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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018345
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】加飾シール
(51)【国際特許分類】
   G09F 3/02 20060101AFI20240201BHJP
   G09F 3/10 20060101ALI20240201BHJP
   G09F 3/00 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
G09F3/02 B
G09F3/10 A
G09F3/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121629
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】増田 隆宏
(57)【要約】
【課題】アプリケーションシートのみを剥がし易くなっていると共に、全体の輪郭形状を一定に維持可能な剛性を有することで、予め設定された貼り付け位置に対して短時間で簡単かつ正確に位置決めすることが可能な加飾シールを提供する。
【解決手段】親局2から子局3を介して各種情報を一斉に伝達する市町村防災行政無線システム1に用いる加飾シール9であって、各種の標識17を印刷可能な表面14a、及び、子局に接合可能な裏面14bを有する基材14と、裏面14bに対して剥離可能に貼り付けられた台紙13と、表面14aに対して分離不能に接合されたラミネートフィルム15と、ラミネートフィルムに対して剥離可能に貼り付けられたアプリケーションシート16とを有し、アプリケーションシートは、ラミネートフィルムの表面15aに剥離可能に貼り付けられ、ラミネートフィルムの表面は、凹凸の無い平滑な面で構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
親局から子局を介して各種情報を一斉に伝達する市町村防災行政無線システムに用いる加飾シールであって、
各種の標識を印刷可能な表面、及び、前記表面の反対側に設けられ、前記子局に接合可能な裏面を有する基材と、
前記基材の前記裏面の全体を覆うように設けられ、前記裏面に対して剥離可能に貼り付けられた台紙と、
前記基材の前記表面の全体を覆うように設けられ、前記表面に印刷された前記標識を透視可能な状態において前記表面に対して分離不能に接合されたラミネートフィルムと、
前記基材の前記表面に接合された前記ラミネートフィルムの全体を覆うように設けられ、前記ラミネートフィルムに対して剥離可能に貼り付けられたアプリケーションシートと、を有し、
前記アプリケーションシートは、前記ラミネートフィルムの表面に剥離可能に貼り付けられ、前記ラミネートフィルムの前記表面は、凹凸の無い平滑な面で構成されている加飾シール。
【請求項2】
前記アプリケーションシートと前記ラミネートフィルムの前記表面との間の貼り付け力は、前記子局に接合された状態における前記基材の前記裏面と前記子局との間の接合力よりも小さく設定されている請求項1に記載の加飾シール。
【請求項3】
前記加飾シールは、前記アプリケーションシートを剥がす際に、前記アプリケーションシートに剥がし力を作用させることが可能な剥がし力作用部を有し、
前記剥がし力作用部は、前記アプリケーションシートの一部に設けられ、かつ、前記ラミネートフィルムの前記表面に対して貼り付けられていない状態に構成されている請求項1に記載の加飾シール。
【請求項4】
前記剥がし力作用部は、前記アプリケーションシートの縁に構成されている請求項3に記載の加飾シール。
【請求項5】
前記剥がし力作用部は、前記アプリケーションシートから突出させて構成されている請求項3に記載の加飾シール。
【請求項6】
前記剥がし力作用部は、前記アプリケーションシートと同一平面上に沿って、前記アプリケーションシートから突出させて構成されている請求項5に記載の加飾シール。
【請求項7】
前記剥がし力作用部は、前記アプリケーションシートを平面視で2等分に切断することで、互いに隣接した2つの切断辺が構成された状態において、2つの前記切断辺にそれぞれ連続しつつ、前記アプリケーションシートから突出させて構成されている請求項5に記載の加飾シール。
【請求項8】
前記加飾シールは、前記アプリケーションシートを前記ラミネートフィルムの前記表面に剥離可能に貼り付けるための貼り付け部を有し、
前記貼り付け部は、前記ラミネートフィルムの前記表面に接触する前記アプリケーションシートの接触領域全体のうち、少なくとも1箇所に、前記アプリケーションシートと前記ラミネートフィルムの前記表面とが互いに剥離可能に貼り付いた貼り付け領域を含んで構成されている請求項1に記載の加飾シール。
【請求項9】
前記貼り付け部は、前記貼り付け領域と、前記アプリケーションシートと前記ラミネートフィルムの前記表面とが互いに貼り付いていない非貼り付け領域とが、前記アプリケーションシートを横断する方向に沿って等間隔で交互に繰り返されて構成されている請求項8に記載の加飾シール。
【請求項10】
前記ラミネートフィルムは、前記加飾シールの全体の輪郭形状を一定に維持させることが可能な剛性を有している請求項1に記載の加飾シール。
【請求項11】
前記ラミネートフィルムは、前記基材を補強すると共に、前記基材の前記表面に印刷された前記標識を保護する補強・保護部材としての機能を有している請求項10に記載の加飾シール。
【請求項12】
前記台紙が前記基材の前記裏面に剥離可能に貼り付けられ、前記ラミネートフィルムが前記基材の前記表面に分離不能に接合され、前記アプリケーションシートが前記ラミネートフィルムの前記表面に剥離可能に貼り付けられた状態において、
