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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018663
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】カラオケシステム
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122124
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中林 大樹
【テーマコード(参考)】
5D208
【Fターム(参考)】
5D208CA02
5D208CA11
5D208CG04
5D208CG05
(57)【要約】
【課題】カラオケ演奏機能とカーナビゲーション機能を組み合わせたコンテンツを実行可能とするカラオケシステムを提供する。
【解決手段】第1の車載端末が、楽曲識別情報、歌唱音声データ、及び第1の位置情報を、端末識別情報と対応付けてサーバ装置に送信し、第2の車載端末が、第2の位置情報を、端末識別情報と対応付けてサーバ装置に送信し、配信されたカラオケ演奏データ、及び歌唱音声データを再生有し、サーバ装置が、第2の位置情報を受信した場合、情報記憶部に記憶された第1の位置情報が示す位置のうち、当該第2の位置情報が示す位置から第1の所定範囲内にある位置を特定し、特定した位置を示す第1の位置情報に対応付けられた楽曲識別情報に対応するカラオケ演奏データ、及び歌唱音声データを第2の車載端末に配信するカラオケシステム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両それぞれに搭載された車載端末と、当該車載端末と通信可能に接続されたサーバ装置と、を有するカラオケシステムであって、
第1の車載端末は、
カラオケ演奏機能を用いてカラオケ演奏が行われた楽曲の楽曲識別情報、利用者のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声に対応する歌唱音声データ、及び前記第1の車載端末の位置を示す第1の位置情報を、端末識別情報と対応付けて前記サーバ装置に送信する第1の送信処理部を有し、
第2の車載端末は、
前記第2の車載端末の位置を示す第2の位置情報を、端末識別情報と対応付けて前記サーバ装置に送信する第2の送信処理部と、
前記サーバ装置から配信されたカラオケ演奏データ、及び歌唱音声データを再生する再生処理部と、
を有し、
前記サーバ装置は、
前記第1の車載端末から受信した楽曲識別情報、歌唱音声データ、第1の位置情報、及び端末識別情報を記憶する情報記憶部と、
前記第2の位置情報を受信した場合、前記情報記憶部に記憶された第1の位置情報が示す位置のうち、当該第2の位置情報が示す位置から第1の所定範囲内にある位置を特定する特定部と、
特定した位置を示す第1の位置情報に対応付けられた楽曲識別情報に対応するカラオケ演奏データ、及び歌唱音声データを前記第2の車載端末に配信する配信部と、
を有するカラオケシステム。
【請求項2】
前記配信部は、複数の位置が特定された場合、前記第2の位置情報が示す位置に最も近い位置を示す第1の位置情報に対応付けられた楽曲識別情報に対応するカラオケ演奏データ、及び歌唱音声データを前記第2の車載端末に配信することを特徴とする請求項1記載のカラオケシステム。
【請求項3】
前記特定部は、前記第2の位置情報を受信した場合、前記情報記憶部に記憶された第1の位置情報が示す位置のうち、当該第2の位置情報が示す位置から第2の所定範囲内にある位置を特定し、
前記配信部は、特定した位置を示す第1の位置情報を前記第2の車載端末に配信し、
前記第2の車載端末は、
配信された第1の位置情報が示す位置を、表示手段に表示された地図上に表示させる表示処理部を有することを特徴とする請求項1記載のカラオケシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカラオケシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンなどの携帯端末に専用のアプリケーションソフトウェアをインストールすることで、様々なサービスを利用することが可能となっている。
【0003】
たとえば、携帯端末でカラオケ演奏音を再生し、カラオケ歌唱に伴う歌唱音声を録音したり、歌唱者の録画を行う等、カラオケ装置と同様のサービスを利用できるカラオケアプリがある(非特許文献1参照)。また、車両の移動ルートの設定や道案内等、カーナビゲーション装置と同様のサービスを利用することができるカーナビゲーションアプリがある(非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】カラオケ@DAM fоr スマホ、[令和4年7月24日検索]、インターネット<URL:https://www.clubdam.com/spkdam/>
