(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018512
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】電源回路及びトイレ装置
(51)【国際特許分類】
H02M 3/155 20060101AFI20240201BHJP
E03D 5/01 20060101ALI20240201BHJP
E03D 5/10 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
H02M3/155 C
E03D5/01
E03D5/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121899
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 功
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】前田 和洋
(72)【発明者】
【氏名】吉武 真弥
(72)【発明者】
【氏名】松田 泰宏
【テーマコード(参考)】
2D039
5H730
【Fターム(参考)】
2D039AA02
2D039BA06
2D039EA01
2D039FA03
2D039FC00
2D039FD01
5H730AA15
5H730AS05
5H730AS13
5H730BB13
5H730CC01
5H730DD03
5H730DD04
5H730EE59
5H730FD01
5H730FF09
5H730FG05
5H730XX03
5H730XX12
5H730XX23
5H730XX32
(57)【要約】
【課題】フィードバック機能を有する制御素子を降圧回路に用いた際にも、消費電力の増加を抑制しつつ、降圧回路の出力電圧が所望の電圧よりも低くなってしまうことを抑制できるトイレ装置用の電源回路及びトイレ装置を提供する。
【解決手段】商用電源から供給された交流電力を整流して整流電力に変換する整流回路と、整流電力を直流電力に変換する入力コンデンサと、入力コンデンサから供給された第1直流電力を、第1直流電力よりも電圧の低い第2直流電力に変換し、第2直流電力を駆動回路に供給する降圧回路と、を備え、降圧回路は、一対の入力端子と、一対の出力端子と、制御素子と、インダクタと、第1整流素子と、第2整流素子と、出力コンデンサと、制御素子用コンデンサと、を有し、第1整流素子の逆回復時間は、第2整流素子の逆回復時間よりも短いことを特徴とするトイレ装置用の電源回路である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器本体と、前記便器本体への洗浄水の供給を行うポンプと、前記ポンプの駆動及び駆動の停止を切り替える駆動回路と、を備えたトイレ装置に用いられ、前記駆動回路に電力を供給するトイレ装置用の電源回路であって、
商用電源から供給された交流電力を整流することにより、前記交流電力を整流電力に変換する整流回路と、
前記整流電力を平滑化することにより、前記整流電力を直流電力に変換する入力コンデンサと、
前記入力コンデンサから供給された第1直流電力を、前記第1直流電力よりも電圧の低い第2直流電力に変換し、前記第2直流電力を前記駆動回路に供給する降圧回路と、
を備え、
前記降圧回路は、一対の入力端子と、一対の出力端子と、制御素子と、インダクタと、第1整流素子と、第2整流素子と、出力コンデンサと、制御素子用コンデンサと、を有し、
前記一対の入力端子は、前記入力コンデンサの両端に接続され、
前記一対の出力端子は、前記駆動回路に接続され、
前記制御素子は、スイッチング素子と、前記スイッチング素子のスイッチングを制御する制御回路と、パッケージと、を有し、前記スイッチング素子と前記制御回路とを前記パッケージ内に内蔵し、
前記スイッチング素子は、一対の主端子と、制御端子と、を有し、
前記パッケージは、第1端子と、第2端子と、第3端子と、を有し、
前記スイッチング素子の一方の前記主端子は、前記パッケージ内において前記第1端子に接続され、
前記スイッチング素子の他方の前記主端子は、前記パッケージ内において前記第2端子に接続され、
前記インダクタの一端は、前記第2端子に接続され、
前記インダクタの他端は、高電位側の前記出力端子に接続され、
前記第1整流素子の陰極は、前記第2端子と前記インダクタの前記一端との接続点に接続され、
前記第1整流素子の陽極は、低電位側の前記出力端子に接続され、
前記出力コンデンサの一端は、前記インダクタの前記他端と高電位側の前記出力端子との接続点に接続され、
前記出力コンデンサの他端は、低電位側の前記出力端子に接続され、
前記第2整流素子の陰極は、前記インダクタの前記他端と高電位側の前記出力端子との接続点に接続され、
前記第2整流素子の陽極は、前記第3端子に接続され、
前記制御素子用コンデンサの一端は、前記第2整流素子の陽極と前記第3端子との接続点に接続され、
前記制御素子用コンデンサの他端は、前記第2端子と前記インダクタの前記一端との接続点に接続され、
前記制御回路は、フィードバック機能を有し、前記第3端子の電圧が予め設定された所定の電圧となるように、前記スイッチング素子のスイッチングのフィードバック制御を行い、
前記第1整流素子の逆回復時間は、前記第2整流素子の逆回復時間よりも短いことを特徴とするトイレ装置用の電源回路。
【請求項2】
前記制御素子用コンデンサの静電容量は、前記出力コンデンサの静電容量よりも小さいことを特徴とする請求項1記載のトイレ装置用の電源回路。
【請求項3】
前記第1整流素子の逆回復時間は、10ns以上100ns以下であり、
前記第2整流素子の逆回復時間は、2μs以上10μs以下であることを特徴とする請求項1記載のトイレ装置用の電源回路。
【請求項4】
前記第2整流素子の逆回復時間は、前記第1整流素子の逆回復時間の20倍以上であることを特徴とする請求項1記載のトイレ装置用の電源回路。
【請求項5】
便器本体と、
前記便器本体への洗浄水の供給を行うポンプと、
前記ポンプの駆動及び駆動の停止を切り替える駆動回路と、
前記駆動回路に電力を供給する電源回路と、
を備え、
前記電源回路は、
商用電源から供給された交流電力を整流することにより、前記交流電力を整流電力に変換する整流回路と、
前記整流電力を平滑化することにより、前記整流電力を直流電力に変換する入力コンデンサと、
前記入力コンデンサから供給された第1直流電力を、前記第1直流電力よりも電圧の低い第2直流電力に変換し、前記第2直流電力を前記駆動回路に供給する降圧回路と、
を有し、
前記降圧回路は、一対の入力端子と、一対の出力端子と、制御素子と、インダクタと、第1整流素子と、第2整流素子と、出力コンデンサと、制御素子用コンデンサと、を有し、
前記一対の入力端子は、前記入力コンデンサの両端に接続され、
前記一対の出力端子は、前記駆動回路に接続され、
前記制御素子は、スイッチング素子と、前記スイッチング素子のスイッチングを制御する制御回路と、パッケージと、を有し、前記スイッチング素子と前記制御回路とを前記パッケージ内に内蔵し、
前記スイッチング素子は、一対の主端子と、制御端子と、を有し、
前記パッケージは、第1端子と、第2端子と、第3端子と、を有し、
前記スイッチング素子の一方の前記主端子は、前記パッケージ内において前記第1端子に接続され、
前記スイッチング素子の他方の前記主端子は、前記パッケージ内において前記第2端子に接続され、
前記インダクタの一端は、前記第2端子に接続され、
前記インダクタの他端は、高電位側の前記出力端子に接続され、
前記第1整流素子の陰極は、前記第2端子と前記インダクタの前記一端との接続点に接続され、
前記第1整流素子の陽極は、低電位側の前記出力端子に接続され、
前記出力コンデンサの一端は、前記インダクタの前記他端と高電位側の前記出力端子との接続点に接続され、
