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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018392
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 39/042 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
B65H39/042
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121709
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000109727
【氏名又は名称】株式会社デュプロ
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】大浜 洋
【テーマコード(参考)】
3F050
【Fターム(参考)】
3F050AA02
3F050AA03
3F050AA09
3F050BE06
3F050BE12
3F050CA01
3F050CB07
3F050LA15
3F050LB01
(57)【要約】
【課題】丁合システムの使い勝手を向上させる制御装置を提供する。
【解決手段】制御装置は、複数の給送部からシートを送り出し、それらを重ねてシートセットを形成する丁合システムの制御装置である。制御装置は、複数の給送部の配置レイアウトと、当該複数の給送部を給送グループに分けたグループ分けと、当該複数の給送部から送り出されるシートによって作成されるシートセットにおける給送グループ単位での積層順と、を所定の表示部に表示させる表示制御部と、丁合システムの機構を制御し、複数の給送グループのそれぞれについて給送グループに属する給送部からシートを送り出して重ねてサブセットを形成し、当該複数のサブセットが積層順に重なったシートセットを形成するシートセット形成制御部と、を備える。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の給送部からシートを送り出し、それらを重ねてシートセットを形成する丁合システムの制御装置であって、
複数の給送部の配置レイアウトと、当該複数の給送部を給送グループに分けたグループ分けと、当該複数の給送部から送り出されるシートによって作成されるシートセットにおける給送グループ単位での積層順と、を所定の表示部に表示させる表示制御部と、
前記丁合システムの機構を制御し、複数の給送グループのそれぞれについて給送グループに属する給送部からシートを1枚ずつ送り出して重ねてサブセットを形成し、当該複数のサブセットが前記積層順に重なったシートセットを形成するシートセット形成制御部と、
を備える制御装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記グループ分けの表示と、前記積載順との表示において、同じ給送グループには同じ色が付されるように色分け表示する請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記複数の給送部のそれぞれが属する給送グループは、ユーザによる入力に基づいて変更可能である請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記複数の給送グループの数は、ユーザによる入力に基づいて変更可能である請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記複数の給送部は、第1供給ラインの複数の給送部と、第2供給ラインの複数の給送部と、を含み、給送ラインごとで別々の給送グループに分けられる請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
複数の供給ラインのそれぞれから供給されるシートを重ねてシートセットを形成する丁合システムの制御装置であって、
複数の供給ラインのそれぞれの複数の給送部の配置レイアウトと、当該複数の給送部から1枚ずつ送り出されるシートによって作成されるシートセットにおける供給ライン単位での積層順と、を所定の表示部に表示させる表示制御部と、
前記丁合システムの機構を制御し、複数の供給ラインのそれぞれについて複数の給送部からシートを1枚ずつ送り出して重ねてシート束を形成し、当該複数のシート束が前記積層順に重なったシートセットを形成するシートセット形成制御部と、
を備える制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、冊子作成装置を開示する。この冊子作成装置は、複数の丁合装置と、複数の丁合装置に対応して設けられ、対応する丁合装置から供給されるシート束に折り目を付ける折り機構と、を備え、折り目が付けられたシート束を重ねて冊子を作成する。この冊子作成装置によれば、丁合と折りが並列化されるため、単位時間あたりに作成可能な冊子数(以下、処理速度という)が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2011/042756号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の冊子作成装置は、複数の丁合装置におけるシートの積載位置と、冊子における積層位置との関係がわかりにくく、使い勝手が悪い。
【0005】
本発明はこうした状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、複数の給送部からシートを送り出してシートセットを形成する丁合システムの制御装置であって、丁合システムの使い勝手を向上させる制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の制御装置は、複数の給送部からシートを送り出し、それらを重ねてシートセットを形成する丁合システムの制御装置であって、複数の給送部の配置レイアウトと、当該複数の給送部を給送グループに分けたグループ分けと、当該複数の給送部から送り出されるシートによって作成されるシートセットにおける給送グループ単位での積層順と、を所定の表示部に表示させる表示制御部と、丁合システムの機構を制御し、複数の給送グループのそれぞれについて給送グループに属する給送部からシートを1枚ずつ送り出して重ねてサブセットを形成し、当該複数のサブセットが積層順に重なったシートセットを形成するシートセット形成制御部と、を備える。
【0007】
本発明の別の態様もまた、制御装置である。この装置は、複数の供給ラインのそれぞれから供給されるシート束を重ねてシートセットを形成する丁合システムの制御装置であって、複数の供給ラインのそれぞれの複数の給送部の配置レイアウトと、当該複数の給送部から1枚ずつ送り出されるシートによって作成されるシートセットにおける供給ライン単位での積層順と、を所定の表示部に表示させる表示制御部と、丁合システムの機構を制御し、複数の供給ラインのそれぞれについて複数の給送部からシートを1枚ずつ送り出して重ねてシート束を形成し、当該複数のシート束が積層順に重なったシートセットを形成するシートセット形成制御部と、を備える。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、丁合システムの使い勝手を向上させる制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態に係る冊子作成システムの斜視図である。
図2】供給ラインの構成を示す図である。
図3図1のA矢視図である。
図4図3の搬送機構の斜視図である。
図5図3のB-B断面図である。
図6】折り機構の一例を示す斜視図である。
図7】冊子作成システムの制御系を示すブロック図である。