【非特許文献2】Yahoo!カーナビ、[令和4年7月24日検索]、インターネット<URL:https://carnavi.yahoo.co.jp/promo/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、カラオケ演奏機能とカーナビゲーション機能を組み合わせたコンテンツを実行可能とする新規なカラオケシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための一の発明は、複数の車両それぞれに搭載された車載端末と、当該車載端末と通信可能に接続されたサーバ装置と、を有するカラオケシステムであって、第1の車載端末は、カラオケ演奏機能を用いてカラオケ演奏が行われた楽曲の楽曲識別情報、利用者のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声に対応する歌唱音声データ、及び前記第1の車載端末の位置を示す第1の位置情報を、端末識別情報と対応付けて前記サーバ装置に送信する第1の送信処理部を有し、第2の車載端末は、前記第2の車載端末の位置を示す第2の位置情報を、端末識別情報と対応付けて前記サーバ装置に送信する第2の送信処理部と、前記サーバ装置から配信されたカラオケ演奏データ、及び歌唱音声データを再生する再生処理部と、を有し、前記サーバ装置は、前記第1の車載端末から受信した楽曲識別情報、歌唱音声データ、第1の位置情報、及び端末識別情報を記憶する情報記憶部と、前記第2の位置情報を受信した場合、前記情報記憶部に記憶された第1の位置情報が示す位置のうち、当該第2の位置情報が示す位置から第1の所定範囲内にある位置を特定する特定部と、特定した位置を示す第1の位置情報に対応付けられた楽曲識別情報に対応するカラオケ演奏データ、及び歌唱音声データを前記第2の車載端末に配信する配信部と、を有するカラオケシステムである。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カラオケ演奏機能とカーナビゲーション機能を組み合わせたコンテンツを実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係るカラオケシステムを示す図である。
図2】実施形態に係る第1の車載端末を示す図である。
図3】実施形態に係る第2の車載端末を示す図である。
図4】実施形態に係るサーバ装置を示す図である。
図5】実施形態に係るサーバ装置の処理を示すフローチャートである。
図6】変形例2に係る第2の車載端末を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施形態>
図1から図5を参照して、実施形態に係るカラオケシステムについて説明する。
【0010】
==カラオケシステム==
カラオケシステムは、車載端末及びサーバ装置を含む。
【0011】
車載端末は、車両に搭載される端末である。車載端末は、利用者が所有するスマートフォンやタブレット端末、或いは車両に予め搭載されている専用のコンピュータである。利用者は、車両の運転手や同乗者等、ピックアップコンテンツ(後述)を利用する者である。車載端末は、GPS機能やミュージックプレーヤ機能のような、一般的なスマートフォン等に備えられる機能を有する。
【0012】
本実施形態における車載端末には、カラオケ演奏機能とカーナビゲーション機能を組み合わせたピックアップコンテンツを利用するための専用のアプリケーションソフトウェア(以下、「コンテンツアプリ」)がインストールされている。カラオケ演奏機能は、車載端末においてカラオケ演奏を実行する機能である。カーナビゲーション機能は、車載端末において、GPS機能を利用して現在地を取得したり、設定した移動ルートに沿った運転を支援する機能である。カーナビゲーション機能は、公知のナビゲーションシステムで実施されている技術を利用することができる。ピックアップコンテンツは、道路や駐車場等、ある位置に疑似的に置かれた歌唱音声データを、当該ある位置付近を通過する車載端末で配信を受けるコンテンツである(後述)。コンテンツアプリは、所定のWebサイトからダウンロードすることで入手できる。
【0013】
サーバ装置は、各種情報の管理や処理を行うコンピュータである。サーバ装置は、公衆電話回線網やインターネット回線等のネットワークを介して、車載端末と通信可能に接続される。車載端末において、コンテンツアプリを起動させることにより、当該車載端末とサーバ装置とは通信可能に接続される。
【0014】
本実施形態に係るサーバ装置Sは、ピックアップコンテンツを実行する(後述)。
【0015】
図1に示すように、本実施形態に係るカラオケシステム1は、複数の車載端末(図1では車載端末M1、M2、M3を示している)、及びサーバ装置Sを含む。車載端末M1は運転手D1が操作し、車載端末M2は運転手D2が操作し、車載端末M3は運転手D3が操作する。車載端末M1は車両C1に搭載され、車載端末M2は車両C2に搭載され、車載端末M3は車両C3に搭載されている。各車載端末には、コンテンツアプリがインストールされている。
【0016】
==車載端末==
図2及び図3を参照して、車載端末の構成について説明する。車載端末は、記憶手段10、通信手段11、表示手段12、入力手段13、放音手段14、集音手段15、撮影手段16、及び制御手段17を備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0017】
[記憶手段、通信手段、表示手段、入力手段、放音手段、集音手段、撮影手段]
