(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018698
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
H10B 63/10 20230101AFI20240201BHJP
H10N 70/00 20230101ALI20240201BHJP
【FI】
H01L27/105 449
H01L45/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122185
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荻原 隆
(72)【発明者】
【氏名】滋賀 秀裕
(72)【発明者】
【氏名】高島 大三郎
【テーマコード(参考)】
5F083
【Fターム(参考)】
5F083FZ10
5F083GA10
5F083JA03
5F083JA36
5F083JA37
5F083JA39
5F083JA60
5F083KA01
5F083KA06
5F083KA12
5F083LA12
5F083LA16
5F083LA20
(57)【要約】
【課題】セルブロックを効率的にレイアウトする。
【解決手段】一つの実施形態によれば、半導体記憶装置において、複数の第1のメモリセルは、第1のローカルビット線とローカルソース線との間に並列接続される。複数の第2のメモリセルは、第2のローカルビット線とローカルソース線との間に並列接続される。複数の第1のメモリセルのそれぞれは、第1のセルトランジスタと第1の抵抗変化素子との直列接続を有する。複数の第2のメモリセルのそれぞれは、第2のセルトランジスタと第2の抵抗変化素子との直列接続を有する。第1の選択ゲート線は、第2の方向に配列される複数のセルブロックに跨って第2の方向に延びる。第2の選択ゲート線は、ローカルソース線を間にして第1の選択ゲート線と反対側に配される。第2の選択ゲート線は、第2の方向に配列される複数のセルブロックに跨って第2の方向に延びる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に延びるビット線と、
それぞれが少なくとも前記第1の方向に垂直な第2の方向に延び、前記第1の方向及び前記第2の方向に垂直な第3の方向に積層された複数のワード線と、
ソース領域と、
前記第2の方向に配列される複数のセルブロックを含むセルアレイと、
を備え、
前記セルブロックは、
ゲートが第1の選択ゲート線に接続される第1の選択トランジスタと、
ゲートが第2の選択ゲート線に接続される第2の選択トランジスタと、
前記第1の選択トランジスタを介して前記ビット線に接続可能であり、前記第3の方向に延びる第1のローカルビット線と、
前記第2の選択トランジスタを介して前記ビット線に接続可能であり、前記第3の方向に延びる第2のローカルビット線と、
前記ソース領域に接続可能であり、前記第3の方向に延びるローカルソース線と、
前記第1のローカルビット線と前記ローカルソース線との間に並列接続される複数の第1のメモリセルと、
前記第2のローカルビット線と前記ローカルソース線との間に並列接続される複数の第2のメモリセルと、
を有し、
前記複数の第1のメモリセルのそれぞれは、第1のセルトランジスタと第1の抵抗変化素子との直列接続を有し、
前記第1のセルトランジスタのゲートは、前記複数のワード線の1つに対応し、
前記複数の第2のメモリセルのそれぞれは、第2のセルトランジスタと第2の抵抗変化素子との直列接続を有し、
前記第2のセルトランジスタのゲートは、前記複数のワード線の1つに対応し、
前記第1の選択ゲート線は、前記第2の方向に配列される複数のセルブロックに跨って前記第2の方向に延び、
前記第2の選択ゲート線は、前記ローカルソース線を間にして前記第1の選択ゲート線と反対側に配され、前記第2の方向に配列される複数のセルブロックに跨って前記第2の方向に延びる
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記ソース領域は、前記第2の方向に延びる導電層を含む
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記ソース領域は、前記第1の方向に延びる導電層を含む
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記ソース領域は、前記第1の方向及び前記第2の方向に延びる導電層を含む
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記ワード線は、前記第1の方向及び前記第2の方向に延びる
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
第1の方向に延びるビット線と、
それぞれが少なくとも前記第1の方向に垂直な第2の方向に延び、前記第1の方向及び前記第2の方向に垂直な第3の方向に積層された複数のワード線と、
前記第1の方向に延びるソース線と、
前記第2の方向に配列される複数のセルブロックを含むセルアレイと、
を備え、
前記セルブロックは、
ゲートが第1の選択ゲート線に接続される第1の選択トランジスタと、
ゲートが第2の選択ゲート線に接続される第2の選択トランジスタと、
前記第1の選択トランジスタを介して前記ビット線に接続可能であり、前記第3の方向に延びるローカルビット線と、
前記第2の選択トランジスタを介して前記ソース線に接続可能であり、前記第3の方向に延びるローカルソース線と、
前記ローカルビット線と前記ローカルソース線との間に並列接続される複数のメモリセルと、
を有し、
前記複数のメモリセルのそれぞれは、第1の抵抗変化素子とゲートが前記ワード線に接続されるセルトランジスタと第2の抵抗変化素子との直列接続を有し、
前記第1の選択ゲート線は、2本がソース線を中心に、前記第2の方向に配列される複数のセルブロックに跨って、前記第2の方向に延び、
前記第2の選択ゲート線は、平面視で前記第1の選択ゲート線に隣接するように配置され、2本がソース線を中心に、前記第2の方向に配列される複数のセルブロックに跨って、前記第2の方向に延びる
半導体記憶装置。
【請求項7】
それぞれ一端がビット線に接続された複数のセルブロックの配列を含むセルアレイを備え、
前記セルブロックは、
複数のワード線に対応してローカルソース線とローカルビット線との間に並列に接続された複数のメモリセルと、
前記ローカルビット線と前記ビット線との間に接続された第1の選択トランジスタと、
を有し、
前記セルブロックは、前記ローカルソース線の一端とソース領域の間に第2の選択トランジスタと第3の選択トランジスタとの直列接続をさらに有し、
前記メモリセルは、
ゲートが前記ワード線に接続されたセルトランジスタと、
前記ローカルソース線と前記ローカルビット線との間で前記セルトランジスタに対して直列に接続された抵抗変化素子と、
を有する
半導体記憶装置。
【請求項8】
前記第2の選択トランジスタ及び前記第3の選択トランジスタは、一方がディプレッション型のトランジスタであり、他方がエンハンスメント型のトランジスタである
請求項7に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
抵抗変化素子を含むメモリセル有する半導体記憶装置では、メモリセルを含むセルブロックが配列されることでセルアレイが形成される。半導体記憶装置では、セルブロックを効率的にレイアウトすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-2629号公報
【特許文献2】米国特許第589447号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Hang-Ting Lue, Guan-Ru Lee, Teng-Hao Yeh, Tzu-Hsuan Hsu, Chieh (Roger) Lo, Cheng-Lin Sung, Wei-Chen Chen, Chia-Tze Huang, Kuan-Yuan Shen, Meng-Yen Wu, Pishan Tseng, Min-Feng Hung, Chia-Jung Chiu, Kuang-Yeu Hsieh, Keh-Chung Wang, and Chih-Yuan Lu, “3D AND: A 3D Stackable フラッシュ Memory Architecture to Realize High-Density and Fast-リード 3D NOR フラッシュ and Storage-Class Memory”,2020 IEEE International Electron Devices Meeting (IEDM), Conference Paper, P. 115-118, December 2020.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一つの実施形態は、セルブロックを効率的にレイアウトできる半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの実施形態によれば、ビット線と複数のワード線とソース領域とセルアレイとを有する半導体記憶装置が提供される。ビット線は、第1の方向に延びる。複数のワード線は、それぞれが少なくとも第2の方向に延びる。第2の方向は、第1の方向に垂直な方向である。複数のワード線は、第3の方向に積層される。第3の方向は、第1の方向及び第2の方向に垂直な方向である。セルアレイは、第2の方向に配列される複数のセルブロックを含む。セルブロックは、第1の選択トランジスタと第2の選択トランジスタと第1のローカルビット線と第2のローカルビット線とローカルソース線と複数の第1のメモリセルと複数の第2のメモリセルとを有する。第1の選択トランジスタは、ゲートが第1の選択ゲート線に接続される。第2の選択トランジスタは、ゲートが第2の選択ゲート線に接続される。第1のローカルビット線は、第1の選択トランジスタを介してビット線に接続可能である。第1のローカルビット線は、第3の方向に延びる。第2のローカルビット線は、第2の選択トランジスタを介してビット線に接続可能である。第2のローカルビット線は、第3の方向に延びる。ローカルソース線は、ソース領域に接続可能である。ローカルソース線は、第3の方向に延びる。複数の第1のメモリセルは、第1のローカルビット線とローカルソース線との間に並列接続される。複数の第2のメモリセルは、第2のローカルビット線とローカルソース線との間に並列接続される。複数の第1のメモリセルのそれぞれは、第1のセルトランジスタと第1の抵抗変化素子との直列接続を有する。第1のセルトランジスタのゲートは、複数のワード線の1つに対応する。複数の第2のメモリセルのそれぞれは、第2のセルトランジスタと第2の抵抗変化素子との直列接続を有する。第2のセルトランジスタのゲートは、複数のワード線の1つに対応する。第1の選択ゲート線は、第2の方向に配列される複数のセルブロックに跨って第2の方向に延びる。第2の選択ゲート線は、ローカルソース線を間にして第1の選択ゲート線と反対側に配される。第2の選択ゲート線は、第2の方向に配列される複数のセルブロックに跨って第2の方向に延びる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施形態にかかる半導体記憶装置の構成を示すブロック図。
