IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ジーシーの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018534
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】歯科用分離材
(51)【国際特許分類】
   A61C 9/00 20060101AFI20240201BHJP
   A61K 6/90 20200101ALI20240201BHJP
   A61K 6/60 20200101ALI20240201BHJP
【FI】
A61C9/00 Z
A61K6/90
A61K6/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121926
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】515279946
【氏名又は名称】株式会社ジーシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】藤見 篤史
(72)【発明者】
【氏名】新関 尚史
【テーマコード(参考)】
4C089
【Fターム(参考)】
4C089AA14
4C089AA20
4C089BA18
4C089BC05
4C089BE16
(57)【要約】
【課題】印象材の付着を防止する歯科用分離材を提供すること。
【解決手段】脂肪酸と、水性溶媒と、を含む、歯科用分離材。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪酸と、水性溶媒と、を含む、歯科用分離材。
【請求項2】
前記脂肪酸の炭素数が6以上である、請求項1に記載の歯科用分離材。
【請求項3】
前記脂肪酸が飽和脂肪酸である、請求項1に記載の歯科用分離材。
【請求項4】
歯科用印象材に用いられる、請求項1乃至3の何れか1項に記載の歯科用分離材。
【請求項5】
前記歯科用印象材がアルジネート印象材である、請求項4に記載の歯科用分離材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科用分離材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、歯科医療で使用される分離材は、石膏模型と重合性レジン硬化体との分離を目的とするレジン用歯科用分離材が一般的である。例えば、歯科医療において、ボンディング材の硬化被膜上で重合性レジンを重合硬化させて暫間修復物を作製する際に、両者の接着を防止するレジン用歯科用分離材が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2783627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印象材の付着を防止する歯科用分離材が望まれている。
【0005】
本発明の課題は、印象材の付着を防止し、精度の高い印象採得を行うことができる歯科用分離材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、脂肪酸と、水性溶媒と、を含む、歯科用分離材である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、印象材の付着を防止し、精度の高い印象採得を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
【0009】
<歯科用分離材>
本実施形態の歯科用分離材は、脂肪酸、及び水性溶媒を含有する。本明細書において、歯科用分離材とは、歯科用途で歯(又は歯牙)に密着させた歯科材料を取り外した際に、歯科材料の一部が歯に癒着又は接着することを防止するために、歯科材料を密着させる前の歯に予め塗布又は噴霧する材を示す。
【0010】
[脂肪酸]
脂肪酸は、炭素原子が鎖状につながった一方の末端にカルボキシル基を持つカルボン酸である。脂肪酸は、特に限定されないが、好ましくは炭素数が6以上の脂肪酸であり、より好ましくは炭素数が10以上の脂肪酸(高級脂肪酸)である。
【0011】
脂肪酸の種類は、特に限定されず、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸の何れでもよいが、好ましくは飽和脂肪酸である。
【0012】
飽和脂肪酸としては、例えば、オクチル酸、オクタン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ドコサン酸(ヘベン酸)、テトラコサン酸(リグノセリン酸)等が挙げられる。これらの中でも、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ドコサン酸(ヘベン酸)が好ましい。これらの飽和脂肪酸は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