図8】搬送機構の搬送区画へのシート束の送り込みの一例を示す図である。
図9】搬送機構の搬送区画へのシート束の送り込みの別の例を示す図である。
図10図1の統合制御装置の機能構成を示すブロック図である。
図11図10の表示制御部が所定の表示装置に表示する積載支援画面を示す図である。
図12図2の給送部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。
【0012】
図1は、実施の形態に係る冊子作成システム1の斜視図である。冊子作成システム1は、文字や画像が印刷された用紙などのシートに丁合、折り、綴じ、断裁などの後処理を施して冊子を作成する。
【0013】
冊子作成システム1は、第1供給ライン10_1および第2供給ライン10_2(以下、特に区別しない場合には「供給ライン10」という)と、折り装置16と、綴じ装置18と、小口断裁装置20と、天地断裁装置22と、ベルトスタッカ24と、統合制御装置26と、を備える。
【0014】
第1、第2供給ライン10_1,10_2はそれぞれ、折り装置16にシートセット要素を供給する。シートセット要素は、1枚または重ねられた複数枚のシートを含む。すなわちシートセット要素は、少なくとも1枚のシートを含む。第1、第2供給ライン10_1,10_2は並列に設けられているが、これには限定されない。なお、冊子作成システム1は、3つ以上の供給ライン10を備えてもよい。
【0015】
第1供給ライン10_1は、丁合装置12A_1,12B_1を含む。第2供給ラインは、丁合装置12A_2,12B_2を含む。以下、丁合装置12A_1、12B_1、12A_2および12B_2を特に区別しない場合には、「丁合装置12」という。なお、供給ライン10が備える丁合装置12の数は特に限定されない。供給ライン10ごとで丁合装置12の数が異なっていてもよい。
【0016】
丁合装置12は、複数の給送部を含む。複数の給送部のそれぞれには、シートの束が積載されている。丁合装置12は、複数の給送部のそれぞれからシートを給送しながらシートを重ね合わせてシート束を作成する。この場合、シートセット要素は複数のシートで構成される。また丁合装置12は、給送部から送り出したシートを重ねることなく1枚のままシートセット要素として送り出すこともある。この場合、シートセット要素は1枚のシートで構成される。丁合装置12Aと丁合装置12Bは直列に配置されており、上流側に配置された丁合装置12Aによって作成されたシート束に下流側に配置された丁合装置12Bによって作成されたシート束を重ね合わせることが可能である。それらを重ね合わせずに、別々のシート束とすることも可能である。
【0017】
丁合装置12が丁合したシート束すなわちシートセット要素は、図示を省略した搬送機構によってx方向(第1の方向)に搬送され、折り装置16に搬出される。x方向は、例えば水平方向である。
【0018】
折り装置16は、供給ライン10ごとに設けられる図示を省略した方向変換機構によって、第1、第2供給ライン10_1,10_2から搬入されるシートセット要素の搬送方向をx方向からy方向(第2の方向)に方向変換する。y方向は、例えば水平方向であり、例えば平面視においてx方向に直交する方向である。方向変換機構の詳細な構成は後述する。
【0019】
折り装置16は、y方向に方向変換したシートセット要素に折り筋を付け、その折り筋に沿ってシートセット要素を山折り状(すなわち断面形状が逆V字状)に折る。折り装置16は、山折り状に折ったシートセット要素(以下、「山折りシートセット要素」という)をy方向に搬送し、綴じ装置18に搬出する。
【0020】
綴じ装置18は、シートセット形成機構30と、綴じ機構32と、を備える。シートセット形成機構30は、折り装置16から搬入される山折りシートセット要素を、1つの冊子を構成する1セットのシート束(以下、「シートセット」という)となるまで蓄積させる。すなわちシートセット形成機構30は、複数のシートセット要素が重なったシートセットを形成する。綴じ機構32は、蓄積された1セットのシートセットを折り目で綴じて冊子を作成する。綴じ機構32は、作成した冊子を小口断裁装置20に搬出する。
【0021】
小口断裁装置20は、綴じ装置18から搬入された冊子の小口を断裁し、天地断裁装置22に搬出する。天地断裁装置22は、小口断裁装置20から搬入された冊子の天地を断裁し、ベルトスタッカ24に搬出する。ベルトスタッカ24は、搬入される冊子を順次蓄積する。
【0022】
統合制御装置26は、冊子作成システム1を統合的に制御する。統合制御装置26は、例えばPCにより構成される。
【0023】
図2は、供給ライン10の構成を示す図である。供給ライン10は、第1中継搬送装置34および第2中継搬送装置36をさらに備える。
【0024】
2つの丁合装置12はそれぞれ、複数の給送部38と、垂直搬送機構44と、水平搬送機構46と、を備える。複数の給送部38は、鉛直方向に並設される。なお、給送部38の並設方向は鉛直方向に限定されない。以降では、各丁合装置12がそれぞれ10個の給送部38を備える場合について説明するが、給送部38の数は特には限定されない。
【0025】
複数の給送部38は、棚40と、給送機構42と、を含む。棚40には、複数のシートが積載される。給送機構42は、対応する棚40から1枚ずつシートを送り出す給送を実行する。給送機構42は、図示の例ではエアサクション式の給送機構であるが、フリクション式の給送機構であってもその他の給送機構であってもよい。給送機構42によって送り出されたシートは、垂直搬送機構44によって鉛直下方に搬送されながら重ね合わせ可能である。
【0026】
水平搬送機構46は、後述の第1中継搬送装置34を介して上流の丁合装置12から搬送されたシート束を下流に搬送する。水平搬送機構46の下流側端部は垂直搬送機構44の下流側端部に合流しており、この合流地点にて、上流側から搬送されたシートまたはシート束と、その丁合装置12で作成されたシートまたはシート束とを重ね合わせ可能である。
【0027】
丁合装置12Aと丁合装置12Bとの間には、第1中継搬送装置34が配置される。第1中継搬送装置34は搬送機構47を有する。搬送機構47は、上流の丁合装置12で作成されたシートまたはシート束を下流の丁合装置12に搬送する。搬送機構47には、図示の例ではベルト搬送機構が採用されているが、例えばローラ搬送機構などが採用されてもよい。
【0028】
丁合装置12Aの下流側には、第2中継搬送装置36が設けられている。第2中継搬送装置36は搬送機構48を有する。搬送機構48は、丁合装置12Aから搬出されたシートまたはシート束(すなわちシートセット要素)を搬送して折り装置16に搬出する。搬送機構48には、図示の例ではベルト搬送機構が採用されているが、例えばローラ搬送機構などが採用されてもよい。
【0029】
図3は、折り装置16をy方向に見た側面図である。図3は、図1のA矢視図である。図4は、搬送機構52の斜視図である。図4では一対の鞍部材60の表示は省略している。図5は、図3のB-B断面図である。折り装置16は、第1折り機構50_1および第2折り機構50_2(以下、特に区別しない場合には「折り機構50」という)と、搬送機構52と、センサ54と、を備える。
【0030】
第1、第2折り機構50_1,50_2は、搬送機構52の上方に設けられる。第2折り機構50_2は、第1折り機構50_1の下流側に設けられる。第1折り機構50_1は、第1供給ライン10_1に対応する折り機構であり、第1供給ライン10_1から供給されるシートセット要素に折り目を付与する。第2折り機構50_2は、第2供給ライン10_2に対応する折り機構であり、第2供給ライン10_2から供給されるシートセット要素に折り目を付与する。
【0031】
折り機構50は、下流、かつ、下方にシートセット要素を移動させながら、シートセット要素を山折り状に折る。
