(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018319
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04L 41/0833 20220101AFI20240201BHJP
G06F 1/3209 20190101ALI20240201BHJP
G06F 1/324 20190101ALI20240201BHJP
【FI】
H04L41/0833
G06F1/3209
G06F1/324
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121577
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】一戸 美穂
【テーマコード(参考)】
5B011
【Fターム(参考)】
5B011EA02
5B011EA10
5B011KK11
5B011LL13
(57)【要約】
【課題】通信制御デバイスの消費電力を効果的に抑制することができる情報処理装置、プログラム及びシステムを提供する。
【解決手段】実施形態によれば、情報処理装置は、通信インターフェースと、プロセッサと、を備える。通信インターフェースは、保護対象デバイスとネットワークとの間でデータを中継する複数の通信制御デバイスに接続する。プロセッサは、前記通信インターフェースを通じて前記保護対象デバイスの通信ログを前記通信制御デバイスから取得し、前記通信ログに基づいて、複数の前記通信制御デバイスから電力を抑制させる通信制御デバイスを選択し、前記通信インターフェースを通じて、選択された前記通信制御デバイスに、省電力モードで動作することを指示する電力抑制設定要求を送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護対象デバイスとネットワークとの間でデータを中継する複数の通信制御デバイスに接続する通信インターフェースと、
前記通信インターフェースを通じて前記保護対象デバイスの通信ログを前記通信制御デバイスから取得し、
前記通信ログに基づいて、複数の前記通信制御デバイスから電力を抑制させる通信制御デバイスを選択し、
前記通信インターフェースを通じて、選択された前記通信制御デバイスに、省電力モードで動作することを指示する電力抑制設定要求を送信する、
プロセッサと、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記通信ログに基づいて、所定の期間における前記通信制御デバイスの通信頻度を算出し、
前記通信頻度に基づいて電力を抑制させる前記通信制御デバイスを選択する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記通信ログに基づいて、前記所定の期間における前記通信制御デバイスの合計通信量を算出し、
前記合計通信量に基づいて電力を抑制させる前記通信制御デバイスを選択する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記通信頻度及び前記合計通信量に基づいて前記通信制御デバイスに優先順位を設定し、
前記優先順位に従って電力を抑制させる前記通信制御デバイスを選択する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記通信頻度が第1の閾値より小さく前記合計通信量が第2の閾値より大きい前記通信制御デバイスから優先順位を設定する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記通信頻度が前記第1の閾値より小さく前記合計通信量が前記第2の閾値より大きい前記通信制御デバイスを第1のグループとして設定し、
前記通信頻度が前記第1の閾値より小さく前記合計通信量が前記第2の閾値より小さい前記通信制御デバイスを第2のグループとして設定し、
前記通信頻度が前記第1の閾値より大きく前記合計通信量が前記第2の閾値より大きい前記通信制御デバイスを第3のグループとして設定し、
前記通信頻度が前記第1の閾値より大きく前記合計通信量が前記第2の閾値より小さい前記通信制御デバイスを第4のグループとして設定し、
前記第1乃至4のグループの順に優先順位を設定する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記第1乃至4のグループにおいて前記合計通信量が大きい順に優先順位を設定する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記通信インターフェースを通じて、省電力モードの設定を解除する電力抑制設定解除要求を前記通信制御デバイスに送信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記保護対象デバイスは、IoT機器である、
請求項1乃至8の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
プロセッサによって実行されるプログラムであって、
前記プロセッサに、
保護対象デバイスとネットワークとの間でデータを中継する複数の通信制御デバイスから前記保護対象デバイスの通信ログを取得する機能と、
前記通信ログに基づいて、複数の前記通信制御デバイスから電力を抑制させる通信制御デバイスを選択する機能と、
選択された前記通信制御デバイスに、省電力モードで動作することを指示する電力抑制設定要求を送信する機能と、
を実現させるプログラム。
【請求項11】
