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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018286
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】センサシート
(51)【国際特許分類】
   B62D 1/06 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
B62D1/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121514
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000219602
【氏名又は名称】住友理工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 洸
(72)【発明者】
【氏名】吉田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】那須 将樹
(72)【発明者】
【氏名】奥村 剛正
【テーマコード(参考)】
3D030
【Fターム(参考)】
3D030CA02
3D030DA27
3D030DA35
3D030DA64
3D030DA67
3D030DA69
3D030DB13
(57)【要約】
【課題】ステアリングホイールへの巻付け作業の効率が向上されたセンサシートを提供する。
【解決手段】中心軸線Aが凸状曲線であるステアリングホイール10の芯材19に巻き付けられるセンサシート21であって、エラストマー製の絶縁シート24と、前記絶縁シート24の表面および裏面に積層される第一電極層25aおよび第二電極層25bと、を備え、前記センサシート21は、前記絶縁シート24、前記第一電極層25aおよび前記第二電極層25bにより構成され、前記芯材19に巻き付けられるセンサシート巻付部22を備え、前記センサシート巻付部22は、前記芯材19の前記中心軸線Aの凸状曲線の少なくとも一部に対応する形状の基準芯線Rを有するように形成されており、且つ、前記基準芯線Rと直交する平面の断面形状がC字状またはU字状に形成されている、センサシート21。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸線が凸状曲線であるステアリングホイールの芯材に巻き付けられるセンサシートであって、
エラストマー製の絶縁シートと、前記絶縁シートの少なくとも一方の面に積層される電極層と、を備え、
前記センサシートは、前記絶縁シートおよび前記電極層により構成され、前記芯材に巻き付けられるセンサシート巻付部を備え、
前記センサシート巻付部は、
前記芯材の前記中心軸線の凸状曲線の少なくとも一部に対応する形状の基準芯線を有するように形成されており、且つ、前記基準芯線と直交する平面の断面形状がC字状またはU字状に形成されており、
前記センサシート巻付部は、
前記絶縁シートおよび前記電極層により構成され、前記C字状またはU字状の中央に位置し、前記芯材の表面のうち前記凸状曲線の曲率中心に背向する位置に対応し、前記芯材への巻付け方向の中央に位置する中央領域と、
前記絶縁シートにより構成され、前記C字状またはU字状の端部に位置し、前記芯材の表面のうち前記凸状曲線の曲率中心に対向する位置に対応し、前記巻付け方向の端部に位置する一対の端領域と、
を備え、
前記絶縁シートは、
前記センサシート巻付部の前記中央領域における前記基準芯線に沿う方向の長さが、前記一対の端領域における前記基準芯線に沿う方向の長さよりも長く形成されており、
前記中央領域における厚さが、前記一対の端領域における厚さよりも薄く形成されている、センサシート。
【請求項2】
前記センサシート巻付部は、さらに、
前記絶縁シートおよび前記電極層により構成され、前記C字状またはU字状において前記中央領域と前記一対の端領域とをそれぞれ接続する一対の中間領域を備え、
前記電極層は、導電性エラストマーにより構成されており、前記一対の中間領域から前記中央領域まで連続して配置されており、
前記絶縁シートと前記電極層を含む一体要素は、
前記中央領域における厚さが、前記一対の中間領域における厚さより薄く形成されている、請求項1に記載のセンサシート。
【請求項3】
前記電極層は、導電性エラストマーにより構成されており、前記一対の端領域の少なくとも一方から前記中央領域まで連続して配置されており、
前記絶縁シートと前記電極層を含む一体要素は、
前記中央領域における厚さが、前記一対の端領域における厚さより薄く形成されている、請求項1に記載のセンサシート。
【請求項4】
前記電極層は、前記一対の端領域の双方から前記中央領域まで連続して配置されている、請求項3に記載のセンサシート。
【請求項5】
前記中央領域における前記基準芯線に沿う方向の長さは、前記一対の端領域における前記基準芯線に沿う方向の長さの1.05~1.25倍である、請求項1に記載のセンサシート。
【請求項6】
前記中央領域における前記基準芯線に沿う方向の長さは、前記芯材の表面のうち前記凸状曲線の曲率中心に背向する位置における前記基準芯線に沿う方向の長さと同じである、請求項1に記載のセンサシート。
【請求項7】
前記センサシートは、
複数の前記センサシート巻付部と、
少なくとも前記絶縁シートにより構成され、複数の前記センサシート巻付部のうち前記中央領域に対応する位置同士を連結し、複数の前記センサシート巻付部のうち前記一対の端領域に対応する位置同士を非連結とする連結部と、
