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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018185
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】ドライバー及び電気光学装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/18 20060101AFI20240201BHJP
   G09G 3/04 20060101ALI20240201BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20240201BHJP
   G02F 1/1347 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
G09G3/18
G09G3/04 K
G09G3/04 R
G02F1/133 575
G02F1/1347
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121351
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】田中 和顕
【テーマコード(参考)】
2H189
2H193
5C006
5C080
【Fターム(参考)】
2H189AA35
2H189HA16
2H193ZA27
2H193ZB51
2H193ZC16
2H193ZD26
2H193ZF33
5C006AA15
5C006AC01
5C006AC21
5C006AC25
5C006AC28
5C006AF13
5C006AF44
5C006AF46
5C006AF50
5C006AF52
5C006AF71
5C006BB01
5C006BB16
5C006BB29
5C006BC11
5C006BC20
5C006BF04
5C006BF06
5C006BF24
5C006BF25
5C006BF46
5C006BF49
5C006EA01
5C006EB05
5C006EC09
5C006FA04
5C006FA18
5C006FA22
5C006FA37
5C006FA54
5C006FA56
5C080AA10
5C080BB01
5C080CC07
5C080DD05
5C080DD25
5C080EE29
5C080FF08
5C080GG12
5C080JJ01
5C080JJ02
5C080JJ04
5C080KK20
(57)【要約】
【課題】液晶パネル上の各アイコンの輝度均一化を実現するドライバーの提供。
【解決手段】ドライバー10は、第1端子T1と第2端子T2と制御回路40と第1駆動回路51と第2駆動回路52と、を含む。第1端子T1は、液晶パネル100の第1セグメント電極101に対して第1配線L1によって接続される。第2端子T2は、液晶パネル100の第2セグメント電極102に対して、第1配線L1とは配線長又は配線幅が異なる第2配線L2によって接続される。制御回路40は、第1パルス幅信号群GS1と第2パルス幅信号群GS2とを出力する。第1駆動回路51は、階調データに応じて選択したパルス幅信号に基づいて、第1端子T1に第1セグメント駆動信号S1を出力する。第2駆動回路52は、階調データに応じて選択したパルス幅信号に基づいて、第2端子T2に第2セグメント駆動信号S2を出力する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタティック駆動方式の液晶パネルを駆動するドライバーであって、
前記液晶パネルの第1セグメント電極に対して第1配線によって接続される第1端子と、
前記液晶パネルの第2セグメント電極に対して、前記第1配線とは配線長又は配線幅が異なる第2配線によって接続される第2端子と、
複数の階調レベルに対応した複数のパルス幅信号を含む第1パルス幅信号群と、前記複数の階調レベルに対応した前記複数のパルス幅信号を含み且つ前記第1パルス幅信号群とは階調レベルとパルス幅の対応が異なる第2パルス幅信号群とを出力する制御回路と、
階調データに応じて前記第1パルス幅信号群から選択したパルス幅信号に基づいて、前記第1端子に第1セグメント駆動信号を出力する第1駆動回路と、
前記階調データに応じて前記第2パルス幅信号群から選択した前記パルス幅信号に基づいて、前記第2端子に第2セグメント駆動信号を出力する第2駆動回路と、
を含むことを特徴とするドライバー。
【請求項2】
請求項1に記載のドライバーにおいて、
前記第1パルス幅信号群における前記階調レベルとパルス幅との対応を設定する第1階調濃度設定データと、前記第2パルス幅信号群における前記階調レベルとパルス幅との対応を設定する第2階調濃度設定データを記憶するレジスター部を含み、
前記制御回路は、
前記レジスター部に記憶される前記第1階調濃度設定データに基づいて前記第1パルス幅信号群を出力し、前記レジスター部に記憶される前記第2階調濃度設定データに基づいて前記第2パルス幅信号群を出力することを特徴とするドライバー。
【請求項3】
請求項2に記載のドライバーにおいて、
前記第1階調濃度設定データと、前記第2階調濃度設定データは、
各階調における前記液晶パネルの画素への実効電圧が同じになるように、前記階調レベルとパルス幅の対応が設定されていることを特徴とするドライバー。
【請求項4】
請求項2に記載のドライバーにおいて、
前記第1配線は、前記第2配線より配線長が長い又は配線幅が細く、
前記第2階調濃度設定データは、前記第1階調濃度設定データを基準に、各階調におけるパルス幅が短くなるように、前記階調レベルとパルス幅の対応が設定されていることを特徴とするドライバー。
【請求項5】
請求項4に記載のドライバーにおいて、
前記第2パルス幅信号群は、前記第1パルス幅信号群よりも、前記階調レベルに対するパルス幅が短い信号群であることを特徴とするドライバー。
【請求項6】
請求項2に記載のドライバーにおいて、
前記第1階調濃度設定データと前記第2階調濃度設定データを受信するインターフェース回路を含むことを特徴とするドライバー。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載のドライバーにおいて、
前記第1駆動回路は、
前記第1パルス幅信号群が入力され、前記第1パルス幅信号群から前記階調データに応じた前記パルス幅信号を選択する第1選択回路を含み、
前記第2駆動回路は、
前記第2パルス幅信号群が入力され、前記第2パルス幅信号群から前記階調データに応じた前記パルス幅信号を選択する第2選択回路を含むことを特徴とするドライバー。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載のドライバーと、
前記液晶パネルと、
前記液晶パネルのバックライト装置と、