複数の通信制御デバイスと情報処理装置とを含むシステムであって、
前記通信制御デバイスは、
ネットワークに接続するネットワーク通信インターフェースと、
保護対象デバイスに接続する装置通信インターフェースと、
前記ネットワークと前記保護対象デバイスとの間でデータを中継し、
前記ネットワーク通信インターフェースを通じて、前記保護対象デバイスの通信ログを前記情報処理装置に送信する、
第1のプロセッサと、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記ネットワークに接続する通信インターフェースと、
前記通信インターフェースを通じて前記保護対象デバイスの通信ログを前記通信制御デバイスから取得し、
前記通信ログに基づいて、複数の前記通信制御デバイスから電力を抑制させる通信制御デバイスを選択し、
前記通信インターフェースを通じて、選択された前記通信制御デバイスに、省電力モードで動作することを指示する電力抑制設定要求を送信する、
第2のプロセッサと、
を備える、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、プログラム及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
IoT機器などの保護対象デバイスとインターネットなどのネットワークとの間で通信を中継して保護対象デバイスのセキュリティを向上させる通信制御システムが提供されている。そのような通信制御システムは、保護対象デバイスとネットワークとの間にデータを中継する通信制御デバイスを備える。
【0003】
また、消費電力抑制の観点から通信制御システムは、通信制御デバイスの消費電力を抑制することが望まれている。
【0004】
そこで、消費電力を抑制しつつ通信制御システムの運用への影響を抑えることができる通信制御システムが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の課題を解決するため、通信制御デバイスの消費電力を効果的に抑制することができる情報処理装置、プログラム及びシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、情報処理装置は、通信インターフェースと、プロセッサと、を備える。通信インターフェースは、保護対象デバイスとネットワークとの間でデータを中継する複数の通信制御デバイスに接続する。プロセッサは、前記通信インターフェースを通じて前記保護対象デバイスの通信ログを前記通信制御デバイスから取得し、前記通信ログに基づいて、複数の前記通信制御デバイスから電力を抑制させる通信制御デバイスを選択し、前記通信インターフェースを通じて、選択された前記通信制御デバイスに、省電力モードで動作することを指示する電力抑制設定要求を送信する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る通信制御システムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る通信制御デバイスの構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る管理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る管理装置の動作例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る通信制御システムの動作例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
実施形態に係る通信制御システムは、IoT機器などの保護対象デバイスとインターネットなどのネットワークとの間の通信を中継して保護対象デバイスのセキュリティを向上させる。通信制御システムは、保護対象デバイスとネットワークとの間に通信制御デバイスを備える。通信制御システムは、所定のポジティブリストなどに従って、保護対象デバイスとネットワークとの間の通信を制御する。
【0010】
また、通信制御システムは、保護対象デバイスの通信頻度及び通信量などに基づいて、消費電力を抑制する省電力モードで通信制御デバイスを動作させる。
【0011】
図1は、実施形態の通信制御システム100の構成例を示す図である。通信制御システム100は、複数の保護対象デバイス10(10-1~10-4)と、複数の通信制御デバイス30(30-1~30-4)と、管理装置50と、ネットワーク60と、複数のネットワーク機器70(70-1~70-3)と、クライアント端末80と、を備える。
【0012】
保護対象デバイス10-1乃至10-4は、それぞれ通信制御デバイス30-1乃至30-4に接続する。また、通信制御デバイス30-1及び30-2は、ネットワーク機器70-1に接続する。また、通信制御デバイス30-3及び30-4は、ネットワーク機器70-2に接続する。
【0013】
管理装置50(情報処理装置)は、ネットワーク機器70-3及びクライアント端末80に接続する。また、ネットワーク機器70-1乃至70-3は、ネットワーク60に接続する。
【0014】
なお、通信制御システム100は、
図1が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、通信制御システム100から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0015】
