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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018457
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】保冷庫及び要冷却物の輸送方法
(51)【国際特許分類】
   F25D 16/00 20060101AFI20240201BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20240201BHJP
   F25D 17/06 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
F25D16/00
F25D11/00 101D
F25D17/06 302
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121815
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000108797
【氏名又は名称】エスペック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】山内 悟留
(72)【発明者】
【氏名】東迫 正通
(72)【発明者】
【氏名】岡田 俊介
【テーマコード(参考)】
3L045
3L345
【Fターム(参考)】
3L045AA04
3L045AA07
3L045BA02
3L045CA02
3L045DA02
3L045EA01
3L045HA01
3L045KA16
3L045PA04
3L345AA02
3L345AA13
3L345AA14
3L345CC01
3L345CC05
3L345DD04
3L345DD05
3L345DD10
3L345DD13
3L345DD17
3L345DD21
3L345DD33
3L345KK04
3L345KK05
(57)【要約】
【課題】輸送中に電源が不要であり、かつ長期間にわたって低温状態を維持できる保冷庫を提供することを目的とする。
【解決手段】 要冷却物を収容するための収容空間43を内側に形成する外郭筐体2と、冷凍装置5とを有し、前記外郭筐体2内に、蓄冷材41を保持する蓄冷材保持部42が設けられ、前記冷凍装置5は蒸発器53を有し、当該蒸発器53を収容する収容部材60があり、前記外郭筐体2の外部に前記収容部材60が配置され、前記収容部材60内の空間と前記外郭筐体2内の収容空間が連通部72で連通し、当該連通部72を開閉する開閉手6段を有している構成を持つ。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
要冷却物を収容するための収容空間を内側に形成する外郭筐体と、冷凍装置とを有し、
前記外郭筐体内に、蓄冷材を保持する蓄冷材保持部が設けられ、
前記冷凍装置は蒸発器を有し、当該蒸発器を収容する収容部材があり、
前記外郭筐体の外部に前記収容部材が配置され、前記収容部材内の空間と前記外郭筐体内の収容空間が連通部で連通し、当該連通部を開閉する開閉手段を有していることを特徴とする保冷庫。
【請求項2】
前記外郭筐体の内側に断熱筐体をさらに有し、当該断熱筐体の内側に、前記蓄冷材保持部が配置されるとともに、前記収容空間が形成され、当該断熱筐体に前記開閉手段が設けられることを特徴とする請求項1に記載の保冷庫。
【請求項3】
前記外郭筐体の天面壁に外郭側開口があり、前記断熱筐体の天面壁に断熱筐体側開口があり、前記外郭筐体の内面と前記断熱筐体の天面が接しており、
前記外郭筐体の上に前記収容部材が設置されていて、
前記収容部材内の空間と前記断熱筐体内に形成された前記収容空間が、前記外郭側開口と前記断熱筐体側開口を経て連通することにより、前記連通部を形成することを特徴とする請求項2に記載の保冷庫。
【請求項4】
前記外郭筐体の内面と、前記断熱筐体の外面のうち少なくとも一つの面との間に、空間があることを特徴とする請求項2に記載の保冷庫。
【請求項5】
前記連通部は単一の通気路であり、当該通気路を通じて前記断熱筐体内の空気と前記収容部材内の空気が出入りすることを特徴とする請求項1に記載の保冷庫。
【請求項6】
前記開閉手段は、着脱可能及び/又は移動可能な閉止板であることを特徴とする請求項1に記載の保冷庫。
【請求項7】