前記台紙と前記基材の前記裏面との間の貼り付け力は、前記ラミネートフィルムと前記基材の前記表面との間の接合力、並びに、前記アプリケーションシートと前記ラミネートフィルムの前記表面との間の貼り付け力よりも小さく設定されている請求項1に記載の加飾シール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、市町村防災行政無線システムに用いる加飾シールに関する。
【背景技術】
【0002】
市町村防災行政無線システムでは、平常時における住民への行政連絡と共に、災害時における住民への災害情報の周知や行政連絡のために、例えば、市町村庁舎内に設置された親局から、学校や避難所などの屋外に設置された子局や屋内の戸別受信機を介して各種情報が一斉(同時)に伝達される。
【0003】
ここで、屋外に設置される子局には、当該子局の帰属先を視覚的に識別可能な標識が付加される場合がある。この場合、標識として、例えば、市町村章や市町村名などが印刷された加飾シール(加飾シートとも言う)が想定され、この加飾シールは、子局装置を収容した筐体の表面に貼り付けられる。なお、子局装置では、例えば、親局と子局との間の通信処理や各種の情報処理などが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-176697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、加飾シールには、その表面を覆うようにアプリケーションシートが貼り付けられ、このアプリケーションシートは、当該加飾シールを傷や汚れから保護すべく、現地で全ての作業(例えば、子局の設置作業)が完了した後に剥がすことが好ましい。
【0006】
しかしながら、従来の加飾シールにおいて、アプリケーションシートは、上記した標識が印刷された印刷面を覆うように塗布された透明樹脂層(即ち、オーバーコート印刷層)の表面に積層され、当該オーバーコート印刷層とアプリケーションシートとは、互いに強固に接合(接着)されている。
【0007】
このため、アプリケーションシートとオーバーコート印刷層との間の接合力(接着力)の強さの程度によっては、当該接合力(接着力)が、加飾シールと筐体の表面との間の貼り付け力を上回り、その結果、アプリケーションシートを剥がす際、当該アプリケーションシートと共に、加飾シールの全体が筐体の表面から剥がれてしまう虞がある。
【0008】
更に、アプリケーションシート及びオーバーコート印刷層には、それ自体に高い剛性を持たせることができないため、オーバーコート印刷層の表面にアプリケーションシートが積層された加飾シールは、その全体の輪郭形状を一定に維持することが困難な状態、例えば、加飾シールが変形したり、よじれたり、屈曲したりし易い状態となっている。
【0009】
このため、出荷前に加飾シールを筐体の表面に貼り付ける際、予め設定された貼り付け位置に対して加飾シールを正確に位置決めすることが困難になり、その結果、加飾シールの貼り付け作業に手間や時間がかかるだけでなく、例えば、貼り付けた状態において、加飾シールにシワが寄ってしまったり、当該加飾シールと筐体の表面との間に気泡が生じてしまったりする虞がある。
【0010】
本発明の目的は、アプリケーションシートのみを剥がし易くなっていると共に、全体の輪郭形状を一定に維持可能な剛性を有することで、予め設定された貼り付け位置に対して短時間で簡単かつ正確に位置決めすることが可能な加飾シールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
実施形態によれば、親局から子局を介して各種情報を一斉に伝達する市町村防災行政無線システムに用いる加飾シールであって、各種の標識を印刷可能な表面、及び、子局に接合可能な裏面を有する基材と、裏面に対して剥離可能に貼り付けられた台紙と、表面に対して分離不能に接合されたラミネートフィルムと、ラミネートフィルムに対して剥離可能に貼り付けられたアプリケーションシートとを有し、アプリケーションシートは、ラミネートフィルムの表面に剥離可能に貼り付けられ、ラミネートフィルムの表面は、凹凸の無い平滑な面で構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態に係る加飾シールが用いられた市町村防災行政無線システムの構成図。
図2】加飾シールの外観構成図。
図3】加飾シールの分解斜視図。
図4】市町村防災行政無線システムの子局(子局装置を収容した筐体)に接合された加飾シールの外観斜視図。
図5図4に示すアプリケーションシートを剥がした状態における加飾シールの外観斜視図。
図6】第1変形例に係る加飾シールの平面図。
図7】第2変形例に係る加飾シールの平面図。
図8】第3変形例に係る加飾シールの平面図。
図9】第4変形例に係る加飾シールの平面図。
図10】第5変形例に係る加飾シールの平面図。
図11】第6変形例に係る加飾シールの平面図。
図12】第7変形例に係る加飾シールの平面図。
図13】第8変形例に係る加飾シールの平面図。
図14】第9変形例に係る加飾シールの平面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
「一実施形態」
図1は、市町村防災行政無線システム1の概念図である。このシステム1は、災害時には住民への災害情報の周知のために、そして、平常時には住民へのサービスの一環とした行政連絡のために整備され、例えば、音声や文字或いは画像による各種情報を一斉(同時)に伝達可能に構成されている。図1では一例として、音声により各種情報を住民に伝達するためのシステム1が想定され、当該システム1は、親局2、子局3(再送信子局3a)、戸別受信機4、中継局5を備えている。
【0014】
図1に示すように、親局2は、市町村庁舎6内に設置され、災害情報などの各種情報を送信可能に構成されている。親局2は、当該市町村エリアを管轄する消防署7と通信可能に構成され、親局2からの情報送信を消防署7から遠隔制御することも可能である。
【0015】
