(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018533
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65H 23/038 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
B65H23/038 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121925
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】加藤 重己
(72)【発明者】
【氏名】戸松 義也
(72)【発明者】
【氏名】辻 泰成
【テーマコード(参考)】
3F104
【Fターム(参考)】
3F104AA02
3F104CA03
3F104CA15
3F104CA21
3F104EA01
3F104FA11
3F104FA14
(57)【要約】
【課題】シートの座屈を抑制しつつシートの幅方向の動きを規制できる手段を提供する。
【解決手段】画像記録装置1は、シートSを前向きに搬送する搬送ローラ45と、搬送向きGの上流において搬送向きGと交差する左右方向9に延びる軸線周りに回転可能なシートホルダ13と、シートホルダ13と搬送ローラ45との間においてシートSを湾曲させつつシートSにテンションを付与するテンショナ14と、テンショナ14に取り付けられ左右方向9と交差する上下方向7および前後方向8且つ搬送向きGに沿って拡がる第1ガイド面147を有する第1サイドガイド145とを備える。テンショナ14は、シートを第1ガイド面147に案内する斜走コロ142,175を有している。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路に沿ってシートを搬送向きに搬送する搬送部と、
上記搬送向き上流において上記搬送向きと交差する第1方向に延びる軸線周りに回転可能なシートホルダと、
上記搬送路における上記シートホルダと上記搬送部との間において上記搬送路における上記シートホルダと上記搬送部との間において、シートを湾曲させつつシートにテンションを付与するテンショナと、
上記テンショナに取り付けられており、上記第1方向と交差する第2方向および上記搬送向きに沿って拡がる第1ガイド面を有する第1サイドガイドと、を備えており、
上記テンショナは、シートを上記第1ガイド面に案内する斜走コロを有している搬送装置。
【請求項2】
上記斜走コロは、軸線周りに回転しつつシートと当接する第1ローラであり、
上記第1ローラの軸線は、当該軸線と直交する仮想平面が上記搬送向き下流に向かうに従って上記第1ガイド面に近づくように上記搬送向きに対して交差する請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
上記斜走コロは、軸線周りに回転しつつシートと当接する第2ローラであり、
上記第2ローラは、
上記第1ガイド面に向かうにしたがって縮径する円錐台形状の本体部と、
上記搬送向きに対して交差する方向に沿って延び上記本体部を支持する支持部材と、
を有する請求項1に記載の搬送装置。
【請求項4】
上記第1ローラが上記第1方向において占める領域は、上記シートホルダの上記第1方向の中央を含む請求項2に記載の搬送装置。
【請求項5】
上記テンショナに取り付けられており、上記第1方向において上記第1ガイド面と対向するサブガイド面を有するサブガイドを更に有しており、
上記第1サイドガイドおよび上記サブガイドは上記第1方向に移動可能であって、連動機構により移動が連動されており、
上記連動機構は、
上記第1サイドガイドおよび上記サブガイドに連結されており上記第1サイドガイドおよび上記サブガイドから上記第1方向の内向きへそれぞれ延びるラックギヤと、
上記ラックギヤのそれぞれと噛合するピニオンギヤと、を備えている請求項1から4のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項6】
上記テンショナにおける上記第1サイドガイドおよび上記サブガイドの上記第1方向におけるそれぞれの位置は、上記シートホルダの上記第1方向における中央から上記第1方向に沿って同じ距離だけ互いに離間する請求項5に記載の搬送装置。
【請求項7】
上記テンショナは、湾曲するシートの面と交差する方向へ移動可能であって、湾曲外向きへ付勢されている請求項1から4のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項8】
上記第1ガイド面の上記搬送向きの下流端縁は、上記テンショナから離間する向きに向かうにつれて上記搬送向きへ延びており、
上記第1サイドガイドは、上記第1ガイド面の下流端縁に連続して上記第1方向に沿って拡がる押え面を有する請求項1から4のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項9】
上記第1サイドガイドは、上記第1ガイド面から上記第1方向へ延びており、上記搬送向きに湾曲する湾曲面を有する延出片を有しており、
上記第1ローラの外周面の一部は、上記湾曲面から上記第2方向に突出する請求項2に記載の搬送装置。
【請求項10】
上記シートホルダが回転する駆動力を付与するホルダ駆動モータと、
上記搬送部であるローラを回転する駆動力を付与する搬送モータと、
制御部と、をさらに備えており、
上記制御部は、上記シートホルダのシートを上記搬送向きに繰り出すホルダ繰り出し速度と上記搬送部のシートを上記搬送向きに搬送するローラ搬送速度が速度差を有するように上記ホルダ駆動モータおよび上記搬送モータを回転駆動する請求項1から4のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項11】
第2サイドガイドをさらに備えており、
第2サイドガイドは、上記搬送部の上記搬送向き下流において、上記搬送向きおよび上記第2方向に沿ってそれぞれが拡がっており、且つ上記第1方向において対向する一対の第2ガイド面を有する請求項1から4のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項12】
上記シートホルダが回転する駆動力を付与するホルダ駆動モータと、
上記搬送部であるローラを回転する駆動力を付与する搬送モータと、
制御部と、をさらに備えており、
上記制御部は、上記シートホルダにシートが上記搬送向きの逆向きに巻き取られる巻き取り速度が、上記搬送部によってシートが上記搬送向きの逆向きへ搬送される逆搬送速度よりも小さくなるように上記ホルダ駆動モータおよび上記搬送モータを回転駆動する請求項1から3のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項13】
上記シートホルダが回転する駆動力を付与するホルダ駆動モータと、
上記搬送部であるローラを回転する駆動力を付与する搬送モータと、
上記第1ローラをシートと当接する当接位置とシートから離間する離間位置との間を移動させる移動機構と、
制御部と、をさらに備えており、
上記制御部は、シートを上記搬送向きと逆向きに搬送するように上記ホルダ駆動モータおよび上記搬送モータを回転し駆動しつつ、上記第1ローラを離間位置に移動する請求項2に記載の搬送装置。
【請求項14】
上記移動機構は、上記第1ローラを回転可能に支持する支持部材をプランジャのストローク方向の移動によって移動させるソレノイドであり、
上記制御部は、シートを上記搬送向きと逆向きに搬送するように上記ホルダ駆動モータおよび上記搬送モータを回転駆動しつつ、上記第1ローラを離間位置に移動するように上記ソレノイドへの通電をオフにする請求項13に記載の搬送装置。
【請求項15】
上記シートホルダが回転する駆動力を付与するホルダ駆動モータと、
上記搬送部であるローラを回転する駆動力を付与する搬送モータと、
制御部と、をさらに備えており、
上記制御部は、上記搬送向きと逆向きにシートが搬送されるように上記ホルダ駆動モータおよび上記搬送モータを回転駆動した後に、少なくとも1回以上、上記搬送向きにシートを搬送するように上記ホルダ駆動モータおよび上記搬送モータを回転駆動する請求項1から4のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項16】
筐体と、
シートにテンションを付与するテンション付与手段と、をさらに備えており、
上記テンショナは、上記筐体に固定されており、
上記テンション付与手段は、上記テンショナにおいてシートにテンションを付与する請求項1から4のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項17】
上記シートホルダが回転する駆動力を付与するホルダ駆動モータと、
上記搬送部であるローラを回転する駆動力を付与する搬送モータと、
制御部と、をさらに備えており、
上記制御部は、上記シートホルダのシートを上記搬送向きに繰り出すホルダ繰り出し速度と上記搬送部のシートを上記搬送向きに搬送するローラ搬送速度が速度差を有するように上記ホルダ駆動モータおよび上記搬送モータを回転駆動する請求項16に記載の搬送装置。
【請求項18】
搬送路に沿ってシートを搬送向きに搬送する搬送部と、
上記搬送向き上流において上記搬送向きと交差する第1方向に延びる軸線周りに回転可能なシートホルダと、
上記搬送路における上記シートホルダと上記搬送部との間において上記搬送路における上記シートホルダと上記搬送部との間において、シートを湾曲させつつシートにテンションを付与するテンショナと、
上記テンショナに取り付けられており、上記第1方向と交差する第2方向および上記搬送向きに沿って拡がる第1ガイド面を有する第1サイドガイドと、
上記テンショナに取り付けられており、上記第1方向において上記第1ガイド面と対向するサブガイド面を有するサブガイドと、
を備えており、
上記テンショナは、シートを上記第1ガイド面に付勢する付勢手段を有しており、
上記付勢手段は、上記サブガイド面から上記第1ガイド面へ向かって移動可能な移動部材と、
