(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018442
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】二次電池および電極端子
(51)【国際特許分類】
H01M 50/553 20210101AFI20240201BHJP
H01M 50/103 20210101ALI20240201BHJP
H01M 50/15 20210101ALI20240201BHJP
H01M 50/184 20210101ALI20240201BHJP
H01M 50/188 20210101ALI20240201BHJP
H01M 50/176 20210101ALI20240201BHJP
H01M 50/55 20210101ALI20240201BHJP
H01M 50/193 20210101ALI20240201BHJP
H01G 11/80 20130101ALI20240201BHJP
H01G 11/78 20130101ALI20240201BHJP
H01G 11/74 20130101ALI20240201BHJP
【FI】
H01M50/553
H01M50/103
H01M50/15
H01M50/184 A
H01M50/188
H01M50/176
H01M50/55 101
H01M50/193
H01G11/80
H01G11/78
H01G11/74
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121793
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【弁理士】
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100130605
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 浩治
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 祐介
【テーマコード(参考)】
5E078
5H011
5H043
【Fターム(参考)】
5E078AA11
5E078AB02
5E078AB13
5E078AB14
5E078BA18
5E078BA26
5E078BA27
5E078CA02
5E078CA06
5E078CA07
5E078DA03
5E078DA06
5E078DA11
5E078EA03
5E078EA04
5E078EA06
5E078EA09
5E078EA16
5E078FA12
5E078FA13
5E078FA23
5E078FA25
5E078HA05
5E078HA12
5E078HA26
5E078ZA04
5H011AA13
5H011CC06
5H011DD13
5H011EE04
5H011FF04
5H011GG02
5H011HH02
5H011KK01
5H043AA04
5H043BA19
5H043CA04
5H043CA12
5H043CA13
5H043CA14
5H043DA09
5H043DA13
5H043JA02D
5H043JA13
5H043KA08D
5H043KA09D
5H043KA22D
5H043KA45D
5H043LA02D
5H043LA12
5H043LA31
(57)【要約】 (修正有)
【課題】安全性がより向上した二次電池を提供すること。
【解決手段】ここで開示される二次電池は、正極および負極を有する電極体と、開口部を有し、電極体を収容する電池ケースと、端子装着孔19を有し、開口部を封口する封口板14と、電池ケースの外部に配置される第1フランジ部41と、電池ケースの内部に配置される第2フランジ部42と、第1フランジ部41と第2フランジ部42との間に位置し、端子装着孔19に挿通される軸部43と、を有する電極端子と、封口板14の外表面14Aと第1フランジ部41とを絶縁する樹脂製の外部絶縁部材と、を備える。二次電池は、電池容量が10Ah以下、かつ、電池ケースを含めた電池体積が200cm
3以下である。ここで、封口板14の外表面14Aから電極端子の頂部までの高さH1は、封口板14の外表面14Aから外部絶縁部材の頂部までの高さH2よりも2倍以上高い。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極および負極を有する電極体と、
開口部を有し、前記電極体を収容する電池ケースと、
端子装着孔を有し、前記開口部を封口する封口板と、
前記電池ケースの外部に配置される第1フランジ部と、前記電池ケースの内部に配置される第2フランジ部と、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部との間に位置し、前記端子装着孔に挿通される軸部と、を有する電極端子と、
前記封口板の外表面と前記第1フランジ部とを絶縁する樹脂製の外部絶縁部材と、を備え、
電池容量が10Ah以下、かつ、前記電池ケースを含めた電池体積が200cm3以下であり、
ここで、前記封口板の外表面から前記電極端子の頂部までの高さH1は、前記封口板の外表面から前記外部絶縁部材の頂部までの高さH2よりも2倍以上高い、二次電池。
【請求項2】
前記軸部の下端側が平坦である、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記端子装着孔の直径よりも、前記電極端子の高さH1の長さの方が長い、請求項1に記載の二次電池。