記憶手段10は、各種のデータを記憶する記憶装置である。記憶手段10は、端末識別情報を記憶している。端末識別情報は、車載端末を識別するための端末ID等、各車載端末に固有の情報である。通信手段11は、サーバ装置Sとの通信を行うためのインターフェースを提供する。表示手段12は、各種情報を表示させるディスプレイである。入力手段13は、利用者が各種指示入力を行うための構成である。なお、タッチパネル形式で構成されている表示手段12が、入力手段13として機能してもよい。放音手段14は、スピーカのような、音声を放音するための構成である。集音手段15は、マイクロフォンのような、利用者が発した音声を集音するための構成である。撮影手段16は、カメラのような、利用者を撮影するための構成である。
【0018】
[制御手段]
制御手段17は、車載端末における各種の制御を行う。制御手段17は、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0019】
本実施形態において、車載端末でコンテンツアプリを起動した場合、制御手段17は、表示手段12に「設置モード」または「ピックアップモード」を選択するためのモード選択画面を表示させる。「設置モード」は、歌唱音声データをある位置に疑似的に置くためのモードである。「ピックアップモード」は、ある位置に疑似的に置かれた歌唱音声データの配信を受けるためのモードである。
【0020】
「設置モード」が選択された車載端末は、「第1の車載端末」に相当する。また、ピックアップモードが選択された車載端末は、「第2の車載端末」に相当する。
【0021】
==第1の車載端末==
利用者により「設置モード」が選択された場合、車載端末の制御手段17は、第1の送信処理部17aとして機能する(図2参照)。
【0022】
(第1の送信処理部)
第1の送信処理部17aは、カラオケ演奏機能を用いてカラオケ演奏が行われた楽曲の楽曲識別情報、利用者のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声に対応する歌唱音声データ、及び第1の車載端末の位置を示す第1の位置情報を、端末識別情報と対応付けてサーバ装置Sに送信する。
【0023】
設置モードが選択された場合、第1の車載端末は、楽曲を選曲するための選曲画面を表示手段12に表示させる。利用者(たとえば、第1の車載端末が搭載される車両の運転手)は、入力手段13を介して、カラオケ歌唱を希望する楽曲を選曲する。第1の車載端末は、選曲された楽曲の楽曲識別情報を、自己の端末識別情報と対応付けてサーバ装置Sに送信する。楽曲識別情報は、楽曲を識別するための楽曲ID等、各楽曲に固有の情報である。
【0024】
サーバ装置Sは、受信した楽曲識別情報に対応するカラオケ演奏データ(後述)を記憶手段20(後述)から読み出し、第1の車載端末に送信する。第1の車載端末は、コンテンツアプリが提供するカラオケ演奏機能を用いて、受信したカラオケ演奏データに基づくカラオケ演奏を行う。カラオケ演奏の演奏音は、放音手段14(或いは、車両が備えるスピーカ等の放音手段)から放音される。利用者は、集音手段15(或いは、車載端末に取り付けられたヘッドセット等の集音手段)を用いてカラオケ歌唱を行う。第1の車載端末は、利用者のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声に対応する歌唱音声データを、楽曲識別情報と対応付けて、記憶手段10に記憶させる。
【0025】
第1の車載端末は、カラオケ歌唱の終了後、歌唱音声データを設置するかどうかを決定する決定画面を表示手段12に表示させる。利用者は、入力手段13を介して、歌唱音声データを設置するかどうかを選択する。歌唱音声データを設置するという選択がされた場合、第1の車載端末は、コンテンツアプリが提供するカーナビゲーション機能を用いて、第1の車載端末が備えるGPS機能を利用し、現在の位置を取得する。なお、歌唱音声データを設置しないという選択がされた場合、第1の車載端末は、コンテンツアプリが提供するカラオケ演奏機能を用いて、再度カラオケ演奏を行うことができる。
【0026】
第1の送信処理部17aは、記憶手段10に記憶させた、楽曲の楽曲識別情報、歌唱音声データ、及び第1の車載端末の位置を示す位置情報(すなわち、第1の位置情報)を、第1の車載端末の端末識別情報と対応付けてサーバ装置Sに送信する。
【0027】
==第2の車載端末==
一方、利用者により「ピックアップモード」が選択された場合、車載端末の制御手段17は、第2の送信処理部17b、及び再生処理部17cとして機能する(図3参照)。
【0028】
(第2の送信処理部)
第2の送信処理部17bは、第2の車載端末の位置を示す第2の位置情報を、端末識別情報と対応付けてサーバ装置Sに送信する。なお、第2の送信処理部17bは、例えば5秒といった所定時間毎にサーバ装置Sに送信する。
【0029】
ピックアップモードが選択された場合、第2の車載端末は、コンテンツアプリが提供するカーナビゲーション機能を用いて、第2の車載端末が備えるGPS機能を利用し、現在の位置を所定時間毎に取得する。
【0030】
第2の送信処理部17bは、所定時間毎に取得した第2の車載端末の位置を示す位置情報(すなわち、第2の位置情報)を、第2の車載端末の端末識別情報と対応付けてサーバ装置Sに送信する。
【0031】
(再生処理部)
再生処理部17cは、サーバ装置Sから配信されたカラオケ演奏データ、及び歌唱音声データを再生する。
【0032】
