像した画像、前記乗員の生体情報を含む情報を収集する車両を提案している。
【0008】
形態3;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記情報収集部は、前記乗員の気分に関する情報として、乗員が投稿したSNS情報を収集する車両を提案している。
【0009】
形態4;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記走行サウンドの前記音質パラメータの設定には、少なくとも、前記走行サウンドの音色周波数設定、音圧設定および前記アクセル開度に対する追従性設定を含んでいる車両を提案している。
【0010】
形態5;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、車両と、前記車両と通信により接続されたサーバとにより構成された制御システムであって、前記車両は、前記車両の乗員の気分に関する情報を収集し、該収集した情報を前記サーバに送信する情報収集部と、前記サーバにおいて検出された前記乗員の気分に基づいて、前記車両の車室内に出力させる走行サウンドの音質パラメータを設定する設定部と、前記車両のアクセル開度を検出するアクセル開度検出部と、前記音質パラメータと、前記アクセル開度とに基づいて、前記走行サウンドを生成し、該走行サウンドを前記車両の車室内に出力させる制御部と、を備え、前記サーバは、前記車両から受信した前記車両の乗員の気分に関する情報に基づいて、前記車両の乗員の気分を検出する検出部と、該検出した結果を前記車両に送信する送信部と、を備える制御システムを提案している。
【発明の効果】
【0011】
本発明の1またはそれ以上の実施形態によれば、車両の乗員の気分を向上させる走行サウンドを提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る車両の構成を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る車両の検出部における乗員の気分の検出方法を例示した図である。
図3】本発明の実施形態に係る車両の検出部における乗員の気分の検出方法を例示した図である。
図4】本発明の実施形態に係る車両の設定部が設定する音質パラメータを例示した図である。
図5】本発明の実施形態に係る車両の処理のフローを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態>
図1から図5を用いて、本実施形態に係る車両1について説明する。
【0014】
<車両1の構成>
図1に示すように、本実施形態に係る車両1は、情報収集部10と、検出部20と、設定部30と、アクセル開度検出部40と、音声出力部50と、制御部60と、を含んで構成されている。
【0015】
情報収集部10は、車両1の乗員の気分に関する情報を収集する。
具体的には、情報収集部10は、乗員の気分に関する情報として、乗員の発話した音声と、乗員を撮像した画像と、乗員の生体情報と、乗員が投稿したSNS情報とを収集する。
具体的には、情報収集部10は、例えば、車両内に配設されたマイクロフォンを用いて、乗員の発話した音声を収集する。
また、情報収集部10は、例えば、車両内に配設されたカメラを用いて、乗員の顔、体等を撮像した画像を収集する。
また、情報収集部10は、乗員のウェアラブル端末と通信を行い、例えば、乗員の体温、心拍数、発汗量等の生体情報を収集する。
さらに、情報収集部10は、乗員の携帯端末(スマートフォン、タブレット等)と通信を行い、例えば、乗員がSNSサイトに書き込みを行った投稿等を収集する。
なお、情報収集部10は、収集した乗員の気分に関する情報を検出部20に送信する。
【0016】
検出部20は、乗員の気分に関する情報に基づいて、乗員の気分を検出する。
具体的には、検出部20は、情報収集部10から受信した乗員の気分に関する情報に基づいて、現在の乗員の気分を検出し、その検出結果を設定部30に送信する。
【0017】
図2および図3を用いて、検出部20における乗員の気分の検出方法の一例を、以下に説明する。
検出部20は、情報収集部10から受信した乗員の気分に関する情報に基づいて、例えば、現在の乗員の気分が、「良い」、「平常」、「悪い」のいずれの状態にあるかを検出する。
【0018】
図2に示すように、検出部20は、乗員の発話音声から乗員の気分を表すワードを検出し、その検出したワードに基づいて、現在の乗員の気分を検出する。
また、検出部20は、乗員の発話音声から乗員の気分を表す音である、例えば、笑い声、泣き声、口笛、歌声、鼻歌、舌打ち、ため息等を検出し、その検出結果に基づいて、現在の乗員の気分を検出する。