【
図2】第1の実施形態におけるセルアレイの構成を示す回路図。
【
図3】第1の実施形態におけるセルアレイの構成を示す斜視図。
【
図4】第1の実施形態におけるセルブロックの構成を示す斜視図。
【
図5】第1の実施形態におけるセルブロックの構成を示す積層方向の断面図。
【
図6】第1の実施形態におけるセルブロックの構成を示す平面方向の断面図。
【
図7】第1の実施形態におけるセルブロックの構成を示す回路図。
【
図8】第1の実施形態におけるセルアレイの構成を示す平面図。
【
図9】第1の実施形態におけるセルブロック面積を示す平面図。
【
図10】第1の実施形態におけるセルブロック面積を示す平面図。
【
図11】第1の実施形態におけるSGD余裕とセル面積との関係を示す図。
【
図12】第1の実施形態におけるメモリセルアレイ及びロウデコーダのレイアウト構成を示す平面図。
【
図13】第1の実施形態の第1の変形例におけるセルブロックの構成を示す平面方向の断面図。
【
図14】第1の実施形態の第1の変形例におけるセルアレイの構成を示す平面図。
【
図15】第1の実施形態の第2の変形例におけるセルブロックの構成を示す斜視図。
【
図16】第1の実施形態の第2の変形例におけるセルブロックの構成を示す積層方向の断面図。
【
図17】第1の実施形態の第2の変形例におけるセルブロックの構成を示す平面方向の断面図。
【
図18】第1の実施形態の第2の変形例におけるセルブロックの構成を示す回路図。
【
図19】第1の実施形態の第2の変形例におけるセルアレイの構成を示す平面図。
【
図20】第2の実施形態におけるセルアレイの構成を示す斜視図。
【
図21】第2の実施形態におけるセルブロックの構成を示す積層方向の断面図。
【
図22】第2の実施形態におけるセルブロックの構成を示す平面方向の断面図。
【
図23】第2の実施形態におけるセルブロックの構成を示す回路図。
【
図24】第2の実施形態におけるセルブロックの動作を示す積層方向・平面方向の断面図。
【
図25】第2の実施形態におけるセルブロックの動作を示す回路図。
【
図26】第2の実施形態におけるセルブロックの動作を示す積層方向・平面方向の断面図。
【
図27】第2の実施形態におけるセルブロックの動作を示す回路図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる半導体記憶装置を詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0009】
(第1の実施形態)
第1の実施形態にかかる半導体記憶装置は、メモリセルを含むセルブロックが配列されることでセルアレイが形成されるが、セルブロックを効率的にレイアウトするための工夫が施される。
【0010】
例えば、半導体記憶装置1は、
図1に示すように構成され得る。
図1は、半導体記憶装置1の概略構成を示す図である。半導体記憶装置1は、通信媒体2を介して、ホスト3と接続可能である。半導体記憶装置1は、不揮発で情報を記憶可能な不揮発性の半導体記憶装置であってもよい。半導体記憶装置1は、抵抗変化型メモリであってもよく、例えば、抵抗変化メモリ又は相変化メモリである。通信媒体2は、例えば、同期式並列通信線である。半導体記憶装置1、通信媒体2、ホスト3を含む構成は、メモリシステム4として構成され得る。メモリシステム4は、SDカード等のメモリカードでもよいし、SSD等のストレージシステムでもよいし、eMMCデバイスでもよい。ホスト3は、コントローラでもよいし、CPUでもよい。
【0011】
半導体記憶装置1は、セルアレイ5、ロウデコーダ6、センスアンプ7、周辺回路8、及びインターフェース部(I/F部)13を有する。周辺回路8は、ドライバ9、シーケンサ10、アドレスレジスタ11、コマンドレジスタ12を含む。セルアレイ5は、複数のメモリセルが配列される。複数のメモリセルは、複数のワード線と複数のビット線とを用いてアクセス可能である。複数のワード線は、それぞれがロウアドレスに対応付けられる。複数のビット線は、それぞれがカラムアドレスに対応付けられる。コマンドレジスタ12は、I/F部13を介してホスト3から受けるホスト要求に含まれるコマンドを保持する。アドレスレジスタ11は、I/F部13を介してホスト3から受けるホスト要求に含まれるアドレスを保持する。
【0012】
シーケンサ10は、コマンドレジスタ12に保持されるコマンドを実行し、セルアレイ5に対するデータのライト動作又はリード動作を制御する。シーケンサ10による制御に応じて、ロウデコーダ6は、アドレスレジスタ11に保持されるアドレスをデコードし、デコードされたロウアドレスに対応するワード線を選択可能である。シーケンサ10による制御に応じて、ドライバ9は、ワード線を選択するための電圧を生成してロウデコーダ6へ供給する。シーケンサ10による制御に応じて、センスアンプ6は、アドレスレジスタ11に保持されるアドレスをデコードし、デコードされたカラムアドレスに対応するビット線を選択可能である。
【0013】
セルアレイ5において複数のメモリセルを3次元的に配列することを考える場合、抵抗変化型メモリ、例えば相変化メモリ(PCM)に適用出来る構成として、鎖接続型メモリがあげられる。鎖接続型メモリでは、複数のメモリセルが鎖状に直列接続されてストリングとして構成される。各メモリセルは、抵抗変化素子とセルトランジスタとの並列接続で構成される。選択メモリセルでセルトランジスタがオフされ、非選択メモリセルでセルトランジスタがオンされることで、選択メモリセルの抵抗変化素子に選択的に電圧を印加可能である。
【0014】
例えば、メモリホール内側面にゲート酸化膜、半導体膜、抵抗変化膜、コア絶縁膜を順に堆積して形成可能であるが、その製造時に半導体膜を多結晶半導体で堆積し、その動作時に円筒状の半導体膜に対して軸方向にセル電流が流れることになる。すなわち、鎖接続型メモリでは、ストリングにおける複数のセルトランジスタのチャネル領域が直列接続されることに対応し、抵抗変化素子(抵抗変化膜)へのアクセス動作時に半導体膜を通る電流経路が長くなる。このため、半導体膜における粒界等の影響によりセル電流量が抵抗変化素子のリード・ライトに要求される電流量に対して不足する可能性がある。
【0015】
よって、この対策として、鎖接続型メモリに代えて梯子接続型メモリを採用する。梯子接続型メモリでは、
図2に示すような複数のセルブロックCB0~CB5が2次元的に配列されてセルアレイ5が構成される。
図2は、セルアレイ5の構成を示す回路図である。セルブロックCBは、複数のサブセルブロックSCBを含む。各サブセルブロックSCBは、ローカルビット線LBLとローカルソース線LSLとの間に配され、ローカルビット線LBLとローカルソース線LSLとの間に並列接続される複数のメモリセルMCを含む。
【0016】
例えば、セルブロックCB0は、サブセルブロックSCB0とサブセルブロックSCB1とを含む。サブセルブロックSCB0は、ローカルビット線LBL0とローカルソース線LSLとの間に配される。サブセルブロックSCB0は、複数のメモリセルMC0を含む。複数のメモリセルMC0は、ローカルビット線LBL0とローカルソース線LSLとの間に並列接続される。同様に、サブセルブロックSCB1は、ローカルビット線LBL1とローカルソース線LSLとの間に配される。サブセルブロックSCB1は、複数のメモリセルMC1を含む。複数のメモリセルMC1は、ローカルビット線LBL1とローカルソース線LSLとの間に並列接続される。
【0017】
すなわち、複数のメモリセルMC0は、ローカルビット線LBL0及びローカルソース線LSL間で梯子状に並列接続される。複数のメモリセルMC1は、ローカルビット線LBL1及びローカルソース線LSL間で梯子状に並列接続される。各メモリセルMCは、抵抗変化素子REとセルトランジスタMTとの直列接続で構成される。ローカルビット線LBL0,LBL1は、選択トランジスタSGD0,SGD1を介してビット線BLに接続される。ローカルソース線LSLは、ソース線SLに接続される。
【0018】
抵抗変化素子(抵抗変化膜)REへのアクセス動作時には、選択セルブロックCBの選択トランジスタSGDをオンし、非選択セルブロックCBの選択トランジスタSGDをオフのままにする。選択セルブロックCBでは、選択メモリセルMCのセルトランジスタMTをオンし、非選択メモリセルMCのセルトランジスタMTをオフのままにする。ビット線BLとソース線SLとに電圧を印可すると、ビット線BL→ローカルビット線LBL→選択メモリセルMCの抵抗変化素子RE→選択メモリセルMCのセルトランジスタMT→ローカルソース線LSL→ソース線SLの経路でセル電流が流され得る。
【0019】
すなわち、梯子接続型メモリでは、セルブロックCBにおける複数のセルトランジスタMTのチャネル領域が並列接続されることに対応し、抵抗変化素子(抵抗変化膜)REへのアクセス動作時に半導体膜を通る電流経路を短くできる。このため、半導体膜内の粒界等の影響で電流が低下しても、セル電流量を抵抗変化素子REのライト動作(Set・Reset動作)及びリード動作(Set・Reset状態の検知)が可能な程度に確保することができる。
【0020】
図2に示す回路は、
図3に示す構成で実現され得る。
図3は、セルアレイ5の構成を示す斜視図である。
図3では、ビット線BLの延在方向をY方向とし、メモリセルMCの積層方向をZ方向とし、Y方向及びZ方向に垂直な方向をX方向とする。セルアレイ5は、