【0013】
不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸、イコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等、が挙げられる。これらの中でも、オレイン酸、リノール酸が好ましい。これらの不飽和脂肪酸は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
【0014】
また、脂肪酸は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸とをそれぞれ1種以上で併用してもよい。
【0015】
脂肪酸の含有量は、特に限定されないが、歯科用分離材中に、0.01質量%以上65質量%以下であり、好ましくは0.05質量%以上60質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上55質量%以下である。
【0016】
[水性溶媒]
水性溶媒は、水、水溶性溶媒又はそれらの混合物を示す。水としては、イオン交換水を使用することもでき、水道水を使用することもできる。
【0017】
水溶性溶媒としては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール等のモノアルコール;エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリオール;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のポリオールエーテル;等が挙げられる。これらの水溶性溶媒は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
【0018】
水性溶媒の含有量は、特に限定されないが、歯科用分離材中に、35質量%以上であり、好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上である。
【0019】
歯科用分離材には、その他の成分(例えば、界面活性剤等)が含まれていてもよい。
【0020】
本実施形態の歯科用分離材では、上述のように、脂肪酸、及び水性溶媒を含有することで、歯に密着させた歯科材料を取り外した際に、歯科材料の一部が歯に付着する(残る)ことを防ぐことができる。
【0021】
また、本実施形態の歯科用分離材では、歯に対する歯科材料の付着を防止できる結果、このような歯科用分離材を用いて歯の印象を採得することで、精度の高い印象採得を行うことができる。
【0022】
本実施形態の歯科用分離材では、上述のように、炭素数が6以上の脂肪酸を含有することで、歯に密着させた歯科材料を取り外した際に、歯科材料の一部が歯に付着する(残る)ことを防ぐ効果を高めることができ、さらに精度の高い印象採得を行うことができる。
【0023】
本実施形態の歯科用分離材では、上述のように、脂肪酸として飽和脂肪酸を含有することで、歯から歯科用分離材を取り除く際に、歯科用分離材の除去が容易になる。
【0024】
<歯科用印象材>
本実施形態の歯科用分離材は、歯科用印象材に用いられる。本明細書において、歯科用印象材とは、口腔内で対象物の表面の型取り(印象採得ともいう)を行う材を示す。歯科用印象材の態様としては、特に限定されず、例えば、アルジネート印象材、寒天印象材、シリコーン印象材等が挙げられる。これらの中でも、アルジネート印象材への適用が好ましい。
【0025】
本実施形態の歯科用分離材は、歯科用印象材に用いられることで、歯に密着させた印象材を取り外した際に、印象材の一部が歯に付着する(残る)ことを防ぐことができる。また、歯に対する印象材の付着が防止できる結果、精度の高い印象採得を行うことができる。
【0026】
また、本実施形態の歯科用分離材が適用される歯科用印象材がアルジネート印象材である場合は、印象材の付着を防止する効果及び高い精度で印象採得できる効果が顕著に得られる。
【実施例0027】
以下、本発明について、さらに実施例を用いて具体的に説明する。実施例、比較例の評価は、以下の試験により行った。なお、以下において、単位のない数値は、特に断りのない限り、質量基準(質量部)である。
【0028】
<歯科用アルジネート印象材の分離効果>
歯科用常温重合レジン(ジーシー社製、ユニファスト(登録商標)II)に埋没した牛歯断面を#600の耐水研磨紙で研磨した。研磨した牛歯表面にアプリケーターを用いて分離材を塗布し、エアーで乾燥させた。乾燥した表面に歯科用アルジネート印象材(ジーシー社製、アローマインジェクション(登録商標))1.5mLを押し出し、アクリル板で圧接した。これを試験体として35℃の恒温水槽に口腔内保持時間静置した。試験体を恒温水槽から取り出し、アクリル板ごと牛歯から剥がして表面を観察した。
