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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018500
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】包装材
(51)【国際特許分類】
   B65D 71/00 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
B65D71/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121875
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】303040183
【氏名又は名称】サッポロビール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100176773
【弁理士】
【氏名又は名称】坂西 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】▲柳▼川 宏児
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA22
3E067AB26
3E067AC03
3E067AC12
3E067BA20A
3E067BB01A
3E067BC06A
3E067EA04
3E067EA15
3E067EB03
3E067EB07
3E067EE12
3E067FA01
3E067FC04
(57)【要約】
【課題】破断したときに端材を生じさせないと共に、破断しやすく且つ開けやすい包装材を提供する。
【解決手段】一実施形態に係る包装材は、複数の飲料容器の上端部を覆う蓋部2を備える。蓋部2は、複数の飲料容器が並ぶ方向である第1方向D1、及び第1方向D1に交差する第2方向D2に延在している。蓋部2は、平面視における蓋部2の端部に位置する複数の端辺2bを有する。蓋部2は、一の端辺2bから一の端辺2bとは異なる他の端辺2bまで延在する1本の破断線10を有する。破断線10は、第1方向D1及び第2方向D2の双方に対して傾斜する方向に延びる傾斜部12を含む。
【選択図】図3


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の飲料容器を包装する包装材であって、
複数の前記飲料容器の上端部を覆う蓋部を備え、
前記蓋部は、複数の前記飲料容器が並ぶ方向である第1方向、及び前記第1方向に交差する第2方向に延在しており、
前記蓋部は、平面視における前記蓋部の端部に位置する複数の端辺を有し、
前記蓋部は、一の前記端辺から一の前記端辺とは異なる他の前記端辺まで延在する1本の破断線を有し、
前記破断線は、前記第1方向及び前記第2方向の双方に対して傾斜する方向に延びる傾斜部を含む、
包装材。
【請求項2】
一の前記端辺、及び他の前記端辺は、互いに前記第1方向に離隔している、
請求項1に記載の包装材。
【請求項3】
前記傾斜部は、前記第2方向の一方側に突出するように湾曲する第1湾曲部と、前記第2方向の他方側に突出するように湾曲する第2湾曲部と、を含む、
請求項1又は2に記載の包装材。
【請求項4】
前記傾斜部は、平面視における前記蓋部の中心を通ると共に前記第1方向に沿って延在する中心線に交差している、
請求項1又は2に記載の包装材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、飲料容器を包装する包装材に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、缶を締め付けて保持するマルチパック包装材及び缶集合包装体が記載されている。マルチパック包装材は、ビール等の飲料入りの缶を6本まとめて持ち運べるように当該6本の缶を包装する。マルチパック包装材は、天板と、天板の両端に位置する稜線を介して天板に連設された一対の側板と、各側板の天板とは反対側に位置する一対の底板とを備える。
【0003】
マルチパック包装材の展開図では、天板の左右両側に一対の側板が配置され、一対の側板の左右両端側に一対の底板が配置される。当該展開図において、左端に位置する一方の底板には複数の差込穴及び係合穴が形成されており、右端に位置する他方の底板には複数の差込片及び係合片が形成されている。
【0004】