図3に示すように、基板21の+Z側において、柱状のセルブロックCBがXY方向に2次元的に配列されるとともに、積層体22が柱状のセルブロックCBでZ方向に貫通されて3次元的なメモリセルMCの配列として構成される。
【0021】
基板21の+Z側には、積層体22を含む複数の積層体が配され得る。複数の積層体は、分離部STを間にして互いにY方向にずれた位置に配され得る。分離部STは、積層体22を他の積層体から電気的に分離している。分離部STは、XZ方向に沿って延びた板形状を有する。
【0022】
分離部STは、XZ方向に平板状の2つの絶縁部DLと、2つの絶縁部DLに挟まれたXZ方向に平板状の電極部SLbとを有する。2つの絶縁部DLは、互いにY方向に離間し、それぞれがXZ方向に延びる。電極部SLbは、2つの絶縁部DLの間でXZ方向に延びる。
【0023】
積層体22では、ワード線WLと絶縁層222とが交互に繰り返しZ方向に積層されている。ワード線WLは、XY方向に延びる板状の導電層で構成される。以下では、ワード線WLを導電層WLとも呼ぶことにする。積層体22では、複数の導電層WL0~WL63がZ方向に互いに離間して配置されている。各導電層WLは、導電物(例えば、タングステンなどの金属)を主成分とする材料で形成され得る。各絶縁層222は、絶縁物(例えば、シリコン酸化物)を主成分とする材料で形成され得る。
【0024】
積層体22の最上の絶縁層222には、選択ゲート線SGDがZ方向に積層されている。選択ゲート線SGDは、XY方向に延びる板状の導電層で構成される。以下では、選択ゲート線SGDを導電層SGDとも呼ぶことにする。導電層SGDは、導電物(例えば、タングステンなどの金属)を主成分とする材料で形成され得る。導電層SGDは、分断膜SHE1,SHE2によりY方向に分断される。分断膜SHE1,SHE2は、導電層WLの上方(+Z側)に設けられ、XZ方向に延在し、積層体22の最上の絶縁層222に達している。分断膜SHE1,SHE2は、絶縁物(例えば、シリコン酸化物)で形成され得る。これにより、各選択ゲート線SGDは、互いに電気的に絶縁される。
【0025】
各セルブロックCBは、Z方向に延び、積層体22をZ方向に貫通する。セルブロックCBは、複数の導電層WL0~WL63をZ方向に貫通する柱状構造体で構成される。複数のセルブロックCB0~CB(n-1)は、XY方向に2次元的に配列され得る。各セルブロックCBは、Z方向に延び半導体チャネルとして機能する半導体膜CHを含む。半導体膜CHは、積層体22をZ方向に貫通し、半導体チャネルとして機能する。半導体膜CHと導電層WLとが交差する位置にはメモリセルMCが形成され、半導体膜CHと導電層SGDとが交差する位置には選択トランジスタSGDが形成される。
【0026】
導電層SGDの上(+Z側)には、層間絶縁膜23が配されている。層間絶縁膜23は、絶縁物(例えば、シリコン酸化物)を主成分とする材料で形成され得る。
【0027】
なお、分断膜SHE1,SHE2は、それぞれ、導電層SGDをY方向に分断する。分断膜SHE1,SHE2は、いずれも、導電層SGDより+Z側のZ位置から導電層SGDと導電層WL0との間のZ位置まで-Z方向に突出しながらX方向に延びる。分断膜SHE1は、Z方向から透視した場合に、X方向に並ぶ複数のセルブロックCBのそれぞれに交差するようにX方向に延びる。分断膜SHE2は、Z方向から透視した場合に、Y方向に並ぶセルブロックCBの間をX方向に延びる。
【0028】
積層体22の上方(+Z側)には、複数のビット線BLが配されている。複数のビット線BLは、X方向に配列されている。ビット線BLは、Y方向に延びたライン状の導電膜で構成される。ビット線BLは、導電物(例えば、タングステン、銅、アルミニウムなどの金属)を主成分とする材料で形成され得る。
【0029】
Z方向における基板21と積層体22との間には、ソース領域SLaが配されている。ソース領域SLaは、XY方向に延びる板状の導電層で構成される。ソース領域SLaは、導電物(例えば、タングステン、銅、アルミニウムなどの金属)を主成分とする材料で形成され得る。ソース領域SLaは、XZ方向に延びる電極部SLbへ接続される。ソース領域SLaは、ソース線SL(
図2参照)の一部として機能する。電極部SLbは、ソース線SLの他の一部として機能する。
【0030】
ビット線BLと半導体膜CHとの間には、コンタクトプラグCP1が配されていてもよい。この場合、コンタクトプラグCP1は、上端(+Z側端)がビット線BLに接触し、下端(-Z側端)が半導体膜CHに接触し、ビット線BL及び半導体膜CHを電気的に接続することができる。コンタクトプラグCP1は、導電物(例えば、タングステンなどの金属)を主成分とする材料で形成され得る。
【0031】
ソース領域SLaとローカルソース線LSLとの間には、コンタクトプラグCP2が配されていてもよい。この場合、コンタクトプラグCP2は、上端(+Z側端)がソース領域SLaに接触し、下端(-Z側端)がローカルソース線LSLに接触し、ソース領域SLa及びローカルソース線LSLを電気的に接続することができる。コンタクトプラグCP2は、導電物(例えば、タングステンなどの金属)を主成分とする材料で形成され得る。
【0032】
セルブロックCBは、XY方向に2次元的に配列される。各セルブロックCBは、XY平面視においてY方向を長手方向とする。各セルブロックCBは、メモリホールMH(
図6参照)内に配される。各セルブロックCBは、X方向に隣接する2つのサブセルブロックSCBを含む。なお、メモリホールMHは、導電層SGDより+Z側のZ位置から導電層SGDと導電層WL0との間の深さ(Z位置)までは分断膜SHE1によりY方向に分断されるが(
図6(a)、
図6(b)参照)、それより深い導電層WL0~WL63のZ位置では分断されずY方向を長手方向とする楕円柱状となっている。
【0033】
なお、
図3に示す構造では、選択メモリセルMCのセル電流が流れる際に、選択メモリセルMCの抵抗変化素子(抵抗変化膜)REで発生した熱は、抵抗変化膜RE→ローカルビット線柱LBL→半導体膜CH及び絶縁膜DF→コンタクトプラグCP1→ビット線BLの放熱パスと、抵抗変化膜RE→半導体膜CH及び絶縁膜DF→ローカルソース線柱LSL”→コンタクトプラグCP3→ソース領域SLa→電極部SLbの放熱パスとで放熱される。すなわち、複数のセルブロックCBの配列に対して、その+Z側と-Z側と+Y側と-Y側とで放熱が行われるので、選択メモリMCの抵抗変化素子REで発生した熱が効率的に放熱され得る。
【0034】
X方向に隣接する2つのサブセルブロックSCBを含むセルブロックCBは、例えば、
図4~
図6に示すように構成される。
図4は、セルブロックCBの構成を示す斜視図であり、2つのサブセルブロックSCB0,SCB1を含むセルブロックCBの構成を例示する。
図5は、セルブロックCBの構成を示す積層方向の断面図であり、セルブロックCBの中心軸を通るXZ断面を示す。
図5では、簡略化のため、ワード線WL-ワード線WL間の絶縁層の図示を省略している。
図6は、セルブロックCBの構成を示す平面方向の断面図である。
図6(a)は、
図5をA-A’線で切ったXY断面を示し、
図6(b)は、
図5をB-B’線で切ったXY断面を示し、
図6(c)は、
図5をC-C’線で切ったXY断面を示す。
【0035】
セルブロックCB0におけるサブセルブロックSCB0とサブセルブロックSCB1とは、それぞれ、
図4~
図6に示すように、柱状構造体で構成される。柱状構造体は、X方向を長手方向とするXY平面形状を有するとともにそのXY断面形状で柱状にZ方向に延びた3次元形状を有する。サブセルブロックSCB0の柱状構造体とサブセルブロックSCB1の柱状構造体とはY方向に結合され、セルブロックCB0は、略楕円柱形状を有する。
【0036】
各サブセルブロックSCBの柱状構造体は、ゲート絶縁膜GD、半導体膜CH、ローカルビット線柱LBL、ローカルソース線柱LSL、抵抗変化膜REを有する。ローカルソース線柱LSLは、サブセルブロックSCB0とサブセルブロックSCB1とで共有されるが、柱状構造体における他の構成は、サブセルブロックSCB0とサブセルブロックSCB1とでそれぞれ設けられる。
【0037】
ゲート絶縁膜GDは、Z方向に延びて複数の導電層WL0~WL63を貫通する。ゲート絶縁膜GDは、略楕円筒形状を有する。半導体膜CHは、ゲート絶縁膜GDの内側でZ方向に延びて複数の導電層WL0~WL63を貫通する。半導体膜CHは、略楕円筒形状を有し、その外側面がゲート絶縁膜GDの内側面に接している。
【0038】
ローカルビット線柱LBLは、半導体膜CHの内側でZ方向に延びて複数の導電層WL0~WL63を貫通する。ローカルビット線柱LBLは、略半円柱形状を有する。ローカルソース線柱LSLは、半導体膜CHの内側でZ方向に延びて複数の導電層WL0~WL63を貫通する。ローカルソース線柱LSLは、略角柱形状を有する。ローカルソース線柱LSLは、2つのローカルビット線柱LBL0,LBL1の間に配され、Z方向に延びて複数の導電層WL0~WL63を貫通する。
【0039】
抵抗変化膜REは、半導体膜CHの内側で且つローカルビット線柱LBLの外側で複数の導電層WL0~WL63を貫通する。抵抗変化膜REは、半導体膜CHに接触する部分とローカルビット線柱LBLに接触する部分とを含む。すなわち、抵抗変化膜REは、略半円筒形状を有し、その外側面が半導体膜CHの内側面に接し、その内側面がローカルビット線柱LBLの外側面に接する。
【0040】
サブセルブロックSCB0は、半導体膜CHと複数の導電層WL0~WL63とが交差する複数の交差位置に複数のメモリセルMC0_1~MC0_63が形成される。サブセルブロックSCB1は、半導体膜CHと複数の導電層WL0~WL63とが交差する複数の交差位置に複数のメモリセルMC1_1~MC1_63が形成される。複数のメモリセルMC0_1~MC0_63は、Z方向に配列される。複数のメモリセルMC1_1~MC1_63は、Z方向に配列される。複数のメモリセルMC0_1~MC0_63の配列と複数のメモリセルMC1_1~MC1_63の配列とは、X方向に並ぶ。これに応じて、セルブロックCB0は、各導電層WL0~WL63のZ位置において、2つのメモリセルMC0,MC2を含む。
【0041】
2つのローカルビット線柱LBL0,LBL1は、導電層SGDに対応するZ位置で分断膜SHE1を間にして互いに絶縁される。2つのローカルビット線柱LBL0,LBL1は、導電層WL0~WL63に対応するZ位置で絶縁膜DFを間にして互いに絶縁される。
