(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018306
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】伝送電源ユニット
(51)【国際特許分類】
G08C 19/00 20060101AFI20240201BHJP
G08C 15/00 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
G08C19/00 G
G08C15/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121552
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000219451
【氏名又は名称】東亜ディーケーケー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100173934
【弁理士】
【氏名又は名称】久米 輝代
(74)【代理人】
【識別番号】100175064
【弁理士】
【氏名又は名称】相澤 聡
(72)【発明者】
【氏名】田中 一嘉
(72)【発明者】
【氏名】小林 亘
【テーマコード(参考)】
2F073
【Fターム(参考)】
2F073AA01
2F073AB01
2F073AB05
2F073BB04
2F073BC01
2F073CC03
2F073CD11
2F073CD27
2F073DD07
2F073EE13
2F073FF12
2F073FF13
2F073FF14
2F073GG01
2F073GG04
(57)【要約】
【課題】Modbus(登録商標)等の一般的な通信プロトコルに対応した計測装置に供給するための電力を、消費電力が大きく、広い範囲の電圧入力が可能な外部電源とし、かつ、安定した電源を供給するとともに、計測装置(センサ)が計測したデータをネットワークを介して外部機器に伝送可能な伝送電源ユニットを提供する。
【解決手段】計測地点におけるデータを計測するセンサモジュール21とセンサ用接続ケーブル22を介して接続される伝送電源ユニット20であって、伝送電源ユニット20は、当該伝送電源ユニット20に接続された外部電源を整流な定電圧の電源にする機能と、ネットワークを介して外部機器と接続されることにより、センサモジュール21において計測されたデータを外部機器に伝送する機能を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測地点におけるデータを計測するセンサモジュールとセンサ用接続ケーブルを介して接続されることにより、前記センサモジュールと通信可能な伝送電源ユニットであって、
前記伝送電源ユニットは、当該伝送電源ユニットに接続された外部電源を整流な定電圧の電源にする機能と、ネットワークを介して外部機器と接続されることにより、前記センサモジュールにおいて計測されたデータを前記外部機器に伝送する機能を備える
ことを特徴とする伝送電源ユニット。
【請求項2】
前記伝送電源ユニットには、前記外部電源を接続可能な電源端子と、前記センサ用接続ケーブルを接続可能なセンサモジュール専用コネクタが設けられており、
前記電源端子に前記外部電源が接続され、前記センサモジュール専用コネクタに前記センサモジュールと接続された前記センサ用接続ケーブルが接続されることにより、前記センサモジュールに前記整流な定電圧の電源を供給する
ことを特徴とする請求項1記載の伝送電源ユニット。
【請求項3】
前記伝送電源ユニットには、外部のIoTゲートウェイをRS485ケーブルを介して接続可能なRS485ケーブル端子が設けられている
ことを特徴とする請求項2記載の伝送電源ユニット。
【請求項4】
前記RS485ケーブル端子に前記外部のIoTゲートウェイと接続された前記RS485ケーブルが接続され、前記センサモジュール専用コネクタに前記センサモジュールと接続された前記センサ用接続ケーブルが接続されることにより、前記センサモジュールによって計測されたデータが、前記伝送電源ユニットを介して、前記外部のIoTゲートウェイを経由して、ネットワークを介して接続されている外部機器に伝送される
ことを特徴とする請求項3記載の伝送電源ユニット。
【請求項5】
前記センサモジュールは、通信プロトコルをModbus(登録商標)対応としたセンサモジュールであることを特徴とする請求項1~請求項4のうちのいずれか1項記載の伝送電源ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、Modbus(登録商標)等の一般的な通信プロトコルに対応した計測装置(センサ)に電源を供給するとともに、計測装置(センサ)が計測したデータをネットワークを介して外部機器に伝送する伝送電源ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、様々な項目について計測(測定)する計測装置(センサ)において、その計測装置によって計測(測定)したデータを、遠隔地にあるサーバへ送信してデータ解析等を行う、ということが行われている。特に、水質計など、遠隔地にある河川、湖、海などの水質を計測(測定)する計測装置においては、有線だとかなり長いケーブルを用意する必要が出てくる場合もあるため、有線での通信より無線通信であることが望ましい。
