(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001863
(43)【公開日】2024-01-10
(54)【発明の名称】ブロック型保管庫構造、及びブロック型保管庫構造を稼働させる方法
(51)【国際特許分類】
B65G 1/06 20060101AFI20231227BHJP
【FI】
B65G1/06 511Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023097571
(22)【出願日】2023-06-14
(31)【優先権主張番号】22180290.3
(32)【優先日】2022-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】503314705
【氏名又は名称】ユングハインリヒ・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロールヴァ, フォルカー
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022EE05
3F022FF19
3F022JJ19
3F022KK14
3F022MM01
(57)【要約】
【課題】ブロック型保管庫構造を確実に稼働できるようにする。
【解決手段】少なくとも1つのブロック型保管庫要素収容室(2)と、ブロック型保管庫要素収容室(2)の下方に配置された装填室(4)とを有するブロック型保管庫構造(1)が記載され、ブロック型保管庫要素収容室(2)と装填室(4)との間には保持装置(6)を有する開口部が配置され、装填室(4)からブロック型保管庫要素収容室(2)への方向が入庫方向を形成する。このような種類のブロック型保管庫構造(1)を確実に稼働させるために、ブロック型保管庫要素収容室(2)の中で入庫方向へ可動であるセンタリング装置(8)がブロック型保管庫要素収容室(2)に配置されることが意図される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのブロック型保管庫要素収容室(2)と、前記ブロック型保管庫要素収容室(2)の下方に配置された装填室(4)とを有するブロック型保管庫構造(1)であって、前記ブロック型保管庫要素収容室(2)と前記装填室(4)との間には保持装置(6)を有する開口部(5)が配置され、前記装填室(4)から前記ブロック型保管庫要素収容室(2)への方向が入庫方向を形成する、ブロック型保管庫構造において、
前記ブロック型保管庫要素収容室(2)の中で入庫方向へ可動であるセンタリング装置(8)が前記ブロック型保管庫要素収容室(2)に配置されることを特徴とする、ブロック型保管庫構造(1)。
【請求項2】
前記ブロック型保管庫要素収容室(2)の縁部に、入庫方向に延びる複数の面(12)が配置され、前記センタリング装置(8)は前記面(12)と協同作用することを特徴とする、請求項1に記載のブロック型保管庫構造。
【請求項3】
前記面(12)は、入庫方向に延びる支柱(7)に配置されることを特徴とする、請求項2に記載のブロック型保管庫構造。
【請求項4】
少なくともいくつかの前記支柱(7)は、入庫方向に対して横向きに互いに結合されることを特徴とする、請求項3に記載のブロック型保管庫構造。
【請求項5】
前記支柱(7)は、前記開口部(5)のコーナーに配置されることを特徴とする、請求項3又は4に記載のブロック型保管庫構造。
【請求項6】
前記センタリング装置(8)は、前記開口部(5)の形状に合わせて適合化された円周輪郭を備える土台(9)を有し、重力方向で前記土台(9)の上方に、前記円周輪郭から突き出す少なくとも1つのセンタリング部材(10)が配置されることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のブロック型保管庫構造。
【請求項7】
前記センタリング部材(10)は、入庫方向に対して横向きの力成分をもって前記センタリング部材(10)を外方に向かって付勢する初期応力装置(11)と結合されることを特徴とする、請求項6に記載のブロック型保管庫構造。
【請求項8】
前記センタリング部材(10)は、ロック装置(14,15)と協同作用することを特徴とする、請求項7に記載のブロック型保管庫構造。