【0042】
これらのセルブロックCBは、次のような製造プロセスで製造され得る。半導体基板21(
図3参照)の+Z側に絶縁層222と犠牲層SFとを交互に複数回積層し、積層体を形成する。絶縁層222は、例えばシリコン酸化物を主成分とする材料で形成され、犠牲層SFは、例えばシリコン窒化物を主成分とする材料で形成される。セルブロックCBを形成するため、それぞれが積層体をZ方向に貫通する複数のメモリホールMHを形成し、各メモリホールMHに2個のサブセルブロックSCBを埋め込む。その後、犠牲層SFを除去し、それによって形成された空隙に導電層WLを埋め込む事により、非常に低コストのメモリを実現出来る。
【0043】
2個のサブセルブロックSCBの埋め込みとしては、
図4、
図5及び
図6(a)~
図6(c)に示す様に、XY平面視横長のメモリホールMHの側壁外周に、ゲート酸化膜GDが堆積され、その内側に半導体膜CHが堆積され、その後内部を絶縁膜DFで埋めた後、リソグラフィを用いて、図中の中央、左右の3つのサブホールSHを形成する。図中中央のサブホールSHには、内部にタングステン等を用いて低抵抗のローカルソース線柱LSLを埋める。導電層WLに対応したZ位置では、半導体膜CHと接する構造にする。図中左右のサブホールSHでは、半導体膜CHの内側に半導体膜CHに接するように抵抗変化膜REを堆積するが、選択ゲート線SGDのZ位置、選択ゲート線SGD及び導電層WLの間のZ位置では、
図6(a)、
図6(b)に示すように、抵抗変化膜REを除去する。その更に内側にはタングステン等の低抵抗のローカルビット線柱LBLを埋めるが、選択ゲート線SGDのZ位置では、
図6(a)、
図6(b)に示すように、ローカルビット線柱LBLを除去する。図中左右のサブホールSHの間では、導電層WL0の直上の深さまでXZ方向に延びる溝を形成する。これにより、半導体膜CH、絶縁膜GDに対して、Y方向中央付近で且つ導電層WL直上のZ位置までの部分を除去する。溝に分断膜SHE1を埋め込む。分断膜SHE1は、例えばシリコン酸化物を主成分とする材料で形成される。
【0044】
これにより、選択ゲート線SGDのZ位置では、選択ゲート線SGDで制御可能である選択トランジスタSGDが形成出来、ビット線BL0,BL1とローカルビット線LBL0,LBL1の接続スイッチが形成出来る。また、選択ゲート線SGD及び導電層WLの間のZ位置では、ローカルビット線LBLは半導体膜CHに電気的に接続されるので、選択トランジスタSGDがON状態では、ビット線BL0に電気的に接続される。また、導電層WLに対応したZ位置では、ローカルビット線柱LBLが抵抗変化膜RE及び半導体膜CH経由でローカルソース線柱LSLに接続されるので、メモリセルMCが形成され得る。例えば、抵抗変化膜REをカルコゲナイド系の材料(Ge、Sb、Te)等の相変化材料で形成すれば、メモリセルMCをPCMメモリセルとして構成できる。
【0045】
サブセルブロックSCB0とサブセルブロックSCB1とを含むセルブロックCB0の等価回路図は、
図7のようになる。
図7は、セルブロックCBの構成を示す回路図である。
【0046】
図7の等価回路図に示す様に、メモリセルMCは、ワード線WLi(i=0~63)に接続されるセルトランジスタMTと2端子型の抵抗変化素子REとの直列接続で構成される。ワード線WL0~WL63に各々接続される複数のメモリセルMC0_0~MC0_63は、並列接続で、一方を共通のローカルビット線LBL0、他方を共通のローカルソース線LSLに接続される。ローカルビット線LBL0は、選択トランジスタSGD0を介してビット線BL0に接続される。同様に、ワード線WL0~WL63に各々接続される複数のメモリセルMC1_0~MC1_63は、並列接続で、一方を共通のローカルビット線LBL1、他方を共通のローカルソース線LSLに接続される。ローカルビット線LBL1は、選択トランジスタSGD1を介してビット線BL0に接続される。
【0047】
この構成により、選択トランジスタSGD0をONさせてサブセルブロックSCB0を選択し、選択サブセルブロックSCB0の内の選択ワード線WLにつながるセルトランジスタMTをONする事により、選択メモリセルMC0の抵抗変化素子REに選択的に電圧印可、電流印可が可能になり、ランダムリード、ランダムライトが可能になる。あるいは、選択トランジスタSGD1をONさせてサブセルブロックSCB1を選択し、選択サブセルブロックSCB1の内の選択ワード線WLにつながるセルトランジスタMTをONする事により、選択メモリセルMC1の抵抗変化素子REに選択的に電圧印可、電流印可が可能になり、ランダムリード、ランダムライトが可能になる。
【0048】
更に、ビット線BL、ソース領域SLa間の電流経路における直列トランジスタ数は僅か、2個に抑えることが出来、トランジスタのON抵抗が高くても十分に抵抗変化素子REのSet/Reset動作が可能な電流を供給できる。
【0049】
この例では、ローカルソース線LSLを共通とした、左右2つのサブセルブロックSCB0,CB3の等価回路を示している。共通のワード線WLi、ビット線BL0を使っている。2つの選択トランジスタSGD0,SGD1をオンさせて、2つのサブセルブロックSCB0,SCB1のメモリセルMC0,MC1を同時にリード/ライトしても良い。
【0050】
図4~
図7に示すセルブロックCBは、セルアレイ5において
図8に示すようにレイアウトされてもよい。
図8は、セルアレイ5の構成を示す平面図であり、
図2の回路図に対応している。
図8では、説明の便宜上、
図6(a)に相当するXY断面図に、それより+Z側のビット線BL及びプラグCP1を投影して示すとともに、それより-Z側の
図6(c)に相当するXY断面図のうちメモリホールMH内の部分を投影して示す。
【0051】
複数のセルブロックCB0~CB5は、XY方向に配列される。ここで、各セルブロックCBは、Y方向が長手方向になるように配される。セルブロックCBのX方向の配置ピッチは、ビット線BLのX方向の配置ピッチに対応する。セルブロックCBのY方向の配置ピッチは、選択ゲート線SGDのY方向の配置ピッチに対応する。
【0052】
ビット線BL0は、Y方向に配列される複数のセルブロックCB0,CB3に跨ってY方向に延びる。ビット線BL0は、プラグCP1及び半導体膜CHを介してセルブロックCB0のローカルビット線LBL0,LBL1、セルブロックCB1のローカルビット線LBL0,LBL1にそれぞれ接続される。
【0053】
ビット線BL1は、Y方向に配列される複数のセルブロックCB1,CB4に跨ってY方向に延びる。ビット線BL1は、プラグCP1及び半導体膜CHを介してセルブロックCB1のローカルビット線LBL0,LBL1、セルブロックCB4のローカルビット線LBL0,LBL1にそれぞれ接続される。
【0054】
ビット線BL2は、Y方向に配列される複数のセルブロックCB2,CB5に跨ってY方向に延びる。ビット線BL2は、プラグCP1及び半導体膜CHを介してセルブロックCB2のローカルビット線LBL0,LBL1、セルブロックCB5のローカルビット線LBL0,LBL1にそれぞれ接続される。
【0055】
選択ゲート線SGD0は、セルブロックCB0,CB1,CB2のローカルソース線LSLを間にして選択ゲート線SGD1と反対側に配される。選択ゲート線SGD0は、X方向に配列される複数のセルブロックCB0,CB1,CB2に跨ってX方向に延びる。
【0056】
選択ゲート線SGD1は、セルブロックCB0,CB1,CB2のローカルソース線LSLを間にして選択ゲート線SGD0と反対側に配される。選択ゲート線SGD1は、X方向に配列される複数のセルブロックCB0,CB1,CB2に跨ってX方向に延びる。
【0057】
選択ゲート線SGD2は、セルブロックCB3,CB4,CB5のローカルソース線LSLを間にして選択ゲート線SGD3と反対側に配される。選択ゲート線SGD2は、X方向に配列される複数のセルブロックCB3,CB4,CB5に跨ってX方向に延びる。
【0058】
選択ゲート線SGD3は、セルブロックCB3,CB4,CB5のローカルソース線LSLを間にして選択ゲート線SGD2と反対側に配される。選択ゲート線SGD3は、X方向に配列される複数のセルブロックCB3,CB4,CB5に跨ってX方向に延びる。
【0059】
ここで、
図9(a)、
図9(b)に点線で囲って示すように、XY方向に隣接する4つのセルブロックCBの中心を結ぶ矩形の面積をセルブロック面積と呼ぶことにする。セルブロック面積は、セルアレイ5における1つのセルブロックCBの配置が占める面積を示し、セルブロックCBの配置密度を示す。1つのセルブロックCBは、XY断面視において2つのメモリセルMCを含む(
図6(c)参照)ので、セルブロック面積は、2つのメモリセルMCの配置密度を示すとみなすことができる。1つのメモリセルMCが占める面積をセル面積と呼ぶことにすると、セル面積は、次の数式1で求めることができる。
(セル面積)=(セルブロック面積)/2・・・数式1
【0060】
図9(a)に示すレイアウトは、
図8に示すレイアウトと同じである。
図8、
図9(a)に示すレイアウトでは、各セルブロックCBは、Y方向が長手方向になるように配される。この配置を、横型の配置と呼ぶことにする。一方、
図9(b)に示すレイアウトでは、各セルブロックCBは、X方向が長手方向になるように配される。この配置を、縦型の配置と呼ぶことにする。
図9(a)、
図9(b)では、それぞれ、説明の便宜上、
図6(a)に相当するXY断面図に、それより+Z側のビット線BL及びプラグCP1を投影して示すとともに、それより-Z側の
図6(c)に相当するXY断面図のうちメモリホールMH内の部分を投影して示す。
【0061】
横型の配置と縦型の配置とでセル面積を評価する際に、選択ゲート線SGDに対するセルブロックCBの配置の余裕も考慮することにする。各選択ゲート線SGDは、セルブロックCBに接触する箇所で部分的にY方向幅が狭くなっている。このY方向幅は、選択ゲート信号SGDの伝送遅延に応じてセルブロックCBをどの程度まで選択ゲート線SGDの側端に近付けることができるかの配置の余裕を示し、SGD余裕と呼ぶことにする。
【0062】
例えば、
図9(a)に示す横型の配置では、SGD余裕がW
1となるように、選択ゲート線SGDのY方向幅が設定される。
図9(b)に示す縦型の配置では、SGD余裕がW
2(<W
1)となるように、選択ゲート線SGDのY方向幅が設定される。
【0063】