マルチパック包装材の天板は6本の缶の上に載せられ、一対の側板、及び一対の底板が缶を囲むように配置された状態で当該6本の缶が包装される。このとき、一方の底板の各差込穴に他方の底板の各差込片が差し込まれ、一方の底板の各係合穴に他方の底板の各係合片が係合することによって、当該6本の缶を保持するマルチパック包装材が固定される。
【0005】
天板は、長方形状を呈する。天板には、2本のジッパ型の切目列が形成されている。2本の切目列は、天板の長手方向の一端から当該長手方向の他端まで延在している。各切目列は、天板の長手方向に沿って延在している。2本の切目列は、天板の短手方向に互いに離隔している。2本の切目列の端部を指で摘んで摘まんだ部分を引っ張ることにより、切目列に沿って天板が切断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-138378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述したマルチパック包装材では、2本の切目列に沿って天板が切断される。よって、切目列に沿って天板が切断された後に、天板における2本の切目列の間の部分が端材となる。この端材の後始末が面倒である場合があるので、破断したときに端材を生じさせないこと求められる。また、前述したマルチパック包装材では、天板の長手方向に沿って切目列が延在している。切目列が当該長手方向に沿って直線状に延在している場合、破断したときに紙が引っ張られて開けづらいという問題が生じうる。従って、より破断しやすく且つ開けやすくすることが求められうる。
【0008】
本開示は、破断したときに端材を生じさせないと共に、破断しやすく且つ開けやすい包装材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係る包装材は、(1)複数の飲料容器を包装する包装材である。包装材は、複数の飲料容器の上端部を覆う蓋部を備える。蓋部は、複数の飲料容器が並ぶ方向である第1方向、及び第1方向に交差する第2方向に延在している。蓋部は、平面視における蓋部の端部に位置する複数の端辺を有する。蓋部は、一の端辺から一の端辺とは異なる他の端辺まで延在する1本の破断線を有する。破断線は、第1方向及び第2方向の双方に対して傾斜する方向に延びる傾斜部を含む。
【0010】
この包装材は、複数の飲料容器が並ぶ方向である第1方向、及び第1方向に交差する第2方向に延在する蓋部を備え、蓋部は複数の飲料容器の上端部を覆う。蓋部は複数の端辺を有し、蓋部には一の端辺から他の端辺まで延在する1本の破断線が形成されている。よって、蓋部に形成された破断線の数は1であり、1本の破断線が一の端辺から他の端辺まで延在しているので、破断線に沿って蓋部を破断できると共に、端材を生じないようにすることができる。すなわち、破断線に沿って蓋部が破断されても、破断線を介して蓋部が破断されるだけで端材は生じない。破断線は、蓋部が延在する方向である第1方向及び第2方向の双方に対して傾斜する傾斜部を含む。破断線が傾斜部を含むことにより、破断したときにおける紙の引っ張りを生じにくくすることができるので、開けやすくすることができる。従って、破断しやすく且つ開けやすい包装材とすることができる。
【0011】
(2)上記(1)において、一の端辺、及び他の端辺は、互いに第1方向に離隔していてもよい。この場合、破断線は、第1方向の一端に位置する一の端辺から第1方向の他端に位置する他の端辺まで延在している。従って、複数の飲料容器が並ぶ方向である第1方向に沿って蓋部を破断することができる。
【0012】
(3)上記(1)又は(2)において、傾斜部は、第2方向の一方側に突出するように湾曲する第1湾曲部と、第2方向の他方側に突出するように湾曲する第2湾曲部と、を含んでもよい。この場合、第2方向の一方側に突出するように湾曲する第1湾曲部と、第2方向の他方側に突出するように湾曲する第2湾曲部によって、蓋部において破断線はS字状に形成される。従って、S字状を呈する破断線に沿って蓋部を破断することにより、蓋部の破断を一層容易に行うことができるので、より破断しやすく且つ開けやすい包装材とすることができる。
【0013】
(4)上記(1)~(3)のいずれかにおいて、傾斜部は、平面視における蓋部の中心を通ると共に第1方向に沿って延在する中心線に交差していてもよい。この場合、1本の破断線が蓋部の中心線を交差するように形成されているので、破断線に沿った蓋部の破断を一層容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、破断したときに端材を生じさせないと共に、破断しやすく且つ開けやすい包装材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係る包装材及び飲料容器を示す斜視図である。