保護対象デバイス10は、通信制御デバイス30及びネットワーク機器70を介してネットワーク60と接続する。保護対象デバイス10は、ネットワーク60を介して外部装置とデータを送受信する。
【0016】
保護対象デバイス10は、外部装置とデータを送受信しながら所定の処理を行うデバイスである。
たとえば、保護対象デバイス10は、社会インフラシステムを構築する構成要素(コンポーネント)である。社会インフラとは、例えば、道路交通網、発電設備、配送電設備、水処理設備、又はガス配給設備等、社会基盤を整えるために必要な設備である。社会インフラシステムとは、例えば、社会インフラを監視し、状況の変化を把握し、その変化に対応することにより、社会インフラを安定的に動作させる仕組みである。
【0017】
たとえば、保護対象デバイス10は、道路や公共設備などを監視する監視システムのコンポーネントである。この場合、保護対象デバイス10は、道路の状況等が撮影された撮影データを、ネットワーク60を介して外部装置へ送信する装置(ネットワーク監視カメラ)である。
【0018】
なお、保護対象デバイス10は、監視システムのコンポーネントに限定されることはない。例えば、保護対象デバイス10は、発電設備又は配送電設備における電力状況をモニタリングするシステムのコンポーネントであってもよい。また、保護対象デバイス10は、物流センタにおける配送状況を取得するシステム、又は、工場若しくは研究機関における設備の稼働状況を取得するシステム等のコンポーネントであってもよい。
【0019】
また、保護対象デバイス10は、ディスクトップPC、ノートPC、タブレットPC、スマートフォン又はウェアラブル端末などであってもよい。
また、保護対象デバイス10は、カメラ、マイク、スピーカ、家電などのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
【0020】
保護対象デバイス10が用いられるシステム又は保護対象デバイス10の機能は、特定の構成に限定されるものではない。
【0021】
通信制御デバイス30は、保護対象デバイス10とネットワーク機器70との間に設置される。通信制御デバイス30は、保護対象デバイス10とネットワーク60との間の通信を中継する。
【0022】
通信制御デバイス30は、保護対象デバイス10から外部装置に対して送信されるデータを取得し、取得したデータを外部装置に対して送信する。なお、通信制御デバイス30は、外部装置に対してデータを送信する際に、保護対象デバイス10から取得したデータを暗号化し、暗号化したデータを外部装置に送信してもよい。
【0023】
また、通信制御デバイス30は、外部装置から保護対象デバイス10に対して送信されるデータを取得し、取得したデータを保護対象デバイス10に対して出力する。たとえば、通信制御デバイス30が取得するデータは、暗号化されたデータであってもよい。この場合、通信制御デバイス30は、保護対象デバイス10にデータを出力する際に、取得したデータを復号し、復号したデータを保護対象デバイス10に送信する。
通信制御デバイス30については、後に詳述する。
【0024】
実施形態において、たとえば、通信制御デバイス30及び外部装置は、SSL(Secure Socket Layer)/TLS(Transport Layer Security)のプロトコルによってデータを暗号化する。たとえば、通信制御デバイス30及び外部装置は、SSL/TLSプロトコルを、HTTPと組み合わせることで、HTTPに含まれるデータを暗号化し、安全性を向上させたHTTPS(HTTP Secure)として送信する。
【0025】
なお、通信制御デバイス30及び外部装置が行うデータの暗号化は、HTTPをHTTPSとすることに限定されない。通信制御デバイス30及び外部装置は、SSL/TLSプロトコルを種々の通信プロトコルと組み合わせることにより、安全性を向上させたセキュアな通信プロトコルに置き換えてもよい。例えば、通信制御デバイス30及び外部装置は、FTP(File Transfer Protocol)をFTPS(FTP Secure)に置き換えてもよい。
【0026】
管理装置50は、通信制御デバイス30などを管理する。たとえば、管理装置50は、通信制御デバイス30から、保護対象デバイス10の通信に関する通信ログを取得する。また、管理装置50は、通信制御デバイス30に動作モードの変更する要求する制御信号などを送信する。管理装置50については、後に詳述する。
【0027】
クライアント端末80は、監視員が管理装置50とデータを送受信するための装置である。たとえば、クライアント端末80は、監視員が管理装置50に種々の操作を入力するインターフェースとして機能する。また、クライアント端末80は、管理装置50からの画像を監視員に表示する。
【0028】
なお、クライアント端末80は、ネットワーク機器70-3を介して管理装置50に接続するものであってもよい。また、クライアント端末80は、ネットワーク60を介して管理装置50に接続するものであってもよい。
【0029】
ネットワーク機器70は、デバイス(通信制御デバイス30又は管理装置50など)とネットワーク60との間の通信を中継する。ここでは、ネットワーク機器70-1は、通信制御デバイス30-1及び30-2とネットワーク60との間の通信を中継する。また、ネットワーク機器70-2は、通信制御デバイス30-3及び30-4とネットワーク60との間の通信を中継する。ネットワーク機器70-3は、管理装置50とネットワーク60との間の通信を中継する。
【0030】
たとえば、ネットワーク機器70は、LAN(Local Area Network)を形成する。たとえば、ネットワーク機器70は、アクセスポイントなどである。