【請求項9】
前記ロック装置(14,15)は、重力方向で下方から作動化可能である操作装置(16)と協同作用することを特徴とする、請求項8に記載のブロック型保管庫構造。
【請求項10】
前記操作装置(16)は、重力方向で下方に向かって前記土台(9)から突き出すことを特徴とする、請求項9に記載のブロック型保管庫構造。
【請求項11】
前記センタリング部材(10)はローラを有することを特徴とする、請求項6乃至10のいずれか一項に記載のブロック型保管庫構造。
【請求項12】
前記ローラはエラストマー材料に構成された摺動面を有することを特徴とする、請求項11に記載のブロック型保管庫構造。
【請求項13】
重力方向で前記センタリング装置(8)の下方に、前記センタリング装置(8)と形状接合式に係合するブロック型保管庫要素(3)が配置されることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のブロック型保管庫構造。
【請求項14】
少なくとも1つのブロック型保管庫要素収容室(2)と、重力方向で前記ブロック型保管庫要素収容室(2)の下方に配置された装填室(4)とを有するブロック型保管庫構造(1)を稼働させる方法であって、ブロック型保管庫要素(3)を前記装填室(4)から開口部(5)を通して前記ブロック型保管庫要素収容室(2)の中に動かす、方法において、前記ブロック型保管庫要素収容室(2)に配置されたセンタリング装置(8)と前記ブロック型保管庫要素(3)を係合させ、前記ブロック型保管庫要素(3)を持ち上げるときに前記センタリング装置(8)を前記ブロック型保管庫要素収容室(2)の中で共に持ち上げることを特徴とする、方法。
【請求項15】
前記センタリング装置(8)に前記ブロック型保管庫要素(3)が当て付けられたときに、前記センタリング装置(8)の少なくとも1つのセンタリング部材(10)を、前記センタリング装置(8)の土台(9)から外方に向かって突き出す位置でロックすることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのブロック型保管庫要素収容室と、ブロック型保管庫要素収容室の下方に配置された装填室とを有するブロック型保管庫構造に関し、ブロック型保管庫要素収容室と装填室との間には保持装置を有する開口部が配置され、装填室からブロック型保管庫要素収容室への方向が入庫方向を形成する。
【0002】
更に本発明は、少なくとも1つのブロック型保管庫要素収容室と、重力方向でブロック型保管庫要素収容室の下方に配置された装填室とを有するブロック型保管庫構造を稼働させる方法に関し、ブロック型保管庫要素を装填室から開口部を通してブロック型保管庫要素収容室の中に動かす。
【背景技術】
【0003】
ブロック型保管庫構造は、事前決定されたスペースにできる限り多くの個数のブロック型保管庫要素を格納できるようにするために利用することができる。このとき、たとえば容器やプラントキャリアであるブロック型保管庫要素は、ブロック型保管庫要素収容室にスタックの形態で配置される。それに伴い、ブロック型保管庫要素が重力方向で相上下して互いに密接に位置し、それにより、重力方向でスペースが失われることがない。複数のブロック型保管庫要素収容室を重力方向に対して横向きに、同じく密接して隣接するように配置することができる。個々のブロック型保管庫要素収容室の間には、取扱スペースが必要ないからである。むしろブロック型保管庫要素は、下方から装填室を通してブロック型保管庫要素収容室のうちの1つに入庫され、及び、下方に向かってブロック型保管庫要素収容室から取り出される。
【0004】
ブロック型保管庫構造は、ブロック型保管庫要素が容器として構成される、大量の製品が中で保管される保管庫として利用することができる。そして各々の容器が、保管されるべき1つ又は複数の製品を収容することができる。あるいはブロック型保管庫構造は、栽培室構造として構成されていてもよい。このケースではブロック型保管庫要素は、必要な場合には、重力方向で上方に向かって開いているだけでなく重力方向に対して横向きの側にも開口部を有する、プラントキャリアとして構成される。
【0005】
