特開 2024-18710 車両用灯具

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024018710

(43)【公開日】2024-02-08

(54)【発明の名称】車両用灯具

(51)【国際特許分類】

   F21S 43/20 20180101AFI20240201BHJP

   F21S 43/237 20180101ALI20240201BHJP

   F21S 43/50 20180101ALI20240201BHJP

   F21W 103/00 20180101ALN20240201BHJP

   F21W 103/35 20180101ALN20240201BHJP

   F21W 103/20 20180101ALN20240201BHJP

【ＦＩ】

F21S43/20

F21S43/237

F21S43/50

F21W103:00

F21W103:35

F21W103:20

【審査請求】未請求

【請求項の数】6

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022122213

(22)【出願日】2022-07-29

(71)【出願人】

【識別番号】000000136

【氏名又は名称】市光工業株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110002147

【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】檀浦 宗一郎

(72)【発明者】

【氏名】浅川 陽一

(57)【要約】

【課題】発光状態における見栄えを向上する。
【解決手段】車両用灯具は、光源と、車両搭載状態における左右方向に延び、光源からの光を導光して側面から出射する導光体と、導光体の側面に沿って配置され、導光体から出射される光を導光して出射するインナーレンズと、インナーレンズから出射される光を透過するアウターレンズとを備え、アウターレンズは、板状であり、車両搭載状態における正面部が正面側に突出するように上面部及び下面部が延び出した形状を有し、インナーレンズは、板状であり、アウターレンズの正面部に沿って配置され正面部に向けて光を出射する第１部分と、第１部分の上端から背面側に向けてアウターレンズの上面部に沿って配置され上面部に向けて光を出射する第２部分とを有し、導光体は、インナーレンズの第１部分及び第２部分と、アウターレンズの下面部とに向けて光を出射するように設けられる。
【選択図】図４

【特許請求の範囲】

【請求項1】

光源と、
車両搭載状態における左右方向に延び、前記光源からの光を導光して側面から出射する導光体と、
前記導光体の前記側面に沿って配置され、前記導光体から出射される前記光を導光して出射するインナーレンズと、
前記インナーレンズから出射される前記光を透過するアウターレンズと
を備え、
前記アウターレンズは、板状であり、車両搭載状態における正面部が正面側に突出するように上面部及び下面部が延び出した形状を有し、
前記インナーレンズは、板状であり、前記アウターレンズの前記正面部に沿って配置され前記正面部に向けて光を出射する第１部分と、前記第１部分の上端から背面側に向けて前記アウターレンズの前記上面部に沿って配置され前記上面部に向けて前記光を出射する第２部分とを有し、
前記導光体は、前記インナーレンズの前記第１部分及び前記第２部分と、前記アウターレンズの前記下面部とに向けて光を出射するように設けられる
車両用灯具。

【請求項2】

前記導光体は、少なくとも前記第１部分に前記光を出射する第１導光部を有し、
前記第１部分は、前記第１導光部からの前記光を前記正面部に向けて出射するように設けられる
請求項１に記載の車両用灯具。

【請求項3】

前記第１導光部は、前記第２部分の下面に向けて前記光を出射するように形成され、
前記第２部分は、前記第１導光部からの前記光を前記上面部に向けて屈折させるプリズム部を有する
請求項２に記載の車両用灯具。

【請求項4】

前記第１導光部は、前記下面部に向けて前記光を出射するように設けられる
請求項２に記載の車両用灯具。

【請求項5】

前記導光体は、前記第２部分の背面側の端面に向けて前記光を出射する第２導光部を有し、
前記第２部分は、前記第２導光部からの前記光を内面反射させないように前記第２部分の延在方向に沿って正面側に導光して前記正面部に向けて出射するように設けられる
請求項１から請求項４のいずれか一項に記載の車両用灯具。

【請求項6】

前記導光体は、前記第２部分の下面に向けて前記光を出射する第３導光部を前記第１導光部及び前記第２導光部とは別個に有する
請求項５に記載の車両用灯具。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、車両用灯具に関する。

【背景技術】

【0002】

車両の後方に飛び出した形状のアウターレンズを有する車両用灯具が知られている（例えば、特許文献１参照）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０１７－０４１３９７号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