【0031】
次に、通信制御デバイス30について説明する。通信制御デバイス30-1乃至30-4は、同様の構成であるため、通信制御デバイス30として説明する。
図2は、通信制御デバイス30の構成例を示すブロック図である。
【0032】
図2に示すように、通信制御デバイス30は、ネットワーク通信インターフェース31と、プロセッサ32と、装置通信インターフェース33と、メモリ34とを備える。プロセッサ32と、ネットワーク通信インターフェース31、装置通信インターフェース33及びメモリ34とは、互いに通信可能に接続する。なお、通信制御デバイス30は、
図2が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、通信制御デバイス30から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0033】
ネットワーク通信インターフェース31は、ネットワーク60とデータを送受信するためのインターフェースである。ネットワーク通信インターフェース31は、ネットワーク機器70を介してネットワーク60に接続される。ネットワーク通信インターフェース31は、ネットワーク60を介して、外部装置と通信を行う。即ち、ネットワーク通信インターフェース31は、プロセッサ32から外部装置に対して送信されるデータをネットワーク60に出力する。また、ネットワーク通信インターフェース31は、ネットワーク60からのデータをプロセッサ32へ出力する。たとえば、ネットワーク通信インターフェース31は、LAN接続をサポートする。
【0034】
プロセッサ32(第1のプロセッサ)は、通信制御デバイス30を統括的に制御する。プロセッサ32は、ネットワーク通信インターフェース31及び装置通信インターフェース33を用いて、保護対象デバイス10とネットワーク60との間の通信を中継する。即ち、プロセッサ32は、装置通信インターフェース33を通じて保護対象デバイス10から受信したデータを、ネットワーク通信インターフェース31を通じてネットワーク60へ送信する。また、プロセッサ32は、ネットワーク通信インターフェース31を通じて受信したデータを、装置通信インターフェース33を通じて保護対象デバイス10へ送信する。
【0035】
たとえば、プロセッサ32は、メモリ34などに格納される制御プログラムを実行する。また、プロセッサ32は、ASIC(application specific integrated circuit)又はFPGA(field-programmable gate array)などから構成されてもよい。
【0036】
装置通信インターフェース33は、保護対象デバイス10とデータを送受信するためのインターフェースである。装置通信インターフェース33は、保護対象デバイス10に接続され、保護対象デバイス10と通信を行う。即ち、装置通信インターフェース33は、プロセッサ32からのデータを保護対象デバイス10に出力する。また、装置通信インターフェース33は、保護対象デバイス10からのデータをプロセッサ32へ出力する。たとえば、装置通信インターフェース33は、LAN接続をサポートする。
【0037】
メモリ34は、種々のデータを格納する。たとえば、メモリ34は、ROM、RAM及びNVMとして機能する。
たとえば、メモリ34は、制御プログラム及び制御データなどを記憶する。制御プログラム及び制御データは、通信制御デバイス30の仕様に応じて予め組み込まれる。たとえば、制御プログラムは、通信制御デバイス30で実現する機能をサポートするプログラムなどである。
【0038】
また、メモリ34は、プロセッサ32の処理中のデータなどを一時的に格納する。また、メモリ34は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0039】
メモリ34は、ネットワーク60へ転送することが許可されるデータを示すホワイトリストを予め格納するものであってもよい。たとえば、ホワイトリストは、データの転送が許可される宛先、宛先のポート、送信元のポート、プロトコル又はそれらの組合せなどから構成される。また、ホワイトリストは、通信が許可される期間などを示すものであってもよい。また、ホワイトリストは、ネットワーク60から保護対象デバイス10に転送することが許可されるデータを示すものであってもよい。
【0040】
次に、管理装置50について説明する。
図3は、管理装置50の構成例を示すブロック図である。
図3が示すように、管理装置50は、プロセッサ51、ROM52、RAM53、NVM54、操作部55、表示部56及び通信インターフェース57などを備える。
【0041】
プロセッサ51と、ROM52、RAM53、NVM54、操作部55、表示部56及び通信インターフェース57と、は、データバスなどを介して互いに接続する。
なお、管理装置50は、
図3が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、管理装置50から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0042】
プロセッサ51(第2のプロセッサ)は、管理装置50全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ51は、内部キャッシュ及び各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ51は、内部メモリ、ROM52又はNVM54が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0043】
