IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社吉野工業所の特許一覧

<>
  • 特開-吐出器 図1
  • 特開-吐出器 図2
  • 特開-吐出器 図3
  • 特開-吐出器 図4
  • 特開-吐出器 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018575
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】吐出器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/34 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
B65D47/34 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121994
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】紅谷 翔太
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AB01
3E084BA01
3E084CC03
3E084LB02
3E084LC01
3E084LD22
3E084LD27
(57)【要約】
【課題】操作性に優れたスプリングレスの吐出器を提供する。
【解決手段】本発明に係る態様の吐出器は、第1シリンダ及び第1ピストンを有する第1ポンプ部と、第2シリンダ及び第2ピストンを有する第2ポンプ部と、第1ピストン及び第2ピストンのうち、一方のピストンの下方移動に伴い、他方のピストンを上方移動させる連係機構と、第1シリンダ及び第2シリンダの双方に接続されるとともに、第1ポンプ部により送り出される内容液、及び第2ポンプ部により送り出される内容液が流入する共通流路と、内容液が吐出される吐出口を有し、共通流路を通過した内容液が流入するノズルと、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体内の内容液が流入する第1シリンダ及び前記第1シリンダに対して上下動可能に設けられた第1ピストンを有し、前記第1シリンダに対する前記第1ピストンの下方移動に伴い前記第1シリンダ内の内容液を送り出す第1ポンプ部と、
前記容器本体内の内容液が流入する第2シリンダ及び前記第2シリンダに対して上下動可能に設けられた第2ピストンを有し、前記第2シリンダに対する前記第2ピストンの下方移動に伴い前記第2シリンダ内の内容液を送り出す第2ポンプ部と、
前記第1ピストン及び前記第2ピストン間に設けられ、前記第1ピストン及び前記第2ピストンのうち、一方のピストンの下方移動に伴い、他方のピストンを上方移動させる連係機構と、
前記第1シリンダ及び前記第2シリンダの双方に接続されるとともに、前記第1ポンプ部により送り出される内容液、及び前記第2ポンプ部により送り出される内容液が流入する共通流路と、
内容液が吐出される吐出口を有し、前記共通流路を通過した内容液が流入するノズルと、を備えている吐出器。
【請求項2】
前記第1シリンダ及び前記第2シリンダの周囲をまとめて取り囲む収容部を備え、
前記第1シリンダ及び前記第2シリンダと前記収容部との間に、前記共通流路が形成されている請求項1に記載の吐出器。
【請求項3】
前記収容部には、
前記第1シリンダ内と前記容器本体内との連通及び遮断を切り替える第1流入弁と、
前記第1シリンダ内と前記共通流路内との連通及び遮断を切り替える第1吐出弁と、
前記第2シリンダ内と前記容器本体内との連通及び遮断を切り替える第2流入弁と、
前記第2シリンダ内と前記共通流路内との連通及び遮断を切り替える第2吐出弁と、が設けられている請求項2に記載の吐出器。
【請求項4】
前記第1流入弁と前記第1吐出弁とは、一体形成され、
前記第2流入弁と前記第2吐出弁とは、一体形成されている請求項3に記載の吐出器。
【請求項5】
前記連係機構は、
前記第1ピストンに設けられた上下方向に延びる第1ラックと、
前記第2ピストンに設けられた上下方向に延びる第2ラックと、
前記第1ラック及び前記第2ラックの間に軸線回りに回転可能に設けられ、前記第1ラック及び前記第2ラックがそれぞれ噛み合うピニオンと、を備えている請求項1から請求項4の何れか1項に記載の吐出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば下記特許文献1に示されるように、内容液が収容された容器体の口部に上方付勢状態で下方移動可能に設けられたステムを有するポンプ部と、ステムの上端部に装着されるとともに、吐出口が形成された吐出ヘッドと、ポンプ部を口部に装着する装着キャップと、を備えた吐出器が知られている。この種の吐出器では、口部に装着した状態で、吐出ヘッドを押下してステムを下方に移動させポンプ部を作動させることにより、ステム内を通過した内容物が吐出口から吐出される。