図2図1の包装材の展開図である。
図3図2の包装材の蓋部を拡大した図である。
図4】(a)、(b)、(c)及び(d)は、破断線の種々の例を示す図である。
図5】変形例に係る包装材の展開図である。
図6図5とは別の変形例に係る包装材の展開図である。
図7図5及び図6とは別の変形例に係る包装材の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、本開示に係る包装材の実施形態について図面を参照しながら説明する。図面の説明において同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
【0017】
図1は、実施形態に係る包装材1及び飲料製品100を示す斜視図である。飲料製品100は、包装材1と、包装材1に包装された飲料容器Cとを備える。飲料容器Cは、例えば、飲料缶である。例えば、飲料缶は、ショート缶、ロング缶、デミタス缶、ボトル缶、樽型缶、及びウエストウェーブ缶のいずれであってもよい。
【0018】
飲料缶は、135mL(ミリリットル)缶、250mL缶、335mL缶、350mL缶、355mL缶、500mL缶、700mL缶、1000mL缶、2000mL缶、及び3000mL缶のいずれであってもよい。このように、缶の種類及びサイズは特に限定されない。
【0019】
飲料容器Cは、例えば、筒状を呈する側面C1と、飲料容器Cの上端に位置する上端部C2とを有する。平面視における上端部C2の外縁には巻締部C3が形成されている。一例として、飲料容器Cは、側面C1及び巻締部C3の間に、上方に向かうに従って飲料容器Cの外径が小さく方向に傾斜する傾斜部C4を有する。側面C1は、例えば、円筒状を呈する。この場合、上端部C2は円筒状の側面C1の上端に位置しており、巻締部C3は上端部C2の外縁として平面視において円環状を呈する。しかしながら、飲料容器Cの形状は、上記の例に限られず、適宜変更可能である。包装材1は、例えば、1枚の紙によって構成されている。この場合、複数枚の紙によって形成されている包装材と比較して、包装材1における紙の使用量を低減させることができる。
【0020】
図2は、包装材1の展開図である。図1及び図2に示されるように、包装材1は、飲料容器Cの上端部C2に固定される蓋部2と、飲料容器Cの側面C1を覆う側面被覆部3と、飲料容器Cの底面を覆う底面被覆部4とを備える。包装材1は、例えば、一対の側面被覆部3、及び一対の底面被覆部4を有する。一対の側面被覆部3は、蓋部2の中心2fを通ると共に第1方向D1に沿って延びる中心線L1に対して互いに対称とされている。
【0021】
蓋部2は、例えば、複数の飲料容器Cの上端部C2に固定される。例えば、蓋部2、側面被覆部3及び底面被覆部4のそれぞれは板状を呈する。蓋部2は複数の飲料容器Cを保持する。蓋部2に固定された状態において、例えば、複数の飲料容器C(上端部C2)は、第1方向D1に沿って並ぶと共に、第1方向D1に交差(一例として直交)する第2方向D2に沿って並ぶ。
【0022】
このとき、各飲料容器Cは第1方向D1及び第2方向D2の双方に交差する第3方向D3に延在する。第3方向D3は、例えば、飲料容器Cの高さ方向、又は鉛直方向である。一例として、蓋部2に固定された状態において、3個の飲料容器Cが第1方向D1に沿って並ぶと共に、2個の飲料容器Cが第2方向D2に沿って並ぶ。
【0023】
蓋部2は、複数の端辺2bを有する。複数の端辺2bは、第1方向D1に延びると共に第2方向D2に並ぶ一対の第1辺2cと、第2方向D2に延びると共に第1方向D1に並ぶ一対の第2辺2dとを含む。一例として、蓋部2は、長方形状を呈する。
【0024】
包装材1は、蓋部2及び側面被覆部3の間に位置する第1折り曲げ線5と、側面被覆部3及び底面被覆部4の間に位置する第2折り曲げ線6とを有する。例えば、包装材1は、複数の第1折り曲げ線5、及び複数の第2折り曲げ線6を有する。第1折り曲げ線5及び第2折り曲げ線6のそれぞれは、例えば、第1方向D1に沿って延在している。
【0025】
複数の第1折り曲げ線5は、例えば、蓋部2側に位置する上側折り曲げ線5bと、側面被覆部3側に位置する横側折り曲げ線5cを含む。複数の第2折り曲げ線6は、例えば、底面被覆部4側に位置する下側折り曲げ線6bと、側面被覆部3側に位置する横側折り曲げ線6cを含む。例えば、一対の上側折り曲げ線5bの間の領域が蓋部2であり、横側折り曲げ線5cと横側折り曲げ線6cとの間の領域が側面被覆部3である。包装材1の展開図において、各下側折り曲げ線6bの側面被覆部3とは反対側の領域が底面被覆部4である。
