(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018374
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】防犯システム
(51)【国際特許分類】
E05B 49/00 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
E05B49/00 J
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121678
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】大野 宏孝
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA02
2E250BB08
2E250EE15
2E250FF36
(57)【要約】
【課題】利用者の利便性を確保しつつ安全性を確保することが可能な防犯システムを提供する。
【解決手段】近距離通信によって施解錠する電気錠と、電気錠が設置された建屋に設けられた建屋内ネットワークと、電気錠と建屋内ネットワークとの通信を中継する中継装置と、建屋内ネットワークと外部通信回線との通信を中継するゲートウエイとを備え、電気錠又は中継装置は、電気錠の操作指示を受け入れるゲートウエイ又は中継装置を制限又は操作指示の内容を制限する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近距離通信によって施解錠する電気錠と、
前記電気錠が設置された建屋に設けられた建屋内ネットワークと、
前記電気錠と前記建屋内ネットワークとの通信を中継する中継装置と、
前記建屋内ネットワークと外部通信回線との通信を中継するゲートウエイとを備え、
前記電気錠又は前記中継装置は、前記電気錠の操作指示を受け入れる前記ゲートウエイ又は前記中継装置を制限又は前記操作指示の内容を制限する防犯システム。
【請求項2】
前記中継装置は、前記ゲートウエイの固体識別子が予め登録された第1固体識別子に合致する場合に前記ゲートウエイから受信した登録要求を受け入れる請求項1に記載の防犯システム。
【請求項3】
前記電気錠は、前記中継装置の固体識別子が予め登録された第2固体識別子に合致する場合に前記中継装置から受信した操作要求を受け入れる請求項1又は2に記載の防犯システム。
【請求項4】
前記中継装置又は前記電気錠は、夜間又は前記建屋の住人の外出時には前記電気錠を解錠させる解錠コマンドを受け入れない請求項1又は2に記載の防犯システム。
【請求項5】
前記中継装置又は前記電気錠は、一定期間に所定回数だけ前記電気錠を解錠させる解錠コマンドを受け入れる請求項1又は2に記載の防犯システム。
【請求項6】
前記中継装置又は前記電気錠は、前記建屋の住人の在宅時には前記電気錠を解錠させる解錠コマンドを受け入れる請求項1又は2に記載の防犯システム。
【請求項7】
前記中継装置又は前記電気錠は、送信元から受け入れる操作コマンドを設定する操作部を備える請求項1又は2に記載の防犯システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、防犯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末との近距離通信によって玄関ドアに組み込まれた錠(電気錠)を施解錠する施解錠システムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気錠を近距離通信よりも広い通信範囲のネットワークを介して施解錠する場合、安全性の低下が懸念されるので、利用者の利便性を確保しつつ安全性を確保することが可能な防犯システムの実現が切望されている。
【0005】
