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特開2024-18567精算処理システム、精算処理装置及び精算処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018567
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】精算処理システム、精算処理装置及び精算処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/04 20120101AFI20240201BHJP
   G16H 20/00 20180101ALI20240201BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
G06Q30/04
G16H20/00
G07G1/12 361Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121984
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】福田 幸貴
(72)【発明者】
【氏名】砂原 久美
(72)【発明者】
【氏名】松原 真司
【テーマコード(参考)】
3E142
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
3E142AA10
3E142CA20
3E142DA04
3E142DA08
3E142EA04
3E142GA26
5L049BB11
5L099AA01
(57)【要約】
【課題】電子処方箋に関するユーザーの意思が反映され、且つ、ユーザーにとっての利便性が向上しやすい精算処理システム、精算処理装置及び精算処理方法を提供する。
【解決手段】ユーザーによる診療費の支払いに関する精算処理を行う精算部21と、電子データにて交付される処方箋である電子処方箋に関するユーザーの意思を示す情報である意思情報を取得する取得部24と、意思情報に基づいて処方箋に関する処理を実行する処理部22と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーによる診療費の支払いに関する精算処理を行う精算部と、
電子データにて交付される処方箋である電子処方箋に関する前記ユーザーの意思を示す情報である意思情報を取得する取得部と、
前記意思情報に基づいて処方箋に関する処理を実行する処理部と、を備える精算処理システム。
【請求項2】
前記意思情報は、前記電子処方箋と、紙媒体にて交付される処方箋である紙処方箋と、のうち何れの交付を希望するかを示す情報である交付情報を含んでおり、
前記処理部は、前記交付情報に基づいて、処方箋の交付に関する処理を実行する請求項1に記載の精算処理システム。
【請求項3】
前記紙処方箋を交付する場合に比べて前記電子処方箋を交付する場合の方が前記ユーザーの待ち時間が短くなることを報知する第1報知部を備える請求項2に記載の精算処理システム。
【請求項4】
前記電子処方箋を交付する場合に比べて前記紙処方箋を交付する場合の方が前記ユーザーの待ち時間が長くなることを報知する第2報知部を備える請求項2または3に記載の精算処理システム。
【請求項5】
前記ユーザーが利用する予定の薬局が前記電子処方箋を受付可能であるか否かの確認を促す案内部を備える請求項2または3に記載の精算処理システム。
【請求項6】
前記ユーザーとは異なる決定主体が前記電子処方箋と前記紙処方箋とのうち何れの交付を決定したかを示す情報である決定情報を取得する決定取得部を備え、
前記処理部は、前記決定情報に基づいて、処方箋の交付に関する処理を実行する請求項2または3に記載の精算処理システム。
【請求項7】
前記電子処方箋と前記紙処方箋とのうち何れが交付されるかを前記決定主体が決定した場合、前記処理部は、前記交付情報に基づくことなく、前記決定情報に基づいて、処方箋の交付に関する処理を実行し、
前記電子処方箋と前記紙処方箋とのうち何れが交付されるかを前記決定主体が決定しなかった場合、前記処理部は、前記決定情報に基づくことなく、前記交付情報に基づいて、処方箋の交付に関する処理を実行する請求項6に記載の精算処理システム。
【請求項8】
前記電子処方箋と前記紙処方箋とのうち何れが交付されるかを前記決定主体が決定した場合に前記決定主体による決定の理由を報知する第3報知部を備える請求項7に記載の精算処理システム。
【請求項9】
前記意思情報は、前記電子処方箋にアクセスするためのアクセス情報の複数の発行方法のうち何れの前記発行方法を希望するかを示す情報である発行情報を含んでおり、
前記処理部は、前記発行情報に基づいて、前記アクセス情報の発行に関する処理を実行する請求項1から3の何れか一項に記載の精算処理システム。
【請求項10】
前記複数の発行方法は、所定紙媒体への前記アクセス情報の印刷による発行を行う第1方法、前記アクセス情報を示す電子データの送信による発行を行う第2方法、前記ユーザーの所持する記憶媒体への前記アクセス情報の書き込みによる発行を行う第3方法、のうち少なくとも何れか一つを含んでいる請求項9に記載の精算処理システム。
【請求項11】
前記第1方法において、前記所定紙媒体は、前記診療費の支払いに関する領収書、診療明細書、処方内容が記載された紙媒体、のうちの何れかである請求項10に記載の精算処理システム。
【請求項12】
前記第2方法において、前記アクセス情報を示す電子データは、前記ユーザーの所持する携帯端末により受信可能な方法で送信される請求項10に記載の精算処理システム。
【請求項13】
前記第3方法において、前記記憶媒体は、マイナンバーカードに備わるICチップである請求項10に記載の精算処理システム。
【請求項14】
前記ユーザーは患者であり、
前記意思情報は、電子処方箋サーバーに記憶されている前記ユーザーの処方履歴を薬剤師が閲覧することを許可するか否かを示す情報である許可情報を含んでおり、
前記処理部は、前記許可情報に基づいて、前記許可情報の内容を前記薬剤師に知らせるための処理を実行する請求項1から3の何れか一項に記載の精算処理システム。
【請求項15】
ユーザーによる診療費の支払いに関する精算処理を行う精算部と、
電子データにて交付される処方箋である電子処方箋に関する前記ユーザーの意思を示す情報である意思情報を取得する取得部と、
前記意思情報に基づいて処方箋に関する処理を実行する処理部と、を備える精算処理装置。
【請求項16】
精算処理システムにおける精算処理方法であって、
ユーザーによる診療費の支払いに関する精算処理を行う精算ステップと、
電子データにて交付される処方箋である電子処方箋に関する前記ユーザーの意思を示す情報である意思情報を取得する取得ステップと、
前記意思情報に基づいて処方箋に関する処理を実行する処理ステップと、を備える精算処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精算処理システム、精算処理装置及び精算処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、診療費の支払いを行う支払装置を有する精算処理システムが記載されている。この精算処理システムは、電子処方箋引換証を発行可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-144682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、電子処方箋に関するユーザーの意思(例えば、電子処方箋と紙処方箋とのうち何れの交付を希望するか)に関する記載は存在しない。このように、従来、精算処理システムにおいて、電子処方箋に関するユーザーの意思に基づく処理を実行することは考慮されていなかった。
【0005】
本発明の目的は、電子処方箋に関するユーザーの意思が反映され、且つ、ユーザーにとっての利便性が向上しやすい精算処理システム、精算処理装置及び精算処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る精算処理システムの特徴は、ユーザーによる診療費の支払いに関する精算処理を行う精算部と、電子データにて交付される処方箋である電子処方箋に関する前記ユーザーの意思を示す情報である意思情報を取得する取得部と、前記意思情報に基づいて処方箋に関する処理を実行する処理部と、を備えることにある。
【0007】
本発明に係る精算処理装置の特徴は、ユーザーによる診療費の支払いに関する精算処理を行う精算部と、電子データにて交付される処方箋である電子処方箋に関する前記ユーザーの意思を示す情報である意思情報を取得する取得部と、前記意思情報に基づいて処方箋に関する処理を実行する処理部と、を備えることにある。