検出部20は、乗員を撮像した画像の画像解析を行い、例えば、乗員の顔の表情(口角の上がり具合等)、瞬き回数、目の開度、視線の向き、落ち着きのない挙動の有無、乗車姿勢の変化等を検出し、その検出結果に基づいて、現在の乗員の気分を検出する。
図3に示すように、検出部20は、乗員の体温、呼吸数、心拍数、血圧等の生体情報に基づいて、現在の乗員の気分を検出する。
また、検出部20は、乗員が投稿したSNSの文章等から乗員の気分を表すワードを検出し、その検出したワードに基づいて、現在の乗員の気分を検出する。
【0019】
検出部20は、情報収集部10の情報ごとに検出した乗員の気分の結果を統合し、乗員の気分を検出する。
具体的には、検出部20は、例えば、上述した情報収集部10から受信した情報から判定した気分の結果において、「良い」および「悪い」に該当した項目をカウントし、カウント数の多い方を現在の乗員の気分として検出する。
また、検出部20は、情報収集部10から受信した情報から判定した気分の状態が、「良い」、「悪い」のいずれも検出されなかった場合には、現在の乗員の気分を「平常」と検出する。
なお、上述した検出方法は一例であり、例えば、上述した項目のカウントを行うとき、項目ごとに重みづけをしてカウントするようにしてもよい。
例えば、検出部20は、乗員の発話音声からネガティブなワードを1件検出したとき、検出したワードによっては、該当項目を1カウントとするのではなく、例えば、5カウントとするようにして、該当項目数をカウントするようにしてもよい。
ここで、検出部20は、情報収集部10から収集した乗員の気分に関する情報を統合して、現在の乗員の気分が検出できれば良いため、上述した検出方法に限定するものではない。
【0020】
設定部30は、乗員の気分に基づいて、車両1の車室内に出力させる走行サウンドの音質パラメータを設定する。
設定部30が設定する走行サウンドの音質パラメータの設定には、少なくとも、走行サウンドの音色周波数設定、音圧設定およびアクセル開度に対する追従性設定を含んでいる。
具体的には、設定部30は、検出部20おいて検出された乗員の気分に基づいて、音色周波数設定、音圧設定およびアクセル開度に対する追従性設定を決定し、その設定値を後述する制御部60に送信する。
【0021】
音色周波数設定は、車室内に出力する走行サウンドの音色設定であって、例えば、走行サウンドに特徴のある、フォーミュラーカー、高級スポーツカー、排気量の大きい高級車の走行サウンドを再現するための設定値である。
具体的には、設定部30は、例えば、フォーミュラーカー等の走行サウンドを再現するための、アクセル開度の角度ごとの、走行サウンドの周波数特性を制御部60に送信する。
【0022】
音圧設定は、車室内に出力させる走行サウンドの音圧レベルを設定するパラメータであって、例えば、設定部30は、車室内に出力する最大の音圧レベルを制御部60に送信する。
【0023】
アクセル開度に対する追従性設定は、乗員がアクセルを操作したときの、走行サウンドの変化量を設定するパラメータであって、例えば、設定部30は、アクセル開度を変化させたときの音圧の変化量およびアクセル開度を変化させたときの走行サウンドの周波数特性の変化量を設定する。
【0024】
図4に示すように、設定部30は、検出部20において乗員の気分が「良い」と判定されたときには、例えば、音色周波数設定には「フォーミュラーカー」、音圧設定には「65dB」、アクセル開度に対する追従性設定には「中」を設定する(音質パラメータA)。
つまり、設定部30は、検出部20において乗員の気分が「良い」と判定されたときには、乗員の「良い」気分の状態を維持向上させるために、軽快で、迫力のあるフォーミュラーカーの走行サウンドに設定する。
また、設定部30は、検出部20において乗員の気分が「平常」と判定されたときには、例えば、音色周波数設定には「高級スポーツカー」、音圧設定には「70dB」、アクセル開度に対する追従性設定には「大」を設定する(音質パラメータB)。
つまり、設定部30は、検出部20において乗員の気分が「平常」と判定されたときには、乗員の気分を「良い」状態に向上させるために、走行サウンドがアクセル開度により音圧および音色が大きく変化し、運転していて楽しくなる高級スポーツカーの走行サウンドに設定する。
また、設定部30は、検出部20において乗員の気分が「悪い」のと判定されたときには、例えば、音色周波数設定には「排気量の大きい高級車」、音圧設定には「60dB」、アクセル開度に対する追従性設定には「小」を設定する(音質パラメータC)。
つまり、設定部30は、検出部20において乗員の気分が「悪い」と判定されたときには、乗員が、フォーミュラーカー等の迫力ある走行サウンドを心地よく感じないため、乗員の気分を落ち着かせる、音圧を下げた排気量の大きい高級車の走行サウンドに設定する。