本開示は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、利用者の利便性を確保しつつ安全性を確保することが可能な防犯システムの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、近距離通信によって施解錠する電気錠と、前記電気錠が設置された建屋に設けられた建屋内ネットワークと、前記電気錠と前記建屋内ネットワークとの通信を中継する中継装置と、前記建屋内ネットワークと外部通信回線との通信を中継するゲートウエイとを備え、前記電気錠又は前記中継装置は、前記電気錠の操作指示を受け入れる前記ゲートウエイ又は前記中継装置を制限又は前記操作指示の内容を制限する防犯システムである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】防犯システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図2】防犯システムの動作を示す通信シーケンス図である。
【
図3】防犯システムの認証動作を示す第1の通信フローチャートである。
【
図4】防犯システムの認証動作を示す第2の通信フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施形態に係る防犯システムは、
図1に示すように、電気錠1、中継装置2、LANハブ3、ゲートウエイ4、コントローラ5を構成要素として備える。防犯システムには、防犯上好ましくないが、不正装置Fが接続され得る。不正装置Fは、図示するように不正ゲートウエイ4F及び不正コントローラ5Fを備えている。LANは、Local Area Network(ローカル・エリア・ネットワーク)の略称である。
【0009】
各構成要素のうち、電気錠1、中継装置2、LANハブ3、ゲートウエイ4及び不正ゲートウエイ4Fは、建屋Jに設けられた内部機器である。内部機器のうち、電気錠1を除く中継装置2、LANハブ3、ゲートウエイ4及び不正ゲートウエイ4Fは、LANに準拠した有線通信又は無線通信を行う建屋内ネットワークを構成している。コントローラ5及び不正コントローラ5Fは、建屋Jの外部に設けられた外部機器である。
【0010】
電気錠1は、一般住宅等の建屋において玄関ドア等の出入口に設けられている。電気錠1は、施錠及び解錠が電気的に行われるとともに、中継装置2と近距離通信が可能な錠である。本実施形態で採用する近距離通信の方式(通信規格)は、所謂「Bluetooth(登録商標)」である。電気錠1は、中継装置2とBluetoothの通信プロトコルの準拠した無線通信(Bluetooth通信)を行う。
【0011】
近距離通信の方式(通信規格)には、「Bluetooth(登録商標)」以外に、「ZigBee(登録商標)」等、幾つかの方式が一般的に知られている。本実施形態では近距離通信の方式として「Bluetooth(登録商標)」を採用するが、必要に応じて他の方式の近距離通信を採用して防犯システムを構築してもよい。近距離通信の通信回線は、図示するようにPAN(Personal Area Network)と呼ばれる。
【0012】
電気錠1は、中継装置2と近距離通信するではなく、コントローラ5が玄関ドア等の近傍(近距離)に位置している場合にコントローラ5とのBluetooth通信が可能である。電気錠1は、Bluetooth通信が可能な距離(通信距離)に存在する中継装置2又はコントローラ5とBluetooth通信を行う。
【0013】
例えば、電気錠1は、施錠指示をコントローラ5から受信すると、施錠指示に基づいて自信を施錠状態(出入口の開閉が不可な状態)となる。電気錠1は、解錠指示をコントローラ5から受信すると、解錠指示に基づいて自身を解錠状態(出入口が開閉自在な状態)となる。電気錠1は、コントローラ5から受信する施錠指示あるいは解錠指示に基づく施開錠状態を中継装置2に通知する。
【0014】
中継装置2は、建屋内において出入口の近傍(玄関フロア)に設けられている。中継装置2は、電気錠1と建屋内ネットワークとの無線通信を中継する通信装置であり、電気錠1を建屋内ネットワークと連携させる。中継装置2は、電気錠1とBluetooth通信を行うが、LANハブ3とはBluetooth通信よりも通信距離が長い通信方式(通信規格)で無線通信又は有線通信を行う。
【0015】