なお、プロセッサ51がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ51は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0044】
ROM52は、制御プログラム及び制御データなどが予め記憶された不揮発性のメモリである。ROM52に記憶される制御プログラム及び制御データは、管理装置50の仕様に応じて予め組み込まれる。
【0045】
RAM53は、揮発性のメモリである。RAM53は、プロセッサ51の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM53は、プロセッサ51からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納する。また、RAM53は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0046】
NVM54は、データの書き込み及び書き換えが可能な不揮発性のメモリである。たとえば、NVM54は、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリなどから構成される。NVM54は、管理装置50の運用用途に応じて制御プログラム、アプリケーション及び種々のデータなどを格納する。
【0047】
操作部55は、オペレータから種々の操作の入力を受け付ける。操作部55は、入力された操作を示す信号をプロセッサ51へ送信する。なお、操作部55は、タッチパネルなどから構成されるものであってもよい。
【0048】
表示部56は、プロセッサ51からの画像データを表示する。たとえば、表示部56は、液晶モニタから構成される。なお、操作部55がタッチパネルから構成される場合、表示部56は、操作部55としてのタッチパネルと一体的に形成されるものであってもよい。
【0049】
通信インターフェース57は、ネットワーク機器70-3及びクライアント端末80などとデータを送受信するためのインターフェースである。通信インターフェース57は、ネットワーク機器70-3及びネットワーク60を介して通信制御デバイス30などに接続する。たとえば、通信インターフェース57は、有線又は無線のLAN接続をサポートする。
【0050】
次に、通信制御デバイス30が実現する機能について説明する。通信制御デバイス30が実現する機能は、プロセッサ32が内部メモリ又はメモリ34などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0051】
まず、プロセッサ32は、ネットワーク60と保護対象デバイス10との間の通信を中継する機能を有する。
【0052】
たとえば、プロセッサ32は、装置通信インターフェース33を通じて、保護対象デバイス10から外部装置に送信されたデータを取得する。当該データを取得すると、プロセッサ32は、ネットワーク通信インターフェース31を通じてネットワーク60を介して当該データを外部装置に送信する。なお、プロセッサ32は、当該データがホワイトリストと整合しない場合、当該データを外部装置に送信しなくともよい。
【0053】
また、プロセッサ32は、ネットワーク通信インターフェース31を通じて、外部装置から保護対象デバイス10に送信されたデータを取得する。当該データを取得すると、プロセッサ32は、装置通信インターフェース33を通じて当該データを保護対象デバイス10に送信する。なお、プロセッサ32は、当該データがホワイトリストと整合しない場合、当該データを保護対象デバイス10に送信しなくともよい。
【0054】
また、プロセッサ32は、保護対象デバイス10の通信ログを取得する機能を有する。
プロセッサ32は、保護対象デバイス10から外部装置へのデータを中継した場合、又は、外部装置から保護対象デバイス10へのデータを中継した場合、保護対象デバイス10と外部装置との間の通信に関する通信ログを生成する。プロセッサ32は、生成された通信ログをメモリ34に格納する。また、プロセッサ32は、メモリ34が予め格納している通信ログを更新してもよい。
【0055】
通信ログは、データが中継された時刻(通信時刻)及び中継されたデータの量(通信量)などから構成される。また、通信ログは、宛先のIPアドレス並びにポート、送信元のIPアドレス並びにポート、及び、プロトコルなどを含むものであってもよい。通信ログの構成は、特定の構成に限定されるものではない。
【0056】
プロセッサ32は、ネットワーク通信インターフェース31を通じて通信ログを管理装置50に送信する。たとえば、プロセッサ32は、ネットワーク通信インターフェース31を通じて所定の間隔で通信ログを管理装置50に送信する。また、プロセッサ32は、管理装置50からのリクエストに従って通信ログを管理装置50に送信するものであってもよい。
【0057】
また、プロセッサ32は、管理装置50からの制御に従って動作モードを設定する機能を有する。
【0058】
ここでは、プロセッサ32は、動作モードとして処理速度優先モード、省電力モード又はバランスモードの何れかを設定する。
【0059】
処理速度優先モードは、プロセッサ32の処理能力を優先する動作モードである。たとえば、処理速度優先モードは、プロセッサ32が第1の動作クロック(定格の動作クロック)で動作する動作モードである。
【0060】
