(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018555
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】画像形成装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240201BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240201BHJP
B41J 5/30 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
H04N1/00 567R
H04N1/00 567M
G03G21/00 370
G03G21/00 376
B41J5/30 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121966
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 裕士郎
(72)【発明者】
【氏名】白木 聖二
(72)【発明者】
【氏名】水村 政彦
(72)【発明者】
【氏名】三須 長政
【テーマコード(参考)】
2C187
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C187AD14
2C187AG01
2C187BF36
2C187BG05
2C187DB02
2H270KA55
2H270LB18
2H270LD03
2H270LD08
2H270MB27
2H270MB43
2H270MC09
2H270MC18
2H270MC55
2H270MD17
2H270MF14
2H270MF19
2H270PA45
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA05
5C062AB02
5C062AB22
5C062AB41
5C062AC04
5C062AC09
5C062AC71
(57)【要約】 (修正有)
【課題】全ての白紙の頁を印刷することによる無駄な印刷を防止することが可能な画像形成装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】画像形成装置の印刷ジョブを印刷する際の処理において、両面に形成された原稿を読み取る際に白紙頁が除去された電子文書について、除去されなかった頁の間の除去された前記白紙頁の枚数が1頁又は3頁以上の奇数頁である場合は、除去されなかった頁の間に無印字頁を1頁挿入して両面印刷する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
両面に形成された原稿を読み取る際に白紙頁が除去された電子文書について、除去されなかった頁の間の除去された前記白紙頁の枚数が1頁又は3頁以上の奇数頁である場合は、除去されなかった頁の間に無印字頁を1頁挿入して両面印刷する画像形成装置。
【請求項2】
前記電子文書には、当該電子文書の各頁に前記原稿の頁に関する情報が付与されている請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記原稿の頁に関する情報は、前記原稿の表面の頁又は裏面の頁であるかの情報である請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
表面の頁又は裏面の頁が連続する場合は、連続する表面の頁又は裏面の頁の間に前記無印字頁を1頁挿入して両面印刷する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
除去された前記白紙頁が偶数頁連続する場合は、前記無印字頁を挿入せずに両面印刷する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記電子文書の各頁に付与された前記原稿の表面の頁又は裏面の頁であるかの情報が、当該表面の頁又は当該裏面の頁が連続しないものである場合は、前記無印字頁を挿入せずに両面印刷する請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
コンピュータに、
両面に形成された原稿を読み取る際に白紙頁が除去された電子文書について、除去されなかった頁の間の除去された前記白紙頁の枚数が1頁又は3頁以上の奇数頁である場合は、除去されなかった頁の間に無印字頁を1頁挿入して両面印刷する処理を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、原稿の表裏両面の原稿画像を読取り可能な画像読取手段を備え、読取った前記原稿画像のページが、白紙であるか否かを判定する手段と、前記ページが白紙でない場合に、当該ページに、表裏の別およびページの並び順を含む属性情報を付与する手段と、前記ページが白紙である場合に、当該ページを削除する手段と、前記各ページを統合して、白紙ページが削除された構成の電子ファイルを作成する手段と、を有し、読取った原稿画像をページ単位で電子化した電子ファイルを作成する画像読取装置と、前記電子ファイルの原稿画像を媒体に印刷する画像印刷手段と、を備えた画像形成装置において、前記画像読取装置で作成された電子ファイルから、前記ページの属性情報を読出す手段と、前記電子ファイルにページの属性情報が存在するか否かを判定し、前記属性情報が存在する場合に原稿通りの白紙ページを含んだ構成で印刷を行う原本復元印刷の要否を問合せる手段と、前記問合せ結果が原本復元印刷を必要とする場合に、読出した前記属性情報を基に、前記画像印刷手段により、原本復元印刷を行う手段と、を有することを特徴とする画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