【請求項4】
前記電極端子の高さH1は、前記外部絶縁部材の高さH2よりも少なくとも1mm以上高い、請求項1に記載の二次電池。
【請求項5】
二次電池の正極端子および負極端子のいずれかの電極端子であって、請求項1~4のいずれか一項に記載の二次電池に備えられている、電極端子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池および電極端子に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池等の二次電池は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車(BEV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の車両駆動用電源に好適に用いられている。かかる二次電池は、例えば、正極および負極を有する電極体と、開口部を有し電極体を収容する電池ケースと、端子装着孔を有し開口部を封口する封口板と、一端が電池ケースの内部で電極体と接続され、他端が端子装着孔に挿通されて封口板の外部に引き出された電極端子と、封口板の外表面と電極端子とを絶縁する樹脂製の絶縁部材と、を有している。このような技術の一例として、例えば特許文献1が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、樹脂製である絶縁部材は、金属製である電極端子よりも耐熱性が低い。このため、通電により電極端子の温度が上昇した場合には、絶縁部材が変形する等により、シール性や絶縁性が低下する虞がある。また、近年では、電池本体のサイズが比較的小さい二次電池であっても高出力特性をもつ二次電池が要求されている。このような電池本体のサイズが比較的小さい二次電池においては、種々の部材もその大きさに比例して小さくなりがちである。このため、高出力を目的として大電流が流れた場合には電極端子の温度が上昇しやすく、例えば絶縁部材の耐熱温度を超える虞がある。したがって、電池サイズが比較的小さい二次電池において、大電流の通電を可能とする熱容量(「熱マス」とも称し得る。)を有する電極端子が求められている。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、比較的電池サイズが小さい二次電池において、安全性がより向上した二次電池を提供することにある。また、他の目的は、電池の安全性を好適に向上させる電極端子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示される二次電池は、正極および負極を有する電極体と、開口部を有し、上記電極体を収容する電池ケースと、端子装着孔を有し、上記開口部を封口する封口板と、上記電池ケースの外部に配置される第1フランジ部と、上記電池ケースの内部に配置される第2フランジ部と、上記第1フランジ部と上記第2フランジ部との間に位置し、上記端子装着孔に挿通される軸部と、を有する電極端子と、上記封口板の外表面と上記第1フランジ部とを絶縁する樹脂製の外部絶縁部材と、を備える。上記二次電池は、電池容量が10Ah以下、かつ、上記電池ケースを含めた電池体積が200cm3以下である。ここで、上記二次電池は、上記封口板の外表面から上記電極端子の頂部までの高さH1は、上記封口板の外表面から上記外部絶縁部材の頂部までの高さH2よりも2倍以上高い。
【0007】
かかる構成によれば、電池サイズが比較的小さく高出力を目的とした二次電池であっても、電極端子の熱容量を大きくすることができる。これにより、電極端子が通電により発熱することが抑制され、樹脂部材である外部絶縁部材の耐熱温度を超えることを抑制することができる。したがって、外部絶縁部材のシール性が確保されやすくなり、二次電池の安全性をより好適に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る電池を模式的に示す部分断面図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に係る正極端子の近傍を模式的に示す断面図である。
【
図3A】
図3Aは、従来の正極端子とバスバーの近傍を模式的に示す図である。
【
図3B】
図3Bは、一実施形態に係る正極端子とバスバーの近傍を模式的に示す図である。
【
図4A】
図4Aは、従来の正極端子の下端部を模式的に示す図である。
【
図4B】
図4Bは、一実施形態に係る正極端子の下端部を模式的に示す図である。
【
図5A】
図5Aは、従来の正極導電部材を模式的に示す図である。
【
図5B】
図5Bは、一実施形態に係る正極導電部材を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、ここで開示される技術の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって、ここで開示される技術の実施に必要な事柄(例えば、ここに開示される技術を特徴付けない電池の一般的な構成および製造プロセス等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。ここで開示される技術は、本明細書に開示されている内容と、当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下では、同じ作用を奏する部材、部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することができる。なお、本明細書において範囲を示す「A~B」の表記は、「A以上B以下」の意と共に、「Aを超える」および「B未満」の意を包含するものとする。