ブロック型保管庫構造は、相当な高さを有することがあり得るので、ブロック型保管庫要素からなるスタックも、同じく相応に大きい高さを有することがあり得る。10mを超える高さのブロック型保管庫要素からなるスタックも、十分に現実的である。
【0006】
ブロック型保管庫要素は、それが容器であるかプラントキャリアであるかに関わりなく、ある程度の許容差を免れない。このことは、ブロック型保管庫要素からなるスタックが、ブロック型保管収容室の中で傾くことにつながることがあり得る。そのために、ブロック型保管庫要素収容室が形成されるフレームに対して、高い横方向の力が作用することがあり得る。ブロック型保管庫要素がプラントキャリアである場合、傾きは、プラントキャリアに収容されている植物への潅水のときに、すべての植物が水又はその他の養分液体の供給を均等に受けられないというネガティブな効果を追加的に有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、ブロック型保管庫構造を確実に稼働できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、冒頭に述べた種類のブロック型保管庫構造において、ブロック型保管庫要素収容室の中で入庫方向へ可動であるセンタリング装置がブロック型保管庫要素収容室に配置されることによって解決される。
【0009】
ブロック型保管庫要素収容室の断面は、ブロック型保管庫要素をブロック型保管庫要素収容室の中で入庫方向へ動かせるようにするために、ブロック型保管庫要素の断面よりも若干大きくなければならない。この条件は、ブロック型保管庫要素収容室を定義する部材が、たとえば支柱が、ブロック型保管庫要素の許容差に加算されなければならない、ある程度の許容差を免れないことから生じるものである。しかしセンタリング装置は、ブロック型保管庫要素収容室の断面に合わせて大幅に良好に適合化されていてよく、下方からセンタリング装置に当て付けられるブロック型保管庫要素を、ブロック型保管庫要素からなるスタックが傾動する危険が低い範囲内で保持する。そしてスタックが下方から上方に向かって増やされるときに、センタリング装置も共に持ち上げられ、一番上にあるブロック型保管庫要素を常に所定の範囲内で保持する。ブロック型保管庫要素はスタックとして互いに係合しているので、それに伴い、それぞれ重力方向でセンタリング装置の下方に配置されているブロック型保管庫要素も自動的に所望の範囲内で保持され、ただし、それによりブロック型保管庫要素からなるスタックの傾きが排除されるわけではない。しかし、スタックが傾き得る角度はきわめて著しく縮小されるので、こうして小さくなるブロック型保管庫要素のスタックの傾きのもとでは、ブロック型保管庫要素収容室を形成する部材にとっての危険は生じなくなる。軽微な傾きはプラントキャリアの場合にも許容され、この場合には傾きは、プラントキャリアに収容されているすべての植物が均等に潅水される程度に小さい。
【0010】
ブロック型保管庫要素収容室の縁部に、入庫方向に延びる複数の面が配置され、センタリング装置がこれらの面と協同作用するのが好ましい。その場合、センタリング装置はこれらの面に支持されることができ、そのようにして、センタリング装置が重力方向に対して横向きにブロック型保管庫要素収容室の中で動くのを防止する。
【0011】
このときこれらの面は、入庫方向に延びる支柱に配置されるのが好ましい。ブロック型保管庫構造は支柱をしばしば有していて、これらの支柱の間にブロック型保管庫要素収容室が配置される。その場合、これらの支柱を、同時にセンタリング装置の支持のために利用することができる。
【0012】
少なくともいくつかの支柱は、入庫方向に対して横向きに互いに結合されるのが好ましい。それに伴って支柱が相互に安定化される。
【0013】
支柱は、開口部のコーナーに配置されるのが好ましい。それに伴って、支柱は自動的にブロック型保管庫要素収容室のコーナーにあり、センタリング装置をブロック型保管庫要素収容室のコーナーで支持することができる。
【0014】
