(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018479
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】収納容器
(51)【国際特許分類】
B65D 21/032 20060101AFI20240201BHJP
B65D 25/28 20060101ALI20240201BHJP
B65D 25/24 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
B65D21/032
B65D25/28 105A
B65D25/24
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121843
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】591239003
【氏名又は名称】株式会社SANKA
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】神子島 岩男
【テーマコード(参考)】
3E006
3E062
【Fターム(参考)】
3E006AA01
3E006BA02
3E006CA01
3E006DA04
3E006DB01
3E006DB10
3E006FA10
3E062AA11
3E062AB07
3E062AC02
3E062CA02
3E062HA01
3E062HB02
3E062HC10
3E062HD02
(57)【要約】
【課題】折畳みハンドルを利用した段積み機能と、折畳み脚を脚使用状態とした状態での段積み機能とを兼ね備えた収納容器を提供すること。
【解決手段】ハンドル内伏折畳み状態H2の左右のハンドル2に、脚部3を脚折畳み状態L2とした別の収納体1を載置係止することにより収納体1の上部に別の収納体1が段積みされるように構成されていると共に、ハンドル外伏折畳み状態H3の左右のハンドル2に、脚部3を脚使用状態L1とした別の収納体を載置することにより収納体1の上部に別の収納体1が浮上状態で段積みされるように構成されている収納容器。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部開口形の収納体と、前記収納体の上部開口部に設けられる左右一対のハンドルと、前記収納体の底部に設けられる左右一対の脚部とを備え、
前記ハンドルは、前記収納体の上部開口部の左右二箇所に回動自在に枢着されていて、左右のハンドルを回動移動させて収納体の上部開口部より上方に向けて突出させたハンドル使用状態と、左右のハンドルを夫々対向内側へ回動移動させて前記収納体の上部開口部に伏せたハンドル内伏折畳み状態と、左右のハンドルを夫々対向外側へ回動移動させて前記収納体の上部開口部に伏せたハンドル外伏折畳み状態とを切り替え可能に構成され、
前記脚部は、前記収納体の底部の左右二箇所に回動自在に枢着されていて、左右の脚部を下方へ回動移動させて収納体の底部から垂下突出若しくは傾斜突出させ接地面に対し収納体を浮上状態で載置可能な脚使用状態と、この脚使用状態から左右の脚部を夫々回動移動させて収納体の底部に沿設させた脚折畳み状態とを切り替え可能に構成されている収納容器であって、
前記収納体の底部に、前記ハンドル内伏折畳み状態としたときの左右のハンドルに対して載置係止可能な段積み用係止部が設けられていて、ハンドル内伏折畳み状態の左右のハンドルに、前記脚部を前記脚折畳み状態とした別の収納体の前記段積み用係止部を載置係止することにより収納体の上部に別の収納体が段積みされるように構成され、
前記収納体の上部開口部の少なくとも左右両端部に、前記ハンドル外伏折畳み状態としたときの左右のハンドルより外側に位置し且つハンドル外伏折畳み状態の左右のハンドルより高さのある係止外壁が設けられ、
この左右のハンドルに、このハンドルを前記ハンドル外伏折畳み状態としたときに前記係止外壁と対向状態となるようにして係止内壁が設けられていて、ハンドル外伏折畳み状態の左右のハンドル上に、別の収納体の前記脚使用状態の左右の脚部を載置すると、脚部の下端が係止外壁と係止内壁との間に係止して収納体の上部に別の収納体が浮上状態で段積みされるように構成されていることを特徴とする収納容器。
【請求項2】
前記収納体と前記ハンドルは、合成樹脂で一体成形されていることを特徴とする請求項1記載の収納容器。
【請求項3】
