(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018709
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/20 20180101AFI20240201BHJP
F21S 43/237 20180101ALI20240201BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20240201BHJP
F21W 103/35 20180101ALN20240201BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20240201BHJP
【FI】
F21S43/20
F21S43/237
F21W103:00
F21W103:35
F21W103:20
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122212
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅川 陽一
(72)【発明者】
【氏名】檀浦 宗一郎
(57)【要約】
【課題】輝度ムラの発生を抑制することが可能な車両用灯具を提供する。
【解決手段】車両用灯具は、光源と、車両搭載状態における左右方向に延び、光源からの光を導光して側面から出射する導光体と、導光体の側面に沿って配置され、導光体から出射される光を導光して出射するインナーレンズと、インナーレンズから出射される光を透過するアウターレンズと、を備え、アウターレンズは、板状であり、車両搭載状態における正面部が正面側に突出するように上面部及び下面部が延び出した形状を有し、インナーレンズは、アウターレンズの上面部と、正面部と、下面部とで囲まれた部分に配置され、少なくとも正面方向及び正面側の斜め上方に光を出射する出射面を有する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
車両搭載状態における左右方向に延び、前記光源からの光を導光して側面から出射する導光体と、
前記導光体の前記側面に沿って配置され、前記導光体から出射される前記光を導光して出射するインナーレンズと、
前記インナーレンズから出射される前記光を透過するアウターレンズと、
を備え、
前記アウターレンズは、板状であり、車両搭載状態における正面部が正面側に突出するように上面部及び下面部が延び出した形状を有し、
前記インナーレンズは、前記アウターレンズの前記上面部と、前記正面部と、前記下面部とで囲まれた部分に配置され、少なくとも正面方向及び正面側の斜め上方に光を出射する出射面を有する
車両用灯具。
【請求項2】
前記インナーレンズは、前記アウターレンズの前記上面部に対向して前記光を前記斜め上方に出射する上部出射面と、前記正面部に対向して前記光を前記正面方向に出射する正面出射面とを有する
請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記上部出射面は、出射する前記光の出射方向を調整する上側プリズム部を有する
請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記インナーレンズは、前記アウターレンズの前記下面部に対向し、内部に入射した前記光を内面反射する下部反射面を有する
請求項2又は請求項3に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記インナーレンズは、左右方向に延びるように形成され前記導光体からの前記光が入射する入射面を有し、
前記入射面は、
上下方向の中央に配置され、前記左右方向の一方から他方にかけて滑らかな曲面状の湾曲部と、
前記湾曲部に対して前記上下方向の上側及び下側の少なくとも一方に配置され、それぞれ背面方向に向くように形成された複数の段面が並ぶ階段状部と、を有し、
前記下部反射面は、複数の前記段面と対応する向きに形成される下側プリズム部を有する
請求項4に記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記導光体は、前記インナーレンズに向けて光を出射する出射部を有し、
前記出射部は、前記光の出射方向が前記湾曲部及び前記階段状部に向くように調整する導光側プリズム部を有する
請求項5に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
