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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018464
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】配信システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/24 20110101AFI20240201BHJP
   H04N 21/239 20110101ALI20240201BHJP
   H04N 21/431 20110101ALI20240201BHJP
   H04L 67/1396 20220101ALI20240201BHJP
   H04L 67/50 20220101ALI20240201BHJP
   G10K 15/04 20060101ALN20240201BHJP
【FI】
H04N21/24
H04N21/239
H04N21/431
H04L67/1396
H04L67/50
G10K15/04 302D
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121824
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100157118
【弁理士】
【氏名又は名称】南 義明
(72)【発明者】
【氏名】牛山 建太郎
【テーマコード(参考)】
5C164
5D208
【Fターム(参考)】
5C164GA07
5C164SB01S
5C164SB29P
5C164SB41P
5C164UA42S
5C164UB83P
5C164YA12
5D208CA09
5D208CA11
5D208CG00
5D208CG05
(57)【要約】
【課題】配信映像を配信する配信者側で、視聴者の様子を適切に確認可能とする。
【解決手段】本発明に係る配信システムは、配信装置と、複数の視聴装置と、モニタ部が、ネットワークで接続された配信システムであって、配信装置は、配信対象となる配信映像を送信する配信映像送信手段を備え、視聴装置は、配信映像を受信する配信映像受信手段と、カメラで撮影されたカメラ映像を送信するカメラ映像送信手段と、を備え、モニタ部は、視聴装置から送信されたカメラ映像を受信する受信手段と、視聴装置において配信映像を視聴する視聴者の盛り上がり度合いを判定する判定手段と、判定手段で判定された視聴装置で配信映像を視聴する視聴者の盛り上がり度合いに基づき、視聴装置から送信されたカメラ映像を使用して、モニタ映像を形成するモニタ映像形成手段と、を備えた
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信装置と、複数の視聴装置と、モニタ部が、ネットワークで接続された配信システムであって、
前記配信装置は、配信対象となる配信映像を送信する配信映像送信手段を備え、
前記視聴装置は、
配信映像を受信する配信映像受信手段と、
カメラで撮影されたカメラ映像を送信するカメラ映像送信手段と、を備え、
前記モニタ部は、
前記視聴装置から送信されたカメラ映像を受信する受信手段と、
前記視聴装置において配信映像を視聴する視聴者の盛り上がり度合いを判定する判定手段と、
前記判定手段で判定された前記視聴装置で配信映像を視聴する視聴者の盛り上がり度合いに基づき、前記視聴装置から送信されたカメラ映像を使用して、モニタ映像を形成するモニタ映像形成手段と、を備えた
配信システム。
【請求項2】
前記モニタ部は、前記配信装置側もしくは前記視聴装置側の少なくとも一方に設置される表示部にモニタ映像を表示させる
請求項1に記載の配信システム。
【請求項3】
前記モニタ映像形成手段は、盛り上がり度合いに基づいて、モニタ映像に表示されるカメラ映像を決定する
請求項1に記載の配信システム。
【請求項4】
前記モニタ映像形成手段は、盛り上がり度合いに基づいて、モニタ映像に表示されるカメラ映像の配置を決定する
請求項1に記載の配信システム。
【請求項5】
前記判定手段は、カメラ映像に含まれる聴取者の動き、カメラ映像とともに送られる聴取者の音声、聴取者の操作に基づく操作情報の少なくとも何れか1つを使用して、聴取者の盛り上がり度合いを判定する
請求項1に記載の配信システム。
【請求項6】
前記モニタ映像形成手段は、表示されるカメラ映像に対応付けて、視聴者の盛り上がり度合いを示す指標を表示する