を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のセンサシート。
【請求項8】
前記連結部を構成する前記絶縁シートは、前記連結部によって連結された前記センサシート巻付部を構成する前記絶縁シートと連続しており、
前記絶縁シートは、
前記連結部を構成する位置の厚さが、前記センサシート巻付部のうち前記中央領域に対応する位置の厚さより厚く形成されている、請求項7に記載のセンサシート。
【請求項9】
前記電極層は、導電性エラストマーにより構成されており、
前記連結部は、前記絶縁シートおよび前記電極層により構成され、
前記絶縁シートと前記電極層を含む一体要素は、
前記連結部を構成する位置の厚さが、前記センサシート巻付部のうち前記中央領域に対応する位置の厚さより厚く形成されている、請求項8に記載のセンサシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサシートに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、三次元曲面を有するステアリングホイールに可撓性のシートを巻き付ける技術が開示されている。シートは、可撓性を有したシート状の基材と、基材に配設された配線パターンと、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-16790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ステアリングホイールにシートを巻き付ける際、シートに、比較的に大きな皺が、不均一に発生することが懸念される。なぜならば、三次元曲面は伸縮することなしに平面に展開することができる曲面ではないからである。
【0005】
具体的に説明すると、ステアリングホイールの外周部分においてはシートを延伸させながら巻き付けることになる一方で、ステアリングホイールの内周部分においては、逆にシートの端部をステアリングホイールの内周側に巻き込みながら巻き付けることになる。このとき、ステアリングホイールの内周側に巻き込まれるシートの端部に皺が形成されないようにしつつ、且つ、ステアリングホイールの外周部分と内周部分との周長の差異を吸収させながら巻き付けるのは、非常に煩わしい。このため、シートをステアリングホイールへ巻付ける作業の効率化が望まれていた。
【0006】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、ステアリングホイールへの巻付け作業の効率が向上されたセンサシートを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、
中心軸線が凸状曲線であるステアリングホイールの芯材に巻き付けられるセンサシートであって、
エラストマー製の絶縁シートと、前記絶縁シートの少なくとも一方の面に積層される電極層と、を備え、
前記センサシートは、前記絶縁シートおよび前記電極層により構成され、前記芯材に巻き付けられるセンサシート巻付部を備え、
前記センサシート巻付部は、
前記芯材の前記中心軸線の凸状曲線の少なくとも一部に対応する形状の基準芯線を有するように形成されており、且つ、前記基準芯線と直交する平面の断面形状がC字状またはU字状に形成されており、
前記センサシート巻付部は、
前記絶縁シートおよび前記電極層により構成され、前記C字状またはU字状の中央に位置し、前記芯材の表面のうち前記凸状曲線の曲率中心に背向する位置に対応し、前記芯材への巻付け方向の中央に位置する中央領域と、
前記絶縁シートにより構成され、前記C字状またはU字状の端部に位置し、前記芯材の表面のうち前記凸状曲線の曲率中心に対向する位置に対応し、前記巻付け方向の端部に位置する一対の端領域と、
を備え、
前記絶縁シートは、
前記センサシート巻付部の前記中央領域における前記基準芯線に沿う方向の長さが、前記一対の端領域における前記基準芯線に沿う方向の長さよりも長く形成されており、
前記中央領域における厚さが、前記一対の端領域における厚さよりも薄く形成されている、センサシートにある。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、センサシート巻付部は、ステアリングホイールの芯材の、凸状曲線に対応した形状となっている。これにより、ステアリングホイールの芯材の表面にセンサシート巻付部を組付ける際に、絶縁シートの一対の端領域に皺が形成されないようにステアリングホイールの内周側に巻き込んだり、ステアリングホイールの周長差を吸収するために絶縁シートの中央領域を引き延ばしたりする作業量を軽減することができる。この結果、センサシートの組付け作業の効率を向上させることができる。
【0009】
以上のように、本発明の一態様によれば、ステアリングホイールへのセンサシートの巻付け作業の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態1に係るステアリングホイールを示す正面図である。
図2図1におけるII-II線拡大断面図である。
図3】実施形態1に係るセンサシートを示す平面図である。
図4】実施形態1に係るセンサシートを示す側面図である。
図5】実施形態1に係るセンサシートを示す、図1におけるII-II線断面に相当する拡大断面図である。
図6】実施形態1に係る未成形センサシートを示す平面図である。
図7図6におけるVII-VII線拡大断面図である。
図8】実施形態1に係るセンサシートの断面図であって、図5と異なる形状のセンサシートの拡大断面図である。
図9】実施形態1に係る未成形センサシートを型に取付けた状態を示す斜視図である。
図10】実施形態1の変形例1に係る未成形センサシートを示す断面図である。