サーバ装置Sからカラオケ演奏データ及び歌唱音声データの配信(後述)を受けた場合、再生処理部17cは、コンテンツアプリのカラオケ機能を用いて、受信したカラオケ演奏データを再生し、カラオケ演奏音を放音手段14から放音させる。また、再生処理部17cは、コンテンツアプリのカラオケ機能を用いて、受信した歌唱音声データを再生し、第1の車載端末でカラオケ歌唱を行った利用者の歌唱音声を放音手段14から放音させる。第2の車載端末が搭載された車両に乗車している利用者は、第1の車載端末でカラオケ歌唱を行った利用者が選曲した楽曲のカラオケ演奏を、当該利用者の歌唱音声と合わせて試聴することができる。
【0033】
==サーバ装置==
図4に示すように、サーバ装置Sは、記憶手段20、通信手段30、及び制御手段40を備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0034】
[記憶手段]
記憶手段20は、各種のデータを記憶する記憶装置である。
【0035】
記憶手段20は、楽曲毎のカラオケ演奏データを記憶する。カラオケ演奏データは、カラオケ演奏を行うためのデータ(すなわち、カラオケ演奏音の元となるデータ)である。カラオケ演奏データは、車載端末が備えるミュージックプレーヤ機能やコンテンツアプリで再生可能な形式のデータである。カラオケ演奏データは、楽曲識別情報が付与されている。
【0036】
(情報記憶部)
本実施形態に係る記憶手段20の記憶領域の一部は、情報記憶部100として機能する。
【0037】
情報記憶部100は、第1の車載端末から受信した楽曲識別情報、歌唱音声データ、第1の位置情報、及び端末識別情報を記憶する。情報記憶部100は、第1の車載端末から楽曲識別情報を受信する都度、記憶を行う。すなわち、情報記憶部100は、複数の楽曲識別情報等を記憶することができる。
【0038】
[通信手段]
通信手段30は、各車載端末との通信を行うためのインターフェースを提供する。
【0039】
[制御手段]
制御手段40は、サーバ装置Sにおける各種の制御を行う。制御手段40は、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0040】
本実施形態においてはCPUがピックアップコンテンツのプログラムを実行することにより、制御手段40は、特定部200及び配信部300として機能する。
【0041】
(特定部)
特定部200は、第2の位置情報を受信した場合、情報記憶部100に記憶された第1の位置情報が示す位置のうち、当該第2の位置情報が示す位置から第1の所定範囲内にある位置を特定する。
【0042】
第1の所定範囲は、第1の位置情報が示す位置と第2の位置情報が示す位置との関係を判断するための基準である。所定範囲は、たとえば「第1の位置情報が示す位置を中心として半径100m」のように、予め一の基準が設定されている。
【0043】
特定部200は、第2の車載端末から第2の位置情報を受信した場合、当該第2の位置情報が示す位置と、情報記憶部100に記憶されている第1の位置情報が示す位置とを比較し、第2の位置情報が示す位置から第1の所定範囲内にある第1の位置情報が示す位置を特定する。
【0044】
なお、第2の位置情報が示す位置から第1の所定範囲内にある第1の位置情報が示す位置がない場合、特定部200は位置の特定を行わない。
【0045】
(配信部)
配信部300は、特定した位置を示す第1の位置情報に対応付けられた楽曲識別情報に対応するカラオケ演奏データ、及び歌唱音声データを第2の車載端末に配信する。
【0046】
特定部200により第1の位置情報が示す位置が特定された場合、配信部300は、当該第1の位置情報に対応付けられている楽曲識別情報を情報記憶部100から読み出す。そして、配信部300は、記憶手段20から当該楽曲識別情報に対応するカラオケ演奏データを読み出す。また、配信部300は、第1の位置情報に対応付けられている歌唱音声データを情報記憶部100から読み出す。配信部300は、読み出したカラオケ演奏データ及び歌唱音声データを、第2の車載端末に対して配信する。
【0047】
なお、配信部300は、カラオケ演奏データ及び歌唱音声データの配信を行う前に、配信可能となった旨のメッセージデータを第2の車載端末に送信してもよい。第2の車載端末は、受信したメッセージデータに基づいて、配信可能となった旨のメッセージを表示手段12に表示させたり、配信可能となった旨のメッセージの音声を放音手段14から放音させることができる。その後、第2の車載端末の利用者は、任意のタイミングで入力手段13を介し、配信希望の選択を行う。この場合、第2の車載端末は、サーバ装置Sに対し、配信希望の信号を送信する。配信部300は、当該信号を受けて、情報記憶部100からカラオケ演奏データ及び歌唱音声データを読み出し、第2の車載端末に対して配信することができる。
【0048】
==カラオケシステムの動作について==
次に、図5を参照して本実施形態におけるカラオケシステム1の動作の具体例について述べる。図5は、カラオケシステム1における動作を示すフローチャートである。この例では、図1に示した、運転手D1が操作する車載端末M1が「第1の車載端末」に相当し、運転手D2が操作する車載端末M2が「第2の車載端末」に相当する。運転手D1及び運転手D2は「利用者」に相当する。車載端末M1及びM2にはコンテンツアプリがインストールされている。
【0049】
車載端末M1の第1の送信処理部17aは、カラオケ演奏機能を用いてカラオケ演奏が行われた楽曲の楽曲ID、運転手D1のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声に対応する歌唱音声データ、及び車載端末M1の位置を示す第1の位置情報を、車載端末M1の端末IDと対応付けてサーバ装置Sに送信する(楽曲ID、歌唱音声データ、第1の位置情報、及び端末IDを送信。ステップ10)