【0032】
図6は、折り機構50の一例を示す斜視図である。この例の折り機構50は、下流、かつ、下方に搬送しながら、筋付機構501によりシートセット要素に折り筋を付与し、さらに折り曲げ機構502によりシートセット要素を山折り状に折り曲げる。
【0033】
筋付機構501は、上方に配置された凸ローラ511と、凸ローラ511の下方に配置された凹ローラ512と、を含む。凸ローラ511の外周面には、周方向に延在する凸条が形成されている。凹ローラ512の外周面には、周方向に延在する凹溝が形成されている。筋付機構501は、凸ローラ511と凹ローラ512との間を通過するシートセット要素に、凸条と凹溝とで挟んで搬送方向に延びる折り筋を付ける。
【0034】
折り曲げ機構502は、折り筋が付けられたシートセット要素を徐々に山型に変形させる変形機構521と、山型に変形させたシートセット要素の頂部を挟み、折り目Fを形成する左右一対のプレスローラ522と、を含む。変形機構521は、下方のプーリ群にガイドされた下丸ベルト523がシートセット要素の下方を支持し、その両サイドで上丸ベルト524がシートセット要素を下方に徐々に押し下げることにより、シートセット要素を変形させる。変形されたシートセット要素の頂部がプレスローラ522の間に導入され、しっかりと折り目が付けられる。
【0035】
なお、折り機構50の構成はこの例に限定されず、公知の、あるいは将来利用可能な技術を用いて構成されればよい。
【0036】
図3~5に戻り、搬送機構52は、上流側プーリ55と、上流側プーリ55よりも下流側に設けられる下流側プーリ56と、上流側プーリ55および下流側プーリ56に巻き回される無端状の搬送ベルト58と、一対の鞍部材60と、を含む。
【0037】
不図示のモータに駆動されて下流側プーリ56が回転することにより、搬送ベルト58が回転する。例えば、搬送ベルト58が図示のように歯付きベルト(コグドベルト)で、プーリ55,56が歯付きプーリであってもよい。搬送ベルト58は、所定部数の冊子を連続して作成する間、好ましくは一定の速度で、走行し続ける。下流側プーリ56の回転速度は可変であってもよい。言い換えると、搬送ベルト58の移動速度は可変であってもよい。
【0038】
搬送ベルト58は、例えばエラストマ等の、柔軟性を有する材料によって形成される。搬送ベルト58は、断面が逆V字状の外周面58aを有する。搬送ベルト58は、特に限定されないが、本実施の形態では、内周面58bを底辺とし、外周面58aを等辺とする略二等辺三角形の断面形状を有する。
【0039】
搬送ベルト58の外周には、外側に突出するプッシャ62が、例えば周方向(延在方向)に等間隔に設けられている。複数のプッシャ62によって、y方向に沿って連続的に並ぶ複数の搬送区画64が定められる。詳しくは、y方向に隣接する2つのプッシャ62の間の上を向いている搬送ベルト58の外周面58aの部分が、1つの搬送区画64を構成する。折り機構50からこれらの搬送区画64にシートセット要素が搬入される。
【0040】
鞍部材60は、山折りシートセット要素を逆V字状に開かせる部材である。鞍部材60は、搬送機構52の搬送方向(すなわちy方向)に延在する斜め上を向いた一対のガイド面60aであって、下側ほどx方向に互いに離れる一対のガイド面60aを有する。
【0041】
搬送区画64に送り込まれたシートセット要素は、搬送ベルト58の外周面と鞍部材60のガイド面60aとによって、山折り状態が保たれたまま、プッシャ62によって後端が押されてy方向下流側に搬送される。
【0042】
なお、搬送機構52は、y方向に沿って設けられた複数の搬送区画64を有し、折り機構50から当該複数の搬送区画64のそれぞれに送り込まれた山折りシートセット要素を、その山折状態を保ったまま搬送区画64ごとy方向に移動させるものであれば、上述の構成には限定されない。
【0043】
搬送機構52により折り装置16の下流側端部まで搬送されたシートセット要素は、図示を省略した補助搬送機構によって綴じ装置18に搬出される。補助搬送機構は、下流側プーリ56に沿って下方に転回する搬送ベルト58からシートセット要素を離間させ、引き続き水平方向に搬送する。補助搬送機構の搬送速度は、搬送ベルト58の搬送速度よりも高速に設定されている。補助搬送機構は、シートセット要素を、搬送ベルト58が下方に回り込む直前に離間させる。これにより、シートセット要素の後端と、搬送ベルト58とともに下方に回り込むプッシャ62とが干渉するのを防ぐことができる。
【0044】
センサ54は、プッシャ62の通過を検出するために設けられる。したがってセンサ54には、プッシャ62の通過を検出可能な適宜のセンサが採用されればよい。
【0045】
図7は、冊子作成システム1の制御系を示すブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウエア的には、コンピュータのCPU(central processing unit)をはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウエア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。図10についても同様である。
【0046】
統合制御装置26は、所定の入力装置を介してユーザから、冊子を作成するジョブについての各種の情報を取得する。ジョブ情報には、作成する冊子の部数、使用する給送部、などが含まれる。
【0047】
統合制御装置26は、所定の入力装置を介してユーザから、スタート指示を取得する。統合制御装置26は、スタート指示を取得すると、各装置(機構)にスタート信号や、各装置を作動させるための作動信号を送信する。
【0048】
冊子作成システム1はさらに、丁合装置12A_1,12B_1,12A_2,12B_2それぞれの作動を制御する丁合制御部70A_1,70B_1,70A_2,70B_2(以下、特に区別しない場合には「丁合制御部70」という)と、折り機構50_1,50_2それぞれの作動を制御する折り制御部72_1,72_2(以下、特に区別しない場合には「折り制御部72」という)と、搬送機構52の作動を制御する搬送制御部74と、シートセット形成機構30の作動を制御するシートセット形成制御部76と、綴じ機構32の作動を制御する綴じ制御部78と、小口断裁装置20の作動を制御する小口断裁制御部80と、天地断裁装置22の作動を制御する天地断裁制御部82と、を備える。
【0049】
搬送制御部74は、センサ54の検知結果に基づいて、各丁合装置12に一斉にトリガ信号を送信する。搬送制御部74は、例えば、プッシャ62を所定回数検知するたびに、トリガ信号を送信する。
【0050】
丁合制御部70は、対応する丁合装置12による丁合を制御する。丁合制御部70は、丁合装置12の給送機構42、垂直搬送機構44および水平搬送機構46などの各機構の作動を制御する。丁合制御部70は、トリガ信号を受信するたびに丁合装置12を制御し、1つの搬送区画64に送り込むべきシートを給送する。
【0051】
丁合制御部70A_1,70B_1は、例えばユーザからの指示にしたがって、丁合装置12A_1,12B_1それぞれから供給されるシートが第1供給ライン10_1において(すなわち折り装置16に搬出される前に)重なって1つのシートセット要素を形成するように丁合装置12A_1,12B_1を制御してもよい。
【0052】
また、丁合制御部70A_1,70B_1は、例えばユーザからの指示にしたがって、丁合装置12A_1から供給されるシートと、丁合装置12B_1から供給されるシートが、それぞれ別々のシートセット要素を形成する(すなわち第1供給ライン10_1において合流しない)ように丁合装置12A_1,12B_1を制御してもよい。なお、丁合制御部70A_1は、丁合装置12A_1から供給されるシートが複数のシートセット要素を形成するようにそれらの丁合装置12A_1を制御してもよい。同様に、丁合制御部70B_1は、丁合装置12B_1の給送部から供給されるシートが複数のシートセット要素を形成するようにそれらの給送部を制御してもよい。いずれにせよ、複数のシートセット要素に分けることで、シートセット要素ひとつ当たりの厚みが抑えられ、折り機構50において適切に折り目を付けることが可能となる。