原稿の白紙の頁を除去して読み取り、当該読み取られた原稿の電子文書について、除去された白紙の頁を復元して印刷する画像形成装置がある。
しかし、連続する複数の白紙の頁を有する原稿の電子文書について、除去された白紙の頁を全て復元して印刷すると、全ての白紙の頁を印刷するため、無駄な印刷が行われる。
【0005】
本開示は、全ての白紙の頁を印刷することによる無駄な印刷を防止することが可能な画像形成装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様に係る画像形成装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、両面に形成された原稿を読み取る際に白紙頁が除去された電子文書について、除去されなかった頁の間の除去された前記白紙頁の枚数が1頁又は3頁以上の奇数頁である場合は、除去されなかった頁の間に無印字頁を1頁挿入して両面印刷する。
【0007】
第2態様に係る画像形成装置は、第1態様に係る画像形成装置において、前記電子文書には、当該電子文書の各頁に前記原稿の頁に関する情報が付与されている。
【0008】
第3態様に係る画像形成装置は、第2態様に係る画像形成装置において、前記原稿の頁に関する情報は、前記原稿の表面の頁又は裏面の頁であるかの情報である。
【0009】
第4態様に係る画像形成装置は、第3態様に係る画像形成装置において、前記プロセッサは、表面の頁又は裏面の頁が奇数頁連続する場合は、連続する表面の頁又は裏面の頁の間に前記無印字頁を1頁挿入して両面印刷する。
【0010】
第5態様に係る画像形成装置は、第1態様に係る画像形成装置において、前記プロセッサは、除去された前記白紙頁が偶数頁連続する場合は、前記無印字頁を挿入せずに両面印刷する。
【0011】
第6態様に係る画像形成装置は、第5態様に係る画像形成装置において、前記プロセッサは、前記電子文書の各頁に付与された前記原稿の表面の頁又は裏面の頁であるかの情報が、当該表面の頁又は当該裏面の頁が連続しないものである場合は、前記無印字頁を挿入せずに両面印刷する。
【0012】
第7態様に係るプログラムは、コンピュータに、両面に形成された原稿を読み取る際に白紙頁が除去された電子文書について、除去されなかった頁の間の除去された前記白紙頁の枚数が1頁又は3頁以上の奇数頁である場合は、除去されなかった頁の間に無印字頁を1頁挿入して両面印刷する処理を実行させる。
【発明の効果】
【0013】
第1態様によれば、全ての白紙の頁を印刷することによる無駄な印刷を防止することができる、という効果を有する。
【0014】
第2態様によれば、無印字頁を挿入するかを、各頁を印刷する毎に判定することができる、という効果を有する。
【0015】
第3態様によれば、原稿の表面の頁であるか裏面の頁であるかの情報により、無印字頁を挿入するかを判定することができる、という効果を有する。
【0016】
第4態様によれば、原稿の表面の頁又は裏面の頁が連続する場合は、無印字頁を挿入すると判定することができる、という効果を有する。
【0017】
第5態様によれば、原稿の表面の頁であるか裏面の頁であるかの情報により、無印字頁を挿入するかを判定することができる、という効果を有する。
【0018】
第6態様によれば、原稿の表面の頁又は裏面の頁が偶数頁連続する場合は、無印字頁を挿入しないと判定することができる、という効果を有する。
【0019】
第7態様によれば、全ての白紙の頁を印刷することによる無駄な印刷を防止することができる、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態に係る画像形成システムの概略構成図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略ブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置の原稿を読み取る際の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置の印刷ジョブを印刷する際の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の実施形態に係る原稿の読み取りと印刷の例を説明するための説明図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る原稿の読み取りと印刷の他の例を説明するための説明図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る原稿の読み取りと印刷の他の例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施形態)
以下、本開示の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一又は等価な構成要素および部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0022】
