(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018360
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20240201BHJP
【FI】
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121652
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100178847
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 映美
(72)【発明者】
【氏名】中西 秀和
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA03
(57)【要約】
【課題】脳血管疾患の早期検査を効率的に促すこと。
【解決手段】情報処理システムは、ユーザの遺伝子検査による脳動脈瘤関連遺伝子の検出結果を示す検査情報を取得する検査情報取得部と、健康記録情報を取得する健康記録情報取得部と、検査または診断に対する補助金情報を取得する補助金情報取得部と、前記脳動脈瘤関連遺伝子が検出されたことに基づいて提示情報を取得する提示情報取得部と、脳外科、放射線科または脳血管内治療の専門医資格を有する医師がいる近隣病院の情報を、前記健康記録情報に基づいて検索する検索部と、前記提示情報と、前記近隣病院の情報と、前記補助金情報とを含む出力情報を出力する出力部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの遺伝子検査による脳動脈瘤関連遺伝子の検出結果を示す検査情報を取得する検査情報取得部と、
健康記録情報を取得する健康記録情報取得部と、
検査または診断に対する補助金情報を取得する補助金情報取得部と、
前記脳動脈瘤関連遺伝子が検出されたことに基づいて提示情報を取得する提示情報取得部と、
脳外科、放射線科または脳血管内治療の専門医資格を有する医師がいる近隣病院の情報を、前記健康記録情報に基づいて検索する検索部と、
前記提示情報と、前記近隣病院の情報と、前記補助金情報とを含む出力情報を出力する出力部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記補助金情報は、ユーザが加入している保険団体の補助金の情報または自治体による補助金の情報である
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記提示情報は、MRI、MRA、CT、DSAのうちのいずれか1つ以上による精密検査を推奨する情報である
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記提示情報は、精密検査の予約状況を示す情報である
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
スケジュールアプリケーションからユーザのスケジュールを取得し、検査または診察を予約可能な候補日を抽出する予約部をさらに備え、
前記提示情報は、前記検査または診察の混雑状況を示す情報である
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記健康記録情報は、前記ユーザの家族の健康記録情報である
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記出力情報は、検査または診断に要する費用情報と、精密検査の有無のそれぞれにおける実負担金額情報とをさらに含む
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記脳動脈瘤関連遺伝子は、PLCL1、ENDRA、SOX17、CBY2、CNNM2、STARD13、NPT、RBBP8のうち何れかである
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記検索部は、ユーザの健康記録情報及びユーザの現在位置情報に基づいて前記近隣病院の情報を検索する
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記予約部は、前記近隣病院までの移動に基づく移動時間を考慮して前記候補日を抽出する
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記提示情報は、k-匿名化モデルによって匿名化されたデータからなる、ユーザの居住する地域住民の検査または診察の受診率である
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記出力部は、検査または診断の結果に基づいて、脳動脈瘤が発見された場合に支払われる任意保険の保険金情報を出力する
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記出力部は、
脳動脈瘤が破裂した場合の入院費用と、現在の年収情報と、加入する年金種別と、から前記脳動脈瘤が破裂した後の社会的損失費用を出力する
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項14】
ユーザの遺伝子検査による脳動脈瘤関連遺伝子の検出結果を示す検査情報を取得する検査情報取得部と、
健康記録情報を取得する健康記録情報取得部と、
検査または診断に対する補助金情報を取得する補助金情報取得部と、
前記脳動脈瘤関連遺伝子が検出されたことに基づいて提示情報を取得する提示情報取得部と、
脳外科、放射線科または脳血管内治療の専門医資格を有する医師がいる近隣病院の情報を、前記健康記録情報に基づいて検索する検索部と、
前記提示情報と、前記近隣病院の情報と、前記補助金情報とを含む出力情報を出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【請求項15】
情報処理装置のコンピュータが、
ユーザの遺伝子検査による脳動脈瘤関連遺伝子の検出結果を示す検査情報を取得する検査情報取得過程と、
健康記録情報を取得する健康記録情報取得過程と、
検査または診断に対する補助金情報を取得する補助金情報取得過程と、
前記脳動脈瘤関連遺伝子が検出されたことに基づいて提示情報を取得する提示情報取得過程と、
脳外科、放射線科または脳血管内治療の専門医資格を有する医師がいる近隣病院の情報を、前記健康記録情報に基づいて検索する検索過程と、
前記提示情報と、前記近隣病院の情報と、前記補助金情報とを含む出力情報を出力する出力過程と、
を有する情報処理方法。
【請求項16】
情報処理装置のコンピュータに、
ユーザの遺伝子検査による脳動脈瘤関連遺伝子の検出結果を示す検査情報を取得する検査情報取得ステップと、
健康記録情報を取得する健康記録情報取得ステップと、
検査または診断に対する補助金情報を取得する補助金情報取得ステップと、
前記脳動脈瘤関連遺伝子が検出されたことに基づいて提示情報を取得する提示情報取得ステップと、
脳外科、放射線科または脳血管内治療の専門医資格を有する医師がいる近隣病院の情報を、前記健康記録情報に基づいて検索する検索ステップと、
前記提示情報と、前記近隣病院の情報と、前記補助金情報とを含む出力情報を出力する出力ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
診療の記録や検査結果などは診療を受けた医療機関だけにカルテ(診療記録)として保存・管理されていた。また、調剤薬局での処方薬などの投薬記録や別の医療機関での診療記録は、それぞれの薬局、医療機関などで保存・管理されていた。
近年、ICT(Information and Communication Technology)を活用した取り組みとして、それぞれの医療機関で管理された診療記録や投薬記録を1つに集約する取り組みが始まっている。当該取り組みは、例えば、PHR(Personal Healthcare record)である。
【0003】