図11】実施形態2に係るセンサシートをステアリングホイールに取付ける状態を示す正面図である。
図12】実施形態2に係るセンサシートを示す側面図である。
図13】実施形態2に係る未成形センサシートを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態1)
1.ステアリングホイール10の全体構成
本発明に係るセンサシート21をステアリングホイール10に適用した実施形態1について説明する。まず、ステアリングホイール10の構造について図1図2を参照して説明する。ステアリングホイール10は、図1に示すように、コア部11と、リング部12と、コア部11とリング部12とを接続する複数(本実施形態では3つ)の接続部13とを備える。以下の説明では、センサシート21の基準芯線Rに沿う方向を基準芯線方向Xとし、センサシート21の表面と直交する方向を厚さ方向Zとし、センサシート21をステアリングホイール10のリング部12に巻き付ける方向を巻付け方向Yとする。
【0012】
リング部12は、中心軸線Aが凸状曲線となる形状に形成されている。本形態のリング部12は、円形リング形状に形成されている。本形態では、円形リング形状が凸状曲線の一例とされている。リング部12の凸状曲線の曲率中心Cから遠い側の面は、リング部12の外周面14とされ、リング部12の凸状曲線の曲率中心Cから近い側の面はリング部12の内周面15とされる。ただし、リング部12は、円形に限られず、任意の形状に形成することができる。リング部12の軸直角断面形状は、図2に示すように、例えば、円形状に形成されている。従って、リング部12の表面は、全面に亘って、単一平面ではなく、三次元曲面に形成されている。
【0013】
2.ステアリングホイール10の詳細構成
ステアリングホイール10の詳細構成について、図1図2を参照して説明する。特に、リング部12の詳細構成について説明する。
【0014】
リング部12は、芯材19、センサシート21、及び、表皮材18を備える。芯材19は、芯体16と、樹脂内層材17と、を備える。芯体16は、リング部12の中心部を構成し、リング部12の形状に対応する形状に形成されている。つまり、芯体16は、円形リング形状に形成され、円形状の軸直角断面を有している。ここで、芯体16の軸直角断面形状は、円形状に限られることなく、楕円形状、卵形状、U字状、C字状、多角形状等、任意の形状とすることができる。本形態の芯体16は、アルミニウム、マグネシウム等の金属により形成されており、導電性を有する。芯体16の材質は、金属以外の材料を適用することができる。
【0015】
樹脂内層材17は、芯体16の外面において、芯体16のリング形状の全周に亘って、且つ、芯体16の円断面形状の全周に亘って被覆する。本形態においては、樹脂内層材17の軸直角断面は円形状に形成されている。樹脂内層材17は、リング部12の径方向の外周側にやや偏心して配置されている。仮に、芯体16がU字状の軸直角断面を有する場合には、樹脂内層材17は、芯体16の軸直角断面における径方向外側に加えて、芯体16のU字状の凹所にも充填される。樹脂内層材17は、芯体16の外面側に射出成型により成形されており、芯体16の外面に直接的に接合されている。樹脂内層材17の軸直角断面形状は、円形状に限られることなく、卵形状、楕円形状、多角形状等、任意の形状とすることができる。樹脂内層材17は、例えば、発泡樹脂により成形されている。樹脂内層材17は、例えば、発泡ウレタン樹脂を用いる。なお、樹脂内層材17は、非発泡樹脂を用いることもできる。
【0016】
芯材19の樹脂内層材17の外面には、センサシート21が巻き付けられている。センサシート21は、芯材19に巻き付けられた状態でC字状をなしている。センサシート21については、後に詳述する。
【0017】
表皮材18は、センサシート21の外面(センサシート21における芯材19とは反対側の面)において、センサシート21のリング形状の全周(図1におけるX方向全周)に亘って、且つ、センサシート21の基準芯線Rに直交する断面形状の全周(図2におけるY方向全周)に亘って被覆する。つまり、表皮材18は、後述するように、第一電極層25aが絶縁シート24の第一面27側に露出している場合には、第一電極層25aの被覆材としても機能する。表皮材18は、射出成型により成形されており、センサシート21の外面側に巻き付けられてセンサシート21の外面に接合されている。表皮材18は、例えば、ウレタン樹脂により成形されている。表皮材18の外面は、意匠面を構成する。そこで、表皮材18は、非発泡ウレタン樹脂、又は、僅かに発泡させたウレタン樹脂を用いることが好ましい。
【0018】
3.センサシート21の全体構成
実施形態1のセンサシート21の全体構成について、図3図7を参照して説明する。図3に示すように、センサシート21は、複数(本形態では5つ)のセンサシート巻付部22と、隣り合うセンサシート巻付部22同士を連結する複数(本形態では4つ)の連結部23と、を備える。ただし、センサシート巻付部22の個数は、2つ~4つ、または6つ以上でもよい。
【0019】
図4に示すように、センサシート巻付部22は、芯材19の中心軸線Aの凸状曲線の少なくとも一部に対応する形状の基準芯線Rを有するように形成されている。本形態では、基準芯線Rは、円弧の一部を構成するように形成されている。側方から見て、センサシート巻付部22は、基準芯線Rに沿って円弧の一部を構成するように形成されている。また、センサシート巻付部22は、基準芯線Rと直交する平面形状がU字状(図5参照)に形成されている。図5に示すように、センサシート巻付部22は、ストレート形状をなす一対のストレート部37と、一対のストレート部37同士を湾曲状に連結する湾曲部38と、を備えてもよいし、湾曲状をなす湾曲部のみを備える構成としてもよい。