【0008】
本発明に係る精算処理方法の特徴は、精算処理システムにおける精算処理方法であって、ユーザーによる診療費の支払いに関する精算処理を行う精算ステップと、電子データにて交付される処方箋である電子処方箋に関する前記ユーザーの意思を示す情報である意思情報を取得する取得ステップと、前記意思情報に基づいて処方箋に関する処理を実行する処理ステップと、を備えることにある。
【0009】
本構成によれば、電子処方箋に関するユーザーの意思に基づいて、処方箋に関する処理が実行される。これにより、電子処方箋に関するユーザーの意思が反映される。
【0010】
また、本構成によれば、精算処理と、意思情報の取得と、処方箋に関する処理と、を行うことができる。これにより、精算処理、意思情報の取得、処方箋に関する処理に関して、実行場所や実行タイミングを揃えやすい。例えば、精算処理と同じ場所あるいは同じタイミングで、ユーザーの意思(例えば、電子処方箋と紙処方箋とのうち何れの交付を希望するか)の受け付け、及び、処方箋に関する処理(例えば、電子処方箋にアクセスするためのアクセス情報の発行処理)のうち少なくとも一方を実行するような構成を実現しやすい。その結果、精算処理、意思情報の取得、処方箋に関する処理の全てが互いに異なる場所やタイミングで行われる場合に比べて、ユーザーにとっての利便性が向上しやすい。
【0011】
従って、本構成によれば、電子処方箋に関するユーザーの意思が反映され、且つ、ユーザーにとっての利便性が向上しやすい。
【0012】
さらに、本発明において、前記意思情報は、前記電子処方箋と、紙媒体にて交付される処方箋である紙処方箋と、のうち何れの交付を希望するかを示す情報である交付情報を含んでおり、前記処理部は、前記交付情報に基づいて、処方箋の交付に関する処理を実行すると好適である。
【0013】
本構成によれば、電子処方箋と紙処方箋とのうち何れの交付を希望するかに関するユーザーの意思を反映させた処理を実行することが可能となる。これにより、処方箋の交付に関してユーザーを満足させやすい。
【0014】
さらに、本発明において、前記紙処方箋を交付する場合に比べて前記電子処方箋を交付する場合の方が前記ユーザーの待ち時間が短くなることを報知する第1報知部を備えると好適である。
【0015】
本構成によれば、ユーザーが、電子処方箋を選択することによるメリットを理解しやすい。これにより、電子処方箋を選択することによるメリットをユーザーに理解させた上で、ユーザーに、電子処方箋と紙処方箋とのうち何れかを選択させることが可能となる。また、本構成によれば、ユーザーに、電子処方箋を選択することを促すことができる。
【0016】
しかも、本構成によれば、電子処方箋が選択される割合が増加しやすい。これにより、処方箋を交付する医療機関における省力化が実現しやすい。
【0017】
さらに、本発明において、前記電子処方箋を交付する場合に比べて前記紙処方箋を交付する場合の方が前記ユーザーの待ち時間が長くなることを報知する第2報知部を備えると好適である。
【0018】
本構成によれば、ユーザーが、紙処方箋を選択することによるデメリットを理解しやすい。これにより、紙処方箋を選択することによるデメリットをユーザーに理解させた上で、ユーザーに、電子処方箋と紙処方箋とのうち何れかを選択させることが可能となる。また、本構成によれば、ユーザーに、電子処方箋を選択することを促すことができる。
【0019】
しかも、本構成によれば、電子処方箋が選択される割合が増加しやすい。これにより、処方箋を交付する医療機関における省力化が実現しやすい。
【0020】
さらに、本発明において、前記ユーザーが利用する予定の薬局が前記電子処方箋を受付可能であるか否かの確認を促す案内部を備えると好適である。
【0021】
本構成によれば、ユーザーが利用する予定の薬局が電子処方箋を受付可能でないにもかかわらずユーザーが電子処方箋を選択してしまう事態を回避しやすい。
【0022】
さらに、本発明において、前記ユーザーとは異なる決定主体が前記電子処方箋と前記紙処方箋とのうち何れの交付を決定したかを示す情報である決定情報を取得する決定取得部を備え、前記処理部は、前記決定情報に基づいて、処方箋の交付に関する処理を実行すると好適である。
【0023】
本構成によれば、電子処方箋または紙処方箋の交付に関して、ユーザーとは異なる決定主体(例えば、電子処方箋の交付が可能であるか否かを自動的に判定する情報処理装置や、医師等の医療機関の従業員)による決定に基づいた処理を実行することが可能となる。これにより、ユーザーの意思以外の情報に基づいて処方箋の交付に関する処理を実行できるので、例えばユーザーが希望しても電子処方箋の交付が不可能である場合等のケースにも対応可能なシステムを実現できる。
【0024】
さらに、本発明において、前記電子処方箋と前記紙処方箋とのうち何れが交付されるかを前記決定主体が決定した場合、前記処理部は、前記交付情報に基づくことなく、前記決定情報に基づいて、処方箋の交付に関する処理を実行し、前記電子処方箋と前記紙処方箋とのうち何れが交付されるかを前記決定主体が決定しなかった場合、前記処理部は、前記決定情報に基づくことなく、前記交付情報に基づいて、処方箋の交付に関する処理を実行すると好適である。
【0025】
本構成によれば、電子処方箋と紙処方箋とのうち何れが交付されるかが決定主体により決定された場合は、ユーザーの意思よりも、決定主体による決定が優先される。また、電子処方箋と紙処方箋とのうち何れが交付されるかが決定主体により決定されなかった場合は、電子処方箋と紙処方箋とのうち何れの交付を希望するかに関するユーザーの意思を反映させた処理が実行される。これにより、例えばユーザーが希望しても電子処方箋の交付が不可能である場合等のケースにも対応可能であると共に、ユーザーの意思を可能な限り反映させることが可能なシステムを実現できる。
【0026】
さらに、本発明において、前記電子処方箋と前記紙処方箋とのうち何れが交付されるかを前記決定主体が決定した場合に前記決定主体による決定の理由を報知する第3報知部を備えると好適である。
【0027】
本構成によれば、ユーザーが、決定主体による決定の理由を知ることができる。これにより、ユーザーが、決定主体による決定の内容に納得しやすい。
【0028】
さらに、本発明において、前記意思情報は、前記電子処方箋にアクセスするためのアクセス情報の複数の発行方法のうち何れの前記発行方法を希望するかを示す情報である発行情報を含んでおり、前記処理部は、前記発行情報に基づいて、前記アクセス情報の発行に関する処理を実行すると好適である。
【0029】
本構成によれば、アクセス情報の発行方法に関するユーザーの意思を反映させた処理を実行することが可能となる。これにより、アクセス情報の発行に関してユーザーを満足させやすい。
【0030】
さらに、本発明において、前記複数の発行方法は、所定紙媒体への前記アクセス情報の印刷による発行を行う第1方法、前記アクセス情報を示す電子データの送信による発行を行う第2方法、前記ユーザーの所持する記憶媒体への前記アクセス情報の書き込みによる発行を行う第3方法、のうち少なくとも何れか一つを含んでいると好適である。
【0031】
本構成によれば、アクセス情報の発行方法の選択肢に、第1方法、第2方法、第3方法のうち少なくとも何れか一つが含まれることとなる。そして、第1方法、第2方法、第3方法の何れかによりアクセス情報が発行された場合、ユーザーがアクセス情報を薬局へ提示するために要する労力が比較的小さくなりやすい。これにより、ユーザーにとっての利便性が向上しやすい。
【0032】
さらに、本発明において、前記第1方法において、前記所定紙媒体は、前記診療費の支払いに関する領収書、診療明細書、処方内容が記載された紙媒体、のうちの何れかであると好適である。
【0033】
本構成によれば、領収書または診療明細書にアクセス情報が印刷された場合、アクセス情報の発行のために専用の用紙を発行する必要がない。これにより、ユーザーが受け取る紙媒体の数が増大することを回避できる。その結果、ユーザーにとっての利便性が向上しやすい。
【0034】
また、本構成によれば、処方内容が記載された紙媒体にアクセス情報が印刷された場合、ユーザーは、当該紙媒体を見ることにより、処方内容を把握することができる。これにより、ユーザーにとっての利便性が向上しやすい。
【0035】
さらに、本発明において、前記第2方法において、前記アクセス情報を示す電子データは、前記ユーザーの所持する携帯端末により受信可能な方法で送信されると好適である。
【0036】
本構成によれば、第2方法によりアクセス情報が発行された場合、ユーザーは、自己の所持する携帯端末を薬局へ提示することにより、アクセス情報を薬局へ提示することができる。これにより、ユーザーにとっての利便性が向上しやすい。