セルブロック面積に関して、
図9(a)に示す横型の配置では、X方向の寸法がビット線の配置ピッチD1に対応し、Y方向の寸法が1つおきの選択ゲート線SGDの配置ピッチP1に対応する。
図9(b)に示す縦型の配置では、X方向の寸法が1つおきのビット線の配置ピッチD2に対応し、Y方向の寸法が選択ゲート線SGDの配置ピッチP2に対応する。
【0064】
選択ゲート線SGDの配置ピッチP1,P2において、主として、「セルブロックCBのY方向幅」+「選択ゲート線SGDの配置間隔」が固定部分となり、SGD余裕が可変部分となっている。これに応じて、横型の配置のSGD余裕W1が縦型の配置のSGD余裕W2の約2倍である場合、横型の配置のセルブロック面積A1が縦型の配置のセルブロック面積A2にほぼ等しくなる。横型の配置のセル面積A1/2が縦型の配置のセル面積A2/2にほぼ等しくなる。このとき、縦型の配置の狭くなった部分の線幅がSGD余裕W1の1つ分に対応し、横型の配置の狭くなった部分の線幅がSGD余裕W2の2つ分に対応する。このため、横型の配置の選択ゲート信号SGDの伝送遅延と縦型の配置の選択ゲート信号SGDの伝送遅延とは、同等である。
【0065】
横型の配置のSGD余裕W1を縦型の配置のSGD余裕W2の約2倍にする場合、横型の配置の伝送遅延と縦型の配置の伝送遅延とを同等に揃えることができる。横型の配置の伝送遅延と縦型の配置の伝送遅延とを同等に揃える場合、横型の配置のセルブロック面積は、縦型の配置のセルブロック面積と同等になる。すなわち、横型の配置のSGD余裕W1を縦型の配置のSGD余裕W2の約2倍にする場合、横型の配置のセル面積は、縦型の配置のセル面積と同等になる。
【0066】
あるいは、
図10(a)に示す横型の配置では、SGD余裕がW
2となるように、選択ゲート線SGDのY方向幅が設定される。
図10(b)に示す縦型の配置では、SGD余裕がW
2となるように、選択ゲート線SGDのY方向幅が設定される。
図10(a)、
図10(b)では、それぞれ、説明の便宜上、
図6(a)に相当するXY断面図に、それより+Z側のビット線BL及びプラグCP1を投影して示すとともに、それより-Z側の
図6(c)に相当するXY断面図のうちメモリホールMH内の部分を投影して示す。
【0067】
セルブロック面積に関して、
図10(a)に示す横型の配置では、X方向の寸法がビット線の配置ピッチD1に対応し、Y方向の寸法が1つおきの選択ゲート線SGDの配置ピッチP3に対応する。
図10(b)に示す縦型の配置では、X方向の寸法が1つおきのビット線の配置ピッチD2に対応し、Y方向の寸法が選択ゲート線SGDの配置ピッチP2に対応する。
【0068】
選択ゲート線SGDの配置ピッチP3,P2において、主として、「セルブロックCBのY方向幅」+「選択ゲート線SGDの配置間隔」が固定部分となり、SGD余裕が可変部分となっている。これに応じて、横型の配置のSGD余裕W2が縦型の配置のSGD余裕W2と均等である場合、横型の配置のセルブロック面積A3が縦型の配置のセルブロック面積A2より(例えば80%程度に)小さくなる。すなわち、横型の配置のセル面積A3/2が縦型の配置のセル面積A2/2より(例えば80%程度に)小さくなる。このとき、縦型の配置の狭くなった部分の線幅がSGD余裕W2の1つ分に対応し、横型の配置の狭くなった部分の線幅がSGD余裕W2の2つ分に対応する。このため、横型の配置の選択ゲート信号SGDの伝送遅延は、縦型の配置の選択ゲート信号SGDの伝送遅延の約2倍になる。
【0069】
横型の配置のSGD余裕W2と縦型の配置のSGD余裕W2とを同等にする場合、横型の配置の伝送遅延は、縦型の配置の伝送遅延の約2倍になり得る。横型の配置の伝送遅延が縦型の配置の伝送遅延の約2倍になることが許容される場合、横型の配置のセルブロック面積は、縦型の配置のセルブロック面積より(例えば80%程度に)小さくなる。すなわち、横型の配置のSGD余裕W2と縦型の配置のSGD余裕W2とを同等にする場合、横型の配置のセル面積は、縦型の配置のセル面積より(例えば80%程度に)小さくなる。
【0070】
SGD余裕とセル面積との関係をまとめると、
図11に示すようになる。
図11は、SGD余裕とセル面積との関係を示す図である。
図11では、横型の配置についての関係が一点鎖線で示され、縦型の配置についての関係が実線で示される。
【0071】
横型の配置と縦型の配置とについて、いずれも、SGD余裕が大きくなるほど、セル面積が大きくなる関係にある。横型の配置について、
図11に一点鎖線で示すように、SGD余裕とセル面積とが比例関係にあってもよい。縦型の配置について、
図11に実線で示すように、SGD余裕とセル面積とが比例関係にあってもよい。
【0072】
横型の配置と縦型の配置とについて、同等のセル面積について見ると、横型の配置のSGD余裕が縦型の配置のSGD余裕の約2倍になる。例えば、セル面積=A1/2≒A2/2である場合、横型の配置のSGD余裕W1、縦型の配置のSGD余裕W2について、W1≒W2×2が成り立つ。
【0073】
すなわち、横型の配置では、縦型の配置に比べて、同等のセル面積を確保するためのSGD余裕を大きくすることができる。
【0074】
また、横型の配置と縦型の配置とについて、同等のSGD余裕について見ると、横型の配置のセル面積が縦型の配置のセル面積より(例えば80%程度に)小さくなる。例えば、SGD余裕=W2である場合、横型の配置のセル面積A3/2、縦型の配置のセル面積A2/2について、A3/2<A2/2が成り立つ。
【0075】
すなわち、横型の配置では、縦型の配置に比べて、同等のSGD余裕を確保するためのセル面積を(例えば80%程度に)小さくすることができる。
【0076】
なお、横型の配置では、縦型の配置に比べて、同等のSGD余裕を確保する場合に、選択ゲート線SGDの伝送遅延が約2倍に大きくなり得る点についてセルアレイ分割の寸法をX方向・Y方向にそれぞれ1/√(2)に縮小することで補うことができる。
【0077】
例えば、
図12に示すように、複数のサブアレイに分割されるセルアレイ5のレイアウト構成において、このサブアレイのX方向・Y方向の寸法をそれぞれ1/√(2)に縮小することを考える。
図12では、メモリセルアレイ5がm行×n列のサブアレイAR(1,1)~AR(m,n)に分割される構成が例示されている。
【0078】
各サブアレイARは、縮小前のサブアレイARに比較して、X方向の寸法が1/√(2)に縮小され、Y方向の寸法が1/√(2)に縮小される。各サブアレイARでは、ワード線WL、選択ゲート線SGD、ビット線BLの長さがそれぞれ1/√(2)に縮小され、その配線の寄生抵抗成分が1/√(2)に縮小され、その配線の寄生容量成分が1/√(2)に縮小される。これにより、(寄生抵抗成分)×(寄生容量成分)に比例する配線の伝送遅延が1/2に低減され得る。
【0079】
横型の配置において、セルアレイ分割の寸法をX方向・Y方向にそれぞれ1/√(2)に縮小することで、縦型の配置に比べて、同等のSGD余裕を確保する場合に伝送遅延を同等に抑えることができる。すなわち、セルアレイ分割の工夫と組み合わせることで、横型の配置では、縦型の配置に比べて、選択ゲート線SGDの伝送遅延を同等程度にしながらセル面積を(例えば80%程度に)小さくすることができる。この結果、性能劣化を抑制しながらビットコストを低減できる。
【0080】
以上のように、第1の実施形態では、半導体記憶装置1において、それぞれがY方向を長手方向とする複数のセルブロックCBがXY方向に配列される。2つの選択ゲート線SGDがセルブロックCBにおけるローカルソース線LSLを間にしてY方向における反対側に配される。2つの選択ゲート線SGDは、それぞれ、Xの方向に配列される複数のセルブロックCBに跨ってXの方向に延びる。このセルブロックCBの横型の配置により、縦型の配置に比べて、SGD余裕を確保しながらセル面積を容易に縮小でき、ビットコストを低減できる。
【0081】
なお、
図3では、分断膜SHE2が導電膜SGDの+Z側のZ位置から導電膜SGD及び導電膜WL0の間の深さ(Z位置)まで突出する構成が例示されるが、分断膜SHE2は、さらに、導電膜WL63及び導電膜SLaの間の深さ(Z位置)まで突出してもよい。
図6及び
図8に示すように、分断膜SHE2の-Z側にはメモリセルMCが存在しないので、このような構成が可能である。
【0082】
また、1つのセルブロックCBがXY断面視で含むメモリセルMCの数は、2つに限定されず、3つ以上であってもよいし、1つであってもよい。
【0083】
例えば、第1の実施形態の第1の変形例として、
図13に示すように、1つのセルブロックCBがXY断面視で4つのメモリセルMCを含んでもよい。
図13は、第1の実施形態の第1の変形例におけるセルブロックCBの構成を示す平面方向の断面図である。
図13(a)は、
図5をA-A’線で切ったXY断面に対応する。
図13(b)は、
図5をB-B’線で切ったXY断面に対応する。
図13(c)は、
図5をC-C’線で切ったXY断面に対応する。
【0084】
図13(a)に示す構造は、
図6(a)に示す構造における-Y側及び+Y側の半導体膜CHが、それぞれ、YZ方向にスリット状に延びる分断膜SLTで分断されている。分断膜SLTは、セルブロックCBの中心を通ってXZ方向に延びる分断膜SHE1で分断されている。
【0085】
図13(b)に示す構造は、
図6(b)に示す構造における-Y側及び+Y側の半導体膜CHが、それぞれ、YZ方向にスリット状に延びる分断膜SLTで分断されている。
図13(b)に示す構造は、
図6(b)に示す構造における-Y側のローカルビット線LBL0が、それぞれ、YZ方向にスリット状に延びる分断膜SLTでX方向に分断され、ローカルビット線LBL0_0,LBL0_1とされている。+Y側のローカルビット線LBL1が、それぞれ、YZ方向にスリット状に延びる分断膜SLTでX方向に分断され、ローカルビット線LBL1_0,LBL1_1とされている。分断膜SLTは、セルブロックCBの中央を通ってXZ方向に延びる分断膜SHE1で分断されている。
【0086】
図13(c)に示す構造は、
図6(c)に示す構造における-Y側及び+Y側の半導体膜CHが、それぞれ、YZ方向にスリット状に延びる分断膜SLTで分断されている。
図13(c)に示す構造は、
図6(c)に示す構造における-Y側及び+Y側の抵抗変化膜REが、それぞれ、YZ方向にスリット状に延びる分断膜SLTで分断されている。
図13(c)に示す構造は、
