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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018419
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】難燃処理木質建材及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B27K 3/52 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
B27K3/52 B
B27K3/52 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121756
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】501352619
【氏名又は名称】三商株式会社
(72)【発明者】
【氏名】服部 絵美
(72)【発明者】
【氏名】加藤 圭一
【テーマコード(参考)】
2B230
【Fターム(参考)】
2B230AA07
2B230BA01
2B230BA18
2B230CB01
2B230EB02
(57)【要約】
【課題】高湿度環境下においても美観及び難燃性を維持することができる難燃処理木材を提供する。
【解決手段】難燃剤を注入した木材の表面に塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂樹脂を含有する塗膜が形成されている。前記塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂を含有する塗膜は木材の木目を視認できる程度に透明であることが好ましい。屋外で難燃処理木材を使用する場合には、前記塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂を含有する塗膜の上から上塗り塗料を塗付することが好ましい。前記上塗り塗料により形成される塗膜は透明であることが好ましい。
【選択図】なし

【特許請求の範囲】
【請求項1】
木材に難燃剤を注入することにより得られる難燃処理木材であって、前記木材の表面に、塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂を含有する塗膜を形成したことを特徴とする難燃処理木材。
【請求項2】
木材に難燃剤を注入した後、その木材表面に塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂を含有する塗料組成物を塗付することを特徴とする難燃処理木材の製造方法。
【請求項3】
木材に難燃剤を注入した後、その木材表面に塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂を含有する塗料組成物を塗付し、さらにウレタン樹脂塗料を塗付することを特徴とする屋外用難燃処理木材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木材に難燃剤を注入することにより得られる難燃処理木質建材、及び難燃処理木質建材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の内装材として用いられている木材のうち、ホテル、劇場、展示場、レストラン等の建築基準法による防火上の制限がかかる部位に使用されるものについては、難燃剤を注入することにより難燃性を付与した難燃処理木材が多く使用されている。
【0003】
木材に難燃剤を注入する方法としては、乾燥した木材を圧力容器内に入れ、その内部を減圧して木材から内部空気を排出した後、圧力容器内に難燃剤を導入し、これを木材の繊維組織中に加圧注入するという減圧/加圧注入法がある(例えば、特許文献1)。
【0004】
また、難燃剤としては、リン酸アンモニウム、リン酸グアニジン、ジシアンジアミドなどがある(例えば、特許文献2)。
【0005】
これらの難燃処理木材は、屋外で用いる場合や、屋内であっても高温多湿の環境下にある場合には、注入されている難燃剤が再溶解して木材表面に析出(以下、「溶脱」という)し、木材表面が白くなって美観を損ねるとともに、難燃性能が低下してしまうおそれがある。
【0006】
このような溶脱を防ぐために難燃処理木材の表面に基剤と硬化剤から成る二液混合型の難燃性ポリウレタン樹脂塗料を塗布する方法がある(例えば、特許文献3)
【0007】
しかし、従来の塗料は高温多湿下では溶脱防止効果が十分でないという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9-277209号公報
【特許文献2】特開平5-77207号公報
【特許文献3】特開2005-271309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
解決しようとする問題点は、難燃剤を注入することによって得られる難燃処理木材が、高湿度環境下において、注入されている難燃剤が木材表面に溶脱することで、美観を損ねるおそれがあるとともに難燃性が低下する点である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、木材に難燃剤を注入することにより得られる難燃処理木材であって、前記木材の表面に、塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂を含有する塗膜を形成したことを主要な特徴とする。