前記出力コンデンサの他端は、低電位側の前記出力端子に接続され、
前記第2整流素子の陰極は、前記インダクタの前記他端と高電位側の前記出力端子との接続点に接続され、
前記第2整流素子の陽極は、前記第3端子に接続され、
前記制御素子用コンデンサの一端は、前記第2整流素子の陽極と前記第3端子との接続点に接続され、
前記制御素子用コンデンサの他端は、前記第2端子と前記インダクタの前記一端との接続点に接続され、
前記制御回路は、フィードバック機能を有し、前記第3端子の電圧が予め設定された所定の電圧となるように、前記スイッチング素子のスイッチングのフィードバック制御を行い、
前記第1整流素子の逆回復時間は、前記第2整流素子の逆回復時間よりも短いことを特徴とするトイレ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、電源回路及びトイレ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
便器本体と、便器本体への洗浄水の供給を行うためのポンプと、ポンプの駆動及び駆動の停止を切り替える駆動回路と、駆動回路に電力を供給する電源回路と、を備えたトイレ装置がある。電源回路は、商用電源から供給される交流電力を駆動回路に応じた直流電力に変換し、変換後の直流電力を駆動回路に供給する。電源回路は、降圧回路を有し、降圧した直流電力を駆動回路に供給する。駆動回路は、電源回路からの直流電力の供給によって動作する。
【0003】
こうしたトイレ装置において、便器洗浄などを行う機能部をなるべく小さくし、デザイン性の向上を図ることが行われている。例えば、便器本体の後方に配置される機能部の高さをなるべく低くしたローシルエットなデザインとすることが求められている。
【0004】
このため、電源回路においても、小型化が求められている。電源回路において、小型化の要請に応えるため、スイッチング素子と、スイッチング素子のスイッチングを制御する制御回路と、を内蔵した制御素子を降圧回路に用いることが提案されている。制御素子は、換言すれば、電源IC(Integrated Circuit)である。制御素子を用いた降圧回路では、種々の回路素子が制御素子内に集積されているため、スイッチング素子や制御回路などを個別に実装する場合などと比べて、降圧回路の部品点数を削減し、電源回路を小型化することができる。
【0005】
制御素子は、フィードバック機能を有し、出力電圧を検出し、出力電圧が、予め設定された所定の電圧となるように、スイッチング素子のスイッチングを制御する。これにより、電源回路を小型化しつつ、安定した電力の供給を行うことができる。
【0006】
しかしながら、本願発明者は、鋭意の検討の結果、フィードバック機能を有する制御素子を用いた降圧回路において、降圧回路の出力電圧が所望の電圧よりも低くなってしまう可能性があることを見出した。降圧回路の出力電圧が低下すると、駆動回路やポンプの動作が不安定になる可能性が生じてしまう。
【0007】
降圧回路の出力端に負荷と並列に抵抗素子(いわゆるブリーダ抵抗)を設け、抵抗素子の抵抗値を調整することによって、降圧回路の出力電圧を安定化させる方法も考えられるが、この場合には、電源回路の消費電力が増加してしまう可能性がある。
【0008】
このため、トイレ装置、及びこれに用いられる電源回路では、フィードバック機能を有する制御素子を降圧回路に用いた際にも、消費電力の増加を抑制しつつ、降圧回路の出力電圧が所望の電圧よりも低くなってしまうことを抑制できるようにすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、フィードバック機能を有する制御素子を降圧回路に用いた際にも、消費電力の増加を抑制しつつ、降圧回路の出力電圧が所望の電圧よりも低くなってしまうことを抑制できるトイレ装置用の電源回路、及びこれを用いたトイレ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の発明は、便器本体と、前記便器本体への洗浄水の供給を行うポンプと、前記ポンプの駆動及び駆動の停止を切り替える駆動回路と、を備えたトイレ装置に用いられ、前記駆動回路に電力を供給するトイレ装置用の電源回路であって、商用電源から供給された交流電力を整流することにより、前記交流電力を整流電力に変換する整流回路と、前記整流電力を平滑化することにより、前記整流電力を直流電力に変換する入力コンデンサと、前記入力コンデンサから供給された第1直流電力を、前記第1直流電力よりも電圧の低い第2直流電力に変換し、前記第2直流電力を前記駆動回路に供給する降圧回路と、を備え、前記降圧回路は、一対の入力端子と、一対の出力端子と、制御素子と、インダクタと、第1整流素子と、第2整流素子と、出力コンデンサと、制御素子用コンデンサと、を有し、前記一対の入力端子は、前記入力コンデンサの両端に接続され、前記一対の出力端子は、前記駆動回路に接続され、前記制御素子は、スイッチング素子と、前記スイッチング素子のスイッチングを制御する制御回路と、パッケージと、を有し、前記スイッチング素子と前記制御回路とを前記パッケージ内に内蔵し、前記スイッチング素子は、一対の主端子と、制御端子と、を有し、前記パッケージは、第1端子と、第2端子と、第3端子と、を有し、前記スイッチング素子の一方の前記主端子は、前記パッケージ内において前記第1端子に接続され、前記スイッチング素子の他方の前記主端子は、前記パッケージ内において前記第2端子に接続され、前記インダクタの一端は、前記第2端子に接続され、前記インダクタの他端は、高電位側の前記出力端子に接続され、前記第1整流素子の陰極は、前記第2端子と前記インダクタの前記一端との接続点に接続され、前記第1整流素子の陽極は、低電位側の前記出力端子に接続され、前記出力コンデンサの一端は、前記インダクタの前記他端と高電位側の前記出力端子との接続点に接続され、前記出力コンデンサの他端は、低電位側の前記出力端子に接続され、前記第2整流素子の陰極は、前記インダクタの前記他端と高電位側の前記出力端子との接続点に接続され、前記第2整流素子の陽極は、前記第3端子に接続され、前記制御素子用コンデンサの一端は、前記第2整流素子の陽極と前記第3端子との接続点に接続され、前記制御素子用コンデンサの他端は、前記第2端子と前記インダクタの前記一端との接続点に接続され、前記制御回路は、フィードバック機能を有し、前記第3端子の電圧が予め設定された所定の電圧となるように、前記スイッチング素子のスイッチングのフィードバック制御を行い、前記第1整流素子の逆回復時間は、前記第2整流素子の逆回復時間よりも短いことを特徴とするトイレ装置用の電源回路。
【0012】
この電源回路によれば、第1整流素子の逆回復時間が、第2整流素子の逆回復時間よりも短いことにより、インダクタから短時間の間に放出される電流を第1整流素子側に主体的に流し、制御素子用コンデンサの電圧が、出力コンデンサの電圧に比べて上昇し易くなってしまうことを抑制することができる。これにより、降圧回路の出力電圧が所望の電圧よりも低くなってしまうことを抑制することができる。また、降圧回路の一対の出力端子に負荷と並列に設けられる抵抗素子の抵抗値を調整することによって、降圧回路の出力電圧を安定化させる方法と比べて、電源回路の消費電力が増加してしまうことを抑制することもできる。従って、フィードバック機能を有する制御素子を降圧回路に用いた際にも、消費電力の増加を抑制しつつ、降圧回路の出力電圧が所望の電圧よりも低くなってしまうことを抑制することができる。
【0013】
第2の発明は、第1の発明において、前記制御素子用コンデンサの静電容量は、前記出力コンデンサの静電容量よりも小さいことを特徴とするトイレ装置用の電源回路である。
【0014】