光源からの光を板状のインナーレンズに入射させてインナーレンズから車両正面に出射し、アウターレンズを透過させて外部に出射する構成の車両用灯具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のような車両用灯具では、インナーレンズとアウターレンズとの位置関係によっては、アウターレンズにおいて輝度ムラが生じる場合がある。上記の車両用灯具では、このような輝度ムラの発生を抑制することが求められる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、輝度ムラの発生を抑制することが可能な車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車両用灯具は、光源と、車両搭載状態における左右方向に延び、前記光源からの光を導光して側面から出射する導光体と、前記導光体の前記側面に沿って配置され、前記導光体から出射される前記光を導光して出射するインナーレンズと、前記インナーレンズから出射される前記光を透過するアウターレンズと、を備え、前記アウターレンズは、板状であり、車両搭載状態における正面部が正面側に突出するように上面部及び下面部が延び出した形状を有し、前記インナーレンズは、前記アウターレンズの前記上面部と、前記正面部と、前記下面部とで囲まれた部分に配置され、少なくとも正面方向及び正面側の斜め上方に光を出射する出射面を有する。
【0007】
上記の車両用灯具において、前記インナーレンズは、前記アウターレンズの前記上面部に対向して前記光を前記斜め上方に出射する上部出射面と、前記正面部に対向して前記光を前記正面方向に出射する正面出射面とを有してもよい。
【0008】
上記の車両用灯具において、前記上部出射面は、出射する前記光の出射方向を調整する上側プリズム部を有してもよい。
【0009】
上記の車両用灯具において、前記インナーレンズは、前記アウターレンズの前記下面部に対向し、内部に入射した前記光を内面反射する下部反射面を有してもよい。
【0010】
上記の車両用灯具において、前記インナーレンズは、左右方向に延びるように形成され前記導光体からの前記光が入射する入射面を有し、前記入射面は、上下方向の中央に配置され、前記左右方向の一方から他方にかけて滑らかな曲面状の湾曲部と、前記湾曲部に対して前記上下方向の上側及び下側の少なくとも一方に配置され、それぞれ背面方向に向くように形成された複数の段面が並ぶ階段状部と、を有し、前記下部反射面は、複数の前記段面と対応する向きに形成される下部プリズム部を有してもよい。
【0011】
上記の車両用灯具において、前記導光体は、前記インナーレンズに向けて光を出射する出射部を有し、前記出射部は、前記光の出射方向が前記湾曲部及び前記階段状部に向くように調整する導光側プリズム部を有してもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、輝度ムラの発生を抑制することが可能な車両用灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る車両の後部の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、車両用灯具の一例を示す分解斜視図である。
【
図3】
図3は、車両用灯具の一例を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1におけるA-A断面に沿った構成を示す図である。
【
図5】
図5は、インナーレンズの要部の一例を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、
図4におけるB-B断面に沿った構成を示す図である。
【
図7】
図7は、
図6におけるC-C断面に沿った構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る車両用灯具の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0015】
本実施形態において、正面側及び背面側の各方向は、例えば車両に搭載された状態(車両搭載状態)における方向であるとする。例えば、車両の前部(フロント)に搭載された状態では、前方が正面方向(正面側)であり、後方が背面方向(背面側)である。また、車両の後部(リア)に搭載された状態では、後方が正面方向(正面側)であり、前方が背面方向(背面側)である。また、車両の側部(サイド)に搭載された状態では、車両外側が正面方向(正面側)であり、車両内側が背面方向(背面側)である。
【0016】
図1は、本実施形態に係る車両1の後部の一例を示す図である。
図1に示すように、車両1は、車体2と、走行装置3と、車両用灯具100とを備える。車体2は、運転者が搭乗する運転室を有する。車体2は、走行装置3に支持される。走行装置3は、タイヤ4が装着されるホイールと、車両1の進行方向を変えるための操舵装置と、走行装置3を減速又は停止させるためのブレーキ装置とを有する。車両1は、車体2の側部に設けられる乗降用ドアと、車体2の後部に設けられるバックドア7とを備える。乗降用ドア及びバックドア7はそれぞれ、ヒンジ機構を介して車体2に移動可能に支持される。