子局3は、スピーカ8を搭載して屋外(学校や避難所など)に設置され、親局2から送信された情報をスピーカ8から住民に拡声放送可能に構成されている。戸別受信機4は、当該市町村エリアの家毎に設置され、親局2から送信された情報を音声化して住民に伝達可能に構成されている。
【0016】
中継局5や再送信子局3aは、親局2からの電波(同報波)が届かないエリアを有する広域な市町村に設置されている。中継局5は、電波(同報波)の届く範囲を拡大可能に構成されている。再送信子局3aは、電波(同報波)が届かないエリアに設置された子局3や戸別受信機4に対して、中継局5を介して送信された親局2からの電波(同報波)を再送信可能に構成されている。
【0017】
このようなシステム1によれば、市町村庁舎6内に設置された親局2から送信された情報は、学校や避難所などの屋外に設置された子局3や家屋内に設置された戸別受信機4を介して音声化され、当該市町村の住民に対して一斉(同時)に伝達される。このとき、親局2からの電波(同報波)が届かないエリアに対しては、中継局5や再送信子局3aを経由させることで、当該市町村全域の住民への漏れの無い情報伝達が図られている。
【0018】
ここで、上記した市町村防災行政無線システム1において、それぞれの子局3(以下、再送信子局3aを含む)には、その帰属先を視覚的に識別可能な標識が付加されている。図1では一例として、各種の標識を印刷可能な加飾シール9(加飾シートとも言う)が適用されている。加飾シール9は、子局3(具体的には、後述する筐体12(開閉扉12a)の表面)に貼り付け可能に構成されている。
【0019】
子局3は、上記した拡声放送を行うためのエリアに建てられる支柱10に、スピーカ8やアンテナ11、子局装置(図示しない)などを搭載させて構成されている。子局装置は、例えば、親局2と子局3との間の通信処理や各種の情報処理などを行うための機器類で構成され、開閉扉12aを備えた筐体12に収容されている。
【0020】
子局装置を収容した筐体12は、支柱10に固定されている。筐体12の固定方法としては、例えば、作業者が梯子や脚立に上った状態で、筐体12を支柱10に締結する。上記した加飾シール9は、このような比較的高所に配置される筐体12の表面に貼り付けられている。図1では一例として、加飾シール9は、筐体12の開閉扉12aの表面のうち予め設定された部位に貼り付けられている。予め設定された部位とは、例えば、外部から(比較的遠方からでも)加飾シール9を視認可能な部位を想定することができる。
【0021】
図2は、加飾シール9の外観構成図である。図2に示すように、加飾シール9は、台紙13、基材14、ラミネートフィルム15、アプリケーションシート16を、この順番に積層させた4層構造を有している。加飾シール9の輪郭形状としては、平面視において、例えば、矩形状、円形状、楕円形状、三角形状など各種の輪郭形状を適用することができる。図2では一例として、矩形状の輪郭を有する加飾シール9が想定され、この加飾シール9には、上記した子局3の帰属先として、例えば、市町村章17aと市町村名17bから成る標識17が印刷されている。
【0022】
図3は、加飾シール9の分解斜視図である。加飾シール9を構成する台紙13、基材14、ラミネートフィルム15、アプリケーションシート16は、平面視において、互いに同一の大きさの矩形状輪郭を有している。なお、図3では一例として、加飾シール9の4つの構成(即ち、台紙13、基材14、ラミネートフィルム15、アプリケーションシート16)の厚さを互いに同一に設定しているが、例えば、各構成13,14,15,16の材質や用途に応じた厚さに設定できることは言うまでもない。
【0023】
図3に示すように、基材14は、上記した標識17(市町村章17a、市町村名17b)を印刷可能な表面14aを有している。基材14の表面14aには、市町村章17aと市町村名17bとが上下に並んで印刷されている。ただし、これは一例であって、市町村章のみを印刷したり、市町村名のみを印刷したりするバリエーションも想定される。更に、基材14は、表面14aの反対側に平行に設けられた裏面14bを有している。基材14の裏面14bには、図示しない接合剤が塗布され、この接合剤によって基材14(裏面14b)を子局3(上記した筐体12(開閉扉12a)の表面)に接合させることが可能である。
【0024】
なお、加飾シール9が貼り付けられる子局3は、屋外において、風雨に晒されたり、日差しが照り付けたりするような環境下に設置される。このため、基材14の材質としては、耐水性及び耐熱性に優れたもの(例えば、ポリ塩化ビニル)を適用することが好ましい。更に、基材14を子局3に接合させる接合剤も、耐水性及び耐熱性に優れた接着剤を適用することが好ましい。
【0025】
台紙13は、基材14の裏面14bの全体を隙間無く覆うように設けられ、当該基材14の裏面14bに対して剥離可能に貼り付けられている。台紙13としては、樹脂加工された(両面ポリエチレンコート片面シリコン処理紙)剥離紙を適用することができる。台紙13は、基材14の裏面14bに塗布された接合剤を一時的に保護するために適用され、再利用されないので、低コストの材料で構成することが好ましい。
【0026】
ラミネートフィルム15は、基材14の表面14aの全体を隙間無く覆うように設けられ、当該基材14の表面14aに対して分離不能に接合されている。なお、ラミネートフィルム15を基材14の表面14aに接合させる方法は、既存の透明粘着剤を用いた接着法を適用すればよい。
【0027】
ラミネートフィルム15は、例えば、ポリエステルやポリプロピレン、或いは、ポリ塩化ビニルなどから構成される透明性の高い粘着フィルムである。これにより、ラミネートフィルム15を基材14の表面14aに接合させた際、当該基材14の表面14aに印刷されている標識17は、ラミネートフィルム15を介して透視可能な状態に維持される。なお、ラミネートフィルム15の材質を上記した基材14と同一のポリ塩化ビニルにそろえることで、耐候性を向上させることができる。更に、子局3(筐体12(開閉扉12a)の表面)に貼り付けた後、温度変化により加飾シール9が伸縮する場合が想定される。この場合、基材14とラミネートフィルム15が同じ材質であれば、互いに同じ分量だけ伸縮し、これにより、例えば、ひび割れ、剥がれなどの不具合の発生を未然に防止することができる。特に、塩化ビニルは、伸縮し易い材料なので、温度変化にも強い材料となり得る。