特許文献１に記載のような車両用灯具では、アウターレンズの発光状態の見栄えを向上させるため、例えばアウターレンズの下側の部分に沿って反射板を配置し、光源からの光を反射板によりアウターレンズの正面側及び上側の部分に向けて反射する構成が提案されている。しかしながら、この構成では、反射板を配置するアウターレンズの下側の部分が発光しないため、発光状態における見栄えの点で改善が求められる。

【0005】

本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、発光状態における見栄えを向上することが可能な車両用灯具を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本発明に係る車両用灯具は、光源と、車両搭載状態における左右方向に延び、前記光源からの光を導光して側面から出射する導光体と、前記導光体の前記側面に沿って配置され、前記導光体から出射される前記光を導光して出射するインナーレンズと、前記インナーレンズから出射される前記光を透過するアウターレンズとを備え、前記アウターレンズは、板状であり、車両搭載状態における正面部が正面側に突出するように上面部及び下面部が延び出した形状を有し、前記インナーレンズは、板状であり、前記アウターレンズの前記正面部に沿って配置され前記正面部に向けて光を出射する第１部分と、前記第１部分の上端から背面側に向けて前記アウターレンズの前記上面部に沿って配置され前記上面部に向けて前記光を出射する第２部分とを有し、前記導光体は、前記インナーレンズの前記第１部分及び前記第２部分と、前記アウターレンズの前記下面部とに向けて光を出射するように設けられる。

【0007】

上記の車両用灯具において、前記導光体は、少なくとも前記第１部分に前記光を出射する第１導光部を有し、前記第１部分は、前記第１導光部からの前記光を前記正面部に向けて出射するように設けられてもよい。

【0008】

上記の車両用灯具において、前記第１導光部は、前記第２部分の下面に向けて前記光を出射するように形成され、前記第２部分は、前記第１導光部からの前記光を前記上面部に向けて屈折させるプリズム部を有してもよい。

【0009】

上記の車両用灯具において、前記第１導光部は、前記下面部に向けて前記光を出射するように設けられてもよい。

【0010】

上記の車両用灯具において、前記導光体は、前記第２部分の背面側の端面に向けて前記光を出射する第２導光部を有し、前記第２部分は、前記第２導光部からの前記光を内面反射させないように前記第２部分の延在方向に沿って正面側に導光して前記正面部に向けて出射するように設けられてもよい。

【0011】

上記の車両用灯具において、前記導光体は、前記第２部分の下面に向けて前記光を出射する第３導光部を前記第１導光部及び前記第２導光部とは別個に有してもよい。

【発明の効果】

【0012】

本発明によれば、発光状態における見栄えを向上することが可能な車両用灯具を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【0013】

【図1】図１は、本実施形態に係る車両の後部の一例を示す図である。

【図2】図２は、車両用灯具の一例を示す分解斜視図である。

【図3】図３は、図１におけるＡ－Ａ断面に沿った構成を示す図である。

【図4】図４は、図３におけるＢ－Ｂ断面に沿った構成を示す図である。

【図5】図５は、変形例に係る車両用灯具を示す断面図である。

【発明を実施するための形態】

【0014】

以下、本発明に係る車両用灯具の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。

【0015】

本実施形態において、正面側及び背面側の各方向は、例えば車両に搭載された状態（車両搭載状態）における方向であるとする。例えば、車両の前部（フロント）に搭載された状態では、前方が正面方向（正面側）であり、後方が背面方向（背面側）である。また、車両の後部（リア）に搭載された状態では、後方が正面方向（正面側）であり、前方が背面方向（背面側）である。また、車両の側部（サイド）に搭載された状態では、車両外側が正面方向（正面側）であり、車両内側が背面方向（背面側）である。

【0016】

図１は、本実施形態に係る車両１の後部の一例を示す図である。図１に示すように、車両１は、車体２と、走行装置３と、車両用灯具１００とを備える。車体２は、運転者が搭乗する運転室を有する。車体２は、走行装置３に支持される。走行装置３は、タイヤ４が装着されるホイールと、車両１の進行方向を変えるための操舵装置と、走行装置３を減速又は停止させるためのブレーキ装置とを有する。車両１は、車体２の側部に設けられる乗降用ドアと、車体２の後部に設けられるバックドア７とを備える。乗降用ドア及びバックドア７はそれぞれ、ヒンジ機構を介して車体２に移動可能に支持される。