請求項1に記載の配信システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配信映像を配信する配信装置と、配信される配信映像を視聴可能な視聴装置を備えた配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、インターネットを使用した映画、コンサート等、各種映像の配信が行われている。カラオケを楽しむカラオケボックスにおいても、カラオケのみならず各種配信映像を楽しむことが可能なシステムもみられる。
【0003】
特許文献1には、複数の部屋で構成された店舗において、ユーザによって指定されたコンテンツ情報の購入情報を参照し、購入情報に規定されている視聴人数を取得するコンテンツ指定処理と、コンテンツ指定処理で取得した視聴人数を通知する通知処理と、ユーザによって指定されたコンテンツ情報を再生するコンテンツ再生処理を実行可能とするコンテンツ再生システムが開示されている。特許文献1のコンテンツ再生システムによれば、コンテンツを視聴する人数に応じて適切な課金を行うことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-201441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コンサート会場での実際のコンサート等では、アーティストは観客の反応を伺いながら、演奏を行うことで、観客、アーティストがより盛り上がることが可能である。しかしながら、特許文献1に記載されているように、映画、コンサート等の映像配信は、配信者側から視聴者側への一方向の送信であって、配信者は、視聴者の様子、視聴による感情をくみ取ることはできない。このように、従来、配信者側は、配信映像を視聴する視聴者の反応を伺うことはできなかった。
【0006】
また、実際のコンサートを体験する観客も、周囲の観客の盛り上がりによって、更に自分も盛り上がることがあるが、映像配信では、周囲の観客の様子、雰囲気も感じ取ることは困難であった。
【0007】
本発明は、このような映像配信の実情を鑑みたものであって、盛り上がっている視聴者を表示することで、配信者側で視聴者の様子、雰囲気を感じ取ることができる、あるいは、視聴者に盛り上がり度合いを競わせることで、さらなる盛り上がりが期待できることを1つの目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのため、本発明に係る配信システムは、以下の構成を採用するものである。
配信装置と、複数の視聴装置と、モニタ部が、ネットワークで接続された配信システムであって、
前記配信装置は、配信対象となる配信映像を送信する配信映像送信手段を備え、
前記視聴装置は、
配信映像を受信する配信映像受信手段と、
カメラで撮影されたカメラ映像を送信するカメラ映像送信手段と、を備え、
前記モニタ部は、
前記視聴装置から送信されたカメラ映像を受信する受信手段と、
前記視聴装置において配信映像を視聴する視聴者の盛り上がり度合いを判定する判定手段と、
前記判定手段で判定された前記視聴装置で配信映像を視聴する視聴者の盛り上がり度合いに基づき、前記視聴装置から送信されたカメラ映像を使用して、モニタ映像を形成するモニタ映像形成手段と、を備えた。
【0009】
さらに本発明に係る配信システムにおいて、
前記モニタ部は、前記配信装置側もしくは前記視聴装置側の少なくとも一方に設置される表示部にモニタ映像を表示させる。
【0010】
さらに本発明に係る配信システムにおいて、
前記モニタ映像形成手段は、盛り上がり度合いに基づいて、モニタ映像に表示されるカメラ映像を決定する。
【0011】
さらに本発明に係る配信システムにおいて、
前記モニタ映像形成手段は、盛り上がり度合いに基づいて、モニタ映像に表示されるカメラ映像の配置を決定する。
【0012】
さらに本発明に係る配信システムにおいて、
前記判定手段は、カメラ映像に含まれる聴取者の動き、カメラ映像とともに送られる聴取者の音声、聴取者の操作に基づく操作情報の少なくとも何れか1つを使用して、聴取者の盛り上がり度合いを判定する。
【0013】
さらに本発明に係る配信システムにおいて、
前記モニタ映像形成手段は、表示されるカメラ映像に対応付けて、視聴者の盛り上がり度合いを示す指標を表示する。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る配信システムによれば、視聴する視聴者の盛り上がり度合いに基づき、各視聴装置から送信されたカメラ映像を使用して形成されたモニタ映像を表示することで、配信者側では視聴者の様子、雰囲気を感じ取ることができる、あるいは、視聴者側では視聴者に盛り上がり度合いを競わせること等が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態の配信システムの構成を示す図