一般に、ステムを上方付勢する付勢部材は、金属材料で形成されるとともに、ポンプ部のシリンダ内に収容されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-34838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近時では、金属材料からなる付勢部材を用いない、いわゆるスプリングレスの吐出器の採用が望まれている。
【0005】
本発明は、操作性に優れたスプリングレスの吐出器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を採用した。
(1)本発明の一態様に係る吐出器は、容器本体内の内容液が流入する第1シリンダ及び前記第1シリンダに対して上下動可能に設けられた第1ピストンを有し、前記第1シリンダに対する前記第1ピストンの下方移動に伴い前記第1シリンダ内の内容液を送り出す第1ポンプ部と、前記容器本体内の内容液が流入する第2シリンダ及び前記第2シリンダに対して上下動可能に設けられた第2ピストンを有し、前記第2シリンダに対する前記第2ピストンの下方移動に伴い前記第2シリンダ内の内容液を送り出す第2ポンプ部と、前記第1ピストン及び前記第2ピストン間に設けられ、前記第1ピストン及び前記第2ピストンのうち、一方のピストンの下方移動に伴い、他方のピストンを上方移動させる連係機構と、前記第1シリンダ及び前記第2シリンダの双方に接続されるとともに、前記第1ポンプ部により送り出される内容液、及び前記第2ポンプ部により送り出される内容液が流入する共通流路と、内容液が吐出される吐出口を有し、前記共通流路を通過した内容液が流入するノズルと、を備えている。
【0007】
本態様によれば、一方のピストンの下方移動に伴い、他方のピストンを上方移動させることで、一方のポンプ部から送り出される内容液を吐出口から吐出できるとともに、他方のポンプ部によって内容液を吸い上げることができる。これにより、従来のようにピストンを上方付勢する金属製の付勢部材を用いることなく、ポンプ部を繰り返し動作させることができる。その結果、廃棄時やリサイクル時の分別を不要にすることができる。また、全ての部材を単一に素材(ポリプロピレン等)にすることでリサイクルへの対応も期待できる。
しかも、一方のピストンの上下動により他方のピストンを上下動させるので、例えば合成樹脂材料により形成された付勢部材を弾性変形させてピストンを上下動させる構成に比べ、耐久性を向上させることができる。
【0008】
特に、本態様によれば、第1シリンダ及び第2シリンダの双方に接続されるとともに、第1ポンプ部により送り出される内容液、及び第2ポンプ部により送り出される内容液が流入する共通流路を備える構成とした。
この構成によれば、各シリンダに別々の流路を設ける場合に比べて、部品点数の増加を抑制できるとともに、平面視での小型化を図ることができる。
【0009】
(2)上記(1)の態様に係る吐出器において、前記第1シリンダ及び前記第2シリンダの周囲をまとめて取り囲む収容部を備え、前記第1シリンダ及び前記第2シリンダと前記収容部との間に、前記共通流路が形成されていることが好ましい。
本態様によれば、第1ポンプ部及び第2ポンプ部から共通流路に対して内容液を均等に送り出し易い。例えば第1ポンプ部及び第2ポンプ部から一方向に突出するように共通流路を設ける場合に比べ、平面視での小型化を図った上で、共通流路の容積を確保できる。
【0010】
(3)上記(2)の態様に係る吐出器において、前記収容部には、前記第1シリンダ内と前記容器本体内との連通及び遮断を切り替える第1流入弁と、前記第1シリンダ内と前記共通流路内との連通及び遮断を切り替える第1吐出弁と、前記第2シリンダ内と前記容器本体内との連通及び遮断を切り替える第2流入弁と、前記第2シリンダ内と前記共通流路内との連通及び遮断を切り替える第2吐出弁と、が設けられていることが好ましい。
本態様によれば、各シリンダ内と容器本体内との連通及び遮断、並びに各シリンダ内と共通流路との連通及び遮断を確実に切り替えることができる。そのため、ポンプ部を操作した際の動作信頼性を向上させることができる。
【0011】
(4)上記(3)の態様に係る吐出器において、前記第1流入弁と前記第1吐出弁とは、一体形成され、前記第2流入弁と前記第2吐出弁とは、一体形成されていることが好ましい。
本態様によれば、流入弁及び吐出弁を別々に設ける場合に比べて部品点数の削減を図ることができる。
【0012】
(5)上記(1)から(4)の何れかの態様に係る吐出器において、前記連係機構は、前記第1ピストンに設けられた上下方向に延びる第1ラックと、前記第2ピストンに設けられた上下方向に延びる第2ラックと、前記第1ラック及び前記第2ラックの間に軸線回りに回転可能に設けられ、前記第1ラック及び前記第2ラックがそれぞれ噛み合うピニオンと、を備えていることが好ましい。