上記移動部材を上記第1ガイド面へ向けて付勢する付勢部材と、を有している搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テンショナを有する搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像記録装置の一例として、特許文献1には、テンションガイドを備えるプリンタが開示されている。テンションガイドは、凸円弧状のガイド面を有する。ロール紙から上方に搬送された記録紙は、テンションガイドのガイド面を摺動しつつ紙送りローラによって印刷位置に向けて搬送される。テンションガイドには、着脱式ガイドが取付られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、ロール紙の幅が紙幅ガイド片の距離よりも大きいときはロール紙が紙幅ガイド片の間に収める際に座屈するため紙幅ガイドが機能しない。また、ロール紙の幅が紙幅ガイド片の距離よりも小さいときはロール紙と紙幅ガイド片との間に隙間が生じて、隙間の範囲でロール紙が幅方向に移動したり、回転したりするという問題がある。
【0005】
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、その目的は、シートの座屈を抑制しつつシートの幅方向の動きを規制できる手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明に係る搬送装置は、搬送路に沿ってシートを搬送向きに搬送する搬送部と、上記搬送向き上流において上記搬送向きと交差する第1方向に延びる軸線周りに回転可能なシートホルダと、上記搬送路における上記シートホルダと上記搬送部との間において、シートを湾曲させつつシートにテンションを付与するテンショナと、上記テンショナに取り付けられており、上記第1方向と交差する第2方向および上記搬送向きに沿って拡がる第1ガイド面を有する第1サイドガイドと、を備えている。上記テンショナは、シートを上記第1ガイド面に案内する斜走コロを有している。
【0007】
上記構成により、斜走コロによって、シートが第1ガイド面に案内されつつ第1ガイド面により第1方向に対して位置決めされて搬送向きへ搬送される。テンショナによってシートにテンションが付与されつつ湾曲するので、第1ガイド面に接触する位置においてシートの腰ができ座屈し難い。
【0008】
(2) 好ましくは、上記斜走コロは、軸線周りに回転しつつシートと当接する第1ローラであり、上記第1ローラの軸線は、当該軸線と直交する仮想平面が上記搬送向き下流に向かうに従って上記第1ガイド面に近づくように上記搬送向きに対して交差する。
【0009】
(3) 好ましくは、上記斜走コロは、軸線周りに回転しつつシートと当接する第2ローラであり、上記第2ローラは、第1ガイド面に向かうにしたがって縮径する円錐台形状の本体部と、上記搬送向きに対して交差する方向に沿って延び上記本体部を支持する支持部材と、を有する。
【0010】
上記構成により、第2ローラは、支持部材を搬送向きに対して交差する方向に対して傾斜させる必要がなく、本体部の形状によってシートを第1ガイド面に案内できる。
【0011】
(4) 好ましくは、上記第1ローラが上記第1方向において占める領域は、上記シートホルダの上記第1方向の中央を含む。
【0012】
上記構成により、シートの幅サイズが異なる場合であっても、第1ローラがシートの幅方向の中央付近に当接する。このため、第1ローラとの当接によるシートへの負荷が第1方向において偏らずシートを安定して搬送できる。
【0013】
(5) 好ましくは、搬送装置は、上記テンショナに取り付けられており、上記第1方向において上記第1ガイド面と対向するサブガイド面を有するサブガイドを更に有している。上記第1サイドガイドおよび上記サブガイドは上記第1方向に移動可能であって、連動機構により移動が連動されており、上記連動機構は、上記第1サイドガイドおよび上記サブガイドに連結されており上記第1サイドガイドおよび上記サブガイドから上記第1方向の内向きへそれぞれ延びるラックギヤと、上記ラックギヤのそれぞれと噛合するピニオンギヤと、を備えている。
【0014】
上記構成により、第1サイドガイドを第1方向に移動させることにともなって、連動機構によりサブガイドを第1方向において第1サイドガイドの移動方向と逆方向に連動させて移動できる。このため、第1サイドガイドおよびサブガイドによって様々なサイズの幅のシートを挟むことができる。これによりシートの蛇行や斜行を抑制できる。
【0015】
(6) 好ましくは、上記テンショナにおける上記第1サイドガイドおよび上記サブガイドの第1方向におけるそれぞれの位置は、上記シートホルダの上記第1方向における中央から上記第1方向に沿って同じ距離だけ互いに離間する。
【0016】
(7) 好ましくは、上記テンショナは、湾曲するシートの面と交差する方向へ移動可能であって、湾曲外向きへ付勢されている。
【0017】
上記構成により、シートホルダと搬送部間を搬送されるシートに一定のテンションを付与できる。
【0018】
(8) 好ましくは、上記第1ガイド面の上記搬送向きの下流端縁は、上記テンショナから離間する向きに向かうにつれて上記搬送向きへ延びており、上記第1サイドガイドは、上記第1ガイド面の下流端縁に連続して上記第1方向に沿って拡がる押え面を有する。
【0019】
上記構成により、第1ガイド面の下流端縁から斜行するシートが押え面と当接することにより、テンショナから離間する向きへシートが移動することを抑制できる。
【0020】
(9) 好ましくは、上記第1サイドガイドは、上記第1ガイド面から上記第1方向へ延びており、上記搬送向きに湾曲する湾曲面を有する延出片を有しており、上記第1ローラの外周面の一部は、上記湾曲面から上記第2方向に突出する。
【0021】
上記構成により、テンショナによってテンションが付与されるシートが湾曲面に沿って湾曲する。また、シートが第1サイドガイドとテンショナとの間に進入し難い。
【0022】
(10) 好ましくは、上記シートホルダが回転する駆動力を付与するホルダ駆動モータと、上記搬送部であるローラを回転する駆動力を付与する搬送モータと、制御部と、をさらに備えており、上記制御部は、上記シートホルダのシートを上記搬送向きに繰り出すホルダ繰り出し速度と上記搬送部のシートを上記搬送向きに搬送するローラ搬送速度が速度差を有するように上記ホルダ駆動モータおよび上記搬送モータを回転駆動する。
【0023】
(11) 好ましくは、第2サイドガイドをさらに備えており、第2サイドガイドは、上記搬送部の上記搬送向き下流において、上記搬送向きおよび上記第2方向に沿ってそれぞれが拡がっており、且つ上記第1方向において対向する一対の第2ガイド面を有する。
【0024】
上記構成により、搬送路をシートが搬送向きと逆向きに搬送されるときに、第2サイドガイドによりシートが案内されて斜行が抑制される。
【0025】
(12) 好ましくは、上記シートホルダが回転する駆動力を付与するホルダ駆動モータと、上記搬送部であるローラを回転する駆動力を付与する搬送モータと、制御部と、をさらに備えており、上記制御部は、上記シートホルダにシートが上記搬送向きの逆向きに巻き取られる巻き取り速度が、上記搬送部によってシートが上記搬送向きの逆向きへ搬送される逆搬送速度よりも小さくなるように上記ホルダ駆動モータおよび上記搬送モータを回転駆動する。
【0026】
上記構成により、シートを搬送路において搬送向きと逆向きに搬送させるとき、シートにテンショナによるテンションがかかった状態で搬送向きと逆向きに搬送させると、搬送向きの逆向きへ進むシートが第1ローラによって第1サイドガイドから離れる。このときにおいて、シートが第1ローラによって第1サイドガイドから離れないようにできる。
【0027】
(13) 好ましくは、上記シートホルダが回転する駆動力を付与するホルダ駆動モータと、上記搬送部であるローラを回転する駆動力を付与する搬送モータと、上記第1ローラをシートと当接する当接位置とシートから離間する離間位置との間を移動させる移動機構と、制御部と、をさらに備えており、上記制御部は、シートを上記搬送向きと逆向きに搬送するように上記ホルダ駆動モータおよび上記搬送モータを回転し駆動しつつ、上記第1ローラを離間位置に移動する。
【0028】
上記構成により、シートを搬送路において搬送向きと逆向きに搬送させるとき、シートに第1ローラが当接した状態で搬送向きと逆向きに搬送させると、搬送向きの逆向きへ進むシートが第1ローラによって第1サイドガイドから離れる。このときにおいて、移動機構によりシートが第1ローラによって第1サイドガイドから離れないようにできる。
【0029】
(14) 好ましくは、上記移動機構は、上記第1ローラを回転可能に支持する支持部材をプランジャのストローク方向の移動によって移動させるソレノイドであり、上記制御部は、シートを上記搬送向きと逆向きに搬送するように上記ホルダ駆動モータおよび上記搬送モータを回転駆動しつつ、上記第1ローラを離間位置に移動するように上記ソレノイドへの通電をオフにする。
【0030】
(15) 好ましくは、上記シートホルダが回転する駆動力を付与するホルダ駆動モータと、上記搬送部であるローラを回転する駆動力を付与する搬送モータと、制御部と、をさらに備えており、上記制御部は、上記搬送向きと逆向きにシートが搬送されるように上記ホルダ駆動モータおよび上記搬送モータを回転駆動した後に、少なくとも1回以上、上記搬送向きにシートを搬送するように上記ホルダ駆動モータおよび上記搬送モータを回転駆動する。
【0031】
上記構成により、搬送部の搬送向き下流においてシートが斜行した場合であっても、シートを搬送向きと逆向きに搬送させたシートを再び第1サイドガイドに当接させて搬送向きに搬送させることでシートの傾きを解消させることができる。
【0032】
(16) 好ましくは、筐体と、シートにテンションを付与するテンション付与手段と、をさらに備えており、上記テンショナは、上記筐体に固定されており、上記テンション付与手段は、上記テンショナにおいてシートにテンションを付与する。