前記閉止板は、連通部に差し入れることによって前記連通部を閉じるものであり、
前記閉止板と前記連通部との接触面が凹凸形状であることを特徴とする請求項6に記載の保冷庫。
【請求項8】
要冷却物を収容するための収容空間を内側に形成する外郭筐体と、冷凍装置とを有し、
前記収容空間内に、蓄冷材を保持する蓄冷材保持部が設けられ、前記冷凍装置は蒸発器を有し、
前記蒸発器は前記収容空間に送る空気を冷却するものであり、
前記収容空間への空気の流れを遮断する開閉手段を備える保冷庫を使用する要冷却物の輸送方法であって、
前記保冷庫を所定の位置に置き、前記開閉手段を開いた状態で前記冷凍装置を駆動して蒸発器によって前記蓄冷材を冷却する蓄冷材冷却工程と、
前記冷凍装置を停止すると共に、前記開閉手段を閉じる遮断工程と、
前記保冷庫を移動させる移動工程を実行することを特徴とする要冷却物の輸送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は保冷庫に関するものである。本発明の保冷庫は、医薬品、血液や血漿その他の臓器、冷凍食品その他の要冷却物の輸送に適するものである。
また本発明は、要冷却物の輸送方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
バイオ医薬品やワクチン等には、低温で保管し、低温状態を維持したままで消費地まで輸送することが必要なものがある。輸血用血液や、血漿等も、低温で保管し、低温状態を維持したままで消費地まで輸送することを要する場合がある。
【0003】
これらの用途に使用される保冷庫には、冷凍装置を搭載するものと、蓄冷材を使用するものがある。
前者の冷凍装置を搭載する保冷庫は、冷凍装置によって庫内を低温状態に維持する。
後者の保冷庫は、蓄冷材によって庫内を低温状態に維持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-190753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前者の冷凍装置を搭載する保冷庫は、輸送する際に電源を確保することが必要である。そのため、当該保冷庫を輸送する車両は、電源を有するものに限定される。そのため、冷凍装置を搭載する保冷庫は、電源を持たないトラック等では輸送することができない場合がある。
後者の蓄冷材によって庫内を冷却する構造の保冷庫は、輸送時の電源が不要であるという利点があるものの、輸送するたびに蓄冷材を充填する必要がある。例えば予め外部の冷凍庫で蓄冷材を冷やしておき、輸送前に蓄冷済の蓄冷材を保冷庫に充填する必要がある。そのため、蓄冷材を使用する保冷庫は、輸送するたびに蓄冷材を充填する必要があり、手間であるという問題がある。
【0006】
そこで本発明者らは、冷凍装置と蓄冷材を装備した保冷庫を検討した。即ち、輸送前に、電源がある場所に保冷庫を置き、冷凍装置を駆動して当該冷凍装置で蓄冷材を冷却する。一方、輸送時は冷凍装置を停止し、内部の蓄冷材によって庫内の温度を低温に保つ。
【0007】
しかしながら、この構造の保冷庫には、新たな解決すべき課題があった。即ち、この構造の保冷庫では、蒸発器の冷熱で蓄冷材を冷却する観点から蒸発器と蓄冷材が同じ空間に置かれることが望ましいが、この場合、冷凍装置を停止した際に蒸発器に庫内の冷熱が奪われることがある。
具体的には、冷凍装置を停止すると蒸発器による冷却機能が喪失するが、蒸発器は配管で外部の機器(例えば圧縮機や凝縮器)と繋がっているから、外部から配管を伝って熱が移動し、蒸発器の表面温度が上昇することがある。そのため冷凍装置を停止した後は、庫内に置かれた蒸発器が熱源となり、保冷庫内の温度を上昇させてしまう場合がある。その結果、保冷庫内を低温状態に維持することができる時間が予想以上に短くなってしまう場合がある。
【0008】
本発明は、新たに発見した現象による課題を解決するものであり、輸送中に電源が不要であり、輸送するたびに蓄冷材を保冷庫に充填する手間がなく、かつ長期間にわたって低温状態を維持できる保冷庫を提供することを目的とするものである。
また本発明は、輸送中に電源が不要であり、輸送するたびに蓄冷材を保冷庫に充填する手間がなく、かつ要冷却物の温度を長時間に渡って低温に保って輸送することができる輸送方法を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するための態様は、要冷却物を収容するための収容空間を内側に形成する外郭筐体と、冷凍装置とを有し、前記外郭筐体内に、蓄冷材を保持する蓄冷材保持部が設けられ、前記冷凍装置は蒸発器を有し、当該蒸発器を収容する収容部材があり、前記外郭筐体の外部に前記収容部材が配置され、前記収容部材内の空間と前記外郭筐体内の収容空間が連通部で連通し、当該連通部を開閉する開閉手段を有していることを特徴とする保冷庫である。