本態様によれば、一方のピストンに設けられた一方のラックの直線運動がピニオンによって回転運動に変換されることで、他方のピストンに設けられた他方のラックを一方のラックの移動方向とは逆方向の直線運動に変換することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の態様によれば、操作性に優れたスプリングレスの吐出器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】吐出容器の左右方向に沿う縦断面図である。
図2】吐出容器の前後方向に沿う縦断面図である。
図3】吐出容器の平面図である。
図4】吐出容器の横断面図である。
図5】吐出容器の左右方向に沿う縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する実施形態や変形例において、対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
図1に示されるように、本実施形態の吐出容器1は、内容液が収容される容器体Aと、容器体Aに組み付けられた吐出器10と、を備えている。吐出器10は、装着キャップ11と、吐出器本体12と、を備えている。本実施形態において、吐出器10を構成する全ての部品は、合成樹脂材料により形成されている。
【0016】
装着キャップ11は、周壁部11a及び頂壁部11bを有する有頂筒状に形成されている。本実施形態の装着キャップ11は、平面視で長円形状に形成されている。以下の説明において、装着キャップ11の中心軸線Oに沿う方向を上下方向という。吐出容器1において、上下方向に沿う容器体Aの底部側を下側とし、容器体Aの口部A1側と反対側を上側とする。また、上下方向から見て中心軸線Oに交差する方向を径方向といい、中心軸線O回りに周回する方向を周方向という場合がある。さらに、径方向のうち短軸方向を前後方向L1とし、長軸方向を左右方向L2として説明する。
【0017】
装着キャップ11は、頂壁部11bと口部A1との間にパッキンを挟んだ状態で、容器体Aの口部A1に対して着脱可能に装着されている。周壁部11aの上部には、下部に比べて外径が縮小する縮径部11cが形成されている。頂壁部11bには、頂壁部11bを上下方向に貫通する通過孔11dが形成されている。通過孔11dは、左右方向L2を長軸方向とする長円形状に形成されている。
【0018】
吐出器本体12は、保持部材21と、第1吐出モジュール22と、第2吐出モジュール23と、ノズル部材24と、連係機構25と、を備えている。
【0019】
保持部材21は、第1吐出モジュール22及び第2吐出モジュール23を保持する。保持部材21は、収容部31と、第1取付筒32と、第2取付筒33と、を備えている。
収容部31は、装着キャップ11と同軸に配置された有底筒状に形成されている。具体的に、収容部31は、収容筒31aと、底壁部31bと、を備えている。
【0020】
収容筒31aは、通過孔11dを上下方向に貫いた状態で、通過孔11d内に嵌め込まれている。収容筒31aのうち、頂壁部11bよりも上方に位置する部分には、上側導入孔31a1が形成されている。上側導入孔31a1は、収容筒31aを径方向(左右方向L2)に貫通している。収容筒31aのうち、頂壁部11bよりも下方に位置する部分には、下側導入孔31a2が形成されている。下側導入孔31a2は、収容筒31aを径方向(左右方向L2)に貫通している。すなわち、下側導入孔31a2は、容器本体A内と収容部31内とを常時連通させている。本実施形態において、上側導入孔31a1と下側導入孔31a2は、周方向で同じ位置に形成されている。但し、上側導入孔31a1と下側導入孔31a2は、周方向で異なる位置に形成されていてもよい。
【0021】
図2図4に示すように、収容筒31aのうち、前後方向L1の一方側(以下、前方とする。)に位置する部分であって、左右方向L2の中央部には、連通口31a3が形成されている。連通口31a3は、収容筒31aのうち頂壁部11bよりも上方に位置する部分を前後方向L1に貫通している。連通口31a3の内径は、上側導入孔31a1及び下側導入孔31a2の内径よりも大きい。また、図示の例において、連通口31a3の下端は、上側導入孔31a1の下端よりも下方に位置している。
【0022】
図1に示すように、底壁部31bは、収容筒31aの下端開口部を閉塞している。底壁部31bには、第1吸込孔31b1及び第2吸込孔31b2が形成されている。第1吸込孔31b1及び第2吸込孔31b2は、底壁部31bを上下方向に貫通している。第1吸込孔31b1及び第2吸込孔31b2は、左右方向L2に間隔をあけて配置されている。底壁部31bのうち、第1吸込孔31b1の周囲に位置する部分には、第1環状溝31b3が形成されている。第1環状溝31b3は、第1吸込孔31b1の第1軸線P1と同軸の円形状に形成されている。底壁部31bのうち、第2吸込孔31b2の周囲に位置する部分には、第2環状溝31b4が形成されている。第2環状溝31b4は、第2吸込孔31b2の第2軸線P2と同軸の円形状に形成されている。なお、第1軸線P1は、中心軸線Oに対して左右方向L2の一方側に位置して、中心軸線Oと平行に延びている。第2軸線P2は、中心軸線Oに対して左右方向L2の他方側に位置して、中心軸線Oと平行に延びている。