この電源回路によれば、第1整流素子の逆回復時間を第2整流素子の逆回復時間よりも短くしたことにより、降圧回路の出力電圧が所望の電圧よりも低くなってしまうことを抑制しつつ、制御素子用コンデンサの静電容量が必要以上に大きくなってしまうことを抑制することができる。
【0015】
第3の発明は、第1の発明において、前記第1整流素子の逆回復時間は、10ns以上100ns以下であり、前記第2整流素子の逆回復時間は、2μs以上10μs以下であることを特徴とするトイレ装置用の電源回路である。
【0016】
この電源回路によれば、インダクタから短時間の間に放出される電流を第1整流素子側により適切に流し、制御素子用コンデンサの電圧が、出力コンデンサの電圧に比べて上昇し易くなってしまうことをより適切に抑制することができる。これにより、降圧回路の出力電圧が所望の電圧よりも低くなってしまうことをより適切に抑制することができる。
【0017】
第4の発明は、第1の発明において、前記第2整流素子の逆回復時間は、前記第1整流素子の逆回復時間の20倍以上であることを特徴とするトイレ装置用の電源回路である。
【0018】
この電源回路によれば、インダクタから短時間の間に放出される電流を第1整流素子側により適切に流し、制御素子用コンデンサの電圧が、出力コンデンサの電圧に比べて上昇し易くなってしまうことをより適切に抑制することができる。これにより、降圧回路の出力電圧が所望の電圧よりも低くなってしまうことをより適切に抑制することができる。
【0019】
第5の発明は、便器本体と、前記便器本体への洗浄水の供給を行うポンプと、前記ポンプの駆動及び駆動の停止を切り替える駆動回路と、前記駆動回路に電力を供給する電源回路と、を備え、前記電源回路は、商用電源から供給された交流電力を整流することにより、前記交流電力を整流電力に変換する整流回路と、前記整流電力を平滑化することにより、前記整流電力を直流電力に変換する入力コンデンサと、前記入力コンデンサから供給された第1直流電力を、前記第1直流電力よりも電圧の低い第2直流電力に変換し、前記第2直流電力を前記駆動回路に供給する降圧回路と、を有し、前記降圧回路は、一対の入力端子と、一対の出力端子と、制御素子と、インダクタと、第1整流素子と、第2整流素子と、出力コンデンサと、制御素子用コンデンサと、を有し、前記一対の入力端子は、前記入力コンデンサの両端に接続され、前記一対の出力端子は、前記駆動回路に接続され、前記制御素子は、スイッチング素子と、前記スイッチング素子のスイッチングを制御する制御回路と、パッケージと、を有し、前記スイッチング素子と前記制御回路とを前記パッケージ内に内蔵し、前記スイッチング素子は、一対の主端子と、制御端子と、を有し、前記パッケージは、第1端子と、第2端子と、第3端子と、を有し、前記スイッチング素子の一方の前記主端子は、前記パッケージ内において前記第1端子に接続され、前記スイッチング素子の他方の前記主端子は、前記パッケージ内において前記第2端子に接続され、前記インダクタの一端は、前記第2端子に接続され、前記インダクタの他端は、高電位側の前記出力端子に接続され、前記第1整流素子の陰極は、前記第2端子と前記インダクタの前記一端との接続点に接続され、前記第1整流素子の陽極は、低電位側の前記出力端子に接続され、前記出力コンデンサの一端は、前記インダクタの前記他端と高電位側の前記出力端子との接続点に接続され、前記出力コンデンサの他端は、低電位側の前記出力端子に接続され、前記第2整流素子の陰極は、前記インダクタの前記他端と高電位側の前記出力端子との接続点に接続され、前記第2整流素子の陽極は、前記第3端子に接続され、前記制御素子用コンデンサの一端は、前記第2整流素子の陽極と前記第3端子との接続点に接続され、前記制御素子用コンデンサの他端は、前記第2端子と前記インダクタの前記一端との接続点に接続され、前記制御回路は、フィードバック機能を有し、前記第3端子の電圧が予め設定された所定の電圧となるように、前記スイッチング素子のスイッチングのフィードバック制御を行い、前記第1整流素子の逆回復時間は、前記第2整流素子の逆回復時間よりも短いことを特徴とするトイレ装置である。
【0020】
このトイレ装置によれば、第1整流素子の逆回復時間が、第2整流素子の逆回復時間よりも短いことにより、インダクタから短時間の間に放出される電流を第1整流素子側に主体的に流し、制御素子用コンデンサの電圧が、出力コンデンサの電圧に比べて上昇し易くなってしまうことを抑制することができる。これにより、降圧回路の出力電圧が所望の電圧よりも低くなってしまうことを抑制することができる。また、降圧回路の一対の出力端子に負荷と並列に設けられる抵抗素子の抵抗値を調整することによって、降圧回路の出力電圧を安定化させる方法と比べて、電源回路の消費電力が増加してしまうことを抑制することもできる。従って、フィードバック機能を有する制御素子を降圧回路に用いた際にも、消費電力の増加を抑制しつつ、降圧回路の出力電圧が所望の電圧よりも低くなってしまうことを抑制することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の態様によれば、フィードバック機能を有する制御素子を降圧回路に用いた際にも、消費電力の増加を抑制しつつ、降圧回路の出力電圧が所望の電圧よりも低くなってしまうことを抑制できるトイレ装置用の電源回路、及びこれを用いたトイレ装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施形態に係るトイレ装置を模式的に表す説明図である。
【
図2】実施形態に係る電源回路を模式的に表すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る降圧回路を模式的に表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0024】
図1は、実施形態に係るトイレ装置を模式的に表す説明図である。
図1に表したように、トイレ装置2は、便器本体10と、便器洗浄装置20と、を備える。便器本体10は、例えば、トイレ室の床面に載置される。便器本体10は、換言すれば、大便器(洋式腰掛便器)である。便器洗浄装置20は、便器本体10に対する洗浄水の供給を行う。便器洗浄装置20は、例えば、便器本体10の後方に配置される。便器洗浄装置20は、例えば、便器本体10の後方に取り付けられ、便器本体10とともに一体的なフォルムを形成する。
【0025】
トイレ装置2は、例えば、便器洗浄装置20などの機能部が、便器本体10と一体的に設けられたトイレである。機能部は、例えば、便座を暖める暖房便座の機能や、便座に座った使用者の局部を洗浄する衛生洗浄の機能などをさらに有してもよい。
【0026】
便器本体10は、汚物を受けるボウル部11と、ボウル部11の底部から後方へ延びる排水トラップ管路12と、を有する。排水トラップ管路12は、図示を省略した下水配管と連通している。排水トラップ管路12は、封水を形成し、下水配管からの悪臭や害虫などの侵入を抑制する。
【0027】
ボウル部11は、リム吐水を行うリム吐水口13と、ジェット吐水を行うジェット吐水口14と、を有する。リム吐水口13は、例えば、ボウル部11の上部後方に設けられ、ボウル部11の上縁に沿って洗浄水を吐出する。
【0028】
ジェット吐水口14は、ボウル部11の底部に設けられ、排水トラップ管路12に向けて洗浄水を吐出する。ジェット吐水口14は、排水トラップ管路12に向けて洗浄水を吐出し、排水トラップ管路12内を洗浄水で満たすことにより、排水トラップ管路12においてサイホン作用を発生させる。これにより、ボウル部11内を洗浄する便器洗浄の際に、ボウル部11内に溜まった水を下水配管に排出し易くすることができる。
【0029】
便器洗浄装置20は、操作部22と、制御部24と、バルブユニット26と、タンク28と、ポンプ30と、駆動回路32と、電源回路100と、を有する。
【0030】