図2】本実施形態のカラオケシステムの構成を示すブロック図
図3】本実施形態のモニタ処理を示すフロー図
図4】本実施形態のカメラ映像のレイアウトを説明するための図
図5】他の実施形態のカメラ映像のレイアウトを説明するための図
図6】他の実施形態のカメラ映像のレイアウトを説明するための図
図7】他の実施形態の配信システムの構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本実施形態の配信システムの構成を示す図である。本実施形態では、配信者による配信を前提としたシステム構成となっている。配信者側には、配信装置9、カメラ91、モニタ部8、モニタ81が設けられてる。配信者は、カメラ91による撮影映像を配信映像として配信装置9を使用してインターネットに送信する。インターネットに送信された配信映像は、個人宅、カラオケボックス、携帯端末7へと配信され、ユーザ(視聴者)による視聴が行われる。
【0017】
本実施形態では、視聴者側において、個人宅に設置されたパソコン6、カラオケボックスに設置されたカラオケ装置2、携帯端末7等の視聴装置を使用して視聴することが可能となっている。
【0018】
個人宅に設置されたパソコン6は、ルータ63等の通信設備を介してインターネットに通信接続されている。ユーザは、パソコン6に配信された配信映像を、モニタ61で視聴することが可能である。また、パソコン6には、カメラ62が接続されており、視聴者の様子を撮影することが可能となっている。
【0019】
現在、カラオケボックスにおいてもコンサート、イベント、映画等、各種配信映像を視聴することが可能である。カラオケ装置2は、ルータ63等の通信設備を介してインターネットに通信接続されている。視聴者は、カラオケ装置2に配信された配信映像をモニタ41で使用して視聴することが可能である。また、カラオケ装置2には、カメラ44が接続されており、視聴者の様子を撮影することが可能となっている。
【0020】
携帯端末7は、ユーザが所持するスマートフォン、タブレット等であって、例えば、無線基地局71等の通信設備と通信を行うことで、インターネットに通信接続される。視聴者は、携帯端末7に設けられた画面を使用して、配信映像を視聴することが可能である。また、携帯端末7に設けられたカメラを使用して、視聴する視聴者を撮影することが可能となっている。
【0021】
以下に視聴する視聴装置の1つであるカラオケ装置2について、その詳細を説明する。図2は、本実施形態のカラオケシステムの構成を示すブロック図である。本実施形態におけるカラオケシステムは、カラオケ装置2(コマンダと呼ぶこともある)と、リモコン装置1を含んで構成されている。カラオケ装置2とリモコン装置1は、LAN100及びアクセスポイント130を利用してネットワークを形成するように通信接続されている。
【0022】
カラオケボックスなどの店舗に設置されるカラオケ装置2は、楽曲を演奏するための演奏部として音響制御部25を備えている。また、カラオケ装置2は、ユーザからの各種入力を受け付ける操作部21を備える。カラオケ装置2は、操作部21からの入力を解釈してCPU30に伝達する操作処理部22を備える。また、カラオケ装置2は、各種情報を記憶する記憶部としてのハードディスク32を備える。カラオケ装置2は、LAN100に接続してネットワークに加入する通信手段としてのLAN通信部24aを備えている。また、本実施形態のカラオケ装置2は、無線LAN通信部24bも備えており、LAN通信部24aを使用した有線によるネットワーク接続に代え、無線LAN通信部24bを使用した無線によるネットワーク接続を行うことも可能である。
【0023】
また、カラオケ装置2は、モニタ41に対して歌詞映像、背景映像を表示させる映像再生手段を備える。この映像再生手段は、映像情報に基づいて映像を再生する映像再生部29、再生する映像を一時的に蓄積するビデオRAM28、再生された映像に対する歌詞テロップの重畳、映像効果の付与等を行う映像制御部31を備えて構成される。
【0024】