【0029】
分離効果の評価は、表面に歯科用アルジネート印象材が残っていない場合を「良」、残っている場合を「不良」とした。なお、分離材が白色粒状となって塗布できなかったために分離効果の試験が実施できなかった場合を「実施不能」とした。
【0030】
<印象精度>
JIS T 6505:2016の7.3に定められた細線再現性試験用のテストブロックを用いて、以下の手順で印象精度を評価した。まず、テストブロックにアプリケーターを用いて分離材を塗布し、エアーで乾燥させた。乾燥した表面に歯科用アルジネート印象材1.5mLを押し出し、アクリル板で圧接した。これを試験体として35℃の恒温水槽に口腔内保持時間静置した。試験体を恒温水槽から取り出し、テストブロックから剥がして表面を観察した。
【0031】
印象精度の評価は、表面に20μmの細線が確認できた場合を「良」、確認できなかった場合を「不良」とした。なお、上記の分離効果の試験で、表面に歯科用アルジネート印象材が残っている(分離できない)ために印象精度の試験が実施できなかった場合を「実施不能」とした。
【0032】
<分離材の除去性>
上記の歯科用アルジネート印象材の分離効果の試験後に、以下の手順で歯面上の分離材の膜が除去可能かを評価した。まず、試験後の牛歯表面をスリーウェイシリンジを用い水を噴射して洗浄した。洗浄した牛歯表面に、上述した分離効果の試験と同様に、歯科用アルジネート印象材を1.5mL押し出し、アクリル板で圧接したものを試験体として35℃の恒温水槽に口腔内保持時間静置した後、試験体を恒温水槽から取り出し、アクリル板ごと牛歯から剥がして表面を観察した。
【0033】
除去性の評価は、表面に歯科用アルジネート印象材が残った場合を「良」、残らなかった場合を「不良」とした。なお、上記の分離効果の試験で、表面に歯科用アルジネート印象材が残っている(分離できない)ために除去性の試験が実施できなかった場合を「実施不能」とした。
【0034】
以下、実施例及び比較例を示す。
【0035】
[実施例1]
脂肪酸としてラウリン酸50質量部と、水性溶媒としてエタノール50質量部とを配合した分離材を調製し、評価した。実施例1の配合及び評価結果を表1に示す。
【0036】
[実施例2]
ラウリン酸の配合量を40質量部とし、エタノールの配合量を60質量部とした以外は、実施例1と同様に分離材を調製し、評価した。実施例2の配合及び評価結果を表1に示す。
【0037】
[実施例3]
ラウリン酸の配合量を30質量部とし、エタノールの配合量を70質量部とした以外は、実施例1と同様に分離材を調製し、評価した。実施例3の配合及び評価結果を表1に示す。
[実施例4]
ラウリン酸の配合量を20質量部とし、エタノールの配合量を80質量部とした以外は、実施例1と同様に分離材を調製し、評価した。実施例4の配合及び評価結果を表1に示す。
【0038】
[実施例5]
ラウリン酸の配合量を10質量部とし、エタノールの配合量を90質量部とした以外は、実施例1と同様に分離材を調製し、評価した。実施例5の配合及び評価結果を表1に示す。
【0039】
[実施例6]
ラウリン酸の配合量を5質量部とし、エタノールの配合量を95質量部とした以外は、実施例1と同様に分離材を調製し、評価した。実施例6の配合及び評価結果を表1に示す。
【0040】
[実施例7]
ラウリン酸の配合量を2質量部とし、エタノールの配合量を98質量部とした以外は、実施例1と同様に分離材を調製し、評価した。実施例7の配合及び評価結果を表1に示す。
【0041】
[実施例8]
ラウリン酸の配合量を1質量部とし、エタノールの配合量を99質量部とした以外は、実施例1と同様に分離材を調製し、評価した。実施例8の配合及び評価結果を表1に示す。
【0042】
[実施例9]
ラウリン酸に代えてミリスチン酸30質量部を配合した以外は、実施例3と同様に分離材を調製し、評価した。実施例9の配合及び評価結果を表1に示す。
【0043】
[実施例10]
ミリスチン酸の配合量を20質量部とし、エタノールの配合量を80質量部とした以外は、実施例9と同様に分離材を調製し、評価した。実施例10の配合及び評価結果を表1に示す。
【0044】
[実施例11]
ミリスチン酸の配合量を10質量部とし、エタノールの配合量を90質量部とした以外は、実施例9と同様に分離材を調製し、評価した。実施例11の配合及び評価結果を表2に示す。
【0045】
[実施例12]
ミリスチン酸の配合量を5質量部とし、エタノールの配合量を95質量部とした以外は、実施例9と同様に分離材を調製し、評価した。実施例12の配合及び評価結果を表2に示す。
【0046】
[実施例13]
ミリスチン酸の配合量を2質量部とし、エタノールの配合量を98質量部とした以外は、実施例9と同様に分離材を調製し、評価した。実施例13の配合及び評価結果を表2に示す。
【0047】