例えば、特許文献1には、医療・福祉に関連する商品・サービスを提供する複数の事業者の事業者情報を記録する事業者データベースと、事業者の商品・サービスを利用する利用者の利用者情報を識別情報と関連付けて記録する利用者データベースと、を備えた医療情報共有サーバと、事業者の情報処理端末と、を備え、事業者は医療機関を含み、医療情報共有サーバは、事業者の情報処理端末の動作を管理する管理サーバを備え、管理サーバと医療機関の情報処理端末である医療機関端末は、医療機関端末をシンクライアント端末としたシンクライアント環境にて電子カルテシステムを機能させ、電子カルテシステムは、利用者を診察した際の診察情報及び処方内容を記録した電子カルテを利用者情報として利用者データベースに記録させるとともに、利用者データベースに記録されている同じ利用者の利用者情報を参照し表示可能である医療システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、脳動脈瘤などの脳血管疾患は、早期発見、早期治療が患者の予後状態に大きく影響する。脳血管疾患の早期発見には、例えば脳ドックなどの検査を行うことが好ましい。一般に、脳ドックに係る費用は自費診療となり、高額である場合が多い。各自治体や健康保険団体では、脳ドックなどの検査を推進するために、検査費用の一部を助成する補助金を支給するケースも増えてきている。
【0006】
しかしながら、特許文献1では、診療記録を統合的に管理することができても、検査費用、検査や診断に対する補助金の有無、補助金額などを把握するのはできない。検査費用や検査や診断に対する補助金の有無、補助金額などを把握するためには、検査を受けるユーザが1つ1つ調べる必要があった。そのため、ユーザの利便性が十分でなく、脳血管疾患の早期検査を効率的に促すことができないという課題があった。
【0007】
上述の課題を鑑み、本発明の目的は、脳血管疾患の早期検査を効率的に促すことができる情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理システムは、ユーザの遺伝子検査による脳動脈瘤関連遺伝子の検出結果を示す検査情報を取得する検査情報取得部と、健康記録情報を取得する健康記録情報取得部と、検査または診断に対する補助金情報を取得する補助金情報取得部と、前記脳動脈瘤関連遺伝子が検出されたことに基づいて提示情報を取得する提示情報取得部と、脳外科、放射線科または脳血管内治療の専門医資格を有する医師がいる近隣病院の情報を、前記健康記録情報に基づいて検索する検索部と、前記提示情報と、前記近隣病院の情報と、前記補助金情報とを含む出力情報を出力する出力部と、を備える。
【0009】
また、上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、ユーザの遺伝子検査による脳動脈瘤関連遺伝子の検出結果を示す検査情報を取得する検査情報取得部と、健康記録情報を取得する健康記録情報取得部と、検査または診断に対する補助金情報を取得する補助金情報取得部と、前記脳動脈瘤関連遺伝子が検出されたことに基づいて提示情報を取得する提示情報取得部と、脳外科、放射線科または脳血管内治療の専門医資格を有する医師がいる近隣病院の情報を、前記健康記録情報に基づいて検索する検索部と、前記提示情報と、前記近隣病院の情報と、前記補助金情報とを含む出力情報を出力する出力部と、を備える。
【0010】
また、上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理方法は、情報処理装置のコンピュータが、ユーザの遺伝子検査による脳動脈瘤関連遺伝子の検出結果を示す検査情報を取得する検査情報取得過程と、健康記録情報を取得する健康記録情報取得過程と、検査または診断に対する補助金情報を取得する補助金情報取得過程と、前記脳動脈瘤関連遺伝子が検出されたことに基づいて提示情報を取得する提示情報取得過程と、脳外科、放射線科または脳血管内治療の専門医資格を有する医師がいる近隣病院の情報を、前記健康記録情報に基づいて検索する検索過程と、前記提示情報と、前記近隣病院の情報と、前記補助金情報とを含む出力情報を出力する出力過程と、を有する。
【0011】
また、上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係るプログラムは、情報処理装置のコンピュータに、ユーザの遺伝子検査による脳動脈瘤関連遺伝子の検出結果を示す検査情報を取得する検査情報取得ステップと、健康記録情報を取得する健康記録情報取得ステップと、検査または診断に対する補助金情報を取得する補助金情報取得ステップと、前記脳動脈瘤関連遺伝子が検出されたことに基づいて提示情報を取得する提示情報取得ステップと、脳外科、放射線科または脳血管内治療の専門医資格を有する医師がいる近隣病院の情報を、前記健康記録情報に基づいて検索する検索ステップと、前記提示情報と、前記近隣病院の情報と、前記補助金情報とを含む出力情報を出力する出力ステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、脳血管疾患の早期検査を効率的に促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す概略図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】本実施形態に係る出力情報の一例を示す表示画面例である。
【
図5】本発明の第2の実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】本実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】本実施形態に係る出力情報の一例を示す表示画面例である。
【
図8】本実施形態に係る出力情報の他の一例を示す表示画面例である。
【
図9】本実施形態に係る出力情報の一例を示す表示画面例である。
【
図10】変形例に係る出力情報の他の一例を示す表示画面例である。
【
図11】本発明の第3の実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図12】本実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】本実施形態に係る出力情報の一例を示す表示画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について詳しく説明する。
【0015】
<情報処理システムの構成>
図1を参照して、本実施形態に係る情報処理システムSysについて説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システムSysの構成の一例を示す概略図である。情報処理システムSysは、情報処理装置1と、検査情報サーバ2と、補助金情報サーバ3と、健康記録情報サーバ4と、を含んで構成される。情報処理装置1と、検査情報サーバ2と、補助金情報サーバ3と、健康記録情報サーバ4とは、ネットワークを介して通信可能に相互接続される。
【0016】
検査情報サーバ2は、診療情報、病態把握に必要な各種検査記録、既往歴、医師の所見、診断、処方箋などの電子カルテの情報を病院内で管理するサーバ装置である。検査情報サーバ2は、例えば、EHR(Electronic Health Record、電子健康記録)、EMR(Electronic Medical Record、電子医療記録)などである。
【0017】
健康記録情報サーバ4は、健康記録情報を一元管理するサーバ装置である。健康記録情報は、患者ごとの各医療機関における診療記録や検査結果、投薬記録などである。換言すれば、健康記録情報サーバ4は、複数の病院の電子カルテの情報を患者ごとに管理する。健康記録情報サーバ4は、例えばPHR(Personal Healthcare record)である。
また、健康記録情報サーバ4は、健診等情報を管理するサーバ装置である。健診等情報は、医療機関の所在地、医療機関名、診療科、診療時間、専門医の資格の有する医師の在籍の有無、医療機関の電話番号などが対応付けられた情報である。
【0018】