さらに、このカラオケ装置2では、外部に接続されるモニタ41以外に、タッチパネルモニタ33に対して各種情報を表示することを可能としている。タッチパネルモニタ33は映像制御部31から入力された映像情報を表示する表示部35と、タッチ入力された位置を操作処理部22に出力するタッチパネル34が重畳されて構成されている。このタッチパネルモニタ33は、カラオケ装置2の筐体前面等に配置され、カラオケ装置2の操作部21、あるいは、リモコン装置1のタッチパネルモニタ11などと同様、入力部として機能する。ユーザは、タッチパネルモニタ33にて楽曲を選択することで、直接カラオケ装置2に予約させる等、カラオケ装置2に対する各種操作を行うことが可能である。
【0025】
さらに、カラオケ装置2は、各構成を統括して制御するためのCPU30、各種プログラムを実行するにあたって必要となる情報を一時記憶するためのメモリ27を含んだ制御部を備えて構成されている。
【0026】
このような構成にてカラオケ装置2は、各種処理を実行することとなるが、カラオケ装置2の主な機能として、楽曲予約処理、楽曲再生処理、配信映像再生処理などを実行可能としている。楽曲予約処理は、ユーザからの指定に基づいて楽曲を指定、予約するための処理であってリモコン装置1と連携して実行される。リモコン装置1の選曲処理で形成された予約情報は、カラオケ装置2に送信される。カラオケ装置2は、受信した予約情報をメモリ27中の予約テーブルに登録する。楽曲再生処理は、予約された楽曲を再生させる処理であって、楽曲演奏処理と歌詞表示処理とが同期して実行される処理である。
【0027】
楽曲演奏処理は、楽曲情報に含まれる演奏情報に基づき、音響制御部25に演奏を実行させる処理である。音響制御部25にて演奏された楽曲は、マイクロホン43a、43bから入力される歌唱音声と一緒にスピーカー42から放音される。歌詞表示処理は、楽曲情報に含まれる歌詞情報をモニタ41に表示させることで歌唱補助を行う処理である。この歌詞表示処理で表示される歌詞に、背景映像を重畳させて表示させる背景映像表示処理を実行することとしてもよい。
【0028】
一方、リモコン装置1は、ユーザからの指示に基づいて楽曲を検索し、再生指示のあった楽曲について予約情報をカラオケ装置2に送信する選曲処理を実行可能としている。また、リモコン装置1は、カラオケ装置2あるいはインターネット上に接続されたサーバー装置5から各種情報を受信し、各種処理を実行することが可能である。本実施形態では、ユーザから各種指示を受け付けるユーザインターフェイスとして、操作部17と、タッチパネルモニタ11を備えている。タッチパネルモニタ11は、表示部11aとタッチパネル11bを有して構成され、表示部11aに各種インターフェイスを表示するとともに、ユーザからのタッチ入力を受付可能としている。
【0029】
さらにリモコン装置1は、選曲処理に必要とされるデータベース、各種プログラム、並びに、プログラム実行に伴って発生する各種情報を記憶する記憶部として、メモリ14、そして、これら構成を統括して制御するためのリモコン側制御部を備えて構成される。リモコン側制御部には、CPU15、タッチパネルモニタ11に対して表示する映像を形成する映像制御部13、表示する映像情報を一時的に蓄えるビデオRAM12、タッチパネルモニタ11あるいは操作部17からの入力を解釈してCPU15に伝える操作処理部18が含まれている。
【0030】
リモコン装置1は、無線LAN通信部16によって、アクセスポイント130と無線接続されることで、LAN100によって構成されるネットワークに接続される。なお、各リモコン装置1は、特定のカラオケ装置2に対して事前に対応付けされている。リモコン装置1から出力される各種命令は、対応付けされたカラオケ装置2にて受信されることとなる。
【0031】
このようなリモコン装置1の構成により、ユーザからの各種入力をタッチパネルモニタ11、あるいは、操作部17から受付けるとともに、映像情報をタッチパネルモニタ11の表示により各種情報を提供することで、カラオケ装置2に対して出力する予約情報を送信する選曲処理など、各種処理を行うことが可能となっている。
【0032】
また、図1で説明したように、本実施形態のカラオケ装置2の映像制御部31にはカメラ44が接続されている。カメラ44は、モニタ41を視聴する視聴者を撮影可能に配置されており、カメラ44で撮影されたカメラ映像は、LAN100を介してインターネットに送信することが可能となっている。
【0033】
ところで、映像を配信する配信者側では、配信している配信映像に対して、視聴者がどのように思っているか、その反応を確認することが困難な状況にある。特に、配信者の目の前に視聴者がいないライブ配信では、視聴者の反応を捉えることができず、視聴者の反応を配信に反映させることが難しい。したがって、配信者と視聴者の間で意識の乖離が生じ、視聴率の低下、配信者の人気が下がるといったことも生じる可能性がある。