図1を用いて、本実施形態に係る画像形成システム10の一例を説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成システム10の概略構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成システム10は、画像形成装置20及びPC(Personal Computer)30がネットワークNを介して接続されている。このネットワークNには、例えば、LAN(=Local Area Network)、WAN(=Wide Area Network)、インターネット等が適用される。ここで、
図1では、画像形成装置20及びPC30が各1台の場合を示しているが、これに限定されず、ネットワークNに複数台接続されてもよい。
【0023】
また、本実施形態における画像形成システム10は、表面と裏面の両面に形成された原稿の読み取りの際に白紙頁が除去された電子文書を印刷する場合に、電子文書の状態によって、白紙頁の部分に無印字頁を1頁挿入して両面印刷するシステムである。読み取った原稿が左側の頁と右側の頁とを用いた見開き頁の場合は、白紙頁が除去されたまま両面印刷すると、見開き頁がズレて印刷されて見開きにならない場合があり、印刷結果の視認性が低下する。そのため、本開示のように、見開き頁を有する原稿について白紙頁を除去して読み取られた電子文書を両面印刷する際に、見開き頁を維持したまま印刷することができるようにしている。
【0024】
複数の画像形成装置20は、印刷機能や、コピー機能、ファクシミリ機能、スキャナー機能などの各種の機能を有するものである。
【0025】
つぎに、複数の画像形成装置20のハードウェア構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置20のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0026】
図2に示すように、画像形成装置20は、プロセッサの一例であるCPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、ストレージ104、入力部105、表示部106、文書読取部107、画像形成部108、通信部109を有する。各構成は、バス110を介して相互に通信可能に接続されている。
【0027】
CPU101は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU101は、ROM102又はストレージ104からプログラムを読み出し、RAM103を作業領域としてプログラムを実行する。CPU101は、ROM102又はストレージ104に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御および各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM102又はストレージ104には、プログラムが格納されている。
【0028】
ROM102は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM103は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ104は、HDD(Hard Disk Drive)、又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、および各種データを格納する。
【0029】
入力部105は、マウス等のポインティングデバイス、およびキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。入力部105は、後述する原稿の読み取りの際に、白紙除去をする設定などに使用される。また、本実施形態では、タッチパネル方式の表示部106が入力部105として機能している。
【0030】
表示部106は、例えば、液晶ディスプレイである。表示部106は、CPU101の制御に基づき各種の情報を表示する。また、表示部106は、タッチパネル方式を採用して、入力部105としても機能する。
【0031】
文書読取部107は、画像形成装置20の上部に設けられた図示しない自動送り装置(ADF:Automatic Document Feeder)の給紙台に置かれた原稿を1枚ずつ取り込み、取り込んだ原稿を光学的に読み取って画像情報を得る。あるいは、文書読取部107は、プラテンガラスなどの台に置かれた原稿を光学的に読み取って画像情報を得る。
【0032】
本実施形態では、文書読取部107は、CMOSなどのセンサーを備えるセンサー部を2個備え(表面読取部と裏面読取部)、自動送り装置から取り込んだ原稿の表面と裏面との両面を読み取ることが可能に形成されている(1パス両面読取)。なお、1個のセンサー部に原稿を3回通過させる3パス両面読取であってもよい。また、文書読取部107は、ユーザの設定によって、光学的に読み取った画像情報の画素から原稿が白紙頁であるかを判定し、白紙頁であると判定した頁は除去して電子文書として記憶可能である。ここで、本実施形態では、電子文書の形式として、PDFファイル(PDF形式のデータ)として記憶された場合について説明する。なお、電子文書の形式はPDFファイルに限定されず、他のファイル形式であってもよい。
【0033】
また、文書読取部107で読み取られた文書の画像情報は、電子文書としてPC30のストレージに保存されたり、画像形成装置20のストレージ104に保存されたりする。