【0020】
センサシート21は、長尺の平面状に形成された未成形センサシート26(図6参照)が、加熱により軟化され、所定の形状に変形された後、冷却されることにより所定の形状に形成される(図3および図4参照)。未成形センサシート26の長手方向の長さ寸法は、ステアリングホイール10の芯材19の表面のうち凸状曲線の曲率中心Cに背向する位置における基準芯線方向Xに沿う方向の長さよりもやや短く形成されている。
【0021】
図7に、未成形センサシート26の断面図を示す。未成形センサシート26は、絶縁シート24と、第一電極層25aと、第二電極層25bと、を備える。第一電極層25aおよび第二電極層25bは、導電性を有するとともに、層状に形成されている。
【0022】
第一電極層25aは、絶縁シート24の第一面27に積層されている。第一電極層25aは、絶縁シート24よりもやや小さな相似形に形成されている。これにより、絶縁シート24の第一面27の端縁部は、第一電極層25aの端縁部から露出している。
【0023】
第二電極層25bは、絶縁シート24の第二面28に積層されている。第二電極層25bは、絶縁シート24よりもやや小さな相似形に形成されている。これにより、絶縁シート24の第二面28の端縁部は、第二電極層25bの端縁部から露出している。
【0024】
第一電極層25aと第二電極層25bとは、同形同大であってもよいし、一方が他方よりもやや大きな相似形であってもよい。なお、未成形センサシート26が所定の形状に形成された後であっても、絶縁シート24、第一電極層25aおよび第二電極層25bの積層構造に変化はない。
【0025】
絶縁シート24は、例えばエラストマーを主成分として含んで形成されている。従って、絶縁シート24は、柔軟である。つまり、絶縁シート24は、可撓性を有し、かつ、面方向に伸長可能に構成されている。絶縁シート24は、例えば、熱可塑性材料、特に熱可塑性エラストマーを主成分として含んで形成されている。絶縁シート24は、熱可塑性エラストマー自身により形成されるようにしても良いし、熱可塑性エラストマーを素材として加熱することによって架橋されたエラストマーを主成分として形成されるようにしても良い。
【0026】
また、絶縁シート24は、熱可塑性エラストマー以外のゴム、樹脂や他の材料などを含んでいても良い。例えば、絶縁シート24がエチレン-プロピレンゴム(EPM、EPDM)などのゴムを含む場合には、絶縁シート24の柔軟性が向上する。絶縁シート24の柔軟性を向上させるという観点から、絶縁シート24に可塑剤などの柔軟性付与成分を含有させてもよい。さらに、絶縁シート24は、反応硬化性エラストマー、熱硬化性エラストマーを主成分として構成されるようにしても良い。
【0027】
さらに、絶縁シート24は、熱伝導性の良好な材料が好適である。そこで、絶縁シート24は、熱伝導率の高い熱可塑性エラストマーを用いるようにしても良いし、熱伝導率を高めることができるフィラーを含有させるようにしても良い。
【0028】
第一電極層25aは、絶縁シート24の第一面27、すなわち絶縁シート24の上面(図7の上面)側に、絶縁シート24の面方向に配列されており、第二電極層25bは、絶縁シート24の第二面28、すなわち絶縁シート24の下面(図7の下面)側に、絶縁シート24の面方向に配列されている。少なくとも第一電極層25aは、検出用電極を構成する。第一電極層25aおよび第二電極層25bは、導電性を有する。さらに、第一電極層25aおよび第二電極層25bは、柔軟である。つまり、第一電極層25aおよび第二電極層25bは、可撓性を有し、かつ、面方向に伸長可能に構成されている。
【0029】
図7においては、第一電極層25aおよび第二電極層25bが導電性エラストマーにより形成される場合について詳細に説明する。この場合、第一電極層25aおよび第二電極層25bは、エラストマーを母材とし、導電性フィラーを含有させることにより形成されている。第一電極層25aおよび第二電極層25bの母材であるエラストマーは、絶縁シート24と主成分を同種とするとよい。特に、第一電極層25aおよび第二電極層25bは、熱可塑性エラストマーにより形成されるようにするとよい。
【0030】
ただし、第一電極層25aおよび第二電極層25bは、絶縁シート24の軟化点よりも高い軟化点を有する材料により形成されている。これは、絶縁シート24自身の融着(熱融着)により絶縁シート24に第一電極層25aおよび第二電極層25bを接合する際に、絶縁シート24を第一電極層25aおよび第二電極層25bよりも先に軟化させるためである。その結果、絶縁シート24の厚みを所望の厚みとすることができる。
【0031】
ここで、第一電極層25aおよび第二電極層25bは、絶縁シート24自身の融着(熱融着)により絶縁シート24に接合される。さらには、第一電極層25aおよび第二電極層25bがエラストマーを表層に位置するように形成されている場合には、第一電極層25aおよび第二電極層25b自身の融着(熱融着)により、第一電極層25aおよび第二電極層25bと絶縁シート24とが接合される。つまり、第一電極層25aおよび第二電極層25bと絶縁シート24とは、相互の融着によって接合される。なお、第一電極層25aおよび第二電極層25bと絶縁シート24とは、いずれか一方のみの融着によって接合されるようにしても良い。
【0032】
4.センサシート21の詳細な形状
センサシート21の詳細な形状について図2~5および図8を参照して説明する。センサシート21は、側縁から外方に突出する突片29を有する。突片29には、第一電極層25aおよび第二電極層25bと、外部回路とを接続するための端子(図示せず)が取り付けられるようにすることができる。