【0017】

本実施形態において、車両用灯具１００は、車体２の後部の左側及び右側のそれぞれに設けられる。本実施形態では、車両用灯具１００が車体２の後部に設けられる。そのため、前後方向の後方側を車両用灯具１００の正面側とし、前後方向の前方側を車両用灯具１００の背面側として説明する。

【0018】

車両用灯具１００は、機能ランプを含む。機能ランプとして、車体２の後部に設けられヘッドランプの点灯と連動して点灯するテールランプ、車体２の後部に設けられブレーキ装置の作動と連動して点灯するストップランプ、車体２の後部に設けられ車両１の進行方向を周囲に示すために点灯するリアターンシグナルランプなどが挙げられる。

【0019】

車両用灯具１００は、例えばそれぞれ車体２側に配置される。本実施形態において、車体２は、固定部である。また、バックドア７は、可動部である。車体２の後部の左側に設けられる車両用灯具１００の構造と車体２の後部の右側に設けられる車両用灯具１００の構造とは、左右方向について対称であり、実質的に同一の構造である。以下、車体２の後部の左側に設けられる車両用灯具１００について主に説明し、車体２の後部の右側に設けられる車両用灯具１００についての説明は簡略又は省略する。

【0020】

図２は、車両用灯具１００の一例を示す分解斜視図である。図３は、図１におけるＡ－Ａ断面に沿った構成を示す図である。図３では、導光体２０、インナーレンズ３０が灯室６０内に収容された状態を示しており、ハウジング５０の図示を省略している。図４は、図３におけるＢ－Ｂ断面に沿った構成を示す図である。

【0021】

図２から図４に示すように、車両用灯具１００は、光源１０と、導光体２０と、インナーレンズ３０と、アウターレンズ４０と、ハウジング５０とを備える。車両用灯具１００は、ハウジング５０及びアウターレンズ４０によって囲まれる灯室６０内に光源１０、導光体２０、インナーレンズ３０等が収容された構成である。車両用灯具１００は、車両内側から車両外側にかけて、背面側に湾曲又は屈曲した形状、いわゆるスラント形状を有している。

【0022】

光源１０は、例えばＬＥＤ等の半導体型光源、レーザ光源等が用いられる。光源１０は、光を出射する発光面１１を有する。

【0023】

導光体２０は、例えば棒状である。導光体２０は、第１導光部２１と、第２導光部２２とを有する。第１導光部２１及び第２導光部２２は、上下方向に並んだ状態で、接続部２３（図４等参照）を介して一体的に形成される。第１導光部２１及び第２導光部２２は、車両用灯具１００のスラント形状に沿うように、例えば車両内側から車両外側にかけて、背面側に湾曲するように延びている。

【0024】

第１導光部２１は、例えば下側に配置される。第１導光部２１は、第１入射部２４と、第１反射部２５と、第１出射部２６とを有する。第１入射部２４は、光源１０の発光面１１と対向する。第１入射部２４は、光源１０からの光を導光体２０の内部に入射させる。第１導光部２１において、例えば車両外側かつ背面側の端面が第１入射部２４となっている。この形状により、スラント形状を有する車両用灯具１００の内部において光源１０からの光を適切に導光することができる。

【0025】

第１反射部２５は、導光体２０の背面側に設けられる。第１反射部２５は、第１入射部２４から入射した光を正面側に向けて内面反射する。第１反射部２５には、複数のプリズム部２５ａが形成される。複数のプリズム部２５ａは、光を正面側に内面反射するように反射方向を調整する。

【0026】

第１出射部２６は、導光体２０の正面側に設けられる。第１出射部２６は、第１反射部２５で内面反射された光を正面側に向けて出射する。第１出射部２６は、車両内側から車両外側にかけて正面側から背面側に湾曲するように形成される。第１出射部２６は、インナーレンズ３０の第１部分３１に向くように配置される。第１出射部２６には、プリズム部２６ａが設けられる。プリズム部２６ａは、光の出射方向を調整する。プリズム部２６ａが設けられることにより、第１出射部２６は、後述するインナーレンズ３０の第１部分３１の背面と、第２部分３２の下面と、アウターレンズ４０の下面部４３とに向けて光を出射する構成となっている。