【0033】
(17) 好ましくは、上記シートホルダが回転する駆動力を付与するホルダ駆動モータと、上記搬送部であるローラを回転する駆動力を付与する搬送モータと、制御部と、をさらに備えており、上記制御部は、上記シートホルダのシートを上記搬送向きに繰り出すホルダ繰り出し速度と上記搬送部のシートを上記搬送向きに搬送するローラ搬送速度が速度差を有するように上記ホルダ駆動モータおよび上記搬送モータを回転駆動する。
【0034】
(18) 好ましくは、搬送路に沿ってシートを搬送向きに搬送する搬送部と、上記搬送向き上流において上記搬送向きと交差する第1方向に延びる軸線周りに回転可能なシートホルダと、上記搬送路における上記シートホルダと上記搬送部との間において上記搬送路における上記シートホルダと上記搬送部との間において、シートを湾曲させつつシートにテンションを付与するテンショナと、上記テンショナに取り付けられており、上記第1方向と交差する第2方向および上記搬送向きに沿って拡がる第1ガイド面を有する第1サイドガイドと、を備えている。上記テンショナは、シートを上記第1ガイド面に付勢する付勢手段を有している。上記付勢手段は、上記サブガイド面から上記第1ガイド面へ向かって移動可能な移動部材と、上記移動部材を上記第1ガイド面へ向けて付勢する付勢部材と、を有する。
【0035】
上記構成により、第1ローラに加えて移動部材によってシートを第1サイドガイドに近づけることができる。このため、より確実にシートの蛇行や斜行が抑制できる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、シートの座屈を抑制しつつシートの幅方向の動きを規制できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像記録装置1の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の線II-IIに沿う画像記録装置1の縦断面を示す模式図である。
【
図3】
図3は、第1サイドガイド145の斜め後方から視た斜視図である。
【
図4】
図4は、第1サイドガイド145を左右方向9における左方から視た概略図である。
【
図5】
図5は、連動機構50を前後方向7の前方から視た図である。
【
図6】
図6は、連動機構50を前後方向7における第1左ラックギヤ52および第1右ラックギヤ53の位置において切断した断面図であって、テンショナ14とともに示す図である。
【
図7】
図7は、連動機構50を前後方向7における第2左ラックギヤ54とフランジ56との間の位置において切断した断面図であって、テンショナ14とともに示す図である。
【
図8】
図8は、後方から視た第1サイドガイド145およびサブガイド146をシートホルダ13とともに示す図である。
【
図9】
図9は、
図6のピニオンギヤ51の周辺を拡大して示した図である。
【
図11】
図11は、第1ローラ142を後方から視た図である。
【
図12】
図12は、画像記録装置10の機能ブロック図である。
【
図13】
図13(a)は、ロール体の直径が小さくなる前のテンショナ14を示す図であり、
図13(b)は、ロール体の直径が
図13(a)よりも小さくなった後のテンショナ14を示す概略図である。
【
図14】
図14は、シートホルダ13におけるシートSの残量を検知する構成を示す概略図である。
【
図15】
図15は、ロール体におけるシートSの残量と、ホルダ駆動モータ41の回転速度の関係を説明するためのフローチャートである。
【
図16】
図16は、シートSを後ろ向きに搬送させたときのテンショナ14を示す概略図である。
【
図17】
図17は、変形例1に係る画像記録装置1のテンショナ14を後方から視た概略図である。
【
図18】
図18は、変形例2に係る画像記録装置1のテンショナ14を左方から視た概略図である。
【
図19】変形例3に係る画像記録装置1について、
図19(a)は当接位置にある移動機構170を示す概略図であり、
図19(b)は離間位置にある移動機構170を示す概略図である。
【
図20】
図20は、変形例4に係る画像記録装置1のテンショナ14を上方から視た概略図である。
【
図21】
図21(a)から(d)は、シートSがフレームに固定されたテンショナ14においてテンションが付与されるその他の変形例について示す図である。
【
図22】
図22は、変形例5に係る画像記録装置1の第2ローラ175を示す図である。
【
図23】
図23は、当接位置と離間位置とに移動可能な移動機構300の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態に係る画像記録装置1について詳説する。なお、下記の実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0039】
[定義]
以下、矢印の起点から終点に向かう進みが向きと表現され、矢印の起点と終点とを結ぶ線上の往来が方向と表現される。
【0040】
画像記録装置1が使用可能に設置された状態(
図1の状態)を基準として上下方向7が定義される。画像記録装置1において排出口111が設けられている方を前方として、前後方向8が定義される。画像記録装置1を前方から見て左右方向9(第1方向の一例)が定義される。
【0041】
[画像記録装置1]
画像記録装置1(搬送装置の一例)は、インクジェット記録方式によりシートSに画像を記録する。シートSは、例えばロール紙である。画像記録装置1には、シート幅が相異なる複数種別のシートSが装着可能である。
【0042】
図1に示されるように、画像記録装置1は、筐体11を備える。筐体11は、前後に長い略直方体形状であり、卓上、床面またはラックに設置可能なサイズである。筐体11の前壁には、排出口111が位置する。排出口111は、左右に細長い貫通孔である。排出口111からは、画像記録済みのシートSが排出される。筐体11の前壁には、ユーザにより操作される操作パネル116が位置する。筐体11の前壁の下部には、前カバー115が位置する。前カバー115の開閉により、タンク12(
図2参照)が露出または遮蔽される。筐体11の右壁の後部には、右カバー114が位置する。右カバー114の開閉により、シートホルダ13(
図2参照)が露出または遮蔽される。
【0043】
筐体11は、下部分である本体112と、上部分である上カバー113と、を有する。本体112は、上方に開口した箱形状である。上カバー113は、本体112の後部に位置して左右方向9に沿って延びる軸線101周りに回動可能に、本体112に連結されている。
図1に示されるように、上カバー113が閉位置にあると、本体112の開口が閉じられる。画像記録装置1は、この状態において画像記録を行う。上カバー113が軸線101周りに前壁が上方へ持ち上げられるように回動されると、本体112の開口が露出する。シートSの交換を行うなどのメンテナンス作業をユーザが行うときには、上カバー113を持ち上げて、筐体11の内部空間にユーザがアクセスする。
【0044】
図2に示されるように、筐体11の内部空間には、タンク12、シートホルダ13、テンショナ14、後サイドガイド15、搬送ローラ対16、ベルト搬送機構19、記録ヘッド20、前サイドガイド(第2サイドガイドの一例)21、排出ローラ対23、カッタ26、第1センサ29a、第2センサ29b、第3センサ29cおよびコントローラ(制御部の一例)130(
図12参照)を備える。なお、筐体11の内部空間には、シートSの記録画像を読み取る読取りセンサや電源、ヒータ、制御基板、冷却装置などのその他の部材が配置されていてもよいことは言うまでもない。
【0045】
図2に示されるように、タンク12は、前カバー115の直ぐ後方に位置しており、インクを内部に貯留する。タンク12のインクは、インクチューブ(不図示)を通じて記録ヘッド20に供給される。
【0046】
筐体11の内部空間の後部には、隔壁104と筐体の外壁とによりロール収容空間105が区画されている。隔壁104の後端と筐体11の後壁との間には、シートSが通過する空間106が形成されている。ロール収容空間105には、シートホルダ13が位置する。ロール体をなすシートSは、左右方向9に延びる軸線周りに回転可能なシートホルダ13に支持されている。シートホルダ13は、ホルダ駆動モータ(
図12参照)41から動力が付与されて回転する。ホルダ駆動モータ41は、正回転または逆回転可能である。
【0047】
空間106の上方にテンショナ14が位置する。テンショナ14には、シートホルダ13から上方に引き出されたシートSが掛けられる。シートSは、テンショナ14に沿って湾曲して前方に延びる。テンショナ14の上面と排出口111とは上下方向7において概ね同じ位置にある。前後方向8においてテンショナ14と排出口111との間に、
図2において一点鎖線で示されるように、上下方向7に位置する各部材によってシートSが通過する搬送路10が区画されている。シートSは、シートホルダ13とテンショナ14との間を上向き(搬送向きの一例)に搬送され、テンショナ14に沿って湾曲した後、テンショナ14の上面から排出口111に向かって搬送路10を前向きに(搬送向きの一例)搬送される。
【0048】
[テンショナ14]
図3に示されるように、テンショナ14は、筐体11に固定された左右一対のフレーム27,28に連結されている。テンショナ14は、シャフト42と、シャフト42の下方に位置する支持板43と、付勢部材18(テンション付与手段の一例、
図4参照)と、円弧部材140と、平坦部材141と、第1ローラ142(斜走コロの一例)と、連動機構50と、ロック機構70とを有している。
【0049】
シャフト42は、支持軸96と、回動軸97と、一対の連結部材44A,44Bとを有している。シャフト42は、円弧部材140の上寄りにおける前方に位置する。シャフト42は、テンショナ14をフレーム27,28に対して支持する。
【0050】