【0037】
さらに、本発明において、前記第3方法において、前記記憶媒体は、マイナンバーカードに備わるICチップであると好適である。
【0038】
本構成によれば、第3方法によりアクセス情報が発行された場合、ユーザーは、自己の所持するマイナンバーカードを薬局へ提示することにより、アクセス情報を薬局へ提示することができる。これにより、ユーザーにとっての利便性が向上しやすい。
【0039】
さらに、本発明において、前記ユーザーは患者であり、前記意思情報は、電子処方箋サーバーに記憶されている前記ユーザーの処方履歴を薬剤師が閲覧することを許可するか否かを示す情報である許可情報を含んでおり、前記処理部は、前記許可情報に基づいて、前記許可情報の内容を前記薬剤師に知らせるための処理を実行すると好適である。
【0040】
本構成によれば、ユーザーの処方履歴を薬剤師が閲覧することを許可するか否かに関するユーザーの意思を薬剤師に知らせることが可能となる。これにより、ユーザーが自己の処方履歴を薬剤師に閲覧されたくない場合に、閲覧されてしまう事態を回避しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】精算処理システムの構成を模式的に示す図である。
図2】アクセス情報を示す二次元コードが印刷された領収書を示す図である。
図3】アクセス情報を示す二次元コードが印刷された専用用紙を示す図である。
図4】処方箋処理フローのフローチャートである。
図5】第1選択画面を示す図である。
図6】第2選択画面を示す図である。
図7】第3選択画面を示す図である。
図8】精算処理装置の構成を模式的に示す図である。
図9】処方箋処理フローのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
[第1実施形態]
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。
【0043】
〔精算処理システムの全体構成〕
図1に示すように、本実施形態における精算処理システムAは、精算処理装置1及び管理コンピュータ2を備えている。精算処理装置1は、ユーザーによる診療費の支払いに関する精算処理を実行可能な装置である。尚、本明細書において、「ユーザー」とは、診療費の支払いを行う者である。
【0044】
本実施形態において、ユーザーは患者である。ただし、本発明はこれに限定されない。ユーザーは、患者の付添いの人であっても良い。
【0045】
管理コンピュータ2は、医師等の使用する端末3から、患者であるユーザーに対する薬の処方内容を示す情報を受け取る。管理コンピュータ2は、患者の識別情報と対応付けた状態で、当該情報を記憶する。また、管理コンピュータ2は、当該情報に基づいて、紙処方箋データを生成可能である。紙処方箋データとは、紙処方箋の内容を示すデータである。紙処方箋とは、紙媒体にて交付される処方箋である。
【0046】
管理コンピュータ2は、紙処方箋データをプリンタ4へ送信可能である。プリンタ4は、各種書類を印刷可能である。本実施形態においては、プリンタ4が紙処方箋データを印刷し、医師等による押印または署名が行われることにより、紙処方箋が発行されることとなる。
【0047】
本実施形態において、精算処理装置1、管理コンピュータ2、端末3、プリンタ4は、何れも、医療機関に設置されている。ただし、本発明はこれに限定されない。例えば、管理コンピュータ2が医療機関の外部に設置されていても良い。
【0048】
また、図1に示すように、管理コンピュータ2と電子処方箋サーバー5とは、所定のネットワークを介して互いに接続されている。管理コンピュータ2は、薬の処方内容を示す情報を、患者の識別情報と対応付けた状態で、電子処方箋サーバー5へ送信可能に構成されている。当該情報は、電子処方箋サーバー5において、電子処方箋として記憶される。尚、電子処方箋とは、電子データにて交付される処方箋である。また、管理コンピュータ2は、電子処方箋サーバー5に記憶された電子処方箋にアクセスするためのアクセス情報を、電子処方箋サーバー5から取得可能に構成されている。
【0049】
尚、電子処方箋サーバー5には、複数の電子処方箋が記憶されている。アクセス情報は、電子処方箋毎に異なる。
【0050】
電子処方箋サーバー5は、例えば、電子処方箋管理サービスの運営機関の施設に設置されている。管理コンピュータ2は、薬の処方内容を示す情報を、電子処方箋サーバー5へ直接送信するのではなく、当該運営機関に送信するように構成されていても良い。また、管理コンピュータ2は、電子処方箋にアクセスするためのアクセス情報を、電子処方箋サーバー5から直接取得するのではなく、当該運営機関から取得するように構成されていても良い。
【0051】
尚、端末3、プリンタ4、電子処方箋サーバー5は、精算処理システムAに含まれていても良いし、含まれていなくても良い。
【0052】
〔精算処理〕
図1に示すように、精算処理システムAは、支払情報記憶部6を備えている。支払情報記憶部6は、支払情報を記憶している。支払情報とは、患者であるユーザーの受けた診療についての診療費を示す情報である。診療費は、例えば関係法令等により規定される診療報酬の算定方法に基づく診療報酬点数により決定される。特に限定されないが、支払情報記憶部6に記憶されている支払情報は、例えば、医療機関の従業員によって入力された情報であっても良い。また、支払情報記憶部6は、例えば、医療機関の医事会計サーバーであっても良い。
【0053】
図1に示すように、精算処理装置1は、金銭収受部11、タッチパネル12(本発明に係る「第1報知部」、「第2報知部」、「案内部」に相当)、制御部20を有している。制御部20は、精算部21を含んでいる。
【0054】
精算部21は、支払情報記憶部6に記憶されている支払情報を取得する。精算部21は、当該支払情報に基づいて、診療費の支払いに関する精算処理を行う。
【0055】
即ち、精算処理システムAは、ユーザーによる診療費の支払いに関する精算処理を行う精算部21を備えている。
【0056】
詳述すると、精算部21は、金銭収受部11及びタッチパネル12を制御可能に構成されている。金銭収受部11は、精算部21の制御により、現金の収受、及び、クレジットカードに記憶されたカード情報の読み取りを行う。タッチパネル12は、各種情報を表示することができる。
【0057】
精算部21は、支払情報記憶部6から取得した支払情報に基づいて、タッチパネル12に、診療費の金額の表示や、支払い操作を促す表示を行う。また、精算部21は、ユーザーが診療費の支払いを行えるように、金銭収受部11を制御する。ユーザーが診療費の支払いを完了すると、精算処理は終了する。
【0058】
尚、制御部20、及び、制御部20に含まれる精算部21等の各機能部は、マイクロコンピュータ等の物理的な装置であっても良いし、ソフトウェアにおける機能部であっても良い。例えば、制御部20に含まれる各機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、それらプログラムをCPUにロードして実行することにより、各機能部に対応するプロセスが実行される構成であっても良い。
【0059】
〔領収書及び診療明細書の発行〕
図1に示すように、精算処理装置1は、印刷部13を有している。また、制御部20は、処理部22を含んでいる。印刷部13は、各種書類を印刷可能である。
【0060】
管理コンピュータ2は、端末3から、患者であるユーザーに対する診療内容を示す情報を受け取る。管理コンピュータ2は、患者の識別情報と対応付けた状態で、当該情報を記憶する。また、管理コンピュータ2は、当該情報に基づいて、診療明細書データを生成可能である。診療明細書データとは、診療明細書の内容を示すデータである。
【0061】
上述の精算処理の終了後、精算部21は、精算内容を示す情報を処理部22へ送る。処理部22は、当該情報に基づいて、領収書データを生成する。領収書データとは、領収書の内容を示すデータである。また、処理部22は、管理コンピュータ2から、診療明細書データを取得する。そして、処理部22は、印刷部13へ、領収書データ及び診療明細書データを送る。印刷部13は、領収書データ及び診療明細書データを印刷することにより、診療費の支払いに関する領収書、及び、診療明細書を発行する。
【0062】
以上で説明した構成により、診療費の支払いに関する精算処理が終了した後、精算処理装置1は、診療費の支払いに関する領収書、及び、診療明細書を発行する。
【0063】
〔アクセス情報の発行〕
図1に示した処理部22は、電子処方箋サーバー5に記憶された電子処方箋にアクセスするためのアクセス情報を、管理コンピュータ2から取得可能である。処理部22は、取得したアクセス情報の発行に関する処理を実行する。より具体的には、処理部22は、取得したアクセス情報をユーザーに発行する。