【0025】
アクセル開度検出部40は、車両1のアクセル開度を検出する。
具体的には、アクセル開度検出部40は、例えば、アクセル開度センサであって、運転者がアクセル操作を行ったときの、スロットルバルブのシャフトの回転角度を検出し、その検出結果を制御部60に送信する。
【0026】
音声出力部50は、例えば、スピーカであって、後述する制御部60において生成した走行サウンドを車室内に出力する。
【0027】
制御部60は、図示しないROM等に格納された制御プログラムに従って、車両1全体の動作を制御する。
本実施形態においては、制御部60は、音質パラメータと、アクセル開度とに基づいて走行サウンドを生成し、その走行サウンドを車両1の車室内に出力させる。
具体的には、制御部60は、設定部30により設定された音質パラメータと、アクセル開度検出部40から受信したアクセル開度の情報とに基づいて、走行サウンドを生成し、その走行サウンドを音声出力部50に送信する。
【0028】
<車両1の処理>
図5を用いて、車両1の処理について説明する。
【0029】
情報収集部10は、乗員の気分に関する情報を取得し(ステップS110)、処理をステップS120に移行させる。
【0030】
検出部20は、情報収集部10から受信した乗員の気分に関する情報に基づいて、乗員の気分を検出し(ステップS120)、処理をステップS130に移行させる。
【0031】
設定部30は、検出部20において検出された乗員の気分が、「良い」「平常」「悪い」のいずれに該当するかを判定する(ステップS130)。
設定部30は、検出部20において検出された乗員の気分が、「良い」であると判定した場合(ステップS130の「良い」)には、処理をステップS140に移行させる。
設定部30は、検出部20において検出された乗員の気分が、「平常」であると判定した場合(ステップS130の「平常」)には、処理をステップS150に移行させる。
設定部30は、検出部20において検出された乗員の気分が、「悪い」であると判定した場合(ステップS130の「悪い」)には、処理をステップS160に移行させる。
【0032】
設定部30は、検出部20において検出された乗員の気分が「良い」であると判定した場合(ステップS130の「良い」)には、「音質パラメータA」の設定値を制御部60に設定し(ステップS140)、処理をステップS170に移行させる。
【0033】
設定部30は、検出部20において検出された乗員の気分が「平常」であると判定した場合(ステップS130の「平常」)には、「音質パラメータB」の設定値を制御部60に設定し(ステップS150)、処理をステップS170に移行させる。
【0034】
設定部30は、検出部20において検出された乗員の気分が「悪い」であると判定した場合(ステップS130の「悪い」)には、「音質パラメータC」の設定値を制御部60に設定し(ステップS160)、処理をステップS170に移行させる。
【0035】
制御部60は、設定部30が設定した音質パラメータと、アクセル開度検出部40から受信したアクセル開度とに基づいて、走行サウンドを生成し(ステップS170)、その走行サウンドを車室内に出力して、処理を終了させる。
【0036】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係る車両1の設定部30は、検出部20が検出した乗員の現在の気分に基づいて、車室内に出力する走行サウンドの音質パラメータを設定する。
制御部60は、設定部30が設定した音質パラメータと、アクセル開度とに基づいて、走行サウンドを生成し、車室内に出力させる。
すなわち、車両1は、情報収集部10が収集した乗員の気分に関する情報から、現在の乗員の気分を検出し、その気分に合致した音質パラメータ(音色周波数設定、音圧設定、アクセル開度に対する追従性設定)を設定して、走行サウンドを乗員に提供する。
これにより、車両1は、現在の乗員の気分に合致した走行サウンドを乗員に対して提供することができるため、乗員の気分を向上させることができる。
車両1は、乗員の気分を「悪い」と判定したときには、音圧を下げた走行サウンドを設定するため、乗員は、気分を落ち着かせることができ、さらに、運転を継続することにより、気分を向上させることができる。
また、車両1は、乗員の気分を「平常」と判定したときには、軽快な走行サウンドが、アクセル開度により大きく変化する楽しい走行サウンドに設定するため、乗員は爽快で楽しい走りを体感することができ、気分を向上させることができる。
また、車両1は、乗員の気分を「良い」と判定されたときには、軽快で、迫力のある走行サウンドに設定するため、乗員は爽快で楽しい走りを体感することができ、「良い」気分を維持向上させることができる。