なお、情報処理システムSysは、検査情報サーバ2を備えなくてもよい。この場合には、健康記録情報サーバ4が検査情報サーバ2の機能を備えればよい。また、情報処理システムSysは、健康記録情報サーバ4を備えなくてもよい。この場合には、検査情報サーバ2が健康記録情報サーバ4の機能を備えればよい。
以下の説明では、検査情報サーバ2と健康記録情報サーバ4とを特に区別しないときには、健康記録情報サーバ4が検査情報サーバ2の機能を備える場合について説明する。
なお、健康記録情報サーバ4が検査情報サーバ2の一部の機能を備えてもよいし、検査情報サーバ2が健康記録情報サーバ4の一部または全部の機能を備えてもよい。
【0019】
補助金情報サーバ3は、自治体や健康保険団体による検査、診断、治療などに対して助成される各種補助金などの情報を管理するサーバ装置である。
例えば、補助金情報サーバ3は、各自治体が運営するサーバ装置、各自治体が運営するサーバ装置から補助金情報を取得して管理するサーバ装置、各健康保険団体が運営するサーバ装置、各健康保険団体が運営するサーバ装置から補助金情報を取得して管理するサーバ装置などである。
【0020】
情報処理装置1は、例えば、PC(Personal Computer)、サーバ装置、スマートフォン、及びタブレット等の端末装置である。
情報処理装置1は、患者Pの遺伝子検査による脳動脈瘤関連遺伝子の検出結果を示す検査情報を取得する。脳動脈瘤関連遺伝子の検出は、脳動脈瘤関連遺伝子の変異の検出や遺伝子多型の検出などである。検査情報は、Single Nucleotide Polymorphism(SNP)の検出結果を示す情報であることが特に好ましい。なお、検査情報は、エピゲノム解析によるDNAのメチル化やヒストン修飾の検出結果を示す情報などであってもよい。 情報処理装置1は、健康記録情報を取得する。情報処理装置1は、検査または診断に対する補助金情報を取得する。情報処理装置1は、脳動脈瘤関連遺伝子が検出されたことに基づいて提示情報を取得する。情報処理装置1は、脳外科、放射線科または脳血管内治療の専門医資格を有する医師がいる近隣病院の情報を、健康記録情報に基づいて検索する。情報処理装置1は、提示情報と、近隣病院の情報と、補助金情報とを含む出力情報を出力する。
【0021】
ここで、遺伝子検査について説明する。脳動脈瘤などの脳血管疾患は、喫煙、食生活などの生活習慣などの様々な要因によって罹患すると言われている。その要因の一つとして、脳血管疾患の一部は、遺伝的性質があると言われている。例えば、脳動脈瘤の遺伝的性質は、脳動脈瘤関連遺伝子検査により特定される。脳動脈瘤関連遺伝子検査は、脳動脈瘤関連遺伝子の変異を検出する検査である。遺伝子の変異の検出とは、遺伝子の型を特定することである。脳動脈瘤関連遺伝子には、PLC1、ENDRA、SOX17、CBY2、CNNM2、STARD13、NPNT、RBBP8などがある。
【0022】
PLC1遺伝子は、不活性型のホスホリパーゼ様たんぱく質を産生する遺伝子である。PLC1遺伝子は、骨の形成に関与する遺伝子である。PLC1遺伝子は、PLC1遺伝子がAG型、GG型である場合に脳動脈瘤の遺伝的リスクが高い傾向にある。
【0023】
ENDRA遺伝子は、持続的な血管収縮に関与しているエンドセリンの受容体を産生する遺伝子である。ENDRA遺伝子は、ENDRA遺伝子がAC型、CC型である場合に脳動脈瘤の遺伝的リスクが高い傾向にある。
【0024】
SOX17遺伝子は、転写因子の一種を産生する遺伝子である。SOX17遺伝子は、胚発生の制御や細胞運命の決定に関与する遺伝子である。SOX17遺伝子は、SOX17遺伝子がAA型、AG型である場合に脳動脈瘤の遺伝的リスクが高い傾向にある。
【0025】
CBY2遺伝子は、cDNAライブラリを確認すると主に精巣に分布しているとされているが、脳でも少し見られると言われている。CBY2遺伝子の変異は、それぞれ脳血管内皮および平滑筋細胞の機能障害を惹起して脳動脈瘤の発生に寄与すると考えられている。
【0026】
CNNM2遺伝子は、マグネシウムの上皮輸送と腎臓再吸収に関与して細胞内のマグネシウム含量維持に重要な役割を担うタンパク質を産生する遺伝子である。CNNM2遺伝子は、CNNM2遺伝子がAG型、GG型である場合に脳動脈瘤の遺伝的リスクが高い傾向にある。
【0027】
STARD13遺伝子は、細胞骨格の再構築や細胞増殖、細胞運動性への関与が示唆されるタンパク質を産生する遺伝子である。STARD13遺伝子は、STARD13遺伝子がTT型、TC型の場合、脳動脈瘤の遺伝的リスクが高い傾向にある。
【0028】
NPNT遺伝子は、細胞外マトリクスのタンパク質ネフロネクチンをコードし、インテグリンα8/β1の機能的なリガンドで腎臓の発達に欠かせないほか、いくつかのインテグリンを結びつけて細胞接着などに関与するとされている。NPNTの異常は、血管内皮機能に影響し、正常な血管新生が阻害されることが報告されている。NPNT遺伝子のスプライスドナー部位の変異は、脳血管内皮および平滑筋細胞の機能障害を惹起して脳動脈瘤の発生に寄与すると考えられている。
【0029】
RBBP8遺伝子は、他のタンパク質と結合して転写制御などに関与しているタンパク質を産生する遺伝子である。RBBP8遺伝子は、RBBP8遺伝子がAC型CC型である場合に脳動脈瘤の遺伝的リスクが高い傾向にある。
【0030】
このように、脳動脈瘤関連遺伝子検査は、脳動脈瘤関連遺伝子の型を解析することにより脳動脈瘤の遺伝的リスクが高い傾向にあるか否かを検査する。
【0031】
このように、情報処理装置1は、動脈瘤関連遺伝子の検査結果を示す検査情報によって、動脈瘤の遺伝的リスクが高い傾向にある場合に、患者に対して精密検査を促すとともに、自治体や加入健康保険団体による補助金情報、検査可能な医療機関の情報を患者に提示する。
これにより、情報処理装置1は、検査費用、検査や診断に対する補助金の有無、補助金額などを把握するためには、患者が1つ1つ調べる手間を省くことができるため、ユーザの利便性を向上させることができ、脳血管疾患の早期検査を効率的に促すことができる。
【0032】
<情報処理装置の構成>
次いで、情報処理装置1の構成ついて説明する。
図2は、本実施形態に係る情報処理装置1の構成の一例を示すブロック図である。
情報処理装置1は、通信部110と、制御部120と、記憶部130と、出力部140と、を含んで構成される。
【0033】
<通信部110>
通信部110は、各種情報を送受信する機能を有する。通信部110は、有線通信あるいは無線通信のいずれの通信方式を用いてもよい。例えば、通信部110は、補助金情報サーバ3から補助金情報を受信する。また、通信部110は、健康記録情報サーバ4から健康記録情報及び健診等情報を受信する。通信部110は、受信した各種情報を制御部120へ出力する。また、通信部110は、制御部120から出力される各種情報を、補助金情報サーバ3、健康記録情報サーバ4に送信する。
【0034】
<記憶部130>
記憶部130は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部130は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
記憶部130は、提示情報を記憶する。提示情報は、脳血管造影(DSA)、CT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、MRA(Magnetic Resonance Angiography)の少なくともいずれかによる精密検査を患者に勧めるアラート画像である。
【0035】
<出力部140>
出力部140は、各種情報を出力する機能を有する。出力部140の機能は、例えば、情報処理装置1が有するディスプレイ等の表示装置によって実現される。出力部140は、制御部120から入力される情報を表示する。
なお、出力部140は、情報処理装置1以外の装置が備える出力部であってもよい。
【0036】
<制御部120>
制御部120は、情報処理装置1の動作全般を制御する機能を有する。当該機能は、例えば、情報処理装置1がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