を含むことを特徴とする電気光学装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライバー及び電気光学装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、スタティック駆動方式で液晶パネルを駆動するドライバーが知られている。例えば、特許文献1には、液晶パネルのセグメント電極をパルス幅変調方式によりスタティック駆動させるドライバーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-243560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなパルス幅変調方式においては、セグメント電極と端子の配線容量等により、各々のセグメント電極の階調濃度が、意図しない階調濃度になるという不具合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、スタティック駆動方式の液晶パネルを駆動するドライバーであって、液晶パネルの第1セグメント電極に対して第1配線によって接続される第1端子と、液晶パネルの第2セグメント電極に対して、第1配線とは配線長又は配線幅が異なる第2配線によって接続される第2端子と、複数の階調レベルに対応した複数のパルス幅信号を含む第1パルス幅信号群と、複数の階調レベルに対応した複数のパルス幅信号を含み且つ第1パルス幅信号群とは階調レベルとパルス幅の対応が異なる第2パルス幅信号群とを出力する制御回路と、階調データに応じて第1パルス幅信号群から選択したパルス幅信号に基づいて、第1端子に第1セグメント駆動信号を出力する第1駆動回路と、階調データに応じて第2パルス幅信号群から選択したパルス幅信号に基づいて、第2端子に第2セグメント駆動信号を出力する第2駆動回路と、を含むドライバー。に関係する。
【0006】
また本開示の他の態様は、上記に記載のドライバーと、前記液晶パネルと、前記液晶パネルのバックライトと、を含む電気光学装置に関係する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態のドライバーの構成例。
図2】液晶パネルでのセグメント電極の配置例。
図3】第1パルス幅信号群の信号波形の例。
図4】第2パルス幅信号群の信号波形の例。
図5】液晶パネル上のセグメント電極とドライバーの間の配線形状の例。
図6】セグメント電極における出力波形のなまりについて説明する図。
図7】入力波形の設定オプションについて説明する図。
図8】入力波形の設定オプションによる階調濃度均一化の手法を説明する図。
図9】本実施形態のドライバーの詳細な構成例。
図10】駆動回路の構成例。
図11】出力回路の構成例。
図12】階調データと階調レベルの説明図。
図13】セグメント駆動信号、コモン駆動信号、液晶素子の駆動信号の波形の例。
図14】第1パルス幅信号群に対する階調濃度設定の説明図。
図15】第2パルス幅信号群に対する階調濃度設定の説明図。
図16】階調レベルに対する階調濃度設定の具体例。
図17】電気光学装置の構成例。
図18】電気光学装置の構成例。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲の記載内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが必須構成要件であるとは限らない。
【0009】
1.ドライバーの構成例
図1に本実施形態のドライバー10の構成例を示す。ドライバー10はスタティック駆動方式で液晶パネル100を駆動する。本実施形態のドライバー10は、四輪、二輪自動車などの運転者が、運転のために確認する速度メーター、警告灯、簡易ナビゲーションなどが表示される液晶パネルなどのパネル、ディスプレイモジュールで、そのディスプレイを駆動するドライバーICに関係する。本実施形態のドライバー10は、液晶パネル100などを駆動するドライバーIC、例えばLCDドライバーICで、パッシブ液晶のセグメント表示タイプの液晶パネルを、PWM(Pulse Wave Modulation)駆動などによって、階調表示をする回路に関する。そして、本実施形態の電気光学装置200は、ドライバー10と液晶パネル100を含む。また電気光学装置200はバックライト120を更に含むことができる。なお、液晶パネル100に表示される内容は、速度メーター、警告灯、簡易ナビゲーションなどに限らない。
【0010】
液晶パネル100は電気光学パネルである。液晶パネル100はスタティック駆動方式で駆動されるパネルである。具体的には液晶パネル100は、第1ガラス基板と第2ガラス基板と液晶とを含む。液晶は第1ガラス基板と第2ガラス基板の間に封入されている。第1ガラス基板にセグメント電極が設けられ、第2ガラス基板にコモン電極が設けられる。ドライバー10はセグメント電極にセグメント駆動信号を出力する。またドライバー10は、コモン電極にコモン駆動信号を出力してもよい。これにより、セグメント駆動信号とコモン駆動信号の電位差である駆動信号が、セグメント電極とコモン電極の間の液晶に印加される。セグメント電極とコモン電極は透明電極であり、例えばITO(Indium Tin Oxide)である。
【0011】
バックライト120は、例えばLED等の複数の発光素子が設けられ、液晶パネル100の例えば背面側に配置される。この場合に液晶パネル100とバックライト120の間に拡散板を設けてもよい。
【0012】
ドライバー10は、例えばIC(Integrated Circuit)と呼ばれる回路装置である。ドライバー10は、例えば半導体プロセスにより製造されるICであり、半導体基板上に回路素子が形成された半導体チップである。回路装置であるドライバー10は、例えば液晶パネル100のガラス基板に実装される。例えばドライバー10は、セグメント電極が設けられる第1ガラス基板に実装される。或いはドライバー10が回路基板に実装され、その回路基板と液晶パネル100がフレキシブル基板によって接続されてもよい。
【0013】
本実施形態のドライバー10は、例えば自動車又はバイクなどの運転者が、運転のために確認する警告灯、速度メーター又は簡易ナビゲーションなどを表示する液晶パネル100を駆動する回路装置である。但し、液晶パネル100の表示内容は、このような警告灯、速度メーター、簡易ナビゲーションには限定されない。また本実施形態のドライバー10は、画像表示用の液晶パネル100のドライバーには限定されず、例えばバックライト120の発光素子からの光のシャッター機能の用途の液晶パネル100のドライバーとしても用いることができる。例えば本実施形態のドライバー10は、車のヘッドライトのオートハイビーム用の液晶パネル100のドライバーなどであってもよい。
【0014】
本実施形態のドライバー10は、第1端子T1、第2端子T2、制御回路40、第1駆動回路51、第2駆動回路52を含む。以下においては、2つの第1駆動回路51、第2駆動回路52と、2つの第1端子T1、第2端子T2が設けられる場合を主に例にとり説明するが、本実施形態はこれに限定されず、3つ以上の駆動回路と3つ以上の端子をドライバー10に設けることができる。
【0015】
第1端子T1は液晶パネル100の第1セグメント電極101に接続される。第2端子T2は液晶パネル100の第2セグメント電極102に接続される。第1端子T1、第2端子T2は、例えばガラス基板上のセグメント配線を介して第1セグメント電極101、第2セグメント電極102に接続される。端子は回路