【0026】
蓋部2は、複数の飲料容器Cから包装材1を外す破断線10を有する。破断線10は、例えば、指で蓋部2を破断することが可能な線を示している。破断線10に沿って蓋部2を破断することによって、複数の飲料容器Cを保持する包装材1を分断して複数の飲料容器Cから包装材1を外すことが可能となる。破断線10の構成については後に詳述する。
【0027】
蓋部2は、第1方向D1の両端のそれぞれに位置する一対の凹部2gを有する。凹部2gは、平面視における蓋部2の第1方向D1の中央側に窪んでいる。凹部2gは、第2辺2dの第2方向D2の中央に設けられており、例えば、中心線L1上に設けられる。凹部2gは、例えば、複数の飲料容器Cを搬送するコンベア装置の一部を引っ掛けるための部位である。
【0028】
蓋部2は、例えば、飲料容器Cに引っ掛けられる引掛片2hを有する。例えば、蓋部2は複数(一例として4つ)の引掛片2hを有する。引掛片2hは、折り曲げ線2jと、下側折り曲げ部2kとを有し、下側折り曲げ部2kが飲料容器Cの巻締部C3に引っ掛かることによって飲料容器Cに固定される。なお、この引掛片2hは省略されてもよい。
【0029】
蓋部2は、例えば、包装材1及び複数の飲料容器Cを持ち上げる人の指が挿入される指穴部2pを有する。蓋部2は例えば複数(一例として2つ)の指穴部2pを有し、複数の指穴部2pは第1方向D1に沿って並んでいる。例えば、指穴部2pは、折り曲げ線2qと下方折り曲げ部2rとを有する。
【0030】
折り曲げ線2qは、下方折り曲げ部2rよりも蓋部2の第1方向D1の中央側に位置する。折り曲げ線2qは、例えば、第2方向D2に沿って延在している。下方折り曲げ部2rは、折り曲げ線2qの第2方向D2の両端側においてU字状を呈する。すなわち、下方折り曲げ部2rは、折り曲げ線2qの一端から蓋部2の第1方向D1の端部側に湾曲しながら延びており折り曲げ線2qの他端まで延在している。
【0031】
例えば、下方折り曲げ部2rは、折り曲げ線2tを有する。下方折り曲げ部2rは複数(一例として2つ)の折り曲げ線2tを有し、複数の折り曲げ線2tは第2方向D2に並んでいる。一例として、平面視において、2つの折り曲げ線2tがハの字状に形成されている。この場合、各折り曲げ線2tは第1方向D1及び第2方向D2の双方に対して傾斜しており、2つの折り曲げ線2tの間の距離は蓋部2の第1方向D1の中央側に向かうに従って長くなっている。
【0032】
指穴部2pは、例えば、折り曲げ線2qから第2方向D2の両端側に延びる一対の切り欠き線部2sを有してもよい。切り欠き線部2sは、折り曲げ線2qから第2方向D2の両端側に直線状に延びると共に、第2方向D2の両端側において第1方向D1の両端側に曲がっている。切り欠き線部2sを有することにより、下方折り曲げ部2rを一層下方に折り曲げやすくすることが可能となる。
【0033】
例えば、蓋部2は、包装材1の展開図において中心2fを通ると共に第2方向D2に沿って延在する基準線L2に対して対称な形状を呈する。例えば、側面被覆部3及び底面被覆部4も、蓋部2と同様、基準線L2に対して対称な形状を呈する。
【0034】
例えば、側面被覆部3は、蓋部2側に位置する第1凸部3bと、底面被覆部4側に位置する第2凸部3cと、第1凸部3b及び第2凸部3cの間に位置する凹部3dとを有する。第1凸部3b及び第2凸部3cのそれぞれは、側面被覆部3の第1方向D1の端部において第1方向D1に突出している。
【0035】
例えば、側面被覆部3は、第1方向D1に沿って並ぶ一対の第1凸部3bと、第1方向D1に沿って並ぶ一対の第2凸部3cとを有する。第1凸部3bは蓋部2の第2辺2dに接続されている。例えば、第2凸部3cの第1方向D1への突出量は、第1凸部3bの第1方向D1への突出量よりも大きい。
【0036】
底面被覆部4は、例えば、飲料容器Cの底部を保持する缶底保持部4bを有する。底面被覆部4は複数の缶底保持部4bを有し、複数の缶底保持部4bは第1方向D1に沿って並んでいる。例えば、複数の缶底保持部4bのそれぞれは複数の飲料容器Cのそれぞれを保持する。
【0037】
缶底保持部4bは、例えば、折り曲げ線4cと、折り曲げ線4cを介して折り曲げられる折り曲げ部4dとを有する。折り曲げ線4cは第1方向D1に沿って延在している。折り曲げ部4dは、例えば、コの字状を呈する。折り曲げ部4dは、折り曲げ線4cの一端及び他端のそれぞれから側面被覆部3側に延びると共に、側面被覆部3側の一端及び他端の間において第1方向D1に延びている。缶底保持部4bは、例えば、折り曲げ部4dに設けられた補助折り曲げ線4fを有してもよい。一例として、補助折り曲げ線4fは、側面被覆部3側に突出するように湾曲する曲線状を呈する。