【0023】
第1取付筒32は、底壁部31bのうち第1吸込孔31b1と第1環状溝31b3との間に位置する部分から、第1軸線P1と同軸上に下方に延びている。第1取付筒32には、第1吸込筒35が嵌め込まれている。第1吸込筒35は、容器本体A内を下方に延びている。
第2取付筒33は、底壁部31bのうち第2吸込孔31b2と第2環状溝31b4との間に位置する部分から、第2軸線P2と同軸上に下方に延びている。第2取付筒33には、第2吸込筒36が嵌め込まれている。第2吸込筒36は、容器本体A内を下方に延びている。
【0024】
第1吐出モジュール22は、第1シリンダ41及び第1ピストン42を有する第1ポンプ部43と、第1操作ヘッド44と、第1弁部材45と、を備えている。第2吐出モジュール23は、第2シリンダ51及び第2ピストン52を有する第2ポンプ部53と、第2操作ヘッド54と、第2弁部材55と、を備えている。
【0025】
まず、本実施形態において、第1シリンダ41及び第2シリンダ51は、シリンダ形成部材60として一体に形成されている。すなわち、図1図4に示すように、シリンダ形成部材60は、枠部61と、外フランジ部62と、第1シリンダ41と、第2シリンダ51と、上閉塞部63と、一対の横閉塞部64と、を備えている。
枠部61は、収容筒31aと同軸に配置された筒状に形成されている。枠部61は、収容筒31a内に挿入されている。
外フランジ部62は、枠部61の上端開口縁から径方向の外側に張り出している。外フランジ部62は、収容筒31aの上端開口縁に形成された段差部内に密に嵌め込まれている。
【0026】
第1シリンダ41は、第1軸線P1と同軸に延びる筒状に形成されている。第1シリンダ41の上端部は、第1軸線P1に対して左右方向に一方側に位置する部分(以下、一方側半部という。)が枠部61として共用され、左右方向の他方側に位置する部分(以下、他方側半部という。)が枠部61とは離間した状態で、収容筒31a内を上下方向に延びている。
第2シリンダ51は、第2軸線P2と同軸に延びる筒状に形成されている。第2シリンダ51の上端部は、第2軸線P2に対して左右方向に他方側に位置する部分(以下、他方側半部という。)が枠部61として共用され、左右方向の一方側に位置する部分(以下、一方側半部という。)が枠部61とは離間した状態で、収容筒31a内を上下方向に延びている。
【0027】
上閉塞部63は、第1シリンダ41及び第2シリンダ51の上端開口縁のうち、左右方向L2で向かい合う部分と、枠部61の上端縁と、で囲まれた部分に連なっている。上閉塞部63は、第1シリンダ41及び第2シリンダ51の上端開口縁のうち、左右方向L2で向かい合う部分同士と、枠部61の上端縁と、で囲まれた部分を閉塞している。
【0028】
各横閉塞部64は、枠部61のうち、第1シリンダ41及び第2シリンダ51間に位置する部分であって、前後方向L1で向かい合う部分からそれぞれ下方に延びている。各横閉塞部64のうち前方に位置する横閉塞部64は、各シリンダ41,51のうち最前端部同士を左右方向L2に接続している。各横閉塞部64のうち前後方向L1の他方側(以下、後方とする。)に位置する横閉塞部64は、各シリンダ41,51のうち最後端部同士を左右方向L2に接続している。したがって、各横閉塞部64、第1シリンダ41の一方側半部及び第2シリンダ51の他方側半部は、平面視において中心軸線Oを中心とする長円形状に形成されている。
【0029】
シリンダ形成部材60のうち外フランジ部62よりも下方に位置する部分であって、シリンダ形成部材60と収容部31との間には、共通流路Sが形成されている。共通流路Sは、シリンダ形成部材60と底壁部31bとの間に形成された下部流路S1と、シリンダ形成部材60と収容筒31aとの間に形成された側部流路S2と、を備えている。下部流路S1は、第1吸込孔31b1及び第2吸込孔31b2それぞれに連通可能となっている。側部流路S2は、シリンダ形成部材60の全周を取り囲むように設けられている。したがって、側部流路S2は、第1シリンダ41及び第2シリンダ51をまとめて取り囲んでいる。側部流路S2は、各導入孔31a1,31a2及び連通口31a3に連通している。側部流路S2の下端部は、下部流路S1に連通している。一方、側部流路S2の上端部は、外フランジ部62と収容筒31aの段差部とによってシールされている。
【0030】
続いて、第1吐出モジュール22及び第2吐出モジュール23の構成について詳細に説明する。第1吐出モジュール22及び第2吐出モジュール23は、中心軸線Oに対して左右方向L1で対称となる構成である。したがって、以下の説明では、第1吐出モジュール22を例にして、吐出モジュール22,23の構成について説明する。そして、第2吐出モジュール23のうち、第1吐出モジュール22に対応する構成については、適宜説明を省略する場合がある。また、以下の説明では、図1に示すように、第1操作ヘッド44(及び第1ピストン42)が最下端位置にあり、第2操作ヘッド54(及び第2ピストン52)が最上端位置にある状態を基準に説明する。
