(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018594
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】車両用空調設備のフィルター清掃装置
(51)【国際特許分類】
B01D 46/74 20220101AFI20240201BHJP
B03C 3/28 20060101ALI20240201BHJP
B01D 46/04 20060101ALI20240201BHJP
B01D 46/681 20220101ALI20240201BHJP
B60H 3/06 20060101ALI20240201BHJP
F24F 8/192 20210101ALI20240201BHJP
F24F 8/108 20210101ALI20240201BHJP
F24F 8/90 20210101ALI20240201BHJP
【FI】
B01D46/74
B03C3/28
B01D46/04
B01D46/681
B60H3/06 Z
B60H3/06 611A
F24F8/192
F24F8/108 310
F24F8/90 120
F24F8/90 130
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122021
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】391044797
【氏名又は名称】株式会社コーワ
(72)【発明者】
【氏名】桑原 龍也
(72)【発明者】
【氏名】横山 広
(72)【発明者】
【氏名】高井 勉
(72)【発明者】
【氏名】町田 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】吉田 知弘
(72)【発明者】
【氏名】山崎 朋香
【テーマコード(参考)】
3L211
4D054
4D058
【Fターム(参考)】
3L211BA09
3L211BA12
3L211BA54
3L211DA04
3L211DA75
4D054AA12
4D054BC16
4D058JA12
4D058JA13
4D058JA15
4D058JB22
4D058JB42
4D058KB11
4D058MA31
4D058MA48
4D058QA03
4D058QA21
4D058SA20
4D058UA12
(57)【要約】
【課題】 フィルター面に均等な力でブラシを当接させて清掃ムラの発生を防ぐと共に、簡易な構造で製造コストの低減を図ることができる車両用空調設備のフィルター清掃装置を提供する。
【解決手段】 フィルター清掃装置10は、車両用空調設備に設置されるフィルター1を備えた回動可能なフィルター体2と、フィルター1に当接する清掃体3と、送風路4と、送風路4からの送風によって回動可能なファン5とを有しており、ファン5の回動に連動してフィルター体2が回動することによって、清掃体3がフィルター1に付着した塵埃を除去するようにした。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用空調設備のフィルターに付着した塵埃を除去するための清掃装置であって、
前記清掃装置は、車両用空調設備に設置されるフィルターを備えた回動可能なフィルター体と、
前記フィルターに当接する清掃体と、
送風路と、
前記送風路からの送風によって回動可能なファンと、を有し、
前記ファンの回動に連動して前記フィルター体が回動することによって、前記清掃体が前記フィルターに付着した塵埃を除去することを特徴とする車両用空調設備のフィルター清掃装置
【請求項2】
車両用空調設備のフィルターに付着した塵埃を除去するための清掃装置であって、
前記清掃装置は、車両用空調設備に設置されるフィルターと、複数の羽根とを備えた回動可能なフィルター体と、
前記フィルターに当接する清掃体と、
送風路と、を有し、
前記送風路からの送風が前記フィルター体の羽根にあたることによって前記フィルター体が回動し、前記清掃体が前記フィルターに付着した塵埃を除去することを特徴とする車両用空調設備のフィルター清掃装置
【請求項3】
フィルター体の羽根は、その一部が他の部分と比較して通風抵抗が大であることを特徴とする請求項2に記載のフィルター清掃装置
【請求項4】
送風路には、車両の走行時の走行風が導入されることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の車両用空調設備のフィルター清掃装置
【請求項5】
フィルター体及び/又は清掃体は、導電性材料及び/又は帯電防止材料により形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の車両用空調設備のフィルター清掃装置
【請求項6】
静電気によってフィルターに塵埃を付着させることができる静電気発生手段を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の車両用空調設備のフィルター清掃装置
【請求項7】
フィルターの外形は略円錐形状、略円柱形状又は略円錐台形状であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の車両用空調設備のフィルター清掃装置
【請求項8】