【0038】
底面被覆部4は、例えば、側面被覆部3側において第1方向D1に突出する突出部4gを有する。突出部4gは側面被覆部3の第2凸部3cに連続する部位である。底面被覆部4は一対の突出部4gを有し、一対の突出部4gは底面被覆部4の第1方向D1の端部において第1方向D1に突出している。
【0039】
底面被覆部4は、例えば、第1穴部4hと、第2穴部4jと、第1突起部4kと、第2突起部4mとを有する。包装材1の展開図において、第1穴部4h及び第2穴部4jは包装材1の一端に設けられ、第1突起部4k及び第2突起部4mは包装材1の他端に設けられる。底面被覆部4は、複数(一例として3つ)の第1穴部4h、及び複数(一例として2つ)の第2穴部4jを有する。
【0040】
複数の第1穴部4hは第1方向D1に沿って並んでいる。複数の第2穴部4jは第1方向D1に沿って並んでいる。第1突起部4kは第1穴部4hに嵌まる部位であり、第2突起部4mは第2穴部4jに嵌まる部位である。例えば、第1穴部4hは第2穴部4jよりも包装材1の端部側に設けられており、第2突起部4mは第1突起部4kよりも包装材1の端部側に設けられている。以上、側面被覆部3及び底面被覆部4のそれぞれの構成について説明した。しかしながら、側面被覆部3及び底面被覆部4のそれぞれの構成は、前述した例に限られず適宜変更可能である。
【0041】
蓋部2が複数の飲料容器Cの上端部C2に載せられ、一対の側面被覆部3が飲料容器Cの側面C1に対向すると共に、一対の底面被覆部4が互いに接続することによって包装材1が複数の飲料容器Cに固定される。例えば、各第1穴部4hに各第1突起部4kが嵌り込み、各第2穴部4jに各第2突起部4mが嵌まり込むことによって一対の底面被覆部4が互いに接続する。
【0042】
次に、蓋部2に形成された破断線10について図3を参照しながら説明する。図3は、蓋部2の破断線10を示す包装材1の平面図である。図3では、凹部2g、引掛片2h及び指穴部2pの図示を省略している。このように、蓋部2では凹部2g、引掛片2h及び指穴部2pの少なくともいずれかを省略することも可能であり、蓋部2の構成は適宜変更可能である。
【0043】
破断線10は、第1方向D1の端部に位置する凹部11を有する。凹部11は、破断線10の第1方向D1の端部において第1方向D1に窪む部位である。例えば、破断線10は2つの凹部11を有し、2つの凹部11のそれぞれは破断線10の第1方向D1の一端及び他端のそれぞれに形成されている。このように破断線10の端部に凹部11が形成されていることにより、指によって破断線10を破断しやすくすることができる。
【0044】
凹部11は破断線10の一端10b(平面視における上端)及び他端10c(平面視における下端)のそれぞれを構成する。破断線10の一端10bは、蓋部2の第2方向D2の端部(例えば第1折り曲げ線5)と中心線L1との間に位置する。例えば、第2辺2dの第2方向D2の端部から一端10bまでの距離Aは、10mm以上且つ40mm以下であり、より好ましくは、20mm以上且つ30mm以下である。一例として、距離Aは25mmである。
【0045】
一例として、一端10bは、第2辺2dと中心線L1との交点P1、及び第2辺2dと第1折り曲げ線5との交点P2を結ぶ仮想線分の中点P3よりも第1折り曲げ線5寄りの位置に設けられる。しかしながら、一端10bは、中点P3上に設けられていてもよい。また、一端10bは、中点P3よりも中心線L1寄りの位置に設けられていてもよい。このように、一端10bの位置は適宜変更可能である。他端10cの位置についても同様である。
【0046】
本実施形態において、包装材1に形成された破断線10の数は1である。ところで、仮に包装材に形成された破断線の数が2以上である場合、破断線に沿って包装材を破断したときに2本の破断線の間の部分が端材となる。破断に伴って生じる端材は、後始末が面倒になりうるため、生じさせないことが望ましい。本実施形態では、1本のみの破断線10が包装材1に形成されていることにより、破断線10に沿って包装材1を破断したときに包装材1から端材を生じないようにすることができる。
【0047】
破断線10は、蓋部2の一の端辺2bから一の端辺2bとは異なる他の端辺2bまで延在している。本実施形態では、破断線10の一端10bが位置する当該一の端辺2bと、破断線10の他端10cが位置する当該他の端辺2bとは、互いに第1方向D1に離隔している。例えば、当該一の端辺2b、及び当該他の端辺2bは、蓋部2の第1方向D1の端部において第2方向D2に延在する第2辺2dである。