【0034】
本発明は、このような状況を鑑みたものであって、配信者に対して視聴者の反応を適切に伝えることを1つの目的としている。その際、視聴者の盛り上がり度合いを使用することで、視聴者側で撮影されたカメラ映像を適切に表示することとしている。
【0035】
図3は、本実施形態のモニタ処理を示すフロー図である。前述したように、各種視聴装置にはカメラが設けられており、配信映像を視聴する視聴者を撮影することが可能となっている。本実施形態では、配信装置側のカメラで撮影されたカメラ映像を配信者側のモニタ81で確認することが可能となっている。視聴者が多数となった場合、全てのカメラ映像をモニタ81に表示すること、また、配信者側でも視聴者の反応を確認することは困難であるため、モニタ81に表示されるモニタ映像に工夫を設けている。
【0036】
モニタ処理は、配信者側に設けられたモニタ81にモニタ映像を表示させるための処理であって、モニタ部8で実行される処理である。モニタ部8には、配信装置9における配信映像の配信中、パソコン6、カラオケ装置2、携帯端末7等の視聴装置に接続されたカメラからカメラ映像を受信する。モニタ部8は、配信とカメラ映像の連携を取るため、配信装置9と連動する。モニタ部8と配信装置9は、配信処理と後述のモニタ処理を実行するためのプログラムを記憶したコンピュータである。また、モニタ部8と配信装置9は一体であってもよい。
【0037】
配信装置9による配信映像の配信が開始されると(S101:Yes)、モニタ部8は、配信中の各視聴装置からカメラ映像を受信する(S102)。そして、受信したカメラ映像に基づき、各視聴装置の盛り上がり度合いを判定する(S103)。本実施形態における盛り上がり度合いの判定は、カメラ映像中の人物の動きを使用して判定している。人物の動きは、例えば、カメラ映像から骨格モデルを認識し、人物部分の判定を行う。そして、骨格モデルの動きを人物の動きとして使用することが考えられる。この他、単純にカメラ映像の変化を人物の動きとして使用することとしてもよい。
【0038】
盛り上がり度合いは、人物の動きが大きい程、その度合いが大きく判定される。配信者側では、盛り上がっている視聴者を確認することで、配信に対する意欲も向上することが考えられる。したがって、本実施形態では、盛り上がり度合いの大きい視聴者のカメラ映像を積極的に使用することとしている。
【0039】
カメラ映像に基づく盛り上がり度合いの判定後、盛り上がり度合いに基づき、カメラ映像のレイアウトが決定される(S104)。図4は、本実施形態のカメラ映像のレイアウトを説明するための図である。モニタ81に表示されるモニタ映像には、複数のカメラ映像81a~81sがレイアウトして配置される(S105)。
【0040】
本実施形態では、S103で判定した各カメラ映像の盛り上がり度合いに応じて、カメラ映像81a~81sを配置している。具体的には、盛り上がり度合いの順位に基づき、1位の盛り上がり度合いを有するカメラ映像81aは、モニタ映像の中央に最大の大きさで配置し、2位の盛り上がり度合いを有するカメラ映像81bは、モニタ映像の左側に配置し、3位の盛り上がり度合いを有するカメラ映像81cは、モニタ映像の右側に配置する。また、4位~19位のカメラ映像81d~81sは、画面の上下に小さく配置している。なお、本実施形態では、20位以下のカメラ映像は、モニタ映像の表示対象としていない。
【0041】
また、本実施形態では、カメラ映像81aの左上に盛り上がり度合いのを表示している。盛り上がり度合いの指標としては、順位のみならず、盛り上がり度合いを数値で表示することとしてもよい。この他、カメラ映像には、聴取者の名前、ニックネーム等の識別情報、聴取している地域名を表示することとしてもよい。
【0042】
このように、モニタ部8は、モニタ81に対して盛り上がり度合いが上位のカメラ映像81a~81kをレイアウト表示することで、配信者は聴取者の様子、特に、配信により盛り上がっている聴取者の様子を伺いながら配信を行うことが可能となる。したがって、配信者は、配信に対する意欲も向上することになる。
【0043】
カメラ映像に基づくモニタ81へのモニタ映像の表示(S102~S105)は、配信が終了するまで(S106:Yes)、適宜タイミングでレイアウトを更新しつつ継続して行われる。配信が完了後、本実施形態では、盛り上がり度合いの結果をモニタ81に表示する(S107)。盛り上がり度合いの結果としては、配信期間中におけるトータルでの盛り上がり度合いの順位、ユーザ名、配信期間中に撮影されたカメラ映像等が表示される。