省電力モードは、電力消費の抑制を優先する動作モードである。たとえば、省電力モードは、プロセッサ32が第1の動作クロックよりも低い第2の動作クロックで動作する動作モードである。
【0061】
バランスモードは、状況に応じてプロセッサ32の処理能力と電力消費の抑制とをバランスさせる動作モードである。たとえば、バランスモードは、保護対象デバイス10の通信頻度又は通信量などに応じてプロセッサ32の動作クロックを変更する動作モードである。
【0062】
プロセッサ32は、管理装置50からの制御又はオペレータの操作などによって処理速度優先モード、省電力モード又はバランスモードの何れかを設定する。
【0063】
また、プロセッサ32は、ネットワーク通信インターフェース31を通じて、省電力モードを設定することを指示する電力抑制設定要求を管理装置50から受信する。電力抑制設定要求を受信すると、プロセッサ32は、現在の動作モードをメモリ34に格納する。現在の動作モードをメモリ34に格納すると、プロセッサ32は、現在の動作モードから省電力モードに切り替える。なお、プロセッサ32は、予め省電力モードで動作している場合、電力抑制設定要求を受信しても動作モードを変更しない。
【0064】
また、プロセッサ32は、ネットワーク通信インターフェース31を通じて、省電力モードの設定を解除する電力抑制設定解除要求を管理装置50から受信する。電力抑制設定解除要求を受信すると、プロセッサ32は、電力抑制設定要求を受信する前の動作モードをメモリ34から取得する。当該動作モードをメモリ34から取得すると、プロセッサ32は、当該動作モードを設定する。なお、プロセッサ32は、電力抑制設定要求を受信する前から省電力モードで動作していた場合、電力抑制設定解除要求を受信しても動作モードを変更しない。
【0065】
次に、管理装置50が実現する機能について説明する。管理装置50が実現する機能は、プロセッサ51が内部メモリ、ROM52又はNVM54などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0066】
まず、プロセッサ51は、通信インターフェース57を通じて、各通信制御デバイス30から通信ログを取得する機能を有する。
【0067】
たとえば、プロセッサ51は、通信インターフェース57を通じて、各通信制御デバイス30からプッシュ通知で通信ログを取得する。
また、プロセッサ51は、通信インターフェース57を通じて、各通信制御デバイス30へ通信ログを要求するリクエストを送信するものであってもよい。プロセッサ51は、通信インターフェース57を通じて、通信ログを含むレスポンスを各通信制御デバイス30から受信する。
【0068】
通信ログを取得すると、プロセッサ51は、取得された通信ログをNVM54に格納する。
【0069】
また、プロセッサ51は、電力を抑制させる通信制御デバイス30(対象デバイス)を選択する機能を有する。
【0070】
たとえば、プロセッサ51は、クライアント端末80を通じて、電力使用量を抑制する動作モード(電力使用量抑制モード)に切り替える操作を監視員から入力する。当該操作を入力すると、プロセッサ51は、各通信制御デバイス30の動作ログに基づいて、所定の期間(たとえば、過去12時間)における各通信制御デバイス30の通信頻度と通信量の合計(合計通信量)とを算出する。
【0071】
たとえば、プロセッサ51は、所定の期間における通信の回数をカウントして通信頻度を算出する。また、プロセッサ51は、所定の期間における通信量を合計して合計通信量を算出する。
【0072】
各通信制御デバイス30の通信頻度及び合計通信量を算出すると、プロセッサ51は、各通信制御デバイス30の通信頻度及び合計通信量に基づいて各通信制御デバイス30の優先順位を設定する。ここでは、優先順位は、対象デバイスに選択される順位を示す。プロセッサ51は、優先順位が1位である通信制御デバイス30から順に対象デバイスに選択する。
【0073】
図4は、プロセッサ51が各通信制御デバイス30に優先順位を設定する動作例を示す。
図4では、横軸は、通信頻度を示す。また、縦軸は、合計通信量を示す。
【0074】
原点は、通信頻度の閾値(第1の閾値、たとえば、12回)及び合計通信量の閾値(第2の閾値、たとえば、1GB)を示す。
【0075】
即ち、原点より右側には、通信頻度が第1の閾値よりも大きい通信制御デバイス30がプロットされる。また、原点より左側には、通信頻度が第1の閾値よりも小さい通信制御デバイス30がプロットされる。
【0076】
また、原点より上側には、合計通信量が第2の閾値よりも大きい通信制御デバイス30がプロットされる。また、原点より下側には、合計通信量が第2の閾値よりも小さい通信制御デバイス30がプロットされる。
【0077】
ここでは、
図4は、通信制御デバイス30として通信制御デバイスA乃至Gを示す。
【0078】
図4が示すように、プロセッサ51は、通信頻度及び合計通信量に基づいて、通信制御デバイスA乃至Gをグループ1乃至4に分割する。
【0079】
グループ1(第1のグループ)は、通信頻度が第1の閾値より小さく合計通信量が第2の閾値よりも大きい通信制御デバイスから構成される。ここでは、グループ1は、通信制御デバイスA及びGを含む。グループ1の通信制御デバイスが省電力モードに変更された場合、通信頻度が小さいために運用に対する影響は、小さい。また、合計通信量が大きいため電力抑制の効果は、大きい。
【0080】