好ましい実施形態では、センタリング装置は、開口部の形状に合わせて適合化された円周輪郭を有する土台を有することが意図され、重力方向で土台の上方に、円周輪郭から突き出す少なくとも1つのセンタリング部材が配置される。ブロック型保管庫要素がまだブロック型保管庫要素収容室の中に配置されていないとき、センタリング部材の土台は開口部の中にあり、そこで保持装置によって保持される。そのときに土台は、開口部によって非常に正確に位置決めされる。しかしブロック型保管庫要素収容室は、開口部の上方では、ブロック型保管庫構造を形成する部材及びブロック型保管庫要素が免れない許容差を考慮に入れるために、更に大きい断面積を有している。センタリング装置は円周輪郭から突き出しているので、すなわち、重力方向に対して横向きに土台の円周輪郭から突き出しているので、センタリング部材を用いて、センタリング装置がブロック型保管庫要素によって開口部から引き出されたときにも、センタリング装置をその位置で保持することができる。
【0015】
センタリング部材は、入庫方向に対して横向きの力成分でセンタリング部材を外方に向かって付勢する初期応力装置と結合されるのが好ましい。このケースでは、センタリング装置を下方から、ブロック型保管庫要素収容室にある開口部を通して挿入することが可能である。このプロセスのとき、センタリング部材を初期応力装置の力に抗して内方に向かって動かすことができ、それによりセンタリング装置が開口部に適合する。センタリング装置が開口部の中へと動き、センタリング部材が重力方向で上方に向かって開口部から突き出すと、ただちにこれを初期応力装置により外方に向かって動かすことができ、ブロック型保管庫要素収容室でのセンタリング装置の支持のためにそれぞれの面と協同作用させることができる。
【0016】
このときセンタリング部材は、ロック装置と協同作用するのが好ましい。その場合、ブロック型保管庫要素からなるスタックを中央の位置で保持するために、初期応力装置の力が十分であることだけに頼らなくてよくなる。その場合、初期応力装置は、センタリング部材を外方に向かって十分に遠くまで動かす役目だけを果たす。この位置にあるとき、センタリング部材がロック装置によってロックされる。
【0017】
このときロック装置は、重力方向で下方から作動化可能である操作装置と協同作用するのが好ましい。それに伴い、ブロック型保管庫要素がブロック型保管庫要素収容室にある開口部を通して下方から挿入されることによって、ロック装置を作動化することが可能である。このケースでは、ブロック型保管庫要素はセンタリング装置に対して作用して、これを入庫方向で上方に向かってスライドさせるだけでなく、操作装置を介してロック装置にも作用して、センタリング部材をセンタリング位置でロックする。
【0018】
このとき操作装置は、重力方向で下方に向かって土台から突き出すのが好ましい。このケースでは、操作装置は、下方から開口部に挿入されるブロック型保管庫要素によって操作装置に当接することができ、これを重力方向で上方に向かって、ブロック型保管庫要素が持ち上げられたときに動かす。それに伴い、第1のブロック型保管庫要素がブロック型保管庫要素収容室へ入庫されたときに、センタリング装置が所望の中央の位置にくることが自動的に確保される。
【0019】
このときセンタリング部材は、ローラを有するのが好ましい。それに伴い、入庫方向へブロック型保管庫要素が動いたときに、センタリング装置によって引き起こされる、それほど大きな摩擦損失が生じることがない。むしろ、ローラは比較的小さい抵抗をもって回転することができ、ブロック型保管庫要素の運動にさほどの抵抗で対抗することがない。
【0020】
このときローラは、エラストマー材料で構成される摺動面を有するのが好ましい。エラストマー材料は、ローラが上で転動する面の比較的小さな起伏を補償することができる。それに伴い、センタリング装置が運動時にブロックされることが回避される。
【0021】
重力方向でセンタリング装置の下方に、センタリング装置と形状接合式に係合するブロック型保管庫要素が配置されるのが好ましい。形状接合による係合は、ブロック型保管庫要素が入庫方向に対して横向きにセンタリング装置に対して動くことができないことを惹起し、それにより、センタリング装置に対するブロック型保管庫要素の正しい位置決めが、形状接合式の係合によって自動的に確保される。このような種類の形状接合式の係合は、開口部へブロック型保管庫要素が挿入されるときに比較的容易に生成することができる。センタリング装置が開口部の中で比較的正確にアライメントされ、ブロック型保管庫要素が開口部への挿入時にこれと同じ精度で位置決めされるからである。一致するこの精度は、ブロック型保管庫要素とセンタリング装置との間で形状接合を実現するために十分である。