前記収納体の上部開口部には、全周に水平段部が設けられていて、この水平段部に左右のハンドルを夫々対向内側へ回動移動させて略水平に伏せることにより左右のハンドルが前記ハンドル内伏折畳み状態となるように構成されていると共に、この水平段部に左右のハンドルを夫々対向外側へ回動移動させて略水平に伏せることにより左右のハンドルが前記ハンドル外伏折畳み状態となるように構成され、
この水平段部外周の少なくとも左右両端部に、前記係止外壁が立設状態に設けられていることを特徴とする請求項1記載の収納容器。
【請求項4】
前記脚部の下端部に係止凸部若しくは係合凹部が設けられていると共に、この係止凸部が凹凸係止する係合凹部若しくは係合凹部に凹凸係止する係止凸部が前記左右のハンドルに設けられていて、前記ハンドル外伏折畳み状態の左右のハンドルに、別の収納体の前記脚使用状態の左右の脚部を載置すると、前記係止凸部が前記係合凹部に凹凸係止しつつ脚部の下端が前記係止外壁と前記係止内壁との間に係止するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の収納容器。
【請求項5】
前記ハンドルと前記脚部は、合成樹脂で一体成形されていることを特徴とする請求項4記載の収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば洗濯カゴなどの家庭用収納容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の家庭用収納容器には、例えば洗濯カゴとして使用した場合に、膝や腰に負担をかけずに洗濯物を取出せるように、一対の折畳み可能な脚部を備えたものが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1を具体的に説明すると、上部開口型の収納体の底部の左右部に脚部が回動自在に枢着されていて、この左右の脚部を下方へ回動移動させて収納体の底部から傾斜突出させた脚使用状態(開脚状態)と、この脚使用状態から左右の脚部を夫々回動移動させて収納体底部に沿設させた脚折畳み状態とを切り替え可能に構成されており、前記脚部を脚使用状態とすることで収納体を接地面から浮上した高位置に載置可能となって、膝や腰を大きく曲げることなく収納体内の収納物(洗濯物など)を容易に取り出し可能となるものであった。
【0004】
また、この特許文献1は、収納体の内壁上部に段付部が設けられており、この段付部に前記脚使用状態とした別の収納体の脚部を載せることによって下段の収納体に対し上段の収納体を浮上状態で段積みできるようにも構成され、このように収納体を段積みすることで、収納容量が増すうえに上段の収納体も下段の収納体も上部開口部が塞がれずにどちらの収納体からも収納物の出し入れが容易に可能な収納家具としても使用可能に構成されている。
【0005】
一方、この種の家庭用収納容器には、収納体の上部開口部に左右一対のハンドルが設けられているものが多いが、下記非特許文献1のように、前記収納体の上部開口部の左右二箇所にハンドルが回動自在に枢着されていて、左右のハンドルを回動移動させて収納体の上部開口部より上方に向けて突出させたハンドル使用状態と、左右のハンドルを夫々対向内側へ回動移動させて前記収納体の上部開口部に伏せたハンドル内伏折畳み状態と、左右のハンドルを夫々対向外側へ回動移動させて前記収納体の上部開口部に伏せたハンドル外伏折畳み状態とを切り替え可能に構成され、なお且つ前記収納体の底部に、前記ハンドル内伏折畳み状態としたときの左右のハンドルに対して載置係止可能な段積み用係止部が設けられていて、左右のハンドルを前記ハンドル外伏折畳み状態としたときには複数の収納体をネスティング可能であると共に、左右のハンドルを前記ハンドル内伏折畳み状態としたときには、このハンドル内伏折畳み状態の左右のハンドルに対して別の収納体の前記段積み用係止部を載置係止することにより収納体の上部に別の収納体を段積み(スタッキング)可能となるように構成されているものも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「HEAVY DUTY BASKET SERIES」、株式会社クレエホームページ上で閲覧可能なWEBカタログ「POST GENERAL ISSUE 006」の45~49ページ、[online]、2022年2月、株式会社クレエ、[令和4年7月29日検索]、インターネット<URL:https://indd.adobe.com/view/e17f6c97-6e04-4e22-b98a-d77c5f68f3da>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本出願人は、上記特許文献1のような折畳み脚付きで脚使用状態での段積み機能と、上記非特許文献1のような折畳みハンドルを利用した段積み機能とを兼ね備えた収納容器が実現できれば、現状のものより多様な使い方が可能となって実用性が著しく向上するのではないかと考えた。