グループ2(第2のグループ)は、通信頻度が第1の閾値より小さく合計通信量が第2の閾値よりも小さい通信制御デバイスから構成される。ここでは、グループ2は、通信制御デバイスC及びDを含む。グループ2の通信制御デバイスが省電力モードに変更された場合、通信頻度が小さいために運用に対する影響は、小さい。また、合計通信量が小さいため電力抑制の効果は、小さい。
【0081】
グループ3(第3のグループ)は、通信頻度が第1の閾値より大きく合計通信量が第2の閾値よりも大きい通信制御デバイスから構成される。ここでは、グループ3は、通信制御デバイスB及びHを含む。グループ3の通信制御デバイスが省電力モードに変更された場合、通信頻度が大きいために運用に対する影響は、大きい。また、合計通信量が大きいため電力抑制の効果は、大きい。
【0082】
グループ4(第4のグループ)は、通信頻度が第1の閾値より大きく合計通信量が第2の閾値よりも小さい通信制御デバイスから構成される。ここでは、グループ4は、通信制御デバイスE及びFを含む。グループ4の通信制御デバイスが省電力モードに変更された場合、通信頻度が大きいために運用に対する影響は、大きい。また、合計通信量が小さいため電力抑制の効果は、小さい。
【0083】
プロセッサ51は、グループ1乃至4の順に優先順位を設定する。また、プロセッサ51は、同一のグループ内では、合計通信量が大きい順に通信制御デバイスに優先順位を設定する。また、プロセッサ51は、合計通信量が同一である場合には通信頻度が低い順に通信制御デバイスに優先順位を設定する。
【0084】
図4の例では、まず、プロセッサ51は、グループ1の通信制御デバイスA及びGから優先順位を設定する。通信制御デバイスAの合計通信量が通信制御デバイスGの合計通信量よりも大きいため、プロセッサ51は、通信制御デバイスAに優先順位として「1位」を設定する。また、プロセッサ51は、通信制御デバイスGに優先順位として「2位」を設定する。
【0085】
次に、プロセッサ51は、グループ2の通信制御デバイスC及びDに優先順位を設定する。ここでは、通信制御デバイスCの合計通信量が通信制御デバイスDの合計通信量は、同じである。また、通信制御デバイスDの通信頻度は、通信制御デバイスCの通信頻度よりも小さい。従って、プロセッサ51は、通信制御デバイスDに優先順位として「3位」を設定する。また、プロセッサ51は、通信制御デバイスDに優先順位として「4位」を設定する。
【0086】
次に、プロセッサ51は、グループ3の通信制御デバイスB及びHに優先順位を設定する。通信制御デバイスHの合計通信量が通信制御デバイスBの合計通信量よりも大きいため、プロセッサ51は、通信制御デバイスHに優先順位として「5位」を設定する。また、プロセッサ51は、通信制御デバイスBに優先順位として「6位」を設定する。
【0087】
次に、プロセッサ51は、グループ4の通信制御デバイスE及びFに優先順位を設定する。通信制御デバイスEの合計通信量が通信制御デバイスFの合計通信量よりも大きいため、プロセッサ51は、通信制御デバイスEに優先順位として「7位」を設定する。また、プロセッサ51は、通信制御デバイスFに優先順位として「8位」を設定する。
【0088】
各通信制御デバイス30に優先順位を設定すると、プロセッサ51は、優先順位に従って通信制御デバイス30から対象デバイスを選択する。たとえば、プロセッサ51は、優先順位に従って、所定の台数の通信制御デバイス30を対象デバイスとして選択する。即ち、プロセッサ51は、1位の通信制御デバイス30から順に所定の台数の通信制御デバイス30を選択する。
【0089】
また、プロセッサ51は、優先順位に従って、通信制御デバイス30の総数に対する所定の割合の通信制御デバイス30を選択するものであってもよい。
プロセッサ51が対象デバイスを選択する方法は、特定の構成に限定されるものではない。
【0090】
また、プロセッサ51は、選択された通信制御デバイス30(対象デバイス)に電力抑制設定要求を送信する機能を有する。
対象デバイスとして通信制御デバイス30を選択すると、プロセッサ51は、通信インターフェース57を通じて、選択された通信制御デバイス30に電力抑制設定要求を送信する。
【0091】
また、プロセッサ51は、電力抑制設定解除要求を各通信制御デバイス30に送信する機能を有する。
【0092】
たとえば、プロセッサ51は、クライアント端末80を通じて、電力使用量抑制モードを解除する操作を監視員から入力する。当該操作を入力すると、プロセッサ51は、通信インターフェース57を通じて、電力抑制設定解除要求を各通信制御デバイス30に送信する。
【0093】
なお、プロセッサ51は、対象デバイスとして選択された通信制御デバイス30に電力抑制設定解除要求を送信するものであってもよい。
【0094】
次に、通信制御システム100の動作例について説明する。
図5は、通信制御システム100の動作例について説明するためのフローチャートである。
【0095】
図5では、管理装置50及び通信制御デバイス30-1乃至30-3の動作例について説明する。また、管理装置50のプロセッサ51は、通信ログを各通信制御デバイス30から予め取得しているものとする。また、通信制御デバイス30-1は、処理速度優先モードで動作しているものとする。また、通信制御デバイス30-3は、省電力モードで動作しているものとする。
【0096】
まず、監視員は、クライアント端末80を通じて電力使用量抑制モードに切り替える操作を管理装置50に入力する(S11)。
管理装置50のプロセッサ51は、通信インターフェース57を通じて当該操作を入力する。当該操作を入力すると、プロセッサ51は、動作ログに基づいて、通信制御デバイス30から対象デバイスを選択する(S12)。ここでは、プロセッサ51は、対象デバイスとして通信制御デバイス30-1及び30-3を選択したものとする。