【0050】
サーバ装置Sの情報記憶部100は、ステップ10で送信された楽曲ID、歌唱音声データ、第1の位置情報、及び端末IDを記憶する(楽曲ID、歌唱音声データ、第1の位置情報、及び端末IDを記憶。ステップ11)。
【0051】
車載端末M2の第2の送信処理部17bは、車載端末M2の位置を示す第2の位置情報を、車載端末M2の端末IDと対応付けてサーバ装置Sに送信する(第2の位置情報及び端末IDを送信。ステップ12)。
【0052】
サーバ装置Sの特定部200は、車載端末M2から第2の位置情報を受信した場合、当該第2の位置情報が示す位置と、情報記憶部100に記憶された第1の位置情報が示す位置を比較し、当該第2の位置情報が示す位置から第1の所定範囲内に第1の位置情報が示す位置があるか判定する。
【0053】
第2の位置情報が示す位置から第1の所定範囲内に第1の位置情報が示す位置があった場合(ステップ13でYの場合)、サーバ装置Sの特定部200は、当該第1の位置情報が示す位置を特定する(第1の所定範囲内にある第1の位置情報が示す位置を特定。ステップ14)。
【0054】
配信部300は、ステップ14で特定した位置を示す第1の位置情報に対応付けられた楽曲識別情報に対応するカラオケ演奏データ、及び歌唱音声データを車載端末M2に配信する(カラオケ演奏データ及び歌唱音声データを配信。ステップ15)。
【0055】
車載端末M2の再生処理部17cは、サーバ装置Sから配信されたカラオケ演奏データ、及び歌唱音声データを再生する(カラオケ演奏データ及び歌唱音声データを再生。ステップ16)。
【0056】
具体的に、ピックアップコンテンツの利用を希望する運転手D1は、車両C1に乗車した後、車載端末M1を操作してコンテンツアプリを起動させる。車載端末M1の制御手段17は、表示手段12に「設置モード」または「ピックアップモード」を選択するためのモード選択画面を表示させる。運転手D1は、入力手段13を介し、「設置モード」を選択する。
【0057】
設置モードを選択した後、運転手D1は、車載端末M1を操作し、カラオケ歌唱を希望する楽曲Xを選曲する。車載端末M1は、コンテンツアプリが提供するカラオケ演奏機能を用いて、楽曲Xのカラオケ演奏を行う。運転手D1は、車載端末M1に取り付けられたヘッドセットを用いてカラオケ歌唱を行う。車載端末M1は、運転手D1のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声に対応する歌唱音声データSD1を、楽曲ID***Xと対応付けて、記憶手段10に記憶させる。
【0058】
車載端末M1は、カラオケ歌唱の終了後、歌唱音声データSD1を設置するかどうかを決定する決定画面を表示手段12に表示させる。この例において、運転手D1は、入力手段13を介して、歌唱音声データSDを設置する旨の選択を行う。この場合、車載端末M1は、コンテンツアプリが提供するカーナビゲーション機能を用いて、車載端末M1が備えるGPS機能を利用し、現在の位置p1を取得する。
【0059】
車載端末M1の第1の送信処理部17aは、記憶手段10に記憶させた、楽曲Xの楽曲ID***X、歌唱音声データSD1、及び車載端末M1の位置p1を示す位置情報P1を、端末ID***M1と対応付けてサーバ装置Sに送信する。
【0060】
サーバ装置Sの情報記憶部100は、受信した楽曲Xの楽曲ID***X、歌唱音声データSD1、位置情報P1、及び端末ID***M1を記憶する。
【0061】
一方、車両C1とは別の車両C2においてピックアップコンテンツの利用を希望する運転手D2は、車両C2に乗車した後、車載端末M2を操作してコンテンツアプリを起動させる。車載端末M2の制御手段17は、表示手段12に「設置モード」または「ピックアップモード」を選択するためのモード選択画面を表示させる。運転手D2は、入力手段13を介し、「ピックアップモード」を選択する。
【0062】
ピックアップモードが選択された後、車載端末M2は、コンテンツアプリが提供するカーナビゲーション機能を用いて、車載端末M2が備えるGPS機能を利用し、現在の位置p2を所定時間毎に取得する。
【0063】
車載端末M2の第2の送信処理部17bは、所定時間毎に取得した車載端末M2の位置p2を示す位置情報P2を、車載端末M2の端末ID***M2と対応付けてサーバ装置Sに送信する。
【0064】
サーバ装置Sの特定部200は、車載端末M2から位置情報P2を受信した場合、当該位置情報P2が示す位置p2と、情報記憶部100に記憶されている位置情報が示す位置とを比較し、第2の位置情報が示す位置から第1の所定範囲内にある位置情報が示す位置を特定する。この例では、位置p1を示す位置情報P1が特定されたとする。
【0065】
特定部200により位置情報P1が示す位置p1が特定された場合、配信部300は、位置情報P1に対応付けられている楽曲ID***Xを情報記憶部100から読み出す。そして、配信部300は、記憶手段20から楽曲ID***Xに対応するカラオケ演奏データを読み出す。また、配信部300は、位置情報P1に対応付けられている歌唱音声データSD1を情報記憶部100から読み出す。配信部300は、読み出したカラオケ演奏データ及び歌唱音声データSD1を、位置情報P2及び端末ID***M2を送信した車載端末M2に対して配信する。
【0066】
