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  • 特開-汎用エンジンの回転数制御装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018409
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】汎用エンジンの回転数制御装置
(51)【国際特許分類】
   F02D 29/00 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
F02D29/00 B
F02D29/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121739
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】317019683
【氏名又は名称】三菱重工メイキエンジン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】仲出川 大補
(72)【発明者】
【氏名】木村 隆宏
(72)【発明者】
【氏名】小牧 真也
【テーマコード(参考)】
3G093
【Fターム(参考)】
3G093AA08
3G093AB04
3G093BA04
3G093BA24
3G093DA01
3G093DA04
3G093EA03
3G093EA12
3G093FB01
3G093FB02
(57)【要約】
【課題】汎用エンジンのオーバーヒートを回避することができる。
【解決手段】動力が遠心クラッチを介して作業機の駆動体に伝達されるように構成される汎用エンジンに設けられ、汎用エンジンの回転数を制御する汎用エンジンの回転数制御装置は、汎用エンジンの回転数を取得する回転数取得部と、回転数取得部が取得する汎用エンジンの回転数に基づいて、汎用エンジンの燃焼を制御する燃焼制御部と、を備え、遠心クラッチがスリップしないで連結している汎用エンジンの回転数を第1回転数とし、第1回転数より大きく、且つ汎用エンジンの最大出力回転数より小さい回転数である第2回転数であって、所定時間継続して運転すると汎用エンジンがオーバーヒート状態になる回転数を第2回転数とすると、燃焼制御部は、回転数取得部が取得する汎用エンジンの回転数が第1回転数と第2回転数との間に含まれると、汎用エンジンの燃焼を抑制する燃焼抑制制御を実行するように構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力が遠心クラッチを介して作業機の駆動体に伝達されるように構成される汎用エンジンに設けられ、前記汎用エンジンの回転数を制御する汎用エンジンの回転数制御装置であって、
前記汎用エンジンの前記回転数を取得する回転数取得部と、
前記回転数取得部が取得する前記汎用エンジンの前記回転数に基づいて、前記汎用エンジンの燃焼を制御する燃焼制御部と、を備え、
前記遠心クラッチがスリップしないで連結している前記汎用エンジンの前記回転数を第1回転数とし、前記第1回転数より大きく、且つ前記汎用エンジンの最大出力回転数より小さい回転数である第2回転数であって、所定時間継続して運転すると前記汎用エンジンがオーバーヒート状態になる回転数を第2回転数とすると、
前記燃焼制御部は、前記回転数取得部が取得する前記汎用エンジンの前記回転数が前記第1回転数と前記第2回転数との間に含まれると、前記汎用エンジンの燃焼を抑制する燃焼抑制制御を実行するように構成される、
汎用エンジンの回転数制御装置。
【請求項2】
前記第2回転数は、前記汎用エンジンの前記最大出力回転数の90%より小さい、
請求項1に記載の汎用エンジンの回転数制御装置。
【請求項3】
前記回転数取得部が取得する前記汎用エンジンの前記回転数が前記第1回転数と前記第2回転数との間に含まれている時間をカウントするタイマー部をさらに備え、
前記燃焼制御部は、前記タイマー部の値が予め設定されている設定時間を超えると、前記燃焼抑制制御を実行する、
請求項1又は2に記載の汎用エンジンの回転数制御装置。
【請求項4】
前記汎用エンジンがアイドル運転する際のアイドル回転数よりも大きく、且つ前記第1回転数よりも小さい前記汎用エンジンの前記回転数を燃焼抑制停止回転数とし、
前記燃焼制御部が前記燃焼抑制制御を実行した後に、前記回転数取得部が取得する前記汎用エンジンの前記回転数が前記燃焼抑制停止回転数よりも小さくなると、前記燃焼抑制制御を停止させる燃焼抑制停止部をさらに備える、
請求項1又は2に記載の汎用エンジンの回転数制御装置。
【請求項5】
前記燃焼抑制停止部が前記燃焼抑制制御を停止させた後に、前記回転数取得部が取得する前記汎用エンジンの前記回転数が前記燃焼抑制停止回転数よりも大きくなると、前記燃焼制御部が前記燃焼抑制制御を再び実行する、
請求項4に記載の汎用エンジンの回転数制御装置。
【請求項6】