装置であるドライバー10の例えばパッドである。例えばパッド領域では、絶縁層であるパシベーション膜から金属層が露出しており、この露出した金属層によりドライバー10の端子であるパッドが構成される。なお本実施形態における接続は電気的な接続である。電気的な接続は、電気信号が伝達可能に接続されていることであり、電気信号による情報の伝達が可能となる接続である。電気的な接続は受動素子等を介した接続であってもよい。
【0016】
図2に第1セグメント電極101、第2セグメント電極102の例を示す。第1セグメント電極101、第2セグメント電極102は液晶パネル100に設けられている。各セグメント電極は、図2に示すように、例えば自動車のクラスターパネルの警告等のアイコンを表示するための電極である。
【0017】
制御回路40は、複数の階調レベルに対応した複数のパルス幅信号を含む第1パルス幅信号群GS1を出力する。また制御回路40は、複数の階調レベルに対応した複数のパルス幅信号を含み且つ第1パルス幅信号群GS1とは階調レベルとパルス幅との対応が異なる第2パルス幅信号群GS2を出力する。GS1、GS2のパルス幅信号群が含む複数のパルス幅信号は、パルス幅変調であるPWM(Pulse Width Modulation)の駆動に使用される信号である。そして階調レベルは階調データDAにより設定される。また複数の階調レベルの各階調レベルと、GS1、GS2のパルス幅信号群の各パルス幅信号とは、階調濃度設定データにより対応づけられる。制御回路40は、例えばロジック回路であり、例えばゲートアレイ等の自動配置配線によるASIC(Application Specific Integrated Circuit)の回路により実現できる。
【0018】
図3図4は、各パルス幅信号群GS1、GS2の信号波形の一例を示す図である。各パルス幅信号群GS1、GS2は、階調レベル[0]~[15]の16レベルに対応したパルス幅信号を含む。ここで、階調レベル[0]は、例えば最も暗い階調表示に対応し、階調レベル[15]は、例えば最も明るい階調表示に対応する。なお、図3図4に示す第1パルス幅信号群GS1、第2パルス幅信号群GS2の波形は一例にすぎず、階調濃度の設定等により種々の波形のパルス幅信号群を生成できる。
【0019】
図3に示す第1パルス幅信号群GS1では、パルス幅信号GS1[1]のパルス幅はW11、パルス幅信号GS1[2]のパルス幅はW12、・・・となっている。そして、各パルス幅信号のパルス幅は後述する階調濃度設定データにより設定され、これにより各階調レベルが設定される。そして、図4に示す第2パルス幅信号群GS2についても、パルス幅信号GS2[1]のパルス幅はW21、パルス幅信号GS2[2]のパルス幅はW22、・・・となっている。ここで、第2パルス幅信号群GS2の各パルス幅信号GS2[0]~[15]については、第1パルス幅信号群GS1の各パルス幅信号GS1[0]~[15]よりも全体的パルス幅が短くなるように設定されている。図4で、破線で示す立下りは、第1パルス幅信号群GS1の各パルス幅信号GS1[0]~[15]の波形であり、実線で示す第2パルス幅信号群GS2の各パルス幅信号GS2[0]~[15]は、これよりもΔだけ早く立下っており、パルス幅が短くなっていることがわかる。このように、第1パルス幅信号群GS1と第2パルス幅信号群GS2では、階調レベルとパルス幅との対応が異なっている。即ち階調レベルと階調濃度との対応が異なっている。なお図3図4では説明の簡素化のためにパルス幅が等間隔で増える場合を示しているが、実際には液晶パネル100のガンマ補正に対応したパルス幅に設定される。
【0020】
第1駆動回路51、第2駆動回路52は、セグメント駆動回路であり、PWMにより液晶パネル100のセグメント電極を駆動する回路である。そして、第1駆動回路51は、複数の階調レベルを設定する階調データDAに応じて第1パルス幅信号群GS1から選択したパルス幅信号に基づく第1セグメント駆動信号S1を、第1端子T1に出力する。例えば第1駆動回路51は、階調データDAに基づいて第1パルス幅信号群GS1からパルス幅信号を選択する。そして第1駆動回路51は、選択されたパルス幅信号の例えば極性反転、レベルシフト、バッファリングなどを行って、第1セグメント駆動信号S1を、第1端子T1に出力する。第2駆動回路52も階調データDAに応じて第2パルス幅信号群GS2から選択したパルス幅信号に基づく第2セグメント駆動信号S2を、第2端子T2に出力する。そして第2駆動回路52は、選択されたパルス幅信号の例えば極性反転、レベルシフト、バッファリングなどを行って、第2セグメント駆動信号S2を、第2端子T2に出力する。
【0021】
図5は、複数のセグメント電極SEG1~SEG6が設けられた液晶パネル100の一例を示す概略図である。図5に示すように、ドライバー10の各端子から各セグメント電極SEG1~SEG6までの配線の長さや配線の太さは、各セグメント電極SEG1~SEG6の表示位置などにより異なっている。
【0022】
セグメント電極SEG1とセグメント電極SEG2に着目すると、セグメント電極SEG1は、液晶パネル100内でドライバー10に近い位置に設けられているのに対し、セグメント電極SEG2は液晶パネル100内で左上側に設けられており、ドライバー10から離れた位置にある。このため、セグメント電極SEG1とセグメント電極SEG2とでは、セグメント電極SEG2のほうが、ドライバー10の端子からのセグメント電極までの距離が長くなっている。またセグメント電極SEG3とセグメント電極SEG4に着目すると、セグメント電極SEG3はセグメント電極SEG4よりも配線長が長くなっている。セグメント電極SEG5とセグメント電極SEG6に着目すると、ドライバー10の端子から各セグメント電極までの配線長は同程度だが、配線幅が異なっており、セグメント電極SEG6への配線のほうが配線幅は太くなっている。
【0023】
このように、異なる配線長のセグメント電極SEG1とセグメント電極SEG2とに着目したとき、配線長の長いほうのセグメント電極SEG2が例えば第1セグメント電極101にあたり、配線長の短いほうのセグメント電極SEG1が例えば第2セグメント電極102にあたる。同様に、異なる配線長のセグメント電極SEG3とセグメント電極SEG4とに着目したとき、配線長の長いほうのセグメント電極SEG3は例えば第1セグメント電極101にあたり、配線長の短いほうのセグメント電極SEG4が例えば第2セグメント電極102にあたる。また配線幅の異なるセグメント電極SEG5とセグメント電極SEG6とに着目したとき、配線幅の細いほうのセグメント電極SEG5が例えば第1セグメント電極101にあたり、配線幅の太いほうのセグメント電極SEG6が例えば第2セグメント電極102にあたる。なお、上記では、例えばセグメント電極SEG1とセグメント電極SEG2に着目して配線長又は配線幅を比較したが、いずれのセグメント電極間に着目するかは任意に決めることができる。
【0024】
このように本実施形態では、液晶パネル100に複数のセグメント電極が設けられており、ドライバー10に設けられる第1端子T1から第1セグメント電極101までの配線と、第2端子T2から第2セグメント電極102までの配線は、配線長又は配線幅が異なっている。なお、上記において配線長と配線幅の両方が異なっていてもよい。
