(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018263
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】ストッカ
(51)【国際特許分類】
A47G 29/12 20060101AFI20240201BHJP
A47G 29/124 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
A47G29/12 D
A47G29/124
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121480
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上垣内 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】西田 淳一
【テーマコード(参考)】
3K100
【Fターム(参考)】
3K100CA06
3K100CA26
3K100CA43
3K100CA47
3K100CA60
3K100CC05
3K100CD03
(57)【要約】
【課題】ストッカの防水対策をより適切に行う。
【解決手段】施錠可能な納品庫を備え、操作者の操作を受け付けて納品庫を解錠するストッカは、ストッカの壁面に設けられ、操作者によるタッチ操作が可能なタッチパネルと、壁面からタッチパネルに雨水が垂れるのを防止するように、長手方向の長さがタッチパネルの幅以上の長さでタッチパネルの上方に設けられた雨垂れ防止部と、を備え、雨垂れ防止部は、壁面を流れた雨水を長手方向に流すように長手方向に沿って傾斜した傾斜面が上面に形成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施錠可能な納品庫を備え、操作者の操作を受け付けて前記納品庫を解錠するストッカであって、
前記ストッカの壁面に設けられ、操作者によるタッチ操作が可能なタッチパネルと、
前記壁面から前記タッチパネルに雨水が垂れるのを防止するように、長手方向の長さが前記タッチパネルの幅以上の長さで該タッチパネルの上方に設けられた雨垂れ防止部と、
を備え、
前記雨垂れ防止部は、前記壁面を流れた雨水を前記長手方向に流すように該長手方向に沿って傾斜した傾斜面が上面に形成されている、
ストッカ。
【請求項2】
前記雨垂れ防止部は、前記傾斜面が前記長手方向の一端から他端まで一方向に傾斜するように形成されている、
請求項1に記載のストッカ。
【請求項3】
前記雨垂れ防止部の上面には、前記壁面を流れた雨水を受けるように前記長手方向の一端から他端まで平坦状に延在する平坦面が前記壁面に近い側に形成されていると共に、前記傾斜面が前記壁面から遠い側に形成されている、
請求項1または2に記載のストッカ。
【請求項4】
前記納品庫は、開口が形成された本体と、前記開口の前方を該開口の枠を含めて覆う扉板と該扉板の周縁から後方に立設した周壁とを有する開閉扉と、前記開口の上縁からの雨水の浸入を防止するように該開口の上縁に沿って延在する浸入防止部と、を備え、
前記浸入防止部は、延在方向に直交する断面が、前記開口の上縁から前方に突出して上方に折れ曲がり、前記周壁との距離が所定距離となる位置まで上方に延在し、さらに後方側に折り返された形状に形成されている、
請求項1または2に記載のストッカ。
【請求項5】
納品庫を備えるストッカであって、
前記納品庫は、開口が形成された本体と、前記開口の前方を該開口の枠を含めて覆う扉板と該扉板の周縁から後方に立設した周壁とを有する開閉扉と、前記開口の上縁からの雨水の浸入を防止するように該開口の上縁に沿って延在する浸入防止部と、を備え、
前記浸入防止部は、延在方向に直交する断面が、前記開口の上縁から前方に突出して上方に折れ曲がり、前記周壁との距離が所定距離となる位置まで上方に延在し、さらに後方側に折り返された形状に形成されている、
ストッカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、ストッカを開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品を収容可能な納品庫を備えるストッカにおいて、屋外に設置された際の雨水による影響を防止するための防水構造を有するものが提案されている。例えば、特許文献1には、宅配ボックス(納品庫)の扉の施錠および解錠を行う施解錠部が扉の前面に設けられ、その施解錠部の周縁および前面を覆うカバー部と、施解錠部の周縁を囲みカバー部が施解錠部を覆う状態でカバー部の内側に配される塀部とを設けることにより、施解錠部に対する防水構造を形成するものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1の構造では、カバー部や塀部を設けるため、部材の数が多くなって見た目がすっきりしないものとなる。また、このような納品庫を備えるストッカでは、納品庫を開閉する開閉扉の隙間から内部に雨水が浸入する可能性もあるなど、施解錠部以外にも防水対策が必要な箇所があるから、さらなる改善が求められる。
【0005】
本開示は、ストッカの防水対策をより適切に行うことを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本開示の第1のストッカは、
施錠可能な納品庫を備え、操作者の操作を受け付けて前記納品庫を解錠するストッカであって、
前記ストッカの壁面に設けられ、操作者によるタッチ操作が可能なタッチパネルと、
前記壁面から前記タッチパネルに雨水が垂れるのを防止するように、長手方向の長さが前記タッチパネルの幅以上の長さで該タッチパネルの上方に設けられた雨垂れ防止部と、
を備え、
前記雨垂れ防止部は、前記壁面を流れた雨水を前記長手方向に流すように該長手方向に沿って傾斜した傾斜面が上面に形成されている、ことを要旨とする。
【0008】
本開示の第1のストッカは、長手方向の長さがタッチパネルの幅以上の長さでタッチパネルの上方に設けられた雨垂れ防止部を備える。雨垂れ防止部は、壁面を流れた雨水を長手方向に流すように長手方向に沿って傾斜した傾斜面が上面に形成されている。これにより、壁面を流れた雨水がタッチパネルに垂れるのを防いで、水滴の付着によるタッチパネルの誤動作を防止することができる。また、雨垂れ防止部以外の部材は必要としないから、見た目をすっきりさせることができる。したがって、ストッカの防水対策をより適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】納品庫30と制御ユニット20とを備えるストッカ10の斜視図。
【
図5】雨水が前面板22を流れる様子を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本開示の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、納品庫30と制御ユニット20とを備えるストッカ10の斜視図である。
図2は、制御ユニット20の正面図である。なお、左右方向、前後方向および上下方向は、各図に示した通りとする。
【0011】
ストッカ10は、
図1に示すように、物品を納入可能な箱状の複数の納品庫(収容ボックス)30と、1の制御ユニット(制御ボックス)20とを備える。ストッカ10は、上下に複数個(
図1では4個)ずつの納品庫30が左右に複数列(
図1では5列)並んで配置されており、左端の列の1の納品庫30に代えて制御ユニット20が配置されている。ストッカ10は、オフィスやコンビニエンスストア、駅、学校、マンション、ショッピングセンタなど様々な場所に設置され、屋内だけでなく屋外に設置されることもある。
【0012】
制御ユニット20は、各納品庫30への物品の出し入れに関する操作者(配達者,受取者)からの各種操作を受け付けたり、各納品庫30の施錠や解錠に関する各種処理を行ったりする。納品庫30は、直方体状の本体31と、本体31に開閉可能に取り付けられる矩形板状の開閉扉35とを備え、開閉扉35を開いて本体31内に物品を納入可能となっている。ストッカ10では、いずれかの納品庫30を配達先として配達者(納入者)により物品が納入された後に、受取者が当該納品庫30から物品を取り出して物品を受け取ることで、配達者により配達される物品の受け渡しに用いられる。
【0013】
また、制御ユニット20は、
図1に示すように、納品庫30と同じサイズの直方体状の本体21と、本体21の前面を覆い各種機器が取り付けられる前面板22とを備え、本体21内に制御部20aが配置されている。前面板22には、各種機器として、