操作部22は、便器洗浄を開始させるための洗浄スイッチなどを有する。操作部22は、例えば、操作パネルである。操作部22は、使用者によって洗浄スイッチが操作された際に、便器洗浄の開始を示す信号を制御部24へ出力する。便器洗浄の開始を示す信号は、操作部22に限ることなく、例えば、着座検知センサなどのセンサから制御部24に入力してもよい。便器洗浄は、例えば、使用者が便座(便器本体10)から離れたことの検知に応じて開始してもよい。
【0031】
制御部24は、例えば、操作部22から出力される便器洗浄の開始を示す信号に基づいて、バルブユニット26やポンプ30などの動作を制御する。制御部24は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やメモリなどを有するマイクロコンピュータ、各種の制御回路を含むコントローラである。
【0032】
バルブユニット26は、図示を省略した給水源からの洗浄水を供給する給水路40に接続される。バルブユニット26は、給水路40を介して給水源から洗浄水の供給を受ける。また、バルブユニット26は、リム吐水口13に洗浄水を供給するためのリム側給水路42、及びタンク28に洗浄水を供給するためのタンク側給水路44に接続される。
【0033】
バルブユニット26は、例えば、定流量弁50と、定流量弁50の下流に設けられるダイヤフラム式の給水弁51と、給水弁51の下流に設けられるバキュームブレーカ52と、バキュームブレーカ52の下流に設けられる切替弁53と、を有する。
【0034】
定流量弁50は、給水路40から定流量弁50に流れ込んで下流側へ向かう洗浄水の流量が実質的に一定となるように、洗浄水の流量を制御する。給水弁51は、例えば、ダイヤフラムを有し、ダイヤフラムの開閉により、リム吐水口13及びジェット吐水口14における洗浄水の吐水と止水とを切替える。
【0035】
バキュームブレーカ52は、給水路40内が負圧になることで生じる洗浄水の逆流を抑制する。なお、バキュームブレーカ52から溢れ出た洗浄水は、水受け部54によって捕集された後、水受け部54の底面に接続された排水路46によってタンク28に排出される。
【0036】
切替弁53は、給水源からの洗浄水の供給先を便器本体10のリム吐水口13とタンク28とに切り替える。換言すれば、切替弁53は、リム側給水路42またはタンク側給水路44へ向けて洗浄水を供給する。
【0037】
タンク28は、便器本体10のジェット吐水口14へ供給される洗浄水を貯留する。タンク28は、タンク側給水路44を介してバルブユニット26(給水路40)から供給される洗浄水を内部に貯留する。タンク28は、給水管60と接続されている。給水管60の一端は、例えば、タンク28の内部において、タンク28の下部に配置される。給水管60の他端は、ポンプ30に接続される。
【0038】
ポンプ30は、便器本体10への洗浄水の供給を行う。ポンプ30は、より詳しくは、便器本体10のボウル部11内を洗浄する便器洗浄を行うための洗浄水をボウル部11内に供給するためのポンプである。
【0039】
ポンプ30は、給水管60を介してタンク28と接続されるとともに、給水管62を介して便器本体10のジェット吐水口14と接続される。ポンプ30は、タンク28内に貯留された洗浄水を加圧し、給水管62を介してジェット吐水口14(便器本体10)へ供給する。これにより、前述のように、ジェット吐水口14から排水トラップ管路12に向けて洗浄水が吐出される。
【0040】
ポンプ30には、例えば、渦巻きポンプやディフューザポンプ、カスケードポンプなど種々のポンプを用いることができる。ポンプ30は、例えば、図示を省略したモータを有し、モータの回転によって洗浄水の供給を行う。但し、ポンプ30は、上記に限ることなく、便器本体10に対して適切に洗浄水の供給を行うことが可能な任意のポンプでよい。
【0041】
駆動回路32は、制御部24から入力される制御信号に基づいて、ポンプ30の駆動及び駆動の停止を切り替える。
【0042】
電源回路100は、コンセントなどを介して商用電源PSに接続される。電源回路100は、商用電源PSから供給される交流電力を駆動回路32に応じた直流電力に変換し、変換後の直流電力を駆動回路32に供給する。駆動回路32は、電源回路100からの直流電力の供給によって動作する。
【0043】
制御部24は、操作部22から便器洗浄の開始を示す信号の入力を受けると、リム側給水路42に洗浄水が供給されるように切替弁53の経路を切り替え、給水弁51を開く。これにより、便器本体10のリム吐水口13に洗浄水が供給され、リム吐水が開始される。また、制御部24は、給水弁51を開くとともに、駆動回路32に制御信号を送信し、駆動回路32にポンプ30を駆動させる。これにより、便器本体10のジェット吐水口14に洗浄水が供給され、リム吐水とともにジェット吐水が開始される。
【0044】
このように、トイレ装置2では、リム吐水とジェット吐水とによって便器洗浄が行われる。リム吐水に関しては、水道の水圧(直圧)を利用して給水がなされる。一方、ジェット吐水に関しては、タンク28に貯水された洗浄水がポンプ30によって加圧されつつ給水がなされる。トイレ装置2は、例えば、ハイブリッド式(水道直圧式+タンク給水式)のトイレ装置(水洗大便器装置)である。
【0045】
制御部24は、所定量の洗浄水の給水を行った後、ポンプ30の駆動を停止させる。制御部24は、ポンプ30の駆動を停止させた後、タンク側給水路44に洗浄水が供給されるように切替弁53の経路を切り替えることにより、タンク28に洗浄水を補給する。制御部24は、所定量の洗浄水をタンク28に補給した後、給水弁51を閉じる。これにより、便器洗浄の動作が終了する。
【0046】
図2は、実施形態に係る電源回路を模式的に表すブロック図である。
図2に表したように、電源回路100は、整流回路102と、入力コンデンサ104と、降圧回路106と、を有する。
【0047】
整流回路102は、商用電源PSから供給された交流電力を整流することにより、交流電力を整流電力に変換する。整流回路102は、例えば、ダイオードブリッジを用いた全波整流回路である。但し、整流回路102は、これに限ることなく、半波整流回路などでもよい。
【0048】
入力コンデンサ104は、整流回路102によって整流された整流電力を平滑化することにより、整流電力を直流電力に変換する。入力コンデンサ104は、換言すれば、入力側の平滑コンデンサである。
【0049】
降圧回路106は、入力コンデンサ104から供給された直流電力の電圧を駆動回路32に応じた電圧に降圧する。降圧回路106は、降圧後の直流電力を駆動回路32に供給する。換言すれば、降圧回路106は、入力コンデンサ104から供給された第1直流電力を、第1直流電力よりも電圧の低い第2直流電力に変換し、変換後の第2直流電力を駆動回路32に供給する。
【0050】
図2に表したように、電源回路100は、降圧回路106によって降圧された後の第2直流電力を駆動回路32に供給するとともに、降圧回路106によって降圧される前の第1直流電力を駆動回路32に供給する。
【0051】
駆動回路32は、第2直流電力に基づいて動作し、制御部24からの制御信号に応じて、ポンプ30に第1直流電力を供給した状態、及びポンプ30への第1直流電力の供給を停止した状態を切り替えることにより、ポンプ30の駆動及び駆動の停止を切り替える。ポンプ30は、駆動回路32を介して第1直流電力を供給されることによって駆動し、タンク28内に貯留された洗浄水のジェット吐水口14への供給を行う。第2直流電力は、換言すれば、駆動回路32を動作させるための直流電力である。第1直流電力は、換言すれば、ポンプ30を動作させるための直流電力である。
【0052】
第1直流電力の電圧は、第2直流電力の電圧よりも高い。例えば、商用電源PSの交流電力の電圧が、100V(実効値)である場合、第1直流電力の電圧は、140V程度である。これに対し、第2直流電力の電圧は、例えば、15V程度(例えば、10V以上20V以下)である。このように、第1直流電力の電圧は、第2直流電力の電圧よりも2倍以上高い。