【0053】
また、1つのシートセットは、丁合装置12A_1,12B_1の複数の給送機構42のそれぞれから1枚ずつ送り出されたシートによって構成されてもよい。この場合、分けて供給される複数のシートセット要素は、それぞれ別々の給送機構42から送り出されたシートによって構成されることとなる。例えば1つのシートセットを第1シートセット要素および第2シートセット要素の2つのシートセット要素に分けた場合、第1シートセット要素に含まれるシートを供給する給送機構42と、第2シートセット要素に含まれるシートを供給する給送機構42とは異なることになる。また例えば1つのシートセットを第1シートセット要素、第2シートセット要素および第3シートセット要素の3つのシートセット要素に分けた場合、第1シートセット要素に含まれるシートを供給する給送機構42と、第2シートセット要素に含まれるシートを供給する給送機構42と、第3シートセット要素に含まれるシートを供給する給送機構42とは互いに異なることになる。
【0054】
丁合制御部70A_2,70B_2についても同様に、1つのシートセット要素を形成するように丁合装置12A_2,12B_2を制御してもよいし、複数のシートセット要素に分かれるように丁合装置12A_2,12B_2を制御してもよい。
【0055】
分けて供給された複数のシートセット要素は、シートセット形成機構30において互いに重ねられる。また、第1供給ライン10_1から供給されるシートセット要素と第2供給ライン10_2から供給されるシートセット要素は、シートセット形成機構30において重ねられてもよいし、搬送機構52による搬送中に、すなわち第2供給ライン10_2が搬送機構52に合流するときに重ねられてもよい。後者の場合、第1供給ライン10_1からのシートセット要素が搬入された搬送区画64に、第2供給ライン10_2からのシートセット要素を搬入すればよい。
【0056】
続いて、給送のタイミングについて、より詳細に説明する。丁合制御部は、対応する丁合装置12の位置を示す情報を記憶し、トリガ信号から位置に応じて遅らせたタイミングで対応する丁合装置12の給送機構42の駆動を開始してもよい。
【0057】
詳しくは、丁合装置12ごとで、折り装置16までの距離が異なりうる。少なくとも、丁合装置12A_1から折り装置16までの距離Xa1と丁合装置12B_1から折り装置16までの距離Xb1とは互いに異なり、丁合装置12A_2から折り装置16までの距離Xa2と丁合装置12B_2から折り装置16までの距離Xb2とは互いに異なる(図1参照)。
【0058】
そこで丁合制御部70は、対応する丁合装置12についての折り装置16までの距離を記憶する。なお、距離に関する情報を記憶してもよい。距離に関する情報は、供給ラインにおいて何番目に連結されている丁合装置12であるかといった情報であってもよい。丁合制御部70は、各給送機構42による給送タイミングを決定する際に、折り装置16までの距離に関する情報を考慮する。例えば、丁合装置12Aが供給するシート束と丁合装置12Bが供給するシート束とを重ねる場合、折り装置16までの距離がより短い丁合装置12Aの給送タイミングを、折り装置16までの距離がより長い丁合装置12Bの給送タイミングよりも、距離の差に応じて遅らせればよい。
【0059】
また、供給ラインごとで搬送機構52との合流位置が異なり、したがって供給ラインが異なればシートセット形成機構30までの距離は異なる。そこで丁合制御部70は、各給送機構42による給送のタイミングを決定する際に、搬送機構52によって搬送される距離を考慮する。例えば、第1供給ライン10_1に所属する丁合装置12が供給するシートセット要素と、第2供給ライン10_2に所属する丁合装置12が供給するシートセット要素とを搬送区画64において重ねる場合、第1供給ライン10_1から供給されたシートセット要素が搬送機構52によって搬送される距離と、第2供給ライン10_2から供給されたシートセット要素が搬送機構52によって搬送される距離との差分L(図1参照)の搬送に要する時間だけ、第2供給ライン10_2の丁合装置12よりも早いタイミングで第1供給ライン10_1の丁合装置12を駆動すればよい。
【0060】
搬送機構52の搬送ベルト58の移動速度が可変である場合、搬送機構52の搬送ベルト58の移動速度から、差分Lの搬送に要する時間を特定すればよい。
【0061】
また、供給ラインごとで搬送速度が異なる場合は、搬送速度の違いを考慮して各供給ラインの各給送機構42からの給送タイミングを決定すればよい。例えば各供給ラインの搬送距離が同じであれば、搬送速度が速い方の供給ラインから供給されるシートセット要素がその分早く搬送機構52に到達することになるので、搬送速度が速い方の供給ラインの丁合装置12は、その分だけ遅いタイミングで給送機構42の駆動を開始すればよい。
【0062】
ただし、方向変換機構や折り機構50が介在するため、合流位置までの搬送時間はばらつきやすい。例えば、シートのサイズ、枚数、材質などによって搬送時間は前後する。したがって、ユーザによって、丁合装置12の各給送機構42の駆動タイミングの微調整が可能であってもよい。システムのいずれかに設けられたタッチパネルや、システムとは別体に設けられたPCコントローラでユーザが微調整を行うことができてもよい。微調整では、搬送時間の論理値から算出されるデフォルト値に対して、プラス方向、マイナス方向の両方に駆動タイミングを調整可能であってもよい。
【0063】
給送機構42ごとに個別に微調整が可能であってもよい。この場合、給送機構42の個体差を吸収できる。
【0064】
また、丁合装置12ごとに、丁合装置12に含まれる複数の給送機構42に対してまとめて同一の微調整が可能であってもよい。この場合、丁合装置12ごとに特有の搬送時間が前後する傾向に応じて、各丁合装置12に含まれる複数の給送機構42の駆動タイミングをまとめて調整することができ、操作が容易となる。
【0065】
また、供給ラインごとに、供給ラインに含まれる複数の給送機構42に対してまとめて同一の微調整が可能であってもよい。この場合、供給ラインごとに特有の搬送時間が前後する傾向に応じて、各供給ラインに含まれる複数の給送機構42の駆動タイミングをまとめて調整することができ、操作が容易となる。
【0066】
以上が冊子作成システム1の基本構成である。
【0067】
図8は、搬送機構52の搬送区画へのシートセット要素の送り込みの一例を示す図である。ここでは見やすさのため、同じ搬送区画に送り込まれたシートセット要素を重ねずに上下に並べて描いている。後述の図9についても同様である。
【0068】
この例では、各供給ライン10が供給する複数のシート(1つのシートセットに含めるべき複数のシート)は、複数のシートセット要素に分けて供給される。すなわち、第1供給ライン10_1および第2供給ライン10_2はいずれも、複数のシートを複数のシートセット要素に分けて供給する。後述の図9についても同様である。
【0069】
本明細書では、各供給ライン10が分けて供給する複数のシートセット要素であって1つのシートセットに含めるべき複数のシートセット要素を「サブセット」とも呼ぶ。すなわち、1つのシートセットに含めるために第1供給ライン10_1が供給する複数のシートセット要素のそれぞれをサブセットとも呼ぶ。同様に、1つのシートセットに含めるために第2供給ライン10_2が供給する複数のシートセット要素のそれぞれをサブセットとも呼ぶ。
【0070】