【0010】
本態様の保冷庫は、冷凍装置と蓄冷材を装備した保冷庫である。本態様の保冷庫は、蒸発器を収容する収容部材と外郭筐体内の収容空間が連通部で連通し、連通部を開閉する開閉手段を有している。
本態様の保冷庫は、冷凍装置によって蓄冷材を冷却することができる。蓄冷材を冷却する際に開閉手段を開くと、蒸発器で冷やされた空気が連通部を経て蓄冷材側に流れ、蓄冷材を効率よく冷却することができる。
保冷庫を移動させる際には、開閉手段を閉じる。その結果、蒸発器を収容する収容部材と外郭筐体内の収容空間が遮断される。そのため、蒸発器の表面温度が上昇しても、保冷庫内の温度に影響を与えにくい。
【0011】
上記した態様において、前記外郭筐体の内側に断熱筐体をさらに有し、当該断熱筐体の内側に、前記蓄冷材保持部が配置されるとともに、前記収容空間が形成され、当該断熱筐体に前記開閉手段が設けられることが望ましい。
【0012】
本態様によると、要冷却物を収容するための収容空間が、断熱筐体の壁と外郭筐体の壁によって二重に断熱される。
【0013】
上記した態様において、前記外郭筐体の天面壁に外郭側開口があり、前記断熱筐体の天面壁に断熱筐体側開口があり、前記外郭筐体の内面と前記断熱筐体の天面が接しており、前記外郭筐体の上に前記収容部材が設置されていて、前記収容部材内の空間と前記断熱筐体内に形成された前記収容空間が、前記外郭側開口と前記断熱筐体側開口を経て連通することにより、前記連通部を形成することが望ましい。
【0014】
本態様によると、外郭筐体の内面と断熱筐体の天面の間に無駄な空間が生じない。また収容部材内と断熱筐体内が直接的につながるので、両者を接続する部材が不要である。
【0015】
上記した態様において、前記外郭筐体の内面と、前記断熱筐体の外面のうち少なくとも一つの面との間に、空間があることが望ましい。
【0016】
本態様によると、外郭筐体の内面と断熱筐体の間に空間があり、当該空間が、空気による断熱層として機能する。
【0017】
上記した態様において、前記連通部は単一の通気路であり、当該通気路を通じて前記断熱筐体内の空気と前記収容部材内の空気が出入りすることが望ましい。
【0018】
本態様の保冷庫では、単一の通気路を通じて断熱筐体内の空気と収容部材内の空気が出入りする。そのため、収容部材内から断熱筐体内に行く冷却された空気と、断熱筐体内から収容部材内に戻る空気の間で熱交換がおこなわれ、冷熱が無駄になりにくい。
【0019】
上記した態様において、前記開閉手段は、着脱可能及び/又は移動可能な閉止板であることが望ましい。
【0020】
本態様で採用する開閉手段は、簡単な構造でありながら、収容部材内と断熱筐体内との間を効果的に遮断することができる。
【0021】
上記した態様において、前記閉止板は、連通部に差し入れることによって前記連通部を閉じるものであり、前記閉止板と前記連通部との接触面が凹凸形状であることが望ましい。
【0022】
閉止板を装着した際においては、収容部材内と断熱筐体内を繋ぐ残された空間は閉止板と連通部との接触面の隙間である。本態様の保冷庫では、閉止板と連通部との接触面が凹凸形状であるから、収容部材内と断熱筐体内を繋ぐ距離が実質的に長くなり、熱抵抗が増大して収容部材内と断熱筐体内の間の放熱量が減少する。
【0023】
要冷却物の輸送方法の発明は、要冷却物を収容するための収容空間を内側に形成する外郭筐体と、冷凍装置とを有し、前記収容空間内に、蓄冷材を保持する蓄冷材保持部が設けられ、前記冷凍装置は蒸発器を有し、前記蒸発器は前記収容空間に送る空気を冷却するものであり、前記収容空間への空気の流れを遮断する開閉手段を備える保冷庫を使用する要冷却物の輸送方法であって、前記保冷庫を所定の位置に置き、前記開閉手段を開いた状態で前記冷凍装置を駆動して蒸発器によって前記蓄冷材を冷却する蓄冷材冷却工程と、前記冷凍装置を停止すると共に、前記開閉手段を閉じる遮断工程と、前記保冷庫を移動させる移動工程を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明の保冷庫は、輸送中に電源が不要であり、輸送するたびに蓄冷材を保冷庫に充填する手間がなく、かつ長期間にわたって低温状態を維持することができる。