【0028】
更に、ラミネートフィルム15は、上記した従来のオーバーコート印刷層よりも高い剛性を有している。これにより、ラミネートフィルム15を含めて構成された加飾シール9は、その全体の輪郭形状を一定に維持させることが可能な剛性を有することとなる。
【0029】
加えて、ラミネートフィルム15は、基材14を補強すると共に、基材14の表面14aに印刷された標識17を保護する補強・保護部材としての機能を有している。これにより、基材14自体の耐久性や引裂強度が向上すると共に、酸素(オゾン)や水、熱、光などをラミネートフィルム15が遮断することで、基材14の表面14aの標識17が汚れたり、早期に劣化したりすることが防止される。
【0030】
また、ラミネートフィルム15自体の光沢性により、当該ラミネートフィルム15で覆われた基材14の表面14aの加飾的効果が向上し、これにより、当該表面14aに印刷された標識17に対して付加的に高級感が与えられる。
【0031】
このようなラミネートフィルム15は、その裏面15bが基材14の表面14aに分離不能に接合され、その表面15a(裏面15bの反対側)は、凹凸の無い平滑な面で構成されている。後述するアプリケーションシート16は、ラミネートフィルム15の全体を覆うように設けられ、ラミネートフィルム15の表面15aに剥離可能に貼り付けられている。
【0032】
図3では一例として、アプリケーションシート16をラミネートフィルム15の表面15aに剥離可能に貼り付けるための貼り付け部が、ラミネートフィルム15の表面15aに接触するアプリケーションシート16の接触領域全体に亘って構成されている場合を想定する。この場合、当該接触領域全体は、アプリケーションシート16とラミネートフィルム15の表面15aとが互いに剥離可能に貼り付いた貼り付け領域として構成されている。要するに、アプリケーションシート16の全面(後述する剥がし力作用部18を除く)が、図示しない粘着剤によって、ラミネートフィルム15の表面15aに剥離可能に貼り付いている。
【0033】
アプリケーションシート16は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)などから構成される弱粘着性シートである。これにより、アプリケーションシート16は、ラミネートフィルム15に対して剥離可能に貼り付けられ、再剥離させる際に糊残りも無く綺麗に剥がすことができる。
【0034】
更に、上記した加飾シール9は、アプリケーションシート16を剥がす際に、アプリケーションシート16に剥がし力を作用させることが可能な剥がし力作用部18(剥がし代とも言う)を有している。剥がし力作用部18は、アプリケーションシート16の一部に設けられ、かつ、ラミネートフィルム15の表面15aに対して貼り付けられていない状態に構成されている。
【0035】
剥がし力作用部18は、アプリケーションシート16の縁に構成されている。図3では一例として、剥がし力作用部18は、矩形状のアプリケーションシート16の縁のうち、4つの隅部16t(角部とも言う)のうちの1つに設けられている。剥がし力作用部18は、平面視で三角形状の輪郭を有している。これにより、ラミネートフィルム15の表面15aに対して貼り付けられていない三角形状の非貼り付け領域が、剥がし力作用部18として構成されている。なお、非貼り付け領域は、例えば、アプリケーションシート16の縁に三角形状の紙を貼り付けて構成することが可能であり、これにより、ラミネートフィルム15の表面15aに対して貼り付けられていない領域を実現することができる。
【0036】
この場合、この非貼り付け領域と、それ以外の領域(即ち、アプリケーションシート16とラミネートフィルム15の表面15aとが互いに剥離可能に貼り付いた貼り付け領域)との境界18sは、直線状に構成されている。この直線状の境界18sは、隅部16tを構成する隣り合うアプリケーションシート16の2辺16p(即ち、互いに直交する2辺16p)を斜めに横断する方向に沿って真っ直ぐに延在している。
【0037】
ここで、基材14の裏面14bを子局3(上記した筐体12(開閉扉12a))に接合させる前の状態を想定する。このとき、基材14の裏面14bには、台紙13が剥離可能に貼り付けられている。基材14の表面14aには、ラミネートフィルム15の裏面15bが分離不能に接合されている。ラミネートフィルム15の表面15aには、アプリケーションシート16が剥離可能に貼り付けられている。
【0038】
この状態において、台紙13と基材14の裏面14bとの間の貼り付け力は、ラミネートフィルム15の裏面15bと基材14の表面14aとの間の接合力、並びに、ラミネートフィルム15の表面15aとアプリケーションシート16との間の貼り付け力よりも小さく設定されている。即ち、台紙13と基材14の裏面14bとの間の貼り付け力をF1とし、ラミネートフィルム15の裏面15bと基材14の表面14aとの間の接合力をF2とし、ラミネートフィルム15の表面15aとプリケーションシート16との間の貼り付け力をF3とすると、F1<F3<F2なる関係を満足する。
【0039】
これに対して、基材14の裏面14bを子局3(筐体12(開閉扉12a))に接合させた後の状態を想定する。このとき、台紙13が剥がされた基材14の裏面14bは、子局3(筐体12(開閉扉12a)の表面)に接合されている。基材14の表面14aには、ラミネートフィルム15の裏面15bが分離不能に接合されている。ラミネートフィルム15の表面15aには、アプリケーションシート16が剥離可能に貼り付けられている。
【0040】