中継装置2とLANハブ3との間における通信方式は、LANに準拠した通信であり、例えば「Wi-Fi(登録商標)」と呼称される無線LAN又はEthernetと呼ばれる有線LANである。建屋内ネットワークの構成機器である中継装置2は、同じく建屋内ネットワークの構成機器であるLANハブ3とLANに準拠したWi-Fi通信又はEthernet通信を行う。
【0016】
中継装置2には、電気錠1を操作するための条件(操作条件)を記憶する操作条件記憶部2aと、建屋Jの住人が操作条件を設定するための操作部2bが設けられている。操作条件は、正規接続装置として予め登録された第1固体識別子、電気錠1への転送が予め許可された操作コマンド(許可コマンド)及び正規接続装置の上限数である。
【0017】
許可コマンドは、操作部2bを操作することによって、夜間や住人の外出時等、時間帯や住人の状態に応じて操作条件記憶部2aに記憶される。中継装置2では、例えば住人の在宅時には電気錠1の解錠コマンドを許可コマンドとして受け付けるが、住人の外出時には解錠コマンドを受付けない等の設定が可能である。
【0018】
中継装置2では、一定期間に許可コマンドとして受け付ける解錠コマンドの回数(電気錠1の解錠回数)を操作条件記憶部2aに記憶させることも可能である。中継装置2はは、一定期間に所定回数だけ電気錠1を解錠させる解錠コマンドを受け入れる。
【0019】
建屋Jの住人は、操作部2bを操作することにより、操作条件を操作条件記憶部2aに記憶させる。操作条件記憶部2aに記憶された固体識別子は、例えばゲートウエイ4のMACアドレス(正規MACアドレス)であり、ゲートウエイ4の製造者を示す製造者コード等を含んでいる。
【0020】
LANハブ3は、中継装置2とWi-Fi通信を行うとともにゲートウエイ4とはLANに準拠したEthernet通信を行う。LANハブ3は、ゲートウエイ4とLANに準拠した有線通信を行う。図示していないが、建屋内ネットワークには、Wi-Fi通信が可能な各種の建屋内機器が存在する。建屋内機器はスマート家電と称されるものである。LANハブ3は、建屋内機器(スマート家電)ともWi-Fi通信を行う。
【0021】
ゲートウエイ4は、建屋内ネットワークとインターネット等の外部通信回線とを接続する通信装置(接続装置)である。ゲートウエイ4は、Wi-Fi通信又はEthernet通信をLANハブ3と行うとともに、外部通信回線と当該外部通信回線の通信プロトコルに準拠した通信を行う。外部通信回線は、LANに対してWAN(Wide Area Network:ワイド・エリア・ネットワーク)と呼ばれるものであり、例えば携帯電話回線である。ゲートウエイ4は、WAN(インターネット)を介したインターネット通信をコントローラ5との間で行う。
【0022】
ゲートウエイ4は、インターネット通信によってコントローラ5から電気錠1の操作指示(外部操作指示)を受信すると、当該外部操作指示をEthernet通信によってLANハブ3に送信する。LANハブ3は、外部操作指示をWi-Fi通信によって中継装置2に送信する。外部操作指示は、中継装置2で認証処理され、正規の外部操作指示であると判定されると、Bluetooth通信によって電気錠1に送信される。
【0023】
コントローラ5は、建屋Jの住人が所持する携帯端末であり、例えばスマートフォンである。コントローラ5は、ゲートウエイ4とのインターネット通信が可能な通信装置である。コントローラ5は、電気錠1に関する外部操作指示をインターネット通信を用いてゲートウエイ4に送信する。建屋Jの住人は、建屋Jから離れた場所から電気錠1を施解錠させる場合、コントローラ5を操作することによってゲートウエイ4に外部操作指示を送信させる。
【0024】
コントローラ5は、電気錠1とのBluetooth通信が可能な通信装置である。コントローラ5は、Bluetooth通信を用いて電気錠1に施解錠指示を送信する。利用者は、外出から帰宅して建屋Jの出入口に近づくと、コントローラ5を操作することにより解錠指示を電気錠1に送信させる。電気錠1は、コントローラ5から解錠指示を受信すると、解錠指示に従って出入口を開閉自在(解錠状態)とする。
【0025】
利用者は、建屋Jから外出する場合、出入口の外側(建屋Jの外側)からコントローラ5を操作することによって、施錠指示を電気錠1に送信させる。電気錠1は、コントローラ5から施錠指示を受信すると、施錠指示に従って出入口を開閉不可(施錠状態)とする。