【0027】

第２導光部２２は、例えば上側に配置される。第２導光部２２は、接続部２３を介して第１導光部２１と接続される。第２導光部２２は、接続部２３を介して第１導光部２１から光が導光される。第２導光部２２は、第２反射部２７と、第２出射部２８とを有する。

【0028】

第２反射部２７は、導光体２０の背面側に設けられる。第２反射部２７は、接続部２３から入射した光を正面側に向けて内面反射する。第２反射部２７には、複数のプリズム部２７ａが形成される。複数のプリズム部２７ａは、光を正面側に内面反射するように反射方向を調整する。

【0029】

第２出射部２８は、導光体２０の正面側に設けられる。第２出射部２８は、第２反射部２７で内面反射された光を正面側に向けて出射する。第２出射部２８は、車両内側から車両外側にかけて正面側から背面側に湾曲するように形成される。第２出射部２８は、インナーレンズ３０の第２部分３２に向くように配置される。第２出射部２８から出射された光はインナーレンズ３０の第２部分３２に入射し、正面側に向けて光を出射する構成となっている。

【0030】

インナーレンズ３０は、導光体２０から出射された光を導光して出射する。インナーレンズ３０は、例えば板状である。インナーレンズ３０は、第１部分３１と、第２部分３２とを有する。

【0031】

第１部分３１は、後述するアウターレンズ４０の正面部４１に沿って配置される。第１部分３１は、背面側端面３１ａ及び正面側端面３１ｂを有する。背面側端面３１ａは、背面側に向けられる。背面側端面３１ａには、上記した導光体２０の第１導光部２１からの光が入射する。正面側端面３１ｂは、アウターレンズ４０の正面部４１に対向する。正面側端面３１ｂは、背面側端面３１ａから入射した光を正面部４１に向けて出射する。

【0032】

第２部分３２は、後述するアウターレンズ４０の上面部４２に沿って配置される。第２部分３２は、第１部分３１の上端から背面方向に向けて設けられる。第２部分３２は、当該上面部４２に向けて光を出射する。

【0033】

第２部分３２は、背面側端面３２ａと、正面側端面３２ｂと、下面３２ｃと、上面３２ｄとを有する。背面側端面３２ａは、第２部分３２の背面側の端部に配置される。背面側端面３２ａは、背面方向に向けられる。背面側端面３２ａには、上記した導光体２０の第２導光部２２からの光が入射する。

【0034】

下面３２ｃは、第２部分３２の下側に配置される。下面３２ｃには、上記した導光体２０の第１導光部２１からの光が入射する。下面３２ｃは、下方に向けられる。下面３２ｃには、プリズム部３２ｅが設けられる。プリズム部３２ｅは、下面３２ｃから入射する光を、アウターレンズ４０の上面部４２に向けて屈折させる。

【0035】

上面３２ｄは、第２部分３２の上側に配置される。上面３２ｄは、アウターレンズ４０の上面部４２に対向して配置される。上面３２ｄには、プリズム部３２ｆが設けられる。プリズム部３２ｆは、上面３２ｄから出射する光を屈折させる。上面３２ｄは、下面３２ｃから入射した光を上面部４２に向けて出射する。

【0036】

正面側端面３２ｂは、第２部分３２の正面側の端部に設けられる。正面側端面３２ｂは、正面方向に向けられる。正面側端面３２ｂは、背面側端面３２ａから入射した光をアウターレンズ４０の正面部４１に向けて出射する。

【0037】

アウターレンズ４０は、インナーレンズ３０から出射された光を車両用灯具１００の外部に出射する。アウターレンズ４０は、板状である。アウターレンズ４０は、ハウジング５０と共に車両用灯具１００の各部を収容する。アウターレンズ４０は、例えば透明又は点灯色と同系色の樹脂材料を用いて形成される。

【0038】

アウターレンズ４０は、正面部４１と、上面部４２と、下面部４３と、側面部４４とを有する。正面部４１は、正面方向に向けられる。正面部４１は、インナーレンズ３０の第１部分３１の正面側端面３１ｂ及び第２部分３２の正面側端面３２ｂと対向する。正面部４１は、正面側端面３１ｂ、３２ｂから出射される光を正面方向に透過する。