【0064】
そして、処理部22は、複数の発行方法によるアクセス情報の発行を行うことができる。本実施形態において、当該複数の発行方法には、第1方法、第2方法、第3方法が含まれている。以下では、第1方法、第2方法、第3方法について詳述する。
【0065】
〔第1方法〕
第1方法は、所定紙媒体へのアクセス情報の印刷による発行を行う発行方法である。特に限定されないが、第1方法において、所定紙媒体は、診療費の支払いに関する領収書、診療明細書、処方内容が記載された紙媒体、のうちの何れかであると好適である。
【0066】
また、図1に示した処理部22が実行可能な複数の発行方法に、複数種類の第1方法が含まれていても良い。例えば、当該複数の発行方法に、診療費の支払いに関する領収書へのアクセス情報の印刷による発行を行う発行方法、及び、処方内容が記載された紙媒体へのアクセス情報の印刷による発行を行う発行方法が含まれていても良い。
【0067】
処理部22が第1方法によるアクセス情報の発行を行う場合、処理部22は、印刷部13へ、アクセス情報を含むデータを送る。印刷部13が当該データを印刷することにより、アクセス情報が発行されることとなる。
【0068】
例えば、所定紙媒体が診療費の支払いに関する領収書である場合、処理部22は、上述の領収書データに、アクセス情報を組み込む。この領収書データを印刷部13が印刷することにより、図2に示すように、アクセス情報を示す二次元コード30が、診療費の支払いに関する領収書に印刷されることとなる。
【0069】
また、例えば、所定紙媒体が処方内容が記載された紙媒体である場合、処理部22は、管理コンピュータ2から、薬の処方内容を示す情報を取得する。そして、処理部22は、当該情報と、アクセス情報と、に基づいて、専用用紙データを生成する。専用用紙データとは、薬の処方内容と、アクセス情報と、が記載された専用用紙の内容を示すデータである。この専用用紙データを印刷部13が印刷することにより、図3に示すように、専用用紙が発行される。当該専用用紙は、処方内容が記載された紙媒体である。そして、当該専用用紙には、アクセス情報を示す二次元コード30が印刷されている。
【0070】
〔第2方法〕
第2方法は、アクセス情報を示す電子データの送信による発行を行う発行方法である。特に限定されないが、第2方法において、アクセス情報を示す電子データは、ユーザーの所持する携帯端末7(図1参照)により受信可能な方法で送信されると好適である。
【0071】
詳述すると、図1に示すように、制御部20は、電子メール送信部23を有している。処理部22が第2方法によるアクセス情報の発行を行う場合、処理部22は、電子メール送信部23へ、アクセス情報を含むデータを送る。電子メール送信部23は、ユーザーの所持する携帯端末7により受信可能なメールアドレスへ、当該データを電子メールにて送信する。これにより、アクセス情報が発行されることとなる。
【0072】
尚、当該電子メールにおいては、例えば、図2及び図3で示した二次元コード30と同様のコードにより、アクセス情報が示されていても良い。
【0073】
〔第3方法〕
第3方法は、ユーザーの所持する記憶媒体へのアクセス情報の書き込みによる発行を行う発行方法である。特に限定されないが、第3方法において、当該記憶媒体は、マイナンバーカード9(図1参照)に備わるIC(Integrated Circuit)チップ90(図1参照)であると好適である。
【0074】
詳述すると、図1に示すように、精算処理システムAは、ICカードリーダライタ8を備えている。ICカードリーダライタ8は、ユーザーの所持するマイナンバーカード9に備わるICチップ90に対して、情報の読み取り及び書き込みを行うことができる。
【0075】
処理部22が第3方法によるアクセス情報の発行を行う場合、処理部22は、ICカードリーダライタ8へ、アクセス情報を含むデータを送る。ICカードリーダライタ8は、当該データを、ICチップ90に書き込む。これにより、アクセス情報が発行されることとなる。
【0076】
尚、ICカードリーダライタ8は、精算処理装置1に含まれていても良いし、含まれていなくても良い。
【0077】
ここで、上述の通り、処理部22は、複数の発行方法によるアクセス情報の発行を行うことができる。そして、本実施形態において、当該複数の発行方法には、第1方法、第2方法、第3方法が含まれている。
【0078】
しかしながら、本発明はこれに限定されない。当該複数の発行方法に、第1方法、第2方法、第3方法のうちの一部が含まれていなくても良い。即ち、当該複数の発行方法は、所定紙媒体へのアクセス情報の印刷による発行を行う第1方法、アクセス情報を示す電子データの送信による発行を行う第2方法、ユーザーの所持する記憶媒体へのアクセス情報の書き込みによる発行を行う第3方法、のうち少なくとも何れか一つを含んでいる。
【0079】
尚、処理部22(あるいは精算処理装置1や精算処理システムA)は、アクセス情報をユーザーに発行する場合、処方内容を示すもの(例えば紙媒体やデータ)をユーザーに発行しないように構成されていても良い。
【0080】
〔処方箋処理フロー〕
図1に示した精算処理装置1は、図4に示す処方箋処理フローに従って、意思情報に基づいて処方箋に関する処理を実行するように構成されている。尚、意思情報とは、電子処方箋に関するユーザーの意思を示す情報である。
【0081】
図4に示す処方箋処理フローが開始されると、まず、ステップS01の処理が実行される。ステップS01では、上述の精算処理が行われる。精算処理が終了すると、処理はステップS02へ移行する。
【0082】
ここで、処理部22は、タッチパネル12を制御可能に構成されている。ステップS02では、処理部22の制御により、タッチパネル12に、図5に示す第1選択画面が表示される。第1選択画面には、左タッチボタン15及び右タッチボタン16が表示されている。左タッチボタン15には、「紙の処方箋」と表示されている。右タッチボタン16には、「電子処方箋」と表示されている。ユーザーは、左タッチボタン15及び右タッチボタン16のうち何れか一方をタッチ操作することにより、紙処方箋と電子処方箋とのうち何れの交付を希望するかを入力することができる。
【0083】
図1に示すように、制御部20は、生成部24(本発明に係る「取得部」に相当)を有している。左タッチボタン15及び右タッチボタン16のうち何れか一方がタッチ操作されると、タッチ操作の内容を示す情報が、タッチパネル12から生成部24へ送られる。生成部24は、当該情報に基づいて、意思情報を生成する。これにより、生成部24は、意思情報を取得する。尚、このとき生成部24により生成される意思情報には、交付情報が含まれている。
【0084】
意思情報とは、電子処方箋に関するユーザーの意思を示す情報である。交付情報とは、電子処方箋と、紙処方箋と、のうち何れの交付を希望するかを示す情報である。例えば、ユーザーが左タッチボタン15をタッチ操作した場合、交付情報は、紙処方箋の交付を希望することを示す情報となる。また、ユーザーが右タッチボタン16をタッチ操作した場合、交付情報は、電子処方箋の交付を希望することを示す情報となる。
【0085】
即ち、精算処理システムAは、電子データにて交付される処方箋である電子処方箋に関するユーザーの意思を示す情報である意思情報を取得する生成部24を備えている。また、意思情報は、電子処方箋と、紙媒体にて交付される処方箋である紙処方箋と、のうち何れの交付を希望するかを示す情報である交付情報を含んでいる。
【0086】
図5に示すように、左タッチボタン15には、電子処方箋を交付する場合に比べて紙処方箋を交付する場合の方がユーザーの待ち時間が長くなることを示すメッセージ(「窓口での引き渡しのため、待ち時間が長くなります。」)が表示されている。このように、精算処理システムAは、電子処方箋を交付する場合に比べて紙処方箋を交付する場合の方がユーザーの待ち時間が長くなることを報知するタッチパネル12を備えている。
【0087】
図5に示すように、右タッチボタン16には、紙処方箋を交付する場合に比べて電子処方箋を交付する場合の方がユーザーの待ち時間が短くなることを示すメッセージ(「すぐに発行致します。」)が表示されている。このように、精算処理システムAは、紙処方箋を交付する場合に比べて電子処方箋を交付する場合の方がユーザーの待ち時間が短くなることを報知するタッチパネル12を備えている。
【0088】
尚、本発明はこれに限定されない。タッチパネル12(より具体的には、例えば左タッチボタン15または右タッチボタン16)に、上述の内容以外のメッセージが表示されても良い。当該メッセージは、電子処方箋を選択することによるユーザーにとってのメリットを報知するものであると好適である。これにより、電子処方箋の選択を促すことができる。