図2に示すように、タッチパネル23と、カメラモジュール25と、コードリーダ26と、受領印モジュール27と、スピーカモジュール28と、シリンダ錠29とが取り付けられている。また、前面板22には、タッチパネル23の直上に雨垂れ防止部24が取り付けられている。なお、各種機器としては、これらの他に利用者の有無を検知する図示しない人感センサなどが取り付けられてもよい。また、配置される機器等の種類や数、配置される位置は一例であり、少なくともタッチパネル23と雨垂れ防止部24が配置されていればよい。
【0014】
タッチパネル23は、前面板22の中央に板面に沿って即ちストッカ10の壁面に沿って配置される長方形状のパネルであり、静電容量式のタッチパネルとして構成されている。カメラモジュール25は、雨垂れ防止部24の上側にストッカ10の前方の所定範囲を撮像可能に配置されており、配達者や受取者などの被写体を含む画像を撮像する。コードリーダ26は、タッチパネル23の下側に配置され、例えば物品の配達伝票や受取者の携帯端末などに示された各種コードを読み取る。受領印モジュール27は、タッチパネル23の下側に配置され、例えば物品の配達伝票などに、配達証明としての受領印を押印可能なスタンプユニットである。スピーカモジュール28は、タッチパネル23の左側に配置され、物品の出し入れに関する操作案内などを複数の音声出力孔を介して音声で出力する。シリンダ錠29は、前面板22の左下部に配置され、ストッカ10の管理者などにより鍵穴に挿入された鍵の操作により前面板22を解錠したり施錠したりする。なお、前面板22は、本体21に開閉可能に取り付けられており、シリンダ錠29の解錠により開操作が可能となる。
【0015】
制御部20aは、タッチパネル23の表示制御や入力制御を行う他、コードリーダ26により読み取られた情報やカメラモジュール25により撮像された画像などを入力したり、受領印モジュール27への押印指示やスピーカモジュール28への音声出力指示を出力したりする。また、制御部20aは、各納品庫30の開閉扉35の開閉を検出する図示しないセンサからの検出信号や本体31内の物品の有無を検出する図示しないセンサからの検出信号を入力したり、各納品庫30の開閉扉35の施錠装置への施錠信号や解錠信号などを出力したりする。
【0016】
ここで、雨垂れ防止部24の詳細を説明する。
図3は、雨垂れ防止部24の正面図である。
図4は、雨垂れ防止部24の斜視図である。雨垂れ防止部24は、タッチパネル23の幅方向(水平方向,左右方向)に沿って、直線状に延在する棒状部材である。この雨垂れ防止部24は、長手方向の長さがタッチパネル23の幅以上の長さであり、タッチパネル23の直上即ちタッチパネル23の上縁と間隔を空けずに、タッチパネル23と左右方向の中心を合わせた位置に取り付けられている。なお、雨垂れ防止部24は、前後方向の幅(奥行き)と高さが、数mm~10数mm程度(例えば10mm)などに形成されており、前面板22の板面(ストッカ10の壁面)からの突出量を抑えたコンパクトな構成となっている。また、雨垂れ防止部24の上面には、雨水を長手方向に流すように長手方向の一端(左端)から他端(右端)まで一方向に傾斜した傾斜面24aと、雨水を受けるように長手方向の一端から他端まで平坦状に延在した平坦面24bとが形成されている。平坦面24bは、前面板22の板面に近い側(奥側)に形成され、傾斜面24aは、前面板22の板面から遠い側(手前側)に形成されている。
【0017】
図5は、雨水が前面板22を流れる様子を示す説明図である。雨垂れ防止部24は、平坦面24bが前面板22側に形成されているため、前面板22を流れた雨水を平坦面24bで受けて溜めることができる。平坦面24b上に溜まった雨水の水滴が大きくなると、水滴が平坦面24bから前方に垂れて傾斜面24aに落下する。傾斜面24aに落下した雨水(水滴)は、自重により傾斜面24aに沿って右側に流れ、雨垂れ防止部24の右端に到達すると前面板22に垂れ落ちて、タッチパネル23の右側を下方に向かって流れる(
図5の点線矢印参照)。このように、雨垂れ防止部24によって、前面板22を流れる雨水がタッチパネル23に垂れるのを防止することができる。このため、タッチパネル23への水滴の付着や水滴の移動をタッチ操作として誤検出するのを防止することができる。また、雨垂れ防止部24は、平坦面24bで受けた雨水が自重で落下する程度まで溜めてから傾斜面24aに流すため、傾斜面24aに沿った雨水の流れを促すことができる。これにより、傾斜面24aの途中で雨水が止まることなく右端まで到達させることができるから、傾斜面24aの途中で止まった雨水が前方側に垂れるのを防止することができる。なお、雨垂れ防止部24は、例えば手前側の傾斜面24aが奥側の平坦面24bよりも前後方向の幅(奥行き)が若干広くなるように形成されている。これにより、傾斜面24aの前後方向の幅(奥行き)を確保することができるから、雨水が傾斜面24aを流れている途中で前方側に垂れるのを防止することができる。