【0031】
第1シリンダ41は、シリンダ筒65と、ピストンストッパ66と、弁ストッパ67と、を備えている。
シリンダ筒65は、第1シリンダ41の上端部(枠部61)よりも小径に形成されている。
ピストンストッパ66は、シリンダ筒65の下端開口縁から第1軸線P1に向けて張り出している。ピストンストッパ66は、シリンダ筒65の全周に亘って形成されていても、シリンダ筒65の一部に形成されていてもよい。
弁ストッパ67は、第1軸線P1と同軸の筒状に形成されている。弁ストッパ67は、ピストンストッパ66のうち、シリンダ筒65の外周面よりも第1軸線P1寄りに位置する部分から下方に延びている。弁ストッパ67の下端縁は、底壁部31bに対して上方に離間している。したがって、第1シリンダ41は、弁ストッパ67の下端開口部を通じて下部流路S1に連通可能である。
【0032】
第1ピストン42は、シリンダ筒65の内周面上を摺動しながら、第1シリンダ41に対して上下動可能に構成されている。具体的に、第1ピストン42は、外側取付部71と、内側取付部72と、摺動筒73と、突当部74と、を備えている。
外側取付部71は、第1軸線P1と同軸に配置された有底筒状に形成されている。
内側取付部72は、外側取付部71の底壁部から上方に延びる有頂筒状に形成されている。
【0033】
摺動筒73は、外側取付部71の周囲を取り囲んでいる。摺動筒73は、第1ピストン42が第1シリンダ41に対して上下動する際、シリンダ筒65の内周面上を摺動する。
突当部74は、外側取付部71から下方に延びている。突当部74の下端縁は、摺動筒73よりも下方に位置している。突当部74は、第1ピストン42が最下端位置にあるとき、ピストンストッパ66に上方から当接することで、第1シリンダ41に対する第1ピストン42の下方移動を規制する。
【0034】
第1操作ヘッド44は、第1ピストン42を押下操作するためのものである。第1操作ヘッド44は、第1軸線P1と同軸に配置された有頂筒状に形成されている。具体的に、第1操作ヘッド44は、連結筒76と、操作部77と、を備えている。
連結筒76は、第1軸線P1と同軸に配置されている。連結筒76は、第1シリンダ41よりも上方に突出した状態で、第1シリンダ41内に挿入されている。連結筒76の下端部は、内側取付部72と外側取付部71との間に嵌め込まれている。
操作部77は、連結筒76の上端開口部を閉塞している。操作部77は、平面視において連結筒76よりも大きく形成されている。
【0035】
第1弁部材45は、第1ベース筒81と、第1流入弁82と、第1吐出弁83と、を備えている。
第1ベース筒81は、第1軸線P1と同軸に配置されている。第1ベース筒81は、第1環状溝31b3内に嵌め込まれている。
【0036】
第1流入弁82は、第1ベース筒81の内側に第1ベース筒81に対して上下方向に弾性変位可能に設けられている。第1流入弁82は、第1ベース筒81の上端開口縁に一体に連なっている。第1流入弁82は、第1ベース筒81から第1軸線P1側に延びる複数の連結片を介して閉塞板が設けられた構成である。第1流入弁82は、第1シリンダ41内の圧力の増減に応じて第1吸込孔31b1を開閉する。具体的に、第1流入弁82は、第1シリンダ41内の減圧時に第1吸込孔31b1を通じて第1シリンダ41内と容器本体A内とを連通させ、第1シリンダ41内の加圧時に第1吸込孔31b1を通じた第1シリンダ41内と容器本体A内との連通を遮断する逆止弁である。
【0037】
第1吐出弁83は、第1ベース筒81の上端開口縁に第1軸線P1から離間する向きに張り出している。第1吐出弁83は、第1ベース筒81の全周に亘って第1ベース筒81と一体で連なっている。第1吐出弁83は、第1ベース筒81との接続部分を起点に、上下方向に弾性変形可能に構成されている。弁ストッパ67の下端開口縁に下方から接離することで、第1シリンダ41内と下部流路S1との連通及び遮断を切り替える。具体的に、第1吐出弁83は、第1シリンダ41内の加圧時に第1シリンダ41内と共通流路S(下部流路S1)とを連通させ、第1シリンダ41内の減圧時に第1シリンダ41内と下部流路S1との連通を遮断する逆止弁である。
【0038】
続いて、第2吐出モジュール23について説明する。
第2シリンダ51は、第1シリンダ41と同様に、シリンダ筒91と、ピストンストッパ92と、弁ストッパ93と、を備えている。第2シリンダ51は、弁ストッパ93の下端開口部を通じて下部流路S1に連通可能である。
【0039】
第2ピストン52は、シリンダ筒91の内周面上を摺動しながら、第2シリンダ51に対して上下動可能に構成されている。第2ピストン52は、第1ピストン42と同様に、外側取付部95と、内側取付部96と、摺動筒97と、突当部98とを備えている。
【0040】
第2操作ヘッド54は、第2ピストン52を押下操作するためのものである。第2操作ヘッド54は、第1操作ヘッド44と同様に、連結筒101と、操作部102と、を備えている。
【0041】