【0022】
冒頭に述べた種類の方法において、ブロック型保管庫要素収容室の中に配置されたセンタリング装置とブロック型保管庫要素を係合させ、ブロック型保管庫要素収容室の中でブロック型保管庫要素を持ち上げるときにセンタリング装置を共に持ち上げることによっても、課題が解決される。
【0023】
すでに上で説明したとおり、センタリング装置はブロック型保管庫要素収容室の中で、中央の(又はその他の所望の)位置に比較的小さいコストで保持することができる。ブロック型保管庫要素収容部にブロック型保管庫要素が挿入されてセンタリング装置と係合すると、ブロック型保管庫要素も同じく所望の位置になり、入庫方向に対して横向きに動き得ないことが自動的に確保される。すでにブロック型保管庫要素収容室の中にあるブロック型保管庫要素のスタックに下方から当て付けられる、後続する各々のブロック型保管庫要素は、それぞれその上にあるブロック型保管庫要素によって所望の領域で保持され、それにより、事前決定された度合いを超える、ブロック型保管庫要素からなるスタックの傾きを高い信頼度で防止することができる。
【0024】
このときセンタリング装置の少なくとも1つのセンタリング部材を、ブロック型保管庫要素がセンタリング装置に当て付けられたときに、センタリング装置の土台を超えて外方に向かって突き出す位置でロックするのが好ましい。ブロック型保管庫要素がブロック型保管庫要素収容室に挿入されない限り、センタリング装置はその位置のみによって、装填室とブロック型保管庫要素収容室との間の開口部で保持される。下方から当て付けられるブロック型保管庫要素によってセンタリング装置がこの位置から出るように動いたときに初めて、センタリング部材が作動して、ブロック型保管庫要素収容室の中でのセンタリング装置の所望の位置を確保する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
以下、好ましい実施例及び図を用いて本発明を説明する。
【
図1】ブロック型保管庫要素からなるスタックを有するブロック型保管庫要素収容室を示す図である。
【
図2】ブロック型保管庫要素収容室を示す平面図である。
【
図4】
図3の詳細部分の改変された形態を示す図である。
【
図5】ブロック型保管庫要素収容室に挿入される直前のブロック型保管庫要素を示す図である。
【
図6a】ブロック型保管庫要素収容室にブロック型保管庫要素が挿入されるときの第1のステップを示す図である。
【
図6b】ブロック型保管庫要素収容室にブロック型保管庫要素が挿入されるときの第1のステップを示す図である。
【
図7a】ブロック型保管庫要素収容室にブロック型保管庫要素が挿入されるときの第2のステップを示す図である。
【
図7b】ブロック型保管庫要素収容室にブロック型保管庫要素が挿入されるときの第2のステップを示す図である。
【
図8a】ブロック型保管庫要素収容室へのブロック型保管庫要素の完了を示す図である。
【
図8b】ブロック型保管庫要素収容室へのブロック型保管庫要素の完了を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、複数のブロック型保管庫要素3がスタックの形態で配置されたブロック型保管庫要素収容室2を有する、ブロック型保管庫構造1の一部を大幅に模式化して示している。ブロック型保管庫要素収容室2の下方に、装填室4が配置されている。ブロック型保管庫要素収容室2と装填室4との間に、開口部5(
図5)が配置されている。この開口部の中に保持装置6が配置されており(
図3)、これによってブロック型保管庫要素3を容器収容室2の中で固定することができ、すなわち、別のブロック型保管庫要素3を装填車両(図示せず)とともにそこで位置決めし、この別のブロック型保管庫要素3をブロック型保管庫要素収容室2へ挿入するために、容器収容室2の下方にまだ十分にスペースがあるようになっている。保持装置6は、本例では、開口部5のコーナーに配置された保持爪によって構成されている。保持爪は、