【0044】
以上、本実施形態の配信システムについて説明したが、上述する実施形態に限られるものではなく、各種変形例を採用することが可能である。以下に変形例を説明する。
【0045】
[変形例1]
図4で説明したように、前述の実施形態では、盛り上がり度合いの順位に基づき、カメラ映像の位置を変更している。特に、順位の高い聴取者のカメラ映像については、その大きさを大きく取ることで、盛り上がっている聴取者を配信者に注目させることが可能となっている。また中央位置ほど視認しやすいため、盛り上がり度合いの高い映像を中央に近い位置で大きく表示されることで、盛り上がっている聴取者を配信者に注目させることが可能となっている。
【0046】
カメラ映像のレイアウトは、このような形態に限られるものでは無く、各種形態を採用することが可能である。図5図6は、他の実施形態のカメラ映像のレイアウトを説明するための図である。図5に示されるレイアウトでは、各カメラ映像81a~81lの中心位置は固定位置とし、盛り上がり度合いの順位に応じてその大きさを変更する形態となっている。盛り上がり度合いの順位が高いカメラ映像81a~81lの大きさを大きくすることで、盛り上がっている聴取者を目立たせることが可能となる。なお、所定順位以下(この例では、13位以下)のカメラ映像は表示しない形態としている。また、映像の大きさは盛り上がり度合いの差や比に応じて変更してもよい。
【0047】
図6に示されるレイアウトでは、カメラ映像81a~81lの大きさは統一したものを使用し、カメラ映像81a~81lの重なり具合を、盛り上がり度合いの順位に応じて変更している。盛り上がり度合いの順位の高いカメラ映像81a~81lを前側に配置することで、盛り上がっている聴取者を目立たせることが可能となる。この例においても、所定順位以下のカメラ映像は表示しない形態としている。また、この例では1位の映像を中央に配置し、反時計回りに外に広がりながら渦を巻くように配置している。
【0048】
以上、前述の実施形態のレイアウトに加え、2つのレイアウトを説明したが、これらカメラ映像81a~81sのレイアウトは、組み合わせて使用することも可能である。
【0049】
[変形例2]
前述の実施形態では、カメラ映像に基づいて聴取者の盛り上がり度合いを判定しているが、聴取者の盛り上がり度合いは、以下の形態に基づいて判定することも可能である。
【0050】
a)聴取者側の音声に基づく判定
聴取者が配信映像を見て盛り上がる場合、所作以外に声に出して応援することが考えられる。視聴装置において、集音した聴取者の音声に基づき、盛り上がり度合いを判定することとしてもよい。音声を用いる場合は、音量が大きいほど盛り上がり度が高いと判断してもよい。また、音声が歓声であることを想定した判定の場合、音高が高いほど盛り上がり度が高いと判定してもよい。また、音声認識技術を用い、ポジティブなコメントなどに応じて加点方式で盛り上がり度を判定してもよい。
【0051】
b)聴取者側で行われた操作に基づく判定
配信システムにおいて、視聴端末から視聴に関するコメントを入力することが可能な場合もある。入力されたコメントは、視聴者側の画面に表示され、視聴者間同士でコメントを共有することが可能である。このような配信システムにおいては、視聴者が入力したコメントに基づいて、視聴者の盛り上がり度合いを判定してもよい。
【0052】
例えば、聴取者のコメント数に応じて盛り上がり度合いを判定することが考えられる。コメント数の多い聴取者ほど、盛り上がり度合いは高く判定される。また、コメントの文字数に応じて盛り上がり度合いを判定することも考えられる。なお、コメントについては、聴取者を応援するコメントのみならず、ネガティブなコメントが入力される場合もある。そのような場合を考慮し、ネガティブなコメントについては、盛り上がり度合い、に反映しない、あるいは、マイナスの評価として判定することが考えられる。
【0053】
聴取者側の操作としては、コメントの入力操作のみならず、アイコン、絵文字の入力を可能とする配信システムも考えられる。このようなアイコン、絵文字等の入力操作を盛り上がり度合いの判定に使用することとしてもよい。
【0054】
また、配信システムでは、配信者に対する応援の一つとして、投げ銭を可能とするシステムもある。聴取者は、視聴装置で操作を行うことで、金額(あるいはポイント)を指定して投げ銭を行うことで、配信者に対して金銭(あるいはポイント)を供与することが可能である。このような配信システムにおいては、視聴者の投げ銭に応じて、当該視聴者の盛り上がり度合いを判断することとしてもよい。この場合、例えば、投げ銭の回数、あるいは、投げ銭の金額に応じて盛り上がり度合いが判定される。