第2弁部材55は、第1弁部材45と同様に、第2ベース筒105と、第2流入弁106と、第2吐出弁107と、を備えている。
第2ベース筒105は、第2軸線P2と同軸に配置されている。第2ベース筒105は、第2環状溝31b4内に嵌め込まれている。
【0042】
第2流入弁106は、第2シリンダ51内の減圧時に第2吸込孔31b2を通じて第2シリンダ51内と容器本体A内とを連通させ、第2シリンダ51内の加圧時に第2吸込孔31b2を通じた第2シリンダ51内と容器本体A内との連通を遮断する逆止弁である。
第2吐出弁107は第2シリンダ51内の加圧時に第2シリンダ51内と共通流路S(下部流路S1)とを連通させ、第2シリンダ51内の減圧時に第2シリンダ51内と下部流路S1との連通を遮断する逆止弁である。
【0043】
図1図4に示すように、ノズル部材24は、平面視外形が装着キャップ11と同等に形成された有頂筒状の部材である。ノズル部材24は、外筒110と、天壁部111と、内筒112と、第1シール筒113と、第2シール筒114と、ノズル115と、を備えている。
【0044】
外筒110の内側には、装着キャップ11の縮径部11cが嵌め込まれている。
天壁部111は、外筒110の上端開口部を閉塞している。天壁部111のうち平面視で第1操作ヘッド44と重なり合う部分には、第1引出孔111aが形成されている。第1操作ヘッド44の連結筒76は、第1引出孔111aを上下方向に貫いている。天壁部111のうち平面視で第2操作ヘッド54と重なり合う部分には、第2引出孔111bが形成されている。第2操作ヘッド54の連結筒101は、第2引出孔111bを上下方向に貫いている。天壁部111の外周縁(外筒110との境界部分)には、左右方向L2の外側に張り出す指掛け部111cが形成されている。
【0045】
内筒112は、天壁部111のうち外筒110よりも径方向の内側に位置する部分から下方に延びている。内筒112は、中心軸線Oと同軸の長円形状に形成されている。内筒112内には、収容筒31aの上端部が嵌め込まれている。図1に示すように、内筒112のうち、上側導入孔31a1と側面視で重なり合う部分には、接続孔112aが形成されている。接続孔112aは、引出孔111a,111b等を通じて吐出容器1の外部に連通している。したがって、接続孔112aは、上側導入孔31a1を通じて収容部31の内部と吐出容器1の外部とを連通している。
【0046】
第1シール筒113は、天壁部111のうち第1シリンダ41と平面視で重なり合う位置から下方に延びている。第1シール筒113は、第1シリンダ41内に密に嵌め込まれている。
第2シール筒114は、天壁部111のうち第2シリンダ51と平面視で重なり合う位置から下方に延びている。第2シール筒114は、第2シリンダ51内に密に嵌め込まれている。
【0047】
図2図4に示すように、ノズル115は、外筒110のうち、左右方向L2における第1吐出モジュール22及び第2吐出モジュール23間に位置する部分であって、第1吐出モジュール22及び第2吐出モジュール23よりも前方に位置する部分から前方に延びている。ノズル115の後端部は、外筒110及び内筒112を前後方向L1に貫き、連通口31a3を通じて共通流路S(側部流路S2)に連通している。ノズル115の前端開口部は、吐出口115aを構成している。
【0048】
図1図3に示すように、連係機構25は、第1操作ヘッド34及び第2操作ヘッド54間を連係している。連係機構25は、いわゆるラック&ピニオン機構によって、第1操作ヘッド34及び第2操作ヘッド54の何れか一方の操作ヘッドの下方移動に伴い、他方の操作ヘッドを上方移動させる。連係機構25は、ベース壁121と、支持壁122と、ピニオン123と、第1ラック124と、第2ラック125と、を備えている。
【0049】
ベース壁121は、天壁部111のうち、左右方向L2で第1操作ヘッド34及び第2操作ヘッド54間に位置する部分であって、第1操作ヘッド34及び第2操作ヘッド54に対して後方に位置する部分から上方に延びている。ベース壁121の上端部には、第1軸受孔121aが形成されている。第1軸受孔121aは、ベース壁121を前後方向L1で貫通している。
【0050】
支持壁122は、天壁部111のうちベース壁121に対して前方に位置する部分に設けられている。支持壁122のうち、第1軸受孔121aと向かい合う部分には、第2軸受孔122aが形成されている。第2軸受孔122aは、支持壁122の上端縁上で開口している。
【0051】
ピニオン123は、前後方向L1に沿う軸線Q回りに回転可能にベース壁121及び支持壁122間に支持されている。具体的に、ピニオン123は、ギヤ本体部123aと、軸部123bと、を備えている。
ギヤ本体部123aは、軸線Qと同軸に配置された円板状に形成されている。ギヤ本体部123aの外周面には、複数の歯部が軸線Q回りに複数形成されている。ギヤ本体部123aは、ベース壁121と支持壁122との間に配置されている。
【0052】