【0010】
本明細書において「電池」とは、電気エネルギーを取り出し可能な蓄電デバイス全般を指す用語であって、一次電池と二次電池とを包含する概念である。また、本明細書において「二次電池」とは、電解質を介して正極と負極の間で電荷担体が移動することによって繰り返し充放電が可能な蓄電デバイス全般を指す用語であって、リチウムイオン二次電池やニッケル水素電池等のいわゆる蓄電池(化学電池)と、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ(物理電池)と、を包含する概念である。
【0011】
図1は、二次電池100の部分断面図である。
図2は、正極端子40の近傍を模式的に示す部分的な拡大断面図である。なお、以下の説明において、図面中の符号L、R、F、Rr、U、Dは、左、右、前、後、上、下を表す。また、符号Yは「電池の長辺方向」を示し、符号Zは「電池の高さ方向」を示す。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、二次電池100の設置形態を何ら限定するものではない。
【0012】
<二次電池>
図1に示すように、二次電池100は、電池ケース10と、電極体20と、負極端子30と、正極端子40と、ガスケット50と、インシュレータ60と、を備えている。負極端子30および/または正極端子40は、電極端子の一例である。また、ガスケット50は外部絶縁部材の一例である。図示は省略するが、二次電池100は、ここではさらに電解質を備えている。二次電池100は、二次電池であることが好ましく、例えばリチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池であることがより好ましい。
【0013】
ここに開示される二次電池100は、電池サイズが比較的小さく、出力を高くすることを目的とした電池であり得る。したがって、ここに開示される二次電池100は、電池容量が10Ah以下、かつ、電池体積が200cm3以下である。二次電池100の電池容量は、例えば9Ah以下であってもよいし、8Ah以下であってもよいし、7Ah以下であってもよい。電池容量の下限値は特に限定されないが、例えば3Ah以上程度であるとよい。また、二次電池100の電池体積は、180cm3以下であってもよく、150cm3以下であってもよい。電池体積の下限値についても特に限定されないが、例えば90cm3以上程度であるとよい。
なお、本明細書における「電池容量」とは、20±5℃の雰囲気における1C定電流放電(電圧3V~4.1V)の容量のことである。また、本明細書における「電池体積」とは、電池ケースの外側の体積のことである。ここで、電池ケースの外側の体積とは、正極端子および負極端子等は含まずに電池ケースの外形を定める外周面で規定される外形の体積である。
【0014】
図1に示すように、電池ケース10は、外装体12と封口板14とを備えている。外装体12および封口板14は、電池ケース10を構成するケース部材の一例である。電池ケース10は、ここでは扁平な直方体形状(角型)の外形を有する。電池ケース10は、例えば、外装体12の開口部12hの周縁に封口板14が接合(例えば溶接接合)されることによって、一体化されている。外装体12および封口板14は、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金によって形成されている。
【0015】
外装体12は、電極体20と電解液とを収容する筐体である。外装体12は、上面に開口部12hを有する有底かつ角型の容器である。開口部12hは、略矩形状である。外装体12は、底壁と、底壁から延び相互に対向する一対の長側壁と、底壁から延び相互に対向する一対の短側壁と、を備えている。底壁は、略矩形状である。底壁は、開口部12hと対向している。
【0016】
封口板14は、外装体12の開口部12hを封口するプレート状の部材である。封口板14は、平面視において略矩形状である。封口板14は、外装体12の底壁と対向している。封口板14には、ガス排出弁15と、電解液を注入するための注入孔(図示せず)と、が設けられている。ガス排出弁15は、電池ケース10内の圧力が所定値以上になったときに破断して、電池ケース10内のガスを外部に排出するように構成された薄肉部である。また、
図2に示すように、封口板14は、外部側を向き開口部12hを封口した状態で電池ケース10の外側にある外表面14Aと、二次電池100の内部側を向き電極体20と対向する内表面14Bと、を有している。
【0017】
図1に示すように、封口板14は、外表面14Aと内表面14Bとを貫通する端子装着孔18、19を有している。端子装着孔18、19は、封口板14の長辺方向Yの両端部に設けられている。ここでは、端子装着孔18は、負極端子30用であり、端子装着孔19は正極端子40用である。端子装着孔18、19は、平面視において環状(例えば円環状)である。端子装着孔19は、後述する正極端子40のかしめ加工前の軸部43を挿通可能な大きさの内径を有している。また、端子装着孔19は、後述する正極端子40の第1フランジ部41よりも小さい内径である。
【0018】