【0017】
本実施形態において、車両用灯具100は、車体2の後部の左側及び右側のそれぞれに設けられる。本実施形態では、車両用灯具100が車体2の後部に設けられる。そのため、前後方向の後方側を車両用灯具100の正面側とし、前後方向の前方側を車両用灯具100の背面側として説明する。
【0018】
車両用灯具100は、機能ランプを含む。機能ランプとして、車体2の後部に設けられヘッドランプの点灯と連動して点灯するテールランプ、車体2の後部に設けられブレーキ装置の作動と連動して点灯するストップランプ、車体2の後部に設けられ車両1の進行方向を周囲に示すために点灯するリアターンシグナルランプなどが挙げられる。
【0019】
車両用灯具100は、例えばそれぞれ車体2側に配置される。本実施形態において、車体2は、固定部である。また、バックドア7は、可動部である。車体2の後部の左側に設けられる車両用灯具100の構造と車体2の後部の右側に設けられる車両用灯具100の構造とは、左右方向について対称であり、実質的に同一の構造である。以下、車体2の後部の左側に設けられる車両用灯具100について主に説明し、車体2の後部の右側に設けられる車両用灯具100についての説明は簡略又は省略する。
【0020】
図2は、車両用灯具100の一例を示す分解斜視図である。
図3は、車両用灯具の一例を示す斜視図である。
図3では、導光体20、インナーレンズ30が灯室60内に収容された状態を示しており、ハウジング50の図示を省略している。
図2及び
図3に示すように、車両用灯具100は、光源10と、導光体20と、インナーレンズ30と、アウターレンズ40と、ハウジング50とを備える。車両用灯具100は、ハウジング50及びアウターレンズ40によって囲まれる灯室60内に光源10、導光体20、インナーレンズ30等が収容された構成である。車両用灯具100は、車両内側から車両外側にかけて、背面側に湾曲又は屈曲した形状、いわゆるスラント形状を有している。
【0021】
光源10は、例えばLED等の半導体型光源、レーザ光源等が用いられる。光源10は、光を出射する発光面11を有する。
【0022】
導光体20は、例えば棒状である。導光体20は、車両用灯具100のスラント形状に沿うように、例えば車両内側から車両外側にかけて、背面側に湾曲するように延びている。
【0023】
導光体20は、入射部21と、反射部22と、出射部23とを有する。入射部21は、光源10の発光面11と対向する。入射部21は、光源10からの光を導光体20の内部に入射させる。導光体20において、例えば車両外側かつ背面側の端面が入射部21となっている。この形状により、スラント形状を有する車両用灯具100の内部において光源10からの光を適切に導光することができる。
【0024】
反射部22は、導光体20の背面側に設けられる。反射部22は、入射部21から入射した光を正面側に向けて内面反射する。反射部22には、複数のプリズム部22aが形成される。複数のプリズム部22aは、光を正面側に内面反射するように反射方向を調整する。
【0025】
出射部23は、導光体20の正面側に設けられる。出射部23は、反射部22で内面反射された光を正面側に向けて出射する。出射部23は、車両内側から車両外側にかけて正面側から背面側に湾曲するように形成される。出射部23は、インナーレンズ30の入射面31に対向して配置される。すなわち、出射部23は、導光体20においてインナーレンズ30に対向する部分である。導光体20において、出射部23には、導光側プリズム部23aが設けられる。導光側プリズム部23aは、光の出射方向を調整する。
【0026】
インナーレンズ30は、導光体20から出射された光を導光して、車両搭載状態における少なくとも正面方向に出射する。インナーレンズ30は、例えば板状であり、水平方向に沿って配置される。インナーレンズ30は、入射面31と、下部反射面32と、出射面33とを有する。
【0027】
入射面31は、インナーレンズ30の側部に設けられる。
図5は、インナーレンズ30の要部の一例を示す斜視図である。