この状態において、アプリケーションシート16とラミネートフィルム15の表面15aとの間の貼り付け力は、子局3に接合された状態における基材14の裏面14bと子局3との間の接合力よりも小さく設定されている。即ち、アプリケーションシート16とラミネートフィルム15の表面15aとの間の貼り付け力を上記したF3とし、子局3に接合された状態における基材14の裏面14bと子局3との間の接合力をF4とすると、F3<F4なる関係を満足する。
【0041】
なお、上記した4つの力F1、F2、F3、F4において、ラミネートフィルム15の裏面15bと基材14の表面14aとの間の接合力F2と、子局3に接合された状態における基材14の裏面14bと子局3との間の接合力F4との間の大小関係については、基材14(裏面14b)を子局3(筐体12(開閉扉12a)の表面)に接合させた状態(換言すると、加飾シール9が子局3から容易に脱落しない状態)を長期に亘って維持できれば、F2<F4、F2=F4、F2>F4のいずれの関係を満足させてもよい。
【0042】
図4は、基材14の裏面14bを子局3(筐体12(開閉扉12a))に接合させた加飾シール9の配置構成図である。図4に示すように、4層構造(台紙13、基材14、ラミネートフィルム15、アプリケーションシート16)の加飾シール9は、出荷前に(例えば、工場において)、基材14の裏面14bから台紙13のみが剥がされた後、残りの3層構造(基材14、ラミネートフィルム15、アプリケーションシート16)を維持しつつ、基材14の裏面14bが子局3(筐体12(開閉扉12a)の表面)に接合される。
【0043】
このとき、ラミネートフィルム15を含めて構成された加飾シール9は、その全体の輪郭形状を一定に維持させることが可能な剛性を発揮する。これにより、例えば、変形したり、よじれたり、屈曲したりすること無く、加飾シール9(基材14の裏面14b)を筐体12(開閉扉12a)の表面の予め設定された貼り付け位置に位置決めして接合することが可能となる。
【0044】
この後、3層構造(基材14、ラミネートフィルム15、アプリケーションシート16)の加飾シール9は、筐体12(開閉扉12a)の表面に接合された状態で、当該筐体12と共に、現地(例えば、子局3の設置場所)に出荷される。アプリケーションシート16は、現地で全ての作業(例えば、子局3の設置作業)が完了した後に剥がされる。
【0045】
ここで、例えば、剥がし力作用部18を手指で挟持しつつ牽引する。牽引動作は、剥がし力作用部18からアプリケーションシート16に伝達され、これにより、アプリケーションシート16に剥がし力が作用する。ラミネートフィルム15の表面15aは、凹凸の無い平滑な面で構成されているため、アプリケーションシート16をラミネートフィルム15の表面15aから円滑に剥がすことができる。
【0046】
このとき、剥がし力を大小変化させてもよい。例えば、大きな剥がし力を作用させることで、アプリケーションシート16を素早く短時間に剥がすことができる。これに対して、小さな剥がし力を作用させることで、アプリケーションシート16を慎重に時間をかけて剥がすことができる。
【0047】
図5は、アプリケーションシート16が剥がされた加飾シール9の配置構成図である。図5に示すように、アプリケーションシート16が剥がされた加飾シール9は、基材14の裏面14bが子局3(筐体12(開閉扉12a)の表面)に接合された状態において、基材14の表面14a(即ち、標識17(市町村章17a、市町村名17b)が印刷された印刷面)の全体がラミネートフィルム15で隙間無く覆われた状態となっている。
【0048】
この状態において、ラミネートフィルム15は、補強・保護部材としての機能を発揮する。これにより、長期に亘って、基材14自体が補強されると共に、基材14の表面14a(印刷面)が保護される。
【0049】
以上、本実施形態によれば、4層構造(台紙13、基材14、ラミネートフィルム15、アプリケーションシート16)から成る加飾シール9において、アプリケーションシート16は、ラミネートフィルム15の表面15aに剥離可能に貼り付けられ、ラミネートフィルム15の表面15aは、凹凸の無い平滑な面で構成されている。これにより、アプリケーションシート16は、ラミネートフィルム15の表面15aから剥がし易い状態となっている。この結果、アプリケーションシート16をラミネートフィルム15の表面15aから糊残り無く綺麗に剥がすことができる。
【0050】
本実施形態によれば、アプリケーションシート16とラミネートフィルム15の表面15あとの間の貼り付け力は、子局3(筐体12(開閉扉12a)の表面)に接合された状態における基材14の裏面14bと子局3との間の接合力よりも小さく設定されている。これにより、現地で全ての作業(例えば、子局3の設置作業)が完了した後にアプリケーションシート16を再剥離させる際、当該アプリケーションシート16と共に、加飾シール9の全体が子局3(筐体12(開閉扉12a)の表面)から剥がれてしまうことは無い。この結果、アプリケーションシート16のみをスムーズに剥がすことができる。
【0051】
本実施形態によれば、アプリケーションシート16を剥がす際に、アプリケーションシート16に剥がし力を作用させることが可能な剥がし力作用部18を有している。これにより、アプリケーションシート16を剥がし易くすることができる。例えば、剥がし力作用部18を手指で挟持しつつ牽引することで、アプリケーションシート16をラミネートフィルム15の表面15aから円滑に剥がすことができる。この結果、大きな剥がし力を作用させることで、アプリケーションシート16を素早く短時間に剥がすことができると共に、小さな剥がし力を作用させることで、アプリケーションシート16を慎重に時間をかけて剥がすことができる。
【0052】
