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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018243
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】音声再生装置及び音声再生LSI
(51)【国際特許分類】
   H04R 3/00 20060101AFI20240201BHJP
   H04R 3/04 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
H04R3/00 310
H04R3/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121445
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】320012037
【氏名又は名称】ラピステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】細川 洋和
【テーマコード(参考)】
5D220
【Fターム(参考)】
5D220AA31
5D220AB01
5D220AB08
(57)【要約】
【課題】音声再生中に複数チャネルの音声のピッチやボリュームを円滑に調整することが可能な音声再生装置を提供する。
【解決手段】複数のチャネルで同時に音声を再生可能な音声再生装置であって、(n+1)個のチャネル(nは、自然数)の各々で音声を再生する再生制御部と、(n+1)個のチャネルの各々に対応して設けられ、各チャネルにおいて再生される音声の再生制御に関する設定値である再生設定値を格納する(n+1)個の再生設定値レジスタと、(n+1)個の再生設定値レジスタに共有され、かつ外部から再生設定値が供給される第1の共通ラインと、(n+1)個の再生設定値レジスタに共有され、第1の共通ラインを介して再生設定値の供給を受けた再生設定レジスタに当該再生設定値を格納せしめる共通書き込み信号が供給される第2の共通ラインと、第2の共通ラインに供給された共通書き込み信号を再生設定値レジスタの1また複数について選択的に遮断可能な連動設定部と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のチャネルで同時に音声を再生可能な音声再生装置であって、
(n+1)個のチャネル(nは、自然数)の各々で音声を再生する再生制御部と、
前記(n+1)個のチャネルの各々に対応して設けられ、各チャネルにおいて再生される音声の再生制御に関する設定値である再生設定値を格納する(n+1)個の再生設定値レジスタと、
前記(n+1)個の再生設定値レジスタに共有され、かつ外部から前記再生設定値が供給される第1の共通ラインと、
前記(n+1)個の再生設定値レジスタに共有され、前記第1の共通ラインを介して前記再生設定値の供給を受けた前記再生設定値レジスタに当該再生設定値を格納せしめる共通書き込み信号が供給される第2の共通ラインと、
前記第2の共通ラインに供給された前記共通書き込み信号を前記再生設定値レジスタの1また複数について選択的に遮断可能な連動設定部と、
を有することを特徴とする音声再生装置。
【請求項2】
前記連動設定部は、前記共通書き込み信号を遮断する前記再生設定値レジスタの選択態様を示す選択設定値を格納する選択設定レジスタと、前記選択設定値に応じて選択される前記再生設定値レジスタに向けて供給される前記共通書き込み信号を遮断する遮断部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の音声再生装置。
【請求項3】
前記(n+1)個の再生設定値レジスタは、第1のチャネルに対応して設けられた第1の再生設定値レジスタと、第2~第(n+1)のチャネルの各々に対応して設けられた第2~第(n+1)の再生設定値レジスタと、から構成され、
前記第2~第(n+1)の再生設定値レジスタの各々に対応して設けられ、チャネル毎の固有の書き込み信号の供給を受ける第2~第(n+1)の個別信号ラインを有し、
前記遮断部は、前記第2~第(n+1)の再生設定値レジスタの各々に対応して設けられ、前記第2~第(n+1)の個別信号ラインの各々に供給された信号及び前記第2の共通ラインに供給された信号のいずれか一方を、前記選択設定値に基づいて選択的に前記第2~第(n+1)の再生設定値レジスタに供給する第2~第(n+1)のセレクタを含むことを特徴とする請求項2に記載の音声再生装置。
【請求項4】
前記(n+1)個の再生設定値レジスタの各々は、書込みデータとしての前記再生設定値の供給を受けるデータ入力部と、前記共通書き込み信号又は前記チャネル毎の固有の書き込み信号の供給を受ける信号入力部と、を有し、
前記第2~第(n+1)のセレクタの各々は、前記選択設定値に基づいて前記第2~第(n+1)の個別信号ライン及び前記第2の共通ラインのいずれか一方を選択的に前記信号入力部に接続することを特徴とする請求項3に記載の音声再生装置。
【請求項5】
前記再生設定値は、各チャネルにおいて再生される音声の周波数の設定値であるピッチ設定値を含み、
前記(n+1)個の再生設定値レジスタの各々は、前記ピッチ設定値を格納するピッチレジスタを含むことを特徴とする請求項4に記載の音声再生装置。