【0053】
電源回路100は、換言すれば、駆動回路32への直流電力の供給を行うとともに、ポンプ30への直流電力の供給も行う。ポンプ30は、駆動回路32と比べて比較的大きな電力を消費する負荷である。このため、ポンプ30の駆動及び駆動の停止の切り替えの際に、入力コンデンサ104から降圧回路106に供給される直流電力が変動し、降圧回路106の動作が不安定になってしまう可能性がある。換言すれば、ポンプ30の駆動及び駆動の停止の切り替えの際に、降圧回路106から駆動回路32に供給される第2直流電力が不安定になってしまう可能性がある。
【0054】
このため、入力コンデンサ104の静電容量は、比較的高い容量に設定される。入力コンデンサ104の静電容量は、例えば、1000μF程度(500μF以上10000μF以下)に設定される。これにより、ポンプ30及び駆動回路32への直流電力の供給を行う際にも、降圧回路106の動作が不安定になってしまうことを抑制することができる。
【0055】
この例において、電源回路100は、駆動回路32を介してポンプ30に直流電力を供給している。これに限ることなく、電源回路100は、ポンプ30に対して直接的に直流電力を供給してもよい。駆動回路32は、例えば、ポンプ30内における通電及び通電の停止を切り替えることにより、ポンプ30の駆動及び駆動の停止の切り替えてもよい。電源回路100がポンプ30を動作させるための第1直流電力を駆動回路32に供給するか、ポンプ30に対して直接的に供給するかは、ポンプ30の構成などに応じて適宜選択すればよい。
【0056】
図3は、実施形態に係る降圧回路を模式的に表すブロック図である。
図3に表したように、降圧回路106は、一対の入力端子110a、110bと、一対の出力端子112a、112bと、制御素子114と、インダクタ116と、第1整流素子121と、第2整流素子122と、出力コンデンサ124と、制御素子用コンデンサ126と、を有する。
【0057】
一対の入力端子110a、110bは、入力コンデンサ104の両端に接続されている。入力端子110aは、入力コンデンサ104の高電位側の端子に接続され、入力端子110bは、入力コンデンサ104の低電位側の端子に接続されている。これにより、入力コンデンサ104の第1直流電力が、一対の入力端子110a、110bを介して降圧回路106に供給される。入力端子110aは、高電位側の入力端子であり、入力端子110bは、低電位側の入力端子である。
【0058】
入力端子110b及び入力コンデンサ104の低電位側の端子の電位は、例えば、グランド電位に設定される。グランド電位は、例えば、接地電位である。但し、グランド電位は、接地電位に限ることなく、シャーシグランドの電位やフレームグランドの電位などでもよい。
【0059】
一対の出力端子112a、112bは、駆動回路32に接続される。降圧回路106は、降圧後の第2直流電力を一対の出力端子112a、112bから出力する。これにより、第2直流電力が、一対の出力端子112a、112bを介して降圧回路106から駆動回路32に供給される。
【0060】
出力端子112aは、高電位側の出力端子であり、出力端子112bは、低電位側の出力端子である。出力端子112bの電位は、例えば、グランド電位に設定される。出力端子112bの電位は、例えば、入力端子110b及び入力コンデンサ104の低電位側の端子の電位と実質的に同じ電位に設定される。
【0061】
制御素子114は、スイッチング素子130と、制御回路132と、パッケージ134と、を有する。制御素子114は、スイッチング素子130と制御回路132とをパッケージ134内に内蔵したICである。換言すれば、制御素子114は、スイッチング素子130と制御回路132とをワンパッケージ化したICである。制御素子114は、例えば、電源ICである。
【0062】
スイッチング素子130は、一対の主端子130a、130bと、制御端子130cと、を有する。スイッチング素子130は、一対の主端子130a、130b間に電流を流すオン状態と、一対の主端子130a、130b間の電流の流れを遮断するオフ状態と、を有する。スイッチング素子130は、一対の主端子130a、130b間に印加される電圧、及び制御端子130cに印加される電圧に応じてオン状態とオフ状態とを切り替える。なお、オフ状態は、一対の主端子130a、130b間に電流が完全に流れない状態に限ることなく、降圧回路106の動作に影響を与えない程度の微弱な電流が一対の主端子130a、130b間に流れる状態でもよい。換言すれば、オン状態は、一対の主端子130a、130b間に電流を流す第1状態であり、オフ状態は、一対の主端子130a、130b間に流れる電流の大きさが第1状態よりも小さい第2状態である。
【0063】
スイッチング素子130は、例えば、MOSFETである。この場合、主端子130aは、ドレインであり、主端子130bは、ソースであり、制御端子130cは、ゲートである。但し、スイッチング素子130は、これに限ることなく、例えば、バイポーラトランジスタなどでもよい。スイッチング素子130は、制御回路132とともにパッケージ134内に積層可能な任意のスイッチング素子でよい。
【0064】
制御回路132は、スイッチング素子130のスイッチングを制御する。換言すれば、制御回路132は、スイッチング素子130のオン状態及びオフ状態の切り替えを制御する。制御回路132は、スイッチング素子130の制御端子130cと接続され、制御端子130cに印加する電圧の大きさを制御することにより、スイッチング素子130のスイッチングを制御する。
【0065】
パッケージ134は、第1端子134aと、第2端子134bと、第3端子134cと、を有する。スイッチング素子130の一方の主端子130aは、パッケージ134内において第1端子134aに接続されている。スイッチング素子130の他方の主端子130bは、パッケージ134内において第2端子134bに接続されている。
【0066】
また、第1端子134aは、パッケージ134の外側において高電位側の入力端子110aに接続されている。これにより、スイッチング素子130をオン状態とした場合には、入力コンデンサ104から入力された第1直流電力が、第2端子134bから出力される。そして、スイッチング素子130をオフ状態とした場合には、第1直流電力の第2端子134bからの出力が停止される。
【0067】
インダクタ116の一端は、制御素子114の第2端子134bに接続されている。インダクタ116の他端は、高電位側の出力端子112aに接続されている。
【0068】
第1整流素子121の陰極は、制御素子114の第2端子134bとインダクタ116の一端との接続点に接続されている。第1整流素子121の陽極は、低電位側の出力端子112bに接続されている。
【0069】
出力コンデンサ124の一端は、インダクタ116の他端と高電位側の出力端子112aとの接続点に接続されている。出力コンデンサ124の他端は、低電位側の出力端子112bに接続されている。出力コンデンサ124は、換言すれば、一対の出力端子112a、112bに対して並列に接続されている。
【0070】
第2整流素子122の陰極は、インダクタ116の他端と高電位側の出力端子112aとの接続点に接続されている。第2整流素子122の陽極は、制御素子114の第3端子134cに接続されている。第1整流素子121及び第2整流素子122は、例えば、ダイオードである。
【0071】
第1整流素子121の逆回復時間は、第2整流素子122の逆回復時間よりも短い。換言すれば、第1整流素子121のスイッチングスピードは、第2整流素子122のスイッチングスピードよりも速い。第1整流素子121は、例えば、高速整流ダイオードである。第1整流素子121には、例えば、ファストリカバリーダイオードが用いられる。第2整流素子122は、例えば、一般整流ダイオードである。