支持軸96は、軸心が左右方向9に延びる円柱形状である。支持軸96は、一対のフレーム27,28に支持されている。支持軸96は、一対の連結部材44A,44Bを回動可能に支持する。連結部材44Aは、第1サイドガイド145の左方に位置している。連結部材44Bは、サブガイド146の右方に位置している。一対の連結部材44A,44Bには、回動軸97が挿通されている。回動軸97は、一対の連結部材44A,44Bに対して円弧部材140を回動可能に支持する。
【0051】
支持板43は、一対のフレーム27,28に連結された平板であり、主面が上下方向7および左右方向9に拡がる。付勢部材18は、前後方向8に延びるコイルバネであり、一端が支持板43に固定され、他端が平坦部材141に固定される(
図4参照)。
【0052】
円弧部材140は、回動軸97の軸心周りに回動可能に支持されている。円弧部材140は、湾曲するシートSの面に対して交差する方向、すなわち湾曲外向きQおよび湾曲内向きRへ移動可能である。円弧部材140は、搬送路10を搬送されるシートSに対向する。円弧部材140は、湾曲外向きQの第1湾曲面143を有している。第1湾曲面143は、左右方向9に沿って拡がる湾曲面であり、左右方向9から視て円弧形状である。
【0053】
平坦部材141は、円弧部材140の下端から下方へ延びる。平坦部材141は、円弧部材140と一体に、回動軸97の軸心周りに回動する。平坦部材141は、付勢部材18により後向きへ付勢されている。平坦部材141は、第1平坦面144を有している。第1平坦面144は、後方を向く平面である。第1平坦面144の上端は、第1湾曲面143の下端と連続している。
【0054】
テンショナ14には、第1サイドガイド145と、サブガイド146とが取り付けられている。第1サイドガイド145は、第1平坦面144から第1湾曲面143に渡って位置する。第1サイドガイド145は、第1ガイド面147と、第1延出片(延出片の一例)148と、第2延出片149とを有する。
【0055】
第1ガイド面147は、第1サイドガイド145において右方を向く面である。第1ガイド面147は、上下方向7および前後方向8(第2方向の一例)に拡がり且つ搬送向きG(
図2参照)に沿って拡がる。
【0056】
第1延出片148は、第1ガイド面147の湾曲内向きRの端付近から右方へ延びている。第1延出片148の左右方向9に沿った寸法は、搬送されるシートSのうち最も左右方向9に沿った幅が狭いシートの幅寸法の半分よりも小さい。第1延出片148は、湾曲外向きQの第2湾曲面(湾曲面の一例)150を有している。第2湾曲面150は、円弧部材140の第1湾曲面143に沿って湾曲している。具体的には、第2湾曲面150は、左右方向9から視て円弧形状であり、左右方向9に沿って拡がる。第2湾曲面150が湾曲していることで、シートSが湾曲された状態で搬送向きGに搬送されるため、シートSの腰が強くなり、第1ガイド面147にシートSの端が当接しても座屈しにくい。
【0057】
第2延出片149は、第1延出片148の下端から下方へ延びている。第2延出片149は、第1ガイド面147の湾曲内向きRの端付近から右方へ延びている。第1延出片148および第2延出片149は、一体の部材である。第2延出片149の左右方向9に沿った寸法は、第1延出片148の左右方向9に沿った寸法よりも小さい。第2延出片149は、第2平坦面151を有している。第2平坦面151は、後方を向いて、上下方向7および左右方向9に沿って拡がる平面である。
【0058】
図3、
図4に示されるように、第1ガイド面147の搬送向きGの下流の縁が第1下流端縁(下流端縁の一例)152である。第1ガイド面147の上端には、第1つまみ部153が位置する。第1つまみ部153は、第1サイドガイド145を左右方向9にスライドする際にユーザが挟み持つ。第1下流端縁152は、第1つまみ部153と第2湾曲面150の上端との間に位置する。第1下流端縁152は、上向きに向かうにつれて前方へ延びている。第1ガイド面147の第1下流端縁152の左方に、第1下流端縁152と連続する第1押え面(押え面の一例)154が位置する(
図5参照)。第1押え面154は、第1下流端縁152から左方へ延びる面である。搬送向きGへ搬送されるシートSが左向きへ斜行すると、シートSの左端が、第1ガイド面147より搬送向きGの下流において第1ガイド面147よりも左方にはみ出ることがある。このとき、第1押え面154は、シートSの左端部分の上方に位置する。
【0059】
図3、
図5に示されるように、サブガイド146は、テンショナ14の左右方向9における中央に対して第1サイドガイド145と対称な形状である。サブガイド146は、第1平坦面144から第1湾曲面143に渡って位置する。サブガイド146は、サブガイド面155(
図11参照)と、第3延出片156と、第4延出片157とを有する
【0060】
サブガイド面155は、サブガイド146において左方を向く面である。サブガイド面155は、左右方向9において第1ガイド面147に対向している。サブガイド面155は、上下方向7および前後方向8に拡がり且つ搬送向きGに沿って拡がる。サブガイド面155は、左右方向9において第1サイドガイド145に対向している。
【0061】
第3延出片156は、サブガイド面155の湾曲内向きRの端付近から左方に延びている。第3延出片156の左右方向9に沿った寸法は、搬送されるシートSのうち最も左右方向9に沿った幅が狭いシートの幅寸法の半分よりも小さく、第1延出片148と同じである。第3延出片156は、湾曲外向きQの第3湾曲面158を有している。第3湾曲面158は、円弧部材140の第1湾曲面143に沿って湾曲している。具体的には、第3湾曲面158は、左右方向9から視て円弧形状であり、左右方向9に沿って拡がる。
【0062】
第4延出片157は、第3延出片156の下端から下方に延びている。第4延出片157は、サブガイド面155の湾曲内向きRの端付近から左方へ延びている。第3延出片156および第4延出片157は、一体の部材である。第4延出片157の左右方向9に沿った寸法は、第3延出片156の左右方向9に沿った寸法よりも小さい。第4延出片157は、第3平坦面159を有している。第3平坦面159は、後方を向いて、上下方向7および左右方向9に沿って拡がる平面である。
【0063】
第1サイドガイド145と同様に、サブガイド146には、サブガイド面155の搬送向きGの下流の縁が第2下流端縁160である。サブガイド面155の上端には、第2つまみ部161が位置する。第2下流端縁160は、サブガイド146を左右方向9にスライドする際にユーザが挟み持つ。第2下流端縁160は、第2つまみ部161と第3湾曲面158の上端との間に位置する。第2下流端縁160は、第1下流端縁152と同様に、上向きに向きに向かうにつれて前方へ延びている。サブガイド面155の第2下流端縁160の右方に、第2下流端縁160と連続する第2押え面162が位置する。第2押え面162は、第2下流端縁160から右方へ延びる面である。搬送向きGへ搬送されるシートSが右向きへ斜行すると、シートSの右端が、サブガイド面155より搬送向きGの下流においてサブガイド面155よりも右方にはみ出ることがある。このとき、第2押え面162は、シートSの右端部分の上方に位置する。
【0064】
[連動機構50]
図3、
図5に示されるように、連動機構50は、円弧部材140よりも前後方向8における前方に位置する。連動機構50は、第1サイドガイド145およびサブガイド146の左右方向9に沿った移動を連動する。連動機構50は、ラックピニオン機構であり、ピニオンギヤ51(
図6参照)、第1左ラックギヤ52、第1右ラックギヤ53、第2左ラックギヤ54、第2右ラックギヤ55、およびフランジ56を有している。
【0065】
図5、
図6に示されるように、ピニオンギヤ51は、円弧部材140の左右方向9の中央において、前後方向8に沿った支軸57に回転自在に嵌合されている。フランジ56は、ピニオンギヤ51より前方において支軸57に連結されて、ピニオンギヤ51を前方から支持している。
【0066】
第1左ラックギヤ(ラックギヤの一例)52は、左右方向9に沿って上向きの歯が並んでおり、左端において第1サイドガイド145にネジ64によって固定されている。第1左ラックギヤ52は、ピニオンギヤ51と噛合している。第1左ラックギヤ52は、左右方向9に沿って延びるガイドレール66に嵌められており、ガイドレール66に沿って左右方向に移動可能である。第1左ラックギヤ52が左右方向9に移動すると、ピニオンギヤ51が支軸57周りに回転する。
【0067】
第1右ラックギヤ(ラックギヤの一例)53は、左右方向9に沿って下向きの歯が並んでおり、右端においてサブガイド146にネジ65によって固定されている。第1右ラックギヤ53は、ピニオンギヤ51と噛合している。第1左ラックギヤ52のガイドレール66と同様に、第1右ラックギヤ53は、左右方向9に延びるガイドレール67に嵌められており、ガイドレール67に沿って左右方向に移動可能である。第1右ラックギヤ53が左右方向9に移動すると、ピニオンギヤ51が支軸57周りに回転する。
【0068】
図7に示されるように、第2左ラックギヤ54は、第1左ラックギヤ52の前方において第1左ラックギヤ52に係止されている。第2左ラックギヤ54は、前後方向8において第1左ラックギヤ52とフランジ56との間に位置しており、フランジ56により前方から支持されている。第2左ラックギヤ54の前後方向8に沿った寸法は、第1左ラックギヤ52の前後方向8に沿った寸法よりも小さい。第2左ラックギヤ54は、左右方向9に沿って上向きの歯が並んでいる。第1左ラックギヤ52と第2左ラックギヤ54の歯の大きさ、すなわちモジュールや歯数は同じである。
【0069】
第2左ラックギヤ54の左右端は、第1左ラックギヤ52に係止されることにより、左右方向9へ移動可能に支持されている。
図6、
図7に示されるように、第2左ラックギヤ54の右端において、第2左ラックギヤ54と第1左ラックギヤ52との間にコイルバネ58が圧縮変形されて介在する。コイルバネ58の付勢力により、第2左ラックギヤ54は、第1左ラックギヤ52に対して右向き(内向き)へ付勢されている。
