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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018570
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】排水の処理方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/58 20230101AFI20240201BHJP
【FI】
C02F1/58 N
C02F1/58 P
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121988
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000154727
【氏名又は名称】株式会社片山化学工業研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】濱 理奈
【テーマコード(参考)】
4D038
【Fターム(参考)】
4D038AA08
4D038AB29
4D038AB32
4D038BA02
4D038BA06
4D038BB01
4D038BB06
4D038BB13
4D038BB15
4D038BB16
4D038BB18
(57)【要約】
【課題】チオシアン酸イオン及びその塩、並びに、アンモニウムイオンを含有する排水中のチオシアン酸イオン等を処理するにあたり、薬剤の添加量を極力抑え、安全で効率よく処理でき、処理排水中のCOD及び全窒素量が環境省の定める一律排水基準を満たす排水の処理方法を提供する。
【解決手段】チオシアン酸イオン及びその塩、並びに、アンモニウムイオンを含有する排水に、銅化合物を接触させる工程と、前記排水中の化学的酸素要求量(COD)と全窒素とを監視する工程とを有することを特徴とする排水の処理方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チオシアン酸イオン及びその塩、並びに、アンモニウムイオンを含有する排水に、銅化合物を接触させる工程と、
前記排水中の化学的酸素要求量(COD)と全窒素とを監視する工程とを有する
ことを特徴とする排水の処理方法。
【請求項2】
更に、排水に活性炭を接触させる工程を有する請求項1記載の排水の処理方法。
【請求項3】
銅化合物は、1価の銅塩又は2価の銅塩である請求項1又は2記載の排水の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チオシアン酸イオン及びその塩、並びに、アンモニウムイオンを含有する排水の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工業排水、とりわけ、化学工場、石油精製工場、製鋼工場、コークス工場等から、様々な性状の排水が排出されている。これらの排水中には、例えば化学的酸素要求量(COD)を指標とする有機物が含有されており、有機物をそのまま海域および湖沼等に放流すると環境汚染の原因となる可能性がある。そのため、水質汚濁防止法において、特定施設を有する事業場から海域および湖沼等に排出される排水のCOD濃度に対して一律排水基準が定められており、COD濃度を排水基準以下に低減することが求められている。
また、一律排水基準だけでは水質汚濁防止が不十分な地域において、都道府県が条例によって上乗せ排水基準を定めている。CODの上乗せ排水基準は、業種および地域によって様々ではあるが、20mg/L以下の厳しい基準を定めている例もある。
【0003】
従来、COD成分の1つに挙げられているチオシアン酸の処理方法として、例えば、排水中に次亜塩素酸ナトリウムを添加してチオシアン酸イオンを酸化分解する方法が知られている。
しかしながら、次亜塩素酸ナトリウムを使用した処理方法では、第一段階の反応をpH10~11程度に維持しないと猛毒の塩素ガスや塩化シアンガスが発生する問題があるため常時pH管理が安全上必要であり、また、反応途中で生成されるシアン、塩化シアン、シアン酸等のシアン化合物の残留を防止するために次亜塩素酸ナトリウムの添加量が多く必要であった。
【0004】
また、チオシアン酸含有排水の処理法として、例えば、特許文献1、2には、チオシアン酸含有廃液中に銅イオンを反応させる方法が開示され、特許文献3には、チオシアン酸化合物を含む廃液に第2鉄イオンを主成分とする物質を反応させる方法が開示されている。これらの特許文献には、廃液中のチオシアン酸が除去されてCOD値を低減させることができることが記載されている。
しかしながら、チオシアン酸を含有する排水にはチオシアン酸イオン以外にアンモニウムイオンが共存することが多いため、処理排水を河川や海洋に放流するためには排水中のCODに加え全窒素量も環境省の定める排水基準値以下に低減する必要であるが、従来のチオシアン酸含有排水の処理方法では排水中の全窒素の低減には何ら着目されていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許昭50-18383号公報
【特許文献2】特開昭58-159891号公報