第1供給ライン10_1から供給されるサブセット1-1,1-2の2つのシートセット要素と、第2供給ライン10_2から供給されるサブセット2-1、2―2の計4つのシートセット要素によって1つのシートセットひいては1つの冊子が作成されるものとする。
【0071】
第1供給ライン10_1は、所定部数分のシートセット要素を、折り機構50_1を介して、搬送機構52に順次搬出する。この例では第1供給ライン10_1は、1つの冊子に含める複数のシートをサブセット1-1およびサブセット1-2の2つのシートセット要素に分けて搬出する。サブセット1-1およびサブセット1-2は、一定の速度で移動し続ける搬送区画64に1つ飛ばしで(すなわち一定間隔に)送り込まれている。
【0072】
第2供給ライン10_2は、所定部数分のシートセット要素を、折り機構50_2を介して、搬送機構52に順次搬出する。この例では第2供給ライン10_2は、1つの冊子に含める複数のシートをサブセット2-1およびサブセット2-2の2つのシートセット要素に分けて搬出する。サブセット2-1およびサブセット2-2は、一定の速度で移動し続ける複数の搬送区画64に、1つ飛ばしで(すなわち一定間隔に)送り込まれている。詳しくは、サブセット2-1は、サブセット1-1が送り込まれた搬送区間に送り込まれてサブセット1-1に重ねられている。サブセット2-2は、サブセット1-2が送り込まれた搬送区間に送り込まれ、サブセット1-2に重ねられている。
【0073】
なお、冊子作成システム1が3以上の供給ラインを備える場合も、3つ以上の供給ラインのそれぞれから供給されるシートセット要素は、互いに同じ搬送区画に送り込まれてもよい。
【0074】
後続のシートセット形成機構30(図8では不図示)において、サブセット1-1およびサブセット1-2に、サブセット2-1およびサブセット2-2が重ねられる。つまり、4つのサブセットが重なったシートセットが形成される。
【0075】
変形例として、サブセット1-1およびサブセット1-2は、搬送区画64に連続に送り込まれてもよいし、2個、3個、・・・、またはn個飛ばしで送り込まれてもよい。
【0076】
図9は、搬送機構52の搬送区画へのシートセット要素の送り込みの別の例を示す図である。図8との相違点を中心に説明する。
【0077】
第1供給ライン10_1および第2供給ライン10_2は、第1の例と同様に、一定の速度で移動し続ける複数の搬送区画64に、それぞれ1つ飛ばしで送り込まれている。ただし、この例では、第1供給ライン10_1からのサブセット(すなわちシートセット要素)と、第2供給ライン10_2からのサブセットは、別々の搬送区画64に送り込まれている。詳しくは、サブセット1-1、サブセット2-1、サブセット1-2、サブセット2-2がこの順に連続で別々の搬送区画64に送り込まれている。
【0078】
なお、冊子作成システム1が3以上の供給ラインを備える場合も、3つ以上の供給ラインのそれぞれから供給されるシートセット要素は、互いに別々の搬送区画に送り込まれてもよい。
【0079】
冊子作成システム1は、ジョブ処理情報を記憶・蓄積し、それを出力可能であってもよい。出力先は、統合制御装置26を介した操作パネルやPCであってもよく、有線またはインターネット等の無線通信回線を通じた外部PCやスマートフォン等の外部端末であってもよい。ジョブ処理情報は、冊子作成システム1の実際の当該ジョブにおける稼働状況及びユーザによる入力情報から、作業開始時間、作業終了時間、その間に実際に冊子作成が行われた時間、作業準備に要した時間、発生したエラーの種類とその処理に要した時間、給送されたシートの枚数、作成された冊子数等を、ジョブ識別情報に紐づけて記憶する。さらに、これらの情報から、ジョブ全体に実際に要した時間Tと、装置が停止していた時間Tを算出し、T=(T-T)/Tを作業効率として算出し、ジョブごとに管理してもよい。停止していた時間Tを、休憩時間等の計画的休止時間T1A、シートの積載作業や部品交換作業等に要する作業上停止時間T1B、エラー停止とその処理に要する性能上停止時間T1C、等に分けてそれぞれ効率を算出し、より精密な分析を行ってもよい。また、実際の稼働時間のなかで、給送されたシートの枚数Nに占める、正常に作成された冊子数Nから、N/Nを効率として算出してもよい。ホストコンピュータに複数の冊子作成システム1を接続し、複数のシステムの効率を一括管理してもよいし、冊子作成システム1とは異なるシステムとともに管理してもよい。
【0080】
続いて、統合制御装置26の詳細な構成について説明する。
【0081】
図10は、統合制御装置26の機能構成を示すブロック図である。統合制御装置26は、取得部66と、表示制御部67と、メイン制御部(シートセット形成制御部)68と、を含む。取得部66は、所定の入力装置を介したユーザからの入力を取得する。取得部66は、例えば、各種の画面に対するユーザの入力を取得する。
【0082】
表示制御部67は、所定の表示装置に各種の画面を表示させる。例えば、表示制御部67は、後述する積載支援画面100を表示装置に表示させる。
【0083】
図11は、表示制御部67が所定の表示装置に表示する積載支援画面100を示す図である。積載支援画面100は、サブセットチェックボックス102と、サブセット数表示欄104と、サブセット数変更ボタン106と、給送部の配置レイアウト欄108と、グループ分け表示110と、積層順表示欄114と、を含む。
【0084】
各供給ライン10から供給される複数のシート(1つのシートセットに含めるべき複数のシート)を複数のサブセット(すなわち複数のシートセット要素)に分ける場合、サブセットチェックボックス102にチェックを入れる。サブセットチェックボックス102にチェックが入っている場合、各給ライン10における複数の給送部から送り出されるシートは、サブセット数表示欄104に表示されている数のサブセットすなわちシートセット要素に分けられる。図11の例では、各供給ライン10から供給される複数のシートは、3つサブセットすなわちシートセット要素に分けられる。すなわち、第1供給ライン10_1および第2供給ライン10_2のそれぞれから3つずつ(つまり計6つ)のシートセット要素が供給される。
【0085】
サブセットチェックボックス102にチェックが入っていない場合、各供給ライン10の複数の給送部から送り出されるシートは、サブセットには分けられず、1つのシートセット要素とされる。すなわち、第1供給ライン10_1および第2供給ライン10_2のそれぞれから1つずつ(つまり計2つ)のシートセット要素が供給される。なお、この場合を、サブセット数が1と捉えることもできる。
【0086】
サブセット数表示欄104には、1つのシートセットに対して各供給ライン10が供給するサブセットの数が表示される。サブセット数変更ボタン106のうちのプラスボタン106aをクリックするとサブセット数が1つずつ増加し、マイナスボタン106bをクリックするとサブセット数が1つずつ減少する。なお、サブセットチェックボックス102にチェックが入っていない場合、サブセット数表示欄104がグレーアウトされ、サブセット数の変更が不可能であってもよい。
【0087】
サブセット数には、例えば2以上の数を選択可能であってもよい。なお、サブセット数として1を選択可能であってもよいが、この場合はサブセットに分けられないことを意味する。すなわち、第1供給ライン10_1および第2供給ライン10_2のそれぞれから1つずつ(つまり計2つ)のシートセット要素が供給される。
【0088】
配置レイアウト欄108には、各供給ライン10の各丁合装置12の複数の給送部の配置レイアウトが表示される。
【0089】
配置レイアウト欄108には、特に限定されないが、上流側に位置する供給ライン10ほど左側に表示される。つまり、上流側に位置する第1供給ライン10_1(Line1)が左側に表示され、下流側に位置する第2供給ライン10_2(Line2)が右側に表示される。