図7に示されるように、コイルバネ58の付勢力により、第1左ラックギヤ52の歯と第2左ラックギヤ54の歯とは、左右方向9へ位相が若干ずれた状態となる。歯の位相がずれた第2左ラックギヤ54の第1左ラックギヤ52に対する位置が第2位置の一例である。歯の位相が合致する第2左ラックギヤ54の第1左ラックギヤ52に対する位置が第1位置(図示省略)の一例である。
【0070】
第2右ラックギヤ55は、第1右ラックギヤ53の前方において第1右ラックギヤ53に係止されている。第2右ラックギヤ55は、前後方向8において第1右ラックギヤ53とフランジ56との間に位置しており、フランジ56により前方から支持されている。第2右ラックギヤ55の前後方向8に沿った寸法は、第1右ラックギヤ53の前後方向8に沿った寸法よりも小さい。第2右ラックギヤ55は、左右方向9に沿って前向きの歯が並んでいる。第1右ラックギヤ53と第2右ラックギヤ55の歯の大きさ、すなわちモジュールや歯数は同じである。
【0071】
第2右ラックギヤ55の左右端は、第1右ラックギヤ53に係止されることにより、左右方向9へ移動可能に支持されている。第2右ラックギヤ55の左端において、第2右ラックギヤ55と第1右ラックギヤ53との間にコイルバネ58が圧縮変形されて介在する。コイルバネ58の付勢力により、第2右ラックギヤ55は、第1右ラックギヤ53に対して左向き(内向き)へ付勢されている。
図7に示されるように、コイルバネ58の付勢力により、第1右ラックギヤ53の歯と第2右ラックギヤ55の歯とは、左右方向9へ位相が若干ずれた状態となる。歯の位相がずれた第2右ラックギヤ55の第1右ラックギヤ53に対する位置が第2位置の一例である。歯の位相が合致する第2右ラックギヤ55の第1右ラックギヤ53に対する位置が第1位置(図示省略)の一例である。
【0072】
図8に示されるように、連動機構50によって第1サイドガイド145およびサブガイド146のうちの一方が左右方向9のうちいずれか一方へ移動されると、他方も連動して左右方向9のうちの逆方向へ移動する。第1サイドガイド145およびサブガイド146は、互いに近づく向き(内向き)Nへの移動と、互いに遠ざかる向き(外向き)Fへの移動が連動している。このとき、後方から視たときのシートホルダ13の左右方向9における中央から左右方向9に沿う第1ガイド面147までの距離D1が、シートホルダ13の左右方向9における中央から左右方向に沿うサブガイド面155までの距離D2と同じになる。
【0073】
図9に示されるように、第1サイドガイド145およびサブガイド146が互いに遠ざかる向きへ、すなわち左右方向9の外向きへ移動されるとき、相互に噛合する歯において、第1左ラックギヤ52の外向きの歯面60がピニオンギヤ51の歯面59と接触しており、内向きの歯面61はピニオンギヤ51の歯面59と接触していない。歯面59と歯面61との隙間が所謂バックラッシである。ピニオンギヤ51が回転しない状態において、第1左ラックギヤ52は、バックラッシの分だけ右向き(内向き)へ移動し得る。つまりガタつく。第1右ラックギヤ53においても、同様に、外向きの歯面60がピニオンギヤ51の歯面59と接触しており、内向きの歯面61はピニオンギヤ51の歯面59と接触していない。
【0074】
図10に示されるように、第1位置において同位相となる第1左ラックギヤ52の歯および第2左ラックギヤ54の歯において、第1左ラックギヤ52の左向き(外向き)の歯面60は、第2位置の第2左ラックギヤ54の左向き(外向き)の歯面62よりも、左方(外向き)に位置する。同様に、第1位置において同位相となる第1右ラックギヤ53の歯および第2右ラックギヤ55の歯において、第1右ラックギヤ53の右向き(外向き)の歯面60は、第2位置の第2右ラックギヤ55の右向き(外向き)の歯面62よりも、右方(外向き)に位置する。
【0075】
ピニオンギヤ51と第2左ラックギヤ54とが相互に噛合する歯において、第2左ラックギヤ54の外向きの歯面62はピニオンギヤ51の歯面59と接触しておらず、内向きの歯面63は歯面59と接触している。第2右ラックギヤ55においても同様に、外向きの歯面62はピニオンギヤ51の歯面59と接触しておらず、内向きの歯面63は歯面59と接触している。
【0076】
図7に示される状態から、第1サイドガイド145およびサブガイド146が互いに近づく向きへ、すなわち左右方向9の内向きへ移動されるとき、コイルバネ58が圧縮変形して、第2位置の第2左ラックギヤ54および第2右ラックギヤ55が第1位置に移動する。これにより、第1左ラックギヤ52の歯と第2左ラックギヤ54の歯とが同位相となり、また、第1右ラックギヤ53の歯と第2右ラックギヤ55の歯とが同位相となる。そして、第1左ラックギヤ52の内向きの歯面61と第2左ラックギヤ54の内向きの歯面63とが同時にピニオンギヤ51の歯面59と当接する。同様に、第1右ラックギヤ53の内向きの歯面61と第2右ラックギヤ55の内向きの歯面63とが同時にピニオンギヤ51の歯面59と当接する。これにより、第1サイドガイド145およびサブガイド146が連動して左右方向9の内向きへ移動する。
【0077】
第1サイドガイド145およびサブガイド146が互いに遠ざかる向きへ、すなわち左右方向9の外向きへ移動されるとき、コイルバネ58は圧縮変形せず、第2位置の第2左ラックギヤ54および第2右ラックギヤ55は第2位置のまま移動する。これにより、第1左ラックギヤ52の外向きの歯面60および第1右ラックギヤ53の外向きの歯面60がピニオンギヤ51の歯面59と当接しつつ、第1サイドガイド145およびサブガイド146が連動して左右方向9の外向きへ移動する。
【0078】
ロック機構70は、連動機構50の動きをロックまたは解除可能である。
図5に示されるように、ロック機構70は、回動部材71と、レバー72とを有している。
【0079】
回動部材71は、上下方向7および左右方向9に拡がる平板形状であり、フランジ56の前方に位置している。回動部材71は、中央部分においてネジ73によって平坦部材141に連結されている。回動部材71は、平坦部材141に対してネジ73周りに回動可能に支持されている。回動部材71は、当接片76と、第1屈曲片77と、第2屈曲片78と、を有している。
【0080】
当接片76は、回動部材71の左右方向9における中央よりも左寄りに位置しており後方に向かって延びる片である(
図5参照)。当接片76は、回動部材71が
図5において反時計回りに回動すると第1左ラックギヤ52に当接して、第1左ラックギヤ52を円弧部材140との間に挟む。
【0081】
第1屈曲片77は、回動部材71の左右方向9における中央よりも右寄りに位置しており、後方に向かって延びる片である。第1屈曲片77は、
図5における反時計回りにバネ部材79によって付勢されている。第2屈曲片78は、回動部材71の右端において後方に延びる辺であり、第1屈曲片77よりも右方に位置している。
【0082】
第2屈曲片78の上方には、前後方向8に沿った支軸84(
図6参照)周りに回動可能に支持されるレバー72が位置している。レバー72は、平坦部材141の右端に位置しており、第1左ラックギヤ52の動きをロックするロック位置(
図5参照)と、第1左ラックギヤ52のロックを解除する解除位置(
図5において破線で示す)とに移動可能である。レバー72は、レバー72を回動操作するハンドル80と、第2屈曲片78に当接して回動部材71を回動させる凸81とを有している。
【0083】
レバー72は、ロック位置にあるとき、ハンドル80が回動中心から上下方向7における下方に延びており、凸81がレバー72の回動中心の左右方向9における左方に突出する。このとき、凸81は、第2屈曲片78から離間した状態になる。一方、レバー72が解除位置にあるとき、ハンドル80が回動中心から左右方向9における右方に延び、凸81が回動中心から上下方向7における下方に突出する。レバー72が解除位置に操作されると、凸81が第2屈曲片78に当接する。このとき回動部材71がバネ部材79の付勢力に抗して
図5において時計回りに回動し、当接片76が第1左ラックギヤ52から離間する。当接片76が第1左ラックギヤ52から離間すると、連動機構50のロックが解除される。レバー72がロック位置に操作されると凸81が第2屈曲片78から離間する。このとき回動部材71がバネ部材79の付勢力によって
図5において反時計周りに回動し、当接片76が第1左ラックギヤ52に当接する。当接片76が第1左ラックギヤ52に当接すると第1左ラックギヤ52の左右方向9への動きが規制されて連動機構50がロックされる。
【0084】
[第1ローラ142]
第1ローラ142は、搬送路10を搬送されるシートSに当接して従動する。
図3、
図11に示されるように、第1ローラ142は、平坦部材141の左右方向9における中央に位置する。第1ローラ142は、左右方向9に対して上下方向7へ傾斜する軸線周りに回転する。第1ローラ142の軸線と直交する仮想平面Pが、搬送向きGの下流に向かうに従って第1ガイド面147に近づくように搬送向きGに対して交差している。平坦部材141を搬送されるシートSは、第1ローラ142によって第1ガイド面147に近づくように案内される。第1ローラ142において左右方向9に占める領域は、シートホルダ13の左右方向9における中央を含む(
図8参照)。より具体的には、第1ローラ142の右端と左端の間の中央位置が、平坦部材141の左右方向9における中央位置に合致する。
【0085】
図2、
図3に示されるように、後サイドガイド15は、筐体11内における位置が異なる他は、テンショナ14に取り付けられた第1サイドガイド145およびサブガイド146と同様の構成なので詳細な説明は省略される。
【0086】
後サイドガイド15の前方に搬送ローラ対16が位置する。搬送ローラ対16は、搬送ローラ45(搬送部の一例)とピンチローラ46とを有する。搬送ローラ45およびピンチローラ46は左右方向9に沿った軸線周りに回転する。搬送ローラ45およびピンチローラ46は、上下方向7に対向してローラ面が当接する。搬送ローラ45およびピンチローラ46のローラ面の間にシートSがニップされる。搬送ローラ45は、搬送モータ(