【請求項6】
前記再生設定値は、各チャネルにおいて再生される音声の音量の設定値であるボリューム設定値を含み、
前記(n+1)個の再生設定値レジスタの各々は、前記ボリューム設定値を格納するボリュームレジスタを含むことを特徴とする請求項4に記載の音声再生装置。
【請求項7】
前記第2の共通ラインは、前記第1の再生設定値レジスタに対する書き込み信号を前記共通書き込み信号として前記第2~第(n+1)の再生設定値レジスタに供給し、
前記選択設定レジスタは、前記第2~第(n+1)の再生設定値レジスタのすべてに対して前記共通書き込み信号の供給を行うか当該共通書き込み信号の供給を遮断するかを選択するための設定値を前記選択設定値として格納することを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1に記載の音声再生装置。
【請求項8】
前記選択設定レジスタは、前記(n+1)個の再生設定値レジスタの各々に対応して設けられたn個の設定レジスタを含み、
前記n個の設定レジスタの各々は、対応する再生設定値レジスタに前記共通書き込み信号を供給するか当該共通書き込み信号を遮断するかを選択するためのチャネル毎の設定値を前記選択設定値としてそれぞれ格納することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1に記載の音声再生装置。
【請求項9】
(n+1)個のチャネル(nは、自然数)の各々で音声を再生する再生制御部と、
前記(n+1)個のチャネルの各々に対応して設けられ、各チャネルにおいて再生される音声の再生制御に関する設定値である再生設定値を格納する(n+1)個の再生設定値レジスタと、
前記(n+1)個の再生設定値レジスタに共有され、かつ外部から前記再生設定値が供給される第1の共通ラインと、
前記(n+1)個の再生設定値レジスタに共有され、前記第1の共通ラインを介して前記再生設定値の供給を受けた前記再生設定値レジスタに当該再生設定値を格納せしめる共通書き込み信号が供給される第2の共通ラインと、
前記第2の共通ラインに供給された前記共通書き込み信号を前記再生設定値レジスタの1また複数について選択的に遮断可能な連動設定部と、
を有することを特徴とする音声再生LSI。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声再生装置及び音声再生LSIに関する。
【背景技術】
【0002】
電動モータで走行を行う電気自動車や電気ハイブリッド車として、エンジン車と比べて低速走行時の騒音が極めて小さいことから、自車両の接近を車両外部に知らせる音(以下、車両接近音と称する)を発生する車両接近通報装置を搭載したものが製品化されている。車両接近通報装置は、車両が所定速度よりも低速で走行している際に、その走行速度に応じて当該車両接近音の音色を変化させる。
【0003】
このような車両接近通報装置として、予め車両の走行速度に対応付けして、互いに音色が異なる複数の音色生成用データが予め格納されているメモリを備えたものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
車両接近通報装置では、先ず、当該メモリから、車両の現在の走行速度に対応した合成音を表す音色生成用データ片を読み出す。そして、車両接近通報装置は、当該メモリから順次読み出された当該音色生成用データ片同士を連結したものをアナログの音声信号に変換し、これをスピーカによって車両外部に音響出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-207390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
車両接近通報装置のような車載用の音声再生装置では、車両のモータ音を出力するためのチャネルの他、アラームやナビゲーション音声等の他の音声を出力するためのチャネルが設けられ、複数の音声を同時に出力することが行われている。このような複数のチャネルを有する音声再生装置では、チャネル毎に設けられたピッチ調整のためのレジスタ及びボリューム調整のためのレジスタの設定値をそれぞれ変更することにより、各チャネルのピッチやボリュームの調整を行う。
【0007】
このような音声再生装置は、例えば音声を出力する音声LSI及び音声LSIを制御するホストマイコンからから構成されている。複数チャネルに対してピッチやボリュームの調整を行う場合、複数のレジスタの設定値が必要となる。したがって、ホストマイコン等の外部からシリアルインタフェースを介してこのような設定を行う場合、設定に時間がかかり、設定変更が反映されるタイミングに時間差が生じてしまうという問題があった。また、再生中に設定変更を行う場合にも音質に影響を与えないよう、ホストマイコンには高い処理能力が要求されるという問題があった。