【0090】
また、特に限定されないが、各供給ライン10において、上流側に位置する丁合装置12ほど右側に表示される。つまり、第1供給ライン10_1(Line1)において、右側の給送部(給送部11~給送部20)は丁合装置12B_1の給送部であり、左側の給送部(給送部1~10)は丁合装置12A_1の給送部である。また、第2供給ライン10_2(Line2)において、右側の給送部(給送部11~給送部20)は丁合装置12B_2の給送部であり、左側の給送部(給送部1~10)は丁合装置12A_2の給送部列である。
【0091】
グループ分け表示110は、複数の給送部を給送グループに分けるグループ分けを表示する。すなわち、グループ分け表示110は、複数の給送部のそれぞれがどの給送グループに属するのかを表示する。図11の例におけるグループ分け表示110は、配置レイアウト欄108の給送部を囲む太線の枠であり、給送グループごとで別々の枠で囲んでいる。逆に言えば同じ給送グループの給送部は同じ枠で囲まれている。配置レイアウト欄108に重ねて給送グループのグループ分けを表示することで、どの給送部がどの給送グループに属するかをひと目で把握できる。
【0092】
グループ分け表示110の枠は、特に限定されないが、少なくとも同じ供給ライン10において、給送グループごとで別々の色となるように色分け表示される。図11の例では、1つの供給ライン10を3つの給送グループに分け、それぞれ、第1の色の枠、第2の色の枠、第3の色の枠で囲んでいる。第1の色、第2の色、第3の色はそれぞれ、例えば赤色、緑色、青色のように、視覚的に区別可能な色である。給送グループが増加した場合はそれに応じて枠の色の種類も増加する。
【0093】
グループ分け表示110は、枠による表示に限定されない。例えばグループ分け表示110は、配置レイアウト欄108における給送部の表示の背景色や背景模様によるグループ分けであってもよい。つまり、給送部グループごとで、給送部の表示の背景色や背景模様を異ならせてもよい。
【0094】
各供給ライン10の複数の給送部は、サブセット数表示欄104に表示されるサブセット数と同数の給送グループに分けられる。1つの給送グループに属する給送部から送り出されたシートが重ねられて1つのサブセット(シートセット要素)が形成される。逆に言えば「給送グループ」は、1つのサブセットを形成するシートを送り出す給送部(棚)の組に相当する。
【0095】
図11の例では、第1供給ライン10_1(Line1)の20個の給送部は、丁合装置12B_1の給送部11~20の10個の給送部を含む給送グループ(枠の色:第3の色)と、丁合装置12A_1の給送部6~10の5個の給送部を含む給送グループ(枠の色:第2の色)と、丁合装置12A_1の給送部1~5の5個の給送部を含む給送グループ(枠の色:第1の色)と、の3つの給送グループに分けられている。したがって、この場合、第1供給ライン10_1は、丁合装置12B_1の給送部11~20から送り出された10枚のシートが重ねられたシートセット要素と、丁合装置12A_1の給送部6~10から送り出された5枚のシートが重ねられたシートセット要素と、丁合装置12A_1の給送部1~5から送り出された5枚のシートが重ねられたシートセット要素と、の3つのシートセット要素を供給する。
【0096】
第2供給ライン10_2(Line2)の20個の給送部は、丁合装置12B_2の給送部16~20の5個の給送部を含む給送グループ(枠の色:第3の色)と、丁合装置12B_2の給送部11~15の5個の給送部を含む給送グループ(枠の色:第2の色)と、丁合装置12A_2の給送部1~10の10個の給送部を含む給送グループ(枠の色:第1の色)と、の3つの給送グループに分けられている。したがって、この場合、第2供給ライン10_2は、丁合装置12B_2の給送部16~20から送り出された5枚のシートが重ねられたシートセット要素と、丁合装置12B_2の給送部11~15から送り出された5枚のシートが重ねられたシートセット要素と、丁合装置12A_2の給送部1~10から送り出された10枚のシートが重ねられたシートセット要素と、の3つのシートセット要素を供給する。
【0097】
給送グループのグループ分けは、所定の入力装置を介したユーザによる入力に基づいて変更できる。つまり、給送グループに属する給送部の数、ひいてはサブセット(シートセット要素)に含まれるシートの枚数を、所定の入力装置を介したユーザによる入力に基づいて変更できる。図11の例では、境界チェックボックス112への入力に基づいて変更できる。
【0098】
各供給ライン10の複数の境界チェックボックス112には、サブセット数表示欄104に表示されているサブセット数と同数のチェックを入れることができる。図11の例では、各供給ライン10に、3つのチェックを入れることができる。
【0099】
サブセットチェックボックス102にチェックを入れたら、サブセット数と同数のチェックが自動で適当な位置に入れられてもよい。この場合、ユーザは、チェックを入れる位置を適宜変更すればよい。
【0100】
境界チェックボックス112にチェックが入っている給送部と、その下隣りの給送部との間が給送グループの境界となる。別の言い方をすると、境界チェックボックス112にチェックが入っていない給送部は、当該給送部の下隣の給送部と同じ給送グループに属し、境界チェックボックス112にチェックが入っている給送部は、当該給送部の下隣の給送部と別の給送グループに属する。これらにおいて、一番下の給送部の境界チェックボックスにチェックが入っている場合は、「下隣の給送部」を、「上流側に隣接する(図11における右隣の)丁合装置の一番上の給送部」と読み替えればよい。
【0101】
積層順表示欄114には、複数の給送部から送り出されるシートによって作成されるシートセットにおける、給送グループ単位(すなわちサブセット単位)での積層順が表示される。なお、サブセット数が1の場合には、積層順表示欄114に供給ライン単位での積層順が表示されると捉えることもできる。
【0102】
図11の例では、上から順に、以下のように積層されることが表示されている。
Line2の給送部1~10の給送グループ(第1の色で表示)
Line1の給送部1~5の給送グループ(第1の色で表示)
Line2の給送部11~15の給送グループ(第2の色で表示)
Line1の給送部6~10の給送グループ(第2の色で表示)
Line2の給送部16~20の給送グループ(第3の色で表示)
Line1の給送部11~20の給送グループ(第3の色で表示)
【0103】
ところで、各供給ライン10から供給されるサブセットの重ね合わせ方式については、例えば以下の3つの方式が考えられる。
【0104】
(方式1)図8の重ね合わせの方式であって、上流側の第1供給ライン10_1が供給するサブセットが送り込まれた搬送区画に下流側の第2供給ライン10_2が供給するサブセットを送り込んで搬送区画においてそれらを重ねる方式である。
【0105】
(方式2)図9の重ね合わせの方式であって、上流側の第1供給ライン10_1が供給するサブセットが送り込まれた搬送区画よりも上流側の搬送区画に、下流側の第2供給ライン10_2が供給するサブセットを送り込み、シートセット形成機構30においてそれらを重ねる方式である。
【0106】
(方式3)上流側の第1供給ライン10_1が供給するサブセットが送り込まれた搬送区画よりも下流側の搬送区画に、下流側の第2供給ライン10_2が供給するサブセットを送り込み、シートセット形成機構30においてそれらを重ねる方式である。
【0107】
重ね合わせの方式として方式1または方式2が採用される場合、各供給ライン10から供給されるサブセットは、図11の積層順表示欄114の表示例のように積層される。逆に言えば、図11の表示例は、方式1または方式2が採用されている場合の表示例である。