図12参照)120から動力が付与されて回転する。搬送モータ120は、コントローラ130からの信号を受信して正回転または逆回転可能である。ピンチローラ46は、搬送ローラ45に従動して回転する。これにより、搬送ローラ対16は、ロール体から繰り出されたシートSを前向き(搬送向きの一例)へ搬送する。
【0087】
搬送ローラ対16の前方には前サイドガイド21が位置する。前サイドガイド21は、一対の第2ガイド面22と、下ガイド17とを有している。下ガイド17の上面は、前後方向8および左右方向9に沿った平面でありシートSを支持する。一対の第2ガイド面22のそれぞれは、上下方向7および前後方向8に拡がっており、左右方向9において対向している。後サイドガイド15についても、筐体11内における位置が異なる他は、テンショナ14に取り付けられた第1サイドガイド145およびサブガイド146と同様の構成なので詳細な説明は省略される。
【0088】
下ガイド17の前方にベルト搬送機構19が位置する。ベルト搬送機構19は、前後方向8に離れており、左右方向9を軸線とする後プーリ191Aと前プーリ191Bとに無端ベルト192が巻回されたものである。コントローラ130からの指令に基づいて駆動する不図示のモータから前プーリ191Bに動力が付与されて前プーリ191Bが
図2における時計回りに回転することにより、無端ベルト192が回動する。無端ベルト192に支持されたシートSは、無端ベルト192の回動により前向きへ搬送される。
【0089】
ベルト搬送機構19の上方に記録ヘッド20が位置する。記録ヘッド20の下面であるノズル面201には、複数のノズル202が前後左右に配列されている。記録ヘッド20は、タンク12から供給されたインクをノズル202から吐出する。ノズル202から吐出されたインクがシートSに付着することにより、シートSに画像が記録される。
【0090】
ベルト搬送機構19の前方に排出ローラ対23が位置する。排出ローラ対23は、駆動ローラ47とピンチローラ48とを有する。駆動ローラ47およびピンチローラ48は左右方向9に沿った軸線周りに回転する。駆動ローラ47およびピンチローラ48は、上下方向7に対向してローラ面が当接する。駆動ローラ47およびピンチローラ48のローラ面の間にシートSがニップされる。駆動ローラ47は、搬送モータ120から動力が付与されて回転する。ピンチローラ48は、搬送ローラ45に従動して回転する。これにより、排出ローラ対23は、画像記録されたシートSを前向きへ搬送する。
【0091】
カッタ26は、排出ローラ対23の前方に位置する。カッタ26は、コントローラ130の制御下で、搬送路10を搬送されるシートSを左右方向9に沿って切断する。切断されたシートSは排出口111から筐体11の外部へ排出される。
【0092】
[コントローラ130]
コントローラ130は、
図12に示されるように、CPU131、ROM132、RAM133、EEPROM134、及びASIC135を備えており、これらは内部バス137によって接続されている。ROM132には、CPU131が各種動作を制御するためのプログラムなどが格納されている。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いるデータや信号等を一時的に記録する記憶領域、或いはデータ処理の作業領域として使用される。EEPROM134には、電源オフ後も保持すべき設定やフラグ等が格納される。
【0093】
ASIC135には、ホルダ駆動モータ41、および搬送モータ120などが接続されている。ASIC135は、各モータを回転させるための駆動信号を生成し、この駆動信号を元に各モータを制御する。各モータは、ASIC135からの駆動信号によって正回転又は逆回転する。
【0094】
コントローラ130は、シートホルダ13から上向きにシートSを繰り出す速度であるホルダ繰り出し速度Vaと、搬送ローラ45が前向きにシートSを搬送する速度であるローラ搬送速度Vbが速度差を有するようにホルダ駆動モータ41を駆動する。
【0095】
具体的には、コントローラ130は、搬送モータ120を予め定められた回転速度Vmで正回転させる。搬送モータ120が正回転すると、搬送ローラ45は、
図13(a)における時計回りに回転しシートSを前向きに搬送する。コントローラ130は、ホルダ駆動モータ41を予め定められた回転速度Vhで正回転させる。ホルダ駆動モータ41が正回転すると、シートホルダ13は、
図13(a)における時計回りに回転しシートSをシートホルダ13から上向きに繰り出される。
図13(a)に示されるように、ホルダ繰り出し速度Vaは、ローラ搬送速度Vbよりも小さい。このため、シートSは、シートホルダ13と搬送ローラ45との間において直線的に引っ張られる。このシートSの引張りによって、テンショナ14の円弧部材140及び平坦部材141が付勢部材18の付勢力に抗して湾曲内向きRへ移動して第1付勢位置に位置する。これにより、テンショナ14によってシートSが湾曲されつつ張力が付与される。
【0096】
シートホルダ13からシートSが繰り出されるにしたがってロール体の直径が小さくなるためホルダ繰り出し速度Vaが小さくなる。そうすると、ホルダ繰り出し速度Vaは、ローラ搬送速度Vbとの速度差が大きくなるので、シートホルダ13と搬送ローラ45との間においてシートSがより強く引っ張られる。その結果、
図13(b)に示されるように、テンショナ14の円弧部材140及び平坦部材141が第1付勢位置よりもさらに湾曲内向きRへ移動して第2付勢位置に位置する。
【0097】
コントローラ130は、シートホルダ13に巻き取られたシートSの巻き取り量が少なくなるに伴ってホルダ繰り出し速度Vaがローラ搬送速度Vbよりも遅くなり過ぎないように、例えば、ホルダ駆動モータ41(
図12参照)の正回転の回転速度VhをVh1、Vh2またはVh3の3段階で駆動する。各回転速度Vh1、Vh2、およびVh3は、Vh1<Vh2<Vh3である。
【0098】
図14(a)に示されるように、シートSがシートホルダ13に最大量巻き取られた(以下、最大量とも称する。)状態で搭載されたロール体が画像記録装置1に補充されたとき、左右方向9に沿う支持軸206周りに回動するアーム205がロール体の外周面に当接する。第1センサ29a、第2センサ29b、第3センサ29cは、シートホルダ13に巻き取られているシートSの残量に応じて第1信号、第2信号、第3信号を出力する。各センサ29a,29b、29cは、発光素子と受光素子とを有している。各センサ29a,29b、29cにおいて発光素子と受光素子との間にアーム205が通過することによって、各受光素子がアーム205を検知したことを示すオン信号をコントローラ130に出力する。具体的には、シートSの残量が最大量の3分の2であるときにはアーム205が第1センサ29aの光路を遮断して第1信号を出力し、シートSの残量が3分の1であるときにはアーム205が第2センサ29bの光路を遮断し第2信号を出力し、シートSの残量がなくなったときにアーム205が第3センサ29cの光路を遮断して第3信号を出力する。
【0099】
以下、コントローラ130によるシートホルダ13のシートSの残量の検知とホルダ駆動モータ41の駆動について
図15を参照しつつ説明する。コントローラ130は、第1センサ29aから第1信号を受信したか否かを判断する(S10)。コントローラ130は、第1センサ29aから第1信号を受信しないとき(S10:No)、第2センサ29bから第2信号を受信したか否かを判断する(S11)。コントローラ130は、第2センサ29bから第2信号を受信しないとき(S11:No)、第3センサ29cから第3信号を受信したか否かを判断する(S12)。コントローラ130は、第3センサ29cから第3信号を受信しないとき(S13:No)、
図14(a)に示されるように、ホルダ駆動モータ41を回転速度Vh1で駆動する。このとき、シートSの残量が最大量の3分の2以上である。
【0100】
コントローラ130は、ステップS10において第1センサ29aから第1信号を受信したとき(S10:Yes)、
図14(b)に示されるように、ホルダ駆動モータ41を回転速度Vh2で駆動する。このとき、シートSの残量が最大量の3分の2未満であり、3分の1以上である。
【0101】
コントローラ130は、ステップS11において第2センサ29bから第2信号を受信したとき(S11:Yes)、
図14(c)に示されるように、ホルダ駆動モータ41を回転速度Vh3で駆動する。このとき、シートSの残量が最大量の3分の1未満である。コントローラ130は、ステップS13、ステップS14、ステップS15においてホルダ駆動モータ41を駆動した後、再び第1センサ29aが第1信号を受信したか否かを判断する(S10)。
【0102】
コントローラ130は、ステップS12において第3センサ29cから第3信号を受信したとき(S12:Yes)、
図14(d)に示されるように、ホルダ駆動モータ41の駆動を停止する(S16)。このとき、シートSの残量がなくなる。
【0103】
コントローラ130が、回転速度VhをVh1からVh2に切り替えたとき、および、Vh2からVh3に切り替えたときにローラ搬送速度Vbとホルダ繰り出し速度Vaとの速度差が小さくなる。このためシートSによってテンショナ14にかかるテンションが弱まり、円弧部材140および平坦部材141は、付勢部材18によって付勢されて湾曲外向きQへ移動する。
【0104】
上述のように、コントローラ130が、シートホルダ13に巻き取られているシートSの量が減少するにしたがってホルダ駆動モータ41の回転速度Vhを大きくすることで、ホルダ繰り出し速度Vaがローラ搬送速度Vbよりも小さくなり過ぎないように維持される。
【0105】
また、画像記録においてシートSを搬送向きGと逆向きに搬送するときは、コントローラ130は、搬送モータ120およびホルダ駆動モータ41を逆回転させる。搬送モータ120およびホルダ駆動モータ41が逆回転することで、シートSが搬送向きGの逆向きに搬送される。このとき、コントローラ130は、シートホルダ13に巻き取られるシートSの速度であるホルダ巻き取り速度Vcと、搬送ローラ45が後向きにシートSを搬送する速度である逆搬送速度Vdが速度差を有するようにホルダ駆動モータ41および搬送モータ120を駆動する。