【0055】
c)聴取者の生体情報
上述する形態のみならず、盛り上がり度合いの判定には、視聴者の生体情報を使用することも考えられる。現在、腕時計型等、ウェアラブルな端末において、脈拍、血圧、体温、血糖値等、各種生体情報を取得することが行われている。おのような端末を、視聴装置と対応付け、視聴者から取得した生体情報に基づき、視聴者の盛り上がり度合いを判定してもよい。例えば、脈拍数が多い、あるいは、体温が高い程、盛り上がり度合いを高く判定することが考えられる。
【0056】
d)複数人の視聴者
配信映像の視聴にあたっては、1台の視聴装置において一人で視聴する場合、あるいは、複数人で視聴する場合が考えられる。複数人で視聴する場合には、各視聴者の盛り上がり度合いを判定し、視聴している人数で平均する、あるいは、複数の視聴者内で最も高い(あるいは、最も低い)盛り上がり度合いを使用することが考えられる。
【0057】
以上、各種盛り上がり度合いの判定について説明したが、なお、盛り上がり度合いの判定は、カメラ映像に基づく判定、および、上述するa~dの形態に基づく判定を適宜組み合わせて使用することも可能である。なお、前述の実施形態において、盛り上がり度合いは、モニタ部8において判定しているが、視聴端末において判定することも可能である。モニタ部8における処理負荷を軽減することが可能となる。
【0058】
[変形例3]
図7は、他の実施形態の配信システムの構成を示す図である。前述の実施形態では、配信者側にモニタ部8を設置し、モニタ81にて視聴者のカメラ映像を確認することとしていた。このような形態のみならず、モニタ部8は視聴者側に配置することとしてもよい。
【0059】
図7に示されるように、例えば、個人宅においては、モニタ部8、モニタ部8に設置されたモニタ81が設置されている。このような形態では、図4で説明したモニタ映像は、聴取者側で視認することが可能となる。視聴者は配信映像を見ながら、モニタ81でカメラ映像がレイアウトされたモニタ映像を視認することができる。
【0060】
このような形態により、視聴者は誰が盛り上がっているかを確認することができるとともに、視聴者間で盛り上がりを競うことが可能となる。また、個人宅においてモニタ部8の機能をパソコン6で動作させることで、モニタ81に配信映像と、カメラ映像で形成されたモニタ映像を合わせて表示することとしてもよい。カラオケボックスに設置されるカラオケ装置2についても同様である。また、携帯端末7においては、携帯端末7にモニタ部8の機能を有するプログラムを実行させ、配信映像とモニタ映像を合わせて表示することとしてもよい。
【0061】
[変形例4]
図1で説明したように、前述の実施形態では、配信者は、カメラ91を使用してライブ配信を行うことを前提としていた。ライブ配信としては、コンサート、イベント、カラオケ等、各種考えられる。なお、カメラ91は、1台のみならず、複数台を切り換えて配信する、あるいは、複数台のカメラの配信映像を組み合わせて配信することも可能である。
【0062】
この他、配信される配信映像としては、このようにライブ配信を行う形態のみならず、映画、ドラマ、コンサート等、既に記録済みのコンテンツを使用することも可能である。このようなコンテンツにおいても、どのような場面で盛り上がっているのか等、配信者の様子を確認することが可能である。
【符号の説明】
【0063】
1:リモコン装置 27:メモリ
2:カラオケ装置 28:ビデオRAM
5:サーバー装置 29:映像再生部
6:パソコン 30:CPU
7:携帯端末 31:映像制御部
8:モニタ部 32:ハードディスク
9:配信装置 33:タッチパネルモニタ
11:タッチパネルモニタ 34:タッチパネル
11a:表示部 35:表示部
11b:タッチパネル 41:モニタ
12:ビデオRAM 42:スピーカー
13:映像制御部 43a:マイクロホン
14:メモリ 43b:マイクロホン
15:CPU 44:カメラ
16:無線LAN通信部 61:モニタ
17:操作部 62:カメラ
18:操作処理部 63:ルータ
21:操作部 71:無線基地局
22:操作処理部 81:モニタ
24a:LAN通信部 81a~81s:カメラ映像
24b:無線LAN通信部 91:カメラ
25:音響制御部 130:アクセスポイント

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7