【0048】
例えば、平面視において、破断線10は、蓋部2の左上から蓋部2の右下まで斜めに延びている。この場合、破断線10の左側における第1方向D1の一端側(図3における上部)を左手で持って、破断線10の右側における第1方向D1の一端側を右手で持って右手で持った部分を第1方向D1の他端側に引っ張ることにより、破断線10を介して蓋部2を破断することが可能である。
【0049】
破断線10が平面視における左上から右下に延びている場合、右手で一層容易に蓋部2を破断することが可能となる。例えば、破断線10はS字状を呈する。例えば、破断線10は、蓋部2の中心2fに対して点対称となるように形成されていてもよい。破断線10は、例えば、中心線L1に交差している。破断線10は、例えば、前述した一対の指穴部2pの間を通っている。
【0050】
破断線10は、第1方向D1及び第2方向D2の双方に対して傾斜する方向に延びる傾斜部12を含む。なお、破断線10は、第1方向D1及び第2方向D2の双方に対して傾斜していない部位(例えば、第1方向D1に沿って延びる部位18、又は第2方向D2に沿って延びる部位)を有していてもよい。
【0051】
傾斜部12は、第2方向D2の一方側に突出するように湾曲する第1湾曲部13と、第2方向D2の他方側に突出するように湾曲する第2湾曲部14とを有する。第1湾曲部13は基準線L2から見て第1方向D1の一方側に形成されており、第2湾曲部14は基準線L2から見て第1方向D1の他方側に形成されている。例えば、傾斜部12は、直線部15を有していてもよい。一例として、直線部15は、第1湾曲部13と第2湾曲部14の間に形成されている。このように、破断線(又は傾斜部)の少なくとも一部に直線部が形成されていてもよい。
【0052】
第1湾曲部13は中心線L1から見て第2方向D2の一方側に形成されており、第2湾曲部14は中心線L1から見て第2方向D2の他方側に形成されている。例えば、第1湾曲部13は、円弧状を呈する。この場合、第1湾曲部13の円弧の中心は破断線10よりも中心線L1寄りの箇所に位置する。
【0053】
第2湾曲部14が円弧状を呈していてもよい。この場合、第2湾曲部14の円弧の中心は破断線10よりも中心線L1寄りの箇所に位置する。例えば、第1湾曲部13の円弧の中心は破断線10よりも平面視における右側に位置しており、第2湾曲部14の円弧の中心は破断線10よりも平面視における左側に位置する。
【0054】
例えば、第1湾曲部13が円弧状を呈する場合、第1湾曲部13の円弧の半径は45mm以上且つ100mm以下であり、より好ましくは45mm以上且つ60mm以下(一例として50mm)である。例えば、第2湾曲部14の円弧の半径も、第1湾曲部13と同様、45mm以上且つ100mm以下であり、より好ましくは45mm以上且つ60mm以下(一例として50mm)である。
【0055】
例えば、破断線10は、第1切断線16と第2切断線17とによって構成されている。この場合、破断線10は複数の第1切断線16、及び複数の第2切断線17を有し、第1切断線16及び第2切断線17は交互に並ぶように形成されている。例えば、第1切断線16及び第2切断線17は、折れ線状(くの字状、又はへの字状)を呈する。この場合、第1切断線16に沿って破断線10を破断しやすくできると共に、破断に伴う力の一部を第2切断線17に逃がすことができるので、破断線10の破断を一層容易に行うことができる。
【0056】
なお、図3の例では、第1切断線16に対する第2切断線17の向きが途中で切り替わっている。例えば、破断線10の左上の部分では、平面視における第1切断線16の上端から第2切断線17が右斜め上に延在し、破断線10の右下の部分では、平面視における第1切断線16の下端から第2切断線17が左下に延在している。しかしながら、第1切断線16に対する第2切断線17の向きは適宜変更可能である。例えば、第1切断線16に対する第2切断線17の向きが全て同一であってもよい。
【0057】
次に、破断線10を構成する第1切断線及び第2切断線の種々の例について図4(a)~図4(d)を参照しながら説明する。図4(a)に示されるように、破断線は、仮想直線Zに沿って並ぶ複数の第1切断線16bを有していてもよい。この場合、仮想直線Zに沿った方向への力F1が加わったときに破断線に沿ってスムーズに破断を行うことができる。しかしながら、図4(b)に示されるように、破断線が仮想直線Zに沿って並ぶ複数の第1切断線16cを有する場合でも、仮想直線Zに対して傾斜する方向への力F2が加わったときには、破断線に対して力F2の向きが逸れてしまうのでスムーズに破断できないことがある。