【0089】
図5に示すように、右タッチボタン16には、ユーザーが利用する予定の薬局が電子処方箋を受付可能であるか否かの確認を促すメッセージ(「但し、使用予定の薬局が電子処方箋に対応しているか事前にご確認ください。」)が表示されている。このように、精算処理システムAは、ユーザーが利用する予定の薬局が電子処方箋を受付可能であるか否かの確認を促すタッチパネル12を備えている。
【0090】
尚、これら3つのメッセージは、紙処方箋と電子処方箋とのうち何れの交付を希望するかをユーザーが入力するよりも前に表示されると好適である。例えば、図5に示すように、第1選択画面においてこれらのメッセージが表示される構成であれば、これらのメッセージは、紙処方箋と電子処方箋とのうち何れの交付を希望するかをユーザーが入力するよりも前に表示されることとなる。
【0091】
左タッチボタン15及び右タッチボタン16のうち何れか一方がタッチ操作され、交付情報を含む意思情報が生成されると、処理はステップS03へ移行する。ステップS03では、ユーザーが電子処方箋の交付を希望しているか否かが制御部20により判定される。図5に示した第1選択画面において右タッチボタン16がタッチ操作されていた場合、ステップS03において、制御部20は、ユーザーが電子処方箋の交付を希望していると判定する(図4のステップS03にて「Yes」)。この場合、処理はステップS04へ移行する。
【0092】
ステップS04では、処理部22の制御により、タッチパネル12に、図6に示す第2選択画面が表示される。第2選択画面には、第1タッチボタン31、第2タッチボタン32、第3タッチボタン33、第4タッチボタン34が表示されている。
【0093】
第1タッチボタン31には、「領収書へ印刷」と表示されている。第2タッチボタン32には、「専用用紙へ印刷」と表示されている。第3タッチボタン33には、「マイナンバーカードへ記憶させる」と表示されている。第4タッチボタン34には、「登録メールアドレスに送付」と表示されている。ユーザーは、これらのタッチボタンのうち何れか一つをタッチ操作することにより、アクセス情報の複数の発行方法のうち何れの発行方法を希望するかを入力することができる。
【0094】
これらのタッチボタンのうち何れか一つがタッチ操作されると、タッチ操作の内容を示す情報が、タッチパネル12から生成部24へ送られる。生成部24は、当該情報に基づいて、発行情報を生成する。また、生成部24は、当該発行情報を意思情報に組み込む。尚、発行情報とは、アクセス情報の複数の発行方法のうち何れの発行方法を希望するかを示す情報である。
【0095】
例えば、ユーザーが第1タッチボタン31をタッチ操作した場合、発行情報は、診療費の支払いに関する領収書へのアクセス情報の印刷による発行(図2参照)を希望することを示す情報となる。尚、この発行方法については、上記の〔第1方法〕にて詳述した。
【0096】
また、ユーザーが第2タッチボタン32をタッチ操作した場合、発行情報は、専用用紙(処方内容が記載された紙媒体)へのアクセス情報の印刷による発行(図3参照)を希望することを示す情報となる。尚、この発行方法については、上記の〔第1方法〕にて詳述した。
【0097】
また、ユーザーが第3タッチボタン33をタッチ操作した場合、発行情報は、マイナンバーカード9に備わるICチップ90(図1参照)へのアクセス情報の書き込みによる発行を希望することを示す情報となる。尚、この発行方法については、上記の〔第3方法〕にて詳述した。
【0098】
また、ユーザーが第4タッチボタン34をタッチ操作した場合、発行情報は、ユーザーの所持する携帯端末7(図1参照)により受信可能なメールアドレスへのアクセス情報の送信による発行を希望することを示す情報となる。尚、この発行方法については、上記の〔第2方法〕にて詳述した。
【0099】
即ち、意思情報は、電子処方箋にアクセスするためのアクセス情報の複数の発行方法のうち何れの発行方法を希望するかを示す情報である発行情報を含んでいる。
【0100】
第1タッチボタン31、第2タッチボタン32、第3タッチボタン33、第4タッチボタン34のうち何れか一つがタッチ操作され、発行情報が意思情報に組み込まれると、処理はステップS05へ移行する。ステップS05では、処理部22の制御により、タッチパネル12に、図7に示す第3選択画面が表示される。第3選択画面には、「あなたの処方履歴を薬剤師が閲覧することを許可しますか?」とのメッセージが表示されている。また、第3画面には、許可ボタン35及び不許可ボタン36が表示されている。
【0101】
許可ボタン35には、「はい」と表示されている。不許可ボタン36には、「いいえ」と表示されている。ユーザーは、許可ボタン35及び不許可ボタン36のうち何れか一方をタッチ操作することにより、電子処方箋サーバー5に記憶されているユーザーの処方履歴を薬剤師が閲覧することを許可するか否かを入力することができる。
【0102】
許可ボタン35及び不許可ボタン36のうち何れか一方がタッチ操作されると、タッチ操作の内容を示す情報が、タッチパネル12から生成部24へ送られる。生成部24は、当該情報に基づいて、許可情報を生成する。また、生成部24は、当該許可情報を意思情報に組み込む。尚、許可情報とは、電子処方箋サーバー5に記憶されているユーザーの処方履歴を薬剤師が閲覧することを許可するか否かを示す情報である。
【0103】
例えば、ユーザーが許可ボタン35をタッチ操作した場合、許可情報は、電子処方箋サーバー5に記憶されているユーザーの処方履歴を薬剤師が閲覧することを許可することを示す情報となる。また、ユーザーが不許可ボタン36をタッチ操作した場合、許可情報は、電子処方箋サーバー5に記憶されているユーザーの処方履歴を薬剤師が閲覧することを許可しないことを示す情報となる。
【0104】
即ち、意思情報は、電子処方箋サーバー5に記憶されているユーザーの処方履歴を薬剤師が閲覧することを許可するか否かを示す情報である許可情報を含んでいる。
【0105】
許可情報が意思情報に組み込まれた後、生成部24から処理部22へ、意思情報が送られる。当該意思情報には、交付情報、発行情報、許可情報が含まれている。その後、処理はステップS06へ移行する。
【0106】
図4に示すステップS06、ステップS07、ステップS08において、処理部22は、意思情報に含まれる交付情報、発行情報、許可情報に基づいて、処方箋に関する処理を実行する。即ち、精算処理システムAは、意思情報に基づいて処方箋に関する処理を実行する処理部22を備えている。
【0107】
ステップS06について詳述する。処理がステップS06に移行した場合、交付情報は、電子処方箋の交付を希望することを示す情報である。ステップS06において、処理部22は、交付情報に基づいて、電子処方箋の交付処理を行うように指示する信号を、管理コンピュータ2へ送る。尚、当該信号を管理コンピュータ2へ送ることは、本発明に係る「処方箋の交付に関する処理」に相当する。「処方箋の交付に関する処理」は、「処方箋に関する処理」の具体例である。
【0108】
管理コンピュータ2は、当該信号を受け取ると、薬の処方内容を示す情報を、患者であるユーザーの識別情報と対応付けた状態で、電子処方箋サーバー5へ送信する。当該情報は、電子処方箋サーバー5において、電子処方箋として記憶される。これにより、電子処方箋が交付される。さらに、管理コンピュータ2は、電子処方箋サーバー5に記憶された電子処方箋にアクセスするためのアクセス情報を、電子処方箋サーバー5から取得する。
【0109】
このように、処理部22は、交付情報に基づいて、処方箋の交付に関する処理を実行する。
【0110】
また、ステップS06において、処理部22は、許可情報と、所定の信号と、を管理コンピュータ2へ送る。当該信号は、許可情報の内容を、患者であるユーザーの識別情報及び電子処方箋と対応付けた状態で電子処方箋サーバー5に記憶させるよう指示する信号である。尚、許可情報及び当該信号を管理コンピュータ2へ送ることは、本発明に係る「許可情報の内容を薬剤師に知らせるための処理」に相当する。
【0111】
管理コンピュータ2は、許可情報及び当該信号を受け取ると、許可情報の内容を、患者であるユーザーの識別情報及び電子処方箋と対応付けた状態で電子処方箋サーバー5に記憶させる。これにより、薬剤師が電子処方箋にアクセスした際、当該薬剤師は、許可情報の内容を知ることとなる。
【0112】
このように、処理部22は、許可情報に基づいて、許可情報の内容を薬剤師に知らせるための処理を実行する。ステップS06の後、処理はステップS07へ移行する。
【0113】