フィルターは、プレフィルターとメインフィルターとで構成され、プレフィルターに清掃体が当接することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の車両用空調設備のフィルター清掃装置
【請求項9】
プレフィルターは、メインフィルターよりも細かな塵埃を捕捉可能であることを特徴とする請求項8に記載の車両用空調設備のフィルター清掃装置
【請求項10】
送風路は、外気送風路と、内気送風路とを有し、前記外気送風路の近傍に設置されたフィルターを清掃することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の車両用空調設備のフィルター清掃装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に自動車等の車両の空調設備に設置されるフィルターに付着している塵埃等を除去する車両用空調設備のフィルター清掃装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用換気装置では、車外の新鮮な空気を車内に取り入れる給気側の入り口流路にフィルターをもうけて、車外のゴミや塵埃が換気装置に侵入するのを防ぐと共に、フィルターの自動清掃機構を設けたものが知られている。(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載の車両用換気装置は、フィルターの手前に風車が設置されており、給気ファンが回転し、新鮮空気を吸入すると、その吸入風力により風車が回転し、風車の回転軸が回転し、回転軸の両端に装着されているホイールも一緒に回転する。また、風車の先端にはブラシ付シャフトが付いており、このブラシ付シャフトはフィルターの直近にあり、ブラシはフィルターに接触している。そして、ホイールが回転運動することにより、ブラシ付シャフトも一緒に回転運動することとなり、フィルターに堆積したゴミや塵埃を除去して自動的に清掃される仕組みとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記特許文献1に記載の車両用換気装置は、回転するホイールの円周上にブラシが固定されているため、フィルター面の全体に均等な力で当接させることはできず、清掃ムラが生じやすいものであった。また、ホイールとブラシとの間にクランク機構を設置して、このクランク機構によってフィルター面に均等な力でブラシを当接させる実施形態も開示されているが、装置が複雑化するため、製造コストを増加させるものであった。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、フィルター面に均等な力でブラシを当接させて清掃ムラの発生を防ぐと共に、簡易な構造で製造コストの低減を図ることができる車両用空調設備のフィルター清掃装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、請求項1の車両用空調設備のフィルター清掃装置の発明は、車両用空調設備のフィルターに付着した塵埃を除去するための清掃装置であって、前記清掃装置は、車両用空調設備に設置されるフィルターを備えた回動可能なフィルター体と、前記フィルターに当接する清掃体と、送風路と、前記送風路からの送風によって回動可能なファンと、を有し、前記ファンの回動に連動して前記フィルター体が回動することによって、前記清掃体が前記フィルターに付着した塵埃を除去することを特徴としている。
【0008】
請求項1の発明では、送風路からの送風によって回動するファンに連動してフィルター体が回動する構成としているので、清掃体を回動させることなくフィルター面に均等な力で当接させることができ、清掃ムラの発生を防ぐことができる。また、従来の車両用空調設備のフィルター清掃装置と比較して簡易な構造であることから、製造コストの低減を図ることができる。
【0009】
請求項2の車両用空調設備のフィルター清掃装置の発明は、車両用空調設備のフィルターに付着した塵埃を除去するための清掃装置であって、前記清掃装置は、車両用空調設備に設置されるフィルターと、複数の羽根とを備えた回動可能なフィルター体と、前記フィルターに当接する清掃体と、送風路と、を有し、前記送風路からの送風が前記フィルター体の羽根にあたることによって前記フィルター体が回動し、前記清掃体が前記フィルターに付着した塵埃を除去することを特徴としている。
【0010】
請求項2の発明では、フィルター体自体が羽根を備えており、この羽根に送風路からの送風があたることによってフィルター体を回動させる構成としているので、清掃体を回動させることなくフィルター面に均等な力で当接させることができ、清掃ムラの発生を防ぐことができる。また、従来の車両用空調設備のフィルター清掃装置と比較して簡易な構造であることから、製造コストの低減を図ることができる。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、フィルター体の羽根は、その一部が他の部分と比較して通風抵抗が大であることを特徴としている。これにより、フィルター体の回動を促進させることができる。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1~3のいずれかの発明において、送風路には、車両の走行時の走行風が導入されることを特徴としている。これにより、車内に設置されている給気送風機の出力を小さくすることができる。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1~3のいずれかの発明において、フィルター体及び/又は清掃体は、導電性材料及び/又は帯電防止材料により形成されていることを特徴としている。これにより、フィルター体と清掃体に塵埃が付着するのを防ぐことができる。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1~3のいずれかの発明において、静電気によってフィルターに塵埃を付着させることができる静電気発生手段を有することを特徴としている。これにより、フィルターに効率よく塵埃を付着させることができる。