【0003】
一方、水質計などの計測装置においては、電力の供給についても様々な制限があり、設計が難しい。具体的には、電池により駆動することを前提に設計された計測装置では、外部からの電源供給を前提としたものに比べて、低消費電力で動かさないといけない、という制限がかかるため、多項目の計測(測定)が必要とされる場合や、高機能・高性能な計測装置の場合には、外部から電源供給できるタイプの方が望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-39911号公報
【特許文献2】特開2019-29009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、水質計などの計測装置において、外部からの電源供給を前提とする場合には、安定した電力を供給しないと、測定精度にも影響を及ぼしてしまう、という問題があった。また、仕様どおりの正しい電圧の電源を加えないと、測定装置そのものが壊れてしまう、という問題もあった。さらに、近年では、IoT環境に容易に接続できることも要求されるため、通信プロトコルを作り込まなければならないという問題もあった。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、Modbus(登録商標)等の一般的な通信プロトコルに対応した計測装置に供給するための電力を、消費電力が大きく、広い範囲の電圧入力が可能な外部電源とし、かつ、安定した電源を供給するとともに、計測装置(センサ)が計測したデータをネットワークを介して外部機器に伝送可能な伝送電源ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、この発明は、計測地点におけるデータを計測するセンサモジュールとセンサ用接続ケーブルを介して接続されることにより、前記センサモジュールと通信可能な伝送電源ユニットであって、前記伝送電源ユニットは、当該伝送電源ユニットに接続された外部電源を整流な定電圧の電源にする機能と、ネットワークを介して外部機器と接続されることにより、前記センサモジュールにおいて計測されたデータを前記外部機器に伝送する機能を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明の伝送電源ユニットによれば、5-24VDCの電圧範囲の一般的な電源で数VA程度の電源容量があればどのような外部電源であっても直接接続することができ、その外部電源を整流な定電圧の電源(安定した良質な電源)にした上で、センサモジュールに対して安定した良質な電源が供給できるとともに、センサモジュールを壊してしまう心配もない。また、一般的に広く使用されているModbus(登録商標)等の一般的なプロトコルによって、ネットワークを介して外部機器に計測データの送信(通信)を行うことができるので、その後のデータ解析やデータの加工など、ユーザによって必要な作業についても、通信プロトコルの作り込みも必要なく、簡単に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】従来の水質計(計測装置)の運用例を示す概略説明図である。
【
図2】この発明の実施の形態1における水質計(計測装置)の運用例を示す概略説明図である。
【
図3】この発明の実施の形態1における伝送電源ユニットの一例を示す概略説明図である。
【
図4】この発明の実施の形態1における伝送電源ユニットおよびセンサモジュールの設置例を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明は、Modbus(登録商標)等の一般的な通信プロトコルに対応した計測装置(センサ)に電源を供給するとともに、計測装置(センサ)が計測したデータをネットワークを介して外部機器に伝送する伝送電源ユニットに関するものである。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図1は、従来の水質計(計測装置)の運用例を示す概略説明図であり、左側の一点鎖線で囲んだ部分が水質計(計測装置)、破線より右側の部分がユーザ側で用意する機器である。従来の水質計(計測装置)は、
図1に示すように、計測地点である水中における様々な項目(多項目)についてデータ(数値データ)を計測(測定)するセンサモジュール11と、当該センサモジュール11とセンサ用接続ケーブル12を介して接続された表示操作器13と、を必要とするものである。
【0012】
また、センサモジュール11によって計測されたデータは、表示操作器13を介したRS232Cケーブルによるシリアル通信によりユーザ側へ送信される。このRS232Cは通信方式としては一般的だが、通信プロトコルについてはユーザごとにバラバラであるため、ユーザ側でデータ解析等を行うためには、ユーザの仕様に合わせた通信プロトコルを作成する必要があった。また、近年では、IoT環境に容易に接続できることも要求されるため、そのことも考慮した上でデータ通信のためにユーザごとに通信プロトコルの作り込みをする必要があり、大変な作業であった。