【0033】
図2に示すように、センサシート21のセンサシート巻付部22は、ステアリングホイール10の芯材19に、巻付け方向Yに沿って巻き付けられる。センサシート巻付部22は、巻付け方向Yについて、中央位置付近の中央領域30と、巻付け方向Yの端部に位置する一対の端領域31と、中央領域30と端領域31との間に位置する一対の中間領域32と、を備える。センサシート21の中央領域30は、リング部12の外周面14側に配置されており、一対の端領域31は、リング部12の内周面15側に配置されている。上記したストレート部37は、センサシート巻付部22のうち、中間領域32から端領域31の部分に相当し、湾曲部38は、中央領域30に相当する。
【0034】
第一電極層25aおよび第二電極層25bは、一対の端領域31の双方から中央領域30まで連続して配置されている。ただし、第一電極層25aおよび第二電極層25bは、一対の端領域31の一方から中央領域30まで連続して配置されてもよく、また、一対の中間領域32から中央領域30まで連続して配置される構成としてもよい。
【0035】
中央領域30は、基準芯線方向Xの全域にわたって、センサシート21を加熱して軟化させた後に、プレス加工することにより基準芯線方向Xに延伸されている。
【0036】
一対の中間領域32は、基準芯線方向Xの全域にわたって、基準芯線方向Xに延伸されていてもよいし、また、延伸されていなくてもよい。一対の中間領域32が延伸される場合には、センサシート21を加熱して軟化させた後に、プレス加工してもよい。
【0037】
図5に示すように、センサシート巻付部22は、基準芯線方向Xと直交する平面の断面形状がU字状に形成されている。なお、図5においては、説明の便宜上、厚さを強調して記載してある。また、説明の便宜上、絶縁シート24、第一電極層25aおよび第二電極層25bを一体の構成物として記載してある。センサシート巻付部22のうち、絶縁シート24、第一電極層25aおよび第二電極層25bを含む一体要素は、中央領域30における厚さが、一対の中間領域32における厚さより薄く形成されている。また、一体要素は、中央領域30における厚さが、一対の端領域31における厚さより薄く形成されている。
【0038】
ただし、センサシート巻付部22は、図8に示すように、一対の中間領域32および一対の端領域31が、芯材19の外形状に沿って湾曲されることにより、基準芯線方向Xと直交する平面の断面形状がC字状に形成されていてもよい。
【0039】
図4に示すように、絶縁シート24は、センサシート巻付部22の中央領域30における基準芯線Rに沿う方向の長さLが、一対の端領域31における基準芯線Rに沿う方向の長さMよりも長く形成されている。絶縁シート24は、センサシート巻付部22の中央領域30における基準芯線方向Xに沿う長さLが、一対の端領域31における基準芯線方向Xに沿う長さMの1.05~1.25倍である。
【0040】
中央領域30における基準芯線Rに沿う方向の長さLが、一対の端領域31における基準芯線Rに沿う方向の長さMの1.05倍以上であることにより、ステアリングホイール10の芯材19にセンサシート21を取付けたときに、一対の端領域31に皺が形成されにくくなる。中央領域30における基準芯線Rに沿う方向の長さLが、一対の端領域31における基準芯線Rに沿う方向の長さMの1.25倍以下であることにより、第一電極層25aおよび第二電極層25bが過度に延伸されることが抑制される。
【0041】
図5に示すように、絶縁シート24は、センサシート巻付部22の中央領域30における厚さが、一対の端領域31における厚さよりも薄く形成されている。
【0042】
図3に示すように、連結部23は、複数のセンサシート巻付部22のうち中央領域30に対応する位置同士を連結し、複数のセンサシート巻付部22のうち一対の端領域31に対応する位置同士を非連結としている。連結部23は、センサシート巻付部22の絶縁シート24と連続しており、センサシート巻付部22により構成されている。
【0043】
本形態では、連結部23は、複数のセンサシート巻付部22のうち一対の中間領域32に対応する位置同士も連結している。ただし、連結部23は、複数のセンサシート巻付部22のうち一対の中間領域32に対応する位置同士を非連結とする構成としてもよい。
【0044】
詳細には図示しないが、絶縁シート24は連結部23を構成する位置の厚さが、センサシート巻付部22のうち中央領域30に対応する位置の厚さより厚く形成されている。ただし、絶縁シート24は連結部23を構成する位置の厚さが、センサシート巻付部22のうち中央領域30に対応する位置の厚さと同じに形成されていてもよい。
【0045】
また、絶縁シート24、第一電極層25aおよび第二電極層25bを含む一体要素は、連結部23を構成する位置の厚さが、センサシート巻付部22のうち中央領域30に対応する厚さより厚く形成されている。ただし、絶縁シート24、第一電極層25aおよび第二電極層25bを含む一体要素は、連結部23を構成する位置の厚さが、センサシート巻付部22のうち中央領域30に対応する厚さと同じに形成されていてもよい。
【0046】
センサシート21のうち中央領域30における基準芯線方向Xに沿う長さは、芯材19の表面のうち凸状曲線の曲率中心Cに背向する位置における基準芯線方向Xに沿う長さと同じに形成されている。
【0047】
5.ステアリングホイール10の製造方法
続いて、ステアリングホイール10の製造方法の一例について図1図6および図9を参照して説明する。なお、ステアリングホイール10の製造方法については以下の記載に限定されない。