【特許文献3】特開昭51-48564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、排水中のチオシアン酸イオン等を処理するにあたり、薬剤の添加量を極力抑え、安全で効率よく処理でき、処理排水中のCOD及び全窒素量が環境省の定める一律排水基準を満たす排水の処理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、チオシアン酸イオン及びその塩、並びに、アンモニウムイオンを含有する排水に銅化合物を接触させることで、薬剤添加量を極力抑え、安全で効率よく排水中のチオシアン酸を除去して排水中のCOD濃度及び全窒素量が環境省の定める一律排水基準を満たし得る事実を見出し、本発明を完成させた。
【0008】
(1)本発明は、チオシアン酸イオン及びその塩、並びに、アンモニウムイオンを含有する排水に、銅化合物を接触させる工程と、前記排水中の化学的酸素要求量(COD)と全窒素とを監視する工程とを有することを特徴とする排水の処理方法である。
(2)また本発明は、更に、前記排水に活性炭を接触させる工程を有する(1)記載の排水の処理方法である。
(3)また、本発明は、銅化合物が、1価の銅塩又は2価の銅塩である(1)又は(2)記載の排水の処理方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、薬剤の添加量を極力抑え、安全で効率よくチオシアン酸イオン及びその塩、並びに、アンモニウムイオンを含有する排水を処理することができる。
すなわち、本発明によれば、排水中に含有するチオシアン酸イオン等を除去することで、処理排水中のCOD及び全窒素量を環境省が定める一律排水基準値以下に低減でき、本発明の方法で処理した排水をそのまま自然界に放出しても、環境に対する影響が非常に少なくできることから、本発明の方法は産業上極めて有用である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではない。
【0011】
本発明に係る排水の処理方法(以下、本発明に係る処理方法ともいう)は、チオシアン酸イオン及びその塩、並びに、アンモニウムイオンを含有する排水に、銅化合物を接触させる工程を有する。
本発明に係る処理方法を適用する排水は、チオシアン酸イオン及びその塩、並びに、アンモニウムイオンを含有する排水であれば特に限定されるものではなく、例えば、化学工場、石油精製工場、製鋼工場、コークス工場等から排出されるチオシアン酸イオン含有排水や湿式排煙脱硫排水などが挙げられる。
【0012】
上述した特許文献1~3に記載のような従来のチオシアン酸の処理方法は、チオシアン酸の除去によるCOD量の低減を目的としており、アンモニウムイオンの存在等による全窒素量の低減については全く考慮されておらず、どのような条件で処理することでCODだけでなく全窒素量を制限できるかは全く検討されていなかった。
これに対し、本発明に係る処理方法では、チオシアン酸イオン及びその塩、並びに、アンモニウムイオンを含有する排水を所定の薬剤で処理する工程と、上記排水中のCOD及び全窒素を監視する工程とを有することで、処理排水中のCOD及び全窒素量を効果的に除去でき、環境省が定める一律基準値以下にすることが容易である。このように処理廃液中のCOD及び全窒素について着目しこれらの量を極めて少量に制御できる方法は本願発明が初めてである。
【0013】
本工程において処理の対象となる排水におけるチオシアン酸イオン濃度及びアンモニウムイオン濃度は特に限定されないが、環境省が定めるCOD及び全窒素量の一律排水基準を超える濃度であることが好ましいが、環境省が定めるCOD及び全窒素量の一律排水基準を超えない濃度の排水であっても本発明によると該排水中のCOD及び全窒素を十分に低減させることができる。
【0014】
本発明において、上記銅化合物は、水に可溶または易分散であり、水中で1価又は2価の銅イオンを形成し得る第一銅化合物又は第二銅化合物であることが好ましい。
上記第一銅化合物としては、例えば、塩化第一銅、フッ化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、硝酸第一銅および硫酸第一銅等が挙げられ、また、上記第二銅化合物としては、例えば、塩化第二銅、フッ化第二銅、臭化第二銅、ヨウ化第二銅、硝酸第二銅および硫酸第二銅等が挙げられる。
なお、上記第二銅化合物を使用する場合、還元剤を併用して上記排水中で2価の銅イオンを1価の銅イオンに還元することが好ましい。上記還元剤としては、例えば、チオ硫酸塩、亜硫酸ソーダ等の亜硫酸塩、二価の鉄塩、チオ硫酸塩等が挙げられる。
更に、上記2価の銅イオンを還1価の銅塩に還元すると、硫酸が生成するため中和剤を添加して排水を中和することが好ましい。
上記中和剤としては特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウム等が挙げられる。
また、放流前のpHに応じて、上記中和剤として、硫酸や塩酸、硝酸等も選択される。
【0015】
上記チオシアン酸イオン及びその塩、並びに、アンモニウムイオンを含有する排水に、上記銅化合物を接触させる方法としては、例えば、上記排水と上記銅化合物の混合溶液の反応を促進する意味で、撹拌器、曝気、排水の滞留が得られる流路への混合等を利用する方法が挙げられる。