また本発明の要冷却物の輸送方法は、輸送中に電源が不要であり、輸送するたびに蓄冷材を保冷庫に充填する手間がなく、かつ要冷却物の温度を長時間に渡って低温に保って輸送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態の保冷庫の斜視図であって扉を開いた状態を示す。
図2図1の保冷庫のA-A断面図である。
図3図2の保冷庫であって、閉止板を外した状態を示す断面図である。
図4図1の保冷庫のB-B断面図である。
図5図1の保冷庫の分解斜視図である。
図6】(a)は、断熱筐体と閉止板の拡大図であり、(b)は、断熱筐体の断熱筐体側開口に閉止板を装着した状態における両者の接合部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の保冷庫1は、図1乃至図5に示すように、外郭筐体2と、断熱筐体3と、冷凍装置5及び閉止板(開閉手段)6によって構成されている。
外郭筐体2は、扉10を有する箱である。即ち外郭筐体2は、本体箱11と、扉10によって構成されている。外郭筐体2を構成する本体箱11と扉10は、いずれも断熱性を有する素材が内蔵されている。外郭筐体2には図示しない骨組みや補強部材がある。また表面は金属板や樹脂板で覆われている。そのため外郭筐体2は、相当の剛性を有している。
【0027】
外郭筐体2の本体箱11は、天面壁12、底面壁15、奥面壁17及び左右の側面壁18を有し、正面が開口する箱体である。即ち、本体箱11には、天面壁12、底面壁15、奥面壁17及び左右の側面壁18で囲まれた空洞部8がある。
本体箱11の底面壁15には、車輪20が4個取り付けられている。
本体箱11の天面壁12には、開口(外郭側開口)21が設けられている。開口(外郭側開口)21は、本体箱11の内外を連通するものである。
【0028】
扉10は、図示しないヒンジによって本体箱11の正面側に揺動可能に取り付けられている。扉10は、本体箱11の正面の開口を開閉するものである。
扉10には、図4の様に、操作盤16が設けられている。操作盤16は、後述の冷凍装置5の起動や停止を行うものである。
操作盤16には電池と制御装置が内蔵されている。制御装置に記憶手段を設け、保冷庫1内の温度履歴を記録してもよい。また操作盤16に表示装置を設け、保冷庫1内の温度履歴を表示してもよい。
【0029】
扉10の内面側には、図1図5に示す様な四角形の突起73が設けられている。即ち扉10の内面側には、本体部75の中央に突起73がある。
突起73の大きさ及び形状は、正面側の開口に嵌り込むことができ、且つ後記する断熱筐体3の正面側の開口縁と略合致するものである。
扉10の突起73は、後記する断熱筐体3の正面を封鎖する内蓋として機能する。即ち本実施形態の扉10は、外郭筐体2の扉と断熱筐体3の扉として機能する。
なお、扉10に突起73が設けられることが望ましいが、扉10に突起73が設けられない構成としてもよい。
【0030】
断熱筐体3は、断熱材で作られた箱である。断熱筐体3の素材は限定されるものではないが、真空断熱材や、発泡樹脂であることが望ましい。本実施形態の断熱筐体3は、真空断熱材で作られている。なお、各部に図示しない補強部材があり、断熱筐体3はある程度の剛性を有している。断熱筐体3の剛性は、外郭筐体2よりも低い。
【0031】
断熱筐体3は、天面壁22、奥面壁27及び左右の側面壁28を有し、正面と底面は開口している。なお断熱筐体3は、底面壁を有するものであってもよい。
断熱筐体3の天面壁22には、開口(断熱筐体側開口)31が設けられている。開口(断熱筐体側開口)31は、切り欠き状であり、平面視は「コ」字状を呈している。
即ち、開口31は、図5図6(a)の様に、平行に対向する二つの側面辺32、33と、当該側面辺32、33同士の奥側を繋ぐ奥側辺45を有し、正面側が開放された切り欠きである。
開口31の各辺を構成する縦壁37には、長手方向にのびる溝40が設けられている。
【0032】
断熱筐体3の内面には、蓄冷材41を多数保持する蓄冷材保持部42がある。即ち、断熱筐体3を構成する奥面壁27及び左右の側面壁28の内面に、図示しない係合部があり、当該係合部に蓄冷材41が保持される。そのため断熱筐体3の3面は、実質的に多数の蓄冷材41で覆われている。本実施形態では、あたかも蓄冷材41の壁によって、断熱筐体3の内部が覆われている状態といえる。