【0025】
図6は、液晶パネル100を駆動するセグメント駆動信号の理想的な出力波形と実際の出力波形とを比較する図である。各出力波形は、正極性期間TPと負極性期間TNでデューティー比が100%である入力波形に対する出力波形になっている。図6の上段に示す波形は信号劣化のない理想的な出力波形であり、中段と下段に示す波形は配線抵抗や寄生容量等により信号劣化の現れた実際の出力波形である。
【0026】
図6の中段に示す出力波形と下段に示す出力波形とでは、配線長や配線幅の違いにより上段に示す理想的な出力波形からの信号劣化の程度に差が現れている。中段に示す出力波形は配線長が短い又は配線幅が太い、第2セグメント電極102での実際の出力波形であり、正極性期間TPにおける立ち上がり波形になまりが現れている。具体的には、正極性期間TPの始まりからΔaの時間をかけてローレベルからハイレベルに変化している。負極性期間TNも同様に、負極性期間TNの始まりからΔaの時間をかけてハイレベルからローレベルに変化している。
【0027】
一方、図6の下段に示す出力波形は、配線長の長い又は配線幅の細い第1セグメント電極101での出力波形であり、正極性期間TPの始まりから、上述したΔaよりも長いΔbの時間をかけてローレベルからハイレベルに変化している。負極性期間TNも同様に、負極性期間TNの始まりから、Δaより長いΔbの時間をかけてハイレベルからローレベルに変化している。このように、ドライバー10の各端子T1、T2から各セグメント電極101、102までの配線長が長いほど、或いは配線幅が細いほど、出力信号の立ち上がり波形と立ち下り波形におけるなまりが顕著に現れ、各セグメント駆動信号S1、S2は劣化することになる。
【0028】
ここで、例えば図5において、セグメント電極SEG1とセグメント電極SEG2に着目した場合、配線長の長いセグメント電極SEG2は第1セグメント電極101にあたり、配線長が短いセグメント電極SEG1は第2セグメント電極102にあたる。そして、配線長が長く、寄生容量等の影響を大きく受ける第1セグメント電極101に出力される第1セグメント駆動信号S1の出力波形は図6の下段の(b)に示すような波形になる。また配線長が短く、寄生容量等の影響の少ない第2セグメント電極102に出力される第2セグメント駆動信号S2の波形は、同図の中段の(a)に示すような波形になる。
【0029】
そして、図6の中段、下段に示す正極性期間TPの始まりで波形のなまりが生じると、その分だけ、正極性期間TPにおける実効的な電圧が低下することになる。負極性期間TNでも同様に、波形の立下りになまりが生じた分だけ実効的な電圧が低下することになる。図6の(a)に示す配線長が短い又は配線幅の太い第2セグメント電極102の場合と同図の(b)に示す配線長が長い又は細い第1セグメント電極101の場合では、各々の波形のなまりによる遅延幅Δa、Δbに応じて、各セグメント電極101、102にかかる実効的な電圧は理想的な出力波形の場合よりも低下する。特に、図6の(b)に示す配線長が長い又は細い第1セグメント電極101の場合には、正極性期間TPの立ち上がりと負極性期間TNの立ち下がりにかかる遅延幅Δbが大きいため、各セグメント電極101、102にかかる実効的な電圧の低下がより顕著になる。
【0030】
そこで、このような寄生容量等によって各セグメント電極101、102にかかる実効電圧が低下する問題に対して、図3図4で説明した第1パルス幅信号群GS1及び第2パルス幅信号群GS2の各パルス幅信号のパルス幅を異ならせることで、実効電圧の低下分を補正することができる。即ち、配線長が短い又は配線幅の太いアイコンに対応する第2パルス幅信号群GS2の各パルス幅をΔだけ短くすることで、配線長が長い又は配線幅の細いアイコンで発生する出力電圧の実効値の顕著な低下と均衡するようにすることができる。
【0031】
即ち、本実施形態では、第2パルス幅信号群GS2は、第1パルス幅信号群GS1よりも、階調レベルに対するパルス幅が短い信号群である。
【0032】
第1パルス幅信号群GS1では、配線抵抗や寄生容量によって出力波形のなまりが顕著に現れ、第1セグメント電極101に印加される実効電圧の減少量は大きくなる。しかし、本実施形態では、第2パルス幅信号群GS2の各パルス幅信号のパルス幅は、第1パルス幅信号群GS1の各パルス幅信号のパルス幅よりも短く設定されているため、第1セグメント電極101に印加される実効電圧の減少量と均衡させることができる。従って、液晶パネル100の各アイコンの階調濃度を均一にすることができる。なお、各パルス幅信号は、後述の図9で説明するレジスター部42に記憶される第1階調濃度設定データ、第2階調濃度設定データに基づいて、第1パルス幅信号群GS1、第2パルス幅信号群GS2の中から選択されるようになっている。
【0033】
特許文献1等に開示されるドライバーにおいては、階調表示機能において階調設定はアイコン等の階調レベルを調整するために使用されている。そして、階調濃度の調整は可能であるが、同時に表示できる階調レベルに制限があり、輝度に差があるアイコン同士について、輝度を均一にするという用途は想定されていなかった。またドライバーの階調設定については、ドライバーの出力はPWM波形の出力が可能であり、PWM幅の設定がコマンド入力などにより調整可能になっている。しかし、同時に出力設定可能な階調レベルは、例えば4レベルに限られている。この点、本実施形態では、同時に16レベル、或いはそれ以上の階調レベルが出力設定可能になる。階調表示の機能については、上述した通り、特許文献1等に開示されるドライバーでは、専らアイコンの階調表示として用いられており、アイコンの輝度を均一する用途は想定しておらず、階調レベルの微調整を行うことはできなかった。しかし、本実施形態では、アイコンの輝度を均一にするために、微調整可能な階調表示機能が使用できる。輝度を均一にするための基準となる特定のアイコンの階調レベルをRAMデータにより設定し、例えばコマンドで設定される階調濃度に対して、輝度の異なっているアイコン間の階調濃度を調整して、基準となるアイコンの輝度と同一になるように設定する。
【0034】
例えば、10インチサイズ以上の大型液晶パネルでは、ドライバーと液晶パネルのアイコンを接続する配線長がアイコンの配置位置によって異なり、寄生の配線抵抗、配線容量が異なる。またアイコンの大きさによって、電極の容量成分も異なる。これらの寄生RC成分によって、ドライバー10の出力信号の波形になまりが出てしまい、駆動電圧の実効値に差が発生する。液晶パネル100上の各アイコンの輝度が変わってしまう。しかし、本実施形態によれば、各セグメント電極101、102にかかる電圧の実効値に差があり、アイコンの輝度が不均一になった場合に、ドライバー10に実装されているの微調整可能な階調濃度設定で、各アイコンの輝度を調整して、アイコンの輝度を均一にすることが可能になる。
【0035】
