(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018371
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】セントル設置状況確認システム
(51)【国際特許分類】
E21D 11/10 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
E21D11/10 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121674
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000158725
【氏名又は名称】岐阜工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 有
(72)【発明者】
【氏名】井手 康夫
(72)【発明者】
【氏名】平野 定雄
(72)【発明者】
【氏名】矢野 雅敬
(72)【発明者】
【氏名】小谷 拓也
【テーマコード(参考)】
2D155
【Fターム(参考)】
2D155DA07
2D155DA08
2D155GB00
2D155KA00
2D155LA13
(57)【要約】
【課題】セントルの設置状況を容易に確認することができるセントル設置状況確認システムを提供する。
【解決手段】トンネル12の内壁面14に施工される覆工コンクリート16を打設する際の移動式型枠として用いられるセントル18の設置状況を確認するためのシステム10であって、セントル18に設けられ、セントル18の水平に対する傾きを計測する傾斜計測手段20と、セントル18の断面形状の変化を検出する形状変化検出手段22と、傾斜計測手段20で計測した値が許容範囲内か否かを判定するとともに、形状変化検出手段22で検出した値が許容範囲内か否かを判定する判定手段24と、判定手段24による判定結果に応じた情報を、セントル18の設置状況として報知する報知手段26とを備えるようにする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネルの内壁面に施工される覆工コンクリートを打設する際の移動式型枠として用いられるセントルの設置状況を確認するためのシステムであって、
前記セントルに設けられ、前記セントルの水平に対する傾きを計測する傾斜計測手段と、
前記セントルに設けられ、前記セントルの断面形状の変化を検出する形状変化検出手段と、
前記傾斜計測手段で計測した値が許容範囲内か否かを判定するとともに、前記形状変化検出手段で検出した値が許容範囲内か否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に応じた情報を、前記セントルの設置状況として報知する報知手段とを備えることを特徴とするセントル設置状況確認システム。
【請求項2】
前記セントルは、関節部を介して周方向に連結した少なくとも二つのフォームを有し、前記形状変化検出手段は、前記二つのフォームの間の相対変位を検出することを特徴とする請求項1に記載のセントル設置状況確認システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、山岳トンネル工事などにおいて使用される覆工コンクリート打設用セントルの設置状況を確認するのに好適なセントル設置状況確認システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、掘削したトンネルの内壁面に覆工コンクリートを打設する際に、門型構に取り付けられている移動式のセントル(鋼製型枠)をトンネルの内壁面に対向する位置にセット(設置)している。このセット作業では、作業員が水管式傾斜計とトータルステーションを用いた測量を行って、セントルの前後方向の向きと前後左右方向の傾きとを取得し、これらを基に、セントルを適切な位置にセットしていた。しかし、トータルステーション等を用いた測量結果に合わせてセットするため、測量値の読み間違いや、取り違えが発生すると、セントル側部の設置位置を誤り、コンクリートの打設範囲を誤るおそれがあった。また、測量を行うため、作業員の負担が大きいという問題があった。
【0003】
このような問題に対処するために、セントルの位置計測と調整を自動化した従来技術として、例えば特許文献1に記載の方法が知られている。この方法は、セントルの幅方向および前後方向の傾きを横傾斜計および前後傾斜計でそれぞれ計測し、この計測データに基づいて昇降用電動ジャッキと電動横送り装置を操作することにより、セントルの前後左右方向の傾きと位置を調整した後、セントルを上昇させて所定の位置にセットするというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記の従来の特許文献1の方法では、調整後のセントルの傾きや設置位置が適切かどうかを確認することはできない。また、セントルの断面形状の変化を考慮していないため、調整時やコンクリート打設時などにセントルの断面形状が変化すると、セントル側部の設置位置が不適切になる可能性がある。