【0048】
芯体16の外面に樹脂内層材17を射出成型する。すなわち、芯体16を金型(図示せず)の中に配置し、成形材料を金型内に注入することで、樹脂内層材17が成形される。このようにして、芯体16と樹脂内層材17とが一体化される。
【0049】
絶縁シート24、第一電極層25aおよび第二電極層25bを所定の形状に形成する。絶縁シート24の表面に第一電極層25aおよび第二電極層25bを接合する。これにより、所定の形状に形成される前の未成形センサシート26が形成される(図6参照)。
【0050】
図9に示すように、未成形センサシート26を、ステアリングホイール10と同形状の型33の外面に取り付ける。未成形センサシート26のうち、センサシート巻付部22に相当する部分を、型33の外表面に、巻付け方向に沿って巻き付ける。このとき、未成形センサシート26を、基準芯線方向に沿って延伸させながら芯材19の外表面に巻き付ける。その後、未成形センサシート26を、例えばヒートガン(図示せず)により、絶縁シート24、第一電極層25aおよび第二電極層25bの軟化点以上の温度に加熱する。
【0051】
その後、冷却することにより、絶縁シート24、第一電極層25aおよび第二電極層25bが所定の形状に固定される。以上によりセンサシート21が完成する(図3~5参照)。
【0052】
ステアリングホイール10の外面およびセンサシート21の内面に接着剤を塗布する。その後、センサシート21をステアリングホイール10の芯材19の外面に取り付ける。このとき、センサシート21の一対の端領域31が芯材19の内周側に位置し、センサシート21の中央領域30が芯材19の外周側に位置するように巻付ける。その後、接着剤を固化させることにより、センサシート21をステアリングホイール10の芯材19の外面に接着する。
【0053】
続いて、表皮材18を所定の形状に形成し、センサシート21の外面に巻き付ける。その後、センサシート21と、表皮材18とを、接着または熱融着させる。なお、表皮材18は、芯体16、樹脂内層材17およびセンサシート21を金型(図示せず)の中に配置し、成形材料を注入することで形成してもよい。以上によりステアリングホイール10が完成する(図1図2参照)。
【0054】
6.実施形態1の作用効果
続いて、実施形態1の効果について説明する。本形態によれば、センサシート巻付部22は、ステアリングホイール10の芯材19の、凸状曲線に倣った形状となっている。これにより、ステアリングホイール10の芯材19の表面にセンサシート巻付部22を組付ける際に、絶縁シート24の一対の端領域31に皺が形成されないようにステアリングホイール10の内周側に巻き込んだり、ステアリングホイール10の周長差を吸収するために絶縁シート24の中央領域30を引き延ばしたりする作業量を軽減することができる。この結果、センサシート21の組付け作業の効率を向上させることができる。
【0055】
本形態においては、第一電極層25aおよび第二電極層25bは、導電性エラストマーにより構成されており、一対の中間領域32から中央領域30まで連続して配置されており、絶縁シート24と、第一電極層25aおよび第二電極層25bとを含む一体要素は、中央領域30における厚さが、一対の中間領域32における厚さより薄く形成されている。本形態によれば、第一電極層25aおよび第二電極層25bが一対の中間領域32から中央領域30まで連続して配されている場合において、センサシート巻付部22を、中央領域30において、巻付け方向Y等に容易に延伸させることができる。これにより、センサシート巻付部22を、ステアリングホイール10の芯材19の、凸状曲線に倣った形状に容易に変形させることができる。
【0056】
また、本形態においては、第一電極層25aおよび第二電極層25bは、導電性エラストマーにより構成されており、一対の端領域31の少なくとも一方から中央領域30まで連続して配置されており、絶縁シート24と、第一電極層25aおよび第二電極層25bとを含む一体要素は、中央領域30における厚さが、一対の端領域31における厚さより薄く形成されている。
【0057】
本形態によれば、第一電極層25aおよび第二電極層25bが一対の端領域31の少なくとも一方から中央領域30まで連続して配されている場合において、センサシート巻付部22を、中央領域30において、巻付け方向Y等に容易に延伸させることができる。これにより、センサシート巻付部22を、ステアリングホイール10の芯材19の、凸状曲線に倣った形状に容易に変形させることができる。
【0058】
さらに本形態においては、第一電極層25aおよび第二電極層25bを、一対の端領域31の双方から中央領域30まで連続して配置することができる。
【0059】
本形態によれば、中央領域30における基準芯線Rに沿う方向の長さは、芯材19の表面のうち凸状曲線の曲率中心Cに背向する位置における基準芯線Rに沿う方向の長さと同じである。
【0060】
本形態によれば、ステアリングホイール10の芯材19にセンサシート巻付部22を巻き付ける際に、絶縁シート24を基準芯線Rに沿う方向に延伸させる必要がない。この結果、センサシートの組付け作業の効率を向上させることができる。
【0061】
本形態によれば、センサシート21は、複数のセンサシート巻付部22と、少なくとも絶縁シート24により構成され、複数のセンサシート巻付部22のうち中央領域30に対応する位置同士を連結し、複数のセンサシート巻付部22のうち一対の端領域31に対応する位置同士を非連結とする連結部23と、を備える。
【0062】
