(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018579
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】基板の加工方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/00 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
H05K3/00 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121998
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000233332
【氏名又は名称】ビアメカニクス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 靖
(72)【発明者】
【氏名】小山内 拓巳
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電子回路基板のサブストレートなどに使用するセラミックを構成材料とする基板の加工効率を向上する、基板のレーザ加工方法を提供する。
【解決手段】加工方法は、生セラミック基板を小型基板1に分割する工程と、分割された小型基板を焼成する工程と、焼成された複数の小型基板1aを配列する工程と、配列された小型基板を有機材2で固め大型基板3とする工程と、大型基板内の配列された小型基板に対しレーザ光を照射して貫通穴4を形成する工程と、貫通穴に導体を埋め込む工程と、大型基板内の配列された小型基板に配線を印刷する工程と、大型基板内の配列された小型基板の表裏面に新たな層を積層する工程と、大型基板の有機材を切削し小型基板に分割する工程と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生セラミック基板を小型基板に分割する工程と、前記分割された小型基板を焼成する工程と、前記焼成された小型基板を配列する工程と、前記配列された小型基板を有機材で固め大型基板とする工程と、前記大型基板内の配列された小型基板に対しレーザ光を照射して貫通穴を加工する工程と、前記貫通穴に導体を埋め込む工程と、前記大型基板内の配列された小型基板に配線を印刷する工程と、前記大型基板内の配列された小型基板の表裏面に新たな層を積層する工程と、前記大型基板の有機材を切削し小型基板に分割する工程と、を有することを特徴とするレーザ加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電子回路基板のサブストレートなどに使用するセラミックを構成材料とする基板の加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、セラミック基板の加工方法としては、例えば特許文献1に開示されているように、焼成前の生セラミック基板にレーザ加工した後、積層し、焼成していた。
【0003】
しかしながら、焼成後の基板を実際に使用するサイズに個片化する場合、基板の材質が硬いためダイサー等で切断すると切削速度が著しく遅くなり、ダイサーの刃の寿命も短くなる。また、レーザ光による切断の場合、レーザ光の吸収率が低いと、効率よく切断できず、切断に時間を要した。したがって、セラミックをコア材とした積層基板において、基板の加工効率が低下した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明は、上記の事情に鑑み、加工効率を向上できるようにした基板の加工方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願において開示される発明のうち、代表的な基板の加工方法は、生セラミック基板を小型基板に分割する工程と、前記分割された小型基板を焼成する工程と、前記焼成された小型基板を配列する工程と、前記配列された小型基板を有機材で固め大型基板とする工程と、前記大型基板内の配列された小型基板に対しレーザ光を照射して貫通穴を加工する工程と、前記貫通穴に導体を埋め込む工程と、前記大型基板内の配列された小型基板に配線を印刷する工程と、前記大型基板内の配列された小型基板の表裏面に新たな層を積層する工程と、前記大型基板の有機材を切削し小型基板に分割する工程と、を有することを特徴とする。
【0007】
なお、本願において開示される発明の代表的な特徴は以上の通りであるが、ここで説明していない特徴については、後述する発明を実施するための形態において説明しており、また特許請求の範囲にも示した通りである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、基板の加工効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施例に係る基板の加工方法を説明するための工程図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る基板の加工方法を説明するための工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明に係る実施の形態を実施例に沿って説明する。なお、以下の説明において、同等な各部には同一の符号を付して説明を省略する。
【0011】
本発明の一実施例となるレーザ加工方法について説明する。
先ず第1の工程として、
図1(a)に示すように穴あけを行うべき大型の生セラミック基板を、最終的に必要な大きさの小型の基板1に個片化する。個片化は型の打ち抜き等により行われる。
【0012】
次に、第2の工程として、
図1(b)には、生セラミック基板を炉に入れて焼成する焼成工程を示す。本工程では、第1の工程で個片化された複数の基板1を焼成する。
【0013】
次に、第3の工程として、
図1(c)に示すように、焼成された基板1aを整列させる。なお、
図1(c)においては、基板1aは3行3列に配列して9個としたが、例えば6行6列に配列して36個とするなどより多数を配列すれば、後述するレーザ穴あけの工程で加工効率が向上できる。
【0014】
次に、第4の工程として、
図1(d)に示すように、整列された複数の基板1aの周囲を樹脂等の有機材2で固めて大型基板3とする。
【0015】
次に、第5の工程として、
図1(e)に示すように、大型基板3内の基板1aの穴あけ位置にレーザを照射して貫通穴4を形成する。
【0016】
次に、第6の工程として、
図2(f)に示すように、大型基板3内の基板1aの上下を電気的に接続するため導体5が各貫通穴4に埋め込まれる。
【0017】
次に、第7の工程として、
図2(g)に示すように、大型基板3内の基板1aの表面に平面方向の配線材料6が印刷等によって形成される。
【0018】
次に、第8の工程として、
図2(h)に示すように、上記のようにして作られた大型基板3の表面及び裏面に、樹脂層形成や配線印刷等(穴あけ、導体埋込、配線材料の印刷)を繰り返しビルドアップが行われ積層体7が製作される。なお、配線印刷等は大型基板3内の基板1aの上部および下部にのみ行われ、基板1a周囲の有機材2の上部および下部には樹脂層のみが形成される。
【0019】
次に、第9の工程として、
図2(i)に示すように積層体7から有機材2を切削して個別の積層基板8に分割する。有機材2の切削はルーター加工などの切削加工で行われる。
【0020】
以上の実施例によれば、焼成後の基板は小型基板の周囲を樹脂で固め、その樹脂部分を切削加工するので、加工速度の低下を抑制し、加工効率を向上できる。また、切削工具の寿命低下も防止できる。
【0021】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は当該実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもなく、様々な変形例が含まれる。
【符号の説明】
【0022】
1:基板 2:有機材 3:大型基板 4:加工穴 5:導体