【0009】
上記非特許文献1についてさらに詳しく説明すると、収納体の上部開口部の内壁全周に水平段部が設けられていて、この水平段部上に左右のハンドルを夫々対向内側若しくは外側へ回動移動させて略水平に伏せることにより左右のハンドルが前記ハンドル内伏折畳み状態若しくは前記ハンドル外伏折畳み状態とし得るように構成され、さらに左右のハンドルは、前後幅の異なるものが採用されることによってこの左右のハンドル夫々を対向内側へ回動移動させた際にお互いが接触することなく略水平に伏せられるように構成されている。
【0010】
このようにハンドルが収納体周壁の内側に設けられたハンドル利用段積み構造に、上記特許文献1のような脚使用状態での段積み機能を組合せる場合、収納体に前記水平段部とは別の脚載せ部を新設するよりは、この水平段部に脚使用状態の脚部を載置できるようにした方が合理的なのでそうしたいが、ハンドルを前記ハンドル外伏折畳み状態としたときには、収納体の上部開口部の左右両端部に存する水平段部上にハンドルが存在しているために、脚使用状態の脚部を水平段部に載置することが難しくなってしまう。
【0011】
ハンドルが前記ハンドル使用状態や前記ハンドル内伏折畳み状態のときであれば、収納体の上部開口部の左右両端部に存する水平段部に問題なく脚部を載置できるのであるが、この状態では収納体の上部開口部をハンドルが横断しているためにこのハンドルが邪魔で収納体のネスティングができなくなったり、収納物の出し入れに支障を生じてしまう。ハンドル外伏折畳み状態でハンドルの先端が水平段部に届かなくなるまでハンドルを短く設計すれば、水平段部に脚部を載置できるようになるとも考えられるが、この場合も短くなったハンドルが収納体の上部開口部を横断してしまうために上記同様の問題を生じてしまう。
【0012】
本発明は、このような問題に直面後も試行錯誤し商品開発をすすめた末に、ハンドル外伏折畳み状態のハンドルを邪魔物と考えるのではなく、あえてこのハンドル上に脚部を載置しようという発想の転換により、折畳み脚付きで脚使用状態での段積み機能と、折畳みハンドルを利用した段積み機能とを兼ね備え、尚且つ脚使用状態で段積みした際の安定性も良好に確保される本発明の収納容器を完成させるに至った。
【課題を解決するための手段】
【0013】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0014】
上部開口形の収納体1と、前記収納体1の上部開口部に設けられる左右一対のハンドル2と、前記収納体1の底部に設けられる左右一対の脚部3とを備え、
前記ハンドル2は、前記収納体1の上部開口部の左右二箇所に回動自在に枢着されていて、左右のハンドル2を回動移動させて収納体1の上部開口部より上方に向けて突出させたハンドル使用状態H1と、左右のハンドル2を夫々対向内側へ回動移動させて前記収納体1の上部開口部に伏せたハンドル内伏折畳み状態H2と、左右のハンドル2を夫々対向外側へ回動移動させて前記収納体1の上部開口部に伏せたハンドル外伏折畳み状態H3とを切り替え可能に構成され、
前記脚部3は、前記収納体1の底部の左右二箇所に回動自在に枢着されていて、左右の脚部3を下方へ回動移動させて収納体1の底部から垂下突出若しくは傾斜突出させ接地面に対し収納体1を浮上状態で載置可能な脚使用状態L1と、この脚使用状態L1から左右の脚部3を夫々回動移動させて収納体1の底部に沿設させた脚折畳み状態L2とを切り替え可能に構成されている収納容器であって、
前記収納体1の底部に、前記ハンドル内伏折畳み状態H2としたときの左右のハンドル2に対して載置係止可能な段積み用係止部4が設けられていて、ハンドル内伏折畳み状態H2の左右のハンドル2に、前記脚部3を前記脚折畳み状態L2とした別の収納体1の前記段積み用係止部4を載置係止することにより収納体1の上部に別の収納体1が段積みされるように構成され、