電池ケース10には、上記したように電極体20とともに、電解質が収容され得る。電解質としては、従来公知の電池において使用されているものを特に制限なく使用できる。一例として、非水系溶媒に支持塩を溶解させた非水電解液を使用できる。非水系溶媒の一例として、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等のカーボネート系溶媒が挙げられる。支持塩の一例として、LiPF6等のフッ素含有リチウム塩が挙げられる。ただし、電解質は固体状(固体電解質)で、電極体20と一体化されていてもよい。
【0019】
図1に示すように、電極体20は、外装体12の内部に収容されている。電極体20は、例えば、電極体ホルダ29等の絶縁フィルムで覆われた状態で、外装体12の内部に収容されている。電極体20は、例えば、帯状の正極シートと帯状の負極シートとが、2枚の帯状のセパレータシートを介して絶縁された状態で積層され、巻回軸を中心として長辺方向に巻回された巻回電極体であってもよい。あるいは、電極体は、矩形状の正極シートと矩形状の負極シートとが矩形状のセパレータシートを介して交互に積層された積層型電極体であってもよい。また、電極体は、複数の正極シートと複数の負極シートを、つづら折り状に折り返されたセパレータシートに挟み込むことにより構成されるつづら折り状の積層型電極体であってもよい。
【0020】
正極シートは、帯状の正極集電体22cと、正極集電体22cの少なくとも一方の表面上に固着された正極活物質層22aと、を有する。正極シートを構成する各部材には、一般的な電池(例えば、リチウムイオン二次電池)で使用され得る従来公知の材料を特に制限なく使用できる。例えば、正極集電体22cは、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属からなることが好ましい。正極活物質層22aは、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出可能な正極活物質(例えば、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物)を含んでいる。なお、正極活物質層22aは、正極活物質以外の任意成分、例えば、導電材、バインダ、各種添加成分等を含んでいてもよい。
【0021】
負極シートは、帯状の負極集電体24cと、負極集電体24cの少なくとも一方の表面上に固着された負極活物質層24aと、を有する。負極シートを構成する各部材には、一般的な電池(例えば、リチウムイオン二次電池)で使用され得る従来公知の材料を特に制限なく使用できる。例えば、負極集電体24cは、銅、銅合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属から構成されることが好ましい。負極活物質層24aは、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出可能な負極活物質(例えば、黒鉛等の炭素材料)を含んでいる。なお、負極活物質層24aは、負極活物質以外の任意成分、例えば、導電材、バインダ、分散剤、各種添加成分等を含んでいてもよい。
【0022】
セパレータシートは、電荷担体が通過し得る微細な貫通孔が複数形成された絶縁シートである。セパレータシートは、例えば、多孔性の樹脂基材で構成されている。樹脂基材としては、例えば、ポリエチレン(PE)や、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、セルロース等の樹脂からなるシート(フィルム)が例示される。セパレータシートは、単層構造であってもよく、性質や性状(厚みや空孔率等)の異なる2種以上の多孔性樹脂シートが積層された構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。また、セパレータシートは、その表面にセラミック粒子等により構成された耐熱層(Heat Resistant Layer:HRL層)を備えていてもよい。
【0023】
電極体20の長辺方向Yの中央部分には、正極活物質層22aと負極活物質層24aとが、絶縁された状態で積層された積層部分が形成されている。また、
図1に示すように、電極体20の上下方向Zの上端部においては、正極活物質層22aが固着されずに正極集電体22cの一部が露出した部分(以下、「正極集電体露出部」ともいう。)が存在する。同様に、電極体20の上下方向Zの上端部においては、負極活物質層24aが固着されずに負極集電体24cの一部が露出した部分(以下、「負極集電体露出部」ともいう。)が存在する。正極集電体露出部には、正極集電部材44が付設されている。正極集電部材44は、正極集電体22cと同じ金属材料、例えばアルミニウムやアルミニウム合金等の導電性金属から構成され得る。また、負極集電体露出部には、負極集電部材34が付設されている。負極集電部材34は、負極集電体24cと同じ金属材料、例えば銅、銅合金等の導電性金属から構成され得る。
【0024】
負極端子30は、封口板14の長辺方向Yの他方の端部(
図1の右端部)に取り付けられている。負極端子30は、電池ケースの10の内部で負極集電部材34を介して電極体20と電気的に接続されている。正極端子40は、封口板14の長辺方向Yの一方の端部(