【0011】
本発明は、難燃処理木材の製造方法であって、木材に難燃剤を注入した後、その木材表面に塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂を含有する塗料組成物を塗付することを主要な特徴とする。
【0012】
本発明は、屋外用難燃処理木材の製造方法であって木材に難燃剤を注入した後、その木材表面に塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂を含有する塗料組成物を塗付し、さらにウレタン塗料樹脂を塗付することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の難燃処理木材によれば、難燃処理木材に注入された難燃剤が溶脱しにくいため、美観維持に優れるとともに難燃性が低下しにくいという利点がある。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明について詳しく説明する。本発明の難燃処理木材は、難燃剤を注入した木材の表面に塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂を含有する透明な塗膜が形成されている。
【0015】
前記木材の形状は特に限定されない。厚さ8mm~50mmの板状でも良いし、角柱状や円柱状でもよい。
【0016】
前記木材の材種は特に限定されない。例えば、製材、合板、単板積層材(LVL)、集成材、直交集成板(CLT)等が挙げられる。
【0017】
前記木材の樹種は特に限定されない。例えば、スギ、ヒノキ、カラマツ等の針葉樹、ナラ、クリ等の広葉樹が挙げられる。
【0018】
前記木材の内部には水溶性の難燃剤が注入されている。該難燃剤としては例えば、リン酸、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸グアニジン等のリン酸化合物、ホウ酸化合物、硫酸アンモニウム等の硫酸化合物、ハロゲン化合物などが挙げられる。これらのうち、屋外環境における溶脱抑制の観点からはリン酸グアニジンを用いることが好ましい。
【0019】
前記難燃剤を注入する方法としては特に限定されず、加圧注入法による注入が一般的に用いられているが、難燃剤水溶液又は難燃剤アルコール溶液等を塗付して木材表面に浸透させても良い。
【0020】
前記加圧注入の方法としては例えば、圧力容器内に乾燥させた木材を収容した後、圧力容器を密閉して内部を減圧する。続いて、圧力容器内を減圧状態に保ったまま、圧力容器内に難燃剤水溶液を供給し、木材全体を難燃剤水溶液中に浸漬させる。その後、エアコンプレッサ等により圧力容器内に圧縮空気を供給することで圧力容器内を加圧して木材内部に難燃剤を注入する。次に、難燃剤水溶液を排出して木材を取り出し、乾燥機によって乾燥させることにより難燃処理木材を得る。
【0021】
前記塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂を含有する塗膜は木材の木目を視認できる程度に透明であることが好ましい。このように構成することにより難燃処理木材の意匠性に優れる。
【0022】
前記塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂を含有する塗膜は、厚さ3μm、40℃90RH%の条件で測定した場合の水蒸気透過率が1~50g/m/日であることが好ましく、2~40g/m/日以下であることがより好ましく、3~10g/m/日以下であることが最も好ましい。水蒸気透過率が1g/m/日未満の場合には木材が含有する水分の蒸発により塗膜が膨れてしまうおそれがある。逆に50g/m/日を超える場合には難燃剤の溶脱防止効果が十分でない場合がある。
【0023】
前記塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂を含有する塗膜は塩化ビニル樹脂又は塩化ビニリデン樹脂を単独で用いても良いし、併用しても良い。塩化ビニリデン樹脂を単独で用いることがより好ましい。併用する場合には塩化ビニル樹脂100質量部に対して塩化ビニリデン樹脂を500質量部以上とすることが好ましい。
【0024】
前記塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂を含有する塗膜には他の合成樹脂を併用しても良い。例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。これらは塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂と混合して用いても良いし、共重合して用いても良い。
【0025】
前記塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂を含有する塗料組成物の組成としては例えば、以下のようなものである。
【0026】
塩化ビニリデン樹脂20質量部、溶剤としての2-ブタノン80質量部、艶消し剤としてのシリカ5質量部、消泡剤1質量部、分散剤1質量部。
【0027】
前記塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂が塗料組成物全体に占める含有率は3~50質量%であることが好ましい。