断熱筐体3の内部であって、蓄冷材41で覆われた領域が、物品収容空間43となる。
【0033】
断熱筐体3の外幅Aは、外郭筐体2の空洞部8の内幅Bよりも小さい。断熱筐体3の外寸法の奥行Cは、外郭筐体2の空洞部8の奥行Dよりも小さい。断熱筐体3の高さEは、外郭筐体2の空洞部8の高さFと略等しい。
【0034】
外郭筐体2の外側に、保冷庫1内を冷却するための冷却装置5が設けられている。
冷凍装置5は、図4の様に、圧縮機50、凝縮器51、膨張手段52、蒸発器53を有し、これらが配管55によって環状に接続されたものであり、内部に相変化する冷媒が封入されたものである。
圧縮機50を駆動することにより、気体状の冷媒が圧縮され、当該冷媒が凝縮器51で冷却されて液化する。そして当該液状の冷媒が膨張手段52を経由して蒸発器53に入り、気化する。その際に気化熱を奪い、蒸発器53の表面温度が低下する。気化した冷媒は、圧縮機50に戻って再度圧縮される。
【0035】
本実施形態では、冷凍装置5は、図4の様に、二つの領域に分かれている。即ち、冷凍装置5の圧縮機50、凝縮器51、膨張手段52の三者は、機械箱57内に配置されており、蒸発器53は、単独で、収容部材60内に配置されている。また蒸発器53の下部には送風機56が設けられている。
収容部材60は、底面が開口する箱であり、断熱材で作られている。
収容部材60内において、蒸発器53及び送風機56は、図3の様に片側に寄った位置に置かれている。
【0036】
閉止板(開閉手段)6は、断熱材で作られた四角形の板である。閉止板(開閉手段)6は、断熱筐体3の天面壁22に設けられた開口(断熱筐体側開口)31に装着されるものであり、閉止板6の形状及び大きさは、断熱筐体3の天面壁22に設けられた開口(断熱筐体側開口)31と略同一である。また閉止板6の厚さは、断熱筐体3の天面壁22の厚さと略等しい。
閉止板6の3側面38には、長手方向にのびる凸条36が設けられている。
【0037】
次に、保冷庫1を構成する各部材の位置関係について説明する。
本実施形態の保冷庫1では、外郭筐体2の本体箱11内に、断熱筐体3が内蔵されている。
ここで、断熱筐体3の外幅Aは、外郭筐体2の空洞部8の内幅Bよりも小さいから、外郭筐体2の内側の側面61a、61bと、断熱筐体3の外側の側面62a、62bの間には、それぞれ空間63a、63bがある。
断熱筐体3の外寸法の奥行Cは、外郭筐体2の空洞部8の奥行Dよりも小さいから、外郭筐体2の内側の奥面65と断熱筐体3の外側の裏面66の間にも空間67がある。
なお、本実施形態では、断熱筐体3は、外郭筐体2の正面の開口よりもやや奥に設置されている。
断熱筐体3の高さEは、外郭筐体2の空洞部8の高さFと等しいから、断熱筐体3の天面壁22と、外郭筐体2の空洞部8の天井面70の間は、密接している。
また、外郭筐体2の天面壁12に設けられた開口(外郭側開口)21と、断熱筐体3の天面壁22に設けられた開口(断熱筐体側開口)31は、大半が合致し、連通する。
【0038】
断熱筐体3は、図示しないネジ等の一時締結要素によって外郭筐体2の空洞部8内に固定されている。
【0039】
冷凍装置5は、外郭筐体2の外側であって、天面壁12の上に載置されている。冷凍装置5を収容する収容部材60は、外郭筐体2の天面壁12であって、天面壁12に設けられた開口(外郭側開口)21を覆う位置に設置されている。
そのため、収容部材60の内部と、断熱筐体3の内部は、図3の様に、外郭筐体2の天面壁12に設けられた開口(外郭側開口)21と、断熱筐体3の天面壁22に設けられた開口(断熱筐体側開口)31を、連通部72として連通する。
ただし、閉止板(開閉手段)6は着脱自在であり、閉止板6が断熱筐体3側の開口(断熱筐体側開口)31に装着されると、図2図4の様に、連通部72が封鎖され、収容部材60の内部と断熱筐体3の内部の間が遮断される。
【0040】
前記した様に、閉止板6の形状及び大きさは、断熱筐体3の天面壁22に設けられた開口(断熱筐体側開口)31と略同一である。
閉止板6の3側面38には、図6の様に、長手方向にのびる凸条36が設けられている。一方、天面壁22に設けられた開口(断熱筐体側開口)31の縦壁37には、長手方向にのびる溝40が設けられている。
そのため、閉止板6の3側面38に設けられた長手方向にのびる凸条36を開口31の溝40に係合させ、閉止板6を開口31の奥に向かって押し入れることにより、閉止板6を開口31に装着することができる。