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、音声再生中に複数チャネルの音声のピッチやボリュームを円滑に調整することが可能な音声再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る音声再生装置は、複数のチャネルで同時に音声を再生可能な音声再生装置であって、(n+1)個のチャネル(nは、自然数)の各々で音声を再生する再生制御部と、前記(n+1)個のチャネルの各々に対応して設けられ、各チャネルにおいて再生される音声の再生制御に関する設定値である再生設定値を格納する(n+1)個の再生設定値レジスタと、前記(n+1)個の再生設定値レジスタに共有され、かつ外部から前記再生設定値が供給される第1の共通ラインと、前記(n+1)個の再生設定値レジスタに共有され、前記第1の共通ラインを介して前記再生設定値の供給を受けた前記再生設定レジスタに当該再生設定値を格納せしめる共通書き込み信号が供給される第2の共通ラインと、前記第2の共通ラインに供給された前記共通書き込み信号を前記再生設定値レジスタの1また複数について選択的に遮断可能な連動設定部と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る音声再生LSIは、(n+1)個のチャネル(nは、自然数)の各々で音声を再生する再生制御部と、前記(n+1)個のチャネルの各々に対応して設けられ、各チャネルにおいて再生される音声の再生制御に関する設定値である再生設定値を格納する(n+1)個の再生設定値レジスタと、前記(n+1)個の再生設定値レジスタに共有され、かつ外部から前記再生設定値が供給される第1の共通ラインと、前記(n+1)個の再生設定値レジスタに共有され、前記第1の共通ラインを介して前記再生設定値の供給を受けた前記再生設定レジスタに当該再生設定値を格納せしめる共通書き込み信号が供給される第2の共通ラインと、前記第2の共通ラインに供給された前記共通書き込み信号を前記再生設定値レジスタの1また複数について選択的に遮断可能な連動設定部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る音声再生装置によれば、音声再生中に複数チャネルの音声のピッチやボリュームを円滑に調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】車両接近通報システムの構成を示すブロック図である。
図2】音声再生装置の基本構成を示すブロック図である。
図3】実施例1の音声再生装置の内部構成を示すブロック図である。
図4】実施例2の音声再生装置の内部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下の各実施例における説明及び添付図面においては、実質的に同一または等価な部分には同一の参照符号を付している。
【実施例0014】
図1は、本発明に係る車両接近通報システム100の構成を示すブロック図である。車両接近通報システム100は、車両CAに搭載され、車両CAの走行速度(すなわち、車速)に応じた音声を出力することにより車両CAが接近していることを通報する音声出力システムである。
【0015】
車両接近通報システム100は、車速センサ11、MCU12、音声再生装置13、及びスピーカ14を有する。
【0016】
車速センサ11は、車両CAの走行速度を検知し、走行速度の情報を表す速度信号VSをMCU12に供給する。
【0017】
MCU(Micro Controller Unit)12は、音声再生装置13による音声再生動作を制御するホストマイコンである。MCU12は、速度信号VSに基づいて音声再生装置13を制御し、車両CAの走行速度に応じたピッチ及びボリュームの車両接近音を再生させる。
【0018】
音声再生装置13は、音声データの再生を行う再生装置であり、LSI(Large Scale Integration)として構成されている。音声再生装置13は、音声再生のための複数のチャネルを有しており、各チャネルで並行して音声を再生することにより、異なる音声を同時に再生することが可能に構成されている。本実施例では、音声再生装置13は、チャネル0~チャネルnまでの(n+1)個のチャネルを有する。
【0019】
チャネル0は、車両接近音の再生及び出力に用いるチャネルである。音声再生装置13は、MCU12の制御に応じて、車両CAの走行速度に応じた車両接近音信号ALを生成し、スピーカ14に供給する。
【0020】
チャネル1~チャネルnは、車両接近音以外の他の音声の再生及び出力に用いるチャネルである。音声再生装置13は、例えば車載用のナビゲーション装置に接続され、ナビゲーション装置から取得したナビゲーション音声やアラーム音を表す音声信号を他の音声信号として生成する。音声再生装置13は、生成した他の音声信号を車両CAの内部に設けられた内部スピーカ(図示を省略)に供給する。
【0021】
スピーカ14は、例えば車両CAのフロントバンパーに設置されており、車両接近音信号ALに基づく可聴音を車両接近音ASとして、車両CAの外部の空間に放出する。
【0022】
図2は、音声再生装置13の内部構成を示すブロック図である。
【0023】
音声再生装置13は、シリアルインタフェース21、チャネル設定部22、制御回路23、音声メモリ24、DAコンバータ25及びアンプ26を有する。
【0024】
シリアルインタフェース21は、MCU12から音声再生装置13へのデータ伝送に用いられるシリアル通信のインタフェースであり、例えばSPI(Serial Peripheral Interface)から構成されている。
【0025】