【0015】
請求項7の発明は、請求項1~3のいずれかの発明において、フィルターの外形は略円錐形状、略円柱形状又は略円錐台形状であることを特徴としている。これにより、狭いスペースに設置した場合でも多くの塵埃をフィルターに付着させることができ、清掃効率を向上させることができる。
【0016】
請求項8の発明は、請求項1~3のいずれかの発明において、フィルターは、プレフィルターとメインフィルターとで構成され、プレフィルターに清掃体が当接することを特徴としている。これにより、メインフィルターの清掃頻度又は、交換頻度を減少させることができる。
【0017】
請求項9の発明は、請求項8の発明において、プレフィルターは、メインフィルターよりも細かな塵埃を捕捉可能であることを特徴としている。これにより、プレフィルターによって、車外から運ばれてくる大きな塵埃から小さな塵埃までを捕捉することができるので、メインフィルターの清掃頻度又は、交換頻度を一層減少させることができる。
【0018】
請求項10の発明は、請求項1~3のいずれかの発明において、送風路は、外気送風路と、内気送風路とを有し、前記外気送風路の近傍に設置されたフィルターを清掃することを特徴としている。これにより、外気送風路は内気送風路と比較して、車外のゴミや虫、塵埃がより多く侵入するため、外気送風路に設置されたフィルターの清掃頻度又は、交換頻度を減少させることができる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1及び2の発明は、清掃体を回動させることなくフィルター面に均等な力で当接させることができ、清掃ムラの発生を防ぐことができる。また、従来の車両用空調設備のフィルター清掃装置と比較して簡易な構造であることから、製造コストの低減を図ることができる。また、請求項3の発明は、フィルター体の回動を促進させることができる。また、請求項4の発明は、車内に設置されている給気送風機の出力を小さくすることができる。
【0020】
請求項5の発明は、フィルター体と清掃体に塵埃が付着するのを防ぐことができる。また、請求項6の発明は、フィルターに効率よく塵埃を付着させることができる。また、請求項7の発明は、狭いスペースに設置した場合でも多くの塵埃をフィルターに付着させることができ、清掃効率を向上させることができる。
【0021】
請求項8及び9の発明は、メインフィルターの清掃頻度又は、交換頻度を減少させることができる。また、請求項10の発明は、外気に含まれている塵埃を確実に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】(a)本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置が設置された自動車の一部を示す斜視図(b)本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置が設置された自動車の一部を示す断面図
【
図2】車両用空調設備のフィルター清掃装置の第1実施形態を示す斜視図
【
図3】(a)車両用空調設備のフィルター清掃装置の第2実施形態を示す斜視図(b)車両用空調設備のフィルター清掃装置の第3実施形態を示す斜視図
【
図4】(a)車両用空調設備のフィルター清掃装置の第4実施形態を示す斜視図(b)車両用空調設備のフィルター清掃装置の第5実施形態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
図1(a)は、本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置が設置された自動車の一部を示す斜視図であり、
図1(b)は、同断面図である。これらの図を用いて本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置が設置される自動車の空調設備の概要について説明する。
【0024】
自動車60は、フロントバンパー11の上部に形成されているラジエターグリル12から外気を取り込むことが可能となっており、送風路4には、車両60の走行時の走行風が導入される構成としている。これにより、車内に設置されている給気送風機13の出力を小さくすることができる。また、送風路4は、外気送風路4aと、内気送風路4bとを有しており、本発明に係るフィルター清掃装置10は、外気送風路4aの近傍に設置されたフィルター1(1a)を清掃する構成としている。これにより、外気に含まれている塵埃を確実に除去することができる。
【0025】