図3に示す、ブロック型保管庫要素3を保持する保持位置から、リリース位置へと旋回することができ、それにより、ブロック型保管庫要素3が保持装置6のそばを通って下方へと装填室の中に動くことができる。
【0027】
図1に見られるように、ブロック型保管庫要素3からなるスタックは相当な高さを有することがあり得る。この高さは、10m又はそれ以上になることが十分にあり得る。ブロック型保管庫要素3はある程度の許容差を免れないので、ブロック型保管庫要素3からなるスタックがブロック型保管庫要素収容室2の中で傾くリスクがある。このことは、ブロック型保管庫要素3からなるスタックが、ブロック型保管庫要素収容室2のコーナーに配置されている支柱7に対して押圧をすることにつながり得る。これを回避することが望まれる。
【0028】
ブロック型保管庫要素3が容器として構成されている場合、支柱7に対する許容されない高い力を回避することが望まれる。ブロック型保管庫要素3がプラントキャリアとして構成されている場合、プラントキャリアに収容されているすべての植物へ均等に潅水できることを確保するためにも、スタックの傾きを回避することが望まれる。このことは、ブロック型保管庫要素3からなるスタックが傾いていると確保できなくなる。
【0029】
容器収容室2のブロック型保管庫要素3からなるスタックの傾きを許容される程度に制限するために、容器収容室2には、ブロック型保管庫要素収容室2の中で可動である、すなわち容器収容室2の中でブロック型保管庫要素3も動くことができる方向に可動である、センタリング装置8が配置されている。この方向を「入庫方向」とも呼ぶ。入庫方向は重力方向に相当する。
【0030】
センタリング装置は、
図5に見ることができるように、フレームとも呼ぶことができる土台9を有している。土台9は、開口部5の内側輪郭に合わせて適合化された外側輪郭を有している。ブロック型保管庫要素3がまだブロック型保管庫要素収容室2の中にないとき、センタリング装置9は保持装置6の上に載っており、それに伴って開口部5の中で位置決めされる。この位置決めは、比較的高い精度で行うことができる。ブロック型保管庫要素3が下方から開口部の中に動かされると、当該ブロック型保管庫要素3が開口部に対してこれと同じ精度で位置決めされてから、センタリング装置8と形状接合式に係合する。入庫方向に対して横向きのブロック型保管庫要素3の位置は、入庫方向に対して横向きのセンタリング装置8の位置に相当する。
【0031】
開口部5の上方で容器収容室2は、開口部5の断面よりも広い断面を有している。この断面は、開口部5のコーナーに、及びそれに伴って容器収容室2のコーナーに、配置されている支柱7によって規定される。これらの支柱7は、ブロック型保管庫要素3からなるスタックの高さに相当する長さを少なくとも有する。支柱7もある程度の許容差を免れないので、入庫方向へのブロック型保管庫要素3の支障のない動きを確保できるようにするために、ブロック型保管庫要素3のコーナーと支柱7との間で、ある程度の間隔を遵守しなければならない。
【0032】
センタリング装置8は、重力方向で土台9の上方に、本例ではローラとして構成された少なくとも1つのセンタリング部材10を有している。センタリング部材10は、本例ではばねとして構成されている初期応力装置11によって、入庫方向に対して横向きに土台9の輪郭から外に出るように動かされ、すなわち、支柱7に配置されている面12に当接できるようになっている。それに伴い、センタリング部材10は支柱7に支持される。
図4に示す別案の実施形態では、面12は、センタリング部材10が中に係合する溝13を更に有することもできる。溝13は、たとえばV字形又は台形に形成されていてよい。
【0033】
面12は、ブロック型保管庫要素収容室2の高さ全体にわたって延びており、それにより、センタリング装置8もブロック型保管庫要素収容室2の高さ全体にわたって動くことができ、センタリング部材10は運動全体を通じて面12に支持され得る。
【0034】
本例では、センタリング装置8は、各々のコーナーに1つのセンタリング部材10を有しており、各々のコーナーに、1つの面12を有する支柱7が配置されている。
【0035】
初期応力装置11によって外方に向かって押圧されるセンタリング部材10を有する実施形態は、センタリング装置8を開口部5を通してブロック型保管庫要素収容室2に挿入することができるという利点がある。このような挿入のときに、センタリング部材10が入庫方向に対して横向きに内方に向かって動くことができ、開口部5を通過した後で初めて再び外方に向かって動く。