[実施例14]
ミリスチン酸の配合量を1質量部とし、エタノールの配合量を99質量部とした以外は、実施例9と同様に分離材を調製し、評価した。実施例14の配合及び評価結果を表2に示す。
【0048】
[実施例15]
ミリスチン酸の配合量を0.5質量部とし、エタノールの配合量を99.5質量部とした以外は、実施例9と同様に分離材を調製し、評価した。実施例15の配合及び評価結果を表2に示す。
【0049】
[実施例16]
ラウリン酸に代えてパルミチン酸10質量部を配合した以外は、実施例5と同様に分離材を調製し、評価した。実施例16の配合及び評価結果を表2に示す。
【0050】
[実施例17]
パルミチン酸の配合量を5質量部とし、エタノールの配合量を95質量部とした以外は、実施例16と同様に分離材を調製し、評価した。実施例17の配合及び評価結果を表2に示す。
【0051】
[実施例18]
パルミチン酸の配合量を2質量部とし、エタノールの配合量を98質量部とした以外は、実施例16と同様に分離材を調製し、評価した。実施例18の配合及び評価結果を表2に示す。
【0052】
[実施例19]
パルミチン酸の配合量を1質量部とし、エタノールの配合量を99質量部とした以外は、実施例16と同様に分離材を調製し、評価した。実施例19の配合及び評価結果を表2に示す。
【0053】
[実施例20]
パルミチン酸の配合量を0.5質量部とし、エタノールの配合量を99.5質量部とした以外は、実施例16と同様に分離材を調製し、評価した。実施例20の配合及び評価結果を表2に示す。
【0054】
[実施例21]
ラウリン酸に代えてステアリン酸2質量部を配合した以外は、実施例7と同様に分離材を調製し、評価した。実施例21の配合及び評価結果を表3に示す。
【0055】
[実施例22]
ステアリン酸の配合量を1質量部とし、エタノールの配合量を99質量部とした以外は、実施例21と同様に分離材を調製し、評価した。実施例22の配合及び評価結果を表3に示す。
【0056】
[実施例23]
ステアリン酸の配合量を0.5質量部とし、エタノールの配合量を99.5質量部とした以外は、実施例21と同様に分離材を調製し、評価した。実施例23の配合及び評価結果を表3に示す。
【0057】
[実施例24]
ステアリン酸に代えてドコサン酸0.5質量部を配合した以外は、実施例23と同様に分離材を調製し、評価した。実施例24の配合及び評価結果を表3に示す。
【0058】
[実施例25]
ドコサン酸の配合量を0.1質量部とし、エタノールの配合量を99.9質量部とした以外は、実施例24と同様に分離材を調製し、評価した。実施例25の配合及び評価結果を表3に示す。
【0059】
[実施例26]
ラウリン酸に代えてオレイン酸(不飽和脂肪酸)1質量部を配合した以外は、実施例8と同様に分離材を調製し、評価した。実施例26の配合及び評価結果を表3に示す。
【0060】
[実施例27]
ラウリン酸に代えてリノール酸(不飽和脂肪酸)1質量部を配合した以外は、実施例8と同様に分離材を調製し、評価した。実施例27の配合及び評価結果を表3に示す。
【0061】
[比較例1]
ラウリン酸に代えてミリスチン酸イソプロピル(脂肪酸エステル)1質量部を配合した以外は、実施例8と同様に分離材を調製し、評価した。比較例1の配合及び評価結果を表3に示す。
【0062】
[比較例2]
ラウリン酸に代えてヘキサン酸アリル(短鎖脂肪酸エステル)1質量部を配合した以外は、実施例8と同様に分離材を調製し、評価した。比較例2の配合及び評価結果を表3に示す。
【0063】
[比較例3]
ラウリン酸100質量部を配合した(水性溶媒を配合しなかった)以外は、実施例1と同様に分離材を調製し、評価した。比較例3の配合及び評価結果を表3に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
表1~3より、脂肪酸と水性溶媒を配合した分離材は、分離効果及び印象精度が何れも良好であった(実施例1~27)。また、脂肪酸として飽和脂肪酸を配合した分離材は、さらに除去性が良好であった(実施例1~25)。
一方、脂肪酸を配合しなかった場合及び水性溶媒を配合しなかった場合は、何れも分離効果が不良または分離効果の試験が実施不能であった(比較例1~3)。
【0068】
以上に開示された実施形態は、例えば、以下の態様を含む。
(付記1)
脂肪酸と、水性溶媒と、を含む、歯科用分離材。
(付記2)
前記脂肪酸の炭素数が6以上である、付記1に記載の歯科用分離材。
(付記3)
前記脂肪酸が飽和脂肪酸である、付記1又は2に記載の歯科用分離材。
(付記4)
歯科用印象材に用いられる、付記1乃至3の何れか1項に記載の歯科用分離材。
(付記5)
前記歯科用印象材がアルジネート印象材である、付記4に記載の歯科用分離材。
【0069】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。