前記収納体1の上部開口部の少なくとも左右両端部に、前記ハンドル外伏折畳み状態H3としたときの左右のハンドル2より外側に位置し且つハンドル外伏折畳み状態H3の左右のハンドル2より高さのある係止外壁5が設けられ、
この左右のハンドル2に、このハンドル2を前記ハンドル外伏折畳み状態H3としたときに前記係止外壁5と対向状態となるようにして係止内壁6が設けられていて、ハンドル外伏折畳み状態H3の左右のハンドル2上に、別の収納体1の前記脚使用状態L1の左右の脚部3を載置すると、脚部3の下端が係止外壁5と係止内壁6との間に係止して収納体1の上部に別の収納体1が浮上状態で段積みされるように構成されていることを特徴とする収納容器に係るものである。
【0015】
また、前記収納体1と前記ハンドル2は、合成樹脂で一体成形されていることを特徴とする請求項1記載の収納容器に係るものである。
【0016】
また、前記収納体1の上部開口部には、全周に水平段部7が設けられていて、この水平段部7に左右のハンドル2を夫々対向内側へ回動移動させて略水平に伏せることにより左右のハンドル2が前記ハンドル内伏折畳み状態H2となるように構成されていると共に、この水平段部7に左右のハンドル2を夫々対向外側へ回動移動させて略水平に伏せることにより左右のハンドル2が前記ハンドル外伏折畳み状態H3となるように構成され、
この水平段部7外周の少なくとも左右両端部に、前記係止外壁5が立設状態に設けられていることを特徴とする請求項1記載の収納容器に係るものである。
【0017】
また、前記脚部3の下端部に係止凸部8若しくは係合凹部9が設けられていると共に、この係止凸部8が凹凸係止する係合凹部9若しくは係合凹部9に凹凸係止する係止凸部8が前記左右のハンドル2に設けられていて、前記ハンドル外伏折畳み状態H3の左右のハンドル2に、別の収納体1の前記脚使用状態L1の左右の脚部3を載置すると、前記係止凸部8が前記係合凹部9に凹凸係止しつつ脚部3の下端が前記係止外壁5と前記係止内壁6との間に係止するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の収納容器に係るものである。
【0018】
また、前記ハンドル2と前記脚部3は、合成樹脂で一体成形されていることを特徴とする請求項4記載の収納容器に係るものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明は上述のように構成したから、持ち運びたいときなどには左右のハンドルを収納体の上部開口部より上方に向けて突出させたハンドル使用状態にでき、ハンドルを使用しないときには、左右のハンドルを前記収納体の上部開口部に伏せたハンドル内伏折畳み状態あるいはハンドル外伏折畳み状態に切り替えできる上に、ハンドル外伏折畳み状態とすることにより収納体への収納物の出し入れを容易にでき、また、左右の脚部を回動移動させることにより、収納体の底部を接地面に直接載置可能な脚折畳み状態と、接地面に脚部を介して載置して収納体が接地面に対して浮上状態で載置可能な脚使用状態とを選択でき、脚使用状態で載置することにより高い位置に存する収納体への収納物の出し入れを腰や膝に負担を掛けずに行うことができ、しかも本発明は、複数の収納体を段積みして上下複数段の収納などとして使用することも可能であるだけでなく、収納体の上部に、脚部を脚折畳み状態とした別の収納体が段積みされる態様と、収納体の上部に、脚部を脚使用状態とした別の収納体が浮上状態で段積される態様とを選択でき、後者の態様を選択した場合には、上段の収納体の脚部の下端が下段の収納体の係止外壁とハンドル係止内壁との間に係止して、収納体の上部に別の収納体が浮上状態で安定的に段積みされると共に、下段の収納体の上部開口部がハンドルで塞がれることなく開放されているので、この下段の収納体への収納物の出し入れを容易に行うことができるなど、極めて実用性に優れた収納容器となる。
【0020】
また、請求項2記載の発明においては、上部開口部の少なくとも左右両端部に係止外壁を有し、底部に段積み用係止部を有する軽量で取り扱い容易な収納体を簡易に設計実現可能となると共に、係止内壁を有する軽量で取り扱い容易なハンドルを簡易に設計実現可能となる一層実用性に優れた構成の収納容器となる。
【0021】
また、請求項3記載の発明においては、左右のハンドルを略水平に伏せてハンドル内伏折畳み状態とハンドル外伏折畳み状態にできる構成であって係止外壁を有する収納体を、簡易構成にして容易に設計実現可能となる一層実用性に優れた構成の収納容器となる。
【0022】