チャネル設定部22は、チャネル0~チャネルnまでの(n+1)個のチャネルの各々についての再生パラメータを設定する設定部である。再生パラメータの設定は、MCU12からシリアルインタフェース21を介したシリアル通信により行われる。本実施例では、各チャネルにおける再生音のピッチ(周波数)及びボリューム(音量)が再生パラメータとして設定される。
【0026】
制御回路23は、音声メモリ24から音声データを読み出し、読みだした音声データに基づいて音声を再生する。また、制御回路23は、図示せぬナビゲーション装置からナビゲーション音声及びアラーム音の音声データを取得し、取得した音声データに基づいて音声を再生する。
【0027】
音声メモリ24は、 音声メモリ27は、例えばNAND又はNOR型のフラッシュメモリ、又はPROM (Programmable ROM) のような不揮発性の半導体メモリ、或いは、磁気記録式のハードディスク等の記憶媒体から構成されている。音声メモリ24には、車両CAの走行速度に応じた複数の音声データの系列(すなわち、シリアルの音声データ)が格納されている。
【0028】
DAコンバータ25は、デジタルデータの入力を受け、これをアナログデータに変換して出力するデジタルアナログ変換器である。DAコンバータ25は、制御回路23が再生した音声再生データのデジタル―アナログ変換を行い、アナログの音声再生信号を生成する。
【0029】
アンプ26は、DAコンバータ25により生成された音声再生信号を増幅し、車両接近音信号ALとして出力する。アンプ26から出力された車両接近音信号ALは、スピーカ14から車両接近音ASとして車両CAの外部に出力される。
【0030】
図3は、チャネル設定部22の内部構成を示すブロック図である。
【0031】
チャネル設定部22は、ピッチ設定レジスタ31-0~31-n、ボリューム設定レジスタ32-0~32-n、セレクタS1-1~S1-n、セレクタS2-1~S2-n、及び連動設定レジスタ33を有する(nは、自然数)。
【0032】
ピッチ設定レジスタ31-0は、チャネル0での音声再生における周波数の設定値であるピッチ設定値を格納するレジスタである。ピッチ設定値は、MCU12からシリアルインタフェース21を介して音声再生装置13に供給され、各チャネルに共通する書込みデータWDの供給ラインである第1共通ラインL1を通って、ピッチ設定レジスタ31-0に供給される。
【0033】
ピッチ設定レジスタ31-0は、書込みデータWDとしてのピッチ設定値の入力を受けるデータ入力端子Dと、ピッチ設定値の書き込み(すなわち、レジスタへの格納)を指示する書き込み信号PWS-0の入力を受けるイネーブル端子Eと、を有する。データ入力端子Dは、第1共通ラインL1に接続されている。イネーブル端子Eは、各チャネルに共通の書き込み信号の供給ラインである第2共通ラインL2に接続されている。
【0034】
例えば、イネーブル端子Eに論理レベル1の書き込み信号PWS-0が入力されることにより、第1共通ラインL1を介して供給されたピッチ設定値(書込みデータWD)がデータ入力端子Dに入力され、ピッチ設定レジスタ31-0に格納される。
【0035】
ピッチ設定レジスタ31-1は、チャネル1での音声再生のついてのピッチ設定値を格納するレジスタである。
【0036】
ピッチ設定レジスタ31-1は、書込みデータWDとしてのピッチ設定値の入力を受けるデータ入力端子D及びピッチ設定値の書き込みを指示する書き込み信号の入力を受けるイネーブル端子Eを有する。データ入力端子Dは、第1共通ラインL1に接続されている。イネーブル端子Eは、セレクタS1-1の出力端に接続されている。
【0037】
セレクタS1-1は、入力端“0”に入力された信号及び入力端“1”に入力された信号のいずれか一方を選択的に出力端から出力するセレクタである。出力信号の切り替えは、連動設定レジスタ33に格納された連動設定値に基づいて行われる。
【0038】
本実施例では、セレクタS1-1の入力端“0”には、チャネル1に固有の書き込み信号である書き込み信号PWS-1が供給される。なお、書き込み信号PWS-1は、MCU12からシリアルインタフェース21を介して音声再生装置13に供給され、第2共通ラインL2とは別個に設けられたチャネル1に固有の書き込み信号供給ラインを通って、セレクタS1-1の入力端“0”に供給される。
【0039】
セレクタS1-1の入力端“1”は、第2共通ラインL2に接続されており、チャネル0の書き込み信号PWS―0が共通の書き込み信号として供給される。
【0040】
セレクタS1-1は、連動設定レジスタ33に格納された連動設定値に基づいて、出力端から出力する信号を切り替える。具体的には、連動設定値が“0”の場合には、入力端“0”に入力された信号、すなわちチャネル1に固有の書き込み信号である書き込み信号PWS-1を出力端から出力する。一方、連動設定値が“1”の場合、入力端“1”に入力された信号、すなわちチャネル0と共通の書き込み信号である書き込み信号PWS-0を出力端から出力する。
【0041】
ピッチ設定レジスタ31-2~31-nも、ピッチ設定レジスタ31-1と同様の構成を有する。すなわち、ピッチ設定レジスタ31-2~31-nは、チャネル2~nでの音声再生についてのピッチ設定値を格納するレジスタであり、データ入力端子D及びイネーブル端子Eを有する。ピッチ設定レジスタ31-2~31-nの各々のデータ入力端子Dは、第1共通ラインL1に接続されている。ピッチ設定レジスタ31-2~31-nの各々のイネーブル端子Eには、各々に対応して設けられたセレクタS1-2~S1-nの出力端にそれぞれ接続されている。