上記排水と銅化合物との接触は、上記排水中のチオシアン酸イオン及びアンモニウムイオンと上記銅化合物とが接触可能な条件で行うことが好ましく、処理条件としては、該排水をpH9以下の条件下で第一銅化合物と接触させることが好ましい。
【0016】
本発明において、上記排水と銅化合物との接触は、排水との反応時には処理効果の点で、混合溶液を均一に撹拌するのが好ましいが、すでにCOD及び/又は全窒素を低減する処理がされている排水の前後に、銅化合物を接触させてもよい。
また撹拌時の反応を促進する意味で、混合溶液の温度は、ある程度加温された状態が好ましいが、20~60℃程度で十分である。
撹拌時の反応に要する時間は、排水の量およびその濃度、処理装置の形態およびその規模などにより異なるが、上記排水と銅化合物との接触が十分に接触するように適宜決定すればよい。通常、撹拌時間は10分~6時間であればよく、15~60分がより好ましい。
【0017】
本発明は、更に排水に活性炭を接触させる工程を有することが好ましい。
上記活性炭を排水に接触させる工程は、上述した排水と銅化合物とを接触させる工程中で行ってもよく、排水と銅化合物とを接触させる工程の後で行ってもよい。
上記活性炭を排水に接触させる工程を排水と銅化合物とを接触させる工程中で行う場合、上記銅化合物を排水に接触させる際に、更に、活性炭を接触させることが好ましい。
上述した銅化合物を接触させることで上記排水中にCuSCNが白濁沈殿するとともに、余剰の薬剤に由来する銅化合物および排水中のアンモニウムイオンにより可溶化された銅化合物やチオシアン酸銅の錯イオンが残留する。そのため当該化合物の処理、例えば、pH調整による銅の不溶化及び除去操作又は希釈操作が必要となるが、上記活性炭を併用することで当該化合物による銅の残留を防止できる。また、CuSCNによる白濁沈殿の沈降性を促進し、固液分離を容易にする効果も期待できる。
【0018】
排水に接触させる活性炭の原料及び形状には特に制限なく、石炭系、ヤシガラ系、その他の粒状ないし粉状のものを用いることができる。
【0019】
上記排水と銅化合物から生じる懸濁物質の除去には、シックナーおよび除濁沈殿池などの公知の装置を用いることができる。
【0020】
上記排水に、上記銅化合物を接触させる工程において、塩化アルミニウムやポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、ポリ硫酸鉄などの無機凝結剤や、水溶性カチオン性高分子化合物をさらに添加することにより、反応で生じた懸濁物質の微粒子の捕集および沈降促進により、排水処理を促進することができる。
【0021】
水溶性カチオン性高分子化合物は、水溶性であり、水溶液中でカチオン性を有する高分子化合物であれば特に限定されず、例えば、アクリルアミドとジアリルジメチルアンモニウムクロライドとの共重合体、ポリエチレンイミンやその変性体、エピクロロヒドリンとジメチルアミンの共重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリジアルキルアミノエチルアクリレート(メタクリレート)四級塩、ポリビニルピリジン四級塩、カチオン化デンプンやキチン、キトサンなどが挙げられ、また通常、有機凝結剤(分子量500~100,000程度)または高分子凝集剤(分子量100,000~10,000,000程度)と呼ばれるカチオン性凝集剤も適用できる。
【0022】
本発明では、上記排水に更に酸化剤を添加してもよい。
上述した通り、チオシアン酸イオン等を含む排水に次亜塩素酸ナトリウム(酸化剤)を添加してする方法や曝気による空気酸化によって、CODを低下させる方法は従来から知られているが、十分な処理効果を得るためには次亜塩素酸ナトリウムの添加量が多く必要であるが、本発明では上述した銅化合物による排水の処理を行うため、酸化剤の添加量を従来と比較して少量としても十分なCOD及び全窒素の低減効果を得ることができる。
上記酸化剤としては特に限定されず従来から使用されているものが使用でき、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、次亜臭素酸ナトリウム、N-モノクロロスルファマート、二酸化塩素、亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素等が挙げられる。
【0023】
本発明は、排水中の化学的酸素要求量(COD)と全窒素(T-N)とを監視する工程とを有する。
当該工程を経ることで得られた排水中のCOD及び全窒素の情報を上述した排水と銅化合物とを接触させる工程にフィードバックすることで、銅化合物と排水との接触条件を調整でき、より効率よく排水の処理が可能となる。
【0024】
上記排水中の化学的酸素要求量(COD)と全窒素とを監視する工程は、例えば、JIS K0102 17項及び45.1項に準拠して、CODMn及び全窒素を測定することで行うことができる。
【0025】
本発明において、上記排水中の化学的酸素要求量(COD)と全窒素とを監視する工程は、上記銅化合物による処理した排水を自然界に放出する直前に行ってもよく、上記排水を銅化合物に接触させる工程の直後に行ってもよい。更に、上記銅化合物に接触させる前後の排水に対してそれぞれ上記排水中の化学的酸素要求量(COD)と全窒素とを監視する工程を行うことで、上記排水を銅化合物に接触させる工程の処理条件をより詳細に決定することができるため好ましい。