また、請求項4記載の発明においては、上段の収納体の脚部の下端が下段の収納体の係止外壁とハンドル係止内壁との間に係止できることに加えて、脚使用状態の脚部の下端がハンドル外伏折畳み状態のハンドルに対して確固に凹凸係止できるため、脚使用状態での収納体の段積み状態が一層安定的となる極めて実用性に優れた構成の収納容器となる。
【0023】
また、請求項5記載の発明においては、下端部に係止凸部若しくは係合凹部を有する軽量で取り扱い容易な脚部を簡易構成により容易に設計実現可能となると共に、この係止凸部が凹凸係止する係合凹部若しくは係合凹部に凹凸係止する係止凸部を有する軽量で取り扱い容易なハンドルを簡易に設計実現可能となる一層実用性に優れた構成の収納容器となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】ハンドルがハンドル外伏折畳み状態で脚部が脚折畳み状態の本実施例を示す斜視図である。
【
図2】ハンドルがハンドル外伏折畳み状態の本実施例を示す平面図である。
【
図3】ハンドルがハンドル外伏折畳み状態で脚部が脚折畳み状態の本実施例に、同態様の別の本実施例をネスティングした状態を示す斜視図である。
【
図4】ハンドルがハンドル内伏折畳み状態で脚部が脚折畳み状態の本実施例を示す斜視図である。
【
図5】ハンドルがハンドル内伏折畳み状態の収納体で脚部が脚折畳み状態の本実施例に、ハンドルがハンドル外伏折畳み状態で脚部が脚折畳み状態の別の本実施例を段積みした状態を示す斜視図である。
【
図6】脚部が脚折畳み状態の本実施例を示す底面図である。
【
図7】ハンドルがハンドル外伏折畳み状態且つ脚部が脚使用状態の本実施例を示す斜視図である。
【
図8】ハンドルがハンドル外伏折畳み状態で脚部が脚折畳み状態の本実施例に、ハンドルがハンドル外伏折畳み状態で脚部が脚使用状態の別の本実施例を段積みした状態を示す斜視図である。
【
図9】
図8における、下段の収納体への上段の収納体の脚部の係止構造を示す一部を切欠いた説明部分拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の最適な実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示し簡単に説明する。
【0026】
本発明の収納容器を持ち運びたいときなどには、左右のハンドル2を回動移動させて収納体1の上部開口部より上方に向けて突出させたハンドル使用状態H1とし、ハンドル2を使用しないときには、左右のハンドル2を夫々対向内側へ回動移動させて前記収納体1の上部開口部に伏せたハンドル内伏折畳み状態H2に切り替えるか、あるいは左右のハンドル2を夫々対向外側へ回動移動させて前記収納体1の上部開口部に伏せたハンドル外伏折畳み状態H3に切り替える。また、ハンドル2を前記ハンドル外伏折畳み状態H3とすると、ハンドル2によって収納体1の上部開口部が塞がれず(ハンドル2が収納体1の上部開口部を横断した状態とはならず、)、収納体1への収納物の出し入れが容易に行われる。
【0027】
また、本発明の収納容器は、前記収納体1の底部の左右二箇所に脚部3が回動自在に枢着されており、この左右の脚部3を下方へ回動移動させて収納体1の底部から垂下突出若しくは傾斜突出させ接地面に対し収納体1を浮上状態で載置可能な脚使用状態L1と、この脚使用状態L1から左右の脚部3を夫々回動移動させて収納体1の底部に沿設させた脚折畳み状態L2とを切り替え可能である。
【0028】
即ち、左右の脚部3を回動移動させることにより、収納体1の底部を接地面に直接載置可能な前記脚折畳み状態L2と、接地面に脚部3を介して載置して収納体1が接地面に対して浮上状態(収納体1が高い位置に存する状態)で載置可能な脚使用状態L1とを選択可能であり、脚使用状態L1で載置した場合には、高い位置に存する収納体1への収納物の出し入れをユーザーは腰や膝に負担を掛けずに行うことができる。
【0029】
また、本発明の収納容器は、複数の収納体1を段積みして上下複数段の収納などとして使用することも可能である。
【0030】
具体的には、前記収納体1は、底部に前記ハンドル内伏折畳み状態H2としたときの左右のハンドル2に対して載置係止可能な段積み用係止部4が設けられており、ハンドル内伏折畳み状態H2の左右のハンドル2に、前記脚部3を前記脚折畳み状態L2とした別の収納体1のこの段積み用係止部4を載置係止することにより、収納体1の上部に別の収納体1を段積み可能である。