前記アイドル回転数よりも大きく、且つ前記燃焼抑制停止回転数よりも小さい前記汎用エンジンの前記回転数を回復回転数とすると、
前記汎用エンジンが前記回復回転数以下で回転する回数をカウントする回数カウンター部をさらに備え、
前記燃焼抑制停止部が前記燃焼抑制制御を停止させた後に、前記回数カウンター部によってカウントされた前記回数が予め設定された設定回数未満であり、且つ、前記回転数取得部が取得する前記汎用エンジンの前記回転数が前記燃焼抑制停止回転数よりも大きくなると、前記燃焼制御部が前記燃焼抑制制御を再び実行する、
請求項5に記載の汎用エンジンの回転数制御装置。
【請求項7】
前記汎用エンジンは、前記燃焼抑制制御の実行を報知する報知装置をさらに備える、
請求項1又は2に記載の汎用エンジンの回転数制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、汎用エンジンの回転数制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
草刈機などの作業機には、運転状態に応じて汎用エンジンを制御する制御装置が設けられていることがある。例えば、特許文献1には、汎用エンジンの実際の回転数が、遠心クラッチの連結が始まる回転数から遠心クラッチがスリップなしの連結状態になる回転数までの回転数帯域に滞留する時間を監視し、この滞留時間が所定の値を超えると汎用エンジンの実際の回転数が回転数帯域外になるように燃焼過程を制御することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-118499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、作業機(草刈機)は汎用エンジンの動力によって駆動する駆動体(刈刃や車輪)を備えているが、この駆動体に作用する負荷によって汎用エンジンが昇温し、汎用エンジンのオーバーヒートを招く虞がある。しかしながら、特許文献1に記載の技術は、遠心クラッチのスリップによる遠心クラッチの熱的負荷を抑制するものであって、汎用エンジンのオーバーヒートを回避するものではない。
【0005】
本開示は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、汎用エンジンのオーバーヒートを回避することができる汎用エンジンの回転数制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係る汎用エンジンの回転数制御装置は、動力が遠心クラッチを介して作業機の駆動体に伝達されるように構成される汎用エンジンに設けられ、前記汎用エンジンの回転数を制御する汎用エンジンの回転数制御装置であって、前記汎用エンジンの前記回転数を取得する回転数取得部と、前記回転数取得部が取得する前記汎用エンジンの前記回転数に基づいて、前記汎用エンジンの燃焼を制御する燃焼制御部と、を備え、前記遠心クラッチがスリップしないで連結している前記汎用エンジンの前記回転数を第1回転数とし、前記第1回転数より大きく、且つ前記汎用エンジンの最大出力回転数より小さい回転数である第2回転数であって、所定時間継続して運転すると前記汎用エンジンがオーバーヒート状態になる回転数を第2回転数とすると、前記燃焼制御部は、前記回転数取得部が取得する前記汎用エンジンの前記回転数が前記第1回転数と前記第2回転数との間に含まれると、前記汎用エンジンの燃焼を抑制する燃焼抑制制御を実行するように構成される。
【発明の効果】
【0007】
本開示の汎用エンジンの回転数制御装置によれば、汎用エンジンのオーバーヒートを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る回転数制御装置を含む作業機の構成を概略的に示す図である。
図2】一実施形態に係る回転数制御装置の概略的な機能ブロック図である。
図3】一実施形態に係る第2回転数を説明するための図である。
図4】一実施形態に係る回転数制御装置による汎用エンジンの回転数制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態による汎用エンジンの回転数制御装置について、図面に基づいて説明する。かかる実施の形態は、本開示の一態様を示すものであり、この開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0010】
本開示に係る汎用エンジンの回転数制御装置は、動力が遠心クラッチを介して作業機の駆動体に伝達されるように構成される汎用エンジンに設けられており、汎用エンジンの回転数を制御する。本開示では、作業機が利用者によって携行される草刈機(いわゆる歩行型の草刈機)である場合を例にして説明するが、作業機を歩行型の草刈機に限定するものではない。また、作業機は草刈機に限定されず、茶刈機や刈払機等であってもよく、汎用エンジンは茶刈機や刈払機等の動力源として用いられる。
【0011】
<作業機の構成>