【0026】
不正ゲートウエイ4Fは、建屋J内に不正に設置された接続装置である。不正ゲートウエイ4Fは、建屋内ネットワーク内に不正に取り込まれた接続装置であり、ゲートウエイ4と同様にLANハブ3とWi-Fi通信又はEthernet通信を行うとともに、不正コントローラ5Fとインターネット通信を行う。不正ゲートウエイ4Fは、インターネット通信によって不正コントローラ5Fから電気錠1の不正操作指示(不正外部操作指示)を受信すると、当該不正外部操作指示をEthernet通信によってLANハブ3に送信する。
【0027】
不正コントローラ5Fは、建屋Jの住人とは異なる不正者が所持する携帯端末であり、例えばスマートフォンである。不正コントローラ5Fは、不正ゲートウエイ4Fとのインターネット通信が可能な通信装置である。不正コントローラ5Fは、電気錠1に関する不正外部操作指示をインターネット通信を用いて不正ゲートウエイ4Fに送信する。不正者は、建屋Jから離れた場所から電気錠1を不正に施解錠させる場合、不正コントローラ5Fを操作することによって不正ゲートウエイ4Fに不正外部操作指示を送信させる。
【0028】
本実施形態に係る防犯システムの動作について、
図2の通信シーケンス図並びに
図3及び
図4のフローチャートを参照して説明する。
【0029】
防犯システムの動作には機器制限動作とコマンド制限動作とがある。最初に
図2及び
図3を参照して機器制限動作について説明する。防犯システムを機能させる場合、電気錠1と中継装置2とをペアリングさせる必要がある。ペアリングは、Bluetooth通信における電気錠1と中継装置2との間の通信回線を確立させる処理であり、
図2に示すように電気錠1と中継装置2との間のペアリング通信によって設定される。
【0030】
電気錠1は、中継装置2とのペアリングが完了することにより、建屋内ネットワークと連携した状態となる。電気錠1は、中継装置2だけではなく、中継装置2と同様に建屋内ネットワークを構成するLANハブ3、ゲートウエイ4及び不正ゲートウエイ4Fとの通信が可能になる。電気錠1は、ゲートウエイ4を介したコントローラ5との通信が可能となり、不正ゲートウエイ4Fを介した不正コントローラ5Fとの通信が可能となる。
【0031】
電気錠1と中継装置2とのペアリングが完了すると、中継装置2は、建屋内ネットワークを介した電気錠1の操作指示を受けるけるためのペアリング条件を満足したことになる。中継装置2は、ペアリング条件に加え、以下に説明する登録条件を満足すると、建屋内ネットワークを介した電気錠1の操作指示を受けるけるための全ての条件が満足したことになる。
【0032】
図2に示すように、コントローラ5が中継装置2に宛てた登録要求をゲートウエイ4に送信すると、登録要求はゲートウエイ4から中継装置2に転送される。ゲートウエイ4は、登録要求をコントローラ5から受信すると、自身のMACアドレス(接続MACアドレス)を登録要求に付加し、登録要求及び接続MACアドレスをLANハブ3を介して中継装置2に送信する。
【0033】
中継装置2は、登録要求に加えて操作条件記憶部2aに予め記憶された正規接続装置のMACアドレス(正規MACアドレス)と接続MACアドレスとの比較照合に基づく認証処理を行う。中継装置2は、認証処理において、
図3に示すように登録要求が操作条件記憶部2aに予め記憶された正規接続装置の上限数を超えるものであるか否かを判断する(ステップS1)。
【0034】
中継装置2は、ステップS1の判断が「No」の場合、接続MACアドレスが正規アドレスか否かを判断する(ステップS2)。中継装置2は、操作条件記憶部2aに予め記憶された正規接続装置のMACアドレス(正規MACアドレス)と接続MACアドレスとを比較照合することにより、接続MACアドレスが正規アドレスか否かを判断する。
【0035】
中継装置2は、接続MACアドレスと正規アドレスとが一致すると、ステップS2の判断が「Yes」となる。中継装置2は、ステップS2の判断が「Yes」になると、コントローラ5からの登録要求を受け入れ、ゲートウエイ4の正規接続装置としての登録を許可する。
【0036】