また、フィルター1は、プレフィルター1aとメインフィルター1bとで構成され、プレフィルター1aに本発明に係る清掃装置10の清掃体が当接する構成としている。これにより、メインフィルター1bの清掃頻度又は、交換頻度を減少させることができる。また、プレフィルター1aは、メインフィルター1bよりも細かな塵埃を捕捉可能な構成としている。具体的には、プレフィルター1aの網目の大きさをメインフィルター1bの網目の大きさよりも小さくしている。これにより、プレフィルター1aによって、車外から運ばれてくる大きな塵埃から小さな塵埃までを捕捉することができるので、メインフィルター1bの清掃頻度又は、交換頻度を一層減少させることができる。尚、プレフィルター1a及びメインフィルター1bは、プリーツ状やメッシュ状など、形状によることなく本発明に含まれる。
【0026】
尚、外気送風路4aと車外排出路4cとの間には、回動可能な第1遮蔽壁14が設置されており、プレフィルター1aとメインフィルター1bの間の内気送風路4b内には、回動可能な第2遮蔽壁15が設置されている。第1遮蔽壁14と第2遮蔽壁15が
図1(b)に示す状態では、プレフィルター1a及びメインフィルター1bを通過した外気が車内に送風される。
【0027】
また、外気を車内に送風させたくない場合には、第1遮蔽壁14を
図1(b)において反時計回りに回転させて外気送風路4aを塞ぐ位置まで移動させればよい。また、外気を車外排出路4c側に排出させたい場合には、第1遮蔽壁14を
図1(b)において時計回りに回転させて、車外排出路4cの壁面近くまで移動させると共に、第2遮蔽壁15を
図1(b)において反時計回りに回転させてプレフィルター1aとメインフィルター1bの間の内気送風路4bを塞ぐ位置まで移動させればよく、この状態を維持することによって、フィルター清掃装置10によってプレフィルター1aから除去された塵埃を車外排出路4cから車外へと排出させることができる。
【0028】
図2は、本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置の第1実施形態を示す斜視図である。第1実施形態のフィルター清掃装置10は、車両用空調設備に設置され、フィルター1と枠体2aとを備え、固定軸6回りに回動可能なフィルター体2と、フィルター1に当接するブラシ3aを備えた清掃体3と、送風路4(
図1参照)と、送風路4からの送風によって、固定軸6回りに回動可能なファン5とを有しており、ファン5の回動に連動してフィルター体2が回動することによって、清掃体3がフィルター1に付着した塵埃を除去する構成としている。これにより、清掃体3を回動させることなくフィルター1の上面に均等な力で当接させることができ、清掃ムラの発生を防ぐことができる。また、従来の車両用空調設備のフィルター清掃装置と比較して簡易な構造であることから、製造コストの低減を図ることができる。尚、清掃体3は固定軸6側に固定されており、固定軸6の端部(図示せず)は車両側に固定されている。即ち、ファン5とフィルター体2は一体的に固定軸6回りに回動する構成としている。尚、本実施形態では清掃体3を固定軸6に固定した構成としたが、清掃体3が車両側(送風路4など)に固定されている場合も、本発明に含まれる。
【0029】
また、フィルター体2及び清掃体3は、導電性材料により形成されるのが好ましい。尚、フィルター体2と清掃体3のどちらか一方が導電性材料により形成される構成としてもよく、これも本発明に含まれる。これにより、フィルター体2と清掃体3に塵埃が付着するのを防ぐことができる。
【0030】
また、フィルター体2及び清掃体3は、帯電防止材料により形成されるのが好ましい。尚、フィルター体2と清掃体3のどちらか一方が帯電防止材料により形成される構成としてもよく、これも本発明に含まれる。これにより、フィルター体2と清掃体3に塵埃が付着するのを防ぐことができる。
【0031】
また、本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置10は、静電気によってフィルターに塵埃を付着させることができる静電気発生手段を有している。ここで、静電気発生手段の一例として、フィルター1の上面と清掃体3を構成するブラシ3aをあげることができる。即ち、フィルター1の上面とブラシ3aがこすれ合うことによって静電気を発生させることができる。これにより、フィルター1に効率よく塵埃を付着させることができる。尚、ブラシ3aに変えてブレードを適用することも可能である。
【0032】
図3(a)は、本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置の第2実施形態を示す斜視図である。第2実施形態のフィルター清掃装置20は、車両用空調設備に設置されるフィルター21と、枠体22aと、複数の羽根22b、22b・・・とを備え、固定軸26回りに回動可能なフィルター体22と、フィルター21に当接するブラシ23aを備えた清掃体23と、送風路4(
図1参照)とを有しており、送風路4からの送風がフィルター体22の羽根22bにあたることによってフィルター体22が固定軸26回りに回動し、清掃体23がフィルター21に付着した塵埃を除去すると共に、除去された塵埃は、ダストボックス7に収容される構成としている。尚、清掃体23は固定軸26側に固定されており、固定軸26の端部(図示せず)は車両側に固定されている。また、フィルター21にはプリーツフィルターを使用して複数の羽根22b、22b・・・を一体的に形成している。尚、本実施形態では清掃体23を固定軸26に固定した構成としたが、清掃体23が車両側(送風路4など)に固定されている場合も、本発明に含まれる。