図1は、一実施形態に係る汎用エンジン101の回転数制御装置1(以下、単に回転数制御装置1と記載する)を含む作業機100(草刈機)の構成を概略的に示す図である。図1に例示するように、作業機100は、汎用エンジン101と、遠心クラッチ102と、駆動体104(刈刃や車輪)と、ハンドル106と、スロットルレバー108と、回転数制御装置1と、を含む。
【0012】
汎用エンジン101は、燃料の燃焼によって動力を出力可能であれば特に限定されず、例えば、2サイクルのレシプロエンジンである。図1に例示する形態では、汎用エンジン101は、エンジン本体120と、点火プラグ122と、ファン124と、報知装置126と、を含んでいる。
【0013】
エンジン本体120は、内部に燃料と空気とを含む混合気Gを燃焼させる燃焼室123が形成されているシリンダ128と、燃焼室123内に配置されているピストン130と、コネクティングロッド132を介してピストン130と接続されているクランク軸134と、を有している。
【0014】
点火プラグ122は、エンジン本体120に取り付けられており、燃焼室123内の混合気Gに点火する。一実施形態では、点火プラグ122は、回転数制御装置1と電気的に接続されており、回転数制御装置1からの電圧印加により飛火する。
【0015】
ファン124は、例えば、遠心式の冷却ファンであり、クランク軸134が回転することで汎用エンジン101に冷却用空気(外気)を供給するよう構成されている。
【0016】
報知装置126は、作業機100の利用者に後述する燃焼抑制制御の実行を報知するものであり、例えば、音による報知が可能なスピーカや、視覚的な報知が可能なディスプレイや点灯装置(例えばLED)である。一実施形態では、報知装置126は、ハンドル106に取り付けられており、回転数制御装置1と電気的に接続されている。報知装置126は、回転数制御装置1から送信される指示に従って報知を行う。
【0017】
遠心クラッチ102は、駆動体104が接続されている駆動軸136及びクランク軸134のそれぞれと接続されており、クランク軸134の回転数に応じて駆動軸136とクランク軸134とを連結して、汎用エンジン101の動力を駆動体104に伝達する。クランク軸134が無回転、又は低回転であるときには、駆動軸136とクランク軸134とは互いに非連結であり、汎用エンジン101の動力は駆動体104に伝達されない。具体的な遠心クラッチ102の構成例として、図1に例示する形態では、遠心クラッチ102は、クランク軸134と接続されている担持体102Aと、駆動軸136と接続され、担持体102Aを包み込んでいるクラッチドラム102Bと、を含んでいる。このような遠心クラッチ102は、クランク軸134の回転数に応じて担持体102Aに発生する遠心力をクラッチドラム102Bに作用させることで、駆動軸136を介して汎用エンジン101の動力を駆動体104に伝達する。
【0018】
以下では、クランク軸134の回転数を汎用エンジン101の回転数(回転速度)として説明する。幾つかの実施形態では、汎用エンジン101の回転数は、クランク軸134の回転数から予め定められた方法によって算出される。尚、汎用エンジン101の回転数は、クランク軸134以外の作業機100の構成要素から取得、または算出されてもよい。
【0019】
駆動体104は、遠心クラッチ102を介して伝達された汎用エンジン101の動力によって回転する。
【0020】
ハンドル106は、作業機100の利用者が把持可能に構成されている。スロットルレバー108は、燃焼室123に供給される混合気Gの量を調節するスロットルバルブ138に接続されている。スロットルレバー108は、ハンドル106に揺動可能に支持されており、利用者がスロットルレバー108を操作することでスロットルバルブ138の開度が調節される。以下、利用者が作業機100を通常運転している(例えば、草を刈っている)際には、スロットルバルブ138の開度は全開に調節されているものとする。
【0021】
回転数制御装置1は、汎用エンジン101の回転数を制御する。このような回転数制御装置1は、電子制御装置などのコンピュータであって、たとえば図示しないCPUやGPUといったプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、及びI/Oインターフェイスなどを備える。回転数制御装置1は、メモリにロードされたプログラムの命令に従ってプロセッサが動作(演算等)することで、回転数制御装置1が備える各機能部を実現する。図2を参照して、一実施形態に係る回転数制御装置1の各機能部について説明する。
【0022】
(構成)
図2は、一実施形態に係る回転数制御装置1の概略的な機能ブロック図である。図2に例示するように、回転数制御装置1は、回転数取得部2と、燃焼制御部4と、タイマー部6と、燃焼抑制停止部8と、回数カウンター部10と、を含む。
【0023】