【0034】
画像形成部108は、ネットワークNを介して接続されたPC30から得られた印刷ジョブに含まれる印刷データや、文書読取部107による読み取りによって得られた画像情報に基づく画像を、紙などの記録媒体に形成、すなわち、印刷するものである。
【0035】
通信部109は、ネットワークNに接続されており、画像形成装置20と、PC30などの他の機器と通信を行う。また、通信部109は、画像形成装置20を公衆回線に接続し、FAX機能を有する他の画像形成装置と文書読取部107による読み取りによって得られた画像情報を送受信する。
【0036】
つぎに、画像形成システム10の作用について説明する。
【0037】
図3及び
図4を用いて、画像形成装置20を用いた原稿を読み取る際の処理の流れ及び印刷ジョブの印刷を行う場合の処理の流れについて説明する。本例では、印刷をする画像形成装置20で原稿を読み取る例について説明するが、これに限定されず、他の画像形成装置やスキャナー装置で原稿を読み取ることで電子文書を作成してもよい。また、本実施形態では、ユーザにより文書読取部107に設置された表面と裏面との両面に形成された原稿を読み取って電子文書を作成する場合を例にして説明する。また、ユーザにより、白紙頁を除去して読み取る設定が有効になっている場合を例にして説明する。
【0038】
図3は、画像形成装置20を用いて、原稿を読み取る際の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0039】
ステップS100において、CPU101が、ユーザの操作に基づいて、表面と裏面との両面に形成された全ての頁の原稿を読み取り、画像情報を取得する。そして、次のステップS102に進む。
【0040】
ステップS102において、CPU101が、ステップS100で取得した画像情報に、原稿の頁に関する情報として、原稿の表面の頁又は裏面の頁であるかの情報を付与する。原稿の表面の頁又は裏面の頁であるかの情報は、電子文書の各頁のメタデータに記憶される。そして、次のステップS104に進む。
【0041】
ステップS104において、CPU101が、ステップS100で取得した画像情報が白紙頁であるか判定する。ここで、白紙頁であるかの判定は、画像の画素の黒点数が予め定められたしきい値以下の場合は白紙頁であると判定するなどの既知の技術を用いて行うことが可能である。そして、次のステップS106に進む。
【0042】
ステップS106において、CPU101が、ステップS104において行われた白紙頁であるかの判定の結果、白紙頁であると判定した場合は、次のステップS108に進む。一方、白紙頁でないと判定した場合は、次のステップS108を経ずに、ステップS110に進む。
【0043】
ステップS108において、CPU101が、白紙頁の画像情報を除去する。そして、次のステップS110に進む。
【0044】
ステップS110において、CPU101が、原稿を読み取ることにより形成された電子文書を作成する。そして、次のステップS112に進む。
【0045】
ステップS112において、CPU101が、ステップS110において作成した電子文書をストレージ104に記憶又はPC30に送信して記憶させる。
【0046】
なお、上述した図では、原稿の全ての頁の画像情報を取得後、白紙頁があるかを判定しているが、これに限定されない。例えば、原稿を1頁ずつ読み取り、各頁が白紙頁であるかの判定をしていくようにしてもよい。
【0047】
図4は、画像形成装置20を用いて、印刷ジョブを印刷する際の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0048】
ステップS200において、CPU101が、PC30からユーザの操作に基づいて送信されてきた印刷ジョブを取得する。そして、次のステップ202に進む。
【0049】
ステップS202において、CPU101が、ステップS200で取得した印刷ジョブが白紙除去された電子文書であるかを判定する。白紙除去された電子文書であるかは、例えば、電子文書の各頁に付与されている原稿の頁に関する情報や、電子文書の属性情報から判定する。具体的には、電子文書の各頁に付与されている原稿の頁に関する情報から判定する場合は、表面の頁又は裏面の頁の情報が連続する場所がある場合は白紙除去された電子文書であると判定する。また、電子文書の属性情報から判定する場合は、電子文書の属性情報に当該電子文書が白紙除去された電子文書であることを示す属性情報が付与されているかで判定する。なお、白紙除去された電子文書であるかの判定は、上述した例に限定されず、他の方法であってもよいし、複数の例を組み合わせてもよい。そして、白紙除去された電子文書であると判定した場合は、次のステップS204に進む。一方、白紙除去された電子文書であると判定しない場合は、ステップS204などを経ずに、後述するステップS210に進む。
【0050】
ステップS204において、CPU101が、電子文書の原稿に関する情報が表面の頁又裏面の頁が連続するものであるか判定する。表面の頁又裏面の頁が連続すると判定した場合は、次のステップS206に進む。一方、表面の頁又裏面の頁が連続すると判定しない場合は、次のステップ206を経ずに、後述するステップS208に進む。
【0051】