図1の左端部)に取り付けられている。正極端子40は、電池ケースの10の内部で正極集電部材44を介して電極体20と電気的に接続されている。すなわち、負極端子30および正極端子40は、一端が電池ケース10の内部で電極体20と電気的に接続され、他端が端子装着孔18、19に挿通されて封口板14の外側に露出している。負極端子30は、導電性に優れる金属、例えば銅または銅合金で形成されていることが好ましい。また、正極端子40は、導電性に優れる金属、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金で形成されていることが好ましい。また、負極端子30および正極端子40は、それぞれ、ガスケット50およびインシュレータ60によって、封口板14と絶縁されている。
なお、本明細書では、正極端子40側の構造を例として詳しく説明するが、負極端子30側の構造についても同様であってよい。その場合、以下の記載において、「正極」の個所を適宜「負極」と読み替えることができる。
【0025】
ここに開示される二次電池100は、電池容量が10Ah以下、かつ、前記電池ケースを含めた電池体積が200cm
3以下であって、封口板14の外表面14Aから正極端子40の頂部40tまでの高さH1が、封口板14の外表面14Aからガスケット50の頂部50tまでの高さH2よりも高い(
図2参照)。好ましくは、正極端子40の高さH1は、ガスケット50の高さH2よりも2倍以上高い。これにより、電極端子の熱容量(「熱マス」とも称される。)を向上させ、電池サイズが比較的小さく出力を高くすることを目的とした電池の電極端子においても、通電による温度上昇を抑制することができる。電極端子の温度上昇が抑制されることにより、電極端子に接触する外部絶縁部材の耐熱温度を超えることが防止される。したがって、外部絶縁部材と電極端子とが好適に封止された状態が保たれ、二次電池100の安全性が好適に向上する。
【0026】
従来、電池容量が10Ah以下、かつ、前記電池ケースを含めた電池体積が200cm
3以下での二次電池では、電極端子の熱マスは、1.9J/K程度であることが一般的であった。しかしながら近年では、電池サイズが比較的小さい二次電池であっても高出力であることが求められており、大電流の通電に耐え得る熱マスをもつ電極端子が要求されている。そこで、ここに開示される二次電池100では、正極端子40の高さH1をガスケット50の高さH2よりも2倍以上高くしている。かかる構成によれば、正極端子40の熱マスは従来の1.9J/K程度より大きくすることができ、大電流の通電でも有利になる。また、
図3Aは、従来の正極端子140と、バスバー310との接続を模式的に示す図である。
図3Bは、ここに開示される二次電池100の正極端子40とバスバー210との接続を模式的に示す図である。ここに開示される二次電池100においては、正極端子40の第1フランジ部41は、ガスケット50から露出する。このため、
図3Bに示すように、第1フランジ部41とバスバー210とが接続された場合にも、ガスケット50とバスバー210との間にクリアランスを設けることができる。これにより、正極端子40が冷却されやすくなり、正極端子40の温度がガスケット50の耐熱温度を超えることを、さらに好適に抑制することができる。したがって、正極端子40の高さH1をガスケット50の高さH2よりも2倍以上高くすることにより、安全性が高い二次電池100を実現することができる。
【0027】
封口板14の外表面14Aから正極端子40の頂部40tまでの高さH1は、封口板14の外表面14Aからガスケット50の頂部50tまでの高さH2よりも2倍以上高ければよく、例えば2.5倍以上高いことが好ましく、3倍以上高くてもよく、3.5倍以上高くてもよい。一方で、電極端子の長さが高くなりすぎる場合には、車両に搭載する際の体積効率の観点から好ましくない。したがって、封口板14の外表面14Aから正極端子40の頂部40tまでの高さH1は、封口板14の外表面14Aからガスケット50の頂部50tまでの高さH2の5倍以下の高さであることが好ましく、4.5倍以下の高さであってもよい。なお、本明細書において、「封口板の外表面から正極端子の頂部までの高さH1」とは、封口板の外側に露出する正極端子の上下方向Zにおける最長である。また、本明細書において、「封口板の外表面からガスケットの頂部までの高さH2」とは、封口板の外側に露出するガスケットの上下方向Zにおける最長である。
【0028】
ここに開示される二次電池100では、封口板14の外表面14Aから正極端子40の頂部40tまでの高さH1は、封口板14の端子装着孔19の直径よりも長いことが好ましい。正極端子40の高さH1がこのように十分な長さを有することにより、熱マスを向上させることの効果がより好適に発揮され得る。
【0029】
また、ここに開示される二次電池100では、封口板14の外表面14Aから正極端子40の頂部40tまでの高さH1は、封口板14の外表面14Aからガスケット50の頂部50tまでの高さH2よりも少なくとも1mm以上高いことが好ましい。正極端子40の高さH1は、ガスケット50の高さH2よりも1.5mm以上高いことがより好ましく、2mm以上高くてもよく、3mm以上高いことがさらに好ましく、4mm以上高いことが特に好ましい。これにより、正極端子40の熱マスを高くすることができ、正極端子40の温度がガスケット50の耐熱温度を超えることが抑制される。また、ガスケット50から露出する部分の長さが長くなるため、冷却効果が期待でき正極端子40の温度上昇をさらに抑制することができる。
【0030】
図2に示すように、正極端子40は、第1フランジ部41と、第2フランジ部42と、軸部43と、を有している。正極端子40は、かしめ加工によって、封口板14とは絶縁された状態で、封口板14の端子装着孔19を囲む周縁部分にかしめられている。正極端子40は、かしめ加工により、封口板14に固定されるとともに、正極集電部材44と電気的に接続されている。