回転数取得部2は、汎用エンジン101の回転数(クランク軸134の回転数)を取得する。一実施形態では、図1に例示するように、作業機100は、クランク軸134の回転数を出力する回転センサ140を備えており、この回転センサ140は回転数制御装置1と電気的に接続されている。このため、図2に例示するように、回転数取得部2は、回転センサ140の出力値(汎用エンジン101の回転数)を取得できるようになっている。以下では、回転数取得部2が取得する汎用エンジン101の回転数を実回転数Xと記載する。
【0024】
回転センサ140は、例えば、クランク軸と共に回転する磁石と、共に回転しないコイルにより構成され、クランク軸134の回転に伴う磁束の変化をコイルのインピーダンスの変化として検出する。一実施形態では、クランク軸134の1回転中に1つのパルス(波形の変位が大きく変化する部分)が出現しているものとする。
【0025】
燃焼制御部4は、実回転数Xに基づいて、汎用エンジン101の燃焼を制御する。この燃焼制御部4は、実回転数Xが第1回転数X1と第2回転数X2との間に含まれると、汎用エンジン101の燃焼を抑制する燃焼抑制制御を実行するように構成される。
【0026】
第1回転数X1は、遠心クラッチ102がスリップしないで連結している汎用エンジン101の回転数(クランク軸134の回転数)の範囲のうち下限値である。遠心クラッチ102がスリップしていない状態とは、クラッチ伝達トルクTcがエンジントルクTeより大きくなっている状態であり、例えば、クランク軸134の回転数と駆動体104の回転数とを比較することで、遠心クラッチ102がスリップしている状態か否かを判定することができる。
【0027】
第2回転数X2は、第1回転数X1より大きく、汎用エンジン101の最大出力回転数Xoより小さく、且つ駆動体104に負荷が作用している状態で所定時間継続して運転すると汎用エンジン101がオーバーヒート状態になる汎用エンジン101の回転数である。
【0028】
第2回転数X2について具体的に説明する。図3は、一実施形態に係る第2回転数X2を説明するための図である。図3には、汎用エンジン101の回転数に対するクラッチ伝達トルクTc(実線)、エンジントルクTe(二点鎖線)、及びエンジン出力Oe(一点鎖線)のそれぞれが図示されている。尚、図3には、スロットルバルブ138が全開になっている場合のエンジントルクTe、及びエンジン出力Oeが図示されている。
【0029】
一実施形態では、図3に例示するように、第1回転数X1は、クラッチ伝達トルクTcとエンジントルクTeとが互いに等しくなる回転数である。クラッチ伝達トルクTcは、汎用エンジン101の回転数が第1回転数X1よりも大きくなるにつれて単調増加している。一方で、エンジントルクTeは、汎用エンジン101の回転数が第1回転数X1よりも大きくなるにつれて減少している。図3に例示する形態では、第1回転数X1は4000rpmである。
【0030】
ところで、クラッチ伝達トルクTcは、汎用エンジン101の回転数が第1回転数X1よりも小さくなるにつれて単調減少している。つまり、汎用エンジン101の回転数がX1よりも小さくなると遠心クラッチ102のスリップが発生する。そして、汎用エンジン101の回転数が駆動軸136とクランク軸134とが互いに非連結となるまで減少したら、クラッチ伝達トルクTcの大きさは一定(ゼロ)になっている。
【0031】
一実施形態では、図3に例示するように、エンジン出力Oeは、汎用エンジン101の回転数が第1回転数X1よりも大きくなるにつれて単調増加し、最大出力回転数Xoになると最大となっている。そして、エンジン出力Oeは、汎用エンジン101の回転数が最大出力回転数Xoよりも大きくなるにつれて単調減少している。汎用エンジン101の回転数は、作業機100を通常運転させ、且つ駆動体104に負荷が作用しない場合には、定格回転数Xmaxになる。一実施形態では、最大出力回転数Xoは定格回転数Xmaxよりも小さい。図3に例示する形態では、最大出力回転数Xoは6500rpmであり、定格回転数Xmaxは7500rpmである。
【0032】
上述したように、第2回転数X2は、第1回転数X1よりも大きく、且つ最大出力回転数Xoよりも小さい。図3に例示する形態では、第2回転数X2は5000rpmである。
【0033】
作業機100を通常運転させている際に駆動体104に負荷が作用しても、実回転数Xが5000rpm(第2回転数X2)よりも大きければ、汎用エンジン101の昇温は抑制され、汎用エンジン101のオーバーヒートは発生しない。これは、駆動体104に作用する負荷が比較的小さい、且つ、クランク軸134の回転数が比較的大きくファン124による汎用エンジン101の冷却効果も十分に高いためである。このように、一実施形態では、第2回転数X2は、汎用エンジン101の冷却特性により汎用エンジン101がオーバーヒート状態となる虞のある回転数である。
【0034】