図5は、インナーレンズ30の入射面31側を拡大して示している。入射面31は、導光体20からの光が入射する。入射面31は、左右方向に延びるように形成される。入射面31は、湾曲部31aと階段状部31bとを有する。湾曲部31aは、インナーレンズ30の側部の左右方向の一方から他方にかけて滑らかな曲面状となる部分である。階段状部31bは、インナーレンズ30の側部の長手方向に沿って複数の段面31cが並んだ形状を有する。各段面31cは、例えば背面方向に向くように形成される。この構成により、各段面31cにおいては、導光体20の出射部23から正面方向に出射される光を左右方向への屈折を抑制して入射可能となっている。入射面31は、階段状部31bと湾曲部31aとが厚さ方向(上下方向)に並んだ状態で設けられる。本実施形態において、厚さ方向の中央部に湾曲部31aが配置され、厚さ方向の両端部に階段状部31bが配置される。なお、本実施形態では湾曲面31aが滑らかな湾曲面で形成されているが、長手方向に延びるプリズムを有する湾曲面で合っても良い。
【0028】
下部反射面32は、入射面31のうち階段状部31bの段面31cから入射した光を内面反射する。下部反射面32は、下部プリズム部32a(
図6参照)を有する。本実施形態において、下部プリズム部32aは、階段状部31bの段面31cと対応する向きに形成される。下部プリズム部32aは、段面31cから入射した光を正面側の上方に向けて内面反射するように形成される。
【0029】
出射面33は、少なくとも正面方向及び斜め上方に光を出射する。出射面33は、正面出射面34及び上部出射面35を有する。正面出射面34は、光を正面方向に出射する。正面出射面34は、入射面31のうち湾曲部31aから入射した光を出射する。上部出射面35は、下部反射面32の下部プリズム部32aで内面反射された光を正面側の斜め上方に出射する。上部出射面35には、上側プリズム部35aが設けられる。上側プリズム部35aは、光の出射方向を調整する。
【0030】
アウターレンズ40は、インナーレンズ30から出射された光を車両用灯具100の外部に出射する。アウターレンズ40は、板状である。アウターレンズ40は、ハウジング50と共に車両用灯具100の各部を収容する。アウターレンズ40は、例えば透明又は点灯色と同系色の樹脂材料を用いて形成される。
【0031】
アウターレンズ40は、正面部41と、上面部42と、下面部43と、側面部44とを有する。正面部41は、正面方向に向けられる。正面部41は、インナーレンズ30の正面出射面34と対向する。正面部41は、正面出射面34から出射される光を正面方向に透過する。上面部42は、インナーレンズ30の上部出射面35と対向する。上面部42は、上部出射面35から出射される光を正面側の斜め上方に透過する。下面部43は、インナーレンズ30の下部反射面32と対向する。アウターレンズ40は、正面部41が正面側に突出するように上面部42及び下面部43が正面側に延び出した形状を有する。
【0032】
側面部44は、アウターレンズ40のうち車両内側の端部に設けられる。側面部44には、プリズム部44aが設けられる。プリズム部44aは、例えば側面部44の内側の面に形成される。プリズム部44aは、バックドア7側からアウターレンズ40に入射する光をバックドア7側に反射する。
【0033】
ハウジング50は、光源10、導光体20、インナーレンズ30及びアウターレンズ40を保持する。
【0034】
次に、上記のように構成された車両用灯具100の動作の一例を説明する。運転者によってヘッドランプの点灯またはブレーキ装置と連動して点灯するテールランプおよびストップランプを点灯させる所定の操作が行われた場合、車両用灯具100は、操作装置からの操作信号を取得する。光源10の基板等に設けられる制御回路は、取得された信号に応じて、光源10の発光制御を行う。
【0035】
光源10の発光面11から光が出射される。この光は、導光体20の入射部21から内部に入射し、反射部22のプリズム部22aで内面反射されて、出射部23から出射される。
【0036】
図6は、
図4におけるB-B断面に沿った構成を示す図である。
図7は、
図6におけるC-C断面に沿った構成を示す図である。
図6及び
図7は、導光体から出射される光の光路の一例を示している。
【0037】
出射部23から正面方向に出射される一部の光L1は、
図6及び
図7に示すように、入射面31の湾曲部31aからインナーレンズ30に入射する。この光L1は、湾曲部31aにより車両外側に屈折されてインナーレンズ30の内部を進行し、正面出射面34で車両内側に屈折されて正面方向に出射される。正面出射面34から出射された光L1は、アウターレンズ40の正面部41から正面方向に出射される。
【0038】
また、出射部23から正面側の斜め上方又は斜め下方に出射される一部の光L2は、
図6及び
図7に示すように、入射面31の階段状部31bからインナーレンズ30に入射する。
図6及び
図7では、出射部23から正面側の斜め下方に出射される光を例に挙げて説明する。この光L2は、例えば湾曲部31aの下側に配置される階段状部31bの段面31cにより屈折が抑制された状態でインナーレンズ30の内部に入射する。
【0039】