【0037】
処理詳細に制御部120について説明する。
制御部120は、検査情報取得・判定部121と、健康記録情報取得部122と、補助金情報取得部123と、提示情報取得部124と、検索部125と、出力処理部126と、を含んで構成される。
【0038】
<検査情報取得・判定部121>
検査情報取得・判定部121は、検査情報を取得する。検査は、例えば、NIHSS(National Institutes of Healthcare Stroke Scale)、オンライン問診、脳血管疾患の関連遺伝子検査などである。脳血管疾患は、例えば脳動脈瘤である。検査情報取得・判定部121は、例えば、脳動脈瘤関連遺伝子検査によって、脳動脈瘤関連遺伝子の変異の検出結果を示す検査情報を、健康記録情報サーバ4から取得する。
検査情報取得・判定部121は、取得した検査情報を参照して、脳動脈瘤関連遺伝子の変異が検出されるか否かを判定する。
【0039】
なお、検査情報取得・判定部121は、患者が有するスマートフォンなどから検査情報を取得してもよい。例えば、検査情報取得・判定部121は、検査情報を確認可能なQRコード(登録商標)を読み取ることで、検査情報を取得してもよい。
【0040】
<健康記録情報取得部122>
健康記録情報取得部122は、健康記録情報を取得する。健康記録情報には、患者の氏名、住所、性別、生年月日、健康保険の情報、既往歴、医師の所見、各種検査結果を示す検査情報、診断、投薬履歴などの情報が含まれる。検査結果には、医用画像なども含まれる。医用画像は、例えば、DSA画像、CT画像、MRI画像、MRA画像などである。健康記録情報取得部122は、患者の患者IDに対応する健康記録情報を、健康記録情報サーバ4から取得する。
【0041】
<補助金情報取得部123>
補助金情報取得部123は、補助金情報を取得する。補助金情報は、検査、診断、治療に応じてあらかじめ自治体や、患者が加入する健康保険団体などによって予め設けられた補助金の情報である。補助金情報取得部123は、患者の健康記録情報含まれる健康保険
の情報を参照して、自治体の補助金情報または健康保険団体の補助金情報のいずれかを、補助金情報サーバ3から取得する。
【0042】
<提示情報取得部124>
提示情報取得部124は、提示情報を記憶部130から取得する。
【0043】
<検索部125>
検索部125は、健診等情報を健康記録情報サーバ4から取得する。検索部125は、健康記録情報を参照して、患者の居住地域内における脳外科、放射線科、脳卒中または脳血管内治療の専門医資格を有する医師が在籍する病院情報を検索する。検索部125は、検索結果を近隣病院の情報として、出力処理部126に出力する。
【0044】
<出力処理部126>
出力処理部126は、出力情報を生成する。出力情報には、提示情報と、近隣病院の情報と、補助金情報とが少なくとも含まれる。出力処理部126は、出力情報を表す出力画像を生成し、生成した出力画像を出力部に出力させる。
【0045】
<処理の流れ>
図3を参照して、本実施形態に係る情報処理システムSysにおける情報処理の流れについて説明する。
図3は、本実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS100において、検査情報取得・判定部121は、健康記録情報サーバ4から検査情報を取得する。
ステップS102において、検査情報取得・判定部121は、検査情報が脳動脈瘤関連遺伝子の変異が検出されるか否かを判定する。
【0046】
ステップS104において、検査情報が脳動脈瘤関連遺伝子の変異が検出される場合(ステップS104;YES)、検査情報取得・判定部121は、ステップS106の処理を実行する。一方、検査情報が脳動脈瘤関連遺伝子の変異が検出されない場合(ステップS104;NO)、検査情報取得・判定部121は、
図3に係る処理を終了する。
ステップS106において、健康記録情報取得部122は、健康記録情報を健康記録情報サーバ4から取得する。
【0047】
ステップS108において、補助金情報取得部123は、健康記録情報に基づいて、補助金情報を補助金情報サーバ3から取得する。
ステップS110において、提示情報取得部124は、提示情報を記憶部130から取得する。
ステップS112において、検索部125は、健診等情報を健康記録情報サーバ4から取得する。検索部125は、健診等情報と健康記録情報とに基づいて、近隣病院の情報を検索する。
【0048】
ステップS114において、出力処理部126は、提示情報と、近隣病院の情報と、補助金情報とを含む出力情報を生成する。
ステップS116において、出力処理部126は、生成した出力情報を、出力部に出力させる。
【0049】
<表示画面例>
次いで、表示画面例について説明する。
図4は、本実施形態に係る出力情報の一例を示す表示画面例である。図示する例は、情報処理装置1の出力処理部126が生成した出力情報を表す出力画像を、出力部140として他の端末装置(例えば、タブレット端末など)の表示部に表示させた場合の一例である。なお、出力部140が出力画像を表示してもよい。
【0050】
出力画像には、患者氏名「○○□□さん」、患者を識別する識別情報「ID:123456」が表示される。患者を識別する識別情報は、患者の健康記録情報に紐づく識別情報である。
また、出力画像には、検査情報取得・判定部121によって取得された検査情報に基づいて、脳動脈瘤関連遺伝子の変異が検出されたことに基づく提示情報が表示される。図示する例において、提示情報は、「遺伝子検査結果」「遺伝子検査の結果、脳動脈瘤関連遺伝子の変異が検出されました。詳しい検査をおすすめします。」のような、詳しい検査を進めるアラート画像として表示される。本実施形態における「詳しい検査」は、DSA、CT、MRI、MRAの少なくともいずれかによる検査である。
【0051】
また、出力画像には、近隣病院の情報が含まれる。近隣病院の情報は、患者「○〇□□」の健康記録情報と、健診等情報とに基づいて検索部125によって検索された検索結果である。図示する例において、近隣病院の情報は、「病院情報」「○〇□□さんのご自宅の近隣で精密検査が可能な病院は、以下の通りです。」「XXXX総合病院 電話番号03-1234-5678」「△△区立AA病院 電話番号03-23435-6789」「BBBBクリニック 電話番号03-3456-7890」「CCCC総合健診センター 電話番号03-4567-8901」のように表示される。
【0052】
近隣病院の情報は、健康記録情報に基づく患者の住所により、当該住所から所定範囲内の病院が近隣病院として検索される。近隣病院の情報には、近隣病院の病院名の他に、当該病院の電話番号などが含まれる。ここで、本実施形態では脳動脈瘤関連遺伝子検査による脳血管疾患を対象としているため、検索対象となる病院は、脳外科、放射線科、脳卒中または脳血管内治療の専門医資格を有する医師が在籍する病院として設定される。当該設定は、検査の種類などに応じて情報処理装置1が設定してもよいし、医師や患者などが予め検索対象を設定してもよい。
【0053】
また、出力画像には、補助金情報が含まれる。図示する例において、患者「○○□□」は国民健康保険に加入していると仮定する。この場合、補助金情報は、患者「○○□□」の居住地「△△区」の検査受診に対する「補助金情報」「お住いの△△区が協定した△△区内の医療機関で、精密検査を受診する場合、1人につき年度内(4月~翌年3月)で1回(2万円)の補助が受けられます。」のように表示され、自治体による補助金の額や、補助金の支給条件などの情報を含んで表示される。
【0054】
なお、出力画像には、補助金情報に代えて、または加えて概算検査料の情報が含まれてもよい。
図示する例において、概算検査料の情報は、「概算検査料」「検査料は協定医療機関により異なりますが、概ね4~5万円です。補助金を使用すると会計時に2万円が差し引かれます」のように表示される。概算検査料の情報は、各医療機関の平均検査料と検査補助金情報とに基づいて算出される。
【0055】