一方で、作業機100を通常運転させている際に駆動体104に負荷が作用し、実回転数Xが5000rpm(第2回転数X2)よりも小さく、4000rpm(第1回転数X1)よりも大きい領域Aにまで低減されると、汎用エンジン101の昇温が促進され、汎用エンジン101のオーバーヒートを発生させる可能性がある。これは、駆動体104に作用する負荷が大きく、且つ、クランク軸134の回転数が小さくファン124による汎用エンジン101の冷却効果(ファン124の回転数)が低減しているためである。
【0035】
図2に戻り、燃焼制御部4について説明する。図2に例示するように、燃焼制御部4は、実回転数Xが第1回転数X1と第2回転数X2との間に一定時間含まれると、点火プラグ122にスキップ信号Yを送信する。点火プラグ122は、スキップ信号Yを受信すると汎用エンジン101の複数の燃焼サイクルのうちの少なくとも1つにおいて火花放電を実行しない。言い換えると、燃焼制御部4は、少なくとも1つの燃焼サイクルの燃焼行程における混合気Gの燃焼をスキップさせる。このように、一実施形態では、燃焼制御部4は、任意のタイミングにおける燃焼行程をスキップさせることで汎用エンジン101の燃焼を抑制する燃焼抑制制御(いわゆる間引き点火)を実行する。
【0036】
タイマー部6は、実回転数Xが第1回転数X1と第2回転数X2との間に含まれている時間をカウントする。そして、燃焼制御部4は、タイマー部6の値tが予め設定されている設定時間Tを超えると、燃焼抑制制御を実行する。設定時間Tは、例えば7秒のように固定されていてもよいし、例えば外気温のような変数に応じて変動してもよい。
【0037】
汎用エンジン101がアイドル運転する際のアイドル回転数Xiよりも大きく、且つ第1回転数X1よりも小さい汎用エンジン101の回転数を燃焼抑制停止回転数Xaとする。燃焼抑制停止部8は、燃焼制御部4が燃焼抑制制御を実行した後に、実回転数Xが燃焼抑制停止回転数Xaよりも小さくなると、燃焼抑制制御を停止させる。具体的には、燃焼抑制停止部8は、燃焼制御部4にスキップ信号Yの送信を停止するように指示し、燃焼抑制制御を停止させる。一実施形態では、燃焼抑制停止部8が燃焼抑制制御を停止させた後に、実回転数Xが燃焼抑制停止回転数Xaよりも大きくなると、燃焼制御部4が燃焼抑制制御を再び実行する。
【0038】
アイドル回転数Xiよりも大きく、且つ燃焼抑制停止回転数Xaよりも小さい汎用エンジン101の回転数を回復回転数Xbとする。回数カウンター部10は、汎用エンジン101が回復回転数Xb以下で回転する回数pをカウントする。一実施形態では、回数カウンター部10は、回転センサ140が取得する波形を監視しており、汎用エンジン101が回復回転数Xb以下で回転中の波形におけるパルスの出現回数をカウントしている。一実施形態では、燃焼抑制停止部8が燃焼抑制制御を停止させた後に、回数pが予め設定された設定回数未満であり、且つ、実回転数Xが燃焼抑制停止回転数Xaよりも大きくなると、燃焼制御部4が燃焼抑制制御を再び実行する。
【0039】
(動作)
一実施形態に係る回転数制御装置1の動作について説明する。図4は、一実施形態に係る回転数制御装置1による汎用エンジン101の回転数制御方法のフローチャートである。図4における「開始」は、作業機100が通常運転している状態を意味する。図4に例示するように、回転数制御方法は、回転数監視ステップS1と、時間監視ステップS2と、燃焼抑制ステップS3と、第1のお知らせモード監視ステップS4と、燃焼抑制停止ステップS5と、第2のお知らせモード監視ステップS6と、パルス監視ステップS7と、を含む。
【0040】
回転数監視ステップS1では、回転数取得部2が取得する実回転数Xを監視している。実回転数Xが、第1回転数X1と第2回転数X2との間に含まれていると(回転数監視ステップS1:Yes)、タイマー部6による時間のカウントが開始され、時間監視ステップS2に進む。実回転数Xが、第1回転数X1と第2回転数X2との間に含まれていないと(回転数監視ステップS1:No)、タイマー部6の値tをゼロにして、回転数監視ステップS1に戻る。つまり、タイマー部6の値tは連続値である。
【0041】
具体例を挙げて説明すると、駆動体104に作用する負荷によって実回転数Xが5000rpm(第2回転数X2)未満に強制的に下げられると、タイマー部6による時間のカウントが開始される。そして、実回転数Xが5000rpmから4000rpm(第1回転数X1)の間に含まれていると、タイマー部6による時間のカウントは継続される。実回転数Xが5000rpmより大きい場合、又は、4000rpmよりも小さい場合には、タイマー部6による時間のカウントはゼロとなる。
【0042】
時間監視ステップS2では、タイマー部6の値tが設定時間Tを超えると(時間監視ステップS2:Yes)、燃焼抑制ステップS3に進む。タイマー部6の値tが設定時間Tを超えていないと(時間監視ステップS2:No)、回転数監視ステップS1に戻る。
【0043】