【0042】
セレクタS1-2~S1-nは、セレクタS1-1と同様に、連動設定レジスタ33に格納された連動設定値に応じて、入力端“0”に入力された信号及び入力端“1”に入力された信号のいずれか一方を出力端から選択的に出力するセレクタである。セレクタS1-2~S1-nの各々の入力端子“0”には、チャネル毎の固有の書き込み信号PWS-1~PWS-nが供給される。書き込み信号PWS-1~PWS-nは、チャネル毎にそれぞれ設けられた書き込み信号供給ラインを通って、セレクタS1-2~S1-nの入力端子“0”にそれぞれ供給される。
【0043】
セレクタS1-2~S1-nの入力端“1”は、第2共通ラインL2に接続されており、チャネル0の書き込み信号PWS―0が共通の書き込み信号として供給される。
【0044】
ボリューム設定レジスタ32-0は、チャネル0での音声再生における音量の設定値であるボリューム設定値を格納するレジスタである。ボリューム設定値は、MCU12からシリアルインタフェース21を介して音声再生装置13に供給され、各チャネルに共通する書込みデータWDの供給ラインである第1共通ラインL1を通って、ボリューム設定レジスタ32-0に供給される。
【0045】
ボリューム設定レジスタ32-0は、書込みデータWDとしてのボリューム設定値の入力を受けるデータ入力端子Dと、ボリューム設定値の書き込み(すなわち、レジスタへの格納)を指示する書き込み信号VWS-0の入力を受けるイネーブル端子Eと、を有する。データ入力端子Dは、第1共通ラインL1に接続されている。イネーブル端子Eは、各チャネルに共通の書き込み信号の供給ラインである第3共通ラインL3に接続されている。
【0046】
例えば、イネーブル端子Eに論理レベル1の書き込み信号VWS-0が入力されることにより、第1共通ラインL1を介して供給されたボリューム設定値(書込みデータWD)がデータ入力端子Dに入力され、ボリューム設定レジスタ32-0に格納される。
【0047】
ボリューム設定レジスタ32-1は、チャネル1での音声再生のついてのボリューム設定値を格納するレジスタである。
【0048】
ボリューム設定レジスタ32-1は、書込みデータWDとしてのボリューム設定値の入力を受けるデータ入力端子D及びボリューム設定値の書き込みを指示する書き込み信号の入力を受けるイネーブル端子Eを有する。データ入力端子Dは、第1共通ラインL1に接続されている。イネーブル端子Eは、セレクタS2-1の出力端に接続されている。
【0049】
セレクタS2-1は、入力端子“0”に入力された信号及び入力端子“1”に入力された信号のいずれか一方を選択的に出力するセレクタである。出力信号の切り替えは、連動設定レジスタ33に格納された連動設定値に基づいて行われる。
【0050】
本実施例では、セレクタS2-1の入力端“0”には、チャネル1に固有の書き込み信号である書き込み信号VWS-1が供給される。なお、書き込み信号VWS-1は、MCU12からシリアルインタフェース21を介して音声再生装置13に供給され、第3共通ラインL3とは別個に設けられたチャネル1に固有の書き込み信号供給ラインを通って、セレクタS2-1の入力端“0”に供給される。
【0051】
セレクタS2-1の入力端“1”は、第3共通ラインL3に接続されており、チャネル0の書き込み信号VWS―0が共通の書き込み信号として供給される。
【0052】
セレクタS2-1は、連動設定レジスタ33に格納された連動設定値に基づいて、出力端から出力する信号を切り替える。具体的には、連動設定値が“0”の場合には、入力端“0”に入力された信号、すなわちチャネル1に固有の書き込み信号である書き込み信号VWS-1を出力端から出力する。一方、連動設定値が“1”の場合、入力端“1”に入力された信号、すなわちチャネル0と共通の書き込み信号である書き込み信号VWS-0を出力端から出力する。
【0053】
ボリューム設定レジスタ32-2~32-nも、ボリューム設定レジスタ32-1と同様の構成を有する。すなわち、ボリューム設定レジスタ32-2~32-nは、チャネル2~nでの音声再生についてのボリューム設定値を格納するレジスタであり、データ入力端子D及びイネーブル端子Eを有する。ボリューム設定レジスタ32-2~32-nの各々のデータ入力端子Dは、第1共通ラインL1に接続されている。ボリューム設定レジスタ32-2~32-nの各々のイネーブル端子Eには、各々に対応して設けられたセレクタS2-2~S2-nの出力端にそれぞれ接続されている。
【0054】
セレクタS2-2~S2-nは、セレクタS2-1と同様に、連動設定レジスタ33に格納された連動設定値に応じて、入力端“0”に入力された信号及び入力端“1”に入力された信号のいずれか一方を出力端から選択的に出力するセレクタである。セレクタS2-2~S2-nの各々の入力端子“0”には、チャネル毎の固有の書き込み信号VWS-1~VWS-nが供給される。書き込み信号VWS-1~VWS-nは、チャネル毎にそれぞれ設けられた書き込み信号供給ラインを通って、セレクタS2-2~S2-nの入力端子“0”にそれぞれ供給される。