また閉止板6を引くことにより、閉止板6は溝40に沿ってスライドし、開口31から閉止板6を離脱させることができる。
【0041】
閉止板6が開口31に装着された状態における両者の接合面に注目すると、図6(b)の様に、閉止板6の凸条36と開口31の溝40が嵌合している。そのため、断熱筐体3の天面壁22において、内外を連通する空間は、開口31の縦壁37と閉止板6の側面38の間に生じる隙間のみとなる。
ここで本実施形態では、閉止板6と開口31の接合面が凹凸面であるから、収容部材60内と断熱筐体3内を繋ぐ距離が実質的に長くなり、熱抵抗が増大して収容部材60内と断熱筐体3内の間の放熱量が減少する。
本実施形態では、閉止板6の3側面38の凸条36及び、開口31側の溝40は、それぞれ1条であるが、より多い条数であってもよい。また閉止板6に溝があり、開口31側に凸条があってもよい。
【0042】
収容部材60内において、蒸発器53及び送風機56は、図3の様に片側に寄った位置に配されているから、蒸発器53及び送風機56は、連通部72の中心から片側に寄った位置にある。
【0043】
扉10を閉じると、図4の様に外郭筐体2の正面の開口が封鎖される。即ち扉10の本体部75が、外郭筐体2の正面の開口縁と接し、外郭筐体2内を密閉する。
また扉10を閉じると、扉10の突起73が断熱筐体3の正面の開口縁と接し、断熱筐体3内を密閉する。この様に、本実施形態では、扉10の突起73が断熱筐体3の扉として機能する。
【0044】
次に、保冷庫1の使用方法について説明する。
本実施形態の保冷庫1は、例えばワクチンの様な要冷却物を輸送する用途に使用される。例えば要冷却物を輸送する際の準備工程として、保冷庫1内の蓄冷材41を冷却する蓄冷材冷却工程を行う。
蓄冷材冷却工程は、例えば倉庫等の家屋内に保冷庫を置き、閉止板(開閉手段)6を断熱筐体3側の開口(断熱筐体側開口)31から外して連通部72を開き、収容部材60の内部と断熱筐体3の内部を連通させる。
この状態で冷凍装置5及び送風機56を駆動する。
【0045】
その結果、蒸発器53の表面温度が低下する。また図3の様に、送風機56によって収容部材60の内部と断熱筐体3の内部の間で空気が循環する。
本実施形態では、図3の様に、蒸発器53及び送風機56は、連通部72の中心から片側に寄った位置にあるから、送風機56の送風は、矢印の様に連通部72の中心から片側に寄った位置を通過して断熱筐体3の内部に入る。
また断熱筐体3内の空気は、連通部72の他方に寄った位置を通過して収容部材60に戻り、送風機56の吸引力で蒸発器53に吸い込まれて冷却される。
【0046】
本実施形態では、連通部72を通じて収容部材60の内部と断熱筐体3の内部の空気が行き来する。即ち、収容部材60内の空気は、連通部72の中心から片側に寄った位置を通過して断熱筐体3の内部に入り、断熱筐体3内の空気は、連通部72の他方に寄った位置を通過して収容部材60に戻る。
そのため、一つの連通部72内で、往きと戻りの空気が接し、両者の間で熱交換される。その結果、冷熱が外部に伝熱されることが防止され、冷熱が無駄になりにくい。
【0047】
蓄冷材41が十分に冷却されると、扉10を開いて断熱筐体3の物品収容空間43内に要冷却物を収容する。
この作業と前後して、冷凍装置5を停止すると共に、閉止板(開閉手段)6を断熱筐体3側の開口(断熱筐体側開口)31に装着して連通部72を閉じる遮断工程を実施する。
遮断工程により、連通部72が閉じられ、収容部材60の内部と断熱筐体3の内部の間が遮断される。
この状態で、保冷庫1を押し動かし、トラックやコンテナ等の車両に乗せる。
そして当該車両を走行させてワクチン等の要冷却物を目的地に輸送する。
【0048】
輸送される間、内部の蓄冷材41によって、断熱筐体3の内部が低温状態に維持される。
即ち、ワクチン等の要冷却物は、断熱筐体3の内にある。また断熱筐体3は、外郭筐体2の空洞部8内に収容されており、外郭筐体2も相当の断熱性を備えている。さらに、外郭筐体2と断熱筐体3の間には空間があり、当該空間には空気層がある。
そのため外部の熱は、外郭筐体2で遮断され、さらに空気層で断熱されるから、断熱筐体3の外側は、外部の熱影響をほとんど受けない。さらに要冷却物は、断熱筐体3の中であって蓄冷材41に囲まれた位置に置かれている。そのため要冷却物の温度は低温に保たれる。
【0049】