【0036】
センタリング部材10はレバー14に旋回可能に支承される。センタリング装置8がまだ開口部5の内部にある限り、センタリング部材10はそのレバー14によって入庫方向に対して横向きに内方に向かって旋回している。
【0037】
センタリング装置8は、レバー14とともにロック装置を形成するピン15を有している。ピン15は、重力方向で下方に向かって土台9から突き出る操作装置16と結合されている。操作装置16は、重力方向で下方に向かって操作装置16に初期応力をかけるばね構造17を有することができる。
【0038】
ブロック型保管庫要素3が下方から開口部5に挿入されるとき、ブロック型保管庫要素3が下方からセンタリング装置8と接触して、センタリング装置8を入庫方向へ上方に向かって動かす。このときにセンタリング部材10が開口部5の内側輪郭から解放され(又は、センタリング部材が開口部5を完全に通り抜けたときにすでに解放され)、外方に向かって旋回して、支柱7の面12に当接する。更に動いたときにピン15が操作装置16により上方に向かってスライドして、
図8に見られるようにレバー14をロックし、それにより、センタリング部材10が押し出された個所で露出する。
【0039】
本実施例には、ピン15が係合する開口部をレバー14が有する様子が示されている。しかし原則としては、入庫方向に対して横向きに内方へと向かうレバー14の旋回運動をピン15が妨げることができれば足りる。このことは原則として、レバー14が外側からピン15に当接する場合に該当する。
【0040】
図8に示すように、センタリング部材が外方に向かって動いた位置で固定されていて、他のコーナーにあるセンタリング部材10も外方に向かって旋回した位置で固定されているとき、理想的な場合には、すべてのセンタリング部材10が支柱7の面12に当接する。ただし、このことは絶対に必要というわけではない。センタリング部材10と面12との間の1から5mmのオーダーの小さなクリアランスも十分に許容することができ、それにより、ブロック型保管庫要素3からなるスタックが、このようなクリアランスの枠内でのみ傾くことがあり得る。このような傾きは、センタリング装置8のないブロック型保管庫要素3からなるスタックが支柱7に当接するまでに傾き得るはずの場合に生じる傾きよりも、はるかに小さい。すなわちセンタリング装置8は、ブロック型保管庫要素3からなるスタックの傾きを、許容される事前決定された範囲内に抑えるために利用される。
【0041】
説明したとおり、第1のブロック型保管庫要素3が容器収容室2へ挿入されるとき、形状接合式の結合がブロック型保管庫要素3とセンタリング装置8との間で成立し、それにより、センタリング装置がそのすぐ下にあるブロック型保管庫要素3を所望の位置で保持する。別のブロック型保管庫要素3がブロック型保管庫要素収容室2に挿入されると、この別のブロック型保管庫要素3が、すでにブロック型保管庫要素収容室2の中にあるブロック型保管庫要素と形状接合式に係合して、そのすぐ上にあるブロック型保管庫要素3によって所望の位置で保持される。同様のことは、その次のブロック型保管庫要素にも当てはまる。すなわちブロック型保管庫要素3からなるスタックは、重力方向で上側の端部のところでセンタリング装置8によって位置決めされ、重力方向で下側の端部のところで開口部5によって位置決めされる。それに伴い、最大限許容される傾きを超えることがない、ブロック型保管庫要素3からなるスタックのアライメントが確保される。
【0042】
支柱7は、相互に安定化をするために、詳しくは図示しない方式で、入庫方向に対して横向きに互いに結合されていてよい。
【0043】
ローラとして構成されるセンタリング部材10は、少なくともその円周にエラストマー材料からなる層を有しており、それによりローラは、エラストマー材料で構成される摺動面を有する。それに伴い、ローラは面12の小さな起伏を補償することができ、センタリング装置8の動きのブロックを回避することができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのブロック型保管庫要素収容室(2)と、前記ブロック型保管庫要素収容室(2)の下方に配置された装填室(4)とを有するブロック型保管庫構造(1)であって、前記ブロック型保管庫要素収容室(2)と前記装填室(4)との間には保持装置(6)を有する開口部(5)が配置され、前記装填室(4)から前記ブロック型保管庫要素収容室(2)への方向が入庫方向を形成する、ブロック型保管庫構造において、