【0108】
なお、方式3が採用される場合、各供給ライン10から供給されるサブセットは、上から順に、以下のように積載される。
Line1の給送部1~5の給送グループ(第1の色で表示)
Line2の給送部1~10の給送グループ(第1の色で表示)
Line1の給送部6~10の給送グループ(第2の色で表示)
Line2の給送部11~15の給送グループ(第2の色で表示)
Line1の給送部11~20の給送グループ(第3の色で表示)
Line2の給送部16~20の給送グループ(第3の色で表示)
【0109】
重ね合わせの方式は、変更不可能に予め決められていてもよいし、ユーザが選択できてもよい。
【0110】
積層順表示欄114の表示では、特に限定されないが、給送グループの表示は、少なくとも同じ供給ライン10における他の給送グループの表示とは別の色となるように色分け表示される。
【0111】
好ましくは、積層順表示欄114およびグループ分け表示110において、同じ給送グループには同じ色が付されるように色分けされる。例えば図11の表示例において、積層順表示欄114における第1供給ライン10_1(Line1)の給送部1~5の給送グループの表示(積層順表示欄114において上から二番目の給送グループの表示)は、配置レイアウト欄108の第1供給ライン10_1(Line1)の給送部1~5を囲むグループ分け表示110の枠(一番左上の枠)と同じ第1の色で表示される。この場合、どの給送部の給送グループから送り出されたシートのサブセット(シートセット要素)が、シートセットにおいてどの位置に積層されるかをひと目で把握できる。
【0112】
なお、積層順表示欄114における表示は、色分け表示されず、文字や記号による表示だけであってもよい。
【0113】
図11の例では、積層順表示欄114における表示は、上から順に第1の色が2つ、第2の色が2つ、第3の色が2つの順に表示されている。したがって、上から順に色の変化は第1→第2、第2→第3の2回である。色数は3つであり、サブセット数表示欄104に表示されたサブセットの数と同じである。第1、第2供給ライン10_1、10_2のそれぞれに、その3色が割り振られ、シートセットを形成するとき、同じ色のサブセット同士が重なるようになっている。こうすることにより、色数と、積層順表示欄114における色の変化の回数を最低限に抑制し、見やすい表示とすることができる。
【0114】
図10に戻り、メイン制御部68は、取得部66がスタート指示を取得すると、各装置(機構)にスタート信号や各装置を作動させるための作動信号を送信する。メイン制御部68は特に、積載支援画面100において入力された給送グループのグループ分けにしたがって各供給ライン10の各丁合装置12の各給送部の給送タイミングを制御して給送グループごとのサブセットを形成し、積載支援画面100に表示された積載順でサブセットが重なったシートセットを形成する。
【0115】
いずれかの給送部においてシートが1枚も積載されていない(すなわちシート無しの状態の)場合の取り扱いは特に限定されず、適宜の処理がなされればよい。なお、シート無しか否かは、例えば給送部ごとに適宜のセンサを設けて検出すればよい。
【0116】
例えば、メイン制御部68は、或る給送グループに属する一部の給送部がシート無しの状態の場合、当該一部の給送部からのシートの送り出しのみをスキップしてもよいし、当該給送グループに属する全ての給送部からのシートの送り出しをスキップしてもよいし、全ての給送グループからのシートの送り出しを停止(すなわちエラーとしてジョブを停止)してもよい。
【0117】
また例えば、メイン制御部68は、或る給送グループに属する全ての給送部がシート無しの状態の場合、当該給送グループからのシートの送り出しをスキップしてもよいし、全ての給送グループからのシートの送り出しを停止(すなわちエラーとしてジョブを停止)してもよい。
【0118】
また例えば、積載支援画面100において、シート無し状態の給送部は、使用対象外として、いずれの給送グループにも属さないようにあるいは属せないようにしてもよい。例えば、先にシート束を給送部に積載してからグループ分けする場合に有利な構成である。
【0119】
また、給送部ごとに、使用/不使用を設定できてもよい。積載支援画面100において、不使用の給送部はいずれの給送グループにも属さないようにあるいは属せないようにしてもよい。使用/不使用の設定は、給送部にスイッチが設けられ、そのスイッチを操作することで設定できてもよいし、表示部に表示される所定の外面において設定できてもよい。
【0120】
次に、給送部に関するさらなる特徴を説明する。図12は、給送部38の斜視図である。その内部に報知部90としての光源90を備える。給送部38は、給送方向(矢印の方向)における上流側を向いた発光窓38aと、上流側から給送方向に見て左側を向いた発光窓38bとを有し、これらの発光窓から光源90からの光が出射される。
【0121】
光源90は、例えばフルカラーの光源(例えばフルカラーLED)であってもよい。この場合、光源90を、積載支援画面100のグループ分け表示100または積層順表示欄114における色分け表示と同じ色に発光させてもよい。例えば図11の例では、Line2の給送部1~10とLine1の給送部1~5に相当する給送部38においては第1の色、Line2の給送部11~15とLine1の給送部6~10に相当する給送部38においては第2の色、Line2の給送部16~20とLine1の給送部11~20に相当する給送部38においては第3の色で発光させてもよい。
【0122】
積載支援画面100において配置レイアウト欄108のいずれかの給送部の表示を選択した場合に、対応する給送部38の光源90を点灯させてもよい。また、積載支援画面100においていずれかの給送グループのグループ分け表示110を選択した場合に、当該給送グループに属する給送部38の光源90を点灯させてもよい。また、積載支援画面100において、積層順表示欄114のいずれかの給送グループ(サブセット)を選択した場合、当該給送グループに属する給送部38の光源90を点灯させてもよい。これらの場合、光源90は単色の光源であってもよいし、フルカラーの光源であってもよい。光源90がフルカラーの光源の場合、積載支援画面100において選択した給送部等の色で点灯してもよい。
【0123】
積載支援画面100において所定の操作をする(例えば所定のボタンをクリックする)たびに、積層順表示欄114に表示される積層順に、給送グループの給送部38を点灯させてもよい。これにより、積層順表示欄114に表示される積層順に、シート束を給送部に積載できる。
【0124】
変形例として、光源90は丁合装置の筐体側に設けられてもよい。
【0125】
また、積載支援画面100において選択された給送部に対応する給送部38を報知できればよく、したがって報知部は光源90に限定されない。例えば報知部は、小型の表示部(例えばタッチパネル)であってもよい。この場合、表示部には、光源90の場合と同様の色を表示してもよいし、積載支援画面100において選択された給送部等に関する文字や記号等を表示してもよい。
【0126】
以上説明した本実施の形態によれば、積載支援画面100に、複数の供給ライン10における複数の給送部を給送グループに分けるグループ分けと、シートセットにおける給送グループ単位での積載順とが表示されるため、複数の供給ライン10におけるシートの積載位置とシートセットひいては冊子における積載位置との関係を容易に把握できる。
【0127】
また、本実施の形態によれば、積載支援画面100でのグループ分けの表示と、積載順の表示とにおいて、同じ給送グループには同じ色が付され、異なる給送グループには互いに異なる色が付されるように色分け表示される。これにより、各給送グループのサブセットが、シートセットひいては冊子においてどこに位置するかひと目で把握できる。