本実施形態によれば、4層構造(台紙13、基材14、ラミネートフィルム15、アプリケーションシート16)から成る加飾シール9において、ラミネートフィルム15は、加飾シール9の全体の輪郭形状を一定に維持させることが可能な剛性を有している。これにより、ラミネートフィルム15を含めて構成された加飾シール9は、その全体の輪郭形状を一定に維持可能な状態となる。この状態によれば、加飾シール9(基材14の裏面14b)を、例えば、変形したり、よじれたり、屈曲したりすること無く、筐体12(開閉扉12a)の表面の予め設定された貼り付け位置に短時間で正確に位置決めして接合することができる。この結果、加飾シール9の貼り付け作業効率を従来に比べて格段に向上させることができる。そして、加飾シール9を貼り付けた状態において、当該加飾シール9にシワが寄ってしまったり、当該加飾シール9と筐体12(開閉扉12a)の表面との間に気泡が生じてしまったりすることも無い。
【0053】
本実施形態によれば、4層構造(台紙13、基材14、ラミネートフィルム15、アプリケーションシート16)から成る加飾シール9において、ラミネートフィルム15は、基材14を補強すると共に、基材14の表面14aに印刷された標識17を保護する補強・保護部材としての機能を有している。これにより、基材14自体の耐久性や引裂強度を向上させることができると共に、酸素(オゾン)や水、熱、光などをラミネートフィルム15が遮断することで、基材14の表面14aの標識17が汚れたり、早期に劣化したりすることを防止することができる。加えて、ラミネートフィルム15自体の光沢性により、当該ラミネートフィルム15で覆われた基材14の表面14aの加飾的効果が向上し、これにより、基材14の表面14aに印刷された標識17に対して付加的に高級感を与えることができる。
【0054】
本実施形態によれば、4層構造(台紙13、基材14、ラミネートフィルム15、アプリケーションシート16)から成る加飾シール9において、台紙13と基材14の裏面14bとの間の貼り付け力は、ラミネートフィルム15の裏面15bと基材14の表面14aとの間の接合力、並びに、ラミネートフィルム15の表面15aとアプリケーションシート16との間の貼り付け力よりも小さく設定されている。これにより、台紙13は、基材14の裏面14bから剥がし易い状態となっている。この結果、出荷前に(例えば工場で)台紙3のみを短時間で容易に剥がすことができる。
【0055】
「第1変形例」
図6は、第1変形例に係る剥がし力作用部18の配置構成図である。本変形例の剥がし力作用部18は、アプリケーションシート16の縁に構成されている。図6では一例として、剥がし力作用部18は、矩形状のアプリケーションシート16の縁のうち、4つの隅部16t(角部とも言う)の中の1つに設けられている。
【0056】
図6に示すように、本変形例の剥がし力作用部18は、平面視で三角形状の非貼り付け領域として構成されている点は、上記した実施形態と同様であるが、相違点は、この非貼り付け領域と、それ以外の領域(即ち、アプリケーションシート16とラミネートフィルム15の表面15aとが互いに剥離可能に貼り付いた貼り付け領域)との境界18sは、円弧形状に構成されている。
【0057】
円弧形状の境界18sは、隅部16tを構成する隣り合うアプリケーションシート16の2辺16p(即ち、互いに直交する2辺16p)の交点16xに向けて円弧形状に膨出しつつ延在している。なお、その他の構成は、上記した実施形態の加飾シールと同様であるため、その説明は省略する。
【0058】
以上、第1変形例によれば、剥がし力作用部18の境界18sを円弧形状に構成したことで、剥がし力作用部18を手指で挟持しつつ牽引する際に、アプリケーションシート16に作用する剥がし力を分散させることができる。
【0059】
これにより、剥がし力作用部18を急激に牽引して、短時間に大きな剥がし力をアプリケーションシート16に作用させても、当該アプリケーションシート16に応力が集中することは無い。この結果、アプリケーションシート16を破損させること無く短時間でスムーズに剥がすことができる。なお、その他の効果は、上記した実施形態の加飾シールと同様であるため、その説明は省略する。
【0060】
「第2変形例」
図7は、第2変形例に係る剥がし力作用部の配置構成図である。本変形例の剥がし力作用部18は、アプリケーションシート16の縁に構成されている。図7では一例として、剥がし力作用部18は、矩形状のアプリケーションシート16の縁のうち、4つの隅部16t(角部とも言う)にそれぞれ設けられている。
【0061】
図7に示すように、本変形例の剥がし力作用部18は、それぞれ、上記した実施形態と同様に、平面視で三角形状の非貼り付け領域として構成されている。そして、この非貼り付け領域と、それ以外の領域(即ち、アプリケーションシートとラミネートフィルムの表面とが互いに剥離可能に貼り付いた貼り付け領域)との境界18sは、直線状に構成されている。なお、その他の構成は、上記した実施形態の加飾シールと同様であるため、その説明は省略する。
【0062】
以上、第2変形例によれば、剥がし力作用部18をアプリケーションシート16の4つの隅部16tに設けたことで、アプリケーションシート16を剥がす際に、四方向からアプリケーションシート16に剥がし力を作用させることができる。
【0063】
ところで、上記したように加飾シール9が貼り付けられる筐体12(即ち、子局装置を収容した筐体12)は、子局3のうち比較的高所に配置されている。このため、現地で全ての作業(例えば、子局3の設置作業)が完了した後にアプリケーションシート16を再剥離させる際、作業者は、例えば、梯子や脚立に上った不安定な姿勢でアプリケーションシート16を剥がす作業を強いられる。
【0064】
しかしながら、本変形例のように、剥がし力作用部18をアプリケーションシート16の4つの隅部16tに設けることで、手指で挟持可能な剥がし力作用部18の選択肢数を増やすことができる。
【0065】
これにより、作業者は、梯子や脚立に上った不安定な姿勢に際し、最も挟持し易い剥がし力作用部18を選択することができる。この結果、作業者の安全を確保しつつ、短時間で簡単かつ確実にアプリケーションシート16を剥がすことができる。なお、その他の効果は、上記した実施形態の加飾シールと同様であるため、その説明は省略する。
【0066】
「第3変形例」