【0018】
次に、納品庫30の詳細な構成を説明する。
図6は、納品庫30の一部の断面図である。図示するように、納品庫30の本体31は物品を出し入れするための矩形状の開口31aと、開口31aを形成する枠32とが設けられている。また、本体31には、開口31aの縁からの雨水の浸入を防止するように、矩形状の開口31aの各辺(各縁)に浸入防止部33a,33b,33cが設けられている。浸入防止部33aは、開口31aの上辺(上縁)に左右方向(幅方向)に沿って延在し、詳細な形状は後述する。浸入防止部33bは、開口31aの左辺と右辺とにそれぞれ設けられ、上下方向に沿って延在する平板状部材である。浸入防止部33cは、開口31aの下辺に左右方向(幅方向)に沿って延在する平板状部材である。なお、開口31aへの雨水の浸入は、開口31aの上辺(上縁)からが多いため、浸入防止部33b,33cが設けられなくてもよい。
【0019】
開閉扉35は、開口31aの前方を、枠32を含めて覆う矩形状の扉板35aと、扉板35aの周縁から後方に立設した周壁35bとが設けられている。また、扉板35aの裏面(後面)の上部には、ウレタンフォームやゴムスポンジなどの弾性を有する素材で形成されたパッキン36が設けられている。パッキン36は、枠32の上辺部に対向する位置に配置されており、開閉扉35の閉状態で浸入防止部33aに押し付けられる。
【0020】
本実施形態の浸入防止部33aは、延在方向(左右方向)に直交する断面が、L字部34aと、折り返し部34bとを有する形状となっている。L字部34aは、開口31aの上縁から前方に突出して上方に直角に折れ曲がり、開閉扉35の周壁35b(内面)との距離が距離D1(
図6の拡大図参照)となる位置まで上方に延在する。また、折り返し部34bは、L字部34aの上端から後方に直角に折り返されるように、L字部34aと一体的に形成されている。このように、浸入防止部33aは、折り返し部34bを有するため、本体31(枠32)と周壁35bとの隙間から雨水(水滴)が浸入しても、その雨水が浸入防止部33a(L字部34a)を乗り越えるのを防止することができる(
図6の点線矢印参照)。このため、乗り越えた雨水がパッキン36との隙間から下方に流れ、浸入防止部33aの下面を伝って開口31a内に浸入するのを確実に防止することができる。
【0021】
ここで、
図7は、比較例の納品庫130の一部の断面図である。比較例では、開口31aの上縁に設けられた浸入防止部133aに折り返し部34bが形成されていない点で実施形態と異なる。即ち比較例の浸入防止部133aは、本実施形態のL字部34aと同様の形状のL字部134aを有するが、折り返し部34bを有さない。このため、比較例では、本体31(枠32)と周壁35bとの隙間から浸入した雨水(水滴)が浸入防止部133a(L字部134a)を乗り越え易いから、乗り越えた雨水がパッキン36との隙間から下方に流れ、浸入防止部133aの下面を伝って開口31a内に浸入し易くなる(
図7中の点線矢印参照)。
【0022】
そこで、比較例では、L字部134aの上端面と開閉扉35の周壁35b(内面)との距離を、例えば距離D1よりも小さな距離D2(
図7の拡大図参照)とするようにL字部134aを上方に延在させて、雨水の乗り越えを防止する必要がある。しかし、小さな距離D2とすると、開閉扉35の開閉時に周壁35bに浸入防止部133a(L字部134aの上端)が干渉して、開閉扉35のスムーズな開閉動作が阻害されたり開閉扉35(周壁35b)や浸入防止部133aの変形が生じたりすることがある。また、そのような干渉を防ぐためには、開閉扉35の取付精度を高めてズレや傾きを抑える必要があるが、取付時の調整に時間がかかるなど作業負担の増加に繋がることがある。これに対して本実施形態では、折り返し部34bを設けることで浸入防止部33aの高さを抑えて干渉を防止しつつ防水性能を確保することができる。このため、開閉扉35との干渉による不具合の発生や、干渉を防ぐための作業負担の増加を防止することができる。
【0023】