一方、冷凍装置5は停止しているので、蒸発器53内における冷媒の蒸発はなく、蒸発器53は冷却能力を持たない。そのため、配管55を通じて外部から熱伝導があり、蒸発器53の温度が次第に上昇する。
しかしながら、閉止板(開閉手段)6が断熱筐体3側の開口(断熱筐体側開口)31に装着されており、連通部72が閉じられ、収容部材60の内部と断熱筐体3の内部の間が遮断されている。
そのため蒸発器53の表面温度が上昇しても、断熱筐体3の内部に与える影響は小さい。その結果要冷却物の温度は長時間に渡って、低温に保たれる。
【0050】
本実施形態の保冷庫1は、電源の無い車両に搭載して運搬することができる。また電源が無い場所でも内部の低温状態を維持することができる。即ち、要冷却品が搬送された先に電源が無い場合であっても、内部の低温状態を維持することができる。しかも、蒸発器53を収容する収容部材60の内部と断熱筐体3の内部が遮断されるため、蒸発器と蓄冷材が同じ空間に置かれる場合に比べて、低温状態を維持するために必要な蓄冷材の量を減らすことができる。
本実施形態の保冷庫1は、蓄冷材を詰め替える必要がなく、作業性がよい。
本実施形態の保冷庫1は、外郭筐体2と断熱筐体3によって構成される二重構造であり、且つ外郭筐体2と断熱筐体3の間に空気層があるから、断熱性能が高く、外気の影響を最小限にすることができ、保冷時間を長時間化することができる。
本実施形態の保冷庫1は、外郭筐体2と断熱筐体3に分離された構造であるから、外郭筐体2で剛性を確保し、断熱筐体3によって高い断熱性を確保することができる。
本実施形態の保冷庫1は、連通部72を開いた状態で冷凍装置5及び送風機56を駆動することにより、内部の蓄冷材41を効率よく冷却することができる。また連通部72を閉じることにより、放熱を抑えることができる。
本実施形態の保冷庫1によると、単体で、蓄冷材41の冷却と蓄冷材41による要冷却物の保冷を行うことができる。
本実施形態の保冷庫1は、低温を維持する効率が優れるため、省エネルギーに寄与し、結果的に二酸化炭素の排出を抑制することができる。
保冷庫1の大きさや収容する蓄冷材41の量は任意であり、用途に応じた設計を行うことができる。
【0051】
保冷庫1を長期間にわたって使用すると、各部に劣化が生じる場合がある。本実施形態の保冷庫1では、断熱筐体3が真空断熱材で作られている。真空断熱材は、断熱性能が高いものの、傷つくと内部の真空度が低下して断熱性能が低下する場合がある。そのため、断熱筐体3は、定期的に取り換えられることが望ましい。
本実施形態では、断熱筐体3は、ネジ等で外郭筐体2の空洞部8内に固定されているから、ネジ等を外すことによって容易に取り外すことができる。また断熱筐体3と外郭筐体2の間には、空間63a、63b、67がある。そのため断熱筐体3を取り外す作業を容易に行うことができる。
【0052】
本実施形態の保冷庫1では、一つの連通部72を通じて、収容部材60の内部の空気と断熱筐体3の内部の空気が行き来する。しかし本発明は、この構成に限定されるものではなく、往き側の連通路と戻り側の連通路を分けてもよい。
【0053】
閉止板(開閉手段)6が閉じられたことを検知するセンサーを設けてもよい。また閉止板6が閉じられると冷凍装置5を自動的に停止したり、冷凍装置5の停止を促す表示等をするというような、安全対策を講じてもよい。
【0054】
本実施形態の保冷庫1では、開閉手段が板状であって、スライドさせて着脱するものであるが、ダンパーの様な揺動式の開閉手段であってもよい。本実施形態の保冷庫1では、開閉手段は、取り外すことができるものであるが、取り外すことはできず、移動や姿勢変更することによって、連通部72を開閉するものであってもよい。
また動力によって開閉手段が動作する構成を採用することもできる。
本実施形態の保冷庫1では、板状の開閉手段が断熱筐体3の天面壁22にはめ込まれているが、開閉部材の取付け位置は断熱筐体3に限定されるものではない。
例えば、外郭筐体2の天面壁12に設けられた開口(外郭側開口)21に、開閉部材がはめ込まれていてもよい。収容部材60の内部や断熱筐体3の内部に開閉部材があってもよい。
【0055】
以上説明した保冷庫1では、扉10に四角形の突起73があり、当該突起73が断熱筐体3の正面の開口縁と接して断熱筐体3内を密閉する。前記した保冷庫1では、突起73の表面を断熱筐体3の正面の開口縁に当てているが、突起73を断熱筐体3内に入り込ませて断熱筐体3の正面の開口を封鎖してもよい。