図8は、第3変形例に係る剥がし力作用部18の配置構成図である。本変形例の剥がし力作用部18は、アプリケーションシート16から突出させて構成されている。図8では一例として、剥がし力作用部18は、矩形状のアプリケーションシート16の縁のうち、4つの隅部16t(角部とも言う)の中の1つに設けられ、そこからアプリケーションシート16と同一平面上に沿って突出させて構成されている。
【0067】
図8に示すように、本変形例の剥がし力作用部18は、平面視で円弧形状の輪郭を有している。この場合、円弧形状の剥がし力作用部18は、アプリケーションシート16の縁の外側に突出した状態となる。これにより、ラミネートフィルム15の表面15aに対して貼り付けられていない円弧形状の非貼り付け領域が、剥がし力作用部18として構成されている。この場合、剥がし力作用部18の輪郭形状としては、円弧形状以外に、例えば、矩形状、三角形状など各種の輪郭形状を適用することができる。なお、その他の構成は、上記した実施形態の加飾シールと同様であるため、その説明は省略する。
【0068】
以上、第3の変形例によれば、剥がし力作用部18をアプリケーションシート16の1つの隅部16tの縁から突出させて構成したことで、アプリケーションシート16を剥がす際に、剥がし力作用部18を手指で挟持し易くすることができる。なお、その他の効果は、上記した実施形態の加飾シールと同様であるため、その説明は省略する。
【0069】
「第4変形例」
図9は、第4変形例に係る剥がし力作用部18の配置構成図である。本変形例の剥がし力作用部18は、アプリケーションシート16から突出させて構成されている。図9では一例として、剥がし力作用部18は、矩形状のアプリケーションシート16の縁のうち、4つの隅部16t(角部とも言う)の中の2つに設けられ、そこからアプリケーションシート16と同一平面上に沿って突出させて構成されている。
【0070】
図9に示すように、本変形例の剥がし力作用部18は、それぞれ、互いに平行な位置関係となるアプリケーションシート16の2辺16pの端縁から突出した円弧形状の輪郭を有している。この場合、各剥がし力作用部18の構成は、上記した第3変形例と同様であると共に、その他の構成は、上記した実施形態の加飾シールと同様であるため、その説明は省略する。
【0071】
以上、第4変形例によれば、剥がし力作用部18をアプリケーションシートの2つの隅部16tの縁から突出させて構成したことで、手指で挟持可能な剥がし力作用部18の選択肢数を増やすことができる。
【0072】
これにより、作業者は、梯子や脚立に上った不安定な姿勢に際し、最も挟持し易い剥がし力作用部18を選択することができる。この結果、作業者の安全を確保しつつ、短時間で簡単かつ確実にアプリケーションシート16を剥がすことができる。なお、その他の効果は、上記した第3変形例並びに実施形態の加飾シールと同様であるため、その説明は省略する。
【0073】
「第5変形例」
図10は、第5変形例に係る剥がし力作用部18の配置構成図である。本変形例の剥がし力作用部18は、アプリケーションシート16の縁に構成されている。図10では一例として、剥がし力作用部18は、矩形状のアプリケーションシート16の縁(4辺16p)のうちの1辺16pに亘って設けられている。
【0074】
図10に示すように、本変形例の剥がし力作用部18は、アプリケーションシート16の1辺16pに沿って細長く延在した矩形状の非貼り付け領域として構成されている。なお、その他の構成は、上記した実施形態の加飾シール9と同様であるため、その説明は省略する。
【0075】
以上、第5変形例によれば、剥がし力作用部18をアプリケーションシート16の1辺16pに亘って幅広く延在させたことで、剥がし力作用部18を手指で挟持し易くなると共に、剥がし力作用部18を手指で挟持しつつ牽引する際に、アプリケーションシート16に作用する剥がし力を分散させることができる。
【0076】
これにより、剥がし力作用部18を急激に牽引して、短時間に大きな剥がし力をアプリケーションシート16に作用させても、当該アプリケーションシート16に応力が集中することは無い。この結果、アプリケーションシート16を破損させること無く短時間でスムーズに剥がすことができる。なお、その他の効果は、上記した実施形態の加飾シールと同様であるため、その説明は省略する。
【0077】
「第6変形例」
図11は、第6変形例に係る剥がし力作用部18の配置構成図である。本変形例の剥がし力作用部18は、アプリケーションシート16の縁に構成されている。図11では一例として、剥がし力作用部18は、矩形状のアプリケーションシート16の縁(4辺16p)の全体に亘って設けられている。
【0078】
図11に示すように、本変形例の剥がし力作用部18は、アプリケーションシート16の縁に沿って連続的に延在した非貼り付け領域として構成されている。換言すると、剥がし力作用部18は、アプリケーションシート16の4辺16p全周に沿って細長く連続した中抜き矩形状の非貼り付け領域として構成されている。なお、その他の構成は、上記した実施形態の加飾シールと同様であるため、その説明は省略する。
【0079】
以上、第6変形例によれば、剥がし力作用部18をアプリケーションシート16の4辺16pに亘って広範囲(即ち、360度の範囲)に延在させたことで、どの方向からでも手指で挟持可能な剥がし力作用部18を実現することができる。
【0080】
これにより、アプリケーションシート16を剥がす際に、当該アプリケーションシート16の全周囲から剥がし力を作用させることができる。なお、その他の効果は、上記した第5変形例並びに実施形態の加飾シールと同様であるため、その説明は省略する。
【0081】
「第7変形例」
図12は、第7変形例に係る剥がし力作用部18の配置構成図である。本変形例の剥がし力作用部18は、アプリケーションシート16から突出させて構成されている。図12では一例として、剥がし力作用部18は、矩形状のアプリケーションシート16の中央を分断するように設けられている。
【0082】