このように、第1の実施形態に係る情報処理装置1は、ユーザの遺伝子検査による脳動脈瘤関連遺伝子の検出結果を示す検査情報を取得する検査情報取得部(検査情報取得・判定部121)と、健康記録情報を取得する健康記録情報取得部122と、検査または診断に対する補助金情報を取得する補助金情報取得部123と、脳動脈瘤関連遺伝子が検出されたことに基づいて提示情報を取得する提示情報取得部124と、脳外科、放射線科または脳血管内治療の専門医資格を有する医師がいる近隣病院の情報を、健康記録情報に基づいて検索する検索部125と、提示情報と、近隣病院の情報と、補助金情報とを含む出力情報を出力する出力部140と、を備える。
【0056】
これにより、情報処理装置1は、患者が1つ1つ調べなくても検査費用や検査や診断に対する補助金の有無や補助金額などを把握することができる。そのため、ユーザの利便性を向上させることができる。ためには、手間を省くことができるため、患者の利便性を向上させることができる。また、精密検査が可能な患者の居住地の近隣病院の情報を確認することができるため、脳血管疾患の早期検査を効率的に促すことができる。
【0057】
<第2の実施形態>
次いで、本発明の第2の実施形態について説明する。
なお、以下の説明では、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。また、以下の説明において、第1の実施形態と同様の構成である場合には、同一の参照符号を付してその説明を省略することがある。
【0058】
第2の実施形態では、患者によるスケジュールアプリケーションへのアクセス許可によって精密検査予約を行う場合の一例について説明する。
【0059】
<情報処理装置1>
図5は、第2の実施形態に係る情報処理装置1の構成の一例を示すブロック図である。
情報処理装置1は、通信部110と、制御部120と、記憶部130と、出力部140と、を含んで構成される。制御部120は、検査情報取得・判定部121と、健康記録情報取得部122と、補助金情報取得部123と、提示情報取得部124と、検索部125と、出力処理部126と、スケジュール情報取得部127と、予約部128と、を含んで構成される。
【0060】
<スケジュール情報取得部127>
スケジュール情報取得部127は、患者の許諾に基づいてスケジュールアプリケーションからスケジュールを取得する。スケジュール情報取得部127は、患者のスケジュールアプリケーションへのアクセス許可に基づいてスケジュールアプリケーションからスケジュールを取得する。スケジュール情報取得部127は、取得したスケジュール情報を予約部128に出力する。
【0061】
<予約部128>
予約部128は、スケジュール情報と、病院選択情報と、種別選択情報と、予約可否情報と、日時選択情報と、に基づいて検査予約を確立する。病院選択情報は、検索部125により検索された近隣病院のいずれかを示す情報である。病院選択情報は、近隣病院の情報として患者に提示した病院の中から患者等によって選択された病院を示す情報である。種別選択情報は、DSA、CT、MRI、MRAのいずれによる精密検査であるかを示す情報である。種別情報は、医師等によって選択された検査種別を示す情報である。混雑情報は、検査予約の混雑状況を示す情報である。予約可否情報は、検査予約が可能な日時、すなわち、検査予約が入っていない1または複数の日時の候補を示す情報である。日時選択情報は、予約可否情報で示される1または複数の日時の候補の中から選択された日時を示す情報である。
【0062】
予約部128は、スケジュール情報のうち、スケジュールが入っていない日時を抽出する。予約部128は、病院選択情報によって示される病院における、種別選択情報で示される検査手段の予約可否情報を、健康記録情報サーバ4から取得する。予約部128は、抽出したスケジュールが入っていない日時と、予約可否情報で示される検査予約が可能な日時とが一致する日時を、候補日時として抽出する。予約部128は、抽出した候補日時の中から患者等によって選択された日時を示す日時選択情報に基づいて、検査予約を確立する。
【0063】
<出力処理部126>
出力処理部126は、出力情報を生成する。出力情報には、提示情報と、近隣病院の情報と、補助金情報とが少なくとも含まれる。出力処理部126は、出力情報を表す出力画像を生成し、生成した出力画像を出力部に出力させる。出力処理部126は、スケジュールアプリケーションへのアクセス許可または拒否を選択可能に、出力画像を生成する。出力処理部126は、近隣病院の情報に含まれる病院を選択可能に、出力画像を生成する。出力処理部126は、DSA、CT、MRI、MRAの中から選択可能に、出力画像を生成する。出力処理部126は、精密検査の予約候補日時を1または複数の日時の候補の中から選択可能に、出力画像を生成する。出力処理部126は、検査予約が成立したことを示す出力画像を生成する。
【0064】
<入力部(非図示)>
入力部は、キーボード、マウス、タッチパネルなどの入力装置である。入力部は、医師、患者などにからの各種入力操作を受け付け、操作に応じた信号を制御部120に出力する。
【0065】
<処理の流れ>
次いで、情報処理システムSysの情報処理について説明する。
図6は、本実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS200において、検査情報取得・判定部121は、健康記録情報サーバ4から検査情報を取得する。
ステップS202において、検査情報取得・判定部121は、検査情報が脳動脈瘤関連遺伝子の変異が検出されるか否かを判定する。
【0066】
ステップS204において、検査情報が脳動脈瘤関連遺伝子の変異が検出される場合(ステップS204;YES)、検査情報取得・判定部121は、ステップS206の処理を実行する。一方、検査情報が脳動脈瘤関連遺伝子の変異が検出されない場合(ステップS204;NO)、検査情報取得・判定部121は、
図6に係る処理を終了する。
ステップS206において、健康記録情報取得部122は、健康記録情報を健康記録情報サーバ4から取得する。
【0067】
ステップS208において、補助金情報取得部123は、健康記録情報に基づいて、補助金情報を補助金情報サーバ3から取得する。
ステップS210において、提示情報取得部124は、提示情報を記憶部130から取得する。
【0068】
ステップS212において、検索部125は、健診等情報を健康記録情報サーバ4から取得する。検索部125は、健診等情報と健康記録情報とに基づいて、近隣病院の情報を検索する。
出力処理部126は、提示情報と、近隣病院の情報と、補助金情報とを含む出力画像を生成する。出力処理部126は、近隣病院の情報に含まれる病院の中から病院を選択可能に、出力画像を生成する。
入力部は、操作を受け付けると、当該操作に応じた信号を制御部120に出力する。
【0069】
ステップS214において、出力処理部126は、スケジュールアプリケーションへのアクセス許可または拒否を選択可能に、出力画像を生成する。
スケジュール情報取得部127は、患者のスケジュールアプリケーションへのアクセス許可に基づいてスケジュールアプリケーションからスケジュールを取得する。なお、スケジュール情報取得部127は、患者からのアクセス許可が得られない場合、すなわちアクセス拒否された場合、スケジュールアプリケーションからスケジュール情報を取得せずに
図6に係る処理を終了する。
【0070】
ステップS216において、予約部128は、スケジュール情報のうち、スケジュールが入っていない日時を抽出する。また、予約部128は、選択された病院における、選択された検査手段の予約可否情報を、健康記録情報サーバ4から取得する。予約部128は、抽出したスケジュールが入っていない日時と、予約可否情報で示される検査予約が可能な日時とが一致する日時を、候補日時として抽出する。予約部128は、候補日時の中から患者等によって選択された日時を示す日時選択情報に基づいて、検査予約を確立する。
出力処理部126は、精密検査の予約候補日時を1または複数の日時の候補の中から選択可能に、出力画像を生成する。
【0071】