中継装置2は、ステップS1の判断が「Yes」の場合には、ゲートウエイ4の正規接続装置としての登録を拒絶する。中継装置2は、ステップS2の判断が「No」の場合にも、ゲートウエイ4の正規接続装置としての登録を拒絶する。
【0037】
図2に示すように、不正コントローラ5Fが中継装置2に宛てた不正登録要求を不正ゲートウエイ4Fに送信すると、不正登録要求は不正ゲートウエイ4Fから中継装置2に転送される。不正ゲートウエイ4Fは、不正登録要求を不正コントローラ5Fから受信すると、自身のMACアドレス(不正MACアドレス)を不正登録要求に付加し、不正登録要求及び不正MACアドレスをLANハブ3を介して中継装置2に送信する。
【0038】
中継装置2は、不正登録要求が操作条件記憶部2aに予め記憶された上限数を超えるものではなく、ステップS1の判断が「No」の場合であっても、ステップS2の判断が「No」となるので、不正ゲートウエイ4Fの正規接続装置としての登録を拒絶する。
【0039】
中継装置2は、ゲートウエイ4の登録が完了すると、ペアリング条件に加えて登録条件が満足したことになるので、建屋内ネットワークを介した電気錠1の操作指示を受けるける状態となる。中継装置2は、
図2に示すように、ゲートウエイ4を介したコントローラ5の操作指示を受け入れ、電気錠1に転送する。電気錠1は、中継装置2から受信した操作指示に基づいて施錠又は解錠される。
【0040】
中継装置2は、
図2に示すように、不正ゲートウエイ4Fを介した不正コントローラ5Fの不正操作指示を受信すると、不正操作指示を拒絶する。不正操作指示は、中継装置2かた電気錠1に転送されないので、電気錠1は不正操作指示に基づいて施錠又は解錠されることがない。
【0041】
本実施形態に係る防犯システムによれば、中継装置2から電気錠1に転送される操作指示が正規接続装置に制限されるので、利用者の利便性を確保しつつ安全性を確保することが可能である。
【0042】
続いて
図4を参照してコマンド制限動作について説明する。中継装置2は、ペアリング条件及び登録条件が満足した状態で操作指示を受信すると、
図3のステップS2と同様に接続MACアドレスが正規MACアドレスか否かを判断する(ステップS3)。中継装置2は、操作条件記憶部2aに予め記憶された正規接続装置のMACアドレス(正規MACアドレス)と接続MACアドレスとが一致すると、ステップS3の判断が「Yes」となる。
【0043】
中継装置2は、ステップS3の判断が「Yes」になると、操作指示に含まれる操作コマンドが操作条件記憶部2aに操作条件として予め記憶された許可コマンドに合致するか否かを判断する(ステップS3)。中継装置2は、ステップS3の判断が「Yes」になると、操作指示を電気錠1に転送する。
【0044】
本実施形態に係る防犯システムによれば、電気錠1で実行される操作指示の内容(操作コマンド)が制限されるので、利用者の利便性を確保しつつ安全性を確保することが可能である。
【0045】
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が考えられる。
(1)上記実施形態では、中継装置2に正規接続装置(ゲートウエイ4)の固体識別子(MACアドレス)を記憶させたが、本発明はこれに限定されない。
【0046】
例えば電気錠1に中継装置2(正規中継装置)の固体識別子(中継MACアドレス)を予め記憶させ、中継MACアドレスが電気錠1に予め登録された第2固体識別子に合致する場合に電気錠1が中継装置2から受信した操作要求を受け入れるようにしてもよい。電気錠1は、正規中継装置から受信した操作指示のみを実行する。本変形例によれば、電気錠1で実行される操作指示が正規中継装置に制限されるので、利用者の利便性を確保しつつ安全性を確保することが可能である。
【0047】
(2)上記実施形態では、中継装置2に操作条件記憶部2aと操作部2bとを設けらたが、本発明はこれに限定されない。操作条件記憶部2a及び操作部2bに基づく中継装置2の機能を例えば電気錠1に設けてもよい。
【符号の説明】
【0048】
F…不正装置、J…建屋、1…電気錠、2…中継装置、3…LANハブ、4…ゲートウエイ、5…コントローラ、4F…不正ゲートウエイ、5F…不正コントローラ