【0013】
また、センサモジュール11単体ではプロトコル開示が困難なため、表示部131を備えた表示操作器13が必要であり、この表示操作器13によって、センサモジュール11とのデータ通信や制御が行われてきた。しかし、表示操作器13は、表示部131を備えている必要があり、これらの表示機能等が搭載されることにより高価なものになるが、センサモジュール11ごとに表示操作器13が必要なため、全体にコストがかかってしまうという問題もあった。
【0014】
さらに、センサモジュール11に供給される電源については、電池駆動タイプ(乾電池タイプ)にすれば電源供給の方法については考える必要がないが、電池駆動の場合には、低消費電力で動かさないといけない、という制限がかかるため、多項目の計測(測定)が必要とされる場合や、高機能・高性能な計測装置の場合には、外部から電源供給できるタイプの方が望ましい。
【0015】
そのため、消費電力を考慮しなくてもよいように、電池駆動タイプ(乾電池タイプ)ではなく、表示操作器13を介して外部電源が供給されるようなものもあったが、表示操作器13を介した無線通信システムの構築およびセンサモジュール11への電源供給は、煩雑である上に、外部電源については、安定した電源供給ができるように、専用外部電源として専用のACアダプターを使用する必要があった。これは、安定した電源が供給されないと、センサモジュール11における測定精度にも影響を及ぼしてしまうからである。また、間違って仕様に合っていない外部電源を供給してしまうと、センサモジュール11が壊れてしまう、という問題が発生することもあった。
【0016】
このように、従来の水質計(計測装置)では、外部からの電源供給を前提とする場合には、安定した電力を供給しないと、測定精度にも影響を及ぼしてしまう、という問題や、仕様どおりの正しい電圧の電源を加えないと、測定装置そのものが壊れてしまう、という問題もあった。さらに、近年では、IoT環境に容易に接続できることも要求されるため、そのことも考慮した上で通信プロトコルを作り込まなければならないという問題もあった。
【0017】
なお、通信プロトコルとしては、Modbus(登録商標)、HART(登録商標)、WirelessHART(登録商標)、FOUNDATIONフィールドバス、PROFIBUS(登録商標)、OPC、HART-IP、DeviceNet、EtherNet/IP、AS-interface(登録商標)、CANopen(登録商標)等、様々なものが知られているが、このうち、Modbus、HART、WirelessHART、FOUNDATIONフィールドバス、PROFIBUSについては、現場機器と上位機器をつなぐ通信プロトコルの定番であることも、よく知られている。
【0018】
そこで、この発明の実施の形態における伝送電源ユニットは、通信プロトコルをModbus、HART、WirelessHART、FOUNDATIONフィールドバス、PROFIBUS等の、現場機器と上位機器をつなぐ通信プロトコルの定番、すなわち、Modbus等の一般的な通信プロトコルに対応した計測装置(センサ)に供給するための電力を、消費電力が大きく、広い範囲の電圧入力が可能な外部電源とし、かつ、安定した電源を供給することができるようにするとともに、計測装置(センサ)が計測したデータを外部のIoTゲートウェイを経由してネットワークを介して接続されている外部機器に伝送するものである。なお、以下の実施の形態では、通信プロトコルをModbusとした場合を例に説明する。
【0019】
実施の形態1.
図2は、この発明の実施の形態1における水質計(計測装置)の運用例を示す概略説明図であり、左側の一点鎖線で囲んだ部分が水質計(計測装置)、破線より右側の部分がユーザ側で用意する機器である。この発明の実施の形態1における水質計(計測装置)は、
図2に示すように、計測地点である水中における様々な項目(多項目)についてデータ(数値データ)を計測(測定)するセンサモジュール21と、当該センサモジュール21とセンサ用接続ケーブル22を介して接続される伝送電源ユニット20と、を必要とするものであり、これによって計測が行われる。また、この実施の形態1では、センサモジュール21は通信プロトコルをModbus(登録商標)対応としたセンサモジュールであり、伝送電源ユニット20も通信プロトコルをModbus対応としたModbus電源ユニットであるものとして説明する。
【0020】
伝送電源ユニット20には、後述する
図3に示すように、外部電源を接続可能な電源端子211と、外部のIoTゲートウェイをRS485ケーブルを介して接続可能なRS485ケーブル端子212が、それぞれ2個(+端子、-端子)ずつ設けられているとともに、センサ用接続ケーブル22を接続可能なセンサモジュール専用コネクタ201が設けられている。また、伝送電源ユニット20は、当該伝送電源ユニット20に接続された外部電源を整流な定電圧の電源にする機能と、外部のIoTゲートウェイを経由してネットワークを介して外部機器と接続されることにより、センサモジュール21において計測されたデータを外部機器に伝送する機能を備えており、入出力の伝送(双方向通信)を可能とするものである。