【0031】
第1フランジ部41は、
図2に示すように、軸部43よりも外径が大きい。また、第1フランジ部41は、封口板14の端子装着孔19よりも外径が大きい。第1フランジ部41は、封口板14の端子装着孔19から、電池ケース10の外部に突出した部位である。第1フランジ部41の外形は、ここでは略円柱形状である。第1フランジ部41は、
図2に示すように、下面41dと、下面41dから上下方向Zの上方に向けて延びる側面(外周面)41aと、を有している。
【0032】
ここに開示される二次電池100では、第1フランジ部41の側面41aの上下方向Zの長さを長くすることにより、正極端子40の高さH1をガスケット50の高さH2よりも高くなるよう調整することができる。第1フランジ部41は、上記したように軸部43よりも外径が大きく、体積が大きいため、当該第1フランジ部41の上下方向Zの長さを長くすることで効率よく正極端子40の熱マスを向上することができる。
【0033】
軸部43は、
図2に示すように、第1フランジ部41の下端部から下方に向けて延びている。軸部43は、ここでは円柱形状である。軸部43の軸心は、第1フランジ部41の軸心と一致している。かしめ加工前において、軸部43の下端側、すなわち、上下方向Zにおいて第1フランジ部41が位置する側と反対側は、中空状であり得る。軸部43は、正極端子40が封口板14に取り付けられる際に、封口板14の端子装着孔19に挿通される部位である。軸部43の下端側は、正極端子40が封口板14に取り付けられる際に、かしめ加工によって押し広げられ、第2フランジ部42を構成する部位である。軸部43は、かしめ加工によって、電池ケース10の内部で正極集電部材44と電気的に接続される。
【0034】
図2に示すように、ここに開示される二次電池100では、かしめ加工後の軸部43の下端部43dは、平坦であることが好ましい。
図4Aは、従来の正極端子140の軸部143の下端部143dを模式的に示す図である。
図4Bは、ここに開示される二次電池100の正極端子40の軸部43の下端部43dを模式的に示す図である。詳しくは後述するが、従来の正極端子140においては、
図4Aに示すように、かしめ処理の際に上部に凸部321を有する凸型のパンチ工具320を用いていた。そして、当該パンチ工具320との干渉を避けるために、従来の正極端子140では、軸部143の下端部143dは、凹部143cを有していた。しかしながら、ここに開示される二次電池100では、
図4Bに示すように、上部が平坦なパンチ工具220を用いてかしめ加工を行うため、凹部は不要であり、軸部43の下端部43dは平坦である。これにより、従来よりも軸部43の体積を増加させることができるため、熱マスをさらに向上させることができる。
【0035】
第2フランジ部42は、
図2に示すように、軸部43よりも外径が大きい。また、第1フランジ部41は、封口板14の端子装着孔19よりも外径が大きい。第2フランジ部42は、軸部43の下端側から延びており、正極集電部材44にかしめられている。
【0036】
正極集電部材44は、正極集電体22cの正極集電体露出部に付設され、正極と正極端子40とを電気的に接続する導通経路を構成している。
図2に示すように、正極集電部材44は、封口板14の内表面14B側に沿って水平に広がった平板状部分44fを有する。平板状部分44fには、端子装着孔19に対応する位置に貫通孔44hが設けられている。貫通孔44hは、後述する正極端子40のかしめ加工前の軸部43を挿通可能な内径を有する。正極集電部材44は、かしめ加工によって、インシュレータ60を介して絶縁された状態で封口板14に固定されている。
【0037】
図5Aは、従来の正極端子140を模式的に示す図である。
図5Bは、ここに開示される二次電池100の正極端子40を模式的に示す図である。
図5Aに示すように、従来の正極集電部材144は、凹部144aおよびザグリ穴144bが設けられている。凹部144aの上下方向Zの長さは、正極集電部材144の平板状部分144fよりも短い。また、ザグリ穴144bの上下方向Zの長さは、凹部144aよりも短い。言い換えれば、従来の正極集電部材144は、平板状部分144fよりも厚みの小さい第1薄肉部としての凹部144aと、当該第1薄肉部よりもさらに厚みの小さい第2薄肉部としてザグリ穴144bと、を有している。本発明者らが検討した結果によれば、正極集電部材144が凹部144aとザグリ穴144bとを有していることにより、正極端子140の軸部143の上下方向Zの長さL1がやや短くなり、正極端子の熱マスを向上させる観点からは好ましくないことを見出した。これに対して、ここに開示される二次電池100の正極集電部材44は、
図5Bに示すように、凹部やザグリ穴を有していない。このため、正極端子40の軸部43の上下方向Zの長さL2を下方側にさらに長くすることができる。これにより、さらに熱マスを向上させることができ、正極端子40が過剰に発熱することを抑制して、安全性の高い二次電池100を提供することができる。
【0038】