ステップS07において、処理部22は、アクセス情報、薬の処方内容を示す情報、診療明細書データを管理コンピュータ2から取得する。また、処理部22は、精算部21から、精算内容を示す情報を取得すると共に、当該情報に基づいて、領収書データを生成する。尚、領収書データ及び診療明細書データについては、上記の〔領収書及び診療明細書の発行〕にて詳述した。ステップS07の後、処理はステップS08へ移行する。
【0114】
ステップS08において、処理部22は、発行情報に基づいて、アクセス情報の発行に関する処理を実行する。例えば、ステップS04において第1タッチボタン31がタッチ操作されていた場合、ステップS08において、処理部22は、領収書データにアクセス情報を組み込む。尚、領収書データにアクセス情報を組み込むことは、本発明に係る「アクセス情報の発行に関する処理」に相当する。「アクセス情報の発行に関する処理」は、「処方箋に関する処理」の具体例である。
【0115】
また、例えば、ステップS04において第2タッチボタン32がタッチ操作されていた場合、ステップS08において、処理部22は、専用用紙データを生成する。尚、専用用紙データについては、上記の〔第1方法〕にて詳述した。また、専用用紙データを生成することは、本発明に係る「アクセス情報の発行に関する処理」に相当する。
【0116】
また、例えば、ステップS04において第3タッチボタン33がタッチ操作されていた場合、ステップS08において、処理部22は、ユーザーの所持するマイナンバーカード9に備わるICチップ90へのアクセス情報の書き込みのための処理を実行する。この処理において、処理部22は、ICカードリーダライタ8へ、アクセス情報を含むデータを送る。ICカードリーダライタ8は、当該データを、ICチップ90に書き込む。尚、この処理において、処理部22が、タッチパネル12に、マイナンバーカード9をICカードリーダライタ8へかざすように促す旨のメッセージを表示させても良い。また、ユーザーの所持するマイナンバーカード9に備わるICチップ90へのアクセス情報の書き込みのための処理は、本発明に係る「アクセス情報の発行に関する処理」に相当する。
【0117】
また、例えば、ステップS04において第4タッチボタン34がタッチ操作されていた場合、ステップS08において、処理部22は、電子メール送信部23へ、アクセス情報を含むデータを送る。電子メール送信部23は、ユーザーの所持する携帯端末7により受信可能なメールアドレスへ、当該データを電子メールにて送信する。尚、電子メール送信部23へアクセス情報を含むデータを送ることは、本発明に係る「アクセス情報の発行に関する処理」に相当する。
【0118】
尚、ステップS04において第2タッチボタン32以外のタッチボタンがタッチ操作されていた場合、ステップS08において専用用紙データは生成されない。そのため、この場合、ステップS07において、処理部22は、薬の処方内容を示す情報を管理コンピュータ2から取得しなくても良い。
【0119】
ステップS08の後、処理はステップS09へ移行する。ステップS09では、処理部22は、印刷部13へ、領収書データ及び診療明細書データを送る。印刷部13は、領収書データ及び診療明細書データを印刷することにより、診療費の支払いに関する領収書、及び、診療明細書を発行する。
【0120】
また、ステップS08において専用用紙データが生成されていた場合、ステップS09において、処理部22は、印刷部13へ、領収書データ及び診療明細書データに加えて、専用用紙データも送る。印刷部13は、専用用紙データを印刷することにより、専用用紙を発行する。この場合、印刷部13は、診療費の支払いに関する領収書、及び、診療明細書に加えて、専用用紙も発行することとなる。
【0121】
ステップS09の後、この処方箋処理フローは終了する。
【0122】
また、図5に示した第1選択画面において左タッチボタン15がタッチ操作されていた場合、ステップS03において、制御部20は、ユーザーが紙処方箋の交付を希望していると判定する(図4のステップS03にて「No」)。この場合、処理はステップS10へ移行する。
【0123】
ステップS10における処理内容は、上述のステップS05における処理内容と同様である。ただし、ステップS10において生成部24から処理部22へ送られる意思情報には、発行情報は含まれていない。ステップS10の後、処理はステップS11へ移行する。
【0124】
図4に示すステップS11において、処理部22は、意思情報に含まれる交付情報及び許可情報に基づいて、処方箋に関する処理を実行する。
【0125】
ステップS11について詳述する。処理がステップS11に移行した場合、交付情報は、紙処方箋の交付を希望することを示す情報である。ステップS11において、処理部22は、交付情報に基づいて、紙処方箋の交付処理を行うように指示する信号を、管理コンピュータ2へ送る。尚、当該信号を管理コンピュータ2へ送ることは、本発明に係る「処方箋の交付に関する処理」に相当する。
【0126】
管理コンピュータ2は、当該信号を受け取ると、紙処方箋データを生成する。尚、紙処方箋データについては、上記の〔精算処理システムの全体構成〕にて詳述した。
【0127】
また、ステップS11において、処理部22は、許可情報と、所定の信号と、を管理コンピュータ2へ送る。当該信号は、許可情報の内容を、紙処方箋データに組み込むよう指示する信号である。尚、許可情報及び当該信号を管理コンピュータ2へ送ることは、本発明に係る「許可情報の内容を薬剤師に知らせるための処理」に相当する。「許可情報の内容を薬剤師に知らせるための処理」は、「処方箋に関する処理」の具体例である。
【0128】
管理コンピュータ2は、許可情報及び当該信号を受け取ると、許可情報の内容を、紙処方箋データに組み込む。そして、管理コンピュータ2は、紙処方箋データをプリンタ4へ送信する。プリンタ4が紙処方箋データを印刷し、医師等による押印または署名が行われることにより、紙処方箋が発行される。当該紙処方箋には、許可情報の内容が記載されている。従って、薬剤師が紙処方箋を見た際、当該薬剤師は、許可情報の内容を知ることとなる。
【0129】
尚、ステップS11において、管理コンピュータ2は、薬の処方内容を示す情報を、患者であるユーザーの識別情報と対応付けた状態で、電子処方箋サーバー5へ送信しても良い。当該情報は、電子処方箋サーバー5において、電子処方箋として記憶される。この場合、管理コンピュータ2が、電子処方箋サーバー5からアクセス情報を取得すると共に、当該アクセス情報を、紙処方箋データに組み込んでも良い。これにより、紙処方箋にアクセス情報(例えば図2及び図3で示した二次元コード30と同様のコード)が印刷されることとなる。
【0130】
また、管理コンピュータ2は、ユーザーが紙処方箋の交付を希望している場合、薬の処方内容を示す情報を電子処方箋サーバー5へ送信しないように構成されていても良い。
【0131】
ステップS11の後、処理はステップS12へ移行する。ステップS12において、処理部22は、診療明細書データを管理コンピュータ2から取得する。また、処理部22は、精算部21から、精算内容を示す情報を取得すると共に、当該情報に基づいて、領収書データを生成する。尚、領収書データ及び診療明細書データについては、上記の〔領収書及び診療明細書の発行〕にて詳述した。ステップS12の後、処理はステップS09へ移行する。
【0132】
以上の構成により、意思情報に基づいた処方箋に関する処理(図4に示すステップS06、ステップS07、ステップS08、ステップS11)は、精算処理(図4に示すステップS01)が終了した後(ユーザーが診療費の支払いを完了した後)に実行される。
【0133】
以上で説明した構成によれば、電子処方箋に関するユーザーの意思に基づいて、処方箋に関する処理が実行される。これにより、電子処方箋に関するユーザーの意思が反映される。
【0134】
また、以上で説明した構成によれば、精算処理と、意思情報の取得と、処方箋に関する処理と、を行うことができる。これにより、精算処理、意思情報の取得、処方箋に関する処理に関して、実行場所や実行タイミングを揃えやすい。例えば、精算処理と同じ場所あるいは同じタイミングで、ユーザーの意思(例えば、電子処方箋と紙処方箋とのうち何れの交付を希望するか)の受け付け、及び、処方箋に関する処理(例えば、電子処方箋にアクセスするためのアクセス情報の発行処理)のうち少なくとも一方を実行するような構成を実現しやすい。その結果、精算処理、意思情報の取得、処方箋に関する処理の全てが互いに異なる場所やタイミングで行われる場合に比べて、ユーザーにとっての利便性が向上しやすい。
【0135】
従って、以上で説明した構成によれば、電子処方箋に関するユーザーの意思が反映され、且つ、ユーザーにとっての利便性が向上しやすい。