ステップS218において、出力処理部126は、検査予約が完了したことを示す出力画像を生成する。
ステップS220において、出力処理部126は、生成した出力情報を、出力部に出力させる。
【0072】
<表示画面例>
次いで、表示画面例について説明する。
図7は、本実施形態に係る出力情報の一例を示す表示画面例である。図示する例は、情報処理装置1の出力処理部126が生成した出力情報を表す出力画像を、出力部140として他の端末装置(例えば、タブレット端末など)の表示部に表示させた場合の一例である。なお、出力部140が出力画像を表示してもよい。
【0073】
出力画像には、近隣病院の情報が含まれる。近隣病院の情報は、患者「○〇□□」の健康記録情報と、健診等情報とに基づいて検索部125によって検索された検索結果である。図示する例において、近隣病院の情報は、「病院情報」「○〇□□さんのご自宅の近隣で精密検査が可能な病院は、以下の通りです。」「XXXX総合病院 電話番号03-1234-5678」「△△区立AA病院 電話番号03-23435-6789」「BBBBクリニック 電話番号03-3456-7890」「CCCC総合健診センター 電話番号03-4567-8901」のように表示される。また、出力画像には、近隣病院の情報に含まれる「XXXX総合病院」、「△△区立AA病院」、「BBBBクリニック」、「CCCC総合健診センター」等の病院などの各医療機関の中からいずれかの病院を選択可能にチェックボックスが表示される。患者等による当該チェックボックスに対する操作を受け付けたことにより、表示画面が遷移する。
【0074】
なお、遷移後の表示画面例(非図示)では、例えば、DSA、CT、MRI、MRA等の複数の検査手段の中からいずれかを選択可能に、チェックボックスとそれに対応する検査手段とがポップアップウインドウに表示される。ポップアップウインドウ内のチェックボックスに対する操作を受け付けると、チェックボックスに対応する検査手段が選択される。検査手段が選択されたことにより、表示画面が遷移する。
【0075】
<表示画面例>
図8は、本実施形態に係る出力情報の他の一例を示す表示画面例である。
当該表示画面例は、検査手段が選択された後に表示される表示画面例である。
図示する例は、患者に対して、スケジュールアプリケーションへのアクセス許諾を求めるポップアップウインドウが表示された場合の一例である。
当該ポップアップウインドウには、「検査予約を行います。」「スケジュールアプリへのアクセスを許可しますか?」のように、スケジュールアプリケーションへのアクセス許諾を求める表示と、当該表示に対する操作子として「許可」、「拒否」が表示される。図示する例では、「許可」または「拒否」のいずれかに対する操作を受け付ける。本実施形態では、「拒否」が選択された場合、スケジュールの取得を行わずに検査予約を終了する。一方、「許可」が選択された場合、スケジュール情報取得部127は、スケジュールアプリケーションからスケジュール情報を取得する。そして、表示画面が遷移する。
【0076】
<表示画面例>
図9は、本実施形態に係る出力情報の他の一例を示す表示画面例である。
当該表示画面例は、
図8に示す表示画面例において、スケジュールアプリケーションへのアクセスが許可された場合に表示される。
当該表示画面例は、
図7において選択された病院が「選択した病院」「CCCC総合健診センター」であり、検査手段として「MRI」が選択された場合に表示される。
出力画像には、「検査予約可能日時」として、候補日時が表示される。
当該候補日時は、スケジュールアプリケーションから取得したスケジュール情報のうち、スケジュールが入っていない日時、かつ、CCCC総合健診センターのMRI検査の予約可否情報で示される検査予約が可能な日時である。図示する例では、候補日時として「3月4日 13:00」、「3月4日 13:00」、「3月7日 12:00」、「3月7日 15:30」、「3月9日 15:30」、「3月9日 16:00」、「3月14日 10:00」、3月14日 12:00」、3月14日 12:30」、3月14日 13:00」、3月15日 10:00」のように、複数の候補日時が、対応するチェックボックスによって選択可能に表示される。また、図示する例では、候補日時の再抽出を指示する操作子としての「他候補日」、チェックボックスによって選択された候補日時で検査予約を確立するための操作子としての「確定」、検査予約処理の中止を指示する操作子としての「キャンセル」の各操作ボタンが表示される。
図示する例において、候補日時の中から「3月9日 15:30」を選択し、「確定」操作を行うことにより、ポップアップウインドウ(非図示)が表示され、検査予約が成立したことを通知する。
【0077】
このように、第2の実施形態に係る情報処理装置1は、ユーザの遺伝子検査による脳動脈瘤関連遺伝子の検出結果を示す検査情報を取得する検査情報取得部(検査情報取得・判定部121)と、健康記録情報を取得する健康記録情報取得部122と、検査または診断に対する補助金情報を取得する補助金情報取得部123と、脳動脈瘤関連遺伝子が検出されたことに基づいて提示情報を取得する提示情報取得部124と、脳外科、放射線科または脳血管内治療の専門医資格を有する医師がいる近隣病院の情報を、健康記録情報に基づいて検索する検索部125と、提示情報と、近隣病院の情報と、補助金情報とを含む出力情報を出力する出力部140と、を備える。
【0078】
これにより、情報処理装置1は、患者が1つ1つ調べなくても検査費用や検査や診断に対する補助金の有無や補助金額などを把握することができる。そのため、ユーザの利便性を向上させることができる。ためには、手間を省くことができるため、患者の利便性を向上させることができる。また、精密検査が可能な患者の居住地の近隣病院の情報を確認することができるため、脳血管疾患の早期検査を効率的に促すことができる。
【0079】
補助金情報は、ユーザが加入している保険団体の補助金の情報または自治体による補助金の情報である。
このようにすることで、国民健康保険に加入している場合、および国民健康保険以外の保険団体に加入している場合のいずれであっても補助金情報を出力することができる。
【0080】
提示情報は、MRI、MRA、CT、DSAのうちのいずれか1つ以上による精密検査を推奨する情報である。
このようにすることで、脳動脈瘤に適した精密検査を推奨することができる。
【0081】
提示情報は、精密検査の予約状況を示す情報である。
このようにすることで、精密検査の予約を効率的に行うことができる。
【0082】
スケジュールアプリケーションからユーザのスケジュールを取得し、検査または診察を予約可能な候補日を抽出する予約部128をさらに備え、提示情報は、検査または診察の混雑状況を示す情報である。
このようにすることで、ユーザの空き時間に検査可能な日時を提示することができるため、利便性を向上させることができる。また、予定を調整することなく検査予約が行えるため、検査受信を効率的に促すことができる。
【0083】
<変形例>
なお、予約部128は、健康記録情報と健診等情報とに基づいて、選択した病院までのルート検索を行い、例えば予約成立時にルート案内を表示してもよい。また、予約部128は、健康記録情報と健診等情報とに基づいて、選択した病院までの経路検索を行い、鉄道やバスを使用した自宅から選択した病院までのアクセス手段を表示してもよい。ルート案内やアクセス手段は、文字、画像、地図等でのいずれであってもよい。
【0084】
図10は、変形例係る出力情報の他の一例を示す表示画面例である。
図示する例は、選択した病院「CCCC総合健診センター」において「3月9日 15:30」にMRI検査の予約が完了したときに表示される。
図示する例では、「自宅」から「CCCC総合健診センター」までの「アクセス」として、「自宅」から「CCCC総合健診センター」までの鉄道乗り換え案内及び「CCCC総合健診センター」の最寄り駅から「CCCC総合健診センター」までの地図が表示される。
また、「自宅」から「CCCC総合健診センター」までの移動にかかる所要時間が「約30分」であることが表示される。
【0085】