セントルの設置位置が不適切な状態でコンクリートを打設すると、施工不具合を招くおそれがある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、セントルの設置状況を容易に確認することができるセントル設置状況確認システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るセントル設置状況確認システムは、トンネルの内壁面に施工される覆工コンクリートを打設する際の移動式型枠として用いられるセントルの設置状況を確認するためのシステムであって、前記セントルに設けられ、前記セントルの水平に対する傾きを計測する傾斜計測手段と、前記セントルに設けられ、前記セントルの断面形状の変化を検出する形状変化検出手段と、前記傾斜計測手段で計測した値が許容範囲内か否かを判定するとともに、前記形状変化検出手段で検出した値が許容範囲内か否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果に応じた情報を、前記セントルの設置状況として報知する報知手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る他のセントル設置状況確認システムは、上述した発明において、前記セントルは、関節部を介して周方向に連結した少なくとも二つのフォームを有し、前記形状変化検出手段は、前記二つのフォームの間の相対変位を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るセントル設置状況確認システムによれば、トンネルの内壁面に施工される覆工コンクリートを打設する際の移動式型枠として用いられるセントルの設置状況を確認するためのシステムであって、前記セントルに設けられ、前記セントルの水平に対する傾きを計測する傾斜計測手段と、前記セントルに設けられ、前記セントルの断面形状の変化を検出する形状変化検出手段と、前記傾斜計測手段で計測した値が許容範囲内か否かを判定するとともに、前記形状変化検出手段で検出した値が許容範囲内か否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果に応じた情報を、前記セントルの設置状況として報知する報知手段とを備えるので、セントルの設置状況を容易に確認することができるという効果を奏する。
【0010】
また、本発明に係る他のセントル設置状況確認システムによれば、前記セントルは、関節部を介して周方向に連結した少なくとも二つのフォームを有し、前記形状変化検出手段は、前記二つのフォームの間の相対変位を検出するので、セントルの形状変化を簡易に検出することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明に係るセントル設置状況確認システムの実施の形態を示す正面断面図である。
【
図2】
図2は、本発明に係るセントル設置状況確認システムの実施の形態を示す概略構成図である。
【
図3】
図3は、本発明に係るセントル設置状況確認システムの実施の形態を示す表示画面図である。
【
図4】
図4は、本発明に係るセントル設置状況確認システムの実施の形態を示す表示画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係るセントル設置状況確認システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
図1および
図2に示すように、本発明の実施の形態に係るセントル設置状況確認システム10は、トンネル12の内壁面14に施工される覆工コンクリート16を打設する際の移動式型枠として用いられるセントル18の設置状況を確認するためのシステムであって、傾斜計20と、変位計22と、制御装置24と、表示装置26とを備える。
【0014】
なお、本実施の形態は、トンネル延長方向の1区間分が10.5m程度のセントルを想定している。地山Gの掘削および支保工が進行するに伴い、セントル18の配置を1区間分ずつ掘削進行方向にスライドさせ、セントル18と地山Gの壁面との間の空間に、覆工コンクリート16を打設する作業を繰り返し、底部のインバートコンクリート28と一体化することで、馬蹄形のトンネル断面を構築するものである。
【0015】
セントル18は、門型のガントリ30の外側に配置された正面視で略半円弧状のものである。ガントリ30の脚32には複数の車輪34が設けられ、トンネル12の坑道内の切羽側から抗口側に設置されたレール36上を移動できるようにしてある。セントル18は、天端側にアーチ状に配置された天フォーム38と、天フォーム38の両端下面にヒンジ構造40(関節部)を介して周方向に連結された側フォーム42を含んで構成されている。天フォーム38、側フォーム42は、アーチ状に湾曲したスキンプレートとそのスキンプレートから内向きに突設されるウェブを備えており、周方向に隣接する天フォーム38、側方フォーム42のウェブ同士がヒンジ構造40で前後方向軸周りに揺動可能に連結されることによって、一つのセントルが形成される。
【0016】
天フォーム38は、ガントリ30の上部に設置された複数本の束材44で支持され、側フォーム42は、ガントリ30に設置された側フォーム用のジャッキ46で支持されている。セントル18は、ガントリ30の脚32に設けられた複数のジャッキ48によって上下動するとともに、側方フォーム用のジャッキ46の調節によって拡径または縮径可能である。セントル18を上下動させ、または拡径または縮径させることによって、トンネル12の内壁面14と天フォーム38、側フォーム42との間の空隙を広げたり狭めたりできるようになっている。
【0017】