【0136】
[第2実施形態]
第1実施形態においては、電子処方箋または紙処方箋の交付に関して、ユーザーとは異なる決定主体(例えば、電子処方箋の交付が可能であるか否かを自動的に判定する情報処理装置や、医師等の医療機関の従業員)による決定に基づいた処理を実行する構成は備えられていない。
【0137】
しかしながら、本発明はこれに限定されない。以下では、本発明に係る第2実施形態について、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。以下で説明している部分以外の構成は、第1実施形態と同様である。また、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付している。
【0138】
図8に示すように、第2実施形態において、制御部20は、条件判定部40(本発明に係る「決定主体」に相当)及び決定取得部41を有している。尚、第2実施形態における精算処理システムAは、図1に示す各構成要素を備えているが、図8では、それらの一部(例えば管理コンピュータ2等)について、図示を省略している。
【0139】
条件判定部40は、所定の条件が満たされているか否かを判定する。そして、条件判定部40は、判定結果に応じて、決定情報または任意情報を生成する。決定情報とは、条件判定部40が電子処方箋と紙処方箋とのうち何れの交付を決定したかを示す情報である。任意情報とは、電子処方箋と紙処方箋とのうち何れが交付されるかについて、ユーザーの希望を反映させることを示す情報である。
【0140】
特に限定されないが、例えば、上記の「所定の条件」は、「患者であるユーザーに対する薬の処方内容に、公的医療保険適用外の医薬品が含まれていること」であっても良い。さらに、当該条件が満たされている場合、条件判定部40は、紙処方箋の交付を決定すると共に、紙処方箋の交付を決定したことを示す決定情報を生成しても良い。また、当該条件が満たされているか否かを判定するために、条件判定部40が、管理コンピュータ2から、薬の処方内容を示す情報を取得するように構成されていても良い。
【0141】
また、例えば、上記の「所定の条件」は、「患者であるユーザーが公的医療保険の有効な資格を保有していることがオンライン資格確認システム上で確認されなかったこと」であっても良い。さらに、当該条件が満たされている場合、条件判定部40は、紙処方箋の交付を決定すると共に、紙処方箋の交付を決定したことを示す決定情報を生成しても良い。また、当該条件が満たされているか否かを判定するために、条件判定部40が、オンライン資格確認システムでの確認結果を示す情報を取得するように構成されていても良い。
【0142】
条件判定部40は、電子処方箋と紙処方箋とのうち何れが交付されるかを決定した場合、決定情報を生成する。条件判定部40は、電子処方箋と紙処方箋とのうち何れが交付されるかを決定しなかった場合、任意情報を生成する。
【0143】
決定取得部41は、条件判定部40により生成された決定情報または任意情報を取得する。そして、決定取得部41は、取得した決定情報または任意情報を、処理部22へ送る。
【0144】
即ち、精算処理システムAは、ユーザーとは異なる条件判定部40が電子処方箋と紙処方箋とのうち何れの交付を決定したかを示す情報である決定情報を取得する決定取得部41を備えている。
【0145】
また、第2実施形態において、精算処理装置1は、図9に示す処方箋処理フローに従って、処方箋に関する処理を実行するように構成されている。
【0146】
図9に示す処方箋処理フローが開始されると、まず、ステップS01の処理が実行される。ステップS01では、第1実施形態と同様に、上述の精算処理が行われる。精算処理が終了すると、処理はステップS21へ移行する。
【0147】
ステップS21では、処理部22が、決定取得部41から決定情報または任意情報を取得する。その後、処理はステップS22へ移行する。
【0148】
ステップS22では、処理部22が決定取得部41から取得した情報が決定情報であるか否かが、制御部20により判定される。処理部22が決定取得部41から取得した情報が決定情報でない場合(即ち、任意情報である場合)(図9のステップS22にて「No」)、処理はステップS02へ移行する。ステップS02以降の処理については、第1実施形態と同様である。
【0149】
即ち、電子処方箋と紙処方箋とのうち何れが交付されるかを条件判定部40が決定しなかった場合、処理部22は、決定情報に基づくことなく、交付情報に基づいて、処方箋の交付に関する処理を実行する。
【0150】
処理部22が決定取得部41から取得した情報が決定情報である場合(図9のステップS22にて「Yes」)、処理はステップS23へ移行する。
【0151】
ステップS23では、処理部22が取得した決定情報が、電子処方箋の交付を決定したことを示すものであるか否かが、制御部20により判定される。処理部22が取得した決定情報が、電子処方箋の交付を決定したことを示すものである場合(図9のステップS23にて「Yes」)、処理はステップS24へ移行する。処理部22が取得した決定情報が、電子処方箋の交付を決定したことを示すものでない場合(即ち、紙処方箋の交付を決定したことを示すものである場合)(図9のステップS23にて「No」)、処理はステップS25へ移行する。
【0152】
ステップS24では、処理部22の制御により、タッチパネル12(本発明に係る「第3報知部」に相当)に、電子処方箋の交付が決定された理由を示すメッセージが表示される。その後、処理はステップS04へ移行する。
【0153】
ステップS04以降の処理については、基本的には第1実施形態と同様である。ただし、図9に示すように、ステップS24からステップS04へ移行した場合、ステップS02及びステップS03の処理は実行されない。そのため、生成部24により生成される意思情報には、交付情報が含まれない。そして、処理部22は、交付情報に代えて、決定情報に基づいて、電子処方箋の交付処理を行うように指示する信号を、管理コンピュータ2へ送る。尚、当該信号を管理コンピュータ2へ送ることは、本発明に係る「処方箋の交付に関する処理」に相当する。
【0154】
ステップS25では、処理部22の制御により、タッチパネル12に、紙処方箋の交付が決定された理由を示すメッセージが表示される。特に限定されないが、当該メッセージは、例えば、「医療保険適用外の医薬品があったため、「紙の処方箋」を自動選択します。」という内容であっても良い。
【0155】
このように、精算処理システムAは、電子処方箋と紙処方箋とのうち何れが交付されるかを条件判定部40が決定した場合に条件判定部40による決定の理由を報知するタッチパネル12を備えている。
【0156】
ステップS25の後、処理はステップS10へ移行する。ステップS10以降の処理については、基本的には第1実施形態と同様である。ただし、図9に示すように、ステップS25からステップS10へ移行した場合、ステップS02及びステップS03の処理は実行されない。そのため、生成部24により生成される意思情報には、交付情報が含まれない。そして、処理部22は、交付情報に代えて、決定情報に基づいて、紙処方箋の交付処理を行うように指示する信号を、管理コンピュータ2へ送る。尚、当該信号を管理コンピュータ2へ送ることは、本発明に係る「処方箋の交付に関する処理」に相当する。
【0157】
このように、処理部22は、決定情報に基づいて、処方箋の交付に関する処理を実行する。より具体的には、電子処方箋と紙処方箋とのうち何れが交付されるかを条件判定部40が決定した場合、処理部22は、交付情報に基づくことなく、決定情報に基づいて、処方箋の交付に関する処理を実行する。
【0158】
尚、本発明は、以上で説明した構成に限定されない。電子処方箋と紙処方箋とのうち何れが交付されるかを条件判定部40が決定した場合に、ステップS02及びステップS03の処理が実行されることによって交付情報が生成されると共に、処理部22が、交付情報よりも決定情報を優先するように構成されていても良い。この場合であっても、処理部22は、交付情報に基づくことなく、決定情報に基づいて、処方箋の交付に関する処理を実行する。
【0159】
また、条件判定部40に代わり、医師等の医療機関の従業員が、電子処方箋と紙処方箋とのうち何れが交付されるかを決定しても良い。この場合、例えば、条件判定部40に代えて、医師等の医療機関の従業員が決定情報を入力可能な情報入力部が備えられていても良い。さらに、当該情報入力部から、決定情報が決定取得部41に送られても良い。この場合、医師等の医療機関の従業員は、本発明に係る「決定主体」に相当する。
【0160】
〔その他の実施形態〕