【0072】
第1整流素子121の逆回復時間は、例えば、10ns(nanosecond)以上100ns以下である。第2整流素子122の逆回復時間は、例えば、2μs(microsecond)以上10μs以下である。第2整流素子122の逆回復時間は、例えば、第1整流素子121の逆回復時間の20倍以上である。また、第2整流素子122の逆回復時間は、例えば、第1整流素子121の逆回復時間の1000倍以下である。
【0073】
制御素子用コンデンサ126の一端は、第2整流素子122の陽極と制御素子114の第3端子134cとの接続点に接続されている。制御素子用コンデンサ126の他端は、制御素子114の第2端子134bとインダクタ116の一端との接続点に接続されている。制御素子用コンデンサ126は、換言すれば、制御素子114の第2端子134bと第3端子134cとの間に設けられる。
【0074】
制御素子用コンデンサ126の静電容量は、出力コンデンサ124の静電容量よりも小さい。出力コンデンサ124の静電容量は、例えば、220μF(例えば、100μF以上300μF以下)である。制御素子用コンデンサ126の静電容量は、例えば、2.2μF(例えば、1μF以上3μF以下)である。出力コンデンサ124の静電容量は、例えば、出力コンデンサ124の静電容量の100倍程度(例えば、10倍以上200倍以下)に設定される。
【0075】
制御素子114においては、第2端子134bの電位が、基準の電位となる。第2端子134bは、換言すれば、制御素子114のグランド端子である。このように、制御素子114の基準の電位は、負荷である駆動回路32の基準の電位(出力端子112bの電位)と異なる。換言すれば、制御素子114のグランド電位は、駆動回路32のグランド電位と共通でない。
【0076】
また、制御素子114は、第3端子134cに印加された電圧に基づいて動作する。換言すれば、制御素子114は、第2端子134bの電位と第3端子134cの電位との電位差に基づいて動作する。第3端子134cは、換言すれば、制御素子114の電源端子である。
【0077】
第3端子134cは、上記のように、制御素子用コンデンサ126に接続されている。第3端子134cには、制御素子用コンデンサ126の電圧が印加される。すなわち、制御素子114は、制御素子用コンデンサ126の電圧に基づいて動作する。制御回路132は、パッケージ134内において第1端子134aに接続されている。制御回路132は、制御素子用コンデンサ126の電圧に基づいて動作する。
【0078】
また、制御素子114は、制御素子用コンデンサ126の電圧が低下し、自身の動作を停止した状態において、入力コンデンサ104から第1端子134aに入力された第1直流電力に基づいて、制御素子用コンデンサ126を充電する起動回路を有する(図示は省略)。
【0079】
制御素子114は、動作を停止した状態において、第1端子134aに入力された第1直流電力を基に、制御素子用コンデンサ126を充電し、制御素子用コンデンサ126の電圧(第3端子134cの電圧)が所定値以上となることに応じて動作を開始する。換言すれば、第3端子134cの電圧が所定値以上となることにより、制御回路132が動作を開始する。第1端子134aは、換言すれば、制御素子114の入力端子である。
【0080】
制御素子114の制御回路132は、動作を開始した後、スイッチング素子130のオン状態及びオフ状態の切り替えを行う。また、制御回路132は、動作を開始した後、起動回路による制御素子用コンデンサ126の充電を停止する。
【0081】
スイッチング素子130をオン状態にすると、第1端子134aに入力された第1直流電力が第2端子134bから出力され、インダクタ116にエネルギーが蓄積されるとともに、出力コンデンサ124が充電される。
【0082】
スイッチング素子130をオン状態にした場合には、第2端子134bの電圧が、第1端子134aの電圧と実質的に同じ電圧となる。このため、第1整流素子121の陰極側の電位が、第1整流素子121の陽極側の電位よりも高くなり、スイッチング素子130をオン状態にした場合には、第1整流素子121には、実質的に電流が流れない。
【0083】
また、スイッチング素子130をオン状態にした場合には、第2整流素子122の陰極側の電位が、制御素子用コンデンサ126の電圧分だけ第2整流素子122の陽極側の電位よりも高くなる。このため、スイッチング素子130をオン状態にした場合には、第2整流素子122にも、実質的に電流が流れない。
【0084】
スイッチング素子130をオフ状態にすると、第2端子134bからの第1直流電力の出力が停止され、インダクタ116に蓄積されたエネルギーが第1整流素子121を介して出力コンデンサ124に出力される。
【0085】
スイッチング素子130をオフ状態にすると、インダクタ116に蓄積されたエネルギーにより、
図3に表したように、インダクタ116、第1整流素子121、及び出力コンデンサ124によって形成される経路に、回生電流I1が流れる。回生電流I1は、第1整流素子121の整流の方向に応じた方向に流れる。出力コンデンサ124は、この回生電流I1によっても充電される。第1整流素子121は、換言すれば、回生電流I1の流れる経路上に配置される整流素子である。出力コンデンサ124は、換言すれば、回生電流I1の流れる経路上に配置されるコンデンサである。
【0086】
また、スイッチング素子130をオフ状態にすると、インダクタ116に蓄積されたエネルギーが第2整流素子122を介して制御素子用コンデンサ126に出力される。従って、第2整流素子122を介して制御素子用コンデンサ126も充電される。これにより、起動回路による制御素子用コンデンサ126の充電を停止した後においても、制御素子用コンデンサ126の電圧の低下が抑制される。換言すれば、制御素子114に供給される電圧の低下が抑制される。
【0087】
スイッチング素子130をオフ状態にすると、インダクタ116に蓄積されたエネルギーにより、
図3に表したように、インダクタ116、第2整流素子122、及び制御素子用コンデンサ126によって形成される経路に、帰還電流I2が流れる。帰還電流I2は、第2整流素子122の整流の方向に応じた方向に流れる。制御素子用コンデンサ126は、この帰還電流I2によって充電される。第2整流素子122は、換言すれば、帰還電流I2の流れる経路上に配置される整流素子である。制御素子用コンデンサ126は、換言すれば、帰還電流I2の流れる経路上に配置されるコンデンサである。
【0088】
降圧回路106は、スイッチング素子130のスイッチングにより、入力コンデンサ104の電圧を時間分割し、インダクタ116と出力コンデンサ124とによって平滑化することにより、所望の大きさの直流電圧に降圧する。出力コンデンサ124は、換言すれば、出力側の平滑コンデンサである。
【0089】
降圧回路106では、スイッチング素子130のオン時間とオフ時間との比率(デューティ比)により、出力電圧の大きさを調整することができる。例えば、デューティ比を50%とした場合には、出力電圧を入力電圧の50%とすることができる。降圧回路106は、例えば、非同期整流式の降圧コンバータ(バックコンバータ)である。
【0090】
制御回路132は、一対の出力端子112a、112bから出力される第2直流電力の電圧が、予め決められた大きさの電圧となるように、スイッチング素子130のスイッチングを制御する。
【0091】