車載端末M2の再生処理部17cは、コンテンツアプリのカラオケ機能を用いて、受信した楽曲Xのカラオケ演奏データを再生し、カラオケ演奏音を放音手段14から放音させる。また、車載端末M2の再生処理部17cは、コンテンツアプリのカラオケ機能を用いて、受信した歌唱音声データSD1を再生し、運転手D1の歌唱音声を放音手段14から放音させる。車載端末M2が搭載された車両C2の運転手D2は、運転手D1が選曲した楽曲Xのカラオケ演奏を、運転手D1の歌唱音声と合わせて試聴することができる。
【0067】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケシステム1は、複数の車両それぞれに搭載された車載端末と、当該車載端末と通信可能に接続されたサーバ装置Sと、を有する。第1の車載端末は、カラオケ演奏機能を用いてカラオケ演奏が行われた楽曲の楽曲識別情報、利用者のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声に対応する歌唱音声データ、及び第1の車載端末の位置を示す第1の位置情報を、端末識別情報と対応付けてサーバ装置Sに送信する第1の送信処理部17aを有する。第2の車載端末は、第2の車載端末の位置を示す第2の位置情報を、端末識別情報と対応付けてサーバ装置Sに送信する第2の送信処理部17bと、サーバ装置Sから配信されたカラオケ演奏データ、及び歌唱音声データを再生する再生処理部17cと、を有する。サーバ装置Sは、第1の車載端末から受信した楽曲識別情報、歌唱音声データ、第1の位置情報、及び端末識別情報を記憶する情報記憶部100と、第2の位置情報を受信した場合、情報記憶部100に記憶された第1の位置情報が示す位置のうち、当該第2の位置情報が示す位置から第1の所定範囲内にある位置を特定する特定部200と、特定した位置を示す第1の位置情報に対応付けられた楽曲識別情報に対応するカラオケ演奏データ、及び歌唱音声データを第2の車載端末に配信する配信部300と、を有する。
【0068】
このようなカラオケシステム1によれば、第2の位置情報が示す位置から第1の所定範囲内に第1の位置情報が示す位置がある場合、第1の車載端末から受信した楽曲識別情報に対応するカラオケ演奏データ及び歌唱音声データを、第2の車載端末に対して配信することができる。このように、カラオケシステム1は、各車載端末から送信される位置情報を用いることで、ある位置に疑似的に置かれた歌唱音声データを、当該ある位置付近を通過する車載端末で配信を受けるという新しいコンテンツを提供することができる。すなわち、本実施形態に係るカラオケシステム1によれば、カラオケ演奏機能とカーナビゲーション機能を組み合わせたコンテンツを実行できる。
【0069】
<変形例1>
実施形態の例において、第2の位置情報が示す位置から第1の所定範囲内にある位置が複数、特定される場合もありうる。この場合、配信部300は、第2の位置情報が示す位置に最も近い位置を示す第1の位置情報に対応付けられた楽曲識別情報に対応するカラオケ演奏データ、及び歌唱音声データを第2の車載端末に配信することができる。なお、以下の説明において、図1に示した車載端末M3は「第1の車載端末」に相当する。
【0070】
たとえば、サーバ装置Sの情報記憶部100は、車載端末M1から受信した楽曲Xの楽曲ID***X、歌唱音声データSD1、位置情報P1(位置p1を示す位置情報)、及び端末ID***M1と、車載端末M3から受信した楽曲Yの楽曲ID***Y、歌唱音声データSD3、位置情報P3(位置p3を示す位置情報)、及び端末ID***M3と、を記憶しているとする。
【0071】
ここで、実施形態で述べたように、サーバ装置Sの特定部200は、車載端末M2から位置情報P2を受信した場合、当該位置情報P2が示す位置p2と、情報記憶部100に記憶されている位置情報が示す位置とを比較し、第2の位置情報P2が示す位置p2から第1の所定範囲内にある位置情報が示す位置を特定する。この例では、位置情報P1が示す位置p1及び位置情報P3が示す位置p3の2つが特定されたとする。
【0072】
この場合、配信部300は、位置p2から位置p1までの距離d1と、位置p2から位置p3までの距離d2とを算出する。距離d1及び距離d2は、たとえばカーナビゲーション機能が提供する地図情報に基づき、直線距離または最短の移動ルートでの距離として算出することができる。
【0073】
配信部300は、算出した距離d1及び距離d2のうち、短いほうの距離を算出する際に用いた第1の位置情報を、第2の位置情報が示す位置に最も近い位置を示す第1の位置情報として選定する。この例では距離d1よりも距離d2が短いとする。よって、配信部300は、位置p3を示す位置情報P3を選定する。この場合、配信部300は、位置p3を示す位置情報P3に対応付けられている楽曲ID***Yを情報記憶部100から読み出す。そして、配信部300は、記憶手段20から楽曲ID***Yに対応するカラオケ演奏データを読み出す。また、配信部300は、位置情報P3に対応付けられている歌唱音声データSD3を情報記憶部100から読み出す。配信部300は、読み出したカラオケ演奏データ及び歌唱音声データSD3を、位置情報P2及び端末ID***M2を送信した車載端末M2に対して配信する。
【0074】
なお、第2の位置情報が示す位置から第1の所定範囲内にある位置が3つ以上特定された場合、配信部300は、第2の位置情報が示す位置に最も近い位置を示す第1の位置情報を一つ選定し、当該位置情報に対応付けられた楽曲識別情報に対応するカラオケ演奏データ、及び歌唱音声データを第2の車載端末に配信する。