以上のように本実施形態のドライバー10は、スタティック駆動方式の液晶パネルを駆動するドライバーであって、第1端子T1と第2端子T2と制御回路40と第1駆動回路51と第2駆動回路52と、を含む。第1端子T1は、液晶パネルの第1セグメント電極101に対して第1配線L1によって接続される。第2端子T2は、液晶パネルの第2セグメント電極102に対して、第1配線L1とは配線長又は配線幅が異なる第2配線L2によって接続される。制御回路40は、第1パルス幅信号群GS1と第2パルス幅信号群GS2とを出力する。第1パルス幅信号群GS1は、複数の階調レベルに対応した複数のパルス幅信号を含む。第2パルス幅信号群GS2は、複数の階調レベルに対応した複数のパルス幅信号を含み、且つ、第1パルス幅信号群GS1とは階調レベルとパルス幅の対応が異なる信号を出力する。第1駆動回路51は、階調データに応じて第1パルス幅信号群GS1から選択したパルス幅信号に基づいて、第1端子T1に第1セグメント駆動信号S1を出力する。第2駆動回路52は、階調データに応じて第2パルス幅信号群GS2から選択したパルス幅信号に基づいて、第2端子T2に第2セグメント駆動信号S2を出力する。
【0036】
このようにすれば、液晶パネル100の第1セグメント電極101については、階調データDAと第1パルス幅信号群GS1とに基づき生成された第1セグメント駆動信号S1により駆動されるようになる。また液晶パネル100の第2セグメント電極102については、階調データDAと第2パルス幅信号群GS2とに基づき生成された第2セグメント駆動信号S2により駆動されるようになる。また図3図4において説明したように、第1パルス幅信号群GS1と第2パルス幅信号群GS2は、階調データDAにより設定される階調レベルと各パルス幅信号のパルス幅との対応が異なるパルス幅信号群になっている。従って、同じ階調データDAであっても、第1駆動回路51が駆動する第1セグメント電極101と、第2駆動回路52が駆動する第2セグメント電極102とで、PWM駆動におけるパルス幅を異ならせることが可能になる。そして、配線長又は配線幅が異なり、端子からセグメント電極までの配線負荷の異なる第1セグメント電極101、第2セグメント電極102について、各配線負荷に応じたパルス幅のセグメント駆動信号S1、S2を設定できる。従って、所定の階調濃度で表示しようとする各セグメント電極が、各々の配線負荷により所定の階調濃度とは異なる階調濃度で表示されることがないように、適切なパルス幅を設定できる。よって、第1セグメント電極101と第2セグメント電極102を所定の階調濃度で表示することが可能になる。
【0037】
なお、同一の配線長、配線幅であっても、他の配線とより多く隣接して配置されることで、配線間の寄生容量は大きくなる。本実施形態による階調濃度を均一化する手法は、このような原因による配線容量の増加に伴う実効電圧の低下に対しても用いることができる。
【0038】
図7図8は、各セグメント電極101、102の間の階調濃度の均一化を図る手法について説明する図である。具体的には、図4で説明したように、寄生容量等の影響が大きく、出力波形のなまりが顕著に現れる第1セグメント電極101に対して、出力波形のなまりが比較的少ない第2セグメント電極102への入力波形のパルス幅をどの程度、短くすればよいかについて説明している。
【0039】
図7は、液晶パネル100の各セグメント電極101、102に送られる入力信号にあたる各パルス幅信号群GS1、GS2の設定を示している。図4で第2パルス幅信号群GS2の各パルス幅を、第1パルス幅信号群GS1の各パルス幅よりも短くすることで、液晶パネル100のアイコン間で発生する階調濃度を均一にできることについて説明したが、各パルス幅の短縮幅は、例えば図7に示すような設定から選ぶことができる。図7には入力波形の階調濃度の設定として、階調濃度設定0~5の6種類の入力波形が示されている。階調濃度設定0の入力波形は短縮幅が0であり、パルス幅はデューティー比100%になっている。階調濃度設定1~5の波形は、各々、短縮幅がΔ1、Δ2、Δ3、Δ4、Δ5になっている。図7に示すように、例えば階調濃度設定1では、デューティー比100%の階調濃度設定0の入力波形からΔ1だけ正極性期間TPと負極性期間TNのパルス幅が短くなっている。階調濃度設定2~5については、短縮幅がΔ2、Δ3、・・・の順に大きくなっていくため、入力波形の実効的な電圧は階調濃度設定2、3、・・・の順に低くなっていく。
【0040】
図8は、各セグメント電極101、102で生じている寄生容量等による出力波形のなまりに対して、入力波形をどのような設定にすればよいかを説明する図である。図8に示す例では、上図に示す出力波形は、第1セグメント電極101での出力波形であり、図6の(b)に示すような大きな波形のなまりが現れている。そして、図8の下図に示す出力波形は、図6の(a)に示すような波形のなまりの比較的少ない第2セグメント電極102に、図7の階調濃度設定2を適用した場合の出力波形である。
【0041】
図6の(b)で説明したように、図8の上図に示す第1セグメント電極101での波形のなまりは、遅延幅がΔbと大きくなっている。一方、図8の下図に示す第2セグメント電極102での入力波形の短縮幅はΔ2になっている。図8に示す例では、第2セグメント電極102での入力波形の短縮幅は、図8の上図に示す第1セグメント電極101での遅延幅Δbよりも小さいΔ2が選択されている。
【0042】
ここで、図8の上図に示す第1セグメント電極101の出力波形と、図8の下図に示す第2セグメント電極102の出力波形のそれぞれの実効電圧について考える。上図に示す第1セグメント電極101の出力波形において、A1で示す領域の面積が第1セグメント電極101における実効電圧に相当する。そして、B1で示す領域の面積が、図6の上段に示す理想的な出力波形からどの程度減少したかに相当する。また、下図に示す第2セグメント電極102の出力波形においては、A2で示す領域の面積が第2セグメント電極102における実効電圧に相当する。そして、B2で示す領域の面積が、図6の上段に示す理想的な出力波形からどの程度減少したかに相当する。
【0043】
そして、第1セグメント電極101で、図6の遅延幅Δbに相当する大きな実効電圧の低下が現れている場合には、第2セグメント電極102の入力波形について階調濃度設定2を選択することで、各セグメント電極101、102の実効電圧を等しくすることができる。具体的には、第2セグメント電極102の入力波形として階調濃度設定2を選択することで、図8の上図の第1セグメント電極101における実効電圧の減少量に対応するB1で示す領域と同図の下図に示す第2セグメント電極102における実効電圧の減少量に対応するB2で示す領域の面積を等しくすることができる。従って、各セグメント電極101、102に印加される実効電圧に対応するA1、A2で示す領域の面積を等しくすることができる。
【0044】
また本実施形態では、第1階調濃度設定データと、第2階調濃度設定データは、各階調における液晶パネル100の画素への実効電圧が同じになるように、階調レベルとパルス幅の対応が設定されている。
【0045】
各セグメント電極101、102を同じ階調濃度で表示したい場合に、寄生容量等によって各電極に印加される実効電圧に違いが生じ、異なる階調濃度で表示されてしまうおそれがある。しかし、このようにすれば、各セグメント電極101、102に印加される実効電圧が同じになるように、入力波形が設定されるため、各セグメント電極101、102に繋がる配線の形状等に違いがあっても、同じ実効電圧を印加させることができ、各アイコンの階調濃度を均一にすることができる。