燃焼抑制ステップS3では、燃焼制御部4が燃焼抑制制御を実行する。燃焼抑制制御が開始されると、汎用エンジン101の音や振動の変化、駆動体104の停止などが発生するため、作業機100は利用者に汎用エンジン101が過負荷状態であることを知らせるお知らせモードとなる。幾つかの実施形態では、回転数制御装置1は、作業機100がお知らせモードになると、報知装置126に報知を行うように指示し、利用者に燃焼抑制制御が実行されていることをスムーズに知らせることができる。
【0044】
第1のお知らせモード監視ステップS4では、燃焼抑制ステップS3における燃焼抑制制御の実行によって実回転数Xが燃焼抑制停止回転数Xaよりも小さくなると(第1のお知らせモード監視ステップS4:No)、燃焼抑制停止ステップS5に進む。実回転数Xが燃焼抑制停止回転数Xaよりも大きいままであると(第1のお知らせモード監視ステップS4:Yes)、燃焼抑制制御が継続され、第1のお知らせモード監視ステップS4に戻る。
【0045】
具体例を挙げて説明すると、燃焼制御部4によって燃焼抑制制御(間引き点火)が実行されると、実回転数Xは4000rpm未満に低減される。そして、実回転数Xが3700rpm(燃焼抑制停止回転数Xa)未満に低減されると、燃焼抑制停止ステップS5に進む。一方で、実回転数Xが3700rpmよりも大きいままであると、間引き点火が継続される。
【0046】
燃焼抑制停止ステップS5では、燃焼抑制停止部8が燃焼制御部4による燃焼抑制制御を停止させる。つまり、燃焼行程における混合気Gの燃焼がスキップされなくなる(間引き点火から通常点火に戻る)。通常点火に戻ると、実回転数Xは増加し始める。
【0047】
第2のお知らせモード監視ステップS6では、燃焼抑制停止ステップS5において燃焼抑制制御が停止された後に、実回転数Xが回復回転数Xbよりも小さくなると(第2のお知らせモード監視ステップS6:Yes)、回数カウンター部10による回数pのカウントが開始され、パルス監視ステップS7に進む。実回転数Xが回復回転数Xbよりも大きいと(第2のお知らせモード監視ステップS6:No)、回数pをゼロにして、第1のお知らせモード監視ステップS4に戻る。
【0048】
一実施形態では、第1のお知らせモード監視ステップS4に戻った際に、実回転数Xが燃焼抑制停止回転数Xaよりも大きいと、燃焼抑制制御が再び実行され、第1のお知らせモード監視ステップS4に戻る。つまり、利用者によってスロットルバルブ138の開度が低減されるまでは、間引き点火と通常点火とが繰り返されるようになっている。
【0049】
具体例を挙げて説明すると、汎用エンジン101が過負荷状態であることを知った利用者がスロットルレバー108を解放すると(スロットルバルブ138を閉弁させると)、実回転数Xはアイドル回転数Xi(例えば2200rpm)に向かって下がっていく。実回転数Xが3500rpm(回復回転数Xb)よりも小さくなるとパルス監視ステップS7に進む。実回転数Xが3500rpmよりも大きいと、第1のお知らせモード監視ステップS4に戻る。尚、幾つかの実施形態では、回転数制御装置1は、スロットルレバー108が解放されると、報知装置126の報知を停止させる。
【0050】
パルス監視ステップS7では、回数pが設定回数Pを超えると(パルス監視ステップS7:Yes)、一実施形態に係る回転数制御装置1による汎用エンジン101の回転数の制御が終了し、作業機100のお知らせモードも終了する。回数pが設定回数P以下であると(パルス監視ステップS7:No)、回数pに対して1を加算(p=p+1)して、燃焼抑制停止ステップS5に戻る。つまり、回数pは連続値である。
【0051】
(作用・効果)
一実施形態に係る回転数制御装置1の作用・効果について説明する。汎用エンジン101が遠心クラッチ102を介して駆動体104に動力が伝達されるように構成されている場合、作業機100の通常運転中に駆動体104に作用する負荷によって汎用エンジン101の回転数が強制的に下げられ、汎用エンジン101が昇温し、汎用エンジン101のオーバーヒートを招く虞がある。特に、実回転数Xが第1回転数X1から第2回転数X2の範囲に含まれていると、汎用エンジン101の昇温が促進される場合がある。
【0052】
一実施形態によれば、実回転数Xが4000rpm(第1回転数X1)と5000rpm(第2回転数X2)との間に含まれると、燃焼抑制制御が実行される。このため、作業機100の通常運転中に駆動体104に作用する負荷によって汎用エンジン101の回転数が強制的に下げられても、汎用エンジン101の昇温を抑制し、汎用エンジン101のオーバーヒートを回避することができる。
【0053】
実回転数Xが第1回転数X1と第2回転数X2との間に含まれている時間(タイマー部6の値t)が短ければ、汎用エンジン101のオーバーヒートは発生しないので、燃焼抑制制御を実行する必要がない。一実施形態によれば、タイマー部6の値tが設定時間Tを超えると燃焼抑制制御が実行されるので、不必要な燃焼抑制制御を回避することができる。
【0054】