【0033】
これにより、清掃体23を回動させることなくフィルター21の上面に均等な力で当接させることができ、清掃ムラの発生を防ぐことができる。また、従来の車両用空調設備のフィルター清掃装置と比較して簡易な構造であることから、製造コストの低減を図ることができる。
【0034】
図3(b)は、本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置の第3実施形態を示す斜視図である。第3実施形態のフィルター清掃装置30は、フィルター体32の羽根は、その一部が他の部分と比較して通風抵抗が大となるようにしている。具体的には、
図3(b)の拡大した図に示すように、フィルター体32を構成するプリーツフィルターが羽根の機能を兼ねており、このプリーツフィルターの山の部分16と谷の部分17に沿って樹脂でコーティングされており(図面上の黒色の太い曲線の部分16、17)、この樹脂でコーティングされた部分16、17が、樹脂でコーティングされていないその他の部分18と比較して通風抵抗が大きくなっている。これにより、フィルター体の回動を促進させることができる。また、フィルターの形状を安定させることができるため、清掃体効率を向上させることができる。その他の構成は第2実施形態と同様なので説明は省略する。
【0035】
図4(a)は、本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置の第4実施形態を示す斜視図である。第4実施形態のフィルター清掃装置40は、車両用空調設備に設置され、フィルター41と、枠体42aとを備え、固定軸46回りに回動可能なフィルター体42と、フィルター41に当接するブラシ43aを備えた清掃体43と、送風路4(
図1参照)と、送風路4からの送風によって、固定軸46回りに回動可能なファン45とを有しており、ファン45の回動に連動してフィルター体42が回動することによって、清掃体43がフィルター41に付着した塵埃を除去する構成としている。これにより、清掃体43を回動させることなくフィルター41の上面に均等な力で当接させることができ、清掃ムラの発生を防ぐことができる。また、従来の車両用空調設備のフィルター清掃装置と比較して簡易な構造であることから、製造コストの低減を図ることができる。尚、清掃体43は車両側(送風路4など)に固定されているが、清掃体43を固定軸46に固定した構成も本発明に含まれる。
【0036】
尚、第4実施形態を構成するフィルター41は、その外形が略円錐台形状となるプリーツフィルターを使用しているが、略円錐台形状の他に、略円錐形状又は略円柱形状の外形のプリーツフィルターを使用することも可能である。これにより、狭いスペースに設置した場合でも多くの塵埃をフィルター41に付着させることができ、清掃効率を向上させることができる。
【0037】
図4(b)は、本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置の第5実施形態を示す斜視図である。第5実施形態のフィルター清掃装置50は、車両用空調設備に設置されるフィルター51と、枠体52aと、複数の羽根52b、52b・・・とを備え、固定軸56回りに回動可能なフィルター体52と、フィルター51に当接するブラシ53aを備えた清掃体53と、送風路4(
図1参照)とを有しており、送風路4からの送風がフィルター体52の羽根52bにあたることによってフィルター体52が固定軸56回りに回動し、清掃体53がフィルター51に付着した塵埃を除去する構成としている。尚、清掃体53は車両側(送風路4など)に固定されているが、清掃体53を固定軸56に固定した構成も本発明に含まれる。また、フィルター51には、その外形が略円錐台形状となるプリーツフィルターを使用して複数の羽根52b、52b・・・を一体的に形成している。
【0038】
これにより、清掃体53を回動させることなくフィルター51の上面に均等な力で当接させることができ、清掃ムラの発生を防ぐことができる。また、従来の車両用空調設備のフィルター清掃装置と比較して簡易な構造であることから、製造コストの低減を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置は、主に自動車等の車両の空調設備に設置されるフィルターに付着している塵埃等を除去する清掃装置として利用される。
【符号の説明】
【0040】
1、21、31、41、51 フィルター
1a プレフィルター
1b メインフィルター
2、22、32、42、52 フィルター体
2a、22a、32a、42a、52a 枠体
3、23、33、43、53 清掃体
3a、23a、33a、43a、53a ブラシ
4 送風路
4a 外気送風路
4b 内気送風路
4c 車外排出路
5、45 ファン
6、26、36、46、56 固定軸
7 ダストボックス
10、20、30、40、50 フィルター清掃装置
11 フロントバンパー
12 ラジエターグリル
13 給気送風機
14 第1遮蔽壁
15 第2遮蔽壁
16 山の部分
17 谷の部分
18 その他の部分
22b、32b、52b 羽根
60 自動車(車両)