【0058】
図4(c)に示されるように、破断線は、力F3によって破断される破断線であって、仮想直線Zに沿って並ぶ複数の第1切断線16dと、仮想直線Zに沿って並ぶ2つの第1切断線16dの間に位置する第2切断線17dとを有してもよい。第2切断線17dは、仮想直線Zに沿って並ぶ2つの第1切断線16dのうち、後に破断される第1切断線16d(図4(c)では右側に位置する第1切断線16d)の先に破断される第1切断線16d(図4(c)では左側に位置する第1切断線16d)側の端部16gから延びていてもよい。第2切断線17dは、端部16gから力F3のベクトルに交差していてもよい。力F3のベクトルは、先に破断される第1切断線16dの後に破断される第1切断線16d側の端16hから仮想直線Zに対して傾斜する方向に延びている。この場合、力F3のベクトルの先に第2切断線17dが位置するので、第1切断線16d及び第2切断線17dに沿った破断を一層スムーズに行うことができる。
【0059】
図4(d)に示されるように、破断線は、力F4によって破断される破断線であって、仮想曲線Yに沿って並ぶ複数の第1切断線16fと、仮想曲線Yに沿って並ぶ2つの第1切断線16fの間に位置する第2切断線17fとを有してもよい。例えば、仮想曲線Yは、円弧状を呈する。第2切断線17fは、仮想曲線Yに沿って並ぶ2つの第1切断線16fのうち、後に破断される第1切断線16f(図4(d)では右側に位置する第1切断線16f)の先に破断される第1切断線16f(図4(d)では左側に位置する第1切断線16f)側の端部16jから延びていてもよい。第2切断線17fは、端部16jから力F4のベクトルに交差していてもよい。力F4のベクトルは、先に破断される第1切断線16fの後に破断される第1切断線16f側の端16kから仮想曲線Yに対して傾斜する方向に延びている。この場合、力F4のベクトルの先に第2切断線17fが位置するので、第1切断線16f及び第2切断線17fに沿った破断を一層スムーズに行うことができる。
【0060】
次に、本実施形態に係る包装材1から得られる作用効果について詳細に説明する。包装材1は、複数の飲料容器Cが並ぶ方向である第1方向D1、及び第1方向D1に交差する第2方向D2に延在する蓋部2を備え、蓋部2は複数の飲料容器Cの上端部C2を覆う。蓋部2は複数の端辺2bを有し、蓋部2には一の端辺2bから他の端辺2bまで延在する1本の破断線10が形成されている。よって、蓋部2に形成された破断線10の数は1であり、1本の破断線10が一の端辺2bから他の端辺2bまで延在しているので、破断線10に沿って蓋部2を破断できると共に、端材を生じないようにすることができる。
【0061】
すなわち、破断線10に沿って蓋部2が破断されても、破断線10を介して蓋部2が破断されるだけで端材は生じない。破断線10は、蓋部2が延在する方向である第1方向D1及び第2方向D2の双方に対して傾斜する傾斜部12を含む。破断線10が傾斜部12を含むことにより、破断したときにおける紙の引っ張りを生じにくくすることができるので、開けやすくすることができる。従って、破断しやすく且つ開けやすい包装材1とすることができる。
【0062】
本実施形態において、一の端辺2b、及び他の端辺2bは、互いに第1方向D1に離隔していてもよい。この場合、破断線10は、第1方向D1の一端に位置する一の端辺2bから第1方向D1の他端に位置する他の端辺2bまで延在している。従って、複数の飲料容器Cが並ぶ方向である第1方向D1に沿って蓋部2を破断することができる。
【0063】
本実施形態において、傾斜部12は、第2方向D2の一方側に突出するように湾曲する第1湾曲部13と、第2方向D2の他方側に突出するように湾曲する第2湾曲部14と、を含んでもよい。この場合、第2方向D2の一方側に突出するように湾曲する第1湾曲部13と、第2方向D2の他方側に突出するように湾曲する第2湾曲部14によって、蓋部2において破断線10はS字状に形成される。従って、S字状を呈する破断線10に沿って蓋部2を破断することにより、蓋部2の破断を一層容易に行うことができるので、より破断しやすく且つ開けやすい包装材1とすることができる。
【0064】
本実施形態において、傾斜部12は、平面視における蓋部2の中心2fを通ると共に第1方向D1に沿って延在する中心線L1に交差していてもよい。この場合、1本の破断線10が蓋部2の中心線L1を交差するように形成されているので、破断線10に沿った蓋部2の破断を一層容易に行うことができる。
【0065】