光L2は、インナーレンズ30の下部反射面32に到達し、下部プリズム部32aにより内面反射される。下部プリズム部32aは、階段状部31bの段面31cとの間で向きが対応するように形成される。このため、段面31cから入射した光L2は、下部反射面32の下部プリズム部32aにより効率的に斜め上方に内面反射される。内面反射された光L2は、上部出射面35から正面側の斜め上方に出射される。上部出射面35から出射された光L2は、アウターレンズ40の上面部42から正面側の斜め上方に出射される。
【0040】
本実施形態において、インナーレンズ30がアウターレンズ40の上面部42と、正面部41と、下面部43とで囲まれた部分に配置されるため、インナーレンズ30の上部出射面35とアウターレンズ40の上面部42とが対向して配置される。このため、上部出射面35から出射される光が上面部42の全体から出射されるため、上面部42が均一に光った状態となる。
【0041】
以上のように、本実施形態に係る車両用灯具100は、光源10と、車両搭載状態における左右方向に延び、光源10からの光を導光して側面から出射する導光体20と、導光体20の側面に沿って配置され、導光体20から出射される光を導光して出射するインナーレンズ30と、インナーレンズ30から出射される光を透過するアウターレンズ40と、を備え、アウターレンズ40は、板状であり、車両搭載状態における正面部41が正面側に突出するように上面部42及び下面部43が延び出した形状を有し、インナーレンズ30は、アウターレンズ40の上面部42と、正面部41と、下面部43とで囲まれた部分に配置され、少なくとも正面方向及び正面側の斜め上方に光を出射する出射面33を有する。
【0042】
この構成によれば、インナーレンズ30がアウターレンズ40の上面部42と、正面部41と、下面部43とで囲まれた部分に配置されるため、インナーレンズ30の上部出射面35とアウターレンズ40の上面部42とが対向して配置される。このため、上部出射面35から出射される光が上面部42の全体から出射されるため、上面部42を均一に光らせることができる。これにより、輝度ムラの発生を抑制することができる。
【0043】
本実施形態に係る車両用灯具100において、インナーレンズ30は、アウターレンズ40の上面部42に対向して光を斜め上方に出射する上部出射面35と、正面部41に対向して光を正面方向に出射する正面出射面34とを有する。この構成によれば、インナーレンズ30の上部出射面35からアウターレンズ40の上面部42に光を効率的に出射することができる。
【0044】
本実施形態に係る車両用灯具100において、上部出射面35は、出射する光の出射方向を調整する上側プリズム部35aを有する。この構成によれば、上部出射面35から適切な方向に光を出射することができる。
【0045】
本実施形態に係る車両用灯具100において、インナーレンズ30は、アウターレンズ40の下面部43に対向し、内部に入射した光を内面反射する下部反射面32を有する。この構成によれば、インナーレンズ30の内部を進行する光を下部反射面32により効率的に上部出射面35から出射させることができる。
【0046】
本実施形態に係る車両用灯具100において、インナーレンズ30は、左右方向に延びるように形成され導光体20からの光が入射する入射面31を有し、入射面31は、上下方向の中央に配置され、左右方向の一方から他方にかけて滑らかな曲面状の湾曲部31aと、湾曲部31aに対して上下方向の上側及び下側の少なくとも一方に配置され、それぞれ背面方向に向くように形成された複数の段面31cが並ぶ階段状部31bと、を有し、下部反射面32は、複数の段面31cと対応する向きに形成される下部プリズム部32aを有する。この構成によれば、導光体20から出射される光を効率的に上部出射面35から出射させることができる。
【0047】
本実施形態に係る車両用灯具100において、導光体20は、インナーレンズ30に向けて光を出射する出射部23を有し、出射部23は、光の出射方向が湾曲部31a及び階段状部31bに向くように調整する導光側プリズム部23aを有する。この構成によれば、導光体20からインナーレンズ30の湾曲部31a及び階段状部31bに光を効率的に出射することができる。
【符号の説明】
【0048】
L1,L2…光、1…車両、2…車体、3…走行装置、4…タイヤ、7…バックドア、10…光源、11…発光面、20…導光体、21…入射部、22…反射部、22a,44a…プリズム部、23…出射部、23a…導光側プリズム部、30…インナーレンズ、31…入射面、31a…湾曲部、31b…階段状部、31c…段面、32…下部反射面、32a…下部プリズム部、33…出射面、34…正面出射面、35…上部出射面、35a…上側プリズム部、40…アウターレンズ、41…正面部、42…上面部、43…下面部、44…側面部、50…ハウジング、60…灯室、100…車両用灯具