傾斜計20は、セントル18の水平に対する傾きを計測する傾斜計測手段であり、ガントリ30の横梁50の幅方向中央部に設けられる。この傾斜計20の設置位置は、セントル18の幅方向中心に位置する。傾斜計20は、直交する2軸(セントル18の前後方向軸、左右方向軸)の水平に対する傾斜角を検出し、検出した傾斜角に対応した信号をリアルタイムに出力する。傾斜計20としては、セントル18の水平に対する傾きを計測するものであればいかなるものでもよく、例えば、MEMS加速度を利用した小型軽量の傾斜角検出器や差圧計などの計測手段を用いることができる。傾斜計20の設置位置はこれに限るものではなく、セントル18の水平に対する傾きを計測可能な位置であればどこに設置してもよい。
【0018】
変位計22は、セントル18の断面形状の変化を検出する形状変化検出手段であり、天フォーム38と側フォーム42の間のヒンジ構造40の近傍に設けられる。変位計22は、天フォーム38と側フォーム42の間の相対変位を検出するワイヤ式変位センサで構成される。このセンサ本体22Aは天フォーム38の下端側に連結した束材44に図示しないクランプ等を介して固定され、センサ本体22Aから延びるワイヤ22Bの先端は図示しないクランプ等を介して側フォーム42の上端側に固定される。センサ本体22Aから引き出されたワイヤ22Bの長さを計測して、長さに応じた変位値の信号を出力することにより、天フォーム38と側フォーム42の間の相対変位をリアルタイムに検出し、セントル18の内空の断面形状の変化を取得する。変位計22で取得した変位値は、セントル18の内空の断面形状(セントル内径)に対応した値となる。なお、変位計22の設置位置はこれに限るものではなく、天フォーム38と側フォーム42の間の相対変位を検出可能な位置であればどこに設置してもよい。また、変位計22はワイヤ式変位センサに限るものではなく、セントル18の断面形状の変化を検出するものであればいかなるものでもよい。例えば、レーザー距離センサなどの検知手段を用いてもよい。
【0019】
制御装置24は、判定手段としての傾斜角判定部52および変位判定部54と、表示装置26に表示される情報の表示を制御する表示制御部56と、表示装置26と通信する通信部58とを有し、例えば、横梁50の図示しない張出足場などに設置される。傾斜角判定部52は、傾斜計20で取得した傾斜角の値と予め設定した設計値とを比較し、許容範囲内か否かを判定するものである。変位判定部54は、変位計22で取得した変位値と予め設定した設計値とを比較して寸法差を求め、許容範囲内か否かを判定するものである。表示制御部56は、傾斜角判定部52および変位判定部54による判定結果に応じた情報を、セントル18の設置状況として表示するように表示装置26を制御する。通信部58は、WiFi(登録商標)などの無線通信機能または有線通信機能を用いて構成される。
【0020】
表示装置26は、傾斜角判定部52および変位判定部54による判定結果に応じた情報を、セントル18の設置状況として報知する報知手段であり、例えば、表示用画面を有するタブレット端末で構成される。表示装置26は、通信ネットワークNを介して制御装置24の通信部58と接続しており、制御装置24の表示制御部56によって表示が制御される。表示装置26は、左右の側フォーム42を操作するセントル妻側のジャッキ46付近(図の例では、ガントリ30の脚32の外側部)と、セントル妻側の天端付近(図の例では、束材44の上部)に設置される。なお、表示装置26の設置位置はこれに限るものではなく、セントル18周りの他の場所や、施工管理室などに設置してもよいし、作業員が携帯してもよい。
【0021】
図3(1)、(2)は、セントル妻側の天端付近に設置した表示装置26の表示例である。これらの図に示すように、表示装置26には、上り勾配または下り勾配を表示する設定内容表示部26Aと、勾配表示部26Bと、OKランプまたはNGランプを点灯表示するランプ点灯表示部26Cが配置される。ランプ点灯表示部26Cは、傾斜角判定部52による判定の結果、セントル前後方向軸の傾斜角が下り勾配(または上り勾配)として許容範囲内の場合(妻側が低い場合)には、
図3(1)に示すように、OKランプを点灯表示し、許容範囲外の場合(既設コンクリートとのラップ側が低い場合)には、
図3(2)に示すように、NGランプを点灯表示する。勾配表示部26Bは、傾斜計20で取得したセントル前後方向軸の傾斜角を%表示の勾配に換算して表示する。
【0022】
上り勾配として許容範囲内の場合にOKランプを点灯するか、下り勾配として許容範囲内の場合にOKランプを点灯するかの設定については必要に応じて切り替え可能である。この切り替え操作は、例えば、表示制御部56を遠隔操作することで行ってもよいし、表示装置26を構成するタブレット端末に備わるタッチパネルを手動操作することで行ってもよい。切り替え後の設定内容は、設定内容表示部26Aに表示される。
【0023】
図3(3)、(4)は、左側の側フォーム42のジャッキ46付近に設置した表示装置26の表示例である。これらの図に示すように、表示装置26には、対象フォームを示すフォーム表示部26Dと、セントル内径の設計値、現在値、双方の寸法差を数値で表示する数値表示部26Eと、OKランプまたはNGランプを点灯表示するランプ点灯表示部26Cが配置される。数値表示部26Eは、変位判定部54による判定の結果に基づいて、セントル内径の設計値、現在値、双方の寸法差をリアルタイムに表示する。ランプ点灯表示部26Cは、現在値が設計値を超えるまではNGランプを点灯表示し、超えるとOKランプを点灯表示する。各表示は、ジャッキ46、48の操作に応じて変化する。