図6(c)に示す構造における-Y側及び+Y側のローカルビット線LBL0,LBL1が、それぞれ、YZ方向にスリット状に延びる分断膜SLTで分断されている。
図13(c)に示す構造は、
図6(c)に示す構造におけるY方向中央におけるローカルソース線SLSが、XZ方向にスリット状に延びる分断膜SLTで分断されている。
【0087】
1つのセルブロックCBは、4つのサブセルブロックSCB0_0,SCB0_1,SCB1_0,SCB1_1を含む。各サブセルブロックSCB0_0,SCB0_1,SCB1_0,SCB1_1は、Z方向に並ぶ複数のメモリセルMCを有するが、同じZ位置ではそれぞれ1つのメモリセルMCを含む。すなわち、1つのセルブロックCBは、
図13(c)に示すように、XY断面において、4つのメモリセルMC0_0,MC0_1,MC1_0,MC1_1を含む。
【0088】
図13(a)~
図13(c)に示すセルブロックCBは、セルアレイ5において、
図14に示すように、次の点で異なるレイアウトが構成され得る。
図14は、セルアレイ5の構成を示す平面図である。
図14では、説明の便宜上、
図13(a)に相当するXY断面図に、それより+Z側のビット線BL及びプラグCP1を投影して示すとともに、それより-Z側の
図13(c)に相当するXY断面図のうちメモリホールMH内の部分を投影して示す。
【0089】
各セルブロックCBは、複数のビット線BLに対応する。セルブロックCB0,CB3は、ビット線BL0,BL1に対応する。ビット線BL0は、Y方向に配列される複数のセルブロックCB0,CB3に跨ってY方向に延びる。ビット線BL1は、ビット線BL0から若干-X側にシフトしたX位置で、Y方向に配列される複数のセルブロックCB0,CB3に跨ってY方向に延びる。
【0090】
ビット線BL0は、プラグCP1及び半導体膜CHを介してセルブロックCB0のローカルビット線LBL0_0,LBL1_0、セルブロックCB3のローカルビット線LBL0_0,LBL1_0にそれぞれ接続される。
【0091】
ビット線BL1は、プラグCP1及び半導体膜CHを介してセルブロックCB0のローカルビット線LBL0_1,LBL1_1、セルブロックCB3のローカルビット線LBL0_1,LBL1_1にそれぞれ接続される。
【0092】
セルブロックCB1,CB4は、ビット線BL2,BL3に対応する。ビット線BL2は、Y方向に配列される複数のセルブロックCB1,CB4に跨ってY方向に延びる。ビット線BL3は、ビット線BL3から若干-X側にシフトしたX位置で、Y方向に配列される複数のセルブロックCB1,CB4に跨ってY方向に延びる。
【0093】
ビット線BL2は、プラグCP1及び半導体膜CHを介してセルブロックCB1のローカルビット線LBL0_0,LBL1_0、セルブロックCB4のローカルビット線LBL0_0,LBL1_0にそれぞれ接続される。
【0094】
ビット線BL3は、プラグCP1及び半導体膜CHを介してセルブロックCB1のローカルビット線LBL0_1,LBL1_1、セルブロックCB4のローカルビット線LBL0_1,LBL1_1にそれぞれ接続される。
【0095】
セルブロックCB2,CB5は、ビット線BL4,BL5に対応する。ビット線BL4は、Y方向に配列される複数のセルブロックCB2,CB5に跨ってY方向に延びる。ビット線BL5は、ビット線BL3から若干-X側にシフトしたX位置で、Y方向に配列される複数のセルブロックCB2,CB5に跨ってY方向に延びる。
【0096】
ビット線BL4は、プラグCP1及び半導体膜CHを介してセルブロックCB2のローカルビット線LBL0_0,LBL1_0、セルブロックCB5のローカルビット線LBL0_0,LBL1_0にそれぞれ接続される。
【0097】
ビット線BL5は、プラグCP1及び半導体膜CHを介してセルブロックCB2のローカルビット線LBL0_1,LBL1_1、セルブロックCB5のローカルビット線LBL0_1,LBL1_1にそれぞれ接続される。
【0098】
ここで、1つのセルブロックCBは、XY断面視において4つのメモリセルMCを含む(
図13(c)参照)ので、セルブロック面積は、4つのメモリセルMCの配置密度を示すとみなすことができる。1つのメモリセルMCが占める面積をセル面積と呼ぶことにすると、セル面積は、次の数式2で求めることができる。
(セル面積)=(セルブロック面積)/4・・・数式2
【0099】
このレイアウトにおいて、
図14に点線で示すセルブロック面積は、X方向の寸法が1つおきのビット線の配置ピッチD11に対応し、Y方向の寸法が1つおきの選択ゲート線SGDの配置ピッチP11に対応する。第1の実施形態と同様の横側の配置が実現できるため、
図14に示す横型の配置は、縦型の配置(
図9(b)参照)に比べて、SGD余裕を確保しながらセルブロック面積を容易に縮小できる。
【0100】
また、数式2により、第1の実施形態(数式1)に比べてセル面積としては、さらに縮小できる。例えば、
図11に二点鎖線で示すように、
図14に示す横型の配置では、縦型の配置(
図11の実線)に比べて、同等のセル面積を確保するためのSGD余裕をさらに大きくすることができる。また、
図14に示す横型の配置では、縦型の配置(
図11の実線)に比べて、同等のSGD余裕を確保するためのセル面積をさらに小さくすることができる。
【0101】
あるいは、第1の実施形態の第2の変形例として、
図15~
図17に示すように、1つのセルブロックCBがXY断面視で1つのメモリセルMCを含んでもよい。
図15は、セルブロックCBの構成を示す斜視図であり、セルブロックCB0の構成を例示する。
図16は、セルブロックCBの構成を示す積層方向の断面図であり、セルブロックCBの中心軸を通るXZ断面を示す。
図16では、簡略化のため、ワード線WL-ワード線WL間の絶縁層の図示を省略している。
図17は、セルブロックCBの構成を示す平面方向の断面図である。
図17(a)は、
図16をD-D’線で切ったXY断面を示し、
図17(b)は、
図16をE-E’線で切ったXY断面を示し、
図17(c)は、
図16をF-F’線で切ったXY断面を示す。
【0102】
セルブロックCB0は、
図15~
図17に示すように、柱状構造体で構成される点は第1の実施形態と同様であるが、ローカルソース線柱LSLの側面にも抵抗変化膜RE’が配され、この抵抗変化膜RE’が半導体膜CHと接する構造である点で第1の実施形態と異なる。
【0103】
これらのセルブロックCBは、次の点で第1の実施形態と異なる製造プロセスで製造され得る。複数のメモリホールMHを形成する工程までは同様であるが、各メモリホールMHに1個のセルブロックCBを埋め込む具体的な工程が異なる。その後、犠牲層SFを除去し、それによって形成された空隙に導電膜WLを埋め込む事により、非常に低コストのメモリを実現出来る点は、第1の実施形態と同様である。
【0104】
1個のセルブロックCBの埋め込みとしては、
図15、
図16及び
図17に示す様に、次の点で第1の実施形態と異なる。図中左右の2つのサブホールSHを形成する工程までは同様であるが、図中右側のサブホールSHと図中左側のサブホールSHとのそれぞれにおいて、半導体膜CHの内側に半導体膜CHに接するようにカルコゲナイド系の材料(Ge、Sb、Te)等で抵抗変化膜RE,RE’を堆積し、選択ゲート線SGDのZ位置、選択ゲート線SGD及び導電膜WLの間のZ位置まで抵抗変化膜RE,RE’を除去する点で異なる。さらに、図中右側のサブホールSHには、抵抗変化膜RE’の内側にはタングステン等の低抵抗のローカルビット線柱LBLを埋めるが、選択ゲート線SGDのZ位置では、ローカルビット線柱LBLを除去する。図中左側のサブホールSHには、抵抗変化膜REの内側にはタングステン等の低抵抗のローカルソース線柱LSLを埋めるが、選択ゲート線SGSのZ位置では、ローカルソース線柱LSLを除去する。なお、図中左右のサブホールSHの間では、導電層WL0の直上の深さまでXZ方向に延びる溝を形成して、分断膜SHE1を埋め込む点は、第1の実施形態と同様である。
【0105】
これにより、選択ゲート線SGDのZ位置では、ビット線BLとローカルビット線LBLの接続スイッチとしての選択トランジスタSGDと、ソース線SLとローカルソース線LSLの接続スイッチとしてのセルブロック選択トランジスタSGSとが形成出来る。また、導電膜WLに対応したZ位置では、ローカルビット線柱LBLが抵抗変化膜RE、半導体膜CH及び抵抗変化膜RE’経由でローカルソース線柱LSLに接続されるので、メモリセルMCが形成され得る。
【0106】
セルブロックCBの等価回路図は、
図18のようになる。
図18は、セルブロックCBの構成を示す回路図である。
【0107】
図18の等価回路図に示す様に、メモリセルMCは、2個の抵抗変化素子RE,RE’の間にセルトランジスタMTを挟む構成になる。この構成により、ローカルソース線柱LSLとローカルビット線柱LBLのためのサブホールSHの形成、抵抗変化膜RE,RE’の成膜、ローカルソース線柱LSL及びローカルビット線柱LBLの埋め込みの工程を一回で行え、その製造工程数を削減でき、製造コストを低減できる。
【0108】
ただし、
図18に示すメモリセルMCでは、2個の抵抗変化膜RE,RE’を同時スイッチする為、Set時に2個分の電圧印可が行われる。このため、メモリセルMCにおけるトータルのSet電圧が上がる可能性があるが、抵抗変化膜RE,RE’に相変化材料又は超格子材料を用いる場合、各抵抗変化膜のSet電圧を0.8V~1.5V程度にできるので影響は小さい。また、Reset電流は直列であるため、同じ電流を流すだけなので、実質的に影響が無い。更に、抵抗変化素子RE,RE’が高抵抗から低抵抗に変化しやすい場合、どちらか一方が低抵抗化しても、もう一方が高抵抗状態を保持出来ればデータ保持特性の信頼性を大幅に向上できる。
【0109】
なお、
図15~
図18に示すセルブロックCBでは、ローカルソース線LSLが+Z側でソース線SLに接続される。セルブロックCBでは、ソース領域SLa(
図3参照)が省略されてもよい。分離部STでは、電極部SLbが省略されてもよい。
【0110】
図15~
図18に示すセルブロックCBは、セルアレイ5において、
図19に示すように、次の点で異なるレイアウトが構成され得る。
図19は、セルアレイ5の構成を示す平面図である。
図19では、説明の便宜上、
図17(a)に相当するXY断面図に、それより+Z側のビット線BL及びプラグCP1を投影して示すとともに、それより-Z側の