前記ブロック型保管庫要素収容室(2)の中で入庫方向へ可動であるセンタリング装置(8)が前記ブロック型保管庫要素収容室(2)に配置されることを特徴とする、ブロック型保管庫構造(1)。
【請求項2】
前記ブロック型保管庫要素収容室(2)の縁部に、入庫方向に延びる複数の面(12)が配置され、前記センタリング装置(8)は前記面(12)と協同作用することを特徴とする、請求項1に記載のブロック型保管庫構造。
【請求項3】
前記面(12)は、入庫方向に延びる支柱(7)に配置されることを特徴とする、請求項2に記載のブロック型保管庫構造。
【請求項4】
少なくともいくつかの前記支柱(7)は、入庫方向に対して横向きに互いに結合されることを特徴とする、請求項3に記載のブロック型保管庫構造。
【請求項5】
前記支柱(7)は、前記開口部(5)のコーナーに配置されることを特徴とする、請求項3又は4に記載のブロック型保管庫構造。
【請求項6】
前記センタリング装置(8)は、前記開口部(5)の形状に合わせて適合化された円周輪郭を備える土台(9)を有し、重力方向で前記土台(9)の上方に、前記円周輪郭から突き出す少なくとも1つのセンタリング部材(10)が配置されることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のブロック型保管庫構造。
【請求項7】
前記センタリング部材(10)は、入庫方向に対して横向きの力成分をもって前記センタリング部材(10)を外方に向かって付勢する初期応力装置(11)と結合されることを特徴とする、請求項6に記載のブロック型保管庫構造。
【請求項8】
前記センタリング部材(10)は、ロック装置(14,15)と協同作用することを特徴とする、請求項7に記載のブロック型保管庫構造。
【請求項9】
前記ロック装置(14,15)は、重力方向で下方から作動化可能である操作装置(16)と協同作用することを特徴とする、請求項8に記載のブロック型保管庫構造。
【請求項10】
前記操作装置(16)は、重力方向で下方に向かって前記土台(9)から突き出すことを特徴とする、請求項9に記載のブロック型保管庫構造。
【請求項11】
前記センタリング部材(10)はローラを有することを特徴とする、請求項6に記載のブロック型保管庫構造。
【請求項12】
前記ローラはエラストマー材料に構成された摺動面を有することを特徴とする、請求項11に記載のブロック型保管庫構造。
【請求項13】
重力方向で前記センタリング装置(8)の下方に、前記センタリング装置(8)と形状接合式に係合するブロック型保管庫要素(3)が配置されることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のブロック型保管庫構造。
【請求項14】
少なくとも1つのブロック型保管庫要素収容室(2)と、重力方向で前記ブロック型保管庫要素収容室(2)の下方に配置された装填室(4)とを有するブロック型保管庫構造(1)を稼働させる方法であって、ブロック型保管庫要素(3)を前記装填室(4)から開口部(5)を通して前記ブロック型保管庫要素収容室(2)の中に動かす、方法において、前記ブロック型保管庫要素収容室(2)に配置されたセンタリング装置(8)と前記ブロック型保管庫要素(3)を係合させ、前記ブロック型保管庫要素(3)を持ち上げるときに前記センタリング装置(8)を前記ブロック型保管庫要素収容室(2)の中で共に持ち上げることを特徴とする、方法。
【請求項15】
前記センタリング装置(8)に前記ブロック型保管庫要素(3)が当て付けられたときに、前記センタリング装置(8)の少なくとも1つのセンタリング部材(10)を、前記センタリング装置(8)の土台(9)から外方に向かって突き出す位置でロックすることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【外国語明細書】