一実施形態によれば、燃焼抑制制御の実行によって、実回転数Xがアイドル回転数Xiまで下がる前に、燃焼抑制制御(間引き点火)を停止させて、通常の汎用エンジンの運転状態(通常点火)に戻すことができる。さらに、一実施形態によれば、間引き点火と通常点火とが繰り返されるようになっているので、音、振動の変化、作業機の駆動停止で汎用エンジン101が過負荷状態であることを利用者にスムーズに知らせ、スロットルレバー108の解放を促すことができる。
【0055】
一実施形態によれば、汎用エンジン101が回復回転数Xb以下で回転中の波形におけるパルスの出現回数を監視しているので、汎用エンジン101が一時的に回復回転数Xb未満で回転してしまうことによる回転数制御装置1の動作の終了を防ぐことができる。
【0056】
尚、一実施形態では、第2回転数X2が5000rpmである場合を例示していたが、本開示はこの形態に限定されない。第2回転数X2は、第1回転数X1より大きく、最大出力回転数Xoより小さく、且つ駆動体104に負荷が作用している状態で所定時間継続して運転すると汎用エンジン101がオーバーヒート状態になる汎用エンジン101の回転数であれば、任意の回転数でよい。
【0057】
作業機100の運転中に駆動体104に負荷が作用していても、汎用エンジン101の回転数が最大出力回転数Xoの90%よりも大きい場合には、汎用エンジン101の昇温は抑制され、汎用エンジン101のオーバーヒートは発生しない。一方で、汎用エンジン101の回転数が最大出力回転数Xoの90%よりも小さい場合には、汎用エンジン101が昇温し、汎用エンジン101のオーバーヒートを招く虞がある。幾つかの実施形態では、第2回転数X2は、最大出力回転数Xoの90%より小さい。このような構成によれば、実回転数Xがオーバーヒートを招く虞のある回転数に下げられている場合に、燃焼抑制制御を実行させ、汎用エンジン101のオーバーヒートを回避する精度を高めることができる。
【0058】
一実施形態では、燃焼制御部4が点火プラグ122の点火動作を制御することで、汎用エンジン101の燃焼が制御されていたが、本開示はこの形態に限定されない。例えば、燃焼制御部4は、燃焼室123に供給される燃料の量を調節することで汎用エンジン101の燃焼を制御する。この場合、燃焼制御部4は、実回転数Xが第1回転数X1と第2回転数X2との間に含まれると、燃焼室123に供給される燃料の量を減らして、燃焼抑制制御を実行する。
【0059】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
【0060】
[1]本開示に係る汎用エンジン(101)の回転数制御装置(1)は、
動力が遠心クラッチ(102)を介して作業機(100)の駆動体(104)に伝達されるように構成される汎用エンジン(101)に設けられ、前記汎用エンジンの回転数を制御する汎用エンジンの回転数制御装置であって、
前記汎用エンジンの前記回転数を取得する回転数取得部(2)と、
前記回転数取得部が取得する前記汎用エンジンの前記回転数に基づいて、前記汎用エンジンの燃焼を制御する燃焼制御部(4)と、を備え、
前記遠心クラッチがスリップしないで連結している前記汎用エンジンの前記回転数を第1回転数(X1)とし、前記第1回転数より大きく、且つ前記汎用エンジンの最大出力回転数(Xo)より小さい回転数である第2回転数であって、所定時間継続して運転すると前記汎用エンジンがオーバーヒート状態になる回転数を第2回転数(X2)とすると、
前記燃焼制御部は、前記回転数取得部が取得する前記汎用エンジンの前記回転数が前記第1回転数と前記第2回転数との間に含まれると、前記汎用エンジンの燃焼を抑制する燃焼抑制制御を実行するように構成される。
【0061】
汎用エンジンが遠心クラッチを介して作業機の駆動体に動力が伝達されるように構成されている場合、作業機の運転中に駆動体に作用する負荷によって汎用エンジンの回転数が強制的に下げられて、汎用エンジンが昇温し、汎用エンジンのオーバーヒートを招く虞がある。特に、汎用エンジンの回転数が第1回転数と第2回転数との間に含まれていると、汎用エンジンの昇温が促進される場合がある。これに対して、上記[1]に記載の構成によれば、汎用エンジンの回転数が第1回転数と第2回転数との間に含まれると燃焼抑制制御が実行されるので、汎用エンジンの昇温を抑制し、汎用エンジンのオーバーヒートを回避することができる。
【0062】
[2]幾つかの実施形態では、上記[1]に記載の構成において、
前記第2回転数は、前記汎用エンジンの前記最大出力回転数の90%より小さい。
【0063】
作業機の運転中に駆動体に負荷が作用していても、汎用エンジンの回転数が最大出力回転数の90%よりも大きい場合には、汎用エンジンの昇温は抑制され、汎用エンジンのオーバーヒートは発生しない。一方で、汎用エンジンの回転数が最大出力回転数の90%よりも小さい場合には、汎用エンジンが昇温し、汎用エンジンのオーバーヒートを招く虞がある。上記[2]に記載の構成によれば、汎用エンジンの回転数がオーバーヒートを招く虞のある回転数に下げられている場合に、燃焼抑制制御を実行させ、汎用エンジンのオーバーヒートを回避する精度を高めることができる。