【0075】
以上から明らかなように、本変形例に係るカラオケシステム1の配信部300は、複数の位置が特定された場合、第2の位置情報が示す位置に最も近い位置を示す第1の位置情報に対応付けられた楽曲識別情報に対応するカラオケ演奏データ、及び歌唱音声データを第2の車載端末に配信する。このようなカラオケシステム1によれば、第2の車載端末の位置に対して第1の所定範囲内に複数の歌唱音声データが疑似的に置かれている場合、第2の車載端末に対して最も近い位置に置かれている歌唱音声データを配信することができる。
【0076】
<変形例2>
カラオケシステム1は、第2の車載端末において、歌唱音声データが疑似的に置かれた位置を表示させることができる。第2の車載端末を搭載した車両は、表示された位置に移動することでカラオケ演奏データオ及び歌唱音声データの配信を受けることができる。
【0077】
==サーバ装置==
(特定部)
本変形例に係る特定部200は、第2の位置情報を受信した場合、情報記憶部100に記憶された第1の位置情報が示す位置のうち、当該第2の位置情報が示す位置から第2の所定範囲内にある位置を特定する。
【0078】
第2の所定範囲は、第1の位置情報が示す位置と第2の位置情報が示す位置との関係を判断するための基準である。第2の所定範囲は、たとえば「第1の位置情報が示す位置を中心として半径1km」のように、予め一の基準が設定されている。なお、第2の所定範囲は、第1の所定範囲よりも広い範囲である。
【0079】
特定部200は、第2の車載端末から第2の位置情報を受信した場合、当該第2の位置情報が示す位置と、情報記憶部100に記憶されている第1の位置情報が示す位置とを比較し、第2の位置情報が示す位置から第2の所定範囲内にある第1の位置情報が示す位置を特定する。たとえば、特定部200は、変形例1で説明した、位置情報P1が示す位置p1及び位置情報P3が示す位置p3の2つを特定したとする。
【0080】
(配信部)
本変形例に係る配信部300は、特定した位置を示す第1の位置情報を第2の車載端末に配信する。配信部300は、この段階ではカラオケ演奏データ及び歌唱音声データの配信は行わない。上述の通り、特定部200により、位置情報P1が示す位置p1及び位置情報P3が示す位置p3が特定された場合、配信部300は、第1の位置情報として位置情報P1及び位置情報P3を車載端末M2に対して配信する。
【0081】
==第2の車載端末==
本実施形態において、車載端末でコンテンツアプリを起動した場合、制御手段17は、表示手段12に「設置モード」及び「サーチモード」を選択するためのモード選択画面を表示させる。「サーチモード」は、近くに置かれた歌唱音声データを探し、当該歌唱音声データの配信を受けるためのモードである。「サーチモード」が選択された車載端末は「第2の車載端末」に相当する。
【0082】
利用者により「サーチモード」が選択された場合、車載端末の制御手段17は、第2の送信処理部17b、再生処理部17c、及び表示処理部17dとして機能する(図6参照)。
【0083】
(表示処理部)
表示処理部17dは、配信された第1の位置情報が示す位置を、表示手段12に表示された地図上に表示させる。
【0084】
配信部300から第1の位置情報が配信された場合、表示処理部17dは、コンテンツアプリが提供するカーナビゲーション機能を用いて、第2の送信処理部17bがサーバ装置Sに送信した第2の位置情報が示す位置を含む地図を表示手段12に表示させる。そして、表示処理部17dは、配信された第1の位置情報が示す位置を、当該地図上に表示させる。
【0085】
上述の通り、配信部300により、第1の位置情報として位置情報P1及び位置情報P3が配信された場合、表示処理部17dは、位置p2を含む地図上に、位置情報P1が示す位置p1及び位置情報P3が示す位置p3を表示させる。
【0086】
車載端末M2が搭載された車両C2の運転手D2は、表示手段12に表示された位置のうち、任意の位置に向かって車両C2を移動させる。なお、この際、車載端末M2は、コンテンツアプリが提供するカーナビゲーション機能を用いて、任意の位置まで最適な移動ルートの設定やナビゲーションを行ってもよい。
【0087】
サーチモードが選択された後、車載端末M2は、コンテンツアプリが提供するカーナビゲーション機能を用いて、車載端末M2が備えるGPS機能を利用し、現在の位置p2´を所定時間毎に取得する。
【0088】
車載端末M2の第2の送信処理部17bは、所定時間毎に取得した車載端末M2の位置p2´を示す位置情報P2´を、車載端末M2の端末ID***M2と対応付けてサーバ装置Sに送信する。
【0089】
サーバ装置Sの特定部200は、車載端末M2から位置情報P2´を受信した場合、当該位置情報P2´が示す位置p2´と、情報記憶部100に記憶されている位置情報が示す位置とを比較し、第2の位置情報が示す位置から第1の所定範囲内にある位置情報が示す位置を特定する。この例では、位置p1を示す位置情報P1が特定されたとする。この場合、特定部200及び配信部300は、実施形態と同様の処理を実行する。すなわち、配信部300は、楽曲Xのカラオケ演奏データ及び歌唱音声データSD1を、位置情報P2´及び端末ID***M2を送信した車載端末M2に対して配信する。
【0090】