【0028】
前記塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂を含有する塗料には他の合成樹脂を併用しても良い。例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。これらは塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂と混合しても良いし、共重合して用いても良い。
【0029】
前記塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂を含有する塗料は塩化ビニル樹脂又は塩化ビニリデン樹脂を単独で用いても良いし、併用しても良い。塩化ビニリデン樹脂を単独で用いることがより好ましい。併用する場合には塩化ビニル樹脂100質量部に対して塩化ビニリデン樹脂を500質量部以上とすることが好ましい。
【0030】
前記溶剤は2-ブタノンに限らず、塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂を溶解することができるものであれば任意に設定することができる。例えば、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。また、これらを混合したものを用いても良い。これらのうち、揮発性及び臭気の問題から酢酸エチルを用いることが好ましい。
【0031】
前記塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂は溶剤に溶解せずに、界面活性剤等を用いて水中に分散させたものを用いても良い。このように構成することで、塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂を含有する塗料組成物を低臭にすることができるため、建築物に既設の難燃処理木材に塗付する場合でも、住民や建物使用者を隔離せずに塗付することができる。
【0032】
前記塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂を含有する塗料組成物の塗付量は、塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂として5~100g/mであることが好ましく、10~50g/mであることがより好ましい。5g/m未満の場合には溶脱防止効果が十分に得られないおそれがあり、100g/mを超える場合には火災時の発熱量が大きくなるおそれがある。
【0033】
前記塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂を含有する塗料組成物の塗膜厚さは好ましくは2~80μm、より好ましくは10~50μmである。2μm未満の場合には溶脱防止効果が十分に得られないおそれがあり、80μmを超える場合には火災時の発熱量が大きくなるおそれがある。
【0034】
前記塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂を含有する塗料組成物には必要に応じて、消泡剤や分散剤に限らず、通常の塗料に用いられる添加剤を用いることができる。例えば、湿潤剤、表面調整剤、増粘剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、防腐剤、抗酸化剤等が挙げられる。
【0035】
前記塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂を含有する塗料組成物には着色顔料や体質顔料を含有させても良い。例えば、酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄等の着色顔料、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、硫酸バリウム等の体質顔料が挙げられる。これらは塩化ビニリデン樹脂を含有する塗膜の透明性を損なわない範囲で用いることができる。
【0036】
前記艶消し剤はシリカに限らず、通常の塗料に用いるものを任意に用いることができる。例えば、球状アクリル樹脂等が挙げられる。また、艶消し剤を用いずに艶有り塗料としても良い。
【0037】
前記塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂を含有する塗料組成物を塗付する木材の表面は、建築物の一部として難燃処理木材が使用された場合に、火災の燃焼熱にさらされると想定される面に塗付する。もちろん、火災の燃焼熱にさらされない面に塗付しても良い。
【0038】
前記塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂を含有する塗料組成物は難燃処理木材の少なくとも火災時の燃焼熱にさらされる面に塗付されることが好ましい。
【0039】
前記塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂を含有する塗料組成物の難燃処理木材への塗付方法は、通常の塗料と同様の方法を用いることができる。例えば、刷毛、スプレー、ローラー塗装等が挙げられる。また、ディッピングにより塗付しても良いし、カーテンフローコータ、ロールコータ等の塗装機械を用いて塗付しても良い。
【0040】