(1)第1実施形態または第2実施形態において各部材により行われることを1つまたは複数のステップにより行う精算処理方法として構成されていても良い。例えば、精算処理システムAにおける精算処理方法であって、精算部21に対応する精算ステップと、生成部24に対応する取得ステップと、処理部22に対応する処理ステップと、を備える精算処理方法として構成されていても良い。
【0161】
(2)生成部24は、精算処理装置1の外部または精算処理システムAの外部において入力された情報に基づいて、意思情報を生成しても良い。
【0162】
(3)ユーザー毎の意思情報を記憶する記憶部が設けられると共に、当該記憶部から意思情報を取得する情報取得部が設けられていても良い。この場合、情報取得部は、本発明に係る「取得部」に相当する。また、この場合、記憶部は、精算処理装置1の外部または精算処理システムAの外部に設けられていても良い。また、この場合、図4のステップS02、ステップS04、ステップS05、ステップS10が存在していなくても良い。例えば、ユーザーが初診患者である場合には、タッチパネル12に第1選択画面、第2選択画面、第3選択画面が表示され、各画面での選択結果が意思情報として記憶部に記憶されると共に、ユーザーが初診患者でない場合には、タッチパネル12に第1選択画面、第2選択画面、第3選択画面が表示されないように構成されていても良い。
【0163】
(4)意思情報がオンライン資格確認システム等により取得されると共に、当該意思情報をオンライン資格確認システム等から取得する情報取得部が設けられていても良い。この場合、情報取得部は、本発明に係る「取得部」に相当する。この場合、オンライン資格確認システム等は、精算処理システムAに含まれていても良いし、含まれていなくても良い。
【0164】
(5)紙処方箋を交付する場合に比べて電子処方箋を交付する場合の方がユーザーの待ち時間が短くなることを音声により報知する第1音声報知部が設けられていても良い。この場合、第1音声報知部は、本発明に係る「第1報知部」に相当する。
【0165】
(6)電子処方箋を交付する場合に比べて紙処方箋を交付する場合の方がユーザーの待ち時間が長くなることを報知する第2音声報知部が設けられていても良い。この場合、第2音声報知部は、本発明に係る「第2報知部」に相当する。
【0166】
(7)ユーザーが利用する予定の薬局が電子処方箋を受付可能であるか否かの確認を促す音声案内部が設けられていても良い。この場合、音声案内部は、本発明に係る「案内部」に相当する。
【0167】
(8)図4のステップS02等におけるタッチパネル12のタッチ操作は、ユーザーの意思を聞いた医療機関の従業員等により行われても良い。この場合も、生成部24により取得される意思情報は、電子処方箋に関するユーザーの意思を示す情報となる。
【0168】
(9)アクセス情報は、二次元コード30以外の形態で示されても良い。例えば、アクセス情報は、バーコードや文字列等で示されても良い。
【0169】
(10)意思情報は、ユーザーがジェネリック医薬品の提供を希望するか否かを示す情報であるジェネリック情報を含んでいても良い。この場合、例えば、処理部22の制御により、タッチパネル12に、ジェネリック医薬品を希望するか否かを入力可能な画面が表示されると共に、当該画面での入力結果に基づいて、生成部24が、意思情報にジェネリック情報を組み込んでも良い。
【0170】
(11)許可ボタン35がタッチ操作された場合にのみ、ステップS06において、管理コンピュータ2が許可情報の内容を電子処方箋サーバー5に記憶させると共に、不許可ボタン36がタッチ操作された場合には、ステップS06において、管理コンピュータ2が許可情報の内容を電子処方箋サーバー5に記憶させない構成であっても良い。あるいは、不許可ボタン36がタッチ操作された場合にのみ、ステップS06において、管理コンピュータ2が許可情報の内容を電子処方箋サーバー5に記憶させると共に、許可ボタン35がタッチ操作された場合には、ステップS06において、管理コンピュータ2が許可情報の内容を電子処方箋サーバー5に記憶させない構成であっても良い。
【0171】
これらの構成であっても、薬剤師が電子処方箋にアクセスした際、当該薬剤師は、許可情報の内容を知ることができる。例えば、許可ボタン35がタッチ操作された場合にのみ、許可情報の内容が電子処方箋サーバー5に記憶される構成において、許可情報の内容が電子処方箋サーバー5に記憶されていない場合、薬剤師は、許可情報の内容が電子処方箋サーバー5に記憶されていないという事実から、処方履歴の閲覧が許可されていないことを知ることができる。
【0172】
尚、管理コンピュータ2が許可情報の内容を電子処方箋サーバー5に記憶させない場合、処理部22は、許可情報を管理コンピュータ2へ送らないことを決定しても良い。許可情報を管理コンピュータ2へ送らないことを決定することは、本発明に係る「許可情報の内容を薬剤師に知らせるための処理」に相当する。
【0173】
(12)許可ボタン35がタッチ操作された場合にのみ、ステップS11において、管理コンピュータ2が許可情報の内容を紙処方箋データに組み込むと共に、不許可ボタン36がタッチ操作された場合には、ステップS11において、管理コンピュータ2が許可情報の内容を紙処方箋データに組み込まない構成であっても良い。あるいは、不許可ボタン36がタッチ操作された場合にのみ、ステップS11において、管理コンピュータ2が許可情報の内容を紙処方箋データに組み込むと共に、許可ボタン35がタッチ操作された場合には、ステップS11において、管理コンピュータ2が許可情報の内容を紙処方箋データに組み込まない構成であっても良い。
【0174】
これらの構成であっても、薬剤師が紙処方箋を見た際、当該薬剤師は、許可情報の内容を知ることができる。例えば、許可ボタン35がタッチ操作された場合にのみ、許可情報の内容が紙処方箋データに組み込まれることによって許可情報の内容が紙処方箋に記載される構成において、許可情報の内容が紙処方箋に記載されていない場合、薬剤師は、許可情報の内容が紙処方箋に記載されていないという事実から、処方履歴の閲覧が許可されていないことを知ることができる。
【0175】
尚、管理コンピュータ2が許可情報の内容を紙処方箋データに組み込まない場合、処理部22は、許可情報を管理コンピュータ2へ送らないことを決定しても良い。許可情報を管理コンピュータ2へ送らないことを決定することは、本発明に係る「許可情報の内容を薬剤師に知らせるための処理」に相当する。
【0176】
(13)精算処理装置1に代えて、金銭収受部11及び精算部21を有していない処理装置が設けられていても良い。この場合、当該処理装置は、タッチパネル12、印刷部13、制御部20、処理部22、電子メール送信部23、生成部24を有していても良い。即ち、精算処理システムAは、金銭収受部11及び精算部21を有していなくても良い。
【0177】
(14)紙処方箋と電子処方箋とのうち何れの交付を希望するかをユーザーが入力できない構成であっても良い。即ち、意思情報は交付情報を含んでいなくても良い。
【0178】
(15)アクセス情報の複数の発行方法のうち何れの発行方法を希望するかをユーザーが入力できない構成であっても良い。即ち、意思情報は発行情報を含んでいなくても良い。
【0179】
(16)電子処方箋サーバー5に記憶されているユーザーの処方履歴を薬剤師が閲覧することを許可するか否かをユーザーが入力できない構成であっても良い。即ち、意思情報は許可情報を含んでいなくても良い。
【0180】
(17)タッチパネル12に代えて、各種情報を表示可能な表示装置と、情報の入力が可能な入力装置と、が設けられていても良い。この場合、第1実施形態及び第2実施形態においてタッチパネル12に表示される内容が表示装置に表示されても良い。また、タッチパネル12のタッチ操作により入力される内容が入力装置の操作により入力されても良い。この場合、表示装置は、本発明に係る「第1報知部」、「第2報知部」、「第3報知部」、「案内部」に相当する。
【0181】
尚、上述の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0182】
本発明は、診療費の支払いに関する精算処理を行う精算処理システム、精算処理装置及び精算処理方法に利用可能である。
【符号の説明】
【0183】
1 :精算処理装置
5 :電子処方箋サーバー
7 :携帯端末
9 :マイナンバーカード
12 :タッチパネル(第1報知部、第2報知部、第3報知部、案内部)
21 :精算部
22 :処理部
24 :生成部(取得部)
40 :条件判定部(決定主体)
41 :決定取得部
90 :ICチップ
A :精算処理システム
図1
図2
図3
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図9