【0037】
検出部20は、情報収集部10が収集した乗員の発話した音声と、乗員を撮像した画像と、乗員の生体情報を含む情報とに基づいて、乗員の気分を検出する。
つまり、検出部20は、乗員の気分が顕著に現れる、乗員の発話内容、乗員の顔の表情、乗員の生体情報に基づいて、現在の乗員の気分を検出する。
これにより、車両1は、精度高く乗員の気分を検出することができるため、乗員の現在の気分に合致した走行サウンドを提供することができる。
【0038】
検出部20は、情報収集部10が収集した乗員が投稿したSNS情報に基づいて、乗員の気分を検出する。
つまり、検出部20は、乗員の気分が明確に記述されているSNS情報に基づいて、乗員の気分を検出する。
これにより、車両1は、精度高く乗員の気分を検出することができるため、乗員の現在の気分に合致した走行サウンドを提供することができる。
【0039】
<変形例1>
車両1と、車両1と通信可能なサーバとにより制御システムを構成し、上述した検出部20の処理をサーバにおいて処理するようにしてもよい。
インターネット回線に接続されたサーバは、車両1と接続され、互いに通信可能に接続されている。
サーバは、情報収集部10から受信した乗員の気分に関する情報に基づいて、乗員の気分を検出し、サーバの送信部を介して、その検出結果を車両の設定部30に送信する。
設定部30は、サーバにおいて検出された乗員の気分の検出結果に基づいて、走行サウンドの音質パラメータを設定する。
これにより、制御システムは、現在の乗員の気分に合致した走行サウンドを乗員に対して提供することができるため、乗員の気分を向上させることができる。
また、サーバは、複数の車両と接続し、各車両から送信された乗員の気分に関する情報に基づいて、乗員の気分を検出し、その検出結果を各車両に送信する。
つまり、サーバは、各車両から送信された乗員の気分に関する情報から、乗員の気分を検出し、各検出結果を各車両に送信する。
これにより、車両ごとに乗員の気分を検出する検出部20を備える必要がなくなるため、車両のコストダウンを図ることができる。
また、サーバは、乗員の気分を検出する処理を行うためのリソースを十分に確保できるため、より詳細に乗員の気分の検出処理を行うことができる。
これにより、サーバは、より精度高く乗員の気分を検出することができる。
【0040】
<変形例2>
上述した車両1は、乗員が乗車して運転を開始するときの気分を検出して、走行サウンドの音質パラメータを決定したが、走行中の乗員の気分の変化を検出したときには、変化した気分に合わせた音質パラメータを再設定するようにしてもよい。
例えば、検出部20が、乗員の気分が「悪い」から「平常」に変化したことを検出したときには、設定部30に対して、現在の乗員の気分が「平常」であることを送信し、設定部30は、音質パラメータの設定を「平常」の設定に変更する。
つまり、車両1は、乗車中の乗員の気分を継続的に検出し、走行サウンドを変更させるため、常に乗員の気分に合致した走行サウンドを提供することができる。
また、車両1は、常に乗員の気分に合致した走行サウンドを提供することができるため、乗員の気分をさらに向上させることができる。
【0041】
<変形例3>
上述した車両1の設定部30が設定する音質パラメータを、乗員の好みに合わせて変更できるようにしてもよい。
例えば、高級スポーツカーの走行サウンドが車室内に出力されているときに、もう少し低音の迫力を増やしたい、全体的に走行サウンドの音圧を上げたい等の乗員の好みが反映できるように、設定部30が設定する音質パラメータの設定を変更できるようにする。
これにより、車両1は、乗員の好みに合致した走行サウンドを提供することができるため、乗員の気分をさらに向上させることができる。
【0042】
なお、検出部20、設定部30、制御部60等の処理をコンピュータシステムが読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを検出部20、設定部30、制御部60に読み込ませ、実行することによって本発明の車両1を実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0043】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0044】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0045】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0046】
1;車両
10;情報収集部
20;検出部
30;設定部
40;アクセル開度検出部
50;音声出力部
60;制御部
図1
図2
図3
図4
図5