【0031】
また、本発明は、収納体1に、左右の脚部3を前記脚使用状態L1とした別の収納体1を載置して、収納体1の上部に別の収納体1を浮上状態で段積みすることも可能である。
【0032】
即ち、本発明の前記収納体1には、上部開口部の少なくとも左右両端部に、前記ハンドル外伏折畳み状態H3としたときの左右のハンドル2より外側に位置し且つハンドル外伏折畳み状態H3の左右のハンドル2より高さのある係止外壁5が設けられている一方、左右のハンドル2には、このハンドル2を前記ハンドル外伏折畳み状態H3としたときに前記係止外壁5と対向状態となるようにして係止内壁6が設けられており、ハンドル外伏折畳み状態H3の左右のハンドル2上に、前記脚使用状態L1とした別の収納体1の左右の脚部3を載置すると、脚部3の下端が係止外壁5と係止内壁6との間に係止して、収納体1の上部に別の収納体1が浮上状態で安定的に段積みされることとなる。
【0033】
そして、この収納体1の上部に別の収納体1が浮上状態となる段積み状態では、下段の収納体1の上部開口部は、ハンドル2によって塞がれることなく開放されているので(ハンドル2がハンドル外伏折畳み状態H3となっているので)、この下段の収納体1への収納物の出し入れが容易に行われる。
【実施例0034】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0035】
本実施例の収納容器は、上部開口形の箱形収納体1と、前記収納体1の上部開口部に設けられる左右一対のハンドル2と、前記収納体1の底部に設けられる左右一対の脚部3とを備えていると共に、この収納体1とハンドル2と脚部3とは、いずれも合成樹脂製であって後述する形状に一体成形されたものが採用されている。
【0036】
具体的には、本実施例の収納体1は、
図1,
図4に示すような周壁に多数の小開口10を有するカゴ状形態であって、上部開口部の形状が平面視略長方形状を呈する形態の容器に構成されている。尚、本実施例では、この収納体1上部開口部の長手方向に沿う方向を収納体1の左右方向、これと直交する収納体1上部開口部の短手方向に沿う方向を収納体1の前後方向と定めて、以下説明する。
【0037】
また、この収納体1は、上部開口部の全周に、外方へ短く水平薄板状に突出する形状の水平段部7が連設状態に設けられ(一体成形され)ていると共に、この水平段部7の外端部の全周には、上方へ短く垂直薄板状に立ち上がる形状の係止外壁5が連設状態に設けられ(一体成形され)ている。尚、図示していないが、水平段部7外周の左右両端部にだけ前記係止外壁5が設けられる構成が採用されていても良い。
【0038】
また、この収納体1の左壁と右壁の上部には、持ち運びに使用可能な把手穴12が設けられ(一体成形され)、底部左右部には、この底部左右部の外周部に沿って垂下する接地片部11が設けられ(一体成形され)ており、さらにこの左右の接地片部11の夫々の中央寄り位置には、前記ハンドル2を後述する前記ハンドル内伏折畳み状態H2としたときの左右のハンドル2に対して載置係止可能な段積み用係止部4としての切欠部4が設けられ(一体成形され)ている。
【0039】
本実施例の前記ハンドル2は、棒状の持手部と、この持手部の両端部から直角に連設する棒状の腕部とから成る略コ字形棒状体で構成されており、前記腕部を介して前記収納体1の上部開口部の左右二箇所に回動自在に枢着されている。
【0040】
具体的には、前記収納体1の前側に存する前記水平段部7上であって、この前側水平段部7の中央部からやや左側に離れた位置に図示省略の前左取付凸部が設けられ(一体成形され)ていると共に、収納体1の前側に存する前記係止外壁5の内壁面であってこの前側係止外壁5の中央部からやや右側に離れた位置に図示省略の前右取付凸部が設けられ(一体成形され)、一方、この前左取付凸部と前右取付凸部に位置を対応させて収納体1の後側に存する前記水平段部7上の左側には図示省略の後左取付凸部が、収納体1の後側に存する前記係止外壁5の内壁面の右側には図示省略の後右取付凸部が設けられ(一体成形され)ており、この前左取付凸部と後左取付凸部とにハンドル2両端の前記腕部の先端部が夫々回動自在に枢着されて収納体1のやや左寄り位置に上部開口部を前後に跨ぐようにしてハンドル2(左側ハンドル2A)が設けられていると共に、前記前右取付凸部と前記後右取付凸部とにもハンドル2両端の腕部の先端部が回動自在に枢着されて収納体1のやや右寄り位置にも上部開口部を前後に跨ぐようにして別のハンドル2(右側ハンドル2B)が設けられている。