図17(c)に相当するXY断面図のうちメモリホールMH内の部分を投影して示す。
【0111】
複数のセルブロックCBの+Z側には、複数のビット線BL及び複数のソース線SLが配されている。複数のビット線BLは、X方向に配列されている。複数のソース線SLは、それぞれ、複数のビット線BLの間に1つおきに位置するように、X方向に配列されている。
【0112】
各セルブロックCBは、ビット線BL及びソース線SLに対応する。セルブロックCB0,CB3は、ビット線BL0及びソース線SL0に対応する。ビット線BL0は、Y方向に配列される複数のセルブロックCB0,CB3に跨ってY方向に延びる。ソース線SL0は、ビット線BL0から若干+X側にシフトしたX位置で、Y方向に配列される複数のセルブロックCB0,CB3に跨ってY方向に延びる。
【0113】
ビット線BL0は、プラグCP1(
図16参照)及び半導体膜CHを介してセルブロックCB0のローカルビット線LBL、セルブロックCB3のローカルビット線LBLにそれぞれ接続される。
【0114】
ソース線SL0は、プラグCP2(
図16参照)及び半導体膜CHを介してセルブロックCB0のローカルソース線LSL、セルブロックCB3のローカルソース線LSLにそれぞれ接続される。
【0115】
セルブロックCB1,CB4は、ビット線BL1及びソース線SL1に対応する。ビット線BL1は、Y方向に配列される複数のセルブロックCB1,CB4に跨ってY方向に延びる。ソース線SL1は、ビット線BL1から若干+X側にシフトしたX位置で、Y方向に配列される複数のセルブロックCB1,CB4に跨ってY方向に延びる。
【0116】
ビット線BL1は、プラグCP1及び半導体膜CHを介してセルブロックCB1のローカルビット線LBL、セルブロックCB4のローカルビット線LBLにそれぞれ接続される。
【0117】
ソース線SL1は、プラグCP2及び半導体膜CHを介してセルブロックCB1のローカルソース線LSL、セルブロックCB4のローカルソース線LSLにそれぞれ接続される。
【0118】
セルブロックCB2,CB5は、ビット線BL2及びソース線SL2に対応する。ビット線BL2は、Y方向に配列される複数のセルブロックCB2,CB5に跨ってY方向に延びる。ソース線SL2は、ビット線BL1から若干+X側にシフトしたX位置で、Y方向に配列される複数のセルブロックCB1,CB4に跨ってY方向に延びる。
【0119】
ビット線BL2は、プラグCP1及び半導体膜CHを介してセルブロックCB2のローカルビット線LBL、セルブロックCB5のローカルビット線LBLにそれぞれ接続される。
【0120】
ソース線SL2は、プラグCP2及び半導体膜CHを介してセルブロックCB2のローカルソース線LSL、セルブロックCB5のローカルソース線LSLにそれぞれ接続される。
【0121】
選択ゲート線SGD0は、セルブロックCB0,CB1,CB2の中心を間にして選択ゲート線SGS0と反対側に配される。選択ゲート線SGD0は、X方向に配列される複数のセルブロックCB0,CB1,CB2に跨ってX方向に延びる。選択ゲート線SGD0は、セルブロックCB0,CB1,CB2の-Y側の端部に-Y側から接触する。
【0122】
選択ゲート線SGS0は、セルブロックCB0,CB1,CB2の中心を間にして選択ゲート線SGD0と反対側に配される。選択ゲート線SGS0は、X方向に配列される複数のセルブロックCB0,CB1,CB2に跨ってX方向に延びる。選択ゲート線SGS0は、セルブロックCB0,CB1,CB2の+Y側の端部に+Y側から接触する。
【0123】
選択ゲート線SGD1は、セルブロックCB3,CB4,CB5の中心を間にして選択ゲート線SGS1と反対側に配される。選択ゲート線SGD1は、X方向に配列される複数のセルブロックCB3,CB4,CB5に跨ってX方向に延びる。選択ゲート線SGD1は、セルブロックCB3,CB4,CB5の-Y側の端部に-Y側から接触する。
【0124】
選択ゲート線SGS1は、セルブロックCB3,CB4,CB5の中心を間にして選択ゲート線SGD1と反対側に配される。選択ゲート線SGS1は、X方向に配列される複数のセルブロックCB3,CB4,CB5に跨ってX方向に延びる。選択ゲート線SGS1は、セルブロックCB3,CB4,CB5の+Y側の端部に+Y側から接触する。
【0125】
ここで、1つのセルブロックCBは、XY断面視において1つのメモリセルMCを含む(
図17(c)参照)ので、セルブロック面積は、1つのメモリセルMCの配置密度を示すとみなすことができる。1つのメモリセルMCが占める面積をセル面積と呼ぶことにすると、セル面積は、次の数式3で求めることができる。
(セル面積)=(セルブロック面積)・・・数式3
【0126】
このレイアウトにおいて、
図19に点線で示すセルブロック面積は、X方向の寸法がビット線の配置ピッチD21に対応し、Y方向の寸法が1つおきの選択ゲート線SGDの配置ピッチP21に対応する。第1の実施形態と同様の横側の配置が実現できるため、
図19に示す横型の配置は、縦型の配置(
図9(b)参照)に比べて、SGD余裕を確保しながらセルブロック面積を容易に縮小できる。
【0127】
また、数式3により、第1の実施形態(数式1)に比べてセル面積としては、増加するが、ローカルビット線LBLが2本→1本に低減しセルブロックCBのY方向幅が小さくなっている。これに応じて、例えば、
図11に太い点線で示すように、
図19に示す横型の配置では、縦型の配置(
図11の実線)に比べて、同等のセル面積を確保するためのSGD余裕をさらに大きくすることができる。また、
図19に示す横型の配置では、縦型の配置(
図11の実線)に比べて、同等のSGD余裕を確保するためのセル面積をさらに小さくすることができる。
【0128】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態にかかる半導体記憶装置について説明する。以下では、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0129】
第1の実施形態では、各セルブロック内でローカルソース線が平面方向に並ぶ複数のメモリセルで共有される構成が例示されるが、第2の実施形態では、各セルブロック内でさらにローカルビット線が複数のメモリセルで共有される構成が例示される。
【0130】
セルアレイ5において、各セルブロックCBは、
図20に示すように、X方向が長手方向となるように配される。
図20は、セルアレイ5の構成を示す斜視図である。セルブロックCBは、複数のビット線BLをまたぐように配され、X方向に配列される複数のプラグCP2を介して複数のビット線BLに接続される。
【0131】
積層体22とソース領域SLaとの間では、複数の選択ゲート線SGSb,SGSaが+Z方向に順に積層されている。各選択ゲート線SGSは、XY方向に延びる板状の導電層で構成される。以下では、選択ゲート線SGSを導電層SGSとも呼ぶことにする。導電層SGSは、導電物(例えば、タングステンなどの金属)を主成分とする材料で形成され得る。
【0132】
各セルブロックCBは、例えば、
図21~
図22に示すように、複数のサブセルブロックSCBを含む。
図21は、サブセルブロックSCB0,SCB1,SCB2の構成を示す積層方向の断面図であり、各サブセルブロックSCB0,SCB1,SCB2の中心軸を通るXZ断面を示す。
図21では、簡略化のため、ワード線WL-ワード線WL間の絶縁層の図示を省略している。
図22は、サブセルブロックSCB0,SCB1,SCB2の構成を示す平面方向の断面図である。
図22は、
図21をG-G’線で切ったXY断面を示す。
図21、
図22では、1つメモリホールMH内に3つのサブセルブロックSCBが配される構成が例示されるが、1つメモリホールMH内に配されるサブセルブロックSCBの数は、1個~2個でもよいし、4個以上でもよい。
【0133】
メモリホールMHは、XY平面視でX方向に延びたライン状に構成され、XZ方向に板状に延びている。メモリホールMHには、セルブロックCB0が配される。セルブロックCB0において、複数のサブセルブロックSCB0,SCB1,SCB2は、互いにX方向に並んでいる。各サブセルブロックSCBは、
図21、
図22に示すように、柱状構造体で構成される。柱状構造体は、複数のローカルソース線柱LSLを有する点で第1の実施形態と異なる。
【0134】
例えば、サブセルブロックSCB0の柱状構造体は、ローカルビット線柱LBL0、複数のローカルソース線柱LSL0,LSL1を有する。ローカルソース線柱LSL0は、ローカルビット線柱LBL0の-X側に配され、Z方向に延びて複数のワード線WL0~WL63を貫通する。ローカルソース線柱LSL1は、ローカルビット線柱LBL0の+X側に配され、Z方向に延びて複数のワード線WL0~WL63を貫通する。
【0135】
サブセルブロックSCB1の柱状構造体は、ローカルビット線柱LBL1、複数のローカルソース線柱LSL1,LSL2を有する。ローカルソース線柱LSL1は、サブセルブロックSCB0と共有されている。ローカルソース線柱LSL2は、ローカルビット線柱LBL1の+X側に配され、Z方向に延びて複数のワード線WL0~WL63を貫通する。
【0136】
サブセルブロックSCB2の柱状構造体は、ローカルビット線柱LBL2、複数のローカルソース線柱LSL2,LSL3を有する。ローカルソース線柱LSL2は、サブセルブロックSCB1と共有されている。ローカルソース線柱LSL3は、ローカルビット線柱LBL2の+X側に配され、Z方向に延びて複数のワード線WL0~WL63を貫通する。
【0137】
すなわち、メモリホールMH内では、ローカルソース線柱LSLとローカルビット線柱LBLとがX方向に沿って交互に繰り返し配列される。
図22では、メモリホールMH内で、-X側から+X側に、ローカルソース線柱LSL0、ローカルビット線柱LBL0、ローカルソース線柱LSL1、ローカルビット線柱LBL1、ローカルソース線柱LSL2、ローカルビット線柱LBL2、ローカルソース線柱LSL3が配されている。
【0138】
図21~
図22に示す構造は、メモリホールMHをXY平面視でライン状に形状する為、リソグラフィに余裕度を容易に確保でき、Y方向の配置ピッチの狭いセルブロックCBの配列を形成できる。メモリホールMH内では、X方向の配置ピッチの狭いサブセルブロックCB0,SCB1,SCB2の配列を形成出来る。各サブセルブロックSCB内では、2つのメモリセルMCがローカルビット線LBL及び抵抗変化膜REを共有して配される。これにより、セルブロックCB内でメモリセルMCの配置密度を容易に向上でき、セル面積を低減できる。