【0024】
図4は、セントル妻側の天端付近に設置した表示装置26の他の表示例である。この図に示すように、表示装置26には、対象フォームを示すフォーム表示部26Dが表示画面の上側左右に配置される。また、その下側に、OKランプまたはNGランプを点灯表示するランプ点灯表示部26Cと、セントル内径の設計値、現在値、双方の寸法差を数値で表示する数値表示部26Eが配置される。このランプ点灯表示部26Cは、現在値が設計値を超えるまではNGランプを点灯表示し、超えるとOKランプを点灯表示する。図の例では、左側はOKランプが点灯し、右側はNGランプが点灯している。各表示は、ジャッキ46、48の操作に応じて変化する。
【0025】
また、表示画面の中央部分に、上り勾配または下り勾配を表示する設定内容表示部26Aと、OKランプまたはNGランプを点灯表示するランプ点灯表示部26Cが配置される。このランプ点灯表示部26Cは、傾斜角判定部52による判定の結果、セントル前後方向軸の傾斜角が下り勾配(または上り勾配)として許容範囲内の場合(妻側が低い場合)には、OKランプを点灯表示し、許容範囲外の場合(既設コンクリートとのラップ側が低い場合)には、NGランプを点灯表示する。図の例では、OKランプが点灯している。上り勾配として許容範囲内の場合にOKランプを点灯するか、下り勾配として許容範囲内の場合にOKランプを点灯するかの設定については必要に応じて切り替え可能である。この切り替え操作は、例えば、表示制御部56を遠隔操作することで行ってもよいし、表示装置26を構成するタブレット端末に備わるタッチパネルを手動操作することで行ってもよい。切り替え後の設定内容は、設定内容表示部26Aに表示される。また、表示画面の左下側に縦断勾配表示部26Fが配置され、表示画面の右下側に勾配表示部26Bが配置され、その下側に、現在の年月日および時分を表示する日時表示部26Gが配置される。縦断勾配表示部26Fは、縦断方向の勾配を簡易図で表示したものであり、傾斜計20で取得したセントル前後方向軸の傾斜角の値に基づいて作図される。勾配表示部26Bは、傾斜計20で取得したセントル前後方向軸の傾斜角を%表示の勾配に換算して表示する。
【0026】
本実施の形態によれば、作業員が表示装置26に表示された情報を見ることで、セントル18の設置状況を容易に確認することができる。これにより、セントル18の設置ミスを防止し、施工不具合の発生を未然に防ぐことができる。また、セントル18の設置作業に要する作業員の作業負担を軽減することができる。
【0027】
なお、上記の実施の形態においては、セントル18が天フォーム38と左右の側フォーム42とを有する場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限るものではなく、これ以外のフォームをセントル18の周方向に含んでもよい。この場合、周方向に隣接するフォーム間に変位計を配置して、上記と同様に形状変化を検出するとともに変位判定部54で判定し、判定結果を表示装置26に表示させるようにしてもよい。このようにしても上記と同様の作用効果を奏することができる。
【0028】
以上説明したように、本発明に係るセントル設置状況確認システムによれば、トンネルの内壁面に施工される覆工コンクリートを打設する際の移動式型枠として用いられるセントルの設置状況を確認するためのシステムであって、前記セントルに設けられ、前記セントルの水平に対する傾きを計測する傾斜計測手段と、前記セントルに設けられ、前記セントルの断面形状の変化を検出する形状変化検出手段と、前記傾斜計測手段で計測した値が許容範囲内か否かを判定するとともに、前記形状変化検出手段で検出した値が許容範囲内か否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果に応じた情報を、前記セントルの設置状況として報知する報知手段とを備えるので、セントルの設置状況を容易に確認することができる。
【0029】
また、本発明に係る他のセントル設置状況確認システムによれば、前記セントルは、関節部を介して周方向に連結した少なくとも二つのフォームを有し、前記形状変化検出手段は、前記二つのフォームの間の相対変位を検出するので、セントルの形状変化を簡易に検出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
以上のように、本発明に係るセントル設置状況確認システムは、山岳トンネルの覆工コンクリート打設工事に使用されるセントルの設置作業に有用であり、特に、セントルの設置状況を容易に確認するのに適している。
【符号の説明】
【0031】
10 セントル設置状況確認システム
12 トンネル
14 内壁面
16 覆工コンクリート
18 セントル
20 傾斜計(傾斜計測手段)
22 変位計(形状変化検出手段)
22A センサ本体
22B ワイヤ
24 制御装置(判定手段)
26 表示装置(報知手段)
28 インバートコンクリート
30 ガントリ
32 脚
34 車輪
36 レール
38 天フォーム
40 ヒンジ構造(関節部)
42 側フォーム
44 束材
46,48 ジャッキ
50 横梁
52 傾斜角判定部(判定手段)
54 変位判定部(判定手段)
56 表示制御部
58 通信部
G 地山