軸部123bは、ギヤ本体部123aに対して前後方向L1の両側に突出するように、軸線Qと同軸に延びている。軸部123bのうち、ギヤ本体部123aに対して後方に位置する部分は、第1軸受孔121a内に挿入されている。軸部123bのうち、ギヤ本体部123aに対して前方に位置する部分は、第2軸受孔122a内に上方から嵌め込まれている。ピニオン123は、軸部123bが対応する軸受孔121a,122a内で保持されることで、軸線Q回りに回転可能に構成されている。
【0053】
第1ラック124は、第1操作ヘッド34の連結筒76における左右方向L2の他方側を向く面に、上下方向に亘って設けられている。第1ラック124は、ピニオン123(ギヤ本体部123a)に対して左右方向L1の一方側からピニオン123に噛み合っている。
第2ラック125は、第2操作ヘッド54の連結筒101における左右方向L2の一方側を向く面に、上下方向に亘って設けられている。すなわち、第1ラック124と第2ラック125は、ピニオン123(軸線Q)を間に挟んで左右方向L2に向かい合っている。第2ラック125は、ピニオン123に対して左右方向L2の他方側からピニオン123に噛み合っている。
【0054】
次に、上述した吐出容器1の動作について説明する。以下の説明では、図1に示すように、第1操作ヘッド44(及び第1ピストン42)が最下端位置にあり、第2操作ヘッド54(及び第2ピストン52)が最上端位置にある状態を初期状態として説明する。
【0055】
図1図5に示すように、初期状態の吐出容器1について、指掛け部111cに指を引っ掛けた状態で、操作部102を介して第2操作ヘッド54を押し下げる。すると、第2操作ヘッド54及び第2ピストン52は、第2ピストン52が第2シリンダ51(シリンダ筒91)の内周面上を摺動しながら、第2シリンダ51に対して下降する。これにより、第2シリンダ51内が加圧される。すると、第2流入弁106が第2吸込孔31b2の開口縁に押し付けられることで、容器本体A内と第2シリンダ51内との連通が遮断された状態を維持する。
【0056】
一方、第2シリンダ51内が加圧されることで、第2吐出弁107が弁ストッパ93の下端開口縁から離間する。これにより、第2シリンダ51内と共通流路S(下部流路S1)とが連通する。すると、第2シリンダ51内の内容液は、第2吐出弁107と弁ストッパ93との間から共通流路S(下部流路S1)に流入する。下部流路S1内に流入した内容液は、下部流路S1内を径方向の外側に流れた後、側部流路S2内を上方に向けて流れる。その後、内容液は、接続孔112aを通じてノズル115内に流入した後、吐出口115aを通じて吐出される。
【0057】
ここで、第2操作ヘッド54の下降に伴い、第2ラック125が第2操作ヘッド54とともに下降することで、ピニオン123が軸線Q回りの一方側に回転する。これにより、ピニオン123の回転力が第1ラック124に伝達されることで、第1ラック124が第1操作ヘッド44及び第1ピストン42とともに上方に移動する。
【0058】
第1ピストン42は、第1シリンダ41の内周面上を摺動しながら第1シリンダ41に対して上昇する。これにより、第1シリンダ41内が減圧される。すると、第1吐出弁83は、弁ストッパ67の下端開口縁に押し付けられることで、第1シリンダ41内と共通流路S(下部流路S1)との連通が遮断された状態を維持する。一方、第1流入弁82は、上方に引き上げられることで、第1吸込孔31b1から離間する。これにより、第1吸込孔31b1が開放され、容器本体A内と第1シリンダ41内とが連通する。その結果、容器本体A内の内容液が第1吸込筒35を通じて第1シリンダ41内に流入する。なお、容器本体A内の内容液が第1シリンダ41内に流入することに伴い、容器本体A内が負圧になる。これにより、外気が接続孔112a及び上側導入孔31a1を通じて側部流路S2内に導入される。側部流路S2内に導入された外気は、下側導入孔31a2を通じて容器本体A内に導入される。
【0059】
そして、第2操作ヘッド54が最下降端位置に到達した際には、第1操作ヘッド34が最上端位置に到達する。すなわち、次回の吐出操作の際には、第1操作ヘッド34を押下することで、第1シリンダ41内の内容液が共通流路Sを通じてノズル115内に流入した後、吐出口115aから吐出される。一方、第1操作ヘッド44の下降に伴い、第1ラック124が第1操作ヘッド44とともに下降することで、ピニオン123が軸線Q回りの他方側に回転する。これにより、ピニオン123の回転力が第2ラック125に伝達されることで、第2ラック125が第2操作ヘッド54とともに上方に移動する。その結果、第1操作ヘッド44の下降に伴い第2操作ヘッド54が上昇することで、第2シリンダ51内に内容液が充填される。
【0060】
このように、本実施形態では、第1ピストン42及び第2ピストン52のうち、一方のピストンの下方移動に伴い、他方のピストンを上方移動させる連係機構25を備える構成とした。