以上から明らかなように、本変形例に係るカラオケシステム1の特定部200は、第2の位置情報を受信した場合、情報記憶部100に記憶された第1の位置情報が示す位置のうち、当該第2の位置情報が示す位置から第2の所定範囲内にある位置を特定し、配信部300は、特定した位置を示す第1の位置情報を第2の車載端末に配信する。また、本変形例に係る第2の車載端末は、配信された第1の位置情報が示す位置を、表示手段12に表示された地図上に表示させる表示処理部17dを有する。このようなカラオケシステム1によれば、第2の車載端末の利用者は、現在の位置から第2の所定範囲内において歌唱音声データが疑似的に置かれている位置を把握できる。
【0091】
<変形例3>
配信部300は、カラオケ演奏データ及び歌唱音声データと合わせて、カラオケ歌唱を行っている利用者を撮影して得られた映像データを配信してもよい。
【0092】
==第1の車載端末==
(第1の送信処理部)
本変形例に係る第1の送信処理部100は、カラオケ演奏機能を用いてカラオケ演奏が行われた楽曲の楽曲識別情報、利用者のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声に対応する歌唱音声データ、当該カラオケ歌唱を行う当該利用者を撮影して得られた映像データ、及び第1の車載端末の位置を示す第1の位置情報を、端末識別情報と対応付けてサーバ装置Sに送信する。
【0093】
実施形態で述べたように、第1の車載端末は、コンテンツアプリが提供するカラオケ演奏機能を用いて、受信したカラオケ演奏データに基づくカラオケ演奏を行う。カラオケ演奏の演奏音は、第1の車載端末の放音手段14(或いは、車両が備えるスピーカ等の放音手段)から放音される。利用者は、第1の車載端末の集音手段15(或いは、車載端末に取り付けられたヘッドセット等の集音手段)を用いてカラオケ歌唱を行う。また、第1の車載端末の撮影手段16(或いは、車載端末に取り付けられたカメラ等の撮影手段)は、カラオケ歌唱を行う利用者を撮影する。第1の車載端末は、利用者のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声に対応する歌唱音声データ、及びカラオケ歌唱を行う利用者を撮影して得られた映像データを、楽曲識別情報と対応付けて、第1の車載端末が備える記憶手段10に記憶させる。
【0094】
その後、歌唱音声データを設置するという選択がされた場合、第1の車載端末は、コンテンツアプリが提供するカーナビゲーション機能を用いて、第1の車載端末が備えるGPS機能を利用し、現在の位置を取得する。
【0095】
第1の送信処理部17aは、記憶手段10に記憶させた、楽曲の楽曲識別情報、歌唱音声データ、映像データ、及び第1の車載端末の位置を示す位置情報(すなわち、第1の位置情報)を、第1の車載端末の端末識別情報と対応付けてサーバ装置Sに送信する。
【0096】
==第2の車載端末==
(再生処理部)
本変形例に係る再生処理部17cは、サーバ装置Sから配信されたカラオケ演奏データ、歌唱音声データ、及び映像データを再生する。
【0097】
サーバ装置Sからカラオケ演奏データ、歌唱音声データ、及び映像データの配信(詳細は後述)を受けた場合、再生処理部17cは、コンテンツアプリのカラオケ機能を用いて、受信したカラオケ演奏データを再生し、カラオケ演奏音を放音手段14から放音させる。また、再生処理部17cは、コンテンツアプリのカラオケ機能を用いて、受信した歌唱音声データを再生し、第1の車載端末でカラオケ歌唱を行った利用者の歌唱音声を放音手段14から放音させる。また、再生処理部17cは、コンテンツアプリのカラオケ機能を用いて、受信した映像データを再生し、第1の車載端末でカラオケ歌唱を行った利用者の映像を表示手段12に表示させる。第2の車載端末が搭載された車両に乗車している利用者は、第1の車載端末でカラオケ歌唱を行った利用者が選曲した楽曲のカラオケ演奏を、当該利用者の歌唱音声及び映像と合わせて視聴することができる。
【0098】
==サーバ装置==
(情報記憶部)
本変形例に係る情報記憶部100は、第1の車載端末から受信した楽曲識別情報、歌唱音声データ、映像データ、第1の位置情報、及び端末識別情報を記憶する。
【0099】
(配信部)
本変形例に係る配信部500は、特定した位置を示す第1の位置情報に対応付けられた楽曲識別情報に対応するカラオケ演奏データ、歌唱音声データ、及び映像データを第2の車載端末に配信する。
【0100】
実施形態で述べたように、特定部200により第1の位置情報が示す位置が特定された場合、配信部300は、当該第1の位置情報に対応付けられている楽曲識別情報を情報記憶部100から読み出す。そして、配信部300は、記憶手段20から当該楽曲識別情報に対応するカラオケ演奏データを読み出す。また、配信部300は、第1の位置情報に対応付けられている歌唱音声データ及び映像データを情報記憶部100から読み出す。配信部300は、読み出したカラオケ演奏データ、歌唱音声データ、及び映像データを、第2の車載端末に対して配信する。
【0101】
<その他>
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0102】
1 カラオケシステム
17a 第1の送信処理部
17b 第2の送信処理部
17c 再生処理部
100 情報記憶部
200 特定部
300 配信部
C1~C3 車両
M1~M3 車載端末
S サーバ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6