ここで、本実施形態の構成要素と本開示の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の納品庫30が本開示の納品庫に相当し、ストッカ10がストッカに相当し、タッチパネル23がタッチパネルに相当し、雨垂れ防止部24が雨垂れ防止部に相当し、傾斜面24aが傾斜面に相当する。平坦面24bが平坦面に相当する。また、納品庫30の本体31が本体に相当し、開閉扉35が開閉扉に相当し、浸入防止部33aが浸入防止部に相当する。
【0024】
以上説明した本実施形態のストッカ10では、タッチパネル23の上方に設けられ、前面板22の板面を流れた雨水を長手方向に流す傾斜面24aが形成された雨垂れ防止部24を備える。これにより、前面板22の板面を流れた雨水がタッチパネル23に垂れるのを防いで、水滴の付着によるタッチパネル23の誤動作を防止することができる。また、雨垂れ防止部24以外にタッチパネル23への雨垂れを防止する部材は必要としないから、見た目をすっきりさせることができる。したがって、ストッカ10の防水対策をより適切に行うことができる。
【0025】
また、雨垂れ防止部24は、傾斜面24aが左端から右端まで一方向に傾斜するから、雨水を右端側に集めて左端側に流さないようにすることができる。このため、タッチパネル23の左側に配置されたスピーカモジュール28(機器)に、雨水が集中的に流れて浸入するのを抑制して雨水による影響が及ぶのを防止することができる。また、タッチパネル23が設けられる制御ユニット20は、ストッカ10の左端側の列に配置されており、ストッカ10の左側に隣接して他の機器や設備などが配置される場合がある。そのような場合でも、雨垂れ防止部24が雨水を左端側に流さないため、それらの機器や設備に雨水による影響が及ぶのを適切に防止することができる。
【0026】
また、雨垂れ防止部24は、平坦面24bで受けて溜まった雨水を傾斜面24aで流すから、雨水を長手方向に流しやすくして、タッチパネル23に雨水が垂れるのをより確実に防止することできる。また、雨垂れ防止部24は、タッチパネル23の直上に設けられているから、タッチパネル23と雨垂れ防止部24との間に落下した雨水がタッチパネル23に垂れるのを防止することができる。
【0027】
また、納品庫30の浸入防止部33aは、延在方向(左右方向)に直交する断面が、L字部34aと折り返し部34bとを有するから、開閉扉35の開閉動作に干渉するのを防止しつつ、雨水の乗り越えを防いで開口31aへの雨水の浸入を防止することができる。
【0028】
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0029】
上述した実施形態では、雨垂れ防止部24は、傾斜面24aが左端から右端まで一方向に傾斜したが、これに限られず、右端から左端まで一方向に傾斜してもよい。あるいは、一方向に傾斜するものに限られず、長手方向の略中央から両端側(両方向)に傾斜してもよい。
【0030】
実施形態では、雨垂れ防止部24に傾斜面24aと平坦面24bとが形成されたが、平坦面24bが形成されずに傾斜面24aが形成されてもよい。また、傾斜面24aの前後方向の幅を平坦面24bより広くしたが、これに限られず、同じ幅などとしてもよい。
【0031】
実施形態では、雨垂れ防止部24がタッチパネル23の直上に設けられたが、これに限られず、雨垂れ防止部24はタッチパネル23の上方に設けられればよく、タッチパネル23の上縁と隙間を空けて設けられてもよい。また、雨垂れ防止部24は、直線状としたが、これに限られず、上方に凸となるように湾曲した形状や屈曲した形状などでもよい。
【0032】
実施形態では、浸入防止部33aのL字部34aと折り返し部34bとが一体的に形成されたが、これに限られず、L字部34aと折り返し部34bとが別々の部材で形成されてもよい。また、折り返し部34bは、L字部34aの上端から後方に直角に折り返された形状としたが、直角に限られず、後方側に折り返されていればよい。
【0033】
実施形態では、制御ユニット20に雨垂れ防止部24が設けられると共に各納品庫30に浸入防止部33aが設けられたが、両方の防止部が設けられる構成に限られず、一方のみが設けられてもよい。即ち、制御ユニット20に雨垂れ防止部24が設けられる一方、各納品庫30に浸入防止部33aが設けられずに比較例の浸入防止部133aが設けられてもよいし浸入防止部が設けられなくてもよい。あるいは、各納品庫30に浸入防止部33aが設けられる一方、制御ユニット20に雨垂れ防止部24が設けられなくてもよい。