本形態によれば、ステアリングホイール10の芯材19に、複数のセンサシート巻付部22を順に巻き付けていくことにより、センサシート21をステアリングホイール10に取り付けることができる。これにより、効率よく取り付け作業を行うことができる。
【0063】
本形態によれば、連結部23を構成する絶縁シート24は、連結部23によって連結されたセンサシート巻付部22を構成する絶縁シート24と連続しており、絶縁シート24は、連結部23を構成する位置の厚さが、センサシート巻付部22のうち中央領域30に対応する位置の厚さより厚く形成されている。
【0064】
連結部23は、複数のセンサシート巻付部22のうち一対の端領域31を非連結としているので、連結部23は、センサシート巻付部22に比べて、少なくとも一対の端領域31の分だけ幅狭になっている。このため、連結部23の強度が低下することが懸念される。本形態によれば、絶縁シート24のうち、連結部23を構成する位置の厚さが、センサシート巻付部22のうち中央領域30に対応する位置の厚さより厚く形成されているので、連結部23の強度が低下することが抑制される。
【0065】
本形態によれば、第一電極層25aおよび第二電極層25bは、導電性エラストマーにより構成されており、連結部23は、絶縁シート24、第一電極層25aおよび第二電極層25bにより構成され、絶縁シート24と、第一電極層25aおよび第二電極層25bとを含む一体要素は、連結部23を構成する位置の厚さが、センサシート巻付部22のうち中央領域30に対応する位置の厚さより厚く形成されている。
【0066】
本形態によれば、絶縁シート24のうち、絶縁シート24と、第一電極層25aおよび第二電極層25bとを含む一体要素は、連結部23を構成する位置の厚さが、センサシート巻付部22のうち中央領域30に対応する位置の厚さより厚く形成されているので、連結部23の強度が低下することが抑制される。
【0067】
(実施形態1の変形例1)
図10においては、第一電極層25aおよび第二電極層25bが導電性布34である場合を図示する。第一電極層25aおよび第二電極層25bが導電性布34により形成される場合について詳細に説明する。導電性布34は、導電性繊維により形成された織物または不織布である。ここで、導電性繊維は、柔軟性を有する繊維35の表面を導電性材料36により被覆することにより形成される。導電性繊維は、例えば、ポリエチレンなどの樹脂繊維の表面に、銅やニッケルなどをメッキすることにより形成される。
【0068】
この場合、第一電極層25aおよび第二電極層25bは、絶縁シート24自身の融着(熱融着)により絶縁シート24に接合される。さらに、第一電極層25aおよび第二電極層25bは、布であるため、複数の貫通孔を有する。従って、絶縁シート24の一部分が、第一電極層25aおよび第二電極層25bの貫通孔に入り込む。つまり、第一電極層25aおよび第二電極層25bの少なくとも一部は、絶縁シート24に埋設された状態となる。第一電極層25aおよび第二電極層25bの、絶縁シート24への埋設深さは、同じでもよいし、また、異なっていてもよい。
【0069】
(実施形態1の変形例2)
第一電極層25aおよび第二電極層25bが金属箔により形成される場合について説明する。金属箔は、導電性布と同様に、複数の貫通孔を有するのが好適である。従って、第一電極層25aおよび第二電極層25bは、可撓性を有し、貫通孔の変形に伴い面方向への伸長を可能とする。金属箔は、導通可能な金属材料であればよく、例えば、銅箔、アルミニウム箔などを適用できる。さらに、第一電極層25aおよび第二電極層25bは、導電性布である場合と同様に、絶縁シート24自身の融着(熱融着)によりセンサシート21に接合される。
【0070】
(実施形態2)
続いて、実施形態2について図11図13を参照しつつ説明する。図11に示すように、本形態においては、1つのステアリングホイール10の芯材19に、複数(本形態では4つ)のセンサシート40が取付けられる。図12に示すように、本形態に係る1つのセンサシート40は、1つのセンサシート巻付部41を備える。すなわち、本形態に係るセンサシート40は、連結部23を有しない。ただし、センサシート40の個数は、1つ~3つ、または5つ以上でもよい。
【0071】
図13に示すように、センサシート40は、長尺の平面状に形成された未成形センサシート42が、加熱により軟化され、所定の形状に変形された後、冷却されることにより所定の形状に形成される。
【0072】
図12に示すように、センサシート巻付部41は、芯材19の中心軸線Aの凸状曲線の少なくとも一部に対応する形状の基準芯線Rを有するように形成されている。本形態では、基準芯線Rは、円弧の一部を構成するように形成されている。側方から見て、センサシート巻付部41は、基準芯線Rに沿って円弧の一部を構成するように形成されている。また、詳細には図示しないが、センサシート巻付部41は、基準芯線Rと直交する平面形状がC字状に形成されている。
【0073】
4つのセンサシート40の、各センサシート巻付部41の基準芯線方向Xに沿う長さの和は、芯材19の表面のうち凸状曲線の曲率中心Cに背向する位置における基準芯線方向Xに沿う方向の長さと同じである。
【0074】
上記以外の構成については、実施形態1と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0075】
本形態によれば、センサシート巻付部41は、ステアリングホイール10の芯材19の、凸状曲線に倣った形状となっている。これにより、ステアリングホイール10の芯材19の表面にセンサシート巻付部41を組付ける際に、絶縁シート24の一対の端領域31に皺が形成されないようにステアリングホイール10の内周側に巻き込んだり、ステアリングホイール10の周長差を吸収するために絶縁シート24の中央領域30を引き延ばしたりする作業量を軽減することができる。この結果、センサシート40の組付け作業の効率を向上させることができる。