また扉10の四角形の突起73を省略し、扉10の本体部75を直接的に断熱筐体3の正面の開口縁と接触させて断熱筐体3内を密閉する構成も考えられる。この構成を採用する場合は、断熱筐体3の正面の開口と本体箱11の正面の開口が同一平面になるようなレイアウトにすることが望ましい。
【0056】
以上説明した保冷庫1は、外郭筐体2の内側に断熱筐体3をさらに有する二重構造であり、当該断熱筐体3の内側に、蓄冷材保持部が配置されるとともに、要冷却物を収容するための収容空間(物品収容空間43)が形成され、断熱筐体3に閉止板(開閉手段)6が設けられている。
以上説明した保冷庫1は、外郭筐体2と断熱筐体3によって構成される二重構造であるが、外郭筐体2だけで断熱する単層構造であってもよい。外郭筐体2による単層構造を採用する場合、開閉手段は開口(外郭側開口)21に取り付けられる。
また保冷庫の変形例の一つとして、上記した実施形態の構造の内、断熱筐体3だけの単層構造であってもよい。この場合は、上記した実施形態の断熱筐体3が本発明の外郭筐体として機能する。断熱筐体3による単層構造の場合は、断熱筐体3の剛性を高めておくことが必要である。
またさらに多重の構造であってもよい。
外郭筐体2と断熱筐体3の間の空間63a、63b、67は、必ずしも全てが必要ではない。また外郭筐体2と断熱筐体3の間の空間63a、63b、67は、全く無くてもよい。
断熱筐体3の天面壁22と外郭筐体2の空洞部8の天井面70の間が、離れていてもよい。
【0057】
以上説明した保冷庫1は、冷凍装置5の全てを、外郭筐体2の天面壁12の上に置いたが、冷凍装置5の一部または全部を他の部位においてもよい。
例えば冷凍装置5の収容部材60だけを外郭筐体2の天面壁12の上に置き、その他の機器を外郭筐体2の裏面側においてもよい。
また冷凍装置5の収容部材60を外郭筐体2の下面側や裏面側においてもよい。
【0058】
以上説明した実施形態の保冷庫1は、外郭筐体2と冷凍装置5を有し、蒸発器53が置かれた空間たる収容部材60と、蓄冷材41が置かれた領域たる断熱筐体3内又は外郭筐体2内が、連通部72で連通し、当該連通部72を開閉する開閉手段たる閉止板6を有している。
以上説明した保冷庫1では、外郭筐体2の外に蒸発器53が置かれる空間があるが、断熱筐体3内又は外郭筐体2内に、蒸発器53が置かれる空間があってもよい。
外郭筐体2内に蒸発器53を配置する構成の保冷庫は、例えば次の様なものとなる。この構成の保冷庫は、例えば、外郭筐体と蒸発器を有する冷凍装置とを備えた保冷庫であり、外郭筐体内に仕切りが設けられていて蒸発器が置かれる空間と蓄冷材が置かれる領域とに分けられている。そして蒸発器が置かれる空間と、蓄冷材が置かれる領域の間に連通部があり、当該連通部に開閉手段が設けられている。
この構成の保冷庫では、蒸発器が置かれた空間と蓄冷材が置かれた領域との間に仕切りが設けられており、当該仕切りに連通部が形成される。そして連通部を開閉する開閉手段がある。なお、仕切りは断熱壁であることが望ましい。
【0059】
断熱筐体内に蒸発器53を配置する構成の保冷庫は例えば次の様なものとなる。この構成の保冷庫は、例えば外部筐体の内側にさらに断熱筐体を有する保冷庫であり、断熱筐体内に仕切りが設けられていて蒸発器が置かれる空間と蓄冷材が置かれる領域とに分けられている。そして蒸発器が置かれる空間と、蓄冷材が置かれる領域の間に連通部があり、当該連通部に開閉手段が設けられている。
この構成の保冷庫でも、蒸発器が置かれた空間と蓄冷材が置かれた領域との間に仕切りが設けられており、当該仕切りに連通部が形成される。そして連通部を開閉する開閉手段がある。なお、仕切りは断熱壁であることが望ましい。
以上説明した外郭筐体2内又は断熱筐体内に蒸発器53を配置する構成の保冷庫であっても、前記した実施形態の保冷庫1と同様の使用方法を採用することができる。即ち、開閉手段を開いた状態で冷凍装置を駆動して蒸発器によって前記蓄冷材を冷却し、前記冷凍装置を停止すると共に前記開閉手段を閉じ、保冷庫を移動させることが可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 保冷庫
2 外郭筐体
3 断熱筐体
5 冷凍装置
6 閉止板(開閉手段)
12 天面壁
21 開口(外郭側開口)
22 天面壁
31 開口(断熱筐体側開口)
36 凸条
40 溝
41 蓄冷材
42 蓄冷材保持部
43 物品収容空間
53 蒸発器
56 送風機
60 収容部材
63a、63b、67 空間
72 連通部
図1
図2
図3
図4
図5
図6