【0041】
即ち、左側ハンドル2Aと右側ハンドル2Bとが夫々別々に回動移動可能に設けられており、左右のハンドル2A・2Bを回動移動させて収納体1の上部開口部より上方に向けて突出させ例えば前記持手部同志を束ねたハンドル使用状態H1(
図1中の想像線参照)と、左右のハンドル2A・2Bを夫々対向内側へ回動移動させて前後の前記腕部を前記収納体1上部開口部の前後の前記水平段部7上に略水平に伏せたハンドル内伏折畳み状態H2(
図4参照)と、左右のハンドル2A・2Bを夫々対向外側へ回動移動させて前後の前記腕部を前記収納体1上部開口部の前後の前記水平段部7上に略水平に伏せると共に前記持手部を左右両端の前記水平段部7上に略水平に伏せたハンドル外伏折畳み状態H3(
図1参照)とを選択して切り替え可能に構成されている。図中符号14は、左右両端の前記水平段部7に設けられ(一体成形され)ている支持突起であり、前記ハンドル外伏折畳み状態H3としたときのハンドル2の持手部をこの支持突起14が支持して耐荷重性を向上するように構成されている。
【0042】
また、この左側ハンドル2Aと右側ハンドル2Bとは、
図2に示すように前後幅(前記腕部間の間隔)が異なるものに構成されている。即ち、左側ハンドル2Aは、前後幅が右側ハンドル2Bの前後幅より小さく設定されて、この左側ハンドル2Aが右側ハンドル2Bの腕部間に収まるものに構成されており、この左側ハンドル2Aと右側ハンドル2Bの異なる前後幅に対応させて前記前左取付凸部と前記後左取付凸部との間の前後間隔と、前記前右取付凸部と前記後右取付凸部との間の前後間隔も異ならせていて、これにより左右のハンドル2A・2Bを夫々対向内側に回動移動させた際に左右のハンドル2A・2B同志が接触することなく折畳まれて前記ハンドル内伏折畳み状態H2(
図4参照)とし得るように構成されている。
【0043】
また、ここで前記係止外壁5についてさらに詳しく説明すると、少なくとも収納体1の左右両端部に存するこの係止外壁5は、前記ハンドル外伏折畳み状態H3としたときの左右のハンドル2A・2Bより外側に位置し且つハンドル外伏折畳み状態H3の左右のハンドル2A・2Bより高さを有する壁形状に形成されている(
図9参照)。
【0044】
また、この左右のハンドル2A・2Bについてさらに詳しく説明すると、夫々を前記ハンドル内伏折畳み状態H2としたときの先端部(持手部)の上面側に前記収納体1の段積み用係止部4を載置可能な載置凹部13が設けられ(一体成形され)、このハンドル内伏折畳み状態H2の左右のハンドル2A・2Bの載置凹部13に、前記脚部3を後述の脚折畳み状態L2とした別の収納体1の前記段積み用係止部4を係止することにより、収納体1の上部に別の収納体1が段積みされるように構成されている(
図5参照)。尚、
図5は、段積みしたときの下段の収納体1の脚部3が脚折畳み状態L2となっている場合を示しているが、このときの下段の収納体1は、脚部3が脚使用状態L1であっても良い。
【0045】
また、この左右のハンドル2A・2Bには、このハンドル2A・2Bを前記ハンドル外伏折畳み状態H3としたときの持手部の上面側に前記係止外壁5と対向状態となるようにして係止内壁6が設けられ(一体成形され)ていて、ハンドル外伏折畳み状態H3の左右のハンドル2A・2B上に、別の収納体1の後述する脚使用状態L1の左右の脚部3を載置すると、脚部3の下端が係止外壁5と係止内壁6との間に係止して収納体1の上部に別の収納体1が浮上状態で段積みされるように構成されている(
図8,
図9参照)。
【0046】
さらに具体的には、この左右のハンドル2A・2Bには、前記ハンドル外伏折畳み状態H3としたときの左右のハンドル2の持手部の上面側に、このハンドル2先端部の長さ方向に沿った長さを有する係合凹部9が設けられ(一体成形され)ており、ハンドル外伏折畳み状態H3のときの左右のハンドル2A・2Bの対向内側に存するこの係合凹部9の内側立上がり面が、前記係止外壁5と対向配設する前記係止内壁6として構成されている。
【0047】
本実施例の前記脚部3は、接地面に接地可能な棒状の載置部と、この載置部の両端部から直角に連設する棒状の脚杆とから成る略コ字形棒状体で構成されており、前記脚杆を介して前記収納体1の底部の左右二箇所に回動自在に枢着されている。
【0048】