【0106】
具体的には、
図16に示されるように、コントローラ130は、搬送モータ120を予め定められた回転速度で逆回転させる。搬送モータ120が逆回転すると、搬送ローラ45は、
図2における反時計回りに回転しシートSを後向きに逆搬送速度Vdで搬送する。コントローラ130は、ホルダ駆動モータ41を予め定められた回転速度で逆回転させる。ホルダ駆動モータ41が逆回転すると、シートホルダ13は、
図2における反時計回りに回転しシートSをホルダ巻き取り速度Vcでシートホルダ13に巻き取る。このとき、コントローラ130は、ホルダ巻き取り速度Vcを逆搬送速度Vdよりも小さくなるように搬送モータ120およびホルダ駆動モータ41を駆動する。このため、シートホルダ13と搬送ローラ45との間でシートSに撓みが生じ、シートSが第1ローラ142から離間する。したがって、搬送向きGと逆向きに搬送されるシートSは、第1ローラ142に接触せずに搬送され、第1ローラ142によって第1ガイド面147から離間する方向にガイドされることなく搬送される。
【0107】
[実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、第1ローラ142によって、シートSが第1ガイド面147に案内されつつ第1ガイド面147により左右方向9に対して位置決めされて搬送向きGへ搬送される。シートSはテンショナ14によってテンションが付与されつつ湾曲するので、第1ガイド面147に接触する位置においてシートSの腰ができ座屈し難い。
【0108】
また、第1サイドガイド145およびサブガイド146の間を搬送するシートSの幅サイズが異なる場合であっても、第1ローラ142がシートSの幅方向の中央付近に当接する。このため、第1ローラ142との当接によるシートSへの負荷が左右方向9において偏らない。その結果、シートSを安定して搬送できる。
【0109】
また、第1サイドガイド145を左右方向9に移動させることにともなって、連動機構50によりサブガイド146を左右方向9において第1サイドガイド145の移動方向と逆方向に連動させて移動できる。このため、第1サイドガイド145およびサブガイド146によって様々なサイズの幅のシートSを挟むことができる。これによりシートSの蛇行や斜行を抑制できる。
【0110】
また、テンショナ14が湾曲するシートSを湾曲外向きQに付勢するため、シートSを撓ませることなく搬送できる。
【0111】
第1ガイド面147の第1下流端縁152で左向きへ斜行するシートSの左端が、第1ガイド面147よりも左方へはみ出て第1ガイド面147に沿って上向きへシートSが移動するとき、シートSの左端部分が第1押え面154に当接することにより、シートSが第1ガイド面147を乗り越えることを抑制できる。
【0112】
テンショナ14によってテンションが付与されるシートSが湾曲面に沿って湾曲する。また、第1延出片148が第1ガイド面147から延びているため、シートSが常に第2湾曲面150上に位置し第1サイドガイド145とテンショナ14との間に進入し難い。
【0113】
シートSが搬送路10上を搬送向きGと逆向きに搬送されるときに、前サイドガイド21によりシートSが案内されるため斜行が抑制される。
【0114】
シートSを搬送路10において搬送向きGの逆向きに搬送させるとき、シートホルダの巻き取り速度Vcが搬送ローラ45の逆搬送速度Vdよりも小さいので、シートホルダ13と搬送ローラ45との間でシートSが撓んで第1ローラ142に当接しない。これにより、シートSが第1ローラ142によって第1サイドガイド145から離れないようにできる。このため、シートSを搬送向きGの逆向きに搬送させた後に搬送向きGに搬送するとき、シートSが第1サイドガイド145から離れ難くなる。
【0115】
搬送ローラ45の搬送向きGの下流においてシートSが斜行した場合であっても、シートSを搬送向きGと逆向きに搬送させたシートSを再び第1サイドガイド145に当接させて搬送向きGに搬送させることでシートSの傾きを解消させることができる。
【0116】
[変形例1]
上述の実施形態においては、テンショナ14には、第1サイドガイド145およびサブガイド146が取り付けられている構成が説明されたが、この構成に限らない。
図17に示されるように、テンショナ14には、サブガイド146が取り付けられておらず第1サイドガイド145のみが取り付けられてもよい。
【0117】
第1ローラ142は、平坦部材141の左右方向9における中央に位置するものであってもよいし、円弧部材140の左右方向9における中央に位置するものであってもよい。第1ローラ142は、シートSを第1サイドガイド145に近づくように搬送すれば、位置は適宜変更されてもよい。
【0118】
[変形例2]
上述の実施形態においては、円弧部材140が連結部材44A,44Bによって支持軸42に支持されており、平坦部材141付勢部材18により後方に付勢されている構成が説明されたが、この構成に限らない。テンショナ14Aは、付勢部材(不図示)によって、湾曲するシートSの面と交差する方向のうち湾曲外向きTへ付勢されるものであればよく、例えば、
図18に示されるように、左右方向9に延びる円柱形状のテンショナ14Aが、左右方向9に沿う軸周りに回動可能に支持されたアーム165の先端に固定されてもよい。
【0119】
[変形例3]
上述の実施形態においては、シートSを後ろ向きに搬送するとき、ホルダ巻き取り速度Vcが逆搬送速度Vdよりも小さくなる制御が説明されたが、この構成に限らない。
図18(a)および(b)に示されるように、第1ローラ142の外周面167が円弧部材140の第1湾曲面143から一部が突出するように配置されているものであってもよく、第1ローラ142がシートSから離間可能なように移動機構170によって第2湾曲面150から退避可能なものであってもよい。このときにおいて、ホルダ巻き取り速度Vcは逆搬送速度Vdよりも大きくてもよい。
【0120】
具体的には、コントローラ130は、搬送モータ120を予め定められた回転速度で逆回転させる。搬送モータ120が逆回転すると、シートSが搬送ローラ45によって後ろ向きに搬送される。また、コントローラ130は、ホルダ駆動モータ41を予め定められた回転速度で逆回転させる。ホルダ駆動モータ41が逆回転すると、シートSがシートホルダ13に巻き取られる。このとき、ホルダ巻き取り速度Vcが逆搬送速度Vdよりも大きいため、シートホルダ13と搬送ローラ45との間においてシートSは直線的に引っ張れる。
【0121】
第1ローラ142は、移動機構170によって、外周面167の一部が第2湾曲面150から湾曲外向きUに突出してシートSに当接する当接位置と、第2湾曲面150よりも湾曲内向きWに退避してシートSから離間する離間位置とに移動可能である。
【0122】
移動機構170は、第1ローラ142を回転可能に支持する支持部材171をプランジャ172のストローク方向H(
図19(a)および(b)参照)の移動によって移動させるソレノイドである。プランジャ172は、支持部材171に当接するように
図19において断面で示すソレノイドコイル173から突出して第1ローラ142を当接位置(
図19(a))に移動可能であり、支持部材171から離間するようにソレノイドコイル173に退避して第1ローラ142を上記離間位置(
図19(b))に移動可能である。
【0123】
シートSを後ろ向きに搬送するとき、コントローラ130は、シートホルダ13およびホルダ駆動モータ41を逆回転で駆動しつつソレノイドコイル173への通電をオンにする。ソレノイドコイル173への通電がオンになると、ソレノイドコイル173からプランジャ172が突出して支持部材171を押し、第1ローラ142が当接位置に移動する。また、シートSが前向きに搬送されるときは、コントローラ130は、シートホルダ13およびホルダ駆動モータ41を正回転で駆動しつつソレノイドコイル173への通電をオフにする。ソレノイドコイル173への通電がオフになるとソレノイドコイル173から突出していたプランジャ172が退避して支持部材171によって第1ローラ142が離間位置に移動する。コントローラ130がソレノイドコイル173に通電させないことで、プランジャ172が支持部材171を駆動して第1ローラ142を離間位置に移動する。
【0124】
シートSを搬送路10において後ろ向きに搬送させるとき、シートSに第1ローラ142が当接した状態で後ろ向きに搬送させると、後ろ向きへ進むシートSが第1ローラ142に左右方向9における右方にガイドされて第1サイドガイド145から離れる。このときにおいて、シートSが第1ローラ142に当接しないように移動機構170によって第1ローラ142を当接位置から離間位置に移動させることで、シートSが第1サイドガイド145から離れないようにできる。
【0125】
[変形例4]
上述の実施形態においては、第1ローラ142の軸線と直交する仮想平面Pが、搬送向きGの下流に向かうに従って第1ガイド面147に近づくように搬送向きGに対して交差している。つまり、テンショナ14には、搬送路10を搬送されるシートSが第1サイドガイド145に近づくように第1ローラ142が位置している。しかしながら、搬送されるシートSを第1サイドガイド145に近づけるための構成として第1ローラ142以外の構成を有していてもよい。例えば、
図20に示されるように、画像記録装置1は、搬送路10を搬送されるシートSを第1ガイド面147に近づける機構をさらに有していてもよい。
【0126】
具体的には、サブガイド146は、搬送路10を搬送されるシートSをサブガイド面155から第1ガイド面147へ向かって移動可能な移動部材180と、移動部材180を第1ガイド面147に向けて付勢する付勢部材181とを、有していてもよい。
【0127】