【実施例0026】
以下、実施例を用いて本発明をさらに説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0027】
(試験水の調製)
下記試験例で使用するチオシアン酸イオン及びその塩、並びに、アンモニウムイオンを含有する排水として、以下の表1に示す水質の試験水を調製した(pH7.0、COD:260mg/L、T-N:140mg/L、チオシアン酸イオン 230mg/L含有)。具体的には、チオシアン酸カリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化アンモニウムを用いて試験水を調製した。
【0028】
【表1】
【0029】
(実施例1~4)
試験水200mLをビーカーに量り取り、下記表2に示した薬剤及び活性炭(実施例2、4、フタムラ化学社製、製品名IP)を表2に示した量となるように添加し、30分間撹拌した。
次いで、5Cろ紙で固液分離を行い、ろ液を回収した。
実施例1、2では、上記回収したろ液に対して、次亜塩素酸ナトリウムを表2に示した量添加し、pH10~11に調整して20分間撹拌し、その後、pH6~7に調整し、40分間撹拌し、処理水を得た。
撹拌終了後、この処理水のCODMn及びT-N(全窒素)をJIS K0102 17項及び45.1項に準拠して測定した。
実施例3、4では、上記回収したろ液に対して、pH10~11に調整して120分間曝気し、曝気終了後、CODMn及びT-N(全窒素)をJIS K0102 17項及び45.1項に準拠して測定した。
【0030】
(比較例1)
試験水200mLをビーカーに量り取り、下記表2に示した薬剤を表2に示した量を添加し、pH6~7に調整し、30分間撹拌した。
次いで、NO.5Cろ紙で固液分離を行い、ろ液を回収し、CODMn及びT-N(全窒素)をJIS K0102 17項及び45.1項に準拠して測定した。
【0031】
(比較例2、3)
試験水200mLをビーカーに量り取り、下記表2に示した薬剤を表2に示した量を添加し、pH10~11に調整し、20分間撹拌した。
次いで、pH6~7に調整し、40分間撹拌し、撹拌終了後、CODMn及びT-N(全窒素)をJIS K0102 17項及び45.1項に準拠して測定した。
(比較例4)
試験水200mLをビーカーに量り取り、pH10~11に調整して120分間曝気し、曝気終了後、CODMn及びT-N(全窒素)をJIS K0102 17項及び45.1項に準拠して測定した。
【0032】
【表2】
【0033】
表2の試験結果より、次のことが分かった。
(1)銅化合物又は銅化合物及び活性炭による処理(実施例1~4)を行うことで、排水中に含有するCODMn、T-Nともに、十分な処理効果が得られる。
(2)活性炭単独処理(比較例1)、次亜塩素酸ナトリウム単独処理(比較例2)、通気単独処理(比較例3)、無処理(比較例4)では、CODMn、T-Nともに十分な処理効果が得られない。
(3)銅化合物、銅化合物および活性炭による処理(実施例1~4)を行うことで、次亜塩素酸ナトリム単独処理(比較例2)よりも次亜塩素酸ナトリウムの添加量を削減しても、CODMn、T-Nに対して十分な処理効果が得られる。

【手続補正書】
【提出日】2023-11-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チオシアン酸イオン及びその塩、並びに、アンモニウムイオンを含有する排水に、銅化合物を接触させる工程と、
前記排水中の化学的酸素要求量(COD)と全窒素とを監視する工程とを有し、
前記排水中の化学的酸素要求量(COD)と全窒素とを監視する工程で得られた排水中の化学的酸素要求量(COD)及び全窒素の情報を、前記排水に銅化合物を接触させる工程にフィードバックすることで銅化合物と排水との接触条件を調整し、前記排水中の化学的酸素要求量(COD)と全窒素とを低減する
ことを特徴とする排水の処理方法。
【請求項2】
排水に銅化合物を接触させる工程では、前記排水中のチオシアン酸イオン及びアンモニウムイオンと前記銅化合物とが接触するものである請求項1記載の排水の処理方法。
【請求項3】
更に、排水に銅化合物を接触させる工程中及び/又は前記工程の後に、排水に活性炭を接触させる工程を有する請求項1又は2記載の排水の処理方法。
【請求項4】
銅化合物は、1価の銅塩又は2価の銅塩である請求項1又は2記載の排水の処理方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
(比較例2
試験水200mLをビーカーに量り取り、下記表2に示した薬剤を表2に示した量を添加し、pH10~11に調整し、20分間撹拌した。
次いで、pH6~7に調整し、40分間撹拌し、撹拌終了後、CODMn及びT-N(全窒素)をJIS K0102 17項及び45.1項に準拠して測定した。
(比較例
試験水200mLをビーカーに量り取り、pH10~11に調整して120分間曝気し、曝気終了後、CODMn及びT-N(全窒素)をJIS K0102 17項及び45.1項に準拠して測定した。
(比較例4)
試験水200mLをビーカーに量り取り、CODMn及びT-N(全窒素)をJIS K0102 17項及び45.1項に準拠して測定した。