【0046】
即ち、本実施形態では、第1配線L1は、第2配線L2より配線長が長い又は配線幅が細く、第2階調濃度設定データは、第1階調濃度設定データを基準に、各階調におけるパルス幅が短くなるように、階調レベルとパルス幅の対応が設定されている。
【0047】
このようにすれば、寄生容量等により出力波形における実効電圧の低下が顕著に現れる第1セグメント電極101での階調濃度に合わせるように、第2セグメント電極102への入力波形を各階調濃度設定1~5の中から選択することができる。従って、第1セグメント電極101の出力波形と第2セグメント電極102の出力波形のそれぞれにおける実効電圧の減少量を均衡させることができ、各アイコンの階調濃度を精度良く均一化できる。
【0048】
2.詳細な構成例
図9に本実施形態のドライバー10の詳細な構成例を示す。図9では、ドライバー10は、図1の制御回路40、第1駆動回路51、第2駆動回路52に加えて、インターフェース回路20、データ記憶回路30、発振回路32、コモン駆動回路90が設けられている。
【0049】
インターフェース回路20は、外部の処理装置210とのインターフェースとなる回路であり、処理装置210とドライバー10の間の通信処理を行う。例えばインターフェース回路20は、処理装置210からのコマンドや、階調データ、階調濃度設定データ等の各種のデータを受信する。階調データは、階調レベルを設定するデータであり、表示データとも呼ばれる。インターフェース回路20は、例えばI2C(Inter Integrated Circuit)方式、又はSPI(Serial Peripheral Interface)方式等のシリアルインターフェース回路により実現できる。
【0050】
即ち、本実施形態のドライバー10は、第1階調濃度設定データと第2階調濃度設定データを受信するインターフェース回路20を含む。
【0051】
このようにすれば、ドライバー10と外部の処理装置210の情報の送受信が可能になり、外部の処理装置210から液晶パネル100の各アイコンの階調濃度を制御することが可能になる。
【0052】
処理装置210は、例えばドライバー10のホスト装置であり、例えばプロセッサー又は表示コントローラーにより実現される。プロセッサーはCPU又はマイクロコンピューター等である。なお処理装置210は複数の回路部品により構成された回路装置であってもよい。例えば車載電子機器においては、処理装置210はECU(Electronic Control Unit)であってもよい。
【0053】
データ記憶回路30は、階調データなどを記憶する回路であり、例えばRAM等のメモリーにより実現できる。データ記憶回路30は、液晶パネル100の各セグメント電極における階調を設定する階調データを記憶する。この階調データは例えば処理装置210からインターフェース回路20を介して受信されて、データ記憶回路30に記憶される。
【0054】
発振回路32は発振信号を生成し、発振信号に基づくクロック信号を出力する。制御回路40などのドライバー10の各回路は、このクロック信号に基づき動作する。
【0055】
制御回路40はレジスター部42を有する。レジスター部42は、例えばフリップフロップ回路等により実現される。そしてレジスター部42は、各階調レベルに対応する階調濃度設定データを記憶する。
【0056】
コモン駆動回路90は、コモン駆動信号CMを出力して、液晶パネル100のコモン電極を駆動する。例えばドライバー10はコモン駆動信号CMが出力される端子を有し、この端子を介してコモン駆動信号CMが液晶パネル100のコモン電極に出力される。コモン駆動信号CMは、例えば1フレームごとに極性反転される信号である。
【0057】
第1駆動回路51は、データラッチ61、第1選択回路71、出力回路81を含む。第2駆動回路52は、データラッチ62、第2選択回路72、出力回路82を含む。データラッチ61、62は、各々、第1データラッチ、第2データラッチであり、出力回路81、82は、各々、第1出力回路、第2出力回路である。
【0058】
データラッチ61、62は、データ記憶回路30からの階調データDAをラッチする。例えばデータラッチ61、62は、制御回路40からのラッチ信号に基づいて階調データDAをラッチする。
【0059】
第1選択回路71は、第1パルス幅信号群GS1から、データラッチ61にラッチされた階調データDAの階調レベルに応じたパルス幅信号を選択する。そして出力回路81は、選択されたパルス幅信号のバッファリング等を行って、PWM駆動用のセグメント駆動信号を、第1セグメント電極101に出力する。第2選択回路72は、第2パルス幅信号群GS2から、データラッチ62にラッチされた階調データDAの階調レベルに応じたパルス幅信号を選択する。そして出力回路82は、選択されたパルス幅信号のバッファリング等を行って、PWM駆動用のセグメント駆動信号を、第2セグメント電極102に出力する。
【0060】
即ち、本実施形態では、第1駆動回路51は、第1パルス幅信号群GS1が入力され、第1パルス幅信号群GS1から階調データに応じたパルス幅信号を選択する第1選択回路71を含む。第2駆動回路52は、第2パルス幅信号群GS2が入力され、第2パルス幅信号群GS2から階調データに応じたパルス幅信号を選択する第2選択回路72を含む。
【0061】
このようにすれば、第1駆動回路51、第2駆動回路52のそれぞれにおいて、階調データに基づいてパルス幅信号を選択できるようになる。
【0062】
図10に第1駆動回路51、第2駆動回路52の具体的な構成例を示す。なお以下では第1駆動回路51、第2駆動回路52を適宜、駆動回路50と総称する。またデータラッチ61、62、第1選択回路71、第2選択回路72、出力回路81、82も、適宜、データラッチ60、選択回路70、出力回路80と総称する。また第1パルス幅信号群GS1、第2パルス幅信号群GS2をパルス幅信号群GSと、第1セグメント駆動信号S1、第2セグメント駆動信号S2をセグメント駆動信号Sと、適宜、総称して記載する。
【0063】
データラッチ60はラインラッチ回路である。データラッチ60は、ラッチ信号LATに基づいて、RAM等であるデータ記憶回路30からの階調データDAをラッチする。階調データDAは後述の図12を例にとれば4ビットのデータであり、これにより16レベルの階調レベルの表現が可能になる。この場合に、データラッチ60は各セグメント電極の階調表示のための階調データDAをラッチする。
【0064】
選択回路70は、データラッチ60にラッチされた階調データDAに基づいて、パルス幅信号群GS[15:0]の中から、階調データDAに対応するパルス幅信号を選択する。そして選択回路70は、選択したパルス幅信号を出力回路80に出力する。そして出力回路80は、選択回路70からのパルス幅信号のバッファリング等を行って、セグメント駆動信号Sを出力する。
【0065】