【0128】
また、本実施の形態によれば、給送グループのグループ分けは、ユーザによる入力に基づいて変更できる。つまり、給送グループに属する給送部の数、ひいてはサブセット(シートセット要素)に含まれるシートの枚数を、ユーザによる入力に基づいて変更できる。これにより、厚いシートを含むサブセット(シートセット要素)はシートの枚数を少なくし、そうではないサブセットはシートの枚数の多くするなどして、サブセットの厚さを調整できる。例えば、折り機構50において適切に折り目を付けることが可能な厚みに調整できる。
【0129】
また、本実施の形態によれば、各供給ライン10からのシートの供給を並列化でき、かつ、各供給ライン10からのシートの供給において、1つのシートセットに含めるべき複数枚のシートを複数のシートセット要素に分けて供給することができる。つまり、処理を高速化しつつも(すなわち単位時間当たりに作成可能な冊子の数を上昇させつつも)、適切に折り目を付けることができる。
【0130】
また、本実施の形態によれば、複数の束に分けて供給されるシートセット要素は、互いに別々の搬送区画に送り込まれる。この場合、搬送機構52の搬送ベルト58は移動し続けることになる。逆に言えば、搬送機構52の搬送ベルト58を停止させなくて済む。つまり本実施の形態によれば、搬送ベルト58の駆動・停止の繰り返しによる時間のロスが生じないため、処理を高速化できる。
【0131】
また、本実施の形態によれば、複数に分けて供給されるシートセット要素は、搬送区画に連続にまたはn個(n≧1)飛ばしで送り込まれる。この場合、搬送機構52の搬送ベルト58は一定の速度で移動し続けることになる。逆に言えば、搬送機構52の搬送ベルト58の速度を変化させずに済む。したがって、本実施の形態によれば、搬送機構52の制御が容易になる。
【0132】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0133】
(変形例1)
実施の形態では、供給ラインごとで、給送グループひいてはサブセットの数が同じ場合について説明したが、これには限定されず、供給ラインごとで別々の数を選択できてもよい。
【0134】
(変形例2)
実施の形態および上述の変形例とは異なり、積層順を任意に変更できてもよい。例えば、積載支援画面100の積層順表示欄114において、例えばドラッグアンドドロップなどの操作によって、積層順を任意に変更できてもよい。この場合、メイン制御部68は、積層順表示欄114に表示される積層順でサブセットが積載されるように、各供給ライン10が各サブセットを供給するタイミングを調整すればよい。
【0135】
(変形例3)
実施の形態では、複数の供給ライン10がいずれも丁合装置12を備える場合について説明したが、これには限定されず、複数の供給ライン10のうちの少なくとも1つは、丁合装置12に代えて、例えばシートフィーダを備えてもよいし、また例えばプリンタを備えてもよい。シートフィーダは、積載されたシートの束から1枚ずつシートを送り出す。プリンタは、1枚ずつシートに印刷して送り出す。これらの場合、例えば折り装置16が折り機構50(図2で後述)よりも上流側に、1枚ずつ送り出されたシートを蓄積してシートセット要素を形成する蓄積機構を備え、このシートセット要素を搬送区画64に供給すればよい。蓄積機構は、適切に折り目を付けることができる枚数のシートを含むシートセット要素を作成して搬送区画64に供給すればよい。
【0136】
(変形例4)
実施の形態では、搬送ベルト58が一定速度で移動し続ける場合について説明したが、これには限定されない。搬送ベルト58ひいては搬送区画64は、移動されたり、停止されたりしてもよい。この場合、或る供給ラインにおいて、1つのシートセットに含めるべき複数のシートを複数のシートセット要素に分けて供給する場合に、それらを同じ搬送区画64に送り込んで搬送区画64において重ねることが可能となる。
【0137】
(変形例5)
実施の形態では、折り機構50が供給ラインに対応して設けられる場合、すなわち折り機構50が供給ライン10と搬送機構52との間に設けられる場合について説明したが、これには限定されず、搬送機構52の下流側に設けられてもよい。この場合、搬送区画に送り込まれたシートセット要素ごとに、折り機構50で折り目を付ければよい。
【0138】
(変形例6)
合流点の直前の位置に、プッシャ62を検知するセンサと、折り部を通過するシートを検知するセンサを設け、両者の検知タイミングから、折り部から送られてくるシートの、搬送区画に対する、到来タイミングの相違を算出し、自動的に給送タイミングにフィードバックするようにしてもよい。すなわち、プッシャ62の到来に対して折り部を通過するシートの到来が、理想値より所定時間早い場合は、給送機構42の駆動タイミングを所定時間遅らせる。プッシャ62の到来に対して折り部を通過するシートの到来が、理想値より所定時間遅い場合は、給送機構42の駆動タイミングを所定時間早める。この制御により、合流点において常時適切なタイミングで合流させることができる。
【0139】
(変形例7)
第1供給ライン10_1から供給されるシートセット要素のx方向のサイズと、第2供給ライン10_2から供給されるシートセット要素のx方向のサイズとが、異なっていてもよい。折り装置16に含まれる方向変換機構には、x方向に搬送されてきたシートセット要素のx方向先端を当接させ停止させるストッパが含まれる。このストッパは、x方向に移動可能に設けられ、シートセット要素のx方向のサイズに応じた位置にあらかじめ移動する。その位置は、ストッパに当接したシートセット要素の折り曲げられるべきラインが、折り機構50による折ラインと一致する位置である。したがって、同一のシートセットすなわち同一の冊子内に、x方向のサイズが異なるシートが混在している場合でも、処理中にストッパを移動させる必要がない。
【0140】
(変形例8)
実施の形態では、1つのシートセットに含めるために、1つの供給ラインから供給されるべき複数のシートを複数のシートセット要素に分けて供給する場合について説明したが、1つのシートセットに含まれるシートの枚数が少ない場合には、分けずに一度に供給する制御を可能としてもよいことはもちろんである。さらにそのような場合は、1つのシートセットに含まれるシートを第1、第2供給ライン10_1、10_2のそれぞれに積載し、第1供給ライン10_1から供給されたシートセット要素を綴じる作業と、第2供給ライン10_2から供給されたシートセット要素を綴じる作業とを交互に行ってもよい。この場合、第1供給ライン10_1から供給されたシートセット要素からなるシートセットと、第2供給ライン10_2から供給されたシートセット要素からなるシートセットとは、同一であっても異なってもよいが、異なっている場合は、異なる内容のシートセットが交互に排出されることになるので、これを適宜振り分ける機構を下流側に設けることが好ましい。
【0141】
上述した実施例および変形例の任意の組み合わせもまた本開示の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施例および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施例および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。例えば、請求項に記載の制御部の機能は、実施の形態の丁合制御部70、折り制御部72、搬送制御部74およびシートセット形成制御部76の組み合わせにより実現されてもよい。
【符号の説明】
【0142】
1 冊子作成システム、 10 供給ライン、 12 丁合装置、 26 統合制御装置、 67 表示制御部、 100 積載支援画面。
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