【0034】
実施形態では、ストッカ10が複数の納品庫30を備えたが、これに限られず、戸建て住宅に設けられるものなど一の納品庫30を備えるものでもよい。このようにする場合、納品庫30の開閉扉35や側壁面などにタッチパネル23と雨垂れ防止部24とが設けられ、本体31に浸入防止部33aが設けられればよい。
【0035】
本開示のストッカは、以下のように構成してもよい。例えば、本開示の第1のストッカにおいて、前記雨垂れ防止部は、前記傾斜面が前記長手方向の一端から他端まで一方向に傾斜するように形成されているものとしてもよい。こうすれば、壁面を流れた雨水を他端側に集めて一端側に流れないようにすることができる。このため、例えば、タッチパネルがストッカの一端側(長手方向の一端側と同じ側)に配置され、一端側に隣接して他の機器や設備などが配置されていても、それらの機器や設備に雨水による影響が及ぶのを適切に防止することができる。
【0036】
本開示の第1のストッカにおいて、前記雨垂れ防止部の上面には、前記壁面を流れた雨水を受けるように前記長手方向の一端から他端まで平坦状に延在する平坦面が前記壁面に近い側に形成されていると共に、前記傾斜面が前記壁面から遠い側に形成されているものとしてもよい。こうすれば、平坦面で溜めた雨水を傾斜面で流すことができるから、壁面を流れた雨水を長手方向に流しやすくすることができる。したがって、タッチパネルに雨水が垂れるのをより確実に防止することできる。
【0037】
本開示の第1のストッカにおいて、前記納品庫は、開口が形成された本体と、前記開口の前方を該開口の枠を含めて覆う扉板と該扉板の周縁から後方に立設した周壁とを有する開閉扉と、前記開口の上縁からの雨水の浸入を防止するように該開口の上縁に沿って延在する浸入防止部と、を備え、前記浸入防止部は、延在方向に直交する断面が、前記開口の上縁から前方に突出して上方に折れ曲がり、前記周壁との距離が所定距離となる位置まで上方に延在し、さらに後方側に折り返された形状に形成されているものとしてもよい。こうすれば、浸入防止部は、開閉扉の周壁との間に所定距離の隙間を空けるから、開閉扉の開閉動作に干渉するのを防止することができる。また、浸入防止部は、所定距離の隙間を空けても折り返された部分によって雨水の乗り越えを防ぐから、開口の上縁から雨水が浸入するのを適切に防止することができる。
【0038】
本開示の第2のストッカは、
納品庫を備えるストッカであって、
前記納品庫は、開口が形成された本体と、前記開口の前方を該開口の枠を含めて覆う扉板と該扉板の周縁から後方に立設した周壁とを有する開閉扉と、前記開口の上縁からの雨水の浸入を防止するように該開口の上縁に沿って延在する浸入防止部と、を備え、
前記浸入防止部は、延在方向に直交する断面が、前記開口の上縁から前方に突出して上方に折れ曲がり、前記周壁との距離が所定距離となる位置まで上方に延在し、さらに後方側に折り返された形状に形成されていることを要旨とする。
【0039】
本開示の第2のストッカは、浸入防止部が、開閉扉の周壁との間に所定距離の隙間を空けるから、開閉扉の開閉動作に干渉するのを防止することができる。また、浸入防止部は、所定距離の隙間を空けても折り返された部分によって雨水の乗り越えを防ぐから、開口の上縁から雨水が浸入するのを適切に防止することができる。したがって、ストッカの防水対策をより適切に行うことができる。
【0040】
本明細書では、出願当初の請求項4において「請求項1または2に記載のストッカ」を「請求項1ないし3のいずれか1項に記載のストッカ」に変更した技術思想も開示されている。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、商品をストッカに配送する商品流通システムの技術分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0042】
10 ストッカ、20 制御ボックス、20a 制御部、21 本体、22 前面板、23 タッチパネル、24 雨垂れ防止部、24a 傾斜面、24b 平坦面、25 カメラモジュール、26 コードリーダ、27 受領印モジュール、28 スピーカモジュール、29 シリンダ錠、30,130 納品庫、31 本体、31a 開口、32 枠、33a~33c,133a 浸入防止部、34a,134a L字部、34b 折り返し部、35 開閉扉、35a 扉板、35b 周壁、36 パッキン、D1,D2 距離(隙間)。