【0055】
セレクタS2-2~S2-nの入力端“1”は、第3共通ラインL3に接続されており、チャネル0の書き込み信号VWS―0が共通の書き込み信号として供給される。
【0056】
連動設定レジスタ33は、チャネル0のピッチ設定値及びボリューム設定値をチャネル1~nに連動して設定するか否かを示す連動設定値を格納するレジスタである。連動設定値は、MCU12からシリアルインタフェース21を介して供給され、連動設定レジスタ33に格納される。
【0057】
上記の通り、本実施例の音声再生装置13では、ピッチ設定レジスタ31-0~31-n及びボリューム設定レジスタ32-0~32-nの各々のデータ入力端子Dは、書込みデータWDを供給する共通の供給ラインである第1共通ラインL1に接続されている。セレクタS1-1~S1-nの入力端“1”は第2共通ラインL2、セレクタS2-1~S2-nの入力端“1”は第3共通ラインL3にそれぞれ接続されており、連動設定値が“1”の場合には各共通ラインに供給された書き込み信号、すなわちチャネル1と共通の書き込み信号である書き込み信号PWS-0及びVWS-0を、対応するピッチ設定レジスタ及びボリューム設定レジスタに供給する。一方、連動設定値が“0”の場合、各共通ラインからの書き込み信号の供給を遮断して、チャネル毎の固有の書き込み信号を対応するピッチ設定レジスタ及びボリューム設定レジスタに供給する。
【0058】
換言すると、連動設定レジスタ33は、共通の書き込み信号を遮断する遮断対象のピッチ設定レジスタ及びボリューム設定レジスタを選択するための選択設定値を連動設定値として格納するレジスタである。また、セレクタS1-1~S1-n及びセレクタS2-1~S2-nは、選択設定値に応じて選択されたピッチ設定レジスタ及びボリューム設定レジスタに対する共通の書き込み信号の供給を遮断する遮断部である。
【0059】
すなわち、連動設定レジスタ33及びセレクタS1-1~S1-nは、第2共通ラインL2に供給された共通の書き込み信号PWS-0をピッチ設定レジスタ31-1~31-nについて選択的に遮断する連動設定部を構成している。また、連動設定レジスタ33及びセレクタS2-1~S2-nは、第3共通ラインL3に供給された共通の書き込み信号VWS-0をボリューム設定レジスタ32-1~32-nについて選択的に遮断する連動設定部を構成している。
【0060】
次に、チャネル設定部22の具体的な動作について説明する。
【0061】
連動設定レジスタ33に連動設定値“0”が格納されると、これに応じてセレクタS1-1~S1-nは、入力端“0”に入力された信号を出力するように切り替えが行われる。これにより、連動設定はオフとなり、ピッチ設定レジスタ31-1~31-nの各々のイネーブル端子Eには、チャネル毎の固有の書き込み信号である書き込み信号PWS-1~PWSnが供給される。
【0062】
ピッチ設定レジスタ31-1~31-nへのピッチ設定値の格納は、ピッチ設定レジスタ31-0へのピッチ設定値の格納とは別個に行われる。すなわち、ピッチ設定レジスタ31-1~31-nには、ピッチ設定レジスタ31-0とは別のタイミングで別のピッチ設定値が格納される。
【0063】
一方、連動設定レジスタ33に連動設定値“1”が格納されると、これに応じてセレクタS1-1~S1-nは、入力端子“1”に入力された信号を出力するように切り替えが行われる。これにより、連動設定がオンとなり、ピッチ設定レジスタ31-1~31-nの各々のイネーブル端子Eには、チャネル0の書き込み信号である書き込み信号PWS-0が共通して供給される。したがって、ピッチ設定レジスタ31-1~31-nには、ピッチ設定レジスタ31-0へのピッチ設定値の格納と連動したタイミングで同じピッチ設定値が格納される。
【0064】
同様に、セレクタS2-1~S2-nの切り替えも、連動設定レジスタ33への連動設定値の格納に応じて行われる。すなわち、連動設定レジスタ33に連動設定値が“0”が格納されると、セレクタS2-1~S2-nは、入力端子“0”に入力された信号を出力するように切り替えが行われる。これにより、連動設定はオフとなり、ボリューム設定レジスタ32-1~32-nの各々のイネーブル端子Eには、チャネル毎の固有の書き込み信号である書き込み信号VWS-1~VWSnが供給される。
【0065】
ボリューム設定レジスタ32-1~32-nへのボリューム設定値の格納は、ボリューム設定レジスタ32-0へのボリューム設定値の格納とは別個に行われる。すなわち、ボリューム設定レジスタ32-1~32-nには、ボリューム設定レジスタ32-0とは別のタイミングで別のボリューム設定値が格納される。
【0066】
一方、連動設定レジスタ33に連動設定値が“1”が格納されると、セレクタS2-1~S2-nは、入力端子“1”に入力された信号を出力するように切り替えが行われる。これにより、連動設定がオンとなり、ボリューム設定レジスタ32-1~32-nの各々のイネーブル端子Eには、チャネル0の書き込み信号である書き込み信号VWS-0が供給される。したがって、ボリューム設定レジスタ32-1~32-nには、ボリューム設定レジスタ32-0へのボリューム設定値の格納と連動したタイミングで同じボリューム設定値が格納される。
【0067】