図11に出力回路80の構成例を示す。出力回路80は極性反転回路84、レベルシフター85、出力ドライバー86を含む。なお、以下においては適宜、第1端子T1、第2端子を端子Tと総称して記載する。出力回路80の極性反転回路84は、選択回路70が階調データDAに応じてパルス幅信号群GS[15:0]の中から選択したパルス幅信号PWが入力されて、後述の図13で説明するようなパルス幅信号の極性反転を行う。レベルシフター85は、極性反転後のパルス幅信号の電圧のレベルシフトを行う。出力ドライバー86は、レベルシフト後のパルス幅信号をバッファリングして、セグメント駆動信号Sとして端子Tに出力する。
【0066】
図12は階調データDAと階調レベルの関係を示す説明図である。図12では階調データが4ビットであるため、階調データにより16レベルの階調レベルを表現できる。なお階調データのビット数は4ビットに限定されず、3ビット以下や5ビット以上でもよく、階調レベルの数も16レベルには限定されない。
【0067】
即ち、本実施形態のドライバー10は、レジスター部42を含む。レジスター部42は、第1階調濃度設定データと第2階調濃度設定データと、を記憶する。第1階調濃度設定データは、第1パルス幅信号群GS1における階調レベルとパルス幅との対応を設定する。第2階調濃度設定データは、第2パルス幅信号群GS2における階調レベルとパルス幅との対応を設定する。制御回路40は、レジスター部42に記憶される第1階調濃度設定データに基づいて第1パルス幅信号群GS1を出力し、レジスター部に記憶される第2階調濃度設定データに基づいて第2パルス幅信号群GS2を出力する。
【0068】
このようにすれば、各セグメント電極101、102の階調濃度の調整を行うための設定データを、第1階調濃度設定データ、第2階調濃度設定データとしてレジスター部42に格納し、これに基づいて第1駆動回路51、第2駆動回路52の制御を行うことができる。
【0069】
図13は、セグメント駆動信号SE、コモン駆動信号CM、液晶の駆動信号VLCの波形例である。液晶の駆動信号VLCは上記において説明してきた第1セグメント駆動信号S1、第2セグメント駆動信号S2に対応する信号である。正極性期間TPでは、正極性のセグメント駆動信号SEが出力され、負極性期間TNでは、負極性のセグメント駆動信号SEが出力される。セグメント駆動信号SEの極性反転は、図11の極性反転回路84により行われる。また正極性期間TPでは、負極性のコモン駆動信号CMが出力され、負極性期間TNでは、正極性のコモン駆動信号CMが出力される。そして、コモン駆動信号CMのコモンドライバー出力電圧VCOMと、セグメント駆動信号SEのセグメントドライバー出力電圧VSEGとの差分である電圧VCOM-VSEGが各セグメント電極に印加されるようになっている。これにより液晶パネル100のセグメント電極における液晶に対しては、図13に示すようにフレームごとに極性反転されたセグメント駆動信号SEの電圧が印加され、焼き付き等が防止される。なお、図6図8等での説明に用いた信号波形は、図13に示す駆動信号VLCにおいて、デューティー比を100%にした場合の波形に対応する。
【0070】
図14は第1パルス幅信号群GS1に対する階調濃度設定の説明図であり、図15は第2パルス幅信号群GS2に対する階調濃度の設定の説明図である。図14では、パラメーターP10~P17により、第1パルス幅信号群GS1の階調レベル1に対する階調濃度が設定される。即ち図3のGS1[1]のパルス幅信号のパルス幅W11が設定される。またパラメーターP20~P27により、第1パルス幅信号群GS1の階調レベル2に対する階調濃度が設定される。即ち、図3のGS1[2]のパルス幅信号のパルス幅W12が設定される。他の階調レベル3~15についても、パラメーターP30~P157により設定される。そして、図9の処理装置210が、第1パルス幅信号群GS1の階調濃度を設定するコマンドによりパラメーターP10~P157を設定することで、レジスター部42に対して、第1パルス幅信号群GS1に対する階調濃度設定データが書き込まれることになる。
【0071】
図15は、第2パルス幅信号群GS2に対する階調濃度設定の説明図であり、各パラメーターの役割は、図14で説明した内容と同様になっている。例えば、パラメーターP10~P17により、第2パルス幅信号群GS2の階調レベル1に対する階調濃度が設定され、パルス幅W21が設定される。そして、他の階調レベル2~15についても、パラメーターP20~P157により同様に設定される。そして、図5の処理装置210が、第2パルス幅信号群GS2の階調濃度を設定するコマンドによりパラメーターP10~P157を設定することで、レジスター部42に対して、第2パルス幅信号群GS2に対する階調濃度設定データが書き込まれる。
【0072】
図16は階調レベルに対する階調濃度の設定の具体例である。図16には階調レベル1に対する階調濃度の設定の一例が示されている。階調濃度は、例えば各階調レベルに対してどれだけのパルス幅のパルス幅信号を設定するかを指定する情報であり、例えばPWM駆動におけるパルス幅信号のデューティー比を設定する情報である。図16では、最大階調レベルの階調濃度を100%としたときの階調レベル1の階調濃度の設定例が示されている。図16を例にとれば、最大階調レベルである階調レベル15のGS1[15]のパルス幅を100%とした場合に、図16の階調濃度により、GS1[15]のパルス幅に対する、階調レベル1のGS1[1]のパルス幅W11のパーセンテージが設定される。例えば図16に示すように(P13、P12、P11、P10)=(0、0、0、0)に設定されると、GS[1]のパルス幅W11は、GS1[15]の100%のパルス幅に対して、1.1%に設定される。(P13、P12、P11、P10)=(0、0、0、1)に設定されると、GS[1]のパルス幅W11は2.2%に設定される。このようにして図16の階調濃度の設定では、GS[1]のパルス幅W11を、1.1%、2.2%、3.3%・・・・18.9%というように、例えば1.1%の刻みで所望のパルス幅に設定できる。このようにして、他の階調レベルに対するパルス幅の設定である階調濃度も設定できるようになる。そして図4の第2パルス幅信号群GS2に対しても、図3の第1パルス幅信号群GS1とは別個に、各階調レベルに対するパルス幅の設定である階調濃度を設定できる。なお図16のような細かい刻みのパルス幅信号は、制御回路40が、高い周波数のクロック信号に基づき動作するカウンターのカウント処理等により生成できる。
【0073】
図17図18は本実施形態の電気光学装置200の構成例を示す図である。図17では、セグメントタイプの液晶パネル100の背面側にバックライト120が設けられている。バックライト120はエッジライト型であってもよいし、直下型であってもよい。図17の電気光学装置200によれば、通常のセグメント画像の階調表示が可能になる。この電気光学装置200は車やバイクなどのクラスターメーターなどとして利用できる。
【0074】
図18では、TFTタイプの液晶パネル130の背面側にセグメントタイプの液晶パネル100が配置される。或いはTFTタイプの液晶パネル130の前面側にセグメントタイプの液晶パネル100が配置してもよい。バックライト120には、例えば格子状にLED等の複数の発光素子が配置されている。そしてバックライト120の光の透過光量を制御して、TFTタイプの液晶パネル130の表示の表示品質等を調整する。