また、収納体1底部の前記接地片部11の内側には、左端前側に図示省略の前左軸支凸部が設けられ(一体成形され)ていると共に、右端前側に図示省略の前右軸支凸部が設けられ(一体成形され)、一方、この前左軸支凸部と前右軸支凸部に位置を対応させて収納体1底部の後左側には図示省略の後左軸支凸部が、後右側には図示省略の後右軸支凸部が設けられ(一体成形され)ており、この前左軸支凸部と後左軸支凸部とに脚部3両端の前記脚杆の先端部が夫々回動自在に枢着されて収納体1底部の左端にこの底部を前後に跨ぐようにして脚部3(左側脚部3A)が設けられていると共に、前記前右軸支凸部と後右軸支凸部とに脚部3両端の脚杆の先端部が回動自在に枢着されて収納体1底部の右端にもこの底部を前後に跨ぐようにして別の脚部3(右側脚部3B)が設けられている。
【0049】
即ち、左側脚部3Aと右側脚部3Bとが収納体1底部の前記接地片部11の内側に夫々別々に回動移動可能に設けられており、左右の脚部3A・3Bを下方へ回動移動させて収納体1の底部から左右外方へやや傾斜するように突出させることにより接地面に対し収納体1を浮上状態で載置可能な脚使用状態L1(
図7参照)と、この脚使用状態L1から左右の脚部3A・3Bを夫々回動移動させて収納体1の底部に沿設させた脚折畳み状態L2(
図6参照)とを選択して切り替え可能に構成されている。
【0050】
また、この左側脚部3Aと右側脚部3Bとは、
図6に示すように前後幅(前記脚杆間の間隔)が異なるものに構成されている。即ち、左側脚部3Aは、前後幅が右側脚部3Bの前後幅より小さく設定されて、この左側脚部3Aが右側脚部3Bの脚杆間に収まるものに構成されており、この左側脚部3Aと右側脚部3Bの異なる前後幅に対応させて前記前左軸支凸部と前記後左軸支凸部との間の前後間隔と、前記前右軸支凸部と前記後右軸支凸部との間の前後間隔も異ならせていて、これにより左右の脚部3A・3Bを夫々対向内側に回動移動させた際に左右の脚部3A・3B同志が接触することなく折畳まれて前記脚折畳み状態L2とし得るように構成されている。
【0051】
また、ここで前記接地片部11についてさらに詳しく説明すると、前記脚折畳み状態L2としたときの左右の脚部3A・3Bよりも下方へ垂下する形状に形成されていて、脚部3を前記脚折畳み状態L2としたときには、この接地片部11が接地面に接地するように構成されている。
【0052】
また、この左側脚部3Aと右側脚部3Bには、夫々の前記載置部の前後部に、前記脚杆の突出方向と反対方向に向けてこの載置部の長さ方向に沿った長さを有する係止凸部8が設けられ(一体成形され)ていて、前記脚使用状態L1としたときには、脚部3の左右前後四箇所のこの係止凸部8が接地面に接地するように構成されている(
図7参照)と共に、脚使用状態L1としたときの左右の脚部3A・3Bのこの係止凸部8が、別の収納体1の前記ハンドル外伏折畳み状態H3としたときの左右のハンドル2A・2Bの前記係合凹部9に凹凸係止し得るように構成されている(
図9参照)。
【0053】
即ち、前記ハンドル外伏折畳み状態H3の左右のハンドル2に、別の収納体1の前記脚使用状態L1の左右の脚部3A・3Bを載置すると、前記係止凸部8が前記係合凹部9に凹凸係止することに加えて、各脚部3下端の載置部の外側面が前記係止外壁5に当接係止すると共に、各係止凸部8の内側面が前記係合凹部9の内側壁面を構成する前記係止内壁6に当接係止して(脚部3の載置部が係止外壁5と係止内壁6とに挟持状態に係止して)この係止状態が強固な位置ズレ(横ズレ)防止状態となり、これにより収納体1の段積み状態が安定的に維持されるように構成されている。尚、
図8は、段積みしたときの下段の収納体1の脚部3が脚折畳み状態L2となっている場合を示しているが、このときの下段の収納体1は、脚部3が脚使用状態L1であっても良い。また、図示していないが、前記係止凸部8がハンドル2に設けられて、前記係合凹部9が脚部3に設けられる構成が採用されていても良い。
【0054】
尚、収納体1に、脚部3の下端が深く差し込まれるような深い係止穴を形成する構成でも上記と同等の脚部3安定係止作用が得られると考えられるが、収納体1のような大型パーツに深い穴を形成(一体成形)することは困難であり、本実施例のように、大型パーツの収納体1には係止外壁5を形成する程度の小変更を施すに留め、小型パーツで成形が容易なハンドル2と脚部3とに上記係止構造を施す構成の方が、比較的簡易に設計実現可能である。
【0055】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。