【0064】
[3]幾つかの実施形態では、上記[1]又は[2]に記載の構成において、
前記回転数取得部が取得する前記汎用エンジンの前記回転数が前記第1回転数と前記第2回転数との間に含まれている時間(t)をカウントするタイマー部(6)をさらに備え、
前記燃焼制御部は、前記タイマー部の値が予め設定されている設定時間(T)を超えると、前記燃焼抑制制御を実行する。
【0065】
汎用エンジンの回転数が第1回転数と第2回転数との間に含まれている時間(タイマー部の値)が短ければ、汎用エンジンのオーバーヒートは発生しないので、燃焼抑制制御を実行する必要がない。上記[3]に記載の構成によれば、タイマー部の値が設定時間を超えると燃焼抑制制御が実行されるので、不必要な燃焼抑制制御の実行を回避することができる。
【0066】
[4]幾つかの実施形態では、上記[1]から[3]の何れか1つに記載の構成において、
前記汎用エンジンがアイドル運転する際のアイドル回転数(Xi)よりも大きく、且つ前記第1回転数よりも小さい前記汎用エンジンの前記回転数を燃焼抑制停止回転数(Xa)とし、
前記燃焼制御部が前記燃焼抑制制御を実行した後に、前記回転数取得部が取得する前記汎用エンジンの前記回転数が前記燃焼抑制停止回転数よりも小さくなると、前記燃焼抑制制御を停止させる燃焼抑制停止部(8)をさらに備える。
【0067】
上記[4]に記載の構成によれば、汎用エンジンの回転数がアイドル回転数まで低減する前に燃焼制御部による燃焼抑制制御を停止させて(通常のエンジンの運転状態に戻して)、作業機の利用者に汎用エンジンが過負荷状態であることを知らせることができる。
【0068】
[5]幾つかの実施形態では、上記[4]に記載の構成において、
前記燃焼抑制停止部が前記燃焼抑制制御を停止させた後に、前記回転数取得部が取得する前記汎用エンジンの前記回転数が前記燃焼抑制停止回転数よりも大きくなると、前記燃焼制御部が前記燃焼抑制制御を再び実行する。
【0069】
上記[5]に記載の構成によれば、燃焼制御部による燃焼抑制制御と燃焼抑制停止部による燃焼抑制制御の停止が繰り返されることになり、作業機の利用者に汎用エンジンが過負荷状態であることをスムーズに知らせることができる。
【0070】
[6]幾つかの実施形態では、上記[5]に記載の構成において、
前記アイドル回転数よりも大きく、且つ前記燃焼抑制停止回転数よりも小さい前記汎用エンジンの前記回転数を回復回転数(Xb)とすると、
前記汎用エンジンが前記回復回転数以下で回転する回数(p)をカウントする回数カウンター部(10)をさらに備え、
前記燃焼抑制停止部が前記燃焼抑制制御を停止させた後に、前記回数カウンター部によってカウントされた前記回数が予め設定された設定回数(P)未満であり、且つ、前記回転数取得部が取得する前記汎用エンジンの前記回転数が前記燃焼抑制停止回転数よりも大きくなると、前記燃焼制御部が前記燃焼抑制制御を再び実行する。
【0071】
上記[6]に記載の構成によれば、汎用エンジンが一時的に回復回転数未満で回転してしまっても、燃焼制御部による燃焼抑制制御と燃焼抑制停止部による燃焼抑制制御の停止とを繰り返させることができる。
【0072】
[7]幾つかの実施形態では、上記[1]から[6]の何れか1つに記載の構成において、
前記汎用エンジンは、前記燃焼抑制制御の実行を報知する報知装置(126)をさらに備える。
【0073】
上記[7]に記載の構成によれば、作業機の利用者に燃焼抑制制御が実行されていることをスムーズに知らせることができる。
【0074】
[8]本開示に係る汎用エンジンは、
上記[1]から[7]の何れか1つに記載の汎用エンジンの回転数制御装置と、
前記汎用エンジンの前記回転数に対応して前記汎用エンジンを空冷するファン(124)と、を備える。
【0075】
上記[8]に記載の構成によれば、オーバーヒートを回避可能な汎用エンジンを提供することができる。
【符号の説明】
【0076】
1 回転数制御装置
2 回転数取得部
4 燃焼制御部
6 タイマー部
8 燃焼抑制停止部
10 回数カウンター部
100 作業機
101 汎用エンジン
102 遠心クラッチ
104 駆動体
108 スロットルレバー
124 ファン
126 報知装置
S1 回転数監視ステップ
S2 時間監視ステップ
S3 燃焼抑制ステップ
S4 第1のお知らせモード監視ステップ
S5 燃焼抑制停止ステップ
S6 第2のお知らせモード監視ステップ
S7 パルス監視ステップ

P 設定回数
T 設定時間
X 実回転数
X1 第1回転数
X2 第2回転数
Xa 燃焼抑制停止回転数
Xb 回復回転数
Xi アイドル回転数
Xo 最大出力回転数
p 回数(回数カウンター部のカウント値)
t 値(タイマー部のカウント値)

図1
図2
図3
図4