このようにすることで、病院までの移動時間と移動経路とを、検査予約とともに確認するとことができるため、患者の利便性を向上させることができる。
【0086】
なお、予約部128は、「自宅」から選択した病院「CCCC総合健診センター」までの移動に要する所要時間と、検査に要する時間とを考慮して、スケジュール情報の中からスケジュールが入っていない日時を抽出してもよい。
【0087】
このようにすることで、精密検査及びそのための移動にかかる時間を考慮してスケジュール調整することができるため、検査を効率的に促すことができる。
【0088】
<変形例>
健康記録情報は、患者の健康記録情報に代えて、または加えて患者の家族の健康記録情報を参照してもよい。例えば、家族の健康記録情報のうち、患者の家族に脳動静脈奇形、脳静脈瘻などの血管奇形、てんかん、モヤモヤ病、脳梗塞、高血圧などの既往歴があるか否かを参照してもよい。この場合、脳動脈瘤関連遺伝子の変異が検出された場合、及び/または家族の健康記録情報に上記既往歴がある場合に精密検査を促すようにしてもよい。
また、患者の家族の薬物情報を参照して既往歴を推移し、推定した既往歴が上述の既往歴に該当する場合に精密検査を促すようにしてもよい。ここで、薬物情報は、服薬履歴、投薬履歴、お薬手帳、処方箋などの患者の薬に関する情報である。
【0089】
このようにすることで、脳血管疾患の遺伝的リスクが高い患者に早期検査を促すことができる。
【0090】
<変形例>
また、脳動脈瘤関連遺伝検査に代えて、または加えて患者の健康記録情報に喫煙歴、高血圧症、高脂血症、糖尿病などの既往歴がある場合に精密検査を促すようにしてもよい。また、例えば、頭痛、吐気・嘔吐、目の違和感、瞼下垂、知覚低下、麻痺、痙攣、意識消失などの症状が患者の健康記録情報に含まれる場合に、精密検査を促すようにしてもよい。
【0091】
このようにすることで、脳血管疾患のリスクが高い患者、または脳血管疾患の症状を有する患者に対して早期検査を促すことができる。
【0092】
<変形例>
また、患者の健康記録情報に含まれる住所に代えて、または加えて、患者が有する端末装置の位置情報を用いてもよい。
【0093】
このようにすることで、患者の現在位置に応じた近隣病院や、精密検査を受ける病院までの移動経路を提供することができる。
【0094】
このように、変形例に係る情報処理装置1は、ユーザの遺伝子検査による脳動脈瘤関連遺伝子の検出結果を示す検査情報を取得する検査情報取得部(検査情報取得・判定部121)と、健康記録情報を取得する健康記録情報取得部122と、検査または診断に対する補助金情報を取得する補助金情報取得部123と、脳動脈瘤関連遺伝子が検出されたことに基づいて提示情報を取得する提示情報取得部124と、脳外科、放射線科または脳血管内治療の専門医資格を有する医師がいる近隣病院の情報を、健康記録情報に基づいて検索する検索部125と、提示情報と、近隣病院の情報と、補助金情報とを含む出力情報を出力する出力部140と、を備える。
【0095】
これにより、情報処理装置1は、患者が1つ1つ調べなくても検査費用や検査や診断に対する補助金の有無や補助金額などを把握することができる。そのため、ユーザの利便性を向上させることができる。ためには、手間を省くことができるため、患者の利便性を向上させることができる。また、精密検査が可能な患者の居住地の近隣病院の情報を確認することができるため、脳血管疾患の早期検査を効率的に促すことができる。
【0096】
また、健康記録情報は、ユーザの家族の健康記録情報である。
【0097】
このようにすることで、脳血管疾患の遺伝的リスクが高い患者に早期検査を促すことができる。
【0098】
また、出力情報は、検査または診断に要する費用情報と、精密検査の有無のそれぞれにおける実負担金額情報とをさらに含む。
【0099】
このようにすることで、補助金が適用された後の検査費用を事前に知らせることができる。また、精密検査にどれくらいの費用が掛かるのかを認識することができる。
【0100】
脳動脈瘤関連遺伝子は、PLCL1、ENDRA、SOX17、CBY2、CNNM2、STARD13、NPT、RBBP8のうち何れかである。
【0101】
このようにすることで、脳動脈瘤関連遺伝子の変異や遺伝子多型を検出することにより、遺伝的リスクの高い患者に早期健診を促すことができる。
【0102】
検索部125は、ユーザの健康記録情報及びユーザの現在位置情報に基づいて近隣病院の情報を検索する。
【0103】
このようにすることで、患者の現在位置の近隣病院を提示することができる。
【0104】
また、予約部128は、近隣病院までの移動に基づく移動時間を考慮して前記候補日を抽出する。
【0105】
このようにすることで、スケジュールを調整することなく検査予約をすることができる。
【0106】
<第3の実施形態>
次いで、本発明の第3の実施形態について説明する。
なお、以下の説明では、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。また、以下の説明において、第1の実施形態と同様の構成である場合には、同一の参照符号を付してその説明を省略することがある。
【0107】
第3の実施形態では、患者が加入する任意保険の保険金額を提示する場合の一例について説明する。
【0108】
<情報処理装置1>
図11は、第3の実施形態に係る情報処理装置1の構成の一例を示すブロック図である。
情報処理装置1は、通信部110と、制御部120と、記憶部130と、出力部140と、を含んで構成される。制御部120は、検査情報取得・判定部121と、健康記録情報取得部122と、補助金情報取得部123と、提示情報取得部124と、検索部125と、出力処理部126と、収支情報取得部129と、を含んで構成される。
【0109】
<収支情報取得部129>
収支情報取得部129は、患者が加入する任意保険の情報を、健康記録情報サーバ4から取得する。任意保険は、例えば生命保険である。収支情報取得部129は、患者が検査または診断により受け取ることができる保険金の情報を取得する。
収支情報取得部129は、診断により治療が必要となった場合の平均入院期間の情報、平均治療費の情報を、健康記録情報サーバ4から取得する。
収支情報取得部129は、患者の現在の年収情報、加入する年金の種別の情報を、健康記録情報サーバ4から取得する。収支情報取得部129は、年収情報、年金種別情報に基づいて、傷病手当、就労不能な平均期間、就労不能期間に受け取れるはずだった収入などの社会的損失費用を算出する。
【0110】
<健康記録情報取得部122>
健康記録情報取得部122は、患者の健康記録情報に基づいて、患者の居住する地域住民の健康記録情報を健康記録情報サーバ4から取得する。ここで、地域住民の健康記録情報は、例えばk-匿名化モデルによって匿名化されたデータである。健康記録情報取得部122は、取得した匿名化されたデータから、地域住民の検査または診察の受診率を算出する。
<処理の流れ>
次いで、情報処理システムSysの情報処理について説明する。
図12は、本実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS300において、検査情報取得・判定部121は、健康記録情報サーバ4から検査情報を取得する。
ステップS302において、検査情報取得・判定部121は、検査情報が脳動脈瘤関連遺伝子の変異が検出されるか否かを判定する。
【0111】
ステップS304において、検査情報が脳動脈瘤関連遺伝子の変異が検出される場合(ステップS304;YES)、検査情報取得・判定部121は、ステップS306の処理を実行する。一方、検査情報が脳動脈瘤関連遺伝子の変異が検出されない場合(ステップS304;NO)、検査情報取得・判定部121は、
図12に係る処理を終了する。
ステップS306において、健康記録情報取得部122は、健康記録情報を健康記録情報サーバ4から取得する。
【0112】
ステップS308において、補助金情報取得部123は、健康記録情報に基づいて、補助金情報を補助金情報サーバ3から取得する。