以上のように、本実施例の音声再生装置13は、チャネル設定部22に連動設定レジスタ33が設けられ、連動設定レジスタ33に格納された連動設定値の値に応じて、チャネル0のピッチ設定値及びボリューム設定値を他のチャネルに連動して設定することが可能に構成されている。
【0068】
一般的に、音声再生装置(LSI)に対して、シリアルインタフェースを介して外部からピッチやボリュームの設定を行う場合、再生装置内のレジスタにシリアル通信で設定値を格納する必要があるため、複数のチャネルに対して同時に設定値を格納することができない。このため、チャネル間での設定変更にタイミングのズレが生じてしまう。
【0069】
これに対し、本実施例の音声再生装置13では、予め連動設定レジスタ33に連動設定値を格納して、連動設定を行っておくことにより、音声再生中に複数チャネルのピッチ及びボリュームの設定を連動して変更することができる。したがって、チャネル間でのタイミングのズレを生じさせることなく、複数のチャネルについて設定値の変更を行うことができる。
【0070】
したがって、本実施例の音声再生装置13によれば、音声再生中に複数チャネルの音声のピッチやボリュームを円滑に調整することが可能となる。
【0071】
また、本実施例の音声再生装置13によれば、ホストマイコンであるMCU12は、シリアルインタフェース21を介した各チャネルの設定を最小限の通信で完了することができる。したがって、MCU12は、複数のチャネルに別個に設定を行う場合に必要な処理能力(リソース)を、他の処理に割り当てることができる。
【実施例0072】
次に、本発明の実施例2について説明する。実施例2の音声再生装置は、チャネル設定部の構成において、実施例1の音声再生装置13と異なる。
【0073】
図4は、本実施例の音声再生装置13Aにおけるチャネル設定部22Aの内部構成を示すブロック図である。
【0074】
チャネル設定部22Aは、チャネル1~nのピッチ及びボリュームの設定をチャネル0の設定と連動して行うか否かを設定するための連動チャネル設定レジスタ43を有する。
【0075】
連動チャネル設定レジスタ43は、チャネル1~nの各々に対応して設けられた複数の連動設定レジスタを有する。各々の連動設定レジスタへの連動設定値の格納は、MCU12によりシリアルインタフェース21を介して行われる。
【0076】
チャネル1の連動設定レジスタ(図中、CH1として示す)は、チャネル0のピッチ設定値及びボリューム設定値をチャネル1に連動して設定するか否かを示す連動設定値を格納するレジスタである。換言すると、チャネル1の連動設定レジスタは、第2共通ラインL2の信号(すなわち、チャネル0の書き込み信号PWS-0)のピッチ設定レジスタ31-1への供給を遮断するか否かを示す設定値を格納するレジスタである。
【0077】
チャネル1の連動設定レジスタに格納された連動設定値に応じて、セレクタS1-1及びセレクタS2-1の切り替えが行われる。具体的には、連動設定値が“0”の場合、セレクタS1-1及びセレクタS2-1は、入力端子“0”に入力された信号を出力するように切り替えが行われる。これにより、チャネル1の連動設定はオフとなり、ピッチ設定レジスタ31-1のイネーブル端子Eには、チャネル1に固有の書き込み信号である書き込み信号PWS-1が供給される。また、ボリューム設定レジスタ32-1のイネーブル端子Eには、チャネル1に固有の書き込み信号である書き込み信号VWS-1が供給される。
【0078】
ピッチ設定レジスタ31-1へのピッチ設定値の格納は、ピッチ設定レジスタ31-0へのピッチ設定値の格納とは別個に行われる。すなわち、ピッチ設定レジスタ31-1には、ピッチ設定レジスタ31-0とは別のタイミングで別のピッチ設定値が格納される。また、ボリューム設定レジスタ32-1へのボリューム設定値の格納は、ボリューム設定レジスタ32-0へのボリューム設定値の格納とは別個に行われる。すなわち、ボリューム設定レジスタ32-1には、ボリューム設定レジスタ32-0とは別のタイミングで別のボリューム設定値が格納される。
【0079】
一方、連動設定値が“1”の場合、セレクタS1-1及びセレクタS2-1は、入力端子“1”に入力された信号を出力するように切り替えが行われる。これにより、チャネル1の連動設定がオンとなり、ピッチ設定レジスタ31-1のイネーブル端子Eには、チャネル0の書き込み信号である書き込み信号PWS-0が供給される。また、ボリューム設定レジスタ32-1のイネーブル端子Eには、チャネル0の書き込み信号である書き込み信号VWS-0が供給される。
【0080】
これにより、ピッチ設定レジスタ31-1には、ピッチ設定レジスタ31-0へのピッチ設定値の格納と連動したタイミングで同じピッチ設定値が格納される。また、ボリューム設定レジスタ32-1には、ボリューム設定レジスタ32-0へのボリューム設定値の格納と連動したタイミングで同じボリューム設定値が格納される。
【0081】
同様に、チャネル2~nの連動設定レジスタ(図中、CH2~CHnとして示す)は、それぞれチャネル2~nにチャネル0のピッチ設定値及びボリューム設定値を連動して設定するか否かを示すチャネル毎の連動設定値を格納するレジスタである。チャネル2~nの連動設定レジスタの各々に格納されたチャネル毎の連動設定値に応じて、セレクタS1-2~S1-n及びセレクタS2-2~S2-nの切り替えが行われる。
【0082】