図2に示すように、ガスケット50は、封口板14の外表面14A側と正極端子40との間に配置される樹脂製の絶縁部材である。ガスケット50は、外部絶縁部材の一例である。ガスケット50は、ここでは、封口板14と正極端子40とを絶縁するとともに、端子装着孔19を閉鎖する機能を有する。ガスケット50は、電気絶縁性を有し、弾性変形が可能な樹脂材料、例えば、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素化樹脂や、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリプロピレン(PP)等から構成され得る。なかでも、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂が好ましい。ガスケット50には、上記したPFA等の樹脂材料の他に、無機フィラーが添加されてもよい。
【0039】
ガスケット50は、筒部51と、基部52と、側壁部53と、を有する。筒部51は、封口板14と正極端子40の軸部43とが直接接触することを防止する部位である。筒部51は、中空の円筒形状である。筒部51は、上下方向Zに貫通した貫通孔51hを有する。貫通孔51hは、かしめ加工前の正極端子40の軸部43を挿通可能なように構成されている。筒部51は、封口板14の端子装着孔19に挿通されている。基部52は、封口板14と、後述する正極端子40の第1フランジ部41の下面41dとが直接接触することを防止する部位である。基部52は、封口板14の端子装着孔19を囲むように例えば円環形状に構成されている。基部52は、封口板14の外表面14Aに沿って延びている。基部52は、正極端子40の第1フランジ部41の下面41dと、封口板14の外表面14Aとの間に挟み込まれ、例えばかしめ加工によって、上下方向Zに圧縮されている。側壁部53は、基部52の周縁から上方に向けて延びる部位である。側壁部53は、第1フランジ部41の側面41aの周囲の一部を取り囲んでいる。
【0040】
インシュレータ60は、封口板14の内表面14B側と正極集電部材44との間に配置される絶縁部材である。インシュレータ60は、封口板14と正極集電部材44とを絶縁する機能を有する。
図2に示すように、インシュレータ60は、封口板14の内表面14Bに沿って水平に広がった平板状部分を有する。当該平板状部分には、端子装着孔19に対応する位置に貫通孔60hが設けられている。貫通孔60hは、正極端子40の軸部43を挿通可能な大きさの内径を有する。インシュレータ60は、使用する電解質に対する耐性と、電気絶縁性とを有し、弾性変形が可能な樹脂材料、例えば、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)等のフッ素化樹脂や、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等で構成され得る。インシュレータ60の平板状部分は、封口板14の内表面14Bと正極集電部材44の上面との間に挟み込まれ、例えばかしめ加工によって、上下方向Zに圧縮されている。
【0041】
<二次電池の製造方法>
続いて、二次電池100の製造方法の一例について説明する。ここに開示される製造方法は、例えば、用意工程と、取り付け工程と、封口工程と、を包含する。
【0042】
用意工程では、外装体12と、封口板14と、負極端子30と、正極端子40と、電極体20と、を少なくとも用意する。ここでは、負極端子30および正極端子40は、封口板14に取り付けた際に、封口板14の外表面14Aから外部絶縁部の頂部までの高さH2よりも2倍以上高くなるように上下方向Zの長さが長いものを用意する。
【0043】
取り付け工程では、封口板14に負極端子30と、負極集電部材34と、正極端子40と、正極集電部材44と、を取り付ける。正極端子40および正極集電部材44は、例えば、
図2に示すように、かしめ加工(リベッティング)によって封口板14に固定する。かしめ加工は、正極端子40と封口板14との間にガスケット50を挟み、さらに封口板14と正極集電部材44との間にインシュレータ60を挟んで行われる。より詳細には、正極端子40のかしめ加工前の軸部43を、封口板14の上方から、ガスケット50の筒部51と、封口板14の端子装着孔19と、インシュレータ60の貫通孔60hと、正極集電部材44の貫通孔44hと、に順番に貫通させて、封口板14の下方に突出させる。そして、
図4Bに示すように、上部が平坦なパンチ工具220を用いて、上下方向Zに対して圧縮力が加わるように、封口板14の下方に突出した軸部43をかしめる。これにより、正極端子40の軸部43の先端部に第2フランジ部42を形成する。
【0044】
なお、従来のかしめ加工では、
図4Aに示すような、凸型のパンチ工具320を用いて実施していた。具体的には、正極端子140のかしめ加工前の軸部143を、封口板14の上方から、ガスケット50の筒部51と、封口板14の端子装着孔19と、インシュレータ60の貫通孔60hと、正極集電部材144の貫通孔144hと、に順番に貫通させて、封口板14の下方に突出させる。そして、上部が凸部321を有する凸型のパンチ工具320を用いて、上下方向Zに対して圧縮力が加わるよう、封口板14の下方に突出した軸部143をかしめていた。このため、当該パンチ工具320との干渉を避けるために軸部143の下端部143dは、凹部143cを有する。しかしながら、本発明者らが熱マスを向上させる観点から検討した結果、パンチ工具の上部が
図4Bに示すように平坦であっても、好適にかしめ加工を実施できることを見出した。したがって、ここに開示される二次電池100のかしめ加工では、上部が平坦なパンチ工具220を用いている。
【0045】