【0097】
通信制御デバイス30-1及び30-3を選択すると、プロセッサ51は、通信インターフェース57を通じて電力抑制要求を通信制御デバイス30-1に送信する(S13)。
【0098】
通信制御デバイス30-1のプロセッサ32は、ネットワーク通信インターフェース31を通じて電力抑制設定要求を管理装置50から受信する。電力抑制設定要求を受信すると、プロセッサ32は、処理速度優先モードから省電力モードに切り替える(S14)。
【0099】
また、管理装置50のプロセッサ51は、選択されていない通信制御デバイス30-2に電力抑制設定要求を送信しない。
【0100】
電力抑制設定要求を通信制御デバイス30-1に送信すると、プロセッサ51は、通信インターフェース57を通じて電力抑制設定要求を通信制御デバイス30-2に送信する(S15)。
【0101】
通信制御デバイス30-2のプロセッサ32は、ネットワーク通信インターフェース31を通じて電力抑制設定要求を管理装置50から受信する。電力抑制設定要求を受信しても、プロセッサ32は、動作モード(省電力モード)を変更しない(S16)。
【0102】
ここで、監視員は、クライアント端末80を通じて電力使用量抑制モードを解除する操作を管理装置50の入力する(S17)。
管理装置50のプロセッサ51は、通信インターフェース57を通じて当該操作を入力する。当該操作を入力すると、プロセッサ51は、通信インターフェース57を通じて電力抑制設定解除要求を通信制御デバイス30-1に送信する(S18)。
【0103】
通信制御デバイス30-1のプロセッサ32は、ネットワーク通信インターフェース31を通じて電力抑制設定解除要求を管理装置50から受信する。電力抑制設定要求を受信すると、プロセッサ32は、省電力モードから処理側優先モードに切り替える(S19)。
【0104】
電力抑制設定解除要求を通信制御デバイス30-1に送信すると、プロセッサ51は、通信インターフェース57を通じて電力抑制設定解除要求を通信制御デバイス30-2に送信する(S20)。
【0105】
通信制御デバイス30-2のプロセッサ32は、ネットワーク通信インターフェース31を通じて電力抑制設定解除要求を管理装置50から受信する。電力抑制設定解除要求を受信しても、プロセッサ32は、動作モードを変更しない(S21)。
【0106】
電力抑制設定解除要求を通信制御デバイス30-2に送信すると、プロセッサ51は、通信インターフェース57を通じて電力抑制設定解除要求を通信制御デバイス30-3に送信する(S22)。
【0107】
通信制御デバイス30-3のプロセッサ32は、ネットワーク通信インターフェース31を通じて電力抑制設定解除要求を管理装置50から受信する。電力抑制設定要求を受信しても、プロセッサ32は、動作モード(省電力モード)を変更しない(S23)。
【0108】
プロセッサ32が電力抑制設定解除要求を受信すると、通信制御システム100は、動作を終了する。
【0109】
なお、管理装置50のプロセッサ51は、S16の後に削減された電力量をチェックするものであってもよい。たとえば、プロセッサ51は、削減された電力量が所定の目標に達しない場合、S12に戻ってもよい。即ち、プロセッサ51は、対象デバイスとして選択されていない通信制御デバイス30から対象デバイスをさらに選択してもよい。
【0110】
また、プロセッサ51は、他の装置からの信号に基づいて、電力使用量抑制モードに切り替えてもよい。即ち、プロセッサ51は、他の装置からの信号に基づいてS12に進んでもよい。
【0111】
また、電力抑制設定要求は、バランスモードを設定することを指示するものであってもよい。
【0112】
また、プロセッサ51は、各通信制御デバイス30の通信頻度及び合計通信量に基づいて各通信制御デバイス30の評価値を算出するものであってもよい。プロセッサ51は、評価値に基づいて各通信制御デバイス30に優先順位を設定してもよい。
【0113】
また、プロセッサ51は、操作部55を通じて、電力使用量抑制モードに切り替える操作又は電力使用量抑制モードを解除する操作を入力するものであってもよい。
【0114】
また、プロセッサ51は、対象デバイスとして選択された通信制御デバイス30に接続する保護対象デバイス10を監視員に表示してもよい。たとえば、プロセッサ51は、当該保護対象デバイスを、省電力モードに切り替える保護対象デバイス10の候補として表示部56に表示してもよい。
【0115】
以上のように構成された通信制御システムは、保護対象デバイスの通信ログを通信制御デバイスから取得する。通信制御システムは、通信ログに基づいて、運用への影響が小さく電力抑制の効果が大きい通信制御デバイスを選択する。通信制御システムは、選択された通信制御デバイスを省電力モードで動作させる。その結果、通信制御システムは、消費電力を抑制しつつ運用への影響を抑えることができる。
【0116】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0117】
10(10-1乃至10-4)…保護対象デバイス、30(30-1乃至30-4)…通信制御デバイス、31…ネットワーク通信インターフェース、32…プロセッサ、33…装置通信インターフェース、34…メモリ、50…管理装置、51…プロセッサ、52…ROM、53…RAM、54…NVM、55…操作部、56…表示部、57…通信インターフェース、60…ネットワーク、70(70-1乃至70-3)…ネットワーク機器、80…クライアント端末、100…通信制御システム。