移動部材180は、板部182と、支持部183と、を有している。板部182は、上下方向7に拡がる矩形平板形状であり一端が支持部183に連結され、他端が揺動自在である。支持部183は、軸線が上下方向7に沿う円柱形状である。支持部183は、サブガイド面155の搬送向きGの上流の端部において軸線周りに回動可能に支持されている。
【0128】
付勢部材181は、コイルバネ等の弾性部材である。付勢部材181は一端がサブガイド面155に連結されており、他端が板部182のサブガイド面155に対向する面に連結されている。
【0129】
板部182の他端は、付勢部材181によってサブガイド面155から第1ガイド面147へ向かって付勢されることで搬送路10を搬送されるシートSの端に当接する。
【0130】
第1ガイド面147とサブガイド面155との間に搬送されるシートSに右方から移動部材180の板部182を当接させることでシートSを第1サイドガイド145に近づけることができる。第1ローラ142に加えて移動部材180がシートSを第1サイドガイド145に近づけるため、より確実にシートSの蛇行や斜行を抑制できる。
【0131】
なお、支持部183は、サブガイド面155の搬送向きGの下流の端部において軸線周りに回動可能に支持されているものであって、板部182が支持部183から搬送向きGの下流から上流に延びるものであってもよい。この場合においては、シートSを搬送向きGと逆向きに搬送した場合に、シートSが板部182の先端に引っかかり難い。
【0132】
[変形例5]
上述の実施形態においては、テンショナ14が、第1ローラ142を有しており、第1ローラ142は、左右方向9に対して上下方向7へ傾斜する軸線周りにおいて回転する場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。第1ローラ142は、
図22に示されるような左右方向9に沿う軸心周りに回転する第2ローラ175であってもよい。
【0133】
第2ローラ175は、搬送路10を搬送されるシートSに当接して従動する。第2ローラ175は、平坦部材141の左右方向9における中央に位置している。第2ローラ175は、本体部176と、支持部材177と、を有している。
【0134】
本体部176は、左方に向かうにしたがって縮径する円錐台形状である。本体部176は、外周面178が搬送路10を搬送されるシートSに当接する。本体部176は、外周面178の一部が第1平坦面144から突出している。支持部材177は、左右方向9に沿って延びる棒状である。支持部材177は、平坦部材141の中央位置に位置する凹部179内において支持されている。支持部材177は、平坦部材141に回転可能に支持されている。
【0135】
第2ローラ175は、支持部材177を左右方向9に対して傾斜させる必要がなく平坦部材141の凹部179内に取り付けることができる。また、本体部176が第1ガイド面147に向かうにしたがって縮径する形状であるため、搬送路10を搬送されるシートSを第1ガイド面147に近づくように案内できる。
【0136】
[その他の変形例]
上述の実施形態においては、テンショナ14が、円弧部材140、平坦部材141、一対のフレーム27,28に支持された支持軸42と、支持軸42の下方に位置する支持板43と、支持軸42に揺動自在に支持される円弧部材140および平坦部材141を後方に付勢する付勢部材18とを有する構成が説明された。しかしながら、シートSにテンションを付与するは、これ以外のテンション付与手段40A,40B,40C,40Dによってもよい。例えば、
図21(a)から(d)に示されるように、テンション付与手段40Aは、筐体11に固定されたテンショナ14と、テンショナ14以外の構成によってシートSにテンションを付与するものであってもよい。
【0137】
図21(a)に示されるように、例えばテンション付与手段40Aは、テンショナ14が一対のフレーム(不図示)に固定されており、シートホルダ13によるホルダ繰り出し速度Vaが、搬送ローラ45によるローラ搬送速度Vbよりも小さい速度で駆動されるものであってもよい。ホルダ繰り出し速度Vaとローラ搬送速度Vbの速度差によって、位置が固定されたテンショナ14においてシートSにテンションが付与される。
【0138】
また、
図21(b)に示されるように、テンション付与手段40Bは、テンショナ14が一対のフレーム(不図示)に対して固定されている状態において、ホルダ駆動モータ41Bの動力がトルクリミッタ195および複数のギヤを介してシートホルダ13に伝達されるものであってもよい。この場合においてもホルダ繰り出し速度Vaが、ローラ搬送速度Vbよりも小さい速度で駆動される。ホルダ繰り出し速度Vaとローラ搬送速度Vbの速度差によって、位置が固定されたテンショナ14においてシートSにテンションが付与される。
【0139】
また、テンション付与手段40Cは、一対のフレーム(不図示)に対して固定されたテンショナ14と、シートホルダ13およびテンショナ14の間において左右方向9に延びる軸心周りに回転するピンチローラ197と、トルクリミッタを有してピンチローラ197に従動する従動ローラ198とを備えていてもよい。ピンチローラ197は、従動ローラ198が位置する下方に向かって付勢部材199によって付勢されている。ピンチローラ197および従動ローラ198の間を搬送されるシートSは、従動ローラ198のトルクリミッタによってバックテンションが生じ、テンショナ14においてシートSにテンションが付与される。
【0140】
また、テンション付与手段40Dは、一対のフレーム(不図示)に対して固定されたテンショナ14と、シートホルダ13およびテンショナ14の間において左右方向9に延びる軸心周りに回転する付勢ローラ200とを備えるものであってもよい。付勢ローラ200は、搬送路10の上方に位置している。付勢ローラ200は、付勢部材203によって下方に付勢されており、シートホルダ13およびテンショナ14の間においてシートSの上方からテンションを付与する。付勢ローラ200によるシートSへのテンションの付与によって、テンショナ14においてシートSにテンションが付与される。
【0141】
上述の実施形態においては、テンショナ14が、円弧部材140の下端に平坦部材141が位置する構成が説明されたが、この構成に限らない。例えば、テンショナ14は、平坦部材141を有しておらず、円弧部材140のみを有するものであってもよい。この場合、第1ローラ142が、円弧部材140に位置しており、外周面167の一部が第2湾曲面150から湾曲外向きQに突出していてもよい。
【0142】
上述の実施形態においては、コントローラ130が、ホルダ駆動モータ41の正回転の回転速度VhをVh1,Vh2,またはVh3の3段階で駆動する制御が説明されたがこの構成に限らない。コントローラ130は、ホルダ駆動モータ41の正回転の回転速度Vhを2段階で駆動するものであってもよいし、4段階以上で駆動するものであってもよく、無段階で変速するものであってもよい。
【0143】
上述の実施形態においては、第1センサ29a、第2センサ29b、および第3センサ29cがアーム205の回動を検知してシートSの残量を判断する構成が説明されたが、この構成に限らない。例えば、シートSの残量が、初期状態のロール体から繰り出されたシートSの長さに基づいてコントローラ130により算出されることによって、シートSの残量が判断されてもよい。また、シートホルダ13に巻き取られている状態のシートSの厚みをレーザーや超音波などに基づいてセンサが検知してもよい。
【0144】
上述の実施形態においては、シートSを後ろ向きに搬送するとき、ホルダ巻き取り速度Vcが逆搬送速度Vdよりも小さくなる制御が説明されたが、この構成に限らない。
図23に示されるように、第1ローラ142の外周面167が円弧部材140の第1湾曲面143から一部が突出するように配置されているものであってもよい。また、第1ローラ142の外周面167がシートSから離間可能なように移動機構300によって第2湾曲面150から退避可能なものであってもよい。
【0145】
移動機構300は、第1ローラ142を回転可能に支持する支持部材302をカム303によるストローク方向Hの移動によって移動させるカム機構である。カム303は、支持部301によって支持されており、モータ(不図示)によって左右方向9周りに回転する。カム303が支持部301周りに回転することで、第1ローラ142が湾曲外向きUまたは湾曲内向きWに移動する。このとき第1ローラ142は、第1湾曲面143から突出して当接位置に移動可能であり、また、円弧部材140内に退避して離間位置に移動可能である。
【0146】
シートSを後ろ向きに搬送するとき、コントローラ130は、シートホルダ13およびホルダ駆動モータ41を逆回転で駆動しつつモータを駆動して第1ローラ142を離間位置に移動する。また、シートSが前向きに搬送されるときは、コントローラ130は、シートホルダ13およびホルダ駆動モータ41を正回転で駆動しつつモータを駆動して第1ローラ142を当接位置に移動する。
【符号の説明】
【0147】
1・・・画像記録装置(搬送装置)
10・・・搬送路
11・・・筐体
13・・・シートホルダ
14,14A・・・テンショナ
21・・・前サイドガイド(第2サイドガイド)
22・・・第2ガイド面
40A,40B,40C,40D・・・テンション付与手段
41・・・ホルダ駆動モータ
45・・・搬送部(搬送ローラ)
50・・・連動機構
51・・・ピニオンギヤ
52,53・・・ラックギヤ(第1左ラックギヤ,第1右ラックギヤ)
120・・・搬送モータ
130・・・コントローラ(制御部)
142・・・第1ローラ(斜走コロ)
145・・・第1サイドガイド
146・・・サブガイド
147・・・第1ガイド面
148・・・第1延出片(延出片)
150・・・第2湾曲面(湾曲面)
152・・・第1下流端縁(下流端縁)
154・・・第1押え面(押え面)
155・・・サブガイド面
167・・・外周面
170,300・・・移動機構
171・・・支持部材
172・・・プランジャ
175・・・第2ローラ(斜走コロ)
180・・・移動部材
181・・・付勢部材