上記したようなかしめ加工によって、ガスケット50の基部52と、インシュレータ60の平板状部分とが圧縮され、正極端子40とガスケット50とインシュレータ60と正極集電部材44とが封口板14に一体に固定されるとともに、端子装着孔19がシールされる。なお、負極端子30および負極集電部材34の取り付け方法も、上記した正極端子40と正極集電部材44の取り付け方法と同様であってよい。正極集電部材44は、正極集電体22cの正極集電体露出部に溶接され、電極体20の正極と正極端子40とが電気的に接続される。同様に、負極集電部材34は、負極集電体24cの負極集電体露出部に溶接され、電極体20の負極と負極端子30とが電気的に接続される。これにより、封口板14と、負極端子30と、正極端子40と、電極体20とが一体化される。
【0046】
封口工程では、以上のように封口板14と一体化された電極体20と、電解液と、を外装体12に収容した状態で封止する。具体的には、外装体12の開口部12hから電極体20を挿入し、封口板14と外装体12の開口部12hとの周縁をレーザー溶接等によって接合する。そして、注液孔から電解質(例えば非水電解液)を注入し、該注液孔を封止部材で塞ぐことによって、二次電池100を密閉する。以上のようにして、二次電池100を製造することができる。
【0047】
<二次電池の用途>
二次電池100は各種用途に利用可能であるが、例えば、乗用車、トラック等の車両に搭載されるモータ用の動力源(駆動用電源)として好適に用いることができる。車両の種類は特に限定されないが、例えば、プラグインハイブリッド自動車(PHEV;Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、ハイブリッド自動車(HEV;Hybrid Electric Vehicle)、電気自動車(BEV;Battery Electric Vehicle)等が挙げられる。
【0048】
二次電池100は、例えばバスバー210を介して複数の二次電池100を相互に電気的に接続してなる組電池としても好適に用いることができる。この場合、複数の二次電池100の間の電気的な接続は、正極端子および負極端子の第1フランジ部に、例えば平板状のバスバー210を架け渡すことで行うことができる。バスバー210は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属から構成され得る。また、バスバー210と第1フランジ部とは、例えばレーザー溶接等の溶接によって電気的に接続され得る。上記したように封口板14の外表面14Aから正極端子40の頂部40tまでの高さH1が、封口板14の外表面14Aからガスケット50の頂部50tまでの高さH2の2倍以上高いことにより、組電池を構築した際に、バスバー210とガスケット50との間にクリアランスを設けることができる。これにより、正極端子40が冷却されやすくなり、ガスケット50の耐熱温度を上回ることが抑制され、シール性や絶縁性がより適切に確保される。したがって、ここに開示される二次電池100によれば、安全性が向上した組電池を提供することができる。
【0049】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、上記実施形態は一例に過ぎない。本発明は、他にも種々の形態にて実施することができる。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。請求の範囲に記載の技術には、上記に例示した実施形態を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、上記した実施形態の一部を他の変形態様に置き換えることも可能であり、上記した実施形態に他の変形態様を追加することも可能である。また、その技術的特徴が必須なものとして説明されていなければ、適宜削除することも可能である。
【0050】
以上の通り、ここで開示される技術の具体的な態様として、以下の各項に記載のものが挙げられる。
項1:正極および負極を有する電極体と、開口部を有し、上記電極体を収容する電池ケースと、端子装着孔を有し、上記開口部を封口する封口板と、上記電池ケースの外部に配置される第1フランジ部と、上記電池ケースの内部に配置される第2フランジ部と、上記第1フランジ部と上記第2フランジ部との間に位置し、上記端子装着孔に挿通される軸部と、を有する電極端子と、上記封口板の外表面と上記第1フランジ部とを絶縁する樹脂製の外部絶縁部材と、を備え、電池容量が10Ah以下、かつ、上記電池ケースを含めた電池体積が200cm3以下であり、ここで、上記封口板の外表面から上記電極端子の頂部までの高さH1は、上記封口板の外表面から上記絶縁部材の頂部までの高さH2よりも2倍以上高い、二次電池。
項2:上記軸部の下端側が平坦である、項1に記載の二次電池。
項3:上記端子装着孔の直径よりも、上記電極端子の高さH1の長さの方が長い、項1または2に記載の二次電池。
項4:上記電極端子の高さH1は、上記外部絶縁部材の高さH2よりも少なくとも1mm以上高い、項1~項3のいずれか一つに記載の二次電池。
項5:二次電池の正極端子および負極端子のいずれかの電極端子であって、項1~4のいずれか一つに記載の二次電池に備えられている電極端子。
【符号の説明】
【0051】
10 電池ケース
12 外装体
12h 開口部
14 封口板
18、19 端子装着孔
20 電極体
30 負極端子
40 正極端子
40t 頂部
41 第1フランジ部
42 第2フランジ部
43 軸部
50 ガスケット
50t 頂部
51 筒部
52 基部
53 側壁部
60 インシュレータ
100 二次電池
210 バスバー
220 パンチ工具