【0039】

上面部４２は、インナーレンズ３０の上面３１ｃと対向する。上面部４２は、上面３２ｄから出射される光を正面側の斜め上方に透過する。

【0040】

下面部４３は、インナーレンズ３０の下方に配置される。アウターレンズ４０は、正面部４１が正面側に突出するように上面部４２及び下面部４３が正面側に延び出した形状を有する。

【0041】

側面部４４は、アウターレンズ４０のうち車両内側の端部に設けられる。側面部４４には、プリズム部４４ａが設けられる。プリズム部４４ａは、例えば側面部４４の内側の面に形成される。プリズム部４４ａは、バックドア７側からアウターレンズ４０に入射する光をバックドア７側に反射する。

【0042】

ハウジング５０は、光源１０、導光体２０、インナーレンズ３０及びアウターレンズ４０を保持する。

【0043】

次に、上記のように構成された車両用灯具１００の動作の一例を説明する。運転者によってヘッドランプの点灯またはブレーキ装置と連動して点灯するテールランプおよびストップランプを点灯させる所定の操作が行われた場合、車両用灯具１００は、操作装置からの操作信号を取得する。光源１０の基板等に設けられる制御回路は、取得された信号に応じて、光源１０の発光制御を行う。

【0044】

光源１０の発光面１１から光が出射される。この光の一部は、導光体２０の第１入射部２４から第１導光部２１の内部に入射し、第１反射部２５のプリズム部２５ａで内面反射されて、第１出射部２６から出射される。

【0045】

図４に示すように、第１出射部２６から正面方向に出射される一部の光Ｌ１は、インナーレンズ３０の第１部分３１の背面側端面３１ａに入射する。背面側端面３１ａに入射した光Ｌ１は、第１部分３１により厚さ方向に導光され、正面側端面３１ｂから正面方向に出射される。正面側端面３１ｂから出射された光Ｌ１は、アウターレンズ４０の正面部４１を透過して正面方向に出射される。

【0046】

第１出射部２６から正面側の斜め上方に出射される一部の光Ｌ２は、インナーレンズ３０の第２部分３２の下面３２ｃに入射する。下面３２ｃに入射した光Ｌ２は、プリズム部３２ｅにより屈折され、第２部分３２の厚さ方向に導光されて上面３２ｄからプリズム部３２ｆを介して正面側の斜め上方に出射される。上面３２ｄから出射された光Ｌ２は、アウターレンズ４０の上面部４２を透過して正面側の斜め上方に出射される。

【0047】

第１出射部２６から正面側の斜め下方に出射される一部の光Ｌ３は、アウターレンズ４０の下面部４３に到達する。下面部４３に到達した光Ｌ３は、当該下面部４３を透過して正面側の斜め下方に出射される。

【0048】

また、光源１０の発光面１１から出射されて第１導光部２１の内部に入射した光の他の一部は、接続部２３を介して第２導光部２２に入射し、第２反射部２７のプリズム部２７ａで内面反射されて、第２出射部２８から出射される。第２出射部２８から出射された光Ｌ４は、インナーレンズ３０の第２部分３２の背面側端面３２ａに入射する。背面側端面３２ａに入射した光Ｌ４は、下面３２ｃ及び上面３２ｄで内面反射されることなく正面側端面３２ｂに到達し、当該正面側端面３２ｂから正面方向に出射される。正面側端面３２ｂから出射された光Ｌ４は、アウターレンズ４０の正面部４１を透過して正面方向に出射される。

【0049】

本実施形態において、導光体２０は、インナーレンズ３０の第１部分３１に向けて光Ｌ１を出射し、第２部分３２に向けて光Ｌ２及び光Ｌ４を出射し、アウターレンズ４０の下面部４３に向けて光Ｌ３を出射する。このように、導光体２０から出射される光Ｌ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４により、アウターレンズ４０の正面部４１、上面部４２及び下面部４３から光が均一に出射される。

【0050】

以上のように、本実施形態に係る車両用灯具１００は、光源１０と、車両搭載状態における左右方向に延び、光源１０からの光を導光して側面から出射する導光体２０と、導光体２０の側面に沿って配置され、導光体２０から出射される光を導光して出射するインナーレンズ３０と、インナーレンズ３０から出射される光を透過するアウターレンズ４０とを備え、アウターレンズ４０は、板状であり、車両搭載状態における正面部４１が正面側に突出するように上面部４２及び下面部４３が延び出した形状を有し、インナーレンズ３０は、板状であり、アウターレンズ４０の正面部４１に沿って配置され正面部４１に向けて光を出射する第１部分３１と、第１部分３１の上端から背面側に向けてアウターレンズ４０の上面部４２に沿って配置され上面部４２に向けて光を出射する第２部分３２とを有し、導光体２０は、インナーレンズ３０の第１部分３１及び第２部分３２と、アウターレンズ４０の下面部４３とに向けて光を出射するように設けられる。