ステップS206において、CPU101が、印刷ジョブの連続する表面の頁又は裏面の頁の間に白紙の頁である無印字頁を1頁挿入する。すなわち、白紙頁ではないため除去されなかった頁の間に無印字頁を1頁挿入する。そして、次のステップS208に進む。
【0052】
ステップS208において、CPU101が、印刷ジョブを両面印刷する。そして、処理を終了する。
【0053】
つぎに、原稿の読み取りと印刷の具体的な例について
図5乃至
図7を用いて説明する。
【0054】
まず、除去された白紙頁の枚数が1頁であり、除去されなかった頁の間に無印字頁を1頁挿入して両面印刷される場合の例について
図5を用いて説明する。
【0055】
図5(A)は、原稿の状態を示す例である。
図5(A)に示すように、本例の原稿は、1枚目裏面(2頁目)が白紙の頁である。
【0056】
図5(B)は、
図5(A)の原稿を画像形成装置20で白紙頁を除去して読み取った電子文書を示す図である。
図5(B)に示すように、画像形成装置20で白紙頁が除去されて読み取られた電子文書は、白紙の頁である原稿の1枚目裏面(2頁目)がなく、電子文書の2頁目は原稿の2枚目表面(3頁目)となっている。また、電子文書の各頁に、表面の頁又は裏面の頁であるかの情報が付与されている。
【0057】
図5(C)は、
図5(B)の電子文書を、画像形成装置20が印刷した場合の印刷結果を示す図である。
図5(C)に示すように、電子文書では存在していない1枚目裏面に無印字頁が挿入されて印刷されている。すなわち、電子文書の1頁目と2頁目とは、頁に関する情報がともに表面の頁であり、表面の頁が連続しているため、連続する表面の頁の間に無印字頁が1頁挿入されて印刷されている。
【0058】
次に、除去された白紙頁が2頁連続し、無印字頁が挿入されない場合の例について
図6を用いて説明する。
【0059】
図6(A)は、原稿の状態を示す例である。
図6(A)に示すように、本例の原稿は、1枚目裏面(2頁目)と2枚目表面(3頁目)が白紙の頁である。
【0060】
図6(B)は、
図6(A)の原稿を画像形成装置20で白紙頁を除去して読み取った電子文書を示す図である。
図6(B)に示すように、画像形成装置20で白紙頁が除去されて読み取られた電子文書は、白紙の頁である原稿の1枚目裏面(2頁目)と2枚目表面(3頁目)がなく、電子文書の2頁目は原稿の2枚目裏面(4頁目)となっている。また、電子文書の各頁に、表面の頁又は裏面の頁であるかの情報が付与されている。
【0061】
図6(C)は、
図6(B)の電子文書を、画像形成装置20が印刷した場合の印刷結果を示す図である。
図6(C)に示すように、無印字頁が挿入されることなく、電子文書のまま印刷されている。すなわち、除去された白紙頁が偶数頁連続する場合は、無印字頁を挿入せずに印刷している。ここで、電子文書の各頁に付与された原稿の表面の頁又は裏面の頁であるかの情報が、表面の頁又は裏面の頁が連続しない場合に偶数頁連続すると判定する。そのため、表面の頁又は裏面の頁が連続していない
図6(C)の例では、無印字頁を挿入せずに印刷している。
【0062】
次に、除去された白紙頁の枚数が3頁であり、除去されなかった頁の間に無印字頁を1頁挿入して両面印刷される場合の例について
図7を用いて説明する。
【0063】
図7(A)は、原稿の状態を示す例である。
図7(A)に示すように、本例の原稿は、1枚目裏面(2頁目)、2枚目表面(3頁目)及び2枚目裏面(4頁目)が白紙の頁である。
【0064】
図7(B)は、
図7(A)の原稿を画像形成装置20で白紙頁を除去して読み取った電子文書を示す図である。
図7(B)に示すように、画像形成装置20で白紙頁が除去されて読み取られた電子文書は、白紙の頁である原稿の1枚目裏面(2頁目)、2枚目表面(3頁目)及び2枚目裏面(4頁目)がなく、電子文書の2頁目は原稿の3枚目表面(5頁目)となっている。また、電子文書の各頁に、表面の頁又は裏面の頁であるかの情報が付与されている。
【0065】
図7(C)は、
図7(B)の電子文書を、画像形成装置20が印刷した場合の印刷結果を示す図である。
図7(C)に示すように、電子文書では存在していない1枚目裏面に無印字頁が挿入されて印刷されている。すなわち、電子文書の1頁目と2頁目とは、頁に関する情報がともに表面の頁であり、表面の頁が連続しているため、連続する表面の頁の間に無印字頁が1頁挿入されて印刷されている。そのため、除去された白紙頁が3頁以上の奇数頁連続する場合であっても、
図5に示す白紙頁が1頁の場合と同様、無印字頁を1頁挿入して印刷している。
【0066】
ここで、
図5に示す例では、白紙除去された原稿の頁数(1頁)と同じ数の無印字頁(1頁)が挿入されて印刷されているが、
図7に示す例では、白紙除去された原稿の頁数(3頁)と異なる数の無印字頁(1頁)が挿入されて印刷されている。これは、無駄な印刷を防止するためには、見開き頁が変わらない範囲で無印字頁を挿入すればよく、白紙除去された原稿の頁数分の無印字頁を挿入すると印刷の無駄になるため、かかる無駄を防止するためである。
【0067】
なお、白紙頁が4頁以上連続する場合であっても、
図6又は
図7に示す例と同様である。例えば、白紙頁が偶数頁である4頁連続する場合は、
図6に示す例と同様であり、奇数頁である5頁連続する場合は、
図7に示す例と同様である。また、白紙頁が原稿の複数箇所にある場合も、白紙頁毎に、
図5乃至
図7に示す例と同様に扱えばよい。
【0068】