【0021】
そして、伝送電源ユニット20が、当該伝送電源ユニット20に接続された外部電源を整流な定電圧の電源にする機能を備えているため、伝送電源ユニット20の電源端子211に外部電源が接続され、センサモジュール専用コネクタ201にセンサモジュール21と接続されたセンサ用接続ケーブル22が接続されることにより、伝送電源ユニット20は、センサモジュール21に対して整流な定電圧の電源を供給する、すなわち、安定した良質な電源を供給することができる。
【0022】
また、伝送電源ユニット20の電源端子211に外部電源が接続され、RS485ケーブル端子212に外部のIoTゲートウェイと接続されたRS485ケーブルが接続され、センサモジュール専用コネクタ201にセンサモジュール21と接続されたセンサ用接続ケーブル22が接続されることにより、通信プロトコルを一般的な通信プロトコルであるModbus対応としたセンサモジュール21によって計測されたデータが、伝送電源ユニット20を介して、外部のIoTゲートウェイを経由して、無線ネットワークを介して接続されている外部機器(クラウドサーバ、PC、スマートフォン、タブレットなど)に伝送されるようにすることができる。
【0023】
すなわち、この実施の形態1における伝送電源ユニット20は、センサ用接続ケーブル22によって接続されるセンサモジュール21の通信プロトコルをModbus、RS485シリアル通信とすることにより、表示操作器23を介さずに、ゲートウェイを介したIoT環境への接続ができる仕様となっている。また、センサモジュール21を駆動するために絶縁された安定化電源の供給を行うことができるものであり、その外部電源の入力電圧としては、5-24VDCの幅広い電圧仕様となっている。
【0024】
なお、
図2に示す表示操作器23は、従来のように(
図1に示すように)センサ用接続ケーブル22を表示操作器23と接続すれば、センサモジュール21によって計測されたデータを確認することが可能な表示部231を備えている。また、センサモジュール21をメンテナンスする際にも、センサ用接続ケーブル22を接続すれば、センサモジュール21の設定などを、表示操作器23によって表示部231を確認しながら行うことができるものである。
【0025】
さらに、
図2においては、表示操作器23は、センサ用接続ケーブル22を含む1組のセンサモジュール21と1対1でやりとりするものとして示されているが、複数のセンサモジュール21を、1台の表示操作器23で操作することが可能であるため、従来のように、センサモジュールと同じ台数の表示操作器を用意する必要がないので、コストをおさえることができる、というメリットもある。
【0026】
図3は、この発明の実施の形態1における伝送電源ユニット20の一例を示す概略説明図であり、
図3(a)は、伝送電源ユニット20の概観斜視図、
図3(b)は、伝送電源ユニット20の端子台概要図である。
図3(a)に示すように、この伝送電源ユニット20は、手のひらに乗る程度の大きさの約100gほどの軽量で小型なボックスであり、センサモジュール21と接続されているセンサ用接続ケーブル22を接続するためのセンサモジュール専用コネクタ201と、端子台210とが備えられている。
【0027】
そして、伝送電源ユニット20の端子台210には、
図3(b)に示すように、外部電源を接続可能な2個(+、-)の電源端子211と、外部のIoTゲートウェイをRS485ケーブルを介して接続可能な2個(+、-)のRS485ケーブル端子212が設けられている。
【0028】
図4は、この発明の実施の形態1における伝送電源ユニット20およびセンサモジュール21の設置例を示す概略説明図であり、
図4(a)は、設置例の全体概要図、
図4(b)は、ブイ30の内部説明図、
図4(c)は、管理施設40の内部の一例を示す説明図である。この発明の実施の形態1では、計測装置として水質計を例に説明しているので、
図4(a)に示すように、センサモジュール21は湖沼などの水中に設置されるが、計測地点である水中にセンサモジュール21を配置したら、その水上にブイ30を設置(配置)する。
【0029】
そして、
図4(b)に示すように、その水上に設置(配置)したブイ30の中に、伝送電源ユニット20を設置する。この伝送電源ユニット20は、センサモジュール専用コネクタ201に接続されたセンサ用接続ケーブル22を介して水中のセンサモジュール21と接続されている。
【0030】
また、同じブイ30の中に、ユーザから供給された外部電源(DC電源)31と、通信モジュールであるIoTゲートウェイ32も配置され、外部電源31は、伝送電源ユニット20の電源端子211(
図3参照)に接続される。また、IoTゲートウェイ32には、ユーザから供給されたRS485ケーブル33が接続されており、このRS485ケーブル33が伝送電源ユニット20のRS485ケーブル端子212(
図3参照)に接続される。
【0031】
これにより、伝送電源ユニット20を介して、センサモジュール21によって測定(計測)された水中のデータを、IoTゲートウェイ32経由でネットワーク接続によりユーザのクラウドサーバなどに送信することが可能になる。