具体的には、チャネルk(kは、2以上n以下の整数)連動設定値が“0”の場合、セレクタS1-k及びセレクタS2-kは、入力端子“0”に入力された信号を出力するように切り替えが行われる。これにより、チャネルkの連動設定がオフとなり、ピッチ設定レジスタ31-kのイネーブル端子Eには、チャネルkに固有の書き込み信号である書き込み信号PWS-kが供給される。また、ボリューム設定レジスタ32-kのイネーブル端子Eには、チャネルkに固有の書き込み信号である書き込み信号VWS-kが供給される。
【0083】
ピッチ設定レジスタ31-kへのピッチ設定値の格納は、ピッチ設定レジスタ31-0へのピッチ設定値の格納とは別個に行われる。すなわち、ピッチ設定レジスタ31-kには、ピッチ設定レジスタ31-0とは別のタイミングで別のピッチ設定値が格納される。また、ボリューム設定レジスタ32-kへのボリューム設定値の格納は、ボリューム設定レジスタ32-0へのボリューム設定値の格納とは別個に行われる。すなわち、ボリューム設定レジスタ32-kには、ボリューム設定レジスタ32-0とは別のタイミングで別のボリューム設定値が格納される。
【0084】
一方、チャネルkの連動設定値が“1”の場合、セレクタS1-k及びセレクタS2-kは、入力端子“1”に入力された信号を出力するように切り替えが行われる。これにより、チャネルkの連動設定がオンとなり、ピッチ設定レジスタ31-kのイネーブル端子Eには、チャネル0の書き込み信号である書き込み信号PWS-0が供給される。また、ボリューム設定レジスタ32-kのイネーブル端子Eには、チャネル0の書き込み信号である書き込み信号VWS-0が供給される。
【0085】
ピッチ設定レジスタ31-kには、ピッチ設定レジスタ31-0へのピッチ設定値の格納と連動したタイミングで同じピッチ設定値が格納される。また、ボリューム設定レジスタ32-kには、ボリューム設定レジスタ32-0へのボリューム設定値の格納と連動したタイミングで同じボリューム設定値が格納される。
【0086】
以上のように、本実施例の音声再生装置13Aでは、チャネル設定部22Aに連動チャネル設定レジスタ43が設けられ、チャネル0のピッチ設定値及びボリューム設定値を他のチャネルに連動設定するか否かを、チャネル毎に設定することが可能に構成されている。したがって、連動チャネル設定レジスタ43における各チャネルの連動設定レジスタの連動設定値を予め設定し、チャネル0に連動して設定したいチャネルと、チャネル0とは別個に設定したいチャネルとを選択しておくことにより、迅速且つ自由度の高いピッチ及びボリュームの調整を行うことが可能となる。
【0087】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施例では、ピッチ及びボリュームの設定を変更する場合を例として説明したが、対象となる設定はこれに限られず、音声の再生制御に関する設定値(再生設定値)を変更する場合全般に適用することが可能である。例えばフィルタ係数等、音声の再生に関する他の再生パラメータを対象として設定値を変更するものであってもよい。また、音声再生を止めるか否か、同じフレーズをループするか否かといった再生指示に関する設定をチャネル毎に行うように構成されていてもよい。
【0088】
また、上記実施例1では、連動設定レジスタ33に格納された連動設定値が“0”のときは連動設定を行わず、連動設定値が“1”のときはピッチ設定値及びボリューム設定値の両方について連動設定を行う場合を例として説明した。しかし、ピッチ設定値についての連動設定と、ボリューム設定値についての連動設定をそれぞれ別個に行うことが可能に構成されていてもよい。例えば、ピッチ設定のための第1の連動設定レジスタと、ボリューム設定のための第2の設定レジスタと、を設け、各連動設定レジスタの連動設定値をそれぞれ独立して制御することにより、ピッチ設定値の連動設定とボリューム設定値の連動設定を別々に行うことが可能である。実施例2についても、ピッチ設定のための連動チャネル設定レジスタと、ボリューム設定のための連動チャネル設定レジスタとをそれぞれ別個に設けることにより、チャネル毎のピッチ設定値の連動設定とボリューム設定値の連動設定を別々に行うことが可能である。
【0089】
また、上記各実施例では、ピッチ及びボリュームの設定値を、MCU12がシリアルインタフェース21を介して音声再生装置13のチャネル設定部22に設けられた各レジスタに設定する場合を例として説明した。しかし、これとは異なり、例えば音声メモリ24に対してこれらの設定を行うように構成されていてもよい。
【0090】
また、上記各実施例では、音声再生装置が車両接近通報システムを構成する場合を例として説明した。しかし、本発明の音声再生装置の構成は、車両接近通報システムに搭載されるものに限定されず、音声再生を行う装置全般に適用可能である。
【符号の説明】
【0091】
100 車両接近通報システム
11 車速センサ
12 MCU
13 音声再生装置
14 スピーカ
21 シリアルインタフェース
22 チャネル設定部
23 制御回路
24 音声メモリ
25 DAコンバータ
26 アンプ
31-1~31-n ピッチ設定レジスタ
32-1~32-n ボリューム設定レジスタ
33 連想設定レジスタ
43 連動チャネル設定レジスタ

図1
図2
図3
図4