【0139】
また、ローカルビット線柱LBLとローカルソース線柱LSLとはX方向にライン状に延びたメモリホールMH内でX方向に分離して形成されるので、リソグラフィに余裕度を容易に確保でき、X方向の配置ピッチの狭いセルブロックCBの配列を形成出来る。
【0140】
メモリホールMH内に配されるセルブロックCB0の等価回路図は、
図23のようになる。
図23は、セルブロックCBの構成を示す回路図である。
【0141】
図23の等価回路図に示す様に、各サブセルブロックSCBにおいて、同じワード線WLに対応する2つのメモリセルMCがローカルビット線LBL、抵抗変化素子REを共有する。
【0142】
例えば、サブセルブロックSCB0のメモリセルMC0’は、ローカルビット線LBL0とローカルソース線LSL0との間に抵抗変化素子RE及びメモリトランジスタMT’の直列接続を含む。サブセルブロックSCB0のメモリセルMC0は、ローカルビット線LBL0とローカルソース線LSL1との間に抵抗変化素子RE及びメモリトランジスタMTの直列接続を含む。メモリセルMC0’のメモリトランジスタMT’とメモリセルMC0のメモリトランジスタMTとは、いずれも、ゲートがワード線WL0に接続される。
【0143】
サブセルブロックSCB1のメモリセルMC1’は、ローカルビット線LBL1とローカルソース線LSL1との間に抵抗変化素子RE及びメモリトランジスタMT’の直列接続を含む。サブセルブロックSCB1のメモリセルMC1は、ローカルビット線LBL1とローカルソース線LSL2との間に抵抗変化素子RE及びメモリトランジスタMTの直列接続を含む。メモリセルMC1’のメモリトランジスタMT’とメモリセルMC1のメモリトランジスタMTとは、いずれも、ゲートがワード線WL1に接続される。
【0144】
サブセルブロックSCB2のメモリセルMC63’は、ローカルビット線LBL2とローカルソース線LSL2との間に抵抗変化素子RE及びメモリトランジスタMT’の直列接続を含む。サブセルブロックSCB2のメモリセルMC63は、ローカルビット線LBL2とローカルソース線LSL3との間に抵抗変化素子RE及びメモリトランジスタMTの直列接続を含む。メモリセルMC63’のメモリトランジスタMT’とメモリセルMC63のメモリトランジスタMTとは、いずれも、ゲートがワード線WL63に接続される。
【0145】
複数のローカルソース線LSL0~LSL3は、ソース線SLに並列接続される。複数のローカルソース線LSL0~LSL3は、サブセルブロックSCB0,SCB1,SCB2とソース線SLとの間で、選択ゲート線SGSa、選択ゲート線SGSbに順に交差する。
【0146】
複数のローカルソース線LSL0,LSL1,LSL2,LSL3と選択ゲート線SGSaとの複数の交差位置に、選択トランジスタSGS0a,SGS1a,SGS2a,SGS3aが形成される。選択トランジスタSGS0a,SGS1a,SGS2a,SGS3aは、それぞれ、ゲートが選択ゲート線SGSaに接続される。
【0147】
選択トランジスタSGS0a,SGS2aは、
図23にチャネル領域が太線で示されるように、ディプレッション型のトランジスタである。選択トランジスタSGS0a,SGS2aは、選択ゲート線SGSaがLレベルのときにオン状態に維持され、選択ゲート線SGSaがHレベルのときにオン状態に維持される。
【0148】
選択トランジスタSGS1a,SGS3aは、エンハンスメント型のトランジスタである。選択トランジスタSGS1a,SGS3aは、選択ゲート線SGSaがLレベルのときにオフ状態に維持され、選択ゲート線SGSaがHレベルのときにオン状態に維持される。
【0149】
複数のローカルソース線LSL0,LSL1,LSL2,LSL3と選択ゲート線SGSbとの複数の交差位置に、選択トランジスタSGS0b,SGS1b,SGS2b,SGS3bが形成される。選択トランジスタSGS0b,SGS1b,SGS2b,SGS3bは、それぞれ、ゲートが選択ゲート線SGSbに接続される。
【0150】
選択トランジスタSGS1b,SGS3bは、
図23にチャネル領域が太線で示されるように、ディプレッション型のトランジスタである。選択トランジスタSGS1b,SGS3bは、選択ゲート線SGSbがLレベルのときにオン状態に維持され、選択ゲート線SGSbがHレベルのときにオン状態に維持される。
【0151】
選択トランジスタSGS0b,SGS2bは、エンハンスメント型のトランジスタである。選択トランジスタSGS0b,SGS2bは、選択ゲート線SGSbがLレベルのときにオフ状態に維持され、選択ゲート線SGSbがHレベルのときにオン状態に維持される。
【0152】
この構成により、
図24~
図27に示すように、各メモリセルMCに選択アクセスできる。
図24(a)、
図26(a)は、セルブロックの動作を示す積層方向の断面図である。
図24(b)、
図26(b)は、セルブロックの動作を示す平面方向の断面図であり、ワード線WL62のZ位置で切った場合のXY断面を例示する。
図25、
図27は、セルブロックの動作を示す回路図である。
【0153】
例えば、
図24(a)、
図24(b)、
図25に示すような動作で、メモリセルMC62’に選択アクセスできる。複数のワード線WL0~WL63のうちワード線WL62が選択的にハイレベルにされ、複数のビット線BL0~BL3のうちビット線BL1が選択的にハイレベルにされる場合、メモリセルMC62’のメモリトランジスタMT’とメモリセルMC62のメモリトランジスタMTとがそれぞれオンする。このとき、選択ゲート信号SGSaがHレベルとされ、選択ゲート信号SGSbがLレベルとされる。これにより、選択トランジスタSGS2bがオフ状態に維持され、ローカルソース線LSL2が非活性化される。一方、選択トランジスタSGS1a,SGS1bがいずれもオン状態に維持され、ローカルソース線LSL1は活性化される。これにより、セル電流の電流パスは、ビット線BL1→ローカルビット線LBL1→抵抗変化素子RE→メモリトランジスタMT’→ローカルソース線LSL1→ソース線SL(ソース領域SLa)となる。すなわち、メモリセルMC62’に選択アクセスしてセル電流を流すことができる。
【0154】
あるいは、
図26(a)、
図26(b)、
図27に示すような動作で、メモリセルMC62に選択アクセスできる。複数のワード線WL0~WL63のうちワード線WL62が選択的にハイレベルにされ、複数のビット線BL0~BL3のうちビット線BL1が選択的にハイレベルにされる場合、メモリセルMC62’のメモリトランジスタMT’とメモリセルMC62のメモリトランジスタMTとがそれぞれオンする。このとき、選択ゲート信号SGSaがLレベルとされ、選択ゲート信号SGSbがHレベルとされる。これにより、選択トランジスタSGS1aがオフ状態に維持され、ローカルソース線LSL1が非活性化される。一方、選択トランジスタSGS2a,SGS2bがいずれもオン状態に維持され、ローカルソース線LSL2は活性化される。これにより、セル電流の電流パスは、ビット線BL1→ローカルビット線LBL1→抵抗変化素子RE→メモリトランジスタMT→ローカルソース線LSL2→ソース線SL(ソース領域SLa)となる。すなわち、メモリセルMC62に選択アクセスしてセル電流を流すことができる。
【0155】
以上のように、第2の実施形態では、半導体記憶装置1において、各セルブロック内でローカルビット線が平面方向に並ぶ複数のメモリセルで共有され、ローカルビット線から複数のメモリセルを介して複数のローカルソース線に電流パスが形成され得る。このとき、ソース側の選択ゲート線SGSa,SGSbが2層で構成され異なるレベルの選択ゲート信号SGSa,SGSbで駆動されることで、ローカルビット線を共有する複数のメモリセルに対して1つのメモリセルに選択アクセスすることができる。
【0156】
すなわち、各サブセルブロックSCB内では、2つのメモリセルMCがローカルビット線LBL及び抵抗変化膜REを共有して配される構成を実現できる。これにより、セルブロックCB内でメモリセルMCの配置密度を容易に向上でき、セル面積を低減できる。
【0157】
なお、ソース側の選択ゲート線SGSa,SGSbが2層で構成されることに代えて、図示しないが、ドレイン側の選択ゲート線SGDa,SGDbが2層で構成されてもよい。選択ゲート線SGDa,SGDbが2層で構成されることに伴い、選択ゲート線SGSbが省略されてもよい。選択ゲート線SGDaと複数のローカルビット線LBL0,LBL1,LBL2との複数の交差位置に、互い違いにディプレッション型のトランジスタとエンハンスメント型のトランジスタとが配置されるようにする。
【0158】
例えば、選択ゲート線SGDaと複数のローカルビット線LBL0,LBL1,LBL2との複数の交差位置に選択トランジスタSGD0a,SGD1a,SGD2aが形成され、選択ゲート線SGDbと複数のローカルビット線LBL0,LBL1,LBL2との複数の交差位置に選択トランジスタSGD0b,SGD1b,SGD2bが形成されるとする。選択トランジスタSGD0a,SGD1b,SGD2aがディプレッション型のトランジスタであり、選択トランジスタSGD0b,SGD1a,SGD2bがエンハンスメント型のトランジスタであってもよい。あるいは、選択トランジスタSGD0b,SGD1a,SGD2bがディプレッション型のトランジスタであり、選択トランジスタSGD0a,SGD1b,SGD2aがエンハンスメント型のトランジスタであってもよい。
【0159】
この場合、ドレイン側の選択ゲート線SGDa,SGDbが2層で構成され異なるレベルの選択ゲート線SGDa,SGDbで駆動されることで、ローカルソース線LSLを共有する複数のメモリセルに対して1つのメモリセルに選択アクセスすることができる。
【0160】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0161】
1 不揮発性半導体記憶装置、5 セルアレイ、CB,CB0~CB5 セルブロック、CH 半導体膜、GD ゲート絶縁膜、LBL ローカルビット線、LSL ローカルソース線、MC,MC0~MC63 メモリセル、MT,MT’ セルトランジスタ、RE、RE’,RE0~RE63 抵抗変化素子,抵抗変化膜、SGD,SGS 選択ゲート線。