図12に示すように、本変形例の剥がし力作用部18は、アプリケーションシート16の中央を平面視で2等分に切断した部位16gに設けられている。この切断部位16gは、互いに平行に隣接しつつ真っ直ぐに延在した2つの切断辺16a,16bによって構成されている。剥がし力作用部18は、これら2つの切断辺16a,16bにそれぞれ連続しつつ、アプリケーションシート16から矩形状に突出させて構成されている。なお、その他の構成は、上記した実施形態の加飾シールと同様であるため、その説明は省略する。
【0083】
以上、第7変形例によれば、アプリケーションシート16の中央を分断する2つの切断辺16a,16bにそれぞれ連続しつつ突出させた剥がし力作用部18を設けたことで、剥がし力作用部18を手指で挟持し易くすることができると共に、アプリケーションシート16を2等分した切断部位16gからその両側に向けて剥がすことができる。
【0084】
これにより、分断された各々のアプリケーションシート16に作用させる剥がし力作用部18からの剥がし力が半減(軽減)され、その結果、軽い剥がし力で各アプリケーションシート16を短時間でスムーズに剥がすことができる。なお、その他の効果は、上記した実施形態の加飾シールと同様であるため、その説明は省略する。
【0085】
「第8変形例」
図13は、第8変形例に係る貼り付け部の配置構成図である。上記した実施形態において、貼り付け部としては、アプリケーションシート16の全面(即ち、上記した接触領域全体)が、ラミネートフィルム15の表面15aに剥離可能に貼り付いた貼り付け領域となる場合を想定したが、本変形例の貼り付け部は、その接触領域全体のうち、少なくとも1箇所に貼り付け領域を含んで構成されている。
【0086】
図13では一例として、本変形例の貼り付け部は、貼り付け領域R1と、アプリケーションシート16とラミネートフィルム15の表面15aとが互いに貼り付いていない非貼り付け領域R2とが、アプリケーションシート16を横断する方向に沿って等間隔で交互に繰り返されて構成されている。
【0087】
図13に示すように、本変形例の貼り付け部において、互いに同一の大きさを有する矩形状の貼り付け領域R1と非貼り付け領域R2とが、互いに平行な位置関係となるアプリケーションシート16の2辺16pの相互間に亘って延在し、その状態で、当該2辺16pに沿って等間隔で交互に繰り返されて配置されている。なお、その他の構成は、上記した実施形態の加飾シールと同様であるため、その説明は省略する。
【0088】
以上、第8変形例によれば、貼り付け領域R1と非貼り付け領域R2とを等間隔で交互に配置したことで、上記した実施形態のようにアプリケーションシート16の全面(即ち、接触領域全体)を貼り付け領域とした場合に比べて、ラミネートフィルム15の表面15aに貼り付けられるアプリケーションシート16の貼り付け面積ないし貼り付け力を小さくすることができる。これにより、アプリケーションシート16に作用させる剥がし力作用部18からの剥がし力が軽減され、その結果、軽い剥がし力でアプリケーションシート16を短時間でスムーズに剥がすことができる。なお、その他の効果は、上記した実施形態の加飾シールと同様であるため、その説明は省略する。
【0089】
「第9変形例」
図14は、第9変形例に係る貼り付け部の配置構成図である。本変形例の貼り付け部は、上記した第8変形例の改良である。図14では一例として、平面視で円形状の輪郭を有する貼り付け領域R1が複数設けられ、これら円形状の貼り付け領域R1が、アプリケーションシート16を横断する方向に沿って等間隔で配置されている。
【0090】
図14に示すように、本変形例の貼り付け部において、互いに同一の大きさを有する円形状の貼り付け領域R1が、アプリケーションシート16の全面(即ち、上記した接触領域全体)に亘って等間隔に点在している。
【0091】
この状態によれば、円形状の貼り付け領域R1と、それ以外の領域(即ち、非貼り付け領域R2)とが、アプリケーションシート16を横断する方向に沿って等間隔で交互に繰り返されて配置されることになる。なお、その他の構成は、上記した実施形態の加飾シールと同様であるため、その説明は省略する。
【0092】
以上、第9変形例によれば、上記した第8変形例と同様に、軽い剥がし力でアプリケーションシート16を短時間でスムーズに剥がすことができる。なお、その他の効果は、上記した第8変形例並びに実施形態の加飾シールと同様であるため、その説明は省略する。
【0093】
「第10変形例」
上記した実施形態並びに各変形例では、剥がし力作用部18の大きさについて特に言及しなかったが、剥がし力作用部18の大きさは、アプリケーションシート16の大きさに応じて設定されるため、ここでは特に限定しない。
【0094】
上記した第8及び第9変形例では、貼り付け領域R1と非貼り付け領域R2とを等間隔で交互に配置した貼り付け部を想定したが、貼り付け領域R1と非貼り付け領域R2とをランダムに交互に配置させても良い。この場合、貼り付け領域R1と非貼り付け領域R2と互いに異なる大きさの輪郭形状に構成しても良い。
【0095】
以上、本発明の一実施形態及びいくつかの変形例を説明したが、これらの実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及び変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0096】
1…市町村防災行政無線システム、2…親局、3…子局、3a…再送信子局、4…戸別受信機、5…中継局、6…市町村庁舎、7…消防署、8…スピーカ、9…加飾シール、10…支柱、11…アンテナ、12…筐体、12a…開閉扉、13…台紙、14…基材、15…ラミネートフィルム、16…アプリケーションシート、16a,16b…切断辺、16g…切断部位、16t…隅部、16p…辺、17…標識、18…剥がし力作用部、18s…境界、R1…貼り付け領域、R2…非貼り付け領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14