前記塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂を含有する塗料組成物を難燃処理木材へ塗付する時期は、木材に難燃剤を注入して乾燥した直後でも良いし、既設の建築物に難燃処理木材を設置してから塗付しても良い。
【0041】
屋外で難燃処理木材を使用する場合には、前記塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂を含有する塗膜の上から上塗り塗料を塗付することが好ましい。上塗り塗料としてはアクリル樹脂塗料又はウレタン樹脂塗料を塗付することが好ましく、ウレタン樹脂塗料としてポリカーボネートジオールとヘキサメチレンジイソシアネートとを組み合わせた塗料がより好ましい。このように構成することで防水性により優れるため溶脱防止効果を向上させることができる。
【0042】
前記ウレタン樹脂塗料は2液混合形であることが好ましい。
前記ウレタン樹脂塗料を塗付する場合には、塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニリデン樹脂を含有する塗膜が形成されていない部分にも塗付することが好ましい。このように構成することで難燃処理木材全体を防水することができるため、溶脱防止効果をさらに向上させることができる。
【0043】
前記ウレタン樹脂塗料により形成される塗膜は透明であることが好ましい。このように構成することにより難燃処理木材の意匠性に優れる。
【0044】
前記ウレタン樹脂塗料により形成される塗膜は厚さ50~200μmであることが好ましく、100~150μmであることがより好ましい。このように構成することにより防水性に優れるため、溶脱防止効果をさらに向上させることができる。塗膜の厚さが50μm未満の場合には防水効果が十分でなく、逆に200μmを超える場合には施工作業性が低下するおそれがある。
【0045】
前記ウレタン樹脂塗料には通常の塗料に用いる添加剤を用いることができる。例えば、例えば、消泡剤、分散時、湿潤剤、表面調整剤、増粘剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、防腐剤等が挙げられる。
【0046】
前記ウレタン樹脂塗料には着色顔料や体質顔料を含有させても良い。例えば、酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄等の着色顔料、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、硫酸バリウム等の体質顔料が挙げられる。これらはウレタン樹脂塗料により形成される塗膜の透明性を損なわない範囲で用いることができる。
【0047】
前記ウレタン樹脂塗料は艶消し塗料としても艶有り塗料としても良い。
【0048】
以下、実施例及び比較例により本発明の効果を説明する。
はじめに、水100質量部にリン酸アンモニウム25質量部、ホウ酸5質量部を混合して難燃剤水溶液を調整した。この難燃剤水溶液中に厚さ12mm×幅99mm×長さ99mmのスギ製材を沈めてスギ製材が浮かないように重りを載せ、圧力容器内に収容し、減圧して60分間真空状態を保った。続いて、加圧(4kgf/cm2)を行い50分間保持した後に減圧して大気圧とした。その後、難燃剤水溶液中からスギ製材を取り出して熱風乾燥(温度65℃)で7日間乾燥させて試験体基材とした。このときの難燃剤固定量は約150kg/mだった。この基材の表面に表1に示すA~Eの塗料を塗付して乾燥させ、試験体とした。
【0049】
高湿度曝露の試験は、35℃×90RH%の恒温槽(夏の降雨時で空調が効いていない室内を想定)に試験体を7日間静置した後に、23℃50RH%の室内に1日放置して試験体表面の外観を観察することにより行った。評価は外観変化がないものを◎、わずかに変化がみられるものを○、白濁しているが木目が視認できるものを△、溶脱(結晶の析出)が見られるものを×とした。
【0050】
燃焼性の試験は、外観変化の試験が終了した試験体を用いてISO5660-1に規定されているコーンカロリーメータ法により行った。評価は、10分間加熱後の総発熱量が7.2MJ/m以下のものを○、7.2MJ/mを超え8MJ/m以下のものを△、8MJ/mを超えるものを×とした。試験の結果を表2に示す。
【0051】
屋外耐候性の試験は、幅70mm×長さ150mm×厚さ12mmのスギ製材をリン酸グアニジン20質量%水溶液中に7日間浸漬した後、50℃の乾燥室内で2週間静置して乾燥させ、表1に示すAの塗料を塗付量70g/mで塗付乾燥させた。続いてそれらの表面に表3に示す上塗り塗料を塗付量80g/mで塗付して乾燥させ試験体とした。試験は、JISK5600-7-7 塗料一般試験方法-第7部:塗膜の長期耐久性-第7節:促進耐候性及び促進耐光性(キセノンランプ法)に従って、300nm~400nmの波長の光の放射強度を60W/mとし、ブラックパネル温度63℃、試験片ぬれサイクルをAとして300時間試験を行った。評価は、外観変化がほとんどないものを◎、わずかに変色が見られるものを○、木材と塗膜の間に結晶が析出しているものを△、試験体表面に白色結晶が析出しているものを×とした。試験の結果を表3に示す。
【0052】
なお、表3の上塗り塗料のうち、ウレタン樹脂塗料とあるのはポリカーボネートジオールとヘキサメチレンジイソシアネートとの組合せによるウレタン樹脂塗料(製品名:サンクラシーMSY-323 三商株式会社製)を用いた。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】