本開示によれば、全ての白紙の頁を印刷することによる無駄な印刷を防止することができる、という効果を有する。特に、原稿が、左側の頁と右側の頁とを用いた見開き頁の場合は、白紙頁が除去されたまま両面印刷されると見開き頁がズレて印刷されて見開きにならない場合があり、視認性が低下する。そのため、本開示のように、見開き頁がズレて印刷される原因となる奇数頁が除去された電子文書を印刷する場合は、無印字頁を1頁挿入することで、見開き頁がズレて印刷されることを防止することも可能である。なお、偶数頁が除去された電子文書を印刷する場合は、見開き頁がズレて印刷されることはないため、無印字頁を挿入することなく印刷し、無駄な印刷を可能な限り防止している。
【0069】
(変形例)
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0070】
上記実施形態では、電子文書の各頁に付与された表面の頁又は裏面の頁であるかの情報により、無印字頁を1頁挿入して印刷するかを判定しているが、これに限定されない。例えば、頁番号や、頁番号が奇数又は偶数であるかで判定してもよい。頁番号の場合は、頁番号が抜けている数が奇数であるか偶数であるかで判定する。また、頁番号が奇数又は偶数の場合は、奇数頁又は偶数頁が連続しているかで判定する。
【0071】
上記実施形態では、原稿の表面の頁又は裏面の頁であるかの情報は、電子文書の各頁のメタデータに記憶されるが、メタデータに記憶される場合に限定されず、例えば、ヘッダーやフッターに記載されてもよいし、各頁に透明文字等で透かしを記載して、各記載を読み出すようにしてもよい。
【0072】
なお、上記実施形態では、プログラムがROM102又は記憶部(ストレージ)104に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークNを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0073】
また、上述した実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0074】
また、上述した実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上述した各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0075】
以上の実施形態に関し、更に以下を開示する。
【0076】
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
両面に形成された原稿を読み取る際に白紙頁が除去された電子文書について、除去されなかった頁の間の除去された前記白紙頁の枚数が1頁又は3頁以上の奇数頁である場合は、除去されなかった頁の間に無印字頁を1頁挿入して両面印刷する画像形成装置。
【0077】
(((2)))
前記電子文書には、当該電子文書の各頁に前記原稿の頁に関する情報が付与されている(((1)))に記載の画像形成装置。
【0078】
(((3)))
前記原稿の頁に関する情報は、前記原稿の表面の頁又は裏面の頁であるかの情報である(((2)))に記載の画像形成装置。
【0079】
(((4)))
前記プロセッサは、
表面の頁又は裏面の頁が連続する場合は、連続する表面の頁又は裏面の頁の間に前記無印字頁を1頁挿入して両面印刷する(((3)))に記載の画像形成装置。
【0080】
(((5)))
前記プロセッサは、
除去された前記白紙頁が偶数頁連続する場合は、前記無印字頁を挿入せずに印刷する(((1)))~(((4)))のいずれかに記載の画像形成装置。
【0081】
(((6)))
前記プロセッサは、
前記電子文書の各頁に付与された前記原稿の表面の頁又は裏面の頁であるかの情報が、当該表面の頁又は当該裏面の頁が連続しないものである場合は、前記無印字頁を挿入せずに両面印刷する(((5)))に記載の画像形成装置。
【0082】
(((7)))
コンピュータに、
両面に形成された原稿を読み取る際に白紙頁が除去された電子文書について、除去されなかった頁の間の除去された前記白紙頁の枚数が1頁又は3頁以上の奇数頁である場合は、除去されなかった頁の間に無印字頁を1頁挿入して両面印刷する処理を実行させるためのプログラム。
【0083】
(((1)))によれば、全ての白紙の頁を印刷することによる無駄な印刷を防止することができる、という効果を有する。
【0084】
(((2)))によれば、無印字頁を挿入するかを、各頁を印刷する毎に判定することができる、という効果を有する。
【0085】
(((3)))によれば、原稿の表面の頁であるか裏面の頁であるかの情報により、無印字頁を挿入するかを判定することができる、という効果を有する。
【0086】
(((4)))によれば、原稿の表面の頁又は裏面の頁が奇数頁連続する場合は、無印字頁を挿入すると判定することができる、という効果を有する。
【0087】
(((5)))によれば、原稿の表面の頁であるか裏面の頁であるかの情報により、無印字頁を挿入するかを判定することができる、という効果を有する。
【0088】
(((6)))によれば、原稿の表面の頁又は裏面の頁が偶数頁連続する場合は、無印字頁を挿入しないと判定することができる、という効果を有する。
【0089】
(((7)))によれば、全ての白紙の頁を印刷することによる無駄な印刷を防止することができる、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0090】
10 画像形成システム
20 画像形成装置
30 PC