次に、変形例に係る包装材21について図5を参照しながら説明する。包装材21の一部の構成は、前述した包装材1の一部の構成と同一である。従って、以下では、包装材1の構成と重複する説明については同一の符号を付して適宜省略する。図5に示されるように、包装材21は蓋部22を有し、蓋部22は平面視において左上から右下に延びる破断線30を有する。破断線30の一部は蓋部2の引掛片2hに重なっている。図5の例では、破断線30は引掛片2hから第1方向D1及び第2方向D2の双方に対して斜めに延在している。
【0066】
図6は、図5とは異なる変形例に係る包装材41を示す展開図である。図6に示されるように、包装材41は破断線50を有し、平面視において破断線50は蓋部2の右上から蓋部2の左下まで斜めに延びている。平面視における右上から左下に延びている破断線50では、左手で一層容易に蓋部2を破断することが可能となる。なお、平面視において蓋部2の左上から右下まで斜めに延びる破断線10を有する包装材1と、平面視において蓋部2の右上から左下まで斜めに延びる破断線50を有する包装材41との2種類が設けられてもよい。
【0067】
図7は、図6とは異なる更なる変形例に係る包装材61を示す展開図である。図7に示されるように、包装材61は破断線70を有し、破断線70は蓋部2の第2辺2dから第1辺2cに延びている。すなわち、前述した破断線10は蓋部2の一方の第2辺2dから他方の第2辺2dまで延びていたのに対し、破断線70は蓋部2の第2辺2dから第2辺2dに交差する第1辺2cに延在している。
【0068】
より具体的には、破断線70は、平面視において第2辺2dから下方に延在する延在部71と、延在部71の平面視の下端に位置する湾曲部72と、湾曲部72の平面視における下端から延在部71に対して傾斜する方向に延びる傾斜部73とを有する。傾斜部73は第1辺2cに交差すると共に側面被覆部3まで達している。この破断線70であっても、傾斜部12と同様の傾斜部73を有するので、前述した破断線10等と同様の作用効果が得られる。
【0069】
以上、本開示に係る包装材の実施形態、及び種々の変形例について説明した。しかしながら、本開示に係る包装材は、前述した実施形態又は変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨の範囲内において更に変形することが可能である。すなわち、本開示に係る包装材の各部の形状、大きさ、数、材料及び配置態様は上記の要旨の範囲内において適宜変更可能である。
【0070】
例えば、前述の実施形態では、包装材1が包装する(蓋部2が覆う)飲料容器Cの数が6である例について説明した。しかしながら、包装材が包装する飲料容器Cの数は、例えば、2以上且つ5以下であってもよい。また、包装材が包装する飲料容器Cの数は、7以上、8以上、又は10以上であってもよい。このように、包装材が包装する飲料容器Cの数は、特に限定されない。前述した実施形態では、複数列(2×3個)の飲料容器Cを保持する包装材1について説明した。しかしながら、例えば、一列に並ぶ複数の飲料容器Cを保持する包装材であってもよく、包装材が保持する飲料容器Cの数及び配置態様は特に限定されない。
【符号の説明】
【0071】
1…包装材、2…蓋部、2b…端辺、2c…第1辺、2d…第2辺、2f…中心、2g…凹部、2h…引掛片、2j…折り曲げ線、2k…下側折り曲げ部、2p…指穴部、2q…折り曲げ線、2r…下方折り曲げ部、2s…切り欠き線部、2t…折り曲げ線、3…側面被覆部、3b…第1凸部、3c…第2凸部、3d…凹部、4…底面被覆部、4b…缶底保持部、4c…折り曲げ線、4d…折り曲げ部、4f…補助折り曲げ線、4g…突出部、4h…第1穴部、4j…第2穴部、4k…第1突起部、4m…第2突起部、5…第1折り曲げ線、5b…上側折り曲げ線、5c…横側折り曲げ線、6…第2折り曲げ線、6b…下側折り曲げ線、6c…横側折り曲げ線、10…破断線、10b…一端、10c…他端、11…凹部、12…傾斜部、13…第1湾曲部、14…第2湾曲部、15…直線部、16,16b,16c,16d,16f…第1切断線、17,17d,17f…第2切断線、21…包装材、22…蓋部、30…破断線、41…包装材、50…破断線、61…包装材、70…破断線、71…延在部、72…湾曲部、73…傾斜部、100…飲料製品、A…距離、C…飲料容器、C1…側面、C2…上端部、C3…巻締部、C4…傾斜部、D1…第1方向、D2…第2方向、D3…第3方向、L1…中心線、L2…基準線、P1,P2…交点、P3…中点、Y…仮想曲線、Z…仮想直線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7