【0076】
本明細書で開示される技術は上記の記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
【0077】
ステアリングホイール10は円環状でなくてもよく、例えば、長円形状、角が丸められた四角形状等、任意の形状を選択できる。
【0078】
本形態では、絶縁シート24の両面に第一電極層25aおよび第二電極層25bが形成される構成としたが、これに限られず、絶縁シート24の一方の面にのみ電極層が形成される構成としてもよい。
【0079】
絶縁シート24と、第一電極層25aおよび第二電極層25bとを含む一体要素は、中央領域30における厚さと、一対の中間領域32または一対の端領域31における厚さが、同じであってもよい。
【0080】
(その他)
本形態の一態様として、下記の構成および組合せも含まれる。
【0081】
(1) 中心軸線が凸状曲線であるステアリングホイールの芯材に巻き付けられるセンサシートであって、
エラストマー製の絶縁シートと、前記絶縁シートの少なくとも一方の面に積層される電極層と、を備え、
前記センサシートは、前記絶縁シートおよび前記電極層により構成され、前記芯材に巻き付けられるセンサシート巻付部を備え、
前記センサシート巻付部は、
前記芯材の前記中心軸線の凸状曲線の少なくとも一部に対応する形状の基準芯線を有するように形成されており、且つ、前記基準芯線と直交する平面の断面形状がC字状またはU字状に形成されており、
前記センサシート巻付部は、
前記絶縁シートおよび前記電極層により構成され、前記C字状またはU字状の中央に位置し、前記芯材の表面のうち前記凸状曲線の曲率中心に背向する位置に対応し、前記芯材への巻付け方向の中央に位置する中央領域と、
前記絶縁シートにより構成され、前記C字状またはU字状の端部に位置し、前記芯材の表面のうち前記凸状曲線の曲率中心に対向する位置に対応し、前記巻付け方向の端部に位置する一対の端領域と、
を備え、
前記絶縁シートは、
前記センサシート巻付部の前記中央領域における前記基準芯線に沿う方向の長さが、前記一対の端領域における前記基準芯線に沿う方向の長さよりも長く形成されており、
前記中央領域における厚さが、前記一対の端領域における厚さよりも薄く形成されている、センサシート。
【0082】
(2) 前記センサシート巻付部は、さらに、
前記絶縁シートおよび前記電極層により構成され、前記C字状またはU字状において前記中央領域と前記一対の端領域とをそれぞれ接続する一対の中間領域を備え、
前記電極層は、導電性エラストマーにより構成されており、前記一対の中間領域から前記中央領域まで連続して配置されており、
前記絶縁シートと前記電極層を含む一体要素は、
前記中央領域における厚さが、前記一対の中間領域における厚さより薄く形成されている、上記(1)に記載のセンサシート。
【0083】
(3) 前記電極層は、導電性エラストマーにより構成されており、前記一対の端領域の少なくとも一方から前記中央領域まで連続して配置されており、
前記絶縁シートと前記電極層を含む一体要素は、
前記中央領域における厚さが、前記一対の端領域における厚さより薄く形成されている、上記(1)または(2)に記載のセンサシート。
【0084】
(4) 前記電極層は、前記一対の端領域の双方から前記中央領域まで連続して配置されている、上記(3)に記載のセンサシート。
【0085】
(5) 前記中央領域における前記基準芯線に沿う方向の長さは、前記一対の端領域における前記基準芯線に沿う方向の長さの1.05~1.25倍である、上記(1)~(4)のいずれか1つに記載のセンサシート。
【0086】
(6) 前記中央領域における前記基準芯線に沿う方向の長さは、前記芯材の表面のうち前記凸状曲線の曲率中心に背向する位置における前記基準芯線に沿う方向の長さと同じである、上記(1)~(5)のいずれか1つに記載のセンサシート。
【0087】
(7) 前記センサシートは、
複数の前記センサシート巻付部と、
少なくとも前記絶縁シートにより構成され、複数の前記センサシート巻付部のうち前記中央領域に対応する位置同士を連結し、複数の前記センサシート巻付部のうち前記一対の端領域に対応する位置同士を非連結とする連結部と、
を備える、上記(1)~(6)のいずれか1つに記載のセンサシート。
【0088】
(8) 前記連結部を構成する前記絶縁シートは、前記連結部によって連結された前記センサシート巻付部を構成する前記絶縁シートと連続しており、
前記絶縁シートは、
前記連結部を構成する位置の厚さが、前記センサシート巻付部のうち前記中央領域に対応する位置の厚さより厚く形成されている、上記(7)に記載のセンサシート。
【0089】
(9) 前記電極層は、導電性エラストマーにより構成されており、
前記連結部は、前記絶縁シートおよび前記電極層により構成され、
前記絶縁シートと前記電極層を含む一体要素は、
前記連結部23を構成する位置の厚さが、前記センサシート巻付部のうち前記中央領域に対応する位置の厚さより厚く形成されている、上記(8)に記載のセンサシート。
【符号の説明】
【0090】
10:ステアリングホイール、19:芯材、21,40:センサシート、22,41:センサシート巻付部、23:連結部、24:絶縁シート、25a:第一電極層、25b:第二電極層、30:中央領域、31:端領域、32:中間領域、A:中心軸線、C:曲率中心、R:基準芯線、Y:巻付け方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13