ステップS310において、提示情報取得部124は、提示情報を記憶部130から取得する。なお、当該提示情報には、健康記録情報取得部122が、匿名化されたデータから算出した地域住民の検査または診察の受診率が含まれる。
【0113】
ステップS312において、検索部125は、健診等情報を健康記録情報サーバ4から取得する。検索部125は、健診等情報と健康記録情報とに基づいて、近隣病院の情報を検索する。
出力処理部126は、提示情報と、近隣病院の情報と、補助金情報とを含む出力画像を生成する。
【0114】
ステップS314において、収支情報取得部129は、患者が加入する任意保険の情報を、健康記録情報サーバ4から取得する。
ステップS316において、収支情報取得部129は、患者の年収情報、年金情報、任意保険の情報に基づいて、保険金収入、社会的損失費用を含む予測収支を算出する。
【0115】
ステップS318において、出力処理部126は、予測収支を示す出力画像を生成する。
ステップS320において、出力処理部126は、生成した出力情報を、出力部に出力させる。
【0116】
<表示画面例>
次いで、表示画面例について説明する。
図13は、本実施形態に係る出力情報の一例を示す表示画面例である。図示する例は、情報処理装置1の出力処理部126が生成した出力情報を表す出力画像を、出力部140として他の端末装置(例えば、タブレット端末など)の表示部に表示させた場合の一例である。なお、出力部140が出力画像を表示してもよい。
【0117】
図示する例では、任意保険の情報に基づく、検査や診断により生命保険会社から支払われる保険金の情報が含まれる。
表示画面例では、「生命保険の給付金」「○○□□さんが加入する生命保険では、保険金XXX万円が受け取れる見込みです。」のように、検査や診断時に受け取れる金額が表示される。
図示する例では、入院費用の概算の情報が含まれる。
表示画面例では、「入院費用」「入院期間は、平均XXか月です。入院治療費は、平均XXX万円程度です。治療方法によって金額は大きく異なります。」のように、平均入院期間、平均入院治療費の情報が表示される。
図示する例では、現在の年収情報及び年金情報に基づいて算出される社会的損失費用が含まれる。
表示画面例では、「就労」「傷病手当は、約XX万円支給される見込みです。就労不能な期間は、約XXか月で、その間に受け取れたはずの所得は約XXX万円程度です。罹患者のうちXX%に後遺障害を有します。再就労時には就労制限が必要になる場合があります。精密検査を受けることを推奨します。」のように、社会的損失費用が提示される。
【0118】
このように、第3の実施形態に係る情報処理装置1は、ユーザの遺伝子検査による脳動脈瘤関連遺伝子の検出結果を示す検査情報を取得する検査情報取得部(検査情報取得・判定部121)と、健康記録情報を取得する健康記録情報取得部122と、検査または診断に対する補助金情報を取得する補助金情報取得部123と、脳動脈瘤関連遺伝子が検出されたことに基づいて提示情報を取得する提示情報取得部124と、脳外科、放射線科または脳血管内治療の専門医資格を有する医師がいる近隣病院の情報を、健康記録情報に基づいて検索する検索部125と、提示情報と、近隣病院の情報と、補助金情報とを含む出力情報を出力する出力部140と、を備える。
【0119】
これにより、情報処理装置1は、患者が1つ1つ調べなくても検査費用や検査や診断に対する補助金の有無や補助金額などを把握することができる。そのため、ユーザの利便性を向上させることができる。ためには、手間を省くことができるため、患者の利便性を向上させることができる。また、精密検査が可能な患者の居住地の近隣病院の情報を確認することができるため、脳血管疾患の早期検査を効率的に促すことができる。
【0120】
また、提示情報は、k-匿名化モデルによって匿名化されたデータからなる、ユーザの居住する地域住民の検査または診察の受診率である。
【0121】
このようにすることで、近隣住民の受診率を提示することで仲間意識や集団心理を刺激することができ、受診率を向上させることができる。
【0122】
検査または診断の結果に基づいて、動脈瘤が発見された場合に支払われる任意保険の保険金情報を提示する。
【0123】
このようにすることで、資金計画など、将来に対する備えを確認することができる。
【0124】
出力部は、動脈瘤が破裂した場合の入院費用と、現在の年収情報と、加入する年金種別と、から動脈瘤が破裂した後の社会的損失費用を出力する。
【0125】
このようにすることで、発症時の社会的損失費用を認識させることができるため、早期検査を促すことができる。
【0126】
なお、上述した各実施形態や各変形例の1つまたは複数、上述した各実施形態や各変形例の一部または全部を組み合わせて本発明の一態様を実現するようにしてもよい。
【0127】
なお、本発明の一態様における情報処理システムSys、情報処理装置1で動作するプログラムは、本発明の一態様に関わる上記の各実施形態や変形例で示した機能を実現するように、1つ、または複数の、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)であっても良い。そして、これらの各装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAM(Random Access Memory)に蓄積され、その後、フラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)等の各種ストレージに格納され、必要に応じてCPU等によって読み出し、修正・書き込みが行われても良い。
【0128】
なお、上述した各実施形態や変形例における情報処理システムSys、情報処理装置1の一部又は全部を1つ、または複数のプロセッサを備えたコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。
【0129】
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、情報処理システムSys、情報処理装置1に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0130】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0131】
また、上述した各実施形態や変形例における情報処理システムSys、情報処理装置1の一部、又は全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよいし、チップセットとして実現してもよい。また、上述した各実施形態や変形例における情報処理システムSys、情報処理装置1の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、又は全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法は、LSIに限らず専用回路、および/または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0132】
以上、この発明の一態様として各実施形態や変形例に関して図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は各実施形態や変形例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明の一態様は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態や変形例に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。
【符号の説明】
【0133】
Sys 情報処理システム
1 情報処理装置
110 通信部
120 制御部
121 検査情報取得・判定部
122 健康記録情報取得部
123 補助金情報取得部
124 提示情報取得部
125 検索部
126 出力処理部
127 スケジュール情報取得部
128 予約部
129 収支情報取得部
130 記憶部
140 出力部
2 検査情報サーバ
3 補助金情報サーバ
4 健康記録情報サーバ