図4(c)は、遠隔地にある管理施設40の一例を示しており、クラウドサーバから施設のPCや、管理者のスマートフォン、タブレットなどにデータが送信されることを示す説明図である。
【0032】
なお、ネットワーク接続によってクラウドサーバなどにデータを送信・蓄積したり、その蓄積されたデータをユーザ側のPC(パソコン)や、管理者のスマートフォン、タブレットなどに送信し、データ解析等を行うことなどについては、周知の技術であるため、ここでの説明は省略する。
【0033】
ここで、伝送電源ユニット20の仕様として、伝送電源ユニット20に接続可能な外部電源(DC電源)31については、5-24VDCの電圧範囲の幅広い入力電圧に対応できるものであり、5-24VDCの電圧範囲の一般的な電源で数VA程度の電源容量があればどのような外部電源であっても直接接続することができる仕様になっているので、ユーザがどのような外部電源を用意したとしても、一般的な電源であれば、センサモジュール21に対して絶縁された安定した電源供給ができるとともに、センサモジュール21を壊してしまう心配もない。
【0034】
また、センサモジュール21に安定した電源が供給されないと、センサモジュール21における測定精度にも影響を及ぼしてしまうため、測定精度を確実なものにするためにも、良質な電源を供給する必要があるが、この発明の伝送電源ユニット20では、外部電源から供給された電力をきれい(整流、平滑)にして、より良質な電力が供給できるようなフィルター機能も備えられているため、すなわち、伝送電源ユニット20に接続された外部電源を整流な定電圧の電源にする機能を備えているため、センサモジュール21に対して安定した良質な電源を供給することができる、という効果もある。
【0035】
また、Modbus等の一般的な通信プロトコルに対応したセンサモジュール21であることが前提になるが、この伝送電源ユニット20はRS485シリアル通信が可能な仕様であるため、伝送電源ユニット20を介して、RS485ケーブル33を通ってIoTゲートウェイ32経由でネットワーク接続により、一般的に広く使用されているModbus等の通信プロトコルによって、ユーザのクラウドサーバ、PC、スマートフォン、タブレットなどに計測データの送信(通信)を行うことができるので、その後のデータ解析やデータの加工など、ユーザによって必要な作業についても、通信プロトコルの作り込みも必要なく、簡単に行うことが可能となる。
【0036】
そして、
図4に示すような方法で設置すれば、例えば、遠隔地の河川、湖、海などの水質監視を行いたい場合に、その水質を監視したい計測地点に、センサ用接続ケーブル22が接続されている水質計であるセンサモジュール21を投入し、水上に浮かべたブイ30の中に、センサ用接続ケーブル22と接続された伝送電源ユニット20と、センサモジュール21を駆動するための外部電源31、および、IoTゲートウェイ32を設置することで、管理施設へ計測データを送信したり、警報送信を行うことができ、その後のデータ解析なども簡単に行うことができる。
【0037】
なお、ブイ30の大きさにもよるが、水上に浮かべるブイ30を筏のような形状にして、そのブイ30の上に、さらに補助用のソーラーパネルも搭載するようにすれば、より長時間の電源供給が可能になるので、ブイ30に追加でソーラーパネルを搭載するようにしてもよい。
【0038】
また、この実施の形態では、通信プロトコルとしてModbusを想定しており、通信プロトコルをModbus対応としたセンサモジュール21であることを前提とし、伝送電源ユニット20もModbus電源ユニットである場合を例に説明したが、通信プロトコルとしては、Modbus以外の、現場機器と上位機器をつなぐ通信プロトコルの定番であるHART、WirelessHART、FOUNDATIONフィールドバス、PROFIBUS等であってもよいことは、言うまでもない。
【0039】
以上のように、この発明の実施の形態の伝送電源ユニットによれば、5-24VDCの電圧範囲の一般的な電源で数VA程度の電源容量があればどのような外部電源であっても直接接続することができ、その外部電源を整流な定電圧の電源(安定した良質な電源)にした上で、センサモジュールに対して安定した良質な電源が供給できるとともに、センサモジュールを壊してしまう心配もない。また、一般的に広く使用されているModbus等の通信プロトコルによって、ネットワークを介して外部機器に計測データの送信(通信)を行うことができるので、その後のデータ解析やデータの加工など、ユーザによって必要な作業についても、通信プロトコルの作り込みも必要なく、簡単に行うことが可能となる。
【0040】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0041】
11,21 センサモジュール
12,22 センサ用接続ケーブル
13,23 表示操作器
20 伝送電源ユニット
30 ブイ
31 外部電源(DC電源)
32 IoTゲートウェイ
33 RS485ケーブル
40 管理施設
131,231 表示操作器の表示部
201 伝送電源ユニット20のセンサモジュール専用コネクタ
210 伝送電源ユニット20の端子台
211 伝送電源ユニット20の電源端子
212 伝送電源ユニット20のRS485ケーブル端子