また、制御回路132は、フィードバック機能を有する。制御回路132の動作時において、制御素子用コンデンサ126の電圧(第3端子134cの電圧)は、スイッチング素子130のオフ状態の際に、インダクタ116から出力されるエネルギーに基づいて上昇し、スイッチング素子130のオン状態の際に、制御素子114における電力消費に基づいて低下する。このため、第3端子134cの電圧は、スイッチング素子130のスイッチングに応じて変化する。換言すれば、第3端子134cの電圧は、一対の出力端子112a、112bから出力される第2直流電力の電圧に応じて変化する。
【0092】
制御回路132は、第3端子134cの電圧が予め設定された所定の電圧となるように、スイッチング素子130のスイッチングのフィードバック制御を行う。制御回路132は、例えば、第3端子134cの電圧が所定の電圧よりも低い場合には、スイッチング素子130のデューティ比を大きくする(オン時間を長くする)。そして、制御回路132は、例えば、第3端子134cの電圧が所定の電圧よりも高い場合には、スイッチング素子130のデューティ比を小さくする(オン時間を短くする)。
【0093】
このように、制御回路132は、第3端子134cの電圧が予め設定された所定の電圧となるように、スイッチング素子130のスイッチングのフィードバック制御を行うことにより、一対の出力端子112a、112bから出力される第2直流電力の電圧が、予め決められた一定の大きさの電圧となるようにする。これにより、駆動回路32に対して安定した第2直流電力の供給を行うことができる。
【0094】
降圧回路106においては、例えば、第3端子134cの電圧が所定の電圧の時に、一対の出力端子112a、112bから出力される第2直流電力の電圧(出力電圧)が所定の電圧となるように、インダクタ116や出力コンデンサ124などの各部の回路定数が設定される。
【0095】
このように、第3端子134cは、制御素子114の電源端子として機能するとともに、制御回路132がフィードバック制御を行うための制御端子としても機能する。こうしたフィードバックの制御方式は、例えば、電源電圧フィードバック方式(VCCフィードバック方式)などと呼ばれる場合がある。降圧回路106の電源制御は、例えば、ハイサイドフライバックのVCCフィードバック方式の電源制御などと呼ばれる場合がある。
【0096】
上記のように、フィードバック機能を有する制御素子114を用いた降圧回路106において、降圧回路106の出力電圧が所望の電圧よりも低くなってしまう可能性がある。本願発明者は、鋭意の検討の結果、第1整流素子121の逆回復時間が、第2整流素子122の逆回復時間よりも長い場合に、降圧回路106の出力電圧が所望の電圧よりも低くなってしまうことを見出した。換言すれば、第1整流素子121のスイッチングスピードが、第2整流素子122のスイッチングスピードよりも遅い場合に、降圧回路106の出力電圧が所望の電圧よりも低くなってしまうことを見出した。
【0097】
第1整流素子121の逆回復時間が、第2整流素子122の逆回復時間よりも長い場合には、スイッチング素子130がオン状態からオフ状態に切り替わった際に、第1整流素子121側に回生電流I1が流れるよりも前に、第2整流素子122側に帰還電流I2が流れてしまう。すなわち、第1整流素子121の逆回復時間が、第2整流素子122の逆回復時間よりも長い場合には、インダクタ116から短時間の間に放出される電流が、第1整流素子121よりも先に第2整流素子122がオンすることにより、第2整流素子122側に主体的に流れてしまう。
【0098】
第3端子134cの電圧は、負荷も小さく、制御素子用コンデンサ126の容量も出力コンデンサ124の容量と比べて小さいため、時定数として短時間で上昇し易い。このため、第1整流素子121よりも先に第2整流素子122がオンする場合には、出力コンデンサ124の電圧に比べて、第3端子134cの電圧(制御素子用コンデンサ126の電圧)が上昇し易くなり、上記のように、制御回路132が、第3端子134cの電圧に応じてスイッチング素子130のデューティ比を小さくすることにより、降圧回路106の出力電圧が所望の電圧よりも低くなってしまうと考えられる。
【0099】
これに対し、本実施形態に係るトイレ装置2及び電源回路100では、第1整流素子121の逆回復時間が、第2整流素子122の逆回復時間よりも短い。これにより、インダクタ116から短時間の間に放出される電流を第1整流素子121側に主体的に流し、制御素子用コンデンサ126の電圧が、出力コンデンサ124の電圧に比べて上昇し易くなってしまうことを抑制することができる。これにより、降圧回路106の出力電圧が所望の電圧よりも低くなってしまうことを抑制することができる。
【0100】
また、本実施形態に係るトイレ装置2及び電源回路100では、降圧回路106の一対の出力端子112a、112bに負荷(駆動回路32)と並列に設けられる抵抗素子(いわゆるブリーダ抵抗)の抵抗値を調整することによって、降圧回路106の出力電圧を安定化させる方法と比べて、電源回路100の消費電力が増加してしまうことを抑制することもできる。
【0101】
従って、本実施形態に係るトイレ装置2及び電源回路100では、フィードバック機能を有する制御素子114を降圧回路106に用いた際にも、消費電力の増加を抑制しつつ、降圧回路106の出力電圧が所望の電圧よりも低くなってしまうことを抑制することができる。
【0102】
本実施形態に係るトイレ装置2及び電源回路100では、制御素子用コンデンサ126の静電容量が、出力コンデンサ124の静電容量よりも小さい。本実施形態に係るトイレ装置2及び電源回路100では、第1整流素子121の逆回復時間を第2整流素子122の逆回復時間よりも短くすることにより、降圧回路106の出力電圧が所望の電圧よりも低くなってしまうことを抑制しつつ、制御素子用コンデンサ126の静電容量が必要以上に大きくなってしまうことを抑制することができる。
【0103】
本実施形態に係るトイレ装置2及び電源回路100では、第1整流素子121の逆回復時間が、10ns以上100ns以下であり、第2整流素子の逆回復時間が、2μs以上10μs以下である。これにより、インダクタ116から短時間の間に放出される電流を第1整流素子121側により適切に流し、制御素子用コンデンサ126の電圧が、出力コンデンサ124の電圧に比べて上昇し易くなってしまうことをより適切に抑制することができる。これにより、降圧回路106の出力電圧が所望の電圧よりも低くなってしまうことをより適切に抑制することができる。
【0104】
本実施形態に係るトイレ装置2及び電源回路100では、第2整流素子122の逆回復時間が、第1整流素子121の逆回復時間の20倍以上である。これにより、インダクタ116から短時間の間に放出される電流を第1整流素子121側により適切に流し、制御素子用コンデンサ126の電圧が、出力コンデンサ124の電圧に比べて上昇し易くなってしまうことをより適切に抑制することができる。これにより、降圧回路106の出力電圧が所望の電圧よりも低くなってしまうことをより適切に抑制することができる。
【0105】
また、本実施形態に係るトイレ装置2及び電源回路100では、第2整流素子122の逆回復時間が、第1整流素子121の逆回復時間の1000倍以下である。これにより、例えば、インダクタ116から短時間の間に放出される電流が、第1整流素子121側に過度に流れ、制御素子用コンデンサ126の電圧が、出力コンデンサ124の電圧に比べて低くなってしまうことを抑制することができる。これにより、降圧回路106の出力電圧が所望の電圧よりも高くなってしまうことを抑制することができる。
【0106】
上記各実施形態では、リム吐水とジェット吐水とによって便器洗浄を行うハイブリッド式のトイレ装置2を示している。トイレ装置2は、ハイブリッド式に限ることなく、リム吐水のみを行うトイレ装置でもよいし、ジェット吐水のみを行うトイレ装置などでもよい。
【0107】