【0051】

この構成によれば、車両用灯具１００の発光状態において、導光体２０から出射される光Ｌ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４が、アウターレンズ４０の正面部４１、上面部４２及び下面部４３から均一に出射される。このため、発光状態における車両用灯具１００の見栄えを向上することができる。

【0052】

本実施形態に係る車両用灯具１００において、導光体２０は、少なくとも第１部分３１に光を出射する第１導光部２１を有し、第１部分３１は、第１導光部２１からの光を正面部４１に向けて出射するように設けられる。この構成によれば、正面部４１から光を効率的に出射することができる。

【0053】

本実施形態に係る車両用灯具１００において、第１導光部２１は、第２部分３２の下面に向けて光を出射するように形成され、第２部分３２は、第１導光部２１からの光を上面部４２に向けて屈折させるプリズム部３２ｅ、３２ｆを有する。この構成によれば、上面部４２から光を効率的に出射することができる。

【0054】

本実施形態に係る車両用灯具１００において、第１導光部２１は、下面部４３に向けて光を出射するように設けられる。この構成によれば、下面部４３から光を効率的に出射することができる。

【0055】

本実施形態に係る車両用灯具１００において、導光体２０は、第２部分３２の背面側の端面に向けて光を出射する第２導光部２２を有し、第２部分３２は、第２導光部２２からの光を内面反射させないように第２部分３２の延在方向に沿って正面側に導光して正面部４１に向けて出射するように設けられる。この構成によれば、正面部４１を見た観察者に対して、立体的に光っているように視認させることができる。

【0056】

本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態では、導光体２０が第１導光部２１及び第２導光部２２を有する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。

【0057】

図５は、変形例に係る車両用灯具１００Ａを示す図である。図５に示すように、車両用灯具１００Ａにおいて、導光体２０Ａが、第１導光部２１及び第２導光部２２とは別の第３導光部２９を有する構成であってもよい。第３導光部２９は、第１導光部２１の下方に配置され、接続部２３Ａを介して第１導光部２１に接続される。第３導光部２９には、例えば第１導光部２１を介して光源１０からの光を供給してもよいし、光源１０とは別個の光源（不図示）を配置して、当該光源からの光を第３導光部２９に供給してもよい。

【0058】

第３導光部２９は、正面側の出射部２９ａから光Ｌ５を出射する。光Ｌ５は、正面側の斜め上方に進行し、インナーレンズ３０の第２部分３２に対して下面３２ｃから入射する。第２部分３２に入射した光Ｌ５は、上面３２ｄからプリズム部３２ｆを介して出射され、アウターレンズ４０の上面部４２を透過して外部に出射される。したがって、アウターレンズ４０の上面部から光を効率的に出射することができる。

【符号の説明】

【0059】

Ｌ１，Ｌ２，Ｌ３，Ｌ４，Ｌ５…光、１…車両、２…車体、３…走行装置、４…タイヤ、７…バックドア、１０…光源、１１…発光面、２０，２０Ａ…導光体、２１…第１導光部、２２…第２導光部、２２ａ，２５ａ，２６ａ，２７ａ，２８ａ，３２ｅ，３２ｆ，４４ａ…プリズム部、２３，２３Ａ…接続部、２４…第１入射部、２５…第１反射部、２６…第１出射部、２７…第２反射部、２８…第２出射部、２９…第３導光部、２９ａ…出射部、３０…インナーレンズ、３１…第１部分、３１ａ，３２ａ…背面側端面、３１ｂ，３２ｂ…正面側端面、３１ｃ，３２ｄ…上面、３２…第２部分、３２ｃ…下面、４０…アウターレンズ、４１…正面部、４２…上面部、４３…下面部、４４…側面部、５０…ハウジング、６０…灯室、１００，１００Ａ…車両用灯具

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】