この構成によれば、一方のピストンの下方移動に伴い、他方のピストンを上方移動させることで、一方のポンプ部から送り出される内容液を吐出口115aから吐出できるとともに、他方のポンプ部によって内容液を吸い上げることができる。これにより、従来のようにピストンを上方付勢する金属製の付勢部材を用いることなく、ポンプ部を繰り返し動作させることができる。その結果、廃棄時やリサイクル時の分別を不要にすることができる。また、全ての部材を単一に素材(ポリプロピレン等)にすることでリサイクルへの対応も期待できる。
しかも、一方のピストンの上下動により他方のピストンを上下動させるので、例えば合成樹脂材料により形成された付勢部材を弾性変形させてピストンを上下動させる構成に比べ、耐久性を向上させることができる。
【0061】
特に、本実施形態の吐出器10では、第1シリンダ41及び第2シリンダ51の双方に接続されるとともに、第1ポンプ部43により送り出される内容液、及び第2ポンプ部53により送り出される内容液が流入する共通流路Sを備える構成とした。
この構成によれば、各シリンダ41,51に別々の流路を設ける場合に比べて、部品点数の増加を抑制できるとともに、平面視での小型化を図ることができる。
【0062】
本実施形態の吐出器10において、第1シリンダ41及び第2シリンダ51の周囲をまとめて取り囲む収容部31を備え、第1シリンダ41及び第2シリンダ51と収容部31との間に、共通流路Sが形成されている構成とした。
この構成によれば、第1ポンプ部43及び第2ポンプ部53から共通流路Sに対して内容液を均等に送り出し易い。例えば第1ポンプ部43及び第2ポンプ部53から一方向に突出するように共通流路Sを設ける場合に比べ、平面視での小型化を図った上で、共通流路Sの容積を確保できる。
【0063】
本実施形態の吐出器10において、収容部31には、第1シリンダ41内と容器本体A内との連通及び遮断を切り替える第1流入弁82と、第1シリンダ41内と共通流路S内との連通及び遮断を切り替える第1吐出弁83と、第2シリンダ51内と容器本体A内との連通及び遮断を切り替える第2流入弁106と、第2シリンダ51内と共通流路S内との連通及び遮断を切り替える第2吐出弁107と、が設けられている構成とした。
この構成によれば、各シリンダ41,51内と容器本体A内との連通及び遮断、並びに各シリンダ41,51内と共通流路Sとの連通及び遮断を確実に切り替えることができる。そのため、ポンプ部43,53を操作した際の動作信頼性を向上させることができる。
【0064】
本実施形態の吐出器10において、第1流入弁82と第1吐出弁83とは一体形成され、第2流入弁106と第2吐出弁107とは一体形成されている構成とした。
この構成によれば、流入弁及び吐出弁を別々に設ける場合に比べて部品点数の削減を図ることができる。
【0065】
本実施形態において、連係機構25は、第1ピストン42に設けられた第1ラック124と、第2ピストン52に設けられた第2ラック125と、前後方向L1に沿う軸線Q回りに回転可能に設けられるとともに、第1ラック124及び第2ラック125が軸線Qを挟んで向かい合う位置でそれぞれ噛み合うピニオン123と、を備えている構成とした。
この構成によれば、一方のピストンに設けられた一方のラックの直線運動がピニオン123によって回転運動に変換されることで、他方のピストンに設けられた他方のラックを一方のラックの移動方向とは逆方向の直線運動に変換することができる。
【0066】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
上述した実施形態では、各シリンダ41,51が同形同大に形成された構成について説明したが、各シリンダ41,51の容積等を異ならせてもよい。
上述した実施形態では、各シリンダ41,51が同一の容器本体Aに取り付けられる構成について説明したが、この構成に限られない。各シリンダ41,51は、別々の容器本体に取り付けられる構成であってもよい。
上述した実施形態では、連係機構25としてラック&ピニオン機構を採用した場合について説明したが、この構成に限られない。連係機構25は、例えばリンク機構等を採用してもよい。
【0067】
上述した実施形態では、各シリンダ41,51の周囲を取り囲むように共通流路Sが形成された構成について説明したが、この構成に限られない。共通流路Sは、各シリンダ41,51の双方に接続される構成であればよい。
上述した実施形態では、流入弁及び吐出弁が弁部材として一体に形成された構成について説明したが、この構成に限られない。流入弁及び吐出弁は、別々に設けられていてもよい。
【0068】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0069】
10:吐出器
25:連係機構
31:収容部
41:第1シリンダ
42:第1ピストン
43:第1ポンプ部
51:第2シリンダ
52:第2ピストン
53:第2ポンプ部
82:第1流入弁
83:第1吐出弁
106:第2流入弁
107:第2吐出弁
115:ノズル
115a:吐出口
123:ピニオン
124:第1ラック
125:第2ラック
A:容器本体
S:共通流路
図1
図2
図3
図4
図5