ポンプ30は、タンク28内に貯留された洗浄水を加圧してジェット吐水口14(便器本体10)へ供給するポンプに限ることなく、例えば、リム吐水口13へ洗浄水を供給するポンプなどでもよい。また、ポンプ30は、タンク28内に貯留された洗浄水を便器本体10へ供給するポンプに限ることなく、例えば、給水源から供給された洗浄水を加圧して便器本体10へ供給するポンプなどでもよい。ポンプ30は、便器本体10への洗浄水の供給を行う任意のポンプでよい。
【0108】
トイレ装置2は、便器本体と、便器本体への洗浄水の供給を行うポンプと、ポンプの駆動及び駆動の停止を切り替える駆動回路と、を少なくとも備えた任意のトイレ装置でよい。
【0109】
本実施形態は、以下の態様を含む。
(付記1)
便器本体と、前記便器本体への洗浄水の供給を行うポンプと、前記ポンプの駆動及び駆動の停止を切り替える駆動回路と、を備えたトイレ装置に用いられ、前記駆動回路に電力を供給するトイレ装置用の電源回路であって、
商用電源から供給された交流電力を整流することにより、前記交流電力を整流電力に変換する整流回路と、
前記整流電力を平滑化することにより、前記整流電力を直流電力に変換する入力コンデンサと、
前記入力コンデンサから供給された第1直流電力を、前記第1直流電力よりも電圧の低い第2直流電力に変換し、前記第2直流電力を前記駆動回路に供給する降圧回路と、
を備え、
前記降圧回路は、一対の入力端子と、一対の出力端子と、制御素子と、インダクタと、第1整流素子と、第2整流素子と、出力コンデンサと、制御素子用コンデンサと、を有し、
前記一対の入力端子は、前記入力コンデンサの両端に接続され、
前記一対の出力端子は、前記駆動回路に接続され、
前記制御素子は、スイッチング素子と、前記スイッチング素子のスイッチングを制御する制御回路と、パッケージと、を有し、前記スイッチング素子と前記制御回路とを前記パッケージ内に内蔵し、
前記スイッチング素子は、一対の主端子と、制御端子と、を有し、
前記パッケージは、第1端子と、第2端子と、第3端子と、を有し、
前記スイッチング素子の一方の前記主端子は、前記パッケージ内において前記第1端子に接続され、
前記スイッチング素子の他方の前記主端子は、前記パッケージ内において前記第2端子に接続され、
前記インダクタの一端は、前記第2端子に接続され、
前記インダクタの他端は、高電位側の前記出力端子に接続され、
前記第1整流素子の陰極は、前記第2端子と前記インダクタの前記一端との接続点に接続され、
前記第1整流素子の陽極は、低電位側の前記出力端子に接続され、
前記出力コンデンサの一端は、前記インダクタの前記他端と高電位側の前記出力端子との接続点に接続され、
前記出力コンデンサの他端は、低電位側の前記出力端子に接続され、
前記第2整流素子の陰極は、前記インダクタの前記他端と高電位側の前記出力端子との接続点に接続され、
前記第2整流素子の陽極は、前記第3端子に接続され、
前記制御素子用コンデンサの一端は、前記第2整流素子の陽極と前記第3端子との接続点に接続され、
前記制御素子用コンデンサの他端は、前記第2端子と前記インダクタの前記一端との接続点に接続され、
前記制御回路は、フィードバック機能を有し、前記第3端子の電圧が予め設定された所定の電圧となるように、前記スイッチング素子のスイッチングのフィードバック制御を行い、
前記第1整流素子の逆回復時間は、前記第2整流素子の逆回復時間よりも短いことを特徴とするトイレ装置用の電源回路。
【0110】
(付記2)
前記制御素子用コンデンサの静電容量は、前記出力コンデンサの静電容量よりも小さいことを特徴とする付記1記載のトイレ装置用の電源回路。
【0111】
(付記3)
前記第1整流素子の逆回復時間は、10ns以上100ns以下であり、
前記第2整流素子の逆回復時間は、2μs以上10μs以下であることを特徴とする付記1又は2に記載のトイレ装置用の電源回路。
【0112】
(付記4)
前記第2整流素子の逆回復時間は、前記第1整流素子の逆回復時間の20倍以上であることを特徴とする付記1~3のいずれか1つに記載の請求項1記載のトイレ装置用の電源回路。
【0113】
(付記5)
便器本体と、
前記便器本体への洗浄水の供給を行うポンプと、
前記ポンプの駆動及び駆動の停止を切り替える駆動回路と、
前記駆動回路に電力を供給する電源回路と、
を備え、
前記電源回路は、
商用電源から供給された交流電力を整流することにより、前記交流電力を整流電力に変換する整流回路と、
前記整流電力を平滑化することにより、前記整流電力を直流電力に変換する入力コンデンサと、
前記入力コンデンサから供給された第1直流電力を、前記第1直流電力よりも電圧の低い第2直流電力に変換し、前記第2直流電力を前記駆動回路に供給する降圧回路と、
を有し、
前記降圧回路は、一対の入力端子と、一対の出力端子と、制御素子と、インダクタと、第1整流素子と、第2整流素子と、出力コンデンサと、制御素子用コンデンサと、を有し、
前記一対の入力端子は、前記入力コンデンサの両端に接続され、
前記一対の出力端子は、前記駆動回路に接続され、
前記制御素子は、スイッチング素子と、前記スイッチング素子のスイッチングを制御する制御回路と、パッケージと、を有し、前記スイッチング素子と前記制御回路とを前記パッケージ内に内蔵し、
前記スイッチング素子は、一対の主端子と、制御端子と、を有し、
前記パッケージは、第1端子と、第2端子と、第3端子と、を有し、
前記スイッチング素子の一方の前記主端子は、前記パッケージ内において前記第1端子に接続され、
前記スイッチング素子の他方の前記主端子は、前記パッケージ内において前記第2端子に接続され、
前記インダクタの一端は、前記第2端子に接続され、
前記インダクタの他端は、高電位側の前記出力端子に接続され、
前記第1整流素子の陰極は、前記第2端子と前記インダクタの前記一端との接続点に接続され、
前記第1整流素子の陽極は、低電位側の前記出力端子に接続され、
前記出力コンデンサの一端は、前記インダクタの前記他端と高電位側の前記出力端子との接続点に接続され、
前記出力コンデンサの他端は、低電位側の前記出力端子に接続され、
前記第2整流素子の陰極は、前記インダクタの前記他端と高電位側の前記出力端子との接続点に接続され、
前記第2整流素子の陽極は、前記第3端子に接続され、
前記制御素子用コンデンサの一端は、前記第2整流素子の陽極と前記第3端子との接続点に接続され、
前記制御素子用コンデンサの他端は、前記第2端子と前記インダクタの前記一端との接続点に接続され、
前記制御回路は、フィードバック機能を有し、前記第3端子の電圧が予め設定された所定の電圧となるように、前記スイッチング素子のスイッチングのフィードバック制御を行い、
前記第1整流素子の逆回復時間は、前記第2整流素子の逆回復時間よりも短いことを特徴とするトイレ装置。
【0114】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、トイレ装置2及び電源回路100などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0115】
2…トイレ装置、 10…便器本体、 11…ボウル部、 12…排水トラップ管路、 13…リム吐水口、 14…ジェット吐水口、 20…便器洗浄装置、 22…操作部、 24…制御部、 26…バルブユニット、 28…タンク、 30…ポンプ、 32…駆動回路、 40…給水路、 42…リム側給水路、 44…タンク側給水路、 46…排水路、 50…定流量弁、 51…給水弁、 52…バキュームブレーカ、 53…切替弁、 54…水受け部、 60…給水管、 62…給水管、 100…電源回路、 102…整流回路、 104…入力コンデンサ、 106…降圧回路、 110a、110b…入力端子、 112a、112b…出力端子、 114…制御素子、 116…インダクタ、 121…第1整流素子、 122…第2整流素子、 124…出力コンデンサ、 126…制御素子用コンデンサ、 130…スイッチング素子、 132…制御回路、 134…パッケージ、 PS…商用電源