【0075】
以上に説明したように本実施形態のドライバーは、スタティック駆動方式の液晶パネルを駆動するドライバーであって、第1端子と第2端子と制御回路と第1駆動回路と第2駆動回路と、を含む。第1端子は、液晶パネルの第1セグメント電極に対して第1配線によって接続される。第2端子は、液晶パネルの第2セグメント電極に対して、第1配線とは配線長又は配線幅が異なる第2配線によって接続される。制御回路は、第1パルス幅信号群と第2パルス幅信号群とを出力する。第1パルス幅信号群は、複数の階調レベルに対応した複数のパルス幅信号を含む。第2パルス幅信号群は、複数の階調レベルに対応した複数のパルス幅信号を含み且つ第1パルス幅信号群とは階調レベルとパルス幅の対応が異なる。第1駆動回路は、階調データに応じて第1パルス幅信号群から選択したパルス幅信号に基づいて、第1端子に第1セグメント駆動信号を出力する。第2駆動回路は、階調データに応じて第2パルス幅信号群から選択したパルス幅信号に基づいて、第2端子に第2セグメント駆動信号を出力する。
【0076】
本実施形態によれば、液晶パネルの第1セグメント電極については、階調データと第1パルス幅信号群とに基づき生成された第1セグメント駆動信号により駆動されるようになる。また液晶パネルの第2セグメント電極については、階調データと第2パルス幅信号群とに基づき生成された第2セグメント駆動信号により駆動されるようになる。また同じ階調データについて、第1セグメント電極と第2セグメント電極とで、PWM駆動におけるパルス幅を異ならせることが可能になる。従って、配線長又は配線幅が異なる第1セグメント電極と第2セグメント電極について、配線長又は配線幅の違いによる実効電圧の差が生じないようにセグメント駆動信号のパルス幅を設定できる。よって、液晶パネル上の各アイコンの階調濃度を均一に調整することができる。
【0077】
本実施形態のドライバーは、レジスター部を含む。レジスター部は、第1階調濃度設定データと第2階調濃度設定データと、を記憶する。第1階調濃度設定データは、第1パルス幅信号群における階調レベルとパルス幅との対応を設定する。第2階調濃度設定データは、第2パルス幅信号群における階調レベルとパルス幅との対応を設定する。制御回路は、レジスター部に記憶される第1階調濃度設定データに基づいて第1パルス幅信号群を出力し、レジスター部に記憶される第2階調濃度設定データに基づいて第2パルス幅信号群を出力する。
【0078】
このようにすれば、各セグメント電極の階調濃度の調整を行うための設定データを、第1階調濃度設定データ、第2階調濃度設定データとしてレジスター部に格納し、これに基づいて第1駆動回路、第2駆動回路の制御を行うことができる。
【0079】
また本実施形態では、第1階調濃度設定データと、第2階調濃度設定データは、各階調における液晶パネルの画素への実効電圧が同じになるように、階調レベルとパルス幅の対応が設定されている。
【0080】
このようにすれば、各セグメント電極に印加される実効電圧が同じになるように、入力波形が設定されるため、各セグメント電極に繋がる配線の配線長又は配線幅等に違いがあっても、同じ実効電圧を印加させることができ、各アイコンの階調濃度を均一にすることができる。
【0081】
また本実施形態では、第1配線は、第2配線より配線長が長い又は配線幅が細く、第2階調濃度設定データは、第1階調濃度設定データを基準に、各階調におけるパルス幅が短くなるように、階調レベルとパルス幅の対応が設定されている。
【0082】
このようにすれば、第1セグメント電極の短縮幅を第2セグメント電極での遅延幅よりも小さくすることで、第1セグメント電極の出力波形と第2セグメント電極の出力波形のそれぞれにおける実効電圧の減少量を均衡させることができる。従って、各アイコンの階調濃度を精度良く均一化できる。
【0083】
また本実施形態では、第2パルス幅信号群は、第1パルス幅信号群よりも、階調レベルに対するパルス幅が短い信号群である。
【0084】
このようにすれば、第2セグメント電極に印加される実効電圧を、第1セグメント電極での大きく減少した実効電圧と同程度になるように調整できる。従って、第1セグメント電極に印加される実効電圧と第2セグメント電極に印加される実効電圧とを均衡させることができ、液晶パネルの各アイコンの階調濃度を均一にすることができる。
【0085】
また本実施形態のドライバーは、第1階調濃度設定データと第2階調濃度設定データを受信するインターフェース回路を含む。
【0086】
このようにすれば、ドライバーと外部の処理装置の情報の送受信が可能になり、外部の処理装置から液晶パネルの各アイコンの階調濃度を制御することが可能になる。
【0087】
また本実施形態では、第1駆動回路は、第1パルス幅信号群が入力され、第1パルス幅信号群から階調データに応じたパルス幅信号を選択する第1選択回路を含む。第2駆動回路は、第2パルス幅信号群が入力され、第2パルス幅信号群から階調データに応じたパルス幅信号を選択する第2選択回路を含む。
【0088】
このようにすれば、第1駆動回路、第2駆動回路のそれぞれにおいて、階調データに基づいてパルス幅信号を選択できるようになる。
【0089】
また本実施形態は、上記に記載のドライバーと、液晶パネルと、液晶パネルのバックライトと、を含んでもよい。
【0090】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本開示の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本開示の範囲に含まれる。またドライバー及び電気光学装置の構成・動作等も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0091】
10…ドライバー、20…インターフェース回路、30…データ記憶回路、32…発振回路、40…制御回路、42…レジスター部、50…駆動回路、51…第1駆動回路、52…第2駆動回路、60…データラッチ、61…データラッチ、62…データラッチ、70…選択回路、71…第1選択回路、72…第2選択回路、80…出力回路、81…出力回路、82…出力回路、84…極性反転回路、85…レベルシフター、86…出力ドライバー、90…コモン駆動回路、100…液晶パネル、101…第1セグメント電極、102…第2セグメント電極、120…バックライト、130…液晶パネル、200…電気光学装置、210…処理装置、CM…コモン駆動信号、DA…階調データ、GS1…第1パルス幅信号群、GS2…第2パルス幅信号群、L1…第1配線、L2…第2配線、LAT…ラッチ信号、S…セグメント駆動信号、S1…第1セグメント駆動信号、S2…第2セグメント駆動信号、SE…セグメント駆動信号、T1…第1端子、T2…第2端子、T…端子、TN…負極性期間、TP…正極性期間、VCOM…コモンドライバー出力電圧、VLC…駆動信号、VSEG…セグメントドライバー出力電圧、W11、W12…パルス幅、W21、W22…パルス幅、Δ